JP2016114509A - 巻上機構、ムーブメントおよび時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を向上させることができる巻上機構、この巻上機構を備えたムーブメントおよび時計を提供する。【解決手段】回転により香箱車11の内部のぜんまい13を巻き上げる角穴車12と、りゅうずからの回転トルクを伝達して角穴車12を回転させる手動巻輪列20と、回転錘8からの回転トルクを伝達して角穴車12を回転させる自動巻輪列40と、を備え、自動巻輪列40は、回転中心が移動可能な揺動歯車としての二番伝え車48を含み、二番伝え車48の回転中心を移動させて一番伝え車45との噛合を解除することにより、回転錘8と、手動巻輪列20により回転される角穴車12との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構60を備えたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、巻上機構、ムーブメントおよび時計に関する。
機械式時計には、ぜんまいを巻き上げる機構として、自動巻機構と手動巻機構とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の機械式時計は、ぜんまいを巻き上げる角穴車にそれぞれ連結される手動巻機構と自動巻機構とを有し、自動巻機構は、二方向に回転可能な回転錘と、回転錘の二方向の回転を一方向の回転に切り換えるための切換伝え車と、を備えている。
切換伝え車は、一般に、ラチェット歯車と切換えつめとを有している。切換えつめは、ラチェット歯車の中心軸周りに回転可能に配置され、一方向回転時にラチェット歯車に対して係合し、他方向回転時にラチェット歯車に対して摺動するように構成されている。
特開2003−344559号公報
しかしながら、従来技術にあっては、手動により角穴車を回転させてぜんまいを巻き上げる際に、角穴車と連結される自動巻機構の輪列(以下、「自動巻輪列」という。)を構成する歯車の一部が回転することとなる。このように、手動によるぜんまいの巻き上げ時において、本来機能する必要のない自動巻輪列の歯車が回転するため、摩耗等による自動巻輪列の劣化を促進させるおそれがある。
とりわけ、自動巻輪列に切換伝え車が組み込まれている場合においては、切換えつめがラチェット歯車に対して摺動することにより、手動巻き上げ時における回転錘への回転トルクの伝達を遮断する構成となっている場合がある。この場合、手動によるぜんまいの巻き上げ時において、切換えつめおよびラチェット歯車の摩耗による劣化が発生しやすくなっており、耐久性を向上させるという点で特に改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、耐久性を向上させることができる巻上機構、ムーブメントおよび時計を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の巻上機構は、回転により香箱車の内部のぜんまいを巻き上げる巻き上げ用歯車と、りゅうずからの回転トルクを伝達して前記巻き上げ用歯車を回転させる手動巻輪列と、回転錘からの回転トルクを伝達して前記巻き上げ用歯車を回転させる自動巻輪列と、を備え、前記自動巻輪列は、回転中心が移動可能な揺動歯車を含み、前記揺動歯車の回転中心を移動させて他の歯車との噛合を解除することにより、前記回転錘と、前記手動巻輪列により回転される前記巻き上げ用歯車との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、揺動歯車の回転中心を移動させて他の歯車との噛合を解除することにより、回転錘と手動巻輪列により回転される巻き上げ用歯車との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構を備えているので、自動巻輪列を構成する歯車の無駄な回転を防止できる。これにより、自動巻輪列を構成する歯車の摩耗を抑制できるので、巻上機構の耐久性を向上させることができる。
また、前記自動巻輪列は、一番伝え車と、前記一番伝え車および前記巻き上げ用歯車と噛合する二番伝え車と、を含み、前記揺動歯車は、前記二番伝え車であり、前記トルク遮断機構は、前記二番伝え車と前記一番伝え車とが噛合される噛合位置と、前記二番伝え車と前記一番伝え車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように前記二番伝え車を支持する軸受部と、前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢する付勢部材と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、揺動歯車が二番伝え車であり、トルク遮断機構は、二番伝え車が、二番伝え車と一番伝え車とが噛合される噛合位置と、二番伝え車と一番伝え車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動するので、りゅうずからの回転トルクが一番伝え車と回転錘との間の歯車に伝達するのを防止できる。これにより、一番伝え車と回転錘との間の歯車の摩耗を抑制できるので、巻上機構の耐久性を向上させることができる。
