JP2021148480A - ひげぜんまい固定機構、てんぷ受ユニット、ムーブメント及び時計 - Google Patents

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和樹 石川
重男 鈴木
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重男 鈴木
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【課題】ひげぜんまいの変形を抑制し、固定可能なひげぜんまい固定機構、このひげぜんまい固定機構を備えたてんぷ受ユニット、ムーブメント及び時計を提供する。【解決手段】ひげぜんまい固定機構8は渦巻状に形成されたひげぜんまい23と、ひげぜんまい23の外端部29が連結され、ひげぜんまい23の中心軸線Cと平行な第一軸線Oに沿う第一方向D1に移動可能、及び第一軸線O回りの第二方向D2に回転可能なひげ持53と、 を備え、ひげ持53は、ひげぜんまい29の外端部29と当接可能な当接部65を第一方向D1と平行な方向に備える【選択図】図4

Description

本発明は、ひげぜんまい固定機構、てんぷ受ユニット、ムーブメント、及び時計に関する。
機械式時計のひげぜんまい外端部支持方法のひとつに、ひげ持を用いるものがある。ひげ持へのひげぜんまい固定の代表的な方法として、接着と溶接がある。ひげぜんまいをひげ持に溶接するには、レーザー等により両者の接触部を加熱し実施される。溶接は接着による固定と比べ、固定強度が経時的変化しないというメリットがある。その反面、ひげ持とひげぜんまいの相対位置に関して、溶接の方が接着よりも自由度が低い。
例えば、特許文献1ではひげぜんまいの一端を固着スタッド(ひげ持)に溶接するためのひげ持構造が提案されている。特許文献1に開示のひげ持においては、ひげぜんまいと接触する第一表面と第二表面を備え、これら二つの表面はひげぜんまい外端の曲率に合わせて配置されている。
特開2018−9973公報
ひげぜんまいをひげ持に溶接する際に、両者を接触させた状態にしないと溶接できない、ひげぜんまいは非常に変形しやすく変形すると時計の歩度などの精度へ影響を与える、ということになる。
そのため、ひげ持の曲率とひげぜんまい外端の曲率が合致していない場合、ひげ持にひげぜんまいを押し当てないと隙間ができてしまい、溶接できない。一方、隙間をなくすために、ひげ持にひげぜんまいを押し当てると、ひげぜんまいを溶接できるが、ひげぜんまいの外端が力を受けた状態で固定されるため、ひげぜんまいが無荷重状態に対して変形してしまい、精度への影響を与える。
このため、ひげ持とひげぜんまい外端の曲率が合致する必要がある。しかしながら、特許文献1に開示のひげ持では、ひげ持とひげぜんまいのそれぞれに加工により生じる寸法ばらつきがあることを考えると、両者の曲率が合致する組み合わせは非常に少なく、精度へ影響を与えるおそれがあった。
そこで本発明は、ひげぜんまいの変形を抑制し、溶接等により固定可能なひげぜんまい固定機構、このひげぜんまい固定機構を備えたてんぷ受ユニット、ムーブメント及び時計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一つの形態のひげぜんまい固定機構は、渦巻状に形成されたひげぜんまいと、前記ひげぜんまいの外端部が連結され、前記ひげぜんまいの中心軸線と平行な第一軸線に沿う第一方向に移動可能、及び前記第一軸線回りの第二方向に回転可能なひげ持と、を備え、前記ひげ持は、前記ひげぜんまい外端部と当接可能な当接部を前記第一方向と平行な方向に備える。
この構成によれば、ひげ持は、ひげぜんまいの第一方向及び第二方向に沿って調整可能とされている。これにより、ひげ持に保持されたひげぜんまいの外端部を、第二方向に沿って回転及び第一方向に沿って移動させることができる。よって、少なくとも第一方向と第二方向との2方向においてひげ持を移動させ、ひげぜんまいの位置を調整できる。
したがって、ひげ持を所望の方向に容易に調整し固定可能なひげぜんまい固定機構を提供できる。
これにより、作業者の技能や熟練度に依らず、ひげ持の位置合わせを行うことができるので、製造時の作業性を容易にするとともに、製品の品質を安定的かつ良好な状態に維持することができる。
さらに、ひげ持は、ひげぜんまいの外端部と当接可能な当接部を第一方向と平行な方向に備えることにより、ひげぜんまいの外端部と当接部を第一方向と平行な方向で線状に当接させ、溶接等により固定することができる。これにより、ひげぜんまいに荷重が加わることによる変形を抑制することができる。
また、これにより、従来技術と比較して、溶接等固定時のひげぜんまいの変形を抑制することができるため、精度への影響を低下させることができる。
また、前記ひげぜんまい固定機構は、前記ひげ持は、前記当接部を少なくとも2つ備える。
この構成によれば、ひげぜんまい外端部は当接部と少なくとも二箇所で当接する。これにより、当接している少なくとも二箇所で、ひげぜんまいをひげ持に溶接等により固定することが可能となる。よって、ひげぜんまいとひげ持の固着強度をより高めることができる。
