JP2018077109A - 歩度調整機構、ムーブメント及び時計 - Google Patents

歩度調整機構、ムーブメント及び時計 Download PDF

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孝樹 金澤
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【課題】歩度調整を繰り返し行った場合であっても、長期に亘っててんぷの特性を維持できる歩度調整機構、ムーブメント及び時計を提供する。【解決手段】第2四番車と一体で回転する入力ディスク51と、第1四番車と一体で回転する出力ディスク52と、入力ディスク51及び出力ディスク52それぞれの外周面に係合して入力ディスク51から出力ディスク52に回転力を伝達するとともに、表裏面方向における入力ディスク51及び出力ディスク52との係合位置が変更可能な伝達部材53と、を備え、入力ディスク51及び出力ディスク52は、表裏面方向の位置によって外径が異なっている。【選択図】図4

Description

本発明は、歩度調整機構、ムーブメント及び時計に関する。
機械式時計のてんぷは、振動周期が予め決められた規定値内に設定されていることが重要とされている。これは、振動周期が規定値からずれてしまうと、機械式時計の歩度(時計の遅れ、進みの度合い)が変化するためである。
歩度を調整するための構成として、緩急針が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。緩急針は、ひげぜんまいの有効長さを調整することで、てんぷの振動周期を調整できるようになっている。
特許第5308545号公報
しかしながら、てんぷは非常にデリケートな部品であるため、上述したようにてんぷ自体の振動周期を調整する方法では、調整を繰り返し行うことで、てんぷの特性(例えば、ひげぜんまいの等時性やアオリ量等)が変化してしまうという課題があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、歩度調整を繰り返し行った場合であっても、長期に亘っててんぷの特性を維持できる歩度調整機構、ムーブメント及び時計の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る歩度調整機構は、第1歯車体と同軸に設けられて前記第1歯車体と一体で回転する入力ディスクと、第2歯車体と同軸に設けられて前記第2歯車体と一体で回転する出力ディスクと、前記入力ディスク及び前記出力ディスクそれぞれの外周面に係合して前記入力ディスクから前記出力ディスクに回転力を伝達するとともに、前記入力ディスク及び前記出力ディスクのうち何れか一方のディスクの厚さ方向における前記一方のディスクとの係合位置が変更可能な伝達部材と、を備え、前記一方のディスクは、前記厚さ方向の位置によって外径が異なっている。
本態様によれば、伝達部材と一方のディスクとの当接位置に応じて、入力ディスクにおける伝達部材との当接位置での周長、及び出力ディスクにおける伝達部材との当接位置での周長が異ならせることができる。これにより、伝達部材と入力ディスク及び出力ディスクとの当接位置に応じて、入力ディスクと出力ディスクとの速度伝達比を変更することができる。その結果、歩度が所望の範囲に対して遅れている場合に、歯車体を減速又は増速させ、歩度を調整できる。
しかも、歩度を調整する際に、従来のようにてんぷ自体の振動周期を調整する場合と異なり、繰り返しの歩度調整に起因しててんぷの特性が変化するのを抑制できる。その結果、歩度調整を繰り返し行った場合であっても、長期に亘っててんぷの特性を維持できる。
上記態様において、前記入力ディスク及び前記出力ディスクは、前記厚さ方向に交差する方向に並んで配置されていてもよい。
本態様によれば、入力ディスク及び出力ディスクが厚さ方向に交差する方向に並んでいるので、入力ディスク及び出力ディスクを厚さ方向に並べて配置する場合に比べて歩度調整機構(ムーブメント)の薄型化が可能になる。
上記態様において、前記一方のディスクは、前記厚さ方向の第1端側から第2端側に向かうに従い漸次外径が縮径していてもよい。
本態様によれば、一方のディスクの外径が、厚さ方向の第1端側から第2端側に向かうに従い漸次変化しているため、入力ディスクと出力ディスクとの速度伝達比の無段階調整が可能になる。そのため、歩度を高精度に調整できる。
上記態様において、ムーブメントの外側から前記伝達部材に連係可能とされ、前記伝達部材と前記一方のディスクとの前記厚さ方向における係合位置を変更する操作部を備えていてもよい。