また、前記自動巻輪列は、一番伝え車と、前記一番伝え車および前記巻き上げ用歯車と噛合する二番伝え車と、を含み、前記揺動歯車は、前記二番伝え車であり、前記トルク遮断機構は、前記二番伝え車と前記巻き上げ用歯車とが噛合される噛合位置と、前記二番伝え車と前記巻き上げ用歯車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように前記二番伝え車を支持する軸受部と、前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢する付勢部材と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、揺動歯車が二番伝え車であり、トルク遮断機構は、二番伝え車が、二番伝え車と巻き上げ用歯車とが噛合される噛合位置と、二番伝え車と巻き上げ用歯車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動するので、りゅうずからの回転トルクが二番伝え車と回転錘との間の歯車に伝達するのを防止できる。すなわち、手動によるぜんまいの巻き上げ時において、りゅうずからの回転トルクが自動巻輪列の全ての歯車に伝達するのを防止できるので、巻上機構の耐久性を大幅に向上させることができる。
また、前記付勢部材は、一端部が前記一番伝え車に連結され、他端部が前記二番伝え車に連結されたレバーであり、前記レバーの一端部は、所定値以上の回転トルクが付与されたときに前記一番伝え車の中心軸周りに回転可能とされ、前記レバーは、前記一番伝え車の回転にともなって前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢することを特徴としている。
本発明によれば、一番伝え車および二番伝え車に連結されたレバーにより二番伝え車を非噛合位置から噛合位置に向かって付勢するので、例えば付勢部材に板バネを用いた場合に必要とされる、板バネを固定するためのスペースが不要となる。したがって、巻上機構の耐久性を向上させることができるとともに、巻上機構を小型化することができる。
また、前記自動巻輪列は、前記回転錘からの双方向の回転トルクを一方向の回転トルクとして伝達する切換伝え機構を備え、前記切換伝え機構は、前記揺動歯車よりも前記回転錘側に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、切換伝え機構は、揺動歯車よりも回転錘側に設けられているので、手動によるぜんまいの巻き上げ時において揺動歯車が揺動し、揺動歯車よりも回転錘側への回転トルクの伝達を遮断することにより、切換伝え機構に回転トルクが伝達する防止できる。したがって、巻上機構の耐久性を大幅に向上させることができる。
また、本発明のムーブメントは、上述の巻上機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明の時計は、上述のムーブメントを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、耐久性に優れた高性能なムーブメントおよび時計を提供できる。
本発明によれば、揺動歯車の回転中心を移動させて他の歯車との噛合を解除することにより、回転錘と手動巻輪列により回転される巻き上げ用歯車との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構を備えているので、自動巻輪列を構成する歯車の無駄な回転を防止できる。これにより、自動巻輪列を構成する歯車の摩耗を抑制できるので、巻上機構の耐久性を向上させることができる。
時計の平面図である。 自動巻き時における第一実施形態の巻上機構の平面図である。 図2のA−A線に沿った断面図である。 手動巻き時における第一実施形態の巻上機構の平面図である。 切換伝え車の断面図である。 軸方向から見たときの切換伝え車の説明図である。 自動巻き時における第一実施形態の変形例に係る巻上機構の平面図である。 手動巻き時における第一実施形態の変形例に係る巻上機構の平面図である。 自動巻き時における第二実施形態の巻上機構の平面図である。 図9のB−B線に沿った断面図である。 手動巻き時における第二実施形態の巻上機構の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、時計1の平面図であり、図2は、自動巻き時における巻上機構の平面図であり、図3は、図2のA−A線に沿った断面図である。なお、図2においては、巻上機構10を構成する各部品を模式的に図示している。
