JP7038491B2 - 緩急針、ムーブメント、及び時計 - Google Patents

緩急針、ムーブメント、及び時計 Download PDF

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Description

本発明は、緩急針、ムーブメント、及び時計に関する。
機械式時計のてんぷは、振動周期が予め決められた規定値内に設定されていることが重要とされている。これは、振動周期が規定値からずれてしまうと、機械式時計の歩度(時計の遅れ、進みの度合い)が変化するためである。
歩度を調整するための方法として、内端部がてんぷのてん真に固定され、外端部がひげ持に固定されたひげぜんまいの有効長さを調節するいわゆる緩急針が知られている。緩急針は、ひげぜんまいを挟み込むひげ棒の位置を調整することにより、ひげぜんまいの有効長さ(例えば、てんぷの振動周期に影響を及ぼすひげぜんまいの長さ)を変化させ、てんぷの振動周期を調整するようになっている。このように調節されたひげぜんまいは、所定の振動周期で収縮を繰り返し、所定の周期で、ひげ棒に当接するようになっている(例えば、特許文献1)。
特許第5308545号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ひげぜんまいの端部とひげ棒とが接触を繰り返すと、ひげ棒が次第に摩耗し形状が変化してしまう。そして、ひげ棒の形状が変化すると、ひげぜんまいの有効長さが変わる結果、ひげぜんまいがひげ棒に当接する周期が変わってしまい、歩度が増加するなど悪影響を及ぼしてしまう。
ひげぜんまいと摩擦によって支持された部材(ひげ棒肩部)が、ひげぜんまいと接触し、次第に摩耗し形状が変化してしまう。ひげぜんまいを支持する部分の形状が変化してしまうと、予め調整したひげぜんまいの有効長さが変わってしまい、振動周期も変わる結果、歩度が増加してしまうという問題点があった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、摩耗を抑制することができる緩急針、ムーブメント、及び時計を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る緩急針は、ひげぜんまいの両端より内側に接触可能な突出部を備えることを特徴とする。また、前記緩急針は、前記ひげぜんまいを挟み込んだ状態で備えられるひげ棒構造体を有し、前記ひげ棒構造体に前記ひげぜんまいの両端より内側に接触可能な突出部が備えられることを特徴とする。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、ひげ棒構造体との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。
また、前記緩急針は、ひげ棒とひげ受を備え、前記ひげ棒又は前記ひげ受のうち少なくとも一つに前記ひげぜんまいの両端より内側に接触可能な突出部を備えても良い。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、前記ひげ棒又は、前記ひげ受との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。
また、前記緩急針は、ひげ棒を2つ備え、前記ひげ棒のうち少なくとも一つに前記ひげぜんまいの両端より内側に接触可能な突出部を備えても良い。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
また、前記突出部は、前記ひげぜんまいの平面部と略平行な平面部を有しても良い。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ接触面積を増やすことができるので、かかる部品にかかる力が分散し、かかる部品の磨耗をより抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
また、前記突出部には、前記ひげぜんまいと多点接触可能な円弧部を有しても良い
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ接触点を増やすことができるので、かかる部品にかかる力が分散し、かかる部品の磨耗をより抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
また、前記突出部は複数層の硬質表面処理で形成されても良い。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、かかる部品の硬度が前記ひげぜんまいの硬度より大きくなり、かかる部品の磨耗をより抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