また、前記ひげぜんまい固定機構は、前記ひげ持は、前記第一軸線を含む平面に対して対向される対向面を有し、前記対向面それぞれに前記当接部を備える。
この構成によれば、ひげぜんまいとひげ持のそれぞれに寸法ばらつきが生じたとしても、第二方向にひげ持を回転させることにより、それぞれの対向面とひげぜんまい外端部を当接できる。よって、ひげぜんまいに加わる力を抑制して、少なくとも二箇所でひげぜんまいをひげ持に溶接等により固定することができる。また、当接部が三箇所以上ある場合では、固定箇所が増えるため、更なる固着強度の向上ができる他、固定箇所の取捨選択ができるため、作業効率の向上が可能である。
また、前記ひげぜんまい固定機構は、前記ひげ持は、前記対向面の一方の対向面と他方の対向面をそれぞれ2つ備える。
この構成によれば、対向面上の2箇所でひげぜんまいとひげ持を溶接する時に、溶接箇所間での発生する熱の伝導を抑制することができる。よって、機械的特性を維持しながら、当接部へ溶接に必要なエネルギーを加えることが可能となる。
また、前記ひげぜんまい固定機構は、前記当接部の前記第一方向と平行な方向の長さは、前記ひげぜんまいの前記第一方向と平行な方向の長さより大きく形成される。
この構成によれば、ひげぜんまいの外端部は、ひげぜんまいの高さにわたって当接部と当接する。これにより、ひげぜんまいとひげ持をひげぜんまいの高さにわたって溶接等により固定することができる。よって、ひげぜんまいとひげ持の固着強度を高めることができる。
また、前記ひげぜんまい固定機構は、てんぷ受に連結されるひげ持受と、前記ひげ持を前記第一方向に移動可能に保持するとともに、前記第二方向に回転可能に支持されるひげ持押さえと、前記ひげ持に当接することにより前記ひげ持押さえに対する前記ひげ持の前記第一方向への移動を規制するひげ持固定部材と、を備える。
この構成によれば、ひげ持受は、ひげ持押さえを回転可能に支持し、ひげ持押さえは、ひげ持を第一方向に移動可能に保持している。さらに、ひげ持固定部材は、ひげ持押さえに対してひげ持の第一方向への移動を規制する。これにより、ひげ持固定部材によりひげ持の移動を規制した状態でひげ持押さえを回転させると、ひげ持は、ひげ持受に対してひげ持押さえと一体に回転する。よって、ひげ持受に対してひげ持を第一方向及び第二方向にそれぞれ独立に移動させることができる。
ひげ持は、ひげ持押さえを介してひげ持受に回転可能に支持されることにより、第一方向及び第二方向にそれぞれ独立で移動する。これにより、例えばひげ持受に直接ひげ持が取り付けられ、ひげ持受に対してひげ持が第一方向及び第二方向に自由に移動する場合と比較して、調整したい方向のみにひげ持受を移動させることができる。よって、第一方向及び第二方向の調整を独立して行うことにより、各方向に沿う調整をより容易に行うことができ、ひげ持を固定するとき、および、ひげ持を調整するときの作業性を向上できる。
本発明の一つの形態のてんぷ受ユニットは、上述のひげぜんまい固定機構と、前記ひげぜんまいが取り付けられるてんぷと、を備える。
この構成によれば、上述のひげぜんまい固定機構を備えるので、ひげぜんまいにかかる荷重を抑制して、ひげぜんまいをひげ持に溶接等により固定することができる。
したがって、ひげぜんまいの変形を抑制しながら固定可能なひげぜんまい固定機構を備えた、ひげぜんまいの変形による精度への影響を低下させたてんぷ受ユニットを提供できる。
本発明の一つの形態のムーブメントは、上述のてんぷ受ユニットを備える。
この構成によれば、ひげぜんまいの変形を抑制しながらひげ持と固定可能なひげぜんまい固定機構を有するてんぷ受ユニットを備えた、高性能なムーブメントを提供できる。
本発明の一つの形態の時計は、上述のムーブメントを備える。
この構成によれば、時計は、上述のムーブメントを備え、ムーブメントは、上述のひげぜんまい固定機構を備える。よって、ひげぜんまいに荷重が加わることによる変形を抑制し、精度への影響を低下することができる。
したがって、ひげぜんまいの変形を抑制しながらひげ持と溶接等により固定可能なひげぜんまい固定機構を備えた、ひげぜんまいの変形による精度への影響を低下させた時計とすることができる。
本発明によれば、ひげぜんまいに荷重が加わることによる変形を抑制して固定可能なひげぜんまい固定機構、このひげぜんまい固定機構を備えたてんぷ受ユニット、ムーブメント及び時計を提供できる。
第1実施形態に係る時計の外観図。 第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図。 第1実施形態に係るてんぷ受ユニットを表側から見た平面図。 図3のIV−IV線に沿う断面図。 第1実施形態に係るひげ持を裏側から見た斜視図。 第1実施形態に係るひげ持を裏側から見た平面図。 第1実施形態に係るひげ持とひげぜんまい外端部を裏側から見た斜視図。 第1実施形態に係るひげ持とひげぜんまい外端部を裏側から見た平面図。 第1実施形態に係るひげ持の変形例を裏側から見た斜視図。 第1実施形態に係るひげ持の変形例を裏側から見た平面図。 第2実施形態に係るひげ持を裏側から見た斜視図。 第2実施形態に係るひげ持とひげぜんまい外端部を裏側から見た斜視図。 第2実施形態に係るひげ持とひげぜんまい外端部を裏側から見た平面図。 第3実施形態に係るてんぷ受ユニットの平面図。 第3実施形態に係るてんぷ受ユニットの斜視図。 図14のXVI−XVI線に沿う断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