図1に示すように、時計1は、時に関する情報を示す目盛り3などを含む文字板2を備えている。時計1は、時を示す時針4a、分を示す分針4bおよび秒を示す秒針4cを含む針4を備えている。また、時計1は、巻真6を備えている。巻真6は、例えば、日付の修正や、時刻表示(時および分の表示)を修正する際に用いられる時計部品である。巻真6の一端部には、時計ケースの側方に位置するりゅうず7が取付けられている。
時計1は、ムーブメント5を備えている。図2および図3に示すように、ムーブメント5は、表輪列と称する輪列や表輪列の回転を制御するための不図示の脱進・調速装置や、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げるための後述の巻上機構10等が組み込まれている。
時計1は、いわゆる自動巻き式の腕時計であって、回転錘8をユーザーの動きにより回転させることで、香箱車11に収容されたぜんまい13が巻き上げられる。また、時計1は、手動によってもぜんまい13の巻き上げが可能となっており、りゅうず7を回転させることで、香箱車11に収容されたぜんまい13が巻き上げられる。
(第一実施形態の巻上機構)
続いて、第一実施形態の巻上機構10の詳細について説明する。
巻上機構10は、主に香箱車11と、角穴車12(本発明の巻き上げ用歯車の一例)と、手動巻輪列20と、自動巻輪列40と、を備えている。
図3に示すように、香箱車11および角穴車12は、同軸上に配置されて互いに重なるように設けられている。
香箱車11は、地板71と、地板71よりもムーブメント5の表側に配置された香箱受73とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。香箱車11は、時計1の動力源であるぜんまい13を収容しており、ぜんまい13が巻き戻される際の回転トルクにより回転する。香箱車11は、不図示の筒車や二番車、三番車、四番車等を含む輪列を介して不図示の脱進調速機と連結される。これにより、二番車に取り付けられた時針4a(図1参照)が「時」を刻み、筒かなに取り付けられた分針4b(図1参照)が「分」を刻み、四番車に取り付けられた秒針4c(図1参照)が「秒」を刻む。
角穴車12は、手動巻輪列20および自動巻輪列40と連結されている。角穴車12は、回転することにより香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げる。
図4は、手動巻き時における巻上機構の平面図である。なお、図4においては、図2と同様に、巻上機構10を構成する各部品を模式的に図示している。
図4に示すように、手動巻輪列20は、主に丸穴車22と、丸穴伝え車24と、揺動丸穴車26とにより構成されている。丸穴車22、丸穴伝え車24および揺動丸穴車26は、例えば地板71(図3参照)に対して、それぞれの中心軸周りに回転可能に支持されている。
丸穴車22は、りゅうず7および巻真6と同軸上に設けられて連結された不図示のきち車と噛合している。丸穴車22は、りゅうず7を把持して巻真6を回転させることにより、つづみ車およびきち車の回転を介して、図2および図4の平面視において中心軸周りに反時計回り方向(以下、「反時計回り方向」を「CCW方向」という。)に回転する。
丸穴伝え車24は、歯部24aとかな24bとを有している。丸穴伝え車24の歯部24aは、丸穴車22と噛合する。丸穴伝え車24は、丸穴車22がCCW方向に回転することにより、図2および図4の平面視において丸穴伝え車24の中心軸周りに時計回り方向(以下、「時計回り方向」を「CW方向」という。)に回転する。
揺動丸穴車26は、歯部26aと軸部26bとを有している。揺動丸穴車26の軸部26bは、例えば地板71に設けられた揺動長孔71aに対して回転可能かつ揺動長孔71aに沿って移動可能に支持されている。揺動長孔71aは、丸穴伝え車24の径方向外側および角穴車12の径方向外側において、丸穴伝え車24の周方向に沿うように設けられている。
揺動丸穴車26は、軸部26bと当接する板バネ75により、角穴車12に向かって付勢されている。揺動丸穴車26は、りゅうず7を把持して巻真6を回転させることで丸穴伝え車24がCW方向に回転することにより、中心軸周りにCCW方向に回転する。このとき、揺動丸穴車26は、板バネ75により角穴車12に向かって付勢されているので、歯部26aが角穴車12の歯部12aと噛合するとともに、角穴車12に回転トルクを伝達する。
このような構成のもと、手動巻輪列20は、りゅうず7を把持して巻真6を回転させたときの回転トルクを角穴車12に伝達して回転させる。これにより、時計1のユーザーは、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