また、前記突出部は貴石であっても良い。
この構成によれば、前記ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、かかる部品の硬度が前記ひげぜんまいの硬度より大きくなり、かかる部品の磨耗をより抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
本発明に係るムーブメントは、上記本発明の緩急進を備えていることを特徴とする。
本発明に係る時計は、上記本発明のムーブメントを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、上記本発明の緩急針を備えているため、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品の形状変化を抑制し、歩度の精度が高いムーブメント及び時計を提供することができる。
本発明によれば、摩耗を抑制することができる緩急針、ムーブメント、及び時計を提供することができる。
時計の外観図である。 ムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るてんぷを表側から見た平面図である。 図3に示すA-A線に沿ったてんぷユニットの断面図である。 第1実施形態に示す緩急針の断面図である。 歩度調節の種類と、その種類に応じたひげぜんまいとひげ棒及び、ひげ受部の位置関係を示す図である。 ひげぜんまいが傾いた際のひげぜんまいと、ひげ棒及び、ひげ受部との位置関係を示す図である。 第2実施形態に示す緩急針の断面図である。 第3実施形態に示す緩急針の断面図である。 平行部を設けた突出部と、ひげぜんまいの位置関係を示す図である。 多点接触部を設けた突出部と、ひげぜんまいの位置関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る一実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の緩急針を備えるムーブメントが組み込まれた時計に適用した場合の実施形態である。
なお、以下に示す図面において同一の部材番号を付した部材は、少なくとも同一の機能、作用、又は効果を示すものとする。

1.第1実施形態
[時計]
図1を参照して、本発明のひげぜんまい調整機構を備えるムーブメントが組み込まれた時計について説明する。
まず、図1を参照して、本発明のひげぜんまい調整機構を備えるムーブメントが組み込まれた時計の外観について説明する。
図1は、本発明のひげぜんまい調整機構を備えるムーブメントが組み込まれた時計の外観を示す図である。
図1に示すように、本発明の時計1は、ケース蓋(不図示)及びガラス2を有する時計ケース3内に、ムーブメント8や、時刻に関する情報を示す目盛り等を有する文字板4、各種指針(時針5、分針6及び秒針7)等が組み込まれて構成されている。
[ムーブメント]
次に、図2を参照して、本発明のムーブメントについて説明する。
図2は、ムーブメント8を表側から見た平面図である。なお、図2では、図面を見やすくするため、ムーブメント8を構成する時計用部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計用部品を簡略化して図示している。また、以下の説明では、ムーブメント8の基板を構成する地板10に対して時計ケース3のガラス2側(文字板4側)をムーブメント8の「裏側」と称し、ケース蓋側(文字板4側とは反対側)をムーブメント8の「表側」と称する。
図2に示すように、ムーブメント8は、地板10と、香箱車、二番車、三番車及び四番車を含む図示しない表輪列と、表輪列の回転を制御するための脱進調速機11等と、を備えている。なお、図示のムーブメント8は、回転錘12を備えた自動巻式時計用を例にしている。但し、この場合に限定されるものではなく、巻真9による手巻き式時計用のムーブメント8であっても構わない。
上述した表輪列のうち、四番車には上述した秒針7が取り付けられ、二番車には分針6が取り付けられる。また、二番車の回転に伴って回転する筒車に、上述した時針5が取り付けられる。
脱進調速機11は、四番車に噛み合う図示しないがんぎ車と、がんぎ車を脱進させる図示しないアンクルと、一定周期で規則正しく動作するてんぷ13と、を備えている。
次に、図3及び図4を参照して、本発明のてんぷについて説明する。
図3はてんぷ13を表側から見た平面図であり図4は図3のA-A線に沿う断面図である。