(時計)
図1は、第1実施形態に係る時計1の外観図である。
時計1は、ケース蓋(不図示)及びガラス11を有する時計ケース12内に、ムーブメント2や、時刻に関する情報を示す目盛り等を有する文字板13、各種指針(時針14、分針15及び秒針16)等が組み込まれて構成されている。
(ムーブメント)
図2は、第1実施形態に係るムーブメント2を表側から見た平面図である。図2では、図面を見やすくするため、ムーブメント2を構成する時計用部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計用部品を簡略化して図示している。また、以下の説明では、ムーブメント2の基板を構成する地板17に対して時計ケース12(図1参照)のガラス11側(文字板13側)をムーブメント2の「裏側」と称し、ケース蓋側(文字板13とは反対側)をムーブメント2の「表側」と称する。
ムーブメント2は、地板17と、香箱車、二番車、三番車及び四番車を含む図示しない表輪列と、表輪列の回転を制御するための脱進調速機3と、を備える。図示のムーブメント2は、回転錘を備えた自動巻式時計用のムーブメントを例にしている。但し、この場合に限定されるものではなく、巻真18による手巻き式時計用のムーブメントであっても構わない。
図1に示す秒針16は、四番車の回転に基づいて回転するとともに、脱進調速機3によって調速された回転速度、すなわち1分間で1回転する。分針15は、二番車の回転、或いは二番車の回転に伴って回転する分車の回転に基づいて回転するとともに、脱進調速機3によって調速された回転速度、すなわち1時間で1回転する。時針14は、日の裏車を介して二番車の回転に伴って回転する筒車の回転に基づいて回転するとともに、脱進調速機3によって調速された回転速度、すなわち12時間或いは24時間で1回転する。
脱進調速機3は、四番車に噛み合う不図示のがんぎ車及びアンクルと、てんぷ受ユニット4と、を備える。アンクルは、がんぎ車を脱進させる。てんぷ受ユニット4は、一定周期で規則正しく動作するてんぷ5を備えている。
(てんぷ受ユニット)
図3は、第1実施形態に係るてんぷ受ユニット4を表側から見た平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。
図3から図4に示すように、てんぷ受ユニット4は、てんぷ5と、てんぷ受6と、ひげぜんまい調整機構7と、ひげぜんまい固定機構8を有する。
図3及び図4に示すように、てんぷ5は、てん真21と、てん輪22と、ひげぜんまい23と、を備える。てん真21は、中心軸線C周りに回転自在とされている。てん真21は、詳しくは後述するてんぷ受6に軸受36を介して回転可能に支持されている。
以下の説明では、てん真21の中心軸線Cに沿う方向を軸方向といい、中心軸線Cに直交する方向を径方向といい、中心軸線C周りに周回する方向を周方向という場合がある。
てん輪22は、てん真21に圧入等によって固定されたハブ部24と、ハブ部24を径方向の外側から囲繞する環状のリム部25と、ハブ部24及びリム部25間を連結する連結部26と、を備える。
ひげぜんまい23は、てん真21とリム部25との間に配置されている。ひげぜんまい23は、アルキメデス曲線に沿うように巻回された、軸方向から見て渦巻状の平ひげである。ひげぜんまい23の内端部(不図示)は、ひげ玉31(図4参照)を介しててん真21に連結されている。ひげぜんまい23の外端部29は、詳しくは後述するひげぜんまい調整機構7のひげ持53に連結されている。ひげぜんまい23の外端部29は、ひげぜんまい本体28と軸方向において同等の位置に配置されている。ひげぜんまい23の外端部29は、径方向の外側に膨出した弧状部30となっている。
てん真21は、ひげぜんまい23から伝えられた動力によって中心軸線C周りに一定の振動周期で正逆回動する。てん真21は、軸方向における一端部21a(表側端部)が軸受36を介しててんぷ受6に支持され、他端部21b(裏側端部)が地板17(図2参照)に形成された図示しない軸受に支持されている。てん真21の他端部21bには、上述したアンクルに連係する筒状の振り座19(図4参照)が外装されている。
図3及び図4に示すように、てんぷ受6は、軸方向においててんぷ5より表側に配置されている。てんぷ受6は、取付基部35と、軸受36と、ひげ持受37と、を有する。