本態様によれば、伝達ディスクと入力ディスク及び出力ディスクとの当接位置を、ムーブメントの外側から操作できるので、てんぷ自体の振動周期を調整する場合と異なり、歩度調整の際にケース蓋等を取り外す必要がない。そのため、作業性を向上させることができる。
上記態様において、前記入力ディスク及び前記出力ディスクのうち他方のディスクは、前記他方のディスクの厚さ方向の位置によって外径が異なり、前記伝達部材は、前記他方のディスクの厚さ方向における前記他方のディスクとの係合位置が変更可能に構成されていてもよい。
本態様によれば、入力ディスク及び出力ディスクの双方の外径が、厚さ方向の位置によって異なっているため、例えば一方のディスクのみの外径を異ならせる場合に比べて速度伝達比の調整範囲を広げることができる。
上記態様において、前記第2歯車体には、秒針が取り付けられてもよい。
本態様によれば、秒針が取り付けられる第2歯車体に出力ディスクが設けられているため、例えば二番車等に出力ディスクを設ける場合に比べて歩度の微調整が可能になる。
本発明の一態様に係るムーブメントは、上記態様の歩度調整機構を備えていてもよい。
本発明の一態様に係る時計は、上記態様のムーブメントを備えていてもよい。
本態様によれば、上記本態様の歩度調整機構を備えているため、長期に亘って歩度の精度が高い信頼性に優れたムーブメント及び時計を提供できる。
本発明によれば、歩度調整を繰り返し行った場合であっても、長期に亘っててんぷの特性を維持できる歩度調整機構、ムーブメント及び時計を提供できる。
実施形態に係る時計の外観図である。 実施形態に係るムーブメントの一部を構成する輪列の平面図である。 実施形態に係るムーブメントの一部を構成する輪列の側面図である。 図3のV部拡大断面図である。 伝達部材の減速位置を示す図4に対応する断面図である。 伝達部材の増速位置を示す図4に対応する断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
[時計]
図1は、時計1の外観図である。なお、以下に示す各図では、図面を見やすくするため、時計用部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計用部品を簡略化して図示している場合がある。
図1に示すように、本実施形態の時計1は、ムーブメント2や文字板3、各種指針4〜6等が時計ケース7内に組み込まれて構成されている。
時計ケース7は、ケース本体11と、ケース蓋(不図示)と、カバーガラス12と、を備えている。ケース本体11の側面のうち、3時位置(図1の右側)にはりゅうず15が設けられている。りゅうず15は、ケース本体11の外側からムーブメント2を操作するためのものである。りゅうず15は、ケース本体11内に挿通された巻真19に固定されている。
[ムーブメント]
ムーブメント2は、ムーブメント2の基板を構成する地板21に複数の歯車体等が回転可能に支持されて構成されている。地板21には、上述した巻真19が組み込まれている。巻真19は、日付や時刻の修正に用いられる。巻真19は、その軸線周りに回転可能、かつ軸方向に移動可能とされている。なお、以下の説明では、地板21に対して時計ケース7のカバーガラス12側(文字板3側)をムーブメント2の「裏側」と称し、ケース蓋側(文字板3側とは反対側)をムーブメント2の「表側」と称する。また、以下で説明する各歯車体は、何れもムーブメント2の表裏面方向を軸方向として設けられている。
図2は、ムーブメント2の一部を構成する輪列の平面図である。図3は、ムーブメント2の一部を構成する輪列の側面図である。
図2、図3に示すように、ムーブメント2の地板21(図1参照)には、輪列(表輪列22等)、調速脱進機23、歩度調整機構24等が搭載されている。
表輪列22は、香箱車(不図示)、二番車31、三番車32、第1四番車(第2歯車体)33及び第2四番車(第1歯車体)34を含んでいる。
香箱車は、内部に時計1の動力源となる図示しない主ぜんまいを有している。主ぜんまいは、例えば巻真19を回転させることにより巻き上げられる。香箱車は、主ぜんまいが巻き戻される際の回転力により回転する。
二番車31は、二番かな31a及び二番歯車31bが二番真31cに配設されて構成されている。二番かな31aには、上述した香箱車が噛合している。
三番車32は、三番かな32a及び三番歯車32bが三番真32cに配設されて構成されている。三番かな32aは、二番車31の二番歯車31bに噛合している。
第1四番車33は、四番かな33aが第1四番真33bに配設されて構成されている。四番かな33aは、三番車32の三番歯車32bに噛合している。
第2四番車34は、四番歯車34aが第2四番真34bに配設されて構成されている。第2四番車34は、歩度調整機構24を介して第1四番車33に接続されている。