図2および図3に示すように、自動巻輪列40は、回転錘8と接続されており、主に一番仲介車41と、二番仲介車42と、三番仲介車43と、切換伝え車(請求項の「切換伝え機構」に相当。)50と、一番伝え車45と、二番伝え車48と、トルク遮断機構60と、により構成されている。
回転錘8は、平面視略扇状に形成されており(図1参照)、例えば三番受77に対し、軸受等を介して中心軸周りに回転可能に支持されている。回転錘8は、例えばユーザーの腕の動き等の外力により、中心軸周りにCW方向およびCCW方向の双方向に回転する。なお、図および図4においては、回転錘8を模式的に円形状に図示している。
一番仲介車41は、三番受77と、三番受77よりもムーブメント5の表側に配置された自動輪列受79とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。一番仲介車41の歯部41aは、回転錘8と噛合している。一番仲介車41は、回転錘8がCW方向に回転することによりCCW方向に回転し、回転錘8がCW方向に回転することによりCCW方向に回転する。
二番仲介車42は、自動輪列受79と、自動輪列受79および三番受77よりもムーブメント5の裏側に配置された二番受76とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。二番仲介車42は、歯部42aとかな42bとを有している。二番仲介車42の歯部42aは、一番仲介車41と噛合している。二番仲介車42は、一番仲介車41がCW方向に回転することによりCCW方向に回転し、一番仲介車41がCW方向に回転することによりCCW方向に回転する。
三番仲介車43は、自動輪列受79と二番受76とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。三番仲介車43は、二番仲介車42のかな42bと噛合している。三番仲介車43は、二番仲介車42がCW方向に回転することによりCCW方向に回転し、二番仲介車42がCW方向に回転することによりCCW方向に回転する。
図5は、切換伝え車の断面図であり、図6は、軸方向から見たときの切換伝え車の説明図である。なお、図6では、分かり易くするために、切換伝え車50を構成する各部材を適宜透過して図示している。
図3に示すように、切換伝え車50は、二番受76と、二番受76よりもムーブメント5の表側に配置された伝え受78とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。
図5に示すように、切換伝え車50は、軸部材51と、切換かな52と、台座部材53と、切換上段車55と、切換下段車56と、切換上段つめ57と、切換下段つめ58と、を含む。
切換かな52は、軸部材51におけるムーブメント5(図3参照)の表側端部に設けられている。切換かな52は、後述の一番伝え車45(図2参照)と噛合する。
台座部材53は、上台座部材53aと、下台座部材53bと、中間台座部材53cとを含む。上台座部材53a、下台座部材53bおよび中間台座部材53cは、軸部材51に対して例えば圧入固定されている。
上台座部材53aは、切換かな52と当接するとともに径方向の外側に張り出す鍔部を有する。上台座部材53aの鍔部は、切換かな52よりも大径となっている。
下台座部材53bは、軸部材51における切換かな52とは反対側の端部において径方向の外側に張り出す鍔部を有する。下台座部材53bの鍔部は、上台座部材53aの鍔部と同一の直径となっている。
中間台座部材53cは、円盤状に形成されており、上台座部材53aおよび下台座部材53bの鍔部よりも大径となっている。
中間台座部材53cには、ピン部材54が設けられている。ピン部材54は、中間台座部材53cを貫通するように設けられており、両端が中間台座部材53cの主面から突出している。
切換上段車55は、上台座部材53aと中間台座部材53cとの間に設けられており、上台座部材53aに対して回転可能に外挿されている。切換上段車55は、中間台座部材53cよりも大径となっており、上段歯部55aと上段つめ車55bと、を有する。
図3に示すように、上段歯部55aは、切換上段車55の外縁部に設けられており、二番仲介車42のかな42bと噛合している。
上段つめ車55bは、上台座部材53aおよび下台座部材53bよりも小径となっており、ピン部材54よりも径方向の内側に配置されている。図6に示すように、上段つめ車55bは、各歯部がCCW方向に傾斜するように設けられている。