取付基部35は、軸方向から見て、中心軸線Cから径方向に向かって延びている。取付基部35は、軸方向を厚み方向とする平板状に形成されている。取付基部35の延在方向の端部形状は、時計ケース12の形状に合わせた円弧状に形成されている(図2も参照)。取付基部35には、軸方向に貫通する取付孔38が複数形成されている。てんぷ受ユニット4は、取付孔38内にそれぞれ挿通された固定ねじ(不図示)を介して地板17(図2参照)に固定されている。取付基部35は、中心軸線Cと同軸上に形成された中央孔39を有する。取付基部35のうち、中央孔39の外周部を形成する部分は、軸受筒部40とされている。軸受筒部40は、取付基部35に対して裏側に一段下がって形成されている。
軸受36は、いわゆる耐振軸受であって、軸受枠43と、穴石44と、受石45と、を備える。
軸受枠43は、軸受筒部40内に軸方向の表側から圧入されている。これにより、軸受枠43は、中心軸線Cと同軸上に配置されるとともに、てんぷ受6に固定されている。
穴石44は、軸受枠43内に取り付けられている。穴石44は、てん真21の一端部21aを回転可能に支持している。
受石45は、穴石44に重ねて配置され、てん真21の一端部21aを表側から支持している。受石45には、受石45をてん真21に向けて付勢する不図示の受石押さえばねが重ねて配置されている。
なお、軸受36の構成は一例であり、てん真21を回転可能に支持できる構成であれば、上述の構成に限られない。
図3に示すように、ひげ持受37は、取付基部35の軸受筒部40に外嵌された把持部46と、把持部46から径方向の外側へ延びるとともに分岐する二股状のひげ持アーム47と、を有する。把持部46は、軸方向から見た平面視でC字状に形成されている。把持部46は、所定の回転トルクを付与したときに軸受筒部40に対してスリップする。これにより、ひげ持受37は、中心軸線C周りに回転可能となっている。
ひげ持アーム47は、把持部46より径方向の外側に設けられており、把持部46から径方向の外側へ延びるとともに周方向に分岐し二股状に形成されている。軸方向から見て、把持部46と、ひげ持アーム47と、により、径方向の一方側に開口するU字状の溝50が形成されている。
(ひげぜんまい固定機構)
ひげぜんまい固定機構8は、上述のひげぜんまい23と、ひげ持53と、ひげ持押さえ54と、ひげ持ねじ55(請求項のひげ持固定部材)と、を備える。
図4に示すように、ひげ持53は、ひげぜんまい23の外端部29を保持している。ひげ持53は、中心軸線Cと平行な第一軸線Oを中心とする円柱状に形成されている。ひげ持53は、把持部46及びひげ持アーム47により形成されたU字状の溝50内に配置されている。図5に示すように、ひげ持53は、第一方向D1の裏側に、円形の表面が平坦状に形成された端面60及び突出部61を有する。端面60は、ひげ持53における第一方向D1の裏側に設けられている。突出部61は、端面60より第一方向D1の裏側に突出して設けられている。
具体的に、図5に示すように、突出部61は第一方向D1の裏側に向かって径が細くなる円錐台形状に形成されている。突出部61の突出面62は、円形の表面が平坦状に形成されている。突出面62と円柱の端面60の間は、両方の面の同一方向の直径を含む平面(中心面)(不図示)を含み、第一方向D1に平行な方向に溝状の切り欠き63が設けられている。このため、突出部61は2つの部分に分けられ、中心面に対して対向する一対の平面状の対向面64を有する。対向面64は、端面60から突出部61における第一方向D1の裏側に向かって第一方向D1に平行に延びる平面である。対向面64には、ひげぜんまい23の外端部29が取り付け可能とされている。図5および図6に示すように、ひげ持53の突出部61の突出面62と円柱の端面60の間に、第一方向D1と平行に円柱状の切り欠き69が第一軸線Oを対称の軸として2つ設けられている。これにより、対向面64は長方形に形成される。加えて、図7に示すように、対向面64とひげぜんまいの外端部29は第一方向D1と平行に設けられる。そのため、図7に示すように、対向面64にひげぜんまい23の外端部29を取り付けるとき、対向面64は対向面64のうち第一方向D1と平行な方向に、ひげぜんまい23と当接可能な当接部65を有する。また、対向面64の第一方向D1と平行な方向の長さ(対向面高さ)H1は、ひげぜんまいの第一方向D1と平行な方向の長さ(ひげぜんまい高さ)H2より大きく形成されている。即ち、図5に示すように、対向面64には、端面60より高さH3だけ第一方向D1の裏側へ移動した位置に、第一軸線Oと垂直に逃げ面66が設けられている。対向面64の高さから、突出面62から逃げ面66までの高さを除く、当接部65の高さ(当接部高さ)H3は、ひげぜんまい高さH2より大きく形成されている。
(ひげぜんまいの固定)
ひげぜんまい外端部29をひげ持53に固定するための方法について説明する。