図3に示すように、てんぷ13は、てんぷ13の中心軸01周りに回転自在とされたてん真14と、てん真14を軸支する軸受15と、てん真14に取り付けられたてん輪16と、てん真14とてん輪16との間に配置されたひげぜんまい17と、中心軸01周りに回転可能とされたひげ持受18と、中心軸01周りに回転可能とされた緩急針19とを備えている。
なお、以下の説明では、中心軸01に沿う方向を軸方向といい、中心軸01に直交する方向を径方向といい、中心軸01周りに周回する方向を周方向という場合がある。
てん真14は、ひげぜんまい17から伝えられた動力によって中心軸01周りに一定の振動周期で正逆回動する。てん真14は、軸方向における一端部(表側端部)が軸受15を介しててんぷ受20に支持され、他端部(裏側端部)が地板10(図2参照)に形成された図示しない軸受に支持されている。てん真14の他端部には、上述したアンクルに連係する筒状の振り座21(図4参照)が外装されている。
てんぷ受20は、軸方向から見た平面視で円弧状とされ、時計ケース3の形状に合わせて延在している。具体的に、てんぷ受20は、延在方向の一端側(緩急針19とは反対側)に位置するとともに、地板10に取り付けられる取付基部22と、取付基部22から延在方向の他端側(緩急針19側)に向けて突設された台座プレート23と、を有している。
取付基部22には、軸方向に貫通する取付孔24が複数形成されている。てんぷ受20は取付孔24内に各別に挿通された固定ねじ25(図2参照)を介して地板10に固定されている。
台座プレート23は、取付基部22に対して裏側に一段下がって形成されている。台座プレート23には、軸受15を保持する軸受筒部26(図4参照)が中心軸01と同軸上に形成されている。
軸受15は、いわゆる耐振軸受であって、軸受枠27と、軸受枠27内に取り付けられ、てん真14の一端部を回転可能に支持する穴石28と、穴石28に重ねて配置され、てん真14の一端部を表側から支持する受石29と、受石29に重ねて配置され、受石29をてん真14に向けて付勢する図示しない受石押さえばねと、を備えている。なお、軸受15の構成は一例であり、てん真14を回転可能に支持できる構成であれば、適宜設計変更が可能である。
軸受枠27は、中心軸O1と同軸上に配置されるとともに、軸方向における一端部が他端部に比べて拡径された多段筒状とされている。軸受枠27は、その他端部が台座プレート23の上述した軸受筒部26内に表側から圧入されることで、てんぷ受20に固定されている。
図4に示すように、てん輪16は、てん真14に圧入等によって固定されたハブ部30と、ハブ部30を径方向の外側から囲繞する環状のリム部31と、これらハブ部30及びリム部31間を連結する連結部32と、を備えている。
図3、図4に示すように、ひげ持受18は、軸方向から見た平面視で略C字状を呈し、台座プレート23の軸受筒部26に外嵌されている。ひげ持受18は、所定の回転トルクを付与したときに軸受筒部26に対してスリップし、中心軸01周りに回転可能とされている。
ひげ持受18は、径方向の外側に向けて延在し、その先端部でひげ持33を保持する一対のひげ持アーム34を有している。各ひげ持アーム34は、周方向に間隔を配設され、ひげ持33を挟持している。
ひげぜんまい17は、ある一点を起点として、アルキメデス曲線に沿うように拡径しながら巻回されており、軸方向から見た平面視で渦巻状の平ひげである。ここで、ひげぜんまい17の形状のうち、起点側の点を内端部、終点側の点を外端部と定義する。
ひげぜんまい17は、その内端部がひげ玉35(図4参照)を介して、てん真14に連結され、外端部が上述したひげ持33に連結されている。なお、ひげぜんまい17の外端部は径方向の外側に膨出した弧状部とされている。
<緩急針>
次に、図3、図4を参照して、本発明の緩急針について説明する。
図3、図4に示すように、緩急針19は、中心軸01周りに回転可能な緩急針体36と、緩急針体36に保持されたひげ棒ユニット37と、を備えている。
緩急針体36は、上述した軸受枠27の一端部(軸受筒部26から突出した部分)に回転可能に外嵌されたベース部38と、ひげ棒ユニット37を保持する一対の保持アーム39を備えている。
ベース部38は、軸方向から見た平面視でC字状を呈している。緩急針体36は、所定の回転トルクを付与したときに軸受枠27に対してスリップし、中心軸01周りに回転する。
保持アーム39は、ベース部38から径方向の外側に向けて突設されている。各保持アーム39は、周方向に間隔をあけて配設され、互いに接近離間する方向に弾性変形可能とされている。
次に、図4、図5を参照して、本発明のひげ棒ユニットについて説明する。
まず、図4を参照して、本発明のひげ棒ユニットの概要について説明する。