上述した表輪列22のうち、第1四番真33bには秒針6(図1参照)が取り付けられている。二番真31cには、分針5(図1参照)が取り付けられている。また、二番車31の回転に伴って回転する筒車(不図示)に、上述した時針4が取り付けられている。
調速脱進機23は、上述した表輪列22の回転を制御する。調速脱進機23は、てんぷ(不図示)と、アンクル(不図示)と、がんぎ車36と、を有している。
てんぷは、ひげぜんまいを有している。てんぷは、ひげぜんまいの動力を利用して一定の振動周期(振り角)で往復回転(正逆回転)する。
アンクルは、てんぷの往復回転に伴い、回動可能に構成されている。アンクルは、一対のつめ石を備えている。
がんぎ車36は、がんぎ歯車36a及びがんぎかな36bががんぎ真36cに配設されて構成されている。がんぎかな36aは、第2四番車34の四番歯車34aに噛合している。がんぎ歯車36aには、アンクルが回動することで、アンクルの一対のつめ石が交互に係合する。がんぎ車36は、一対のつめ石及びつめ石のうち、一方のつめ石ががんぎ歯車36aに係合しているとき、一時的に回転が停止する。また、がんぎ車36は、一対のつめ石ががんぎ歯車36aから離脱しているとき、回転する。これらの動作が連続的に繰り返されることにより、がんぎ車36が間欠的に回転する。そして、がんぎ車36の間欠的な回転運動により、上述した輪列(表輪列22)が間欠的に動作する。
<歩度調整機構>
図4は、図3のV部拡大断面図である。
図2〜図4に示すように、歩度調整機構24は、入力ディスク51と、出力ディスク52と、伝達部材53と、を主に備えている。
入力ディスク51は、第2四番真34bにおける四番歯車34aに対して表側に位置する部分に第2四番真34bと同軸に固定されている。入力ディスク51は、第2四番車34の回転に伴い、第2四番車34と一体で回転する。
入力ディスク51は、円板状に形成されている。図4に示すように、入力ディスク51の外径は、表側から裏側に向かうに従い漸次拡径されている。本実施形態において、入力ディスク51の外周面は、入力ディスク51の径方向の内側に向けて凸の湾曲面とされている。なお、本実施形態において、入力ディスク51の最大外径(入力ディスク51の裏側端縁での外径)は、四番歯車34aの最大外径よりも小さくなっている。但し、入力ディスク51の最大外径は、四番歯車34aの最大外径以上であっても構わない。
出力ディスク52は、第1四番真33bにおける四番かな33aに対して表側に位置する部分に第1四番真33bと同軸に固定されている。出力ディスク52は、第1四番車33の回転に伴い、第1四番車33と一体で回転する。出力ディスク52は、表裏面方向に直交する方向のうち、第1四番車33の軸線O1及び第2四番車34の軸線O2同士を結ぶ方向(以下、「所定方向」という。)において、入力ディスク51と並んで配置されている。また、出力ディスク52と入力ディスク51とは、表裏面方向で同位置に配置されている。
出力ディスク52は、入力ディスク51と同様の構成とされている。すなわち、出力ディスク52の外径は、表側から裏側に向かうに従い漸次拡径されている。本実施形態において、出力ディスク52の外周面は、出力ディスクの径方向の内側に向けて凸の湾曲面とされている。このように、各ディスク51,52は、表裏面方向及び所定方向に沿う断面視において、上述した所定方向で各ディスク51,52間の中心を通り、表裏面方向に延びる対称線Lに対して線対称に形成されている。
また、各ディスク51,52の外周面において、所定方向で対向する部分(各ディスク51,52の外周面間の距離が最も短い部分)同士は、曲率中心(以下、単に「中心P」という。)が一致している。本実施形態において、中心Pは、上述した対称線L上に設定されている。なお、入力ディスク51及び出力ディスク52の外周面は、例えば表裏面方向に交差する方向に延びる傾斜面であってもよい。
伝達部材53は、所定方向における各ディスク51,52間に配置され、入力ディスク51の回転力を出力ディスク52に伝達する。伝達部材53は、伝達車61と、図示しない軸受ユニットと、を有している。
軸受ユニットは、上述した中心Pを支点にして所定方向に揺動可能に構成されている。軸受ユニットは、例えば上述した巻真19を引き出した際(歩度調整位置)に巻真19に係合するように構成されている。すなわち、軸受ユニットは、巻真19が歩度調整位置にあるとき、巻真19の軸線回りの回転操作に連係して揺動するようになっている。なお、時計ケース7の外側から軸受ユニットを揺動操作するための操作部を、巻真19とは別に設けても構わない。但し、ケース蓋等を取り外してムーブメント2内に直接アクセスして伝達部材53を操作しても構わない。