まず、ひげぜんまい外端部29を対向面64と接触しないように、かつ、ひげぜんまいの中心軸線とひげぜんまい外端部29の高さH2方向が平行になるように溝状の切り欠き63内に設置する。その後、ひげ持53を第一軸線O回りの第二方向D2(図3参照)にひげぜんまい外端部29と対向面64とが当接するまで回転させ、当接した時点で回転を停止させる。当接したかどうかの判定は、画像によりひげぜんまい外端部29と対向面64間の隙間を測定してもよいし、電気的な抵抗を測定してもよい。上記のようにひげぜんまい外端部29と対向面64を当接させると、図8に示すように、対向面64はひげぜんまい外端部29の内径側側面67と外径側側面68それぞれに当接する。このとき、図7に示すように、対向面64の当接部65はひげぜんまい外端部29と第一方向D1と平行な方向に当接している。また、ひげぜんまいの高さH2と逃げ面66が設けられている端面60からの高さH3は等しいため、逃げ面66とひげぜんまい外端部29の裏側端面27は、第一軸線Oに垂直な同一平面となる。上記のように、対向面64とひげぜんまい外端部29を当接させた状態で、当接部65をレーザー等により加熱し溶接することで、ひげぜんまい外端部29はひげ持53に固定される。固定方法は溶接に限らず、例えば接着でもよい。
(ひげぜんまい調整機構)
ひげぜんまい調整機構7は、上述のひげぜんまい23と、ひげ持53と、ひげ持押さえ54と、ひげ持ねじ55と、を備える。
ひげ持押さえ54は、ひげ持受37に支持されている。具体的に、ひげ持押さえ54は、外周部に形成された段部に二股状のひげ持アーム47が入り込むことにより、ひげ持アーム47に挟持されている。ひげ持押さえ54は、第一軸線Oを中心とする環状に形成されている。ひげ持押さえ54の内周部には、中心軸線Cと平行な第一軸線Oを中心とする円柱状に形成されたひげ持53が挿入されている。よって、ひげ持53は、ひげ持押さえ54に対して第一方向D1(軸方向)に移動可能に保持されている。
ひげ持押さえ54は、ひげ持受37に挟持された状態で、ひげ持受37に対して第一軸線O回りの第二方向D2(図3参照)に回転可能に支持されている。よって、ひげ持受37に保持されたひげ持53は、ひげ持押さえ54に対して第一方向D1に移動するとともに、ひげ持押さえ54とともに第二方向D2に回転可能となっている。
図3に示すように、ひげ持押さえ54の軸方向における表側の端面には、マイナスドライバー等の工具が挿入可能な凹溝58が形成されている。凹溝58は、表側の端面から裏側に向けて凹んでいる。凹溝58は、軸方向から見て、第一軸線Oを通る直線状に形成されている。凹溝58に工具を挿入して工具を回すことにより、ひげ持押さえ54が第二方向D2に回転する。
図4に示すように、ひげ持押さえ54の外周部には、ねじ孔59が形成されている。ねじ孔59は、第一軸線Oの径方向に沿ってひげ持押さえ54を貫通している。ねじ孔59の内周部には、雌ねじが形成されている。
ひげ持ねじ55は、ひげ持押さえ54のねじ孔59に挿入されている。ひげ持ねじ55は、ねじ孔59の雌ねじと螺合し、第一軸線Oの径方向に沿って移動可能となっている。ひげ持ねじ55の第一軸線O側に位置する先端部55aは、ひげ持53に形成された押圧面57に当接する。ひげ持ねじ55は、ひげ持53の押圧面57に当接することにより、ひげ持押さえ54に対するひげ持53の第一方向D1への移動を規制している。
具体的に、ひげ持ねじ55を締結方向に回して先端部55aがひげ持53の押圧面57に当接すると、ひげ持53がひげ持押さえ54に押圧されることで、ひげ持押さえ54とひげ持53との相対移動が規制される。この状態でひげ持受37に対してひげ持押さえ54を第二方向D2に回転させた場合、ひげ持53は、ひげ持押さえ54とともに第二方向D2に回転する。一方、ひげ持ねじ55を締結方向と反対方向に回してひげ持ねじ55とひげ持53との接触状態が解除されると、ひげ持53は、ひげ持押さえ54に対して第一方向D1に移動可能となる。
なお、ひげぜんまい調整機構7の構成は一例であり、ひげ持53を回転可能に支持できる構成であれば、上述の構成に限られない。
(作用、効果)
次に、上述のひげぜんまい固定機構8、てんぷ受ユニット4、ムーブメント2及び時計1の作用、効果について説明する。
本実施形態のひげぜんまい固定機構8によれば、ひげ持53は、ひげぜんまい23の第一方向D1及び第二方向D2に沿って調整可能とされている。これにより、ひげ持53に保持されたひげぜんまい23の外端部29を、第二方向D2に沿って回転及び第一方向D1に沿って移動させることができる。よって、少なくとも第一方向D1と第二方向D2との2方向においてひげ持53を移動させ、ひげぜんまい23の位置を調整できる。
したがって、ひげ持53を所望の方向に容易に調整し固定可能なひげぜんまい固定機構8を提供できる。
これにより、作業者の技能や熟練度に依らず、ひげ持53の位置合わせを行うことができるので、製造時の作業性を容易にするとともに、製品の品質を安定的かつ良好な状態に維持することができる。
さらに、ひげ持53は、ひげぜんまい23の外端部29と当接可能な当接部65を第一方向D1と平行な方向に備えることにより、ひげぜんまい外端部29と当接部65を第一方向D1と平行な方向に線状に当接させ、溶接等で固定することができる。これにより、ひげぜんまい23に荷重が加わることによる変形を抑制することができる。