図4に示すように、ひげ棒ユニット37は、緩急針体36の保持アーム39に挟持された軸体40と、軸体40からひげぜんまい17側(裏側)に向けて二又状に延びるひげ棒部41及び、ひげ受部42と、を備えている。
軸体40は、中心軸01に対して平行な軸線02に沿って延びる柱状とされ、保持アーム39間において、径方向に移動可能で、かつ軸線02周りに回転可能に挟持されている。
ひげ棒部41及び、ひげ受部42は、ひげぜんまい17の外端部のうち、上述したひげ持33よりも内端部寄りに位置する部分に対して径方向に隙間をあけた状態で、ひげぜんまい17を挟んで径方向で対向している。具体的に、ひげぜんまい17のうち、径方向の内側にひげ棒部41が配置され、径方向の外側にひげ受部42が配置されている。ひげぜんまい17は、その外端部がひげ棒部41とひげ受部42との間で径方向に振動可能、かつひげ棒部41とひげ受部42に接触可能とされている。
次に、図5を参照して、本実施形態のひげ棒ユニットの詳細について説明する。
図5は本実施形態にかかる緩急針の側面図である。
一般的なひげ棒ユニットでは、ひげ棒部及び、ひげ受部は高速で収縮運動を行うひげぜんまいと接触する為、摩耗が発生し、ひげ棒部及び、ひげ受部の形状が変化してしまう。特に外乱の影響により、ひげぜんまいの角とひげ棒部及び、ひげ受部が接触してしまう場合、接触応力が大きくなり、ひげ棒部及び、ひげ受部の摩耗量も多くなる。
そのため、本発明では、図5に示すように、ひげぜんまいの角45と、ひげ棒部41及び、ひげ受部42が接触するのを防ぐため、ひげ棒部41及び、ひげ受部42にひげぜんまい17の長手方向の両端より内側に接触可能な突出部43、44を備えている。
具体的には、突出部43、44は、ひげぜんまいの中心線03上に仮想中心46,47をもつ円弧形状をしており、ひげぜんまいの角45との接触を防ぐようになっている。
ここで、歩度調節の種類と、ひげぜんまい17の収縮運動時における、ひげぜんまいと17と、突出部43、44の位置関係について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、歩度調節の種類と、その種類に応じたひげぜんまい17の収縮運動時におけるひげぜんまい17と、突出部43、44の位置関係を示す図である。
まず、図6を用いて、歩度調節の種類について説明する。
機械式時計では、仕様を満たす歩度を調整することが行われる。歩度調節には緩急針19を回転させて行う粗調整とひげ棒ユニット37を回転させて行う微調整がある。
粗調整では、緩急針19をてんぷの中心軸01周りに回転させ、ひげ棒部41及び、ひげ受部42の位置をひげぜんまい17の長さ方向(ひげぜんまいの周方向)に移動させる。これにより、ひげぜんまい17が振動する際の有効長さ(ひげぜんまいの内端部と、ひげぜんまいとひげ棒部及び、ひげ受部との接触部分と、の間の長さ)を調整することができ、歩度が調整される。
微調整ではひげ棒ユニット37を中心軸02中心に回転させる。これにより、ひげぜんまい17とひげ棒部41及びひげ受部42の接触方法を調節することができ、歩度が調節される。そして、歩度が調整されると、その状態に応じて、ひげぜんまい17とひげ棒部41及び、ひげ受部42の位置関係が決まる。
そして、このように調整される歩度調節の種類として、図6に示すように、片あおり、両あおり、あおり止めの三種類があり、ひげぜんまいの平等時性によって調節方法を使い分けている。
次に、図6を用いて、ひげぜんまい17の収縮運動時におけるひげぜんまい17と、突出部43、44の位置関係について説明する。
図6において、収縮とはひげぜんまい17が最も収縮した状態を示し、中立初期とはひげぜんまい17が自然長状態(てんぷの振り角が0度の時のひげぜんまい17の状態)を示し、拡大とはひげぜんまい17が最も拡径した状態を示す。
ここで、図6の片あおりでは、ひげぜんまいの収縮時に、ひげ棒部41とひげぜんまい17が接触し、ひげぜんまいの中立初期、拡大時には、ひげぜんまいとひげ棒部41及び、ひげ受部42は接触しない。
また、両あおりでは、ひげぜんまいの収縮時には、ひげ棒部41とひげぜんまい17が接触し、ひげぜんまいの中立初期時には、ひげぜんまいとひげ棒部41及び、ひげ受部42は接触せず、ひげぜんまいの拡大時にはひげ受部42とひげぜんまい17が接触する。
最後に、あおり止めでは、ひげぜんまいの収縮、中立初期、拡大時に、ひげ棒部41とひげぜんまい17が常に接触している。
ここで、さらに、図6及び7を用いて、あおり止めに調整されたひげぜんまい17の収縮運動時における、ひげぜんまい17と、突出部43、44の位置関係について説明する。ここで、図7は、外乱などでひげぜんまいが傾いた際のひげぜんまい17と、ひげ棒部41及び、ひげ受部42との位置関係を示す図である。