伝達車61は、伝達軸62に伝達ディスク63が配設されて構成されている。
伝達軸62の両端部は、軸受ユニットに回転可能に支持されている。
伝達ディスク63は、円板状に形成されている。伝達ディスク63の外周面は、入力ディスク51及び出力ディスク52の外周面に倣って形成されている。すなわち、伝達ディスク63の外径は、表側から裏側に向かうに従い漸次縮径している。具体的に、伝達ディスク63の外周面は、伝達ディスク63の径方向の外側に凸の湾曲面とされている。本実施形態において、伝達ディスク63の曲率中心は、上述した中心Pに一致している。そして、伝達ディスク63の外周面は、入力ディスク51及び出力ディスク52の外周面に当接(係合)している。
伝達車61は、入力ディスク51の回転に伴い、入力ディスク51の外周面と伝達ディスク63の外周面との間の摩擦によって伝達軸62の伝達軸線O3(図4の例では対称線Lに一致している。)回りに回転する。また、伝達車61は、伝達車61の回転に伴い、伝達ディスク63の外周面と出力ディスク52の外周面との摩擦によって出力ディスク52を回転させる。なお、本実施形態において、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、の間に作用する摩擦力(静止摩擦力)は、香箱車から第1四番車33に伝達される回転力よりも大きくなっている。
また、伝達ディスク63は、上述した軸受ユニットの揺動動作に伴い、入力ディスク51の外周面上及び出力ディスク52の外周面上を摺動する。これにより、伝達ディスク63の外周面と、入力ディスク51の外周面及び出力ディスク52の外周面と、の表裏面方向における当接位置が変更される。
図5は、伝達部材53の減速位置を示す図4に対応する断面図である。図6は、伝達部材53の増速位置を示す図4に対応する断面図である。
図5、図6に示すように、伝達ディスク63は、入力ディスク51の外周面上を大径側(表側)から小径側(裏側)に摺動するのに伴い、出力ディスク52の外周面上を小径側(裏側)から大径側(表側)に摺動する。そして、伝達部材53の揺動動作に伴い、入力ディスク51及び出力ディスク52において、伝達ディスク63との当接位置での周長が変更される。具体的に、図5に示すように、伝達部材53は、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置よりも大径側の場合に減速位置となる。一方、図6に示すように、伝達部材53は、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置よりも小径側の場合に増速位置となる。
[作用]
次に、上述した時計1の作用について説明する。なお、以下の説明では、図4に示す伝達軸線O3が対称線Lと一致している状態を初期状態とする。すなわち、初期状態では、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置と、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置と、が表裏面方向で同位置(同じ周長の部分)に設定されている。
まず、本実施形態のムーブメント2では、上述したがんぎ車36の回転に伴い、表輪列22等が回転するようになっている。すなわち、がんぎ車36の回転に伴い、第2四番車34が入力ディスク51と一体で回転すると、入力ディスク51の回転力が入力ディスク51の外周面を介して伝達ディスク63の外周面に伝達される。すると、入力ディスク51の回転に伴い、伝達車61が回転する。また、伝達車61の回転力は、伝達ディスク63の外周面を介して出力ディスク52の外周面に伝達される。これにより、伝達車61の回転に伴い、出力ディスク52が第1四番車33と一体に回転する。その後、第1四番車33の回転に伴い、三番車32、二番車31及び筒車が回転する。このとき、第1四番車33が1分で1回転し、二番車31が1時間で1回転し、筒車が12時間で1回転する。これにより、時計1が時を刻む。なお、初期状態において、入力ディスク51に対する出力ディスク52の速度伝達比(回転数の比)は「1」となっている。
ここで、歩度が所望の範囲に対してずれている場合には、歩度調整機構24によって歩度を調整する。具体的には、まず巻真19を歩度調整位置まで引き出して、巻真19と伝達部材53(軸受ユニット)とを係合させる。そして、巻真19を回転操作して、伝達部材53を中心P回りに揺動させる。このとき、歩度が所望の範囲に対して進んでいる場合には、伝達部材53を減速位置に移動させる。