また、これにより、従来技術と比較して、溶接等による固定時のひげぜんまい23の変形を抑制することができるため、精度への影響を低下させることができる。
本実施形態のひげ持53は、当接部65を少なくとも2つ備える。これにより、ひげぜんまい外端部29は当接部65と少なくとも二箇所で当接する。このため、当接している少なくとも二箇所で、ひげぜんまいをひげ持に溶接等により固定することが可能となる。よって、ひげぜんまいとひげ持の固着強度をより高めることができる。また、当接部が三箇所以上ある場合では、固定箇所が増えるため、更なる固着強度の向上ができる他、固定箇所の取捨選択ができるため、作業効率の向上が可能である。
本実施形態のひげ持53は、第一軸線Oを含む平面(中心面)に対して対向される対向面64を有し、対向面64それぞれに当接部65を備える。これにより、ひげぜんまい23とひげ持53のそれぞれに寸法ばらつきが生じたとしても、第二方向D2にひげ持53を回転させることにより、それぞれの対向面64とひげぜんまい外端部29を当接できる。よって、ひげぜんまい23に加わる力を抑制して、少なくとも二箇所でひげぜんまい23をひげ持53に溶接等により固定することができる。
対向面64の第一方向D1と平行な方向の長さ(対向面高さH1)は、ひげぜんまい23の高さH2より大きく形成されている。また、当接部高さH3は、ひげぜんまい高さH2より大きく形成されている。従って、ひげぜんまい23の外端部29を固定する際に、第1方向にずれたとしても、ひげぜんまい23の外端部29は、ひげぜんまい23の高さにわたって当接部65と当接することができる。これにより、ひげぜんまい23とひげ持53をひげぜんまい23の高さにわたって溶接等により固定することができる。よって、ひげぜんまい23とひげ持53の固着強度を高めることができる。
ひげ持受37は、ひげ持押さえ54を回転可能に支持し、ひげ持押さえ54は、ひげ持53を第一方向D1に移動可能に保持している。さらに、ひげ持ねじ55(ひげ持固定部材)は、ひげ持押さえ54に対してひげ持53の第一方向D1への移動を規制する。これにより、ひげ持ねじ55によりひげ持53の移動を規制した状態でひげ持押さえ54を回転させると、ひげ持53は、ひげ持受37に対してひげ持押さえ54と一体に回転する。よって、ひげ持受37に対してひげ持53を第一方向D1及び第二方向D2にそれぞれ独立に移動させることができる。
ひげ持53は、ひげ持押さえ54を介してひげ持受37に回転可能に支持されることにより、第一方向D1及び第二方向D2にそれぞれ独立で移動する。これにより、例えばひげ持受37に直接ひげ持53が取り付けられ、ひげ持受37に対してひげ持53が第一方向D1及び第二方向D2に自由に移動する場合と比較して、調整したい方向のみにひげ持受37を移動させることができる。よって、第一方向D1及び第二方向D2の調整を独立して行うことにより、各方向に沿う調整をより容易に行うことができ、ひげ持53を固定するとき、および、ひげ持53を調整するときの作業性を向上できる。
本実施形態のてんぷ受ユニット4によれば、上述のひげぜんまい固定機構を備えるので、ひげぜんまい23にかかる荷重を抑制して、ひげぜんまい23をひげ持53に溶接等により固定することができる。
したがって、ひげぜんまい23の変形を抑制しながら固定可能なひげぜんまい固定機構8を備えた、ひげぜんまい23の変形による精度への影響を低下させたてんぷ受ユニット4を提供できる。
本実施形態のムーブメント2によれば、ひげぜんまい23の変形を抑制しながらひげ持53と固定可能なひげぜんまい固定機構8を有するてんぷ受ユニット4を備えた、高性能なムーブメント2を提供できる。
本実施形態の時計1によれば、時計1は、上述のムーブメント2を備え、ムーブメント2は、上述のひげぜんまい固定機構8を備える。よって、ひげぜんまい23に荷重が加わることによる変形を抑制し、精度への影響を低下することができる。
したがって、ひげぜんまい23の変形を抑制しながらひげ持53と固定可能なひげぜんまい固定機構8を備えた、ひげぜんまい23の変形による精度への影響を低下させた時計1とすることができる。
(第1実施形態の変形例)
次に、本発明に係る第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態の変形例では、ひげぜんまい固定機構8における突出部の形状が異なり、更に切り欠きを設けた点で上述した第1実施形態と相違している。このため、第1実施形態の変形例では、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同一の構成について詳細な説明を省略する。
(ひげぜんまい固定機構)
図9及び図10に示すように、ひげ持153の突出部161の突出面162と円柱の端面160の間は、第一軸線Oを中心とし突出面162の直径より小さい円柱状の切り欠き170が設けられている。このため、ひげ持153は、対向面164の一方の対向面と他方の対向面はさらに2つの部分に分けられ、それぞれ2つ備える。
(作用、効果)