図6のあおり止め欄は、あおり止めに調整されたひげぜんまい17の収縮運動時における、ひげぜんまい17と、突出部43、44の位置関係を示している。
あおり止めでは、図6のあおり止めの欄に示されるように、ひげぜんまい17の収縮運動期間中、常にひげ棒部41にひげぜんまい17が接触する。常に接触することによって、ひげぜんまいの有効長さをひげぜんまいの内端部からひげぜんまいとひげ受部42の接触部分に調整することができる。
この際に、突出部43の円弧部分が、ひげぜんまいの平面部に当接することでひげぜんまいの角45がひげ棒部41と接触することを防止している。
また、図7に示すように、外乱などでひげぜんまいが傾いた際にも、突出部43の円弧部分が、ひげぜんまいの平面部に当接するので、ひげぜんまいの角17とひげ棒部41接触を防止している。
片あおり、両あおりの際も同様に、ひげぜんまい17がひげ棒部41及びひげ受部42と接触する際には、突出部43、44がひげぜんまいの平面部に当接することでひげぜんまいの角45がひげ棒部41及び、ひげ受部42と接触することを防止している。
なお、片あおりに調節された場合には、ひげぜんまい17の拡大時に、ひげ受部42とひげぜんまい17が接触することとなるが、この場合にも、ひげぜんまいの角45とひげ棒部41、又はひげ受部42の接触を防止することができることとなる。
以上説明したように、本発明によれば、ひげぜんまいと、例えばひげを受けるひげ棒構造体等の緩急針を構成する部品との接触において、ひげぜんまいの角での接触を防ぎ、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
なお、本実施形態では、径方向の内側にひげ棒部41が配置され、径方向の外側にひげ受部42が配置されているが、径方向の外側にひげ棒部41が配置され、径方向の内側にひげ受部42を配置するようにしてもよい。また、突出部はひげ棒部41及び、ひげ受部42のどちらか一方でも良い。
2.第2実施形態
次に、図8を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は第2実施形態にかかる緩急針201の側面図である。
図8に示すように、本実施形態にかかる緩急針201は緩急針体202と、緩急針体202に保持されたひげ棒203とひげ受204を供えている。
ひげ棒203及び、ひげ受204は、ひげぜんまい205の外端部よりも内端部寄りに位置する部分に対して径方向に隙間をあけた状態で、ひげぜんまい205を挟んで径方向で対向している。具体的に、ひげぜんまい205のうち、径方向の内側にひげ棒203が配置され、径方向の外側にひげ受204が配置されている。ひげぜんまい205は、その外端部がひげ棒203とひげ受204との間で径方向に振動可能、かつひげ棒203とひげ受204に接触可能とされている。
さらに、図8に示すように、ひげ受は緩急針体202に支持された軸体206と軸体から伸びひげぜんまいはずれ防止のための受部207を供えている。
ひげ棒203は、緩急針201に垂直な軸線04を中心とした柱状とされひげ受204は軸線04に平行な軸線05に沿って伸びる柱状とされている。
そして、ひげ棒203及びひげ受204は、緩急針体202とともに、径方向(例えば、図1の中心軸01)に移動可能で、かつ、ひげ受204は、軸線O4周りに回転可能に挟持されている。
本実施形態では、図8に示すように、ひげぜんまいの角208と、ひげ棒203及び、ひげ受204が接触するのを防ぐため、ひげ棒203及び、ひげ受204にひげぜんまい205の長手方向の両端より内側に接触可能な突出部209、210を備えている。
ひげ棒203及び、ひげ受204の突出部209、210は、ひげぜんまいの中心線06上に仮想中心211、212をもつ円弧形状をしており、ひげぜんまいの角208との接触を防ぐようになっている。
ひげぜんまい205がひげ棒203及び、ひげ受204と接触する際には、突出部209、210がひげぜんまい205の平面部に当接することでひげぜんまい205の角208がひげ棒203及び、ひげ受204と接触することを防止し、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
なお、本実施形態では、径方向の内側にひげ棒203が配置され、径方向の外側にひげ受204が配置されているが、径方向の外側にひげ棒203が配置され、径方向の内側にひげ受204を配置するようにしてもよい。また、突出部はひげ棒203及び、ひげ受204のどちらか一方でも良い。
3.第3実施形態