図5に示すように、減速位置では、出力ディスク52における伝達ディスク63との当接位置が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置よりも大径側となる。そのため、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置での周長が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置での周長よりも長くなる。したがって、伝達車61を介して出力ディスク52が回転する際に、出力ディスク52の回転数が入力ディスク51の回転数に対して少なくなる。これにより、出力ディスク52の回転を減速できる。その結果、第1四番車33や三番車32、二番車31、筒車の回転を減速させることができ、歩度を遅らせることができる。
一方、歩度が所望の範囲に対して遅れている場合には、伝達部材53を増速位置に移動させる。図6に示すように、増速位置において、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置よりも小径側となる。そのため、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置での周長が、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置での周長よりも短くなる。したがって、伝達車61を介して出力ディスク52が回転する際に、出力ディスク52の回転数が入力ディスク51の回転数に対して多くなる。これにより、出力ディスク52の回転を増速できる。その結果、第1四番車33や三番車32、二番車31、筒車の回転を増速させることができ、歩度を進めることができる。
なお、歩度調整時において、入力ディスク51に対する出力ディスク52の速度伝達比は、出力ディスク52における伝達ディスク63の当接位置での周長と、入力ディスク51における伝達ディスク63の当接位置での周長と、に応じて適宜変更が可能である。また、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、の当接位置は、伝達軸線O3と対称線Lとの傾斜角度に応じて適宜変更が可能である。
このように、本実施形態では、入力ディスク51から出力ディスク52に回転力を伝達するとともに、入力ディスク51及び出力ディスク52との表裏面方向における当接位置(係合位置)が変更可能な伝達部材53を備える構成とした。
この構成によれば、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、の当接位置に応じて、入力ディスク51における伝達ディスク63との当接位置での周長、及び出力ディスク52における伝達ディスク63との当接位置での周長を異ならせることができる。これにより、伝達ディスク63と入力ディスク51及び出力ディスク52との当接位置に応じて、入力ディスク51と出力ディスク52との速度伝達比を変更することができ、歩度を調整できる。
しかも、歩度を調整する際に、従来のようにてんぷ自体の振動周期を調整する場合と異なり、繰り返しの歩度調整に起因しててんぷの特性が変化するのを抑制できる。その結果、歩度調整を繰り返し行った場合であっても、長期に亘っててんぷの特性を維持できる。
本実施形態では、入力ディスク51及び出力ディスク52が表裏面方向に直交する方向に並んでいるので、入力ディスク51及び出力ディスク52を表裏面方向に並べて配置する場合に比べてムーブメント2の薄型化が可能になる。
本実施形態では、入力ディスク51及び出力ディスク52の外径が、表側(第1端側)から裏側(第2端側)に向かうに従い漸次変化しているため、入力ディスク51と出力ディスク52との速度伝達比の無段階調整が可能になる。そのため、歩度を高精度に調整できる。
本実施形態では、伝達ディスク63と入力ディスク51及び出力ディスク52との当接位置を、巻真19の操作に応じて変更することができるので、てんぷ自体の振動周期を調整する場合と異なり、歩度調整の際にケース蓋等を取り外す必要がない。そのため、作業性を向上させることができる。
本実施形態では、入力ディスク51及び出力ディスク52の双方の外径が、表裏面方向の位置によって異なっているため、例えば一方のディスクのみの外径を異ならせる場合に比べて速度伝達比の調整範囲を広げることができる。
本実施形態では、秒針6が取り付けられる第1四番車33に出力ディスク52が設けられているため、例えば二番車31等に出力ディスク52を設ける場合に比べて歩度の微調整が可能になる。