第1実施形態の変形例によれば、上述の第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。加えて、対向面上の2箇所でひげぜんまいとひげ持を溶接する時に、溶接箇所間での発生する熱の伝導を抑制することができる。よって、機械的特性を維持しながら、当接部65へ溶接に必要なエネルギーを加えることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態では、ひげぜんまい固定機構における突出部の形状が異なり、対向面を有していない点で上述した第1実施形態と相違している。このため、第2実施形態では、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同一の構成について詳細な説明を省略する。
(ひげぜんまい固定機構)
図11及び図12に示すように、ひげ持53は、第一方向D1の裏側に、円形の表面が平坦状に形成された端面260及び突出部261を有する。端面260は、ひげ持53における第一方向D1の裏側に設けられている。突出部261は、端面260の直径より小さい円柱状に形成され、端面260より第一方向D1の裏側に突出して2つ設けられている。突出部261は第一方向D1と平行な側面264を備え、突出部側面264には、ひげぜんまい23の外端部29が取り付け可能とされている。突出部側面264にひげぜんまい23を取り付けるとき、突出部側面264は突出部側面264のうち第一方向D1と平行な方向に、ひげぜんまい23と当接可能な当接部265を有する。
円柱状の突出部261の間に、ひげぜんまい外端部29を突出部261と当接しないように、かつ、ひげぜんまいの中心軸線とひげぜんまい外端部29の高さH2方向が平行になるように設置する。その後、ひげ持53を第一軸線O回りの第二方向D2にひげぜんまい外端部29と突出部261の側面264とが当接するまで回転させ、当接した時点で回転を停止させる。上記のように、ひげぜんまい外端部29と突出部側面264を当接させると、図12および図13に示すように、突出部側面264はひげぜんまい外端部29の内径側側面67と外径側側面68それぞれに第一方向D1と平行な方向に当接する。このとき、当接部265をレーザー等により加熱し溶接することで、ひげぜんまい外端部29はひげ持53に固定される。固定方法は溶接に限らず、例えば接着でもよい。
(作用、効果)
第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。加えて、ひげぜんまい固定機構における突出部の形状が異なり、ひげぜんまい外端部29の設置自由度が向上している。ひげぜんまい外端部29をひげ持53に固定する作業時、ひげぜんまい外端部29を突出部側面264と当接しないように、かつ、突出部側面264とひげぜんまい外端部29の高さH2方向が平行になるように設置する必要がある。よって、固定作業の効率を向上することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図14は、第3実施形態に係るてんぷ受ユニット4を表側から見た平面図である。図16は、図14のXVI−XVI線に沿う断面図である。第3実施形態では、てんぷ受ユニット4が緩急針71を備える点で上述した第1実施形態と相違している。このため、第3実施形態では、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同一の構成について詳細な説明を省略する。
図15及び図16に示すように、第3実施形態において、ひげぜんまい23の外端部29は、ひげぜんまい本体28と軸方向において同等の位置に配置されている。ひげぜんまい23の外端部29は、径方向の外側に膨出した弧状部30となっている。
第3実施形態のてんぷ受ユニット4は、微動緩急針レバー70と、緩急針71と、を有する。
微動緩急針レバー70は、軸受枠43に対して中心軸線C回りに回転可能に取り付けられている。微動緩急針レバー70は、軸受枠43に嵌合される嵌合部72と、嵌合部72から径方向の外側に延びるとともに、周方向に分岐する二股状に形成された係合フォーク73と、を有する。係合フォーク73の内側には、調整ピン74が配設されている。図5に示すように、調整ピン74は、てんぷ受6に設けられた軸受ブッシング75の内側に回転可能に嵌合されている。調整ピン74は、軸受ブッシング75と同軸の軸部76と、軸部76の表側端部に一体形成され、軸部76に対して偏心した頭部77と、を有する。頭部77は、係合フォーク73の内面に摺動可能に接触している。よって、調整ピン74を軸受ブッシング75に対して回転させることで、微動緩急針レバー70の全体をてんぷ5の中心軸線C回りに回転させることが可能となっている。
図16に示すように、緩急針71は、緩急針体78と、ひげ棒79と、ひげ受80と、を備える。
緩急針体78は、中心軸線C周りに回転可能とされている。緩急針体78は、微動緩急針レバー70の嵌合部72を径方向外側から囲むベース部81と、ベース部81から径方向の外側に延びる緩急針アーム82と、を有する。