次に、図9を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は第3実施形態にかかる緩急針301の側面図である。
本実施形態にかかる緩急針301は、緩急針体302と、緩急針体302に保持された二つのひげ棒303、304を供えている。
二つのひげ棒303、304は、ひげぜんまい305の外端部よりも内端部寄りに位置する部分に対して径方向に隙間をあけた状態で、ひげぜんまい305を挟んで径方向で対向している。
ひげぜんまい305は、その外端部が二つのひげ棒303、304間で径方向に振動可能、かつ二つのひげ棒303、304と接触可能とされている。
ひげ棒303、304は、緩急針301に垂直な軸線07、08を中心とした柱状とされ、緩急針体302とともに、径方向(例えば、図1の中心軸01)に移動可能に挟持されている。
本実施形態では、図9に示すように、ひげぜんまいの角306と、ひげ棒303、304が接触するのを防ぐため、ひげ棒303、304にひげぜんまい305の長手方向の両端より内側に接触可能な突出部307、308を備えている。
ひげ棒の突出部307、308は、ひげぜんまい305の中心線09上に仮想中心309、310をもつ円弧形状をしており、ひげぜんまいの角306との接触を防ぐようになっている。
ひげぜんまい305がひげ棒303、304と接触する際には、突出部307、308がひげぜんまい305の平面部に当接することでひげぜんまいの角306がひげ棒309、310と接触することを防止し、かかる部品の磨耗を抑制することができる。したがって、かかる部品の形状変化を防ぐことができる。さらに、時計内部に塵等の異物が発生することを防止できる。
なお、本実施形態では突出部はひげ棒303、304のどちらか一方でも良い。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図10に示すように、突出部401、402に直線形状410、420を設けてもかまわない。ただし、直線形状はひげぜんまいの平面部並行であり、平面部長さよりも短いものとする。
また、図11に示すように、突出部501、502の形状にはひげぜんまいとの接触部を複数設けたもの510、520を適用してもかまわない。ただし、接触部は円弧形状をしており、接触点はひげぜんまい平面部に限定する。
さらに、突出部は硬質表面処理の積層で形成してもかまわない。また、突出部はルビーやジルコニア等の貴石でもかまわない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…時計
10…ムーブメント
17、205、305…ひげぜんまい
25、201、301…緩急針
37…ひげ棒ユニット
41…ひげ棒部
42…ひげ受部
203、303、304…ひげ棒
204…ひげ受
43、44、307、308、401、402…突出部
45、208、306…ひげぜんまいの角

Claims (7)

  1. ひげぜんまいの長手方向の両端より内側に接触可能な突出部を備える緩急針であって、
    前記緩急針は、前記ひげぜんまいを挟み込んだ状態で備えられるひげ棒構造体を有し、
    前記ひげ棒構造体に前記突出部が備えられ
    前記突出部は、前記ひげぜんまいの中心線上に仮想中心をもつ円弧形状をしていることを特徴とする緩急針。
  2. ひげぜんまいの長手方向の両端より内側に接触可能な突出部を備える緩急針であって、
    前記緩急針は、ひげ棒とひげ受を備え、
    前記ひげ棒又は前記ひげ受のうち少なくとも一つに前記突出部が備えられ
    前記突出部は、前記ひげぜんまいの中心線上に仮想中心をもつ円弧形状をしていることを特徴とする緩急針。
  3. ひげぜんまいの長手方向の両端より内側に接触可能な突出部を備える緩急針であって、
    前記緩急針は、ひげ棒を2つ備え、
    前記ひげ棒のうち少なくとも一つに前記突出部が備えられ
    前記突出部は、前記ひげぜんまいの中心線上に仮想中心をもつ円弧形状をしていることを特徴とする緩急針。
  4. 請求項1からの何れか1項に記載の緩急針であって、
    前記突出部は複数層の硬質表面処理で形成されることを特徴とする緩急針。
  5. 請求項1からの何れか1項に記載の緩急針であって、
    前記突出部は貴石であることを特徴とする緩急針。
  6. 請求項1から請求項の何れか1項に記載の緩急針を備えていることを特徴とするムーブメント。
  7. 請求項に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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