そして、本実施形態のムーブメント2及び時計1では、上述した歩度調整機構24を備えているため、長期に亘って歩度の精度が高い信頼性に優れたムーブメント2及び時計1を提供できる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、入力ディスク51及び出力ディスク52の双方が、表裏面方向の位置によって外径が異なる場合について説明したが、入力ディスク51及び出力ディスク52の何れか一方のディスクのみの外径が異なっていても構わない。この場合には、一方のディスクと伝達ディスク63との係合位置が変更できれば構わない。
上述した実施形態では、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、が摩擦によって係合する構成について説明したが、この構成のみに限らず、例えば歯車等、種々の構成によって係合させることが可能である。
上述した実施形態では、入力ディスク51及び出力ディスク52が表裏面方向に直交する方向に並んでいる構成について説明したが、この構成のみに限らず、表裏面方向に並んでいても構わない。
上述した実施形態では、各ディスク51,52の外径が漸次変化する構成について説明したが、この構成のみに限られない。少なくとも各ディスク51,52の外径が表裏面方向の位置によって異なる構成であれば構わない。
上述した実施形態では、伝達部材53が揺動することで、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、の係合位置を変更させる構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、伝達部材53を表裏面方向に移動させることで、伝達ディスク63と、入力ディスク51及び出力ディスク52と、の係合位置を変更させる等、種々の構成を採用できる。
上述した実施形態では、第1四番車33及び第2四番車34の間で速度伝達比を調整する構成について説明したが、その他の歯車体で速度伝達比を調整しても構わない。この場合、歯車体は、指針が取り付けられる歯車体であっても、指針が取り付けられない歯車体であっても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…時計
2…ムーブメント
6…秒針
19…巻真(操作部)
24…歩度調整機構
33…第1四番車(第2歯車体)
34…第2四番車(第1歯車体)
51…入力ディスク
52…出力ディスク
53…伝達部材

Claims (8)

  1. 第1歯車体と同軸に設けられて前記第1歯車体と一体で回転する入力ディスクと、
    第2歯車体と同軸に設けられて前記第2歯車体と一体で回転する出力ディスクと、
    前記入力ディスク及び前記出力ディスクそれぞれの外周面に係合して前記入力ディスクから前記出力ディスクに回転力を伝達するとともに、前記入力ディスク及び前記出力ディスクのうち何れか一方のディスクの厚さ方向における前記一方のディスクとの係合位置が変更可能な伝達部材と、を備え、
    前記一方のディスクは、前記厚さ方向の位置によって外径が異なっていることを特徴とする歩度調整機構。
  2. 前記入力ディスク及び前記出力ディスクは、前記厚さ方向に交差する方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歩度調整機構。
  3. 前記一方のディスクは、前記厚さ方向の第1端側から第2端側に向かうに従い漸次外径が縮径していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歩度調整機構。
  4. ムーブメントの外側から前記伝達部材に連係可能とされ、前記伝達部材と前記一方のディスクとの前記厚さ方向における係合位置を変更する操作部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の歩度調整機構。
  5. 前記入力ディスク及び前記出力ディスクのうち他方のディスクは、前記他方のディスクの厚さ方向の位置によって外径が異なり、
    前記伝達部材は、前記他方のディスクの厚さ方向における前記他方のディスクとの係合位置が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の歩度調整機構。
  6. 前記第2歯車体には、秒針が取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の歩度調整機構。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の歩度調整機構を備えていることを特徴とするムーブメント。
  8. 請求項7に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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