ひげ棒79及びひげ受80は、緩急針アーム82に取り付けられている。ひげ棒79及びひげ受80は、ひげぜんまい23の弧状部30を間に挟んで径方向に向い合うように配置されている。具体的に、ひげ棒79は、弧状部30より径方向の内側に位置している。ひげ受80は、弧状部30より径方向の外側に位置している。ひげ棒79及びひげ受80の裏側に位置する端部は、ひげぜんまい23の弧状部30よりも下方に突出している。ひげ棒79とひげ受80との間隔は、調整可能となっている。これにより、ひげぜんまい23の振り幅を調整する。
(作用、効果)
第3実施形態によれば、緩急針71を有するてんぷ受ユニット4において、上述のひげぜんまい固定機構8を適用可能である。よって、上述の第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができることに加え、緩急針71を調整することで、調整の自由度及び調整の精度を向上できる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一実施形態1の変形例では、第一軸線Oを中心とし突出面62の直径より小さい円柱状の切り欠き69を設けることで、対向面64の一方の対向面と他方の対向面をさらに2つの部分に分ける構成としたが、これに限らない。切り欠き69の形状は角柱としてもよく、突出部61を貫通するような形状としてもよい。円柱状の切り欠き69を中心が対向面と平行で高さH3の中点を通る線とし、直径がH3より小さい円柱状とすることで、対向面をD1方向にそれぞれ2つに分ける構成としてもよい。
同様に、第2実施形態においては、端面260の直径より小さい円柱状に端面260より第一方向D1の裏側に突出して突出部261を2つ設ける構成としたが、これに限られない。例えば、突出部261の形状は角柱としてもよく、端面260上の第一軸線Oから見て離れた位置より突出する突出部を1つ設ける構成としてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 時計
2 ムーブメント
4 てんぷ受ユニット
5 てんぷ
6 てんぷ受
7 ひげぜんまい調整機構
8 ひげぜんまい固定機構
22 てん輪
23 ひげぜんまい
29 ひげぜんまい外端部
37 ひげ持受
53 ひげ持
54 ひげ持押さえ
55 ひげ持ねじ(ひげ持固定部材)
57 押圧面
61 突出部
64 対向面
65 当接部
C 中心軸線
O 第一軸線
D1 第一方向
D2 第二方向
H1 対向面高さ
H2 ひげぜんまい高さ
H3 当接部高さ

Claims (9)

  1. 渦巻状に形成されたひげぜんまいと、
    前記ひげぜんまいの外端部が連結され、前記ひげぜんまいの中心軸線と平行な第一軸線に沿う第一方向に移動可能、及び前記第一軸線回りの第二方向に回転可能なひげ持と、
    を備え、
    前記ひげ持は、前記ひげぜんまいの外端部と当接可能な当接部を前記第一方向と平行な方向に備えるひげぜんまい固定機構。
  2. 前記ひげ持は、前記当接部を少なくとも2つ備える請求項1に記載のひげぜんまい固定機構。
  3. 前記ひげ持は、前記第一軸線を含む平面に対して対向される対向面を有し、前記対向面それぞれに前記当接部を備える請求項2に記載のひげぜんまい固定機構。
  4. 前記ひげ持は、前記対向面の一方の対向面と他方の対向面をそれぞれ2つ備える請求項3に記載のひげぜんまい固定機構。
  5. 前記当接部の前記第一方向と平行な方向の長さは、前記ひげぜんまいの前記第一方向と平行な方向の長さより大きく形成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のひげぜんまい固定機構。
  6. てんぷ受に連結されるひげ持受と、
    前記ひげ持を前記第一方向に移動可能に保持するとともに、前記第二方向に回転可能に支持されるひげ持押さえと、
    前記ひげ持に当接することにより前記ひげ持押さえに対する前記ひげ持の前記第一方向への移動を規制するひげ持固定部材と、
    を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のひげぜんまい固定機構。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のひげぜんまい固定機構と、
    前記ひげぜんまいが取り付けられるてんぷと、
    を備えるてんぷ受ユニット。
  8. 請求項8に記載のてんぷ受ユニットを備えるムーブメント。
  9. 請求項8に記載のムーブメントを備える時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115647757A (zh) * 2022-12-26 2023-01-31 西安航天精密机电研究所 一种二浮陀螺导电游丝制造及变形检测方法

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