図5に示すように、切換下段車56は、下台座部材53bと中間台座部材53cとの間に設けられており、下台座部材53bに対して回転可能に外挿されている。切換下段車56は、中間台座部材53cよりも大径となっており、下段歯部56aと下段つめ車56bと、を有する。下段歯部56aは、切換下段車56の外縁部に設けられており、三番仲介車43(図2参照)と噛合している。図6に示すように、下段つめ車56bは、各歯部がCCW方向に傾斜するように設けられている。切換下段車56は、切換上段車55と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。
切換上段つめ57は、ピン部材54により回転可能に支持されている。切換上段つめ57には、切換上段車55の上段つめ車55bに向かって突出する一対の上段つめ部57a,57bが設けられている。一対の上段つめ部57a,57bは、上段つめ車55bが図6におけるCCW方向に回転した時に、上段つめ車55bの歯部と係合する。また、一対の上段つめ部57a,57bは、上段つめ車55bが図6におけるCW方向に回転した時に、上段つめ車55bの歯部に対して摺動する。
切換下段つめ58は、ピン部材54により回転可能に支持されている。切換下段つめ58には、一対の下段つめ部58a,58bが設けられている。一対の下段つめ部58a,58bは、下段つめ車56bが図6におけるCCW方向に回転した時に、下段つめ車56bの歯部と係合する。また、一対の下段つめ部58a,58bは、下段つめ車56bが図6におけるCW方向に回転した時に、下段つめ車56bの歯部に対して摺動する。
上述のように構成された切換伝え車50は、図2に示すように、一番仲介車41、二番仲介車42、および三番仲介車43を介して切換伝え車50に伝達される回転錘8からの双方向の回転トルクを、一方向の回転トルクとして出力する。
すなわち、回転錘8がCW方向に回転した時、回転錘8の回転トルクは、一番仲介車41、二番仲介車42および三番仲介車43を介して切換伝え車50に伝達される。このとき、二番仲介車42のかな42bと噛合する切換上段車55、および切換上段車55と連動する上段つめ車55bは、CCW方向に回転する。また、上段つめ部57a,57bは、上段つめ車55bの歯部と係合しつつ、中心軸周りにCCW方向に回転する。これにより、上段つめ部57a,57bと連結される台座部材53および切換伝え車50の切換かな52は、CCW方向に回転する。なお、三番仲介車43と噛合する切換下段車56は、CW方向に回転するが、下段つめ部58a,58bが下段つめ車56bの歯部に摺接しつつ中心軸周りにCCW方向に回転する。このため、三番仲介車43の回転トルクは、切換伝え車50の切換かな52に伝達されない。
これに対して、回転錘8がCCW方向に回転した時、回転錘8の回転トルクは、同様に切換伝え車50に伝達される。このとき、三番仲介車43と噛合する切換下段車56、および切換下段車56と連動する下段つめ車56bは、CCW方向に回転する。これにより、下段つめ部58a,58bと連結される台座部材53および切換伝え車50の切換かな52は、CCW方向に回転する。なお、二番仲介車42のかな42bと噛合する切換上段車55は、CW方向に回転するが、上段つめ部57a,57bが上段つめ車55bの歯部に摺接しつつ中心軸周りにCCW方向に回転する。このため、二番仲介車42の回転トルクは、切換伝え車50の切換かな52に伝達されない。
このように、切換伝え車50は、回転錘8からの双方向の回転トルクを、CCW方向の回転トルクとして切換かな52に伝達している。
図3に示すように、一番伝え車45は、香箱受73と伝え受78とにより、中心軸周りに回転可能に支持されている。一番伝え車45は、歯部45aとかな45bとを有している。一番伝え車45の歯部45aは、切換伝え車50の切換かな52と噛合している。一番伝え車45は、切換伝え車50がCCW方向に回転することによりCW方向に回転する。
二番伝え車48(請求項の「揺動歯車」に相当。)は、歯部48aとかな48bと軸部48cとを有している。二番伝え車48の歯部48aは、一番伝え車45のかな45bと噛合可能となっている。二番伝え車48のかな48bは、角穴車12の歯部12aと噛合している。
トルク遮断機構60は、軸受部74と、付勢部材49とを含む。
軸受部74は、例えば伝え受78および香箱受73にそれぞれ設けられた貫通孔であり、二番伝え車48の軸部48cを支持する。軸受部74は、角穴車12の径方向外側において、角穴車12の周方向に沿うように、かつ一番伝え車45に対して接近離間する方向に沿うように長軸を有する長孔となっている。軸受部74は、二番伝え車48の軸部48cを回転可能かつ軸受部74の長軸に沿って移動可能に支持している。
付勢部材49は、一端部49aが角穴車12の近傍で例えば香箱受73に固定され、他端部49bが自由端とされる板バネ部材である。付勢部材49は、他端部49bが二番伝え車48の軸部48cと当接するとともに、二番伝え車48を一番伝え車45に向かって付勢している。
図2に示すように、二番伝え車48は、軸部48cが軸受部74内において一番伝え車45側の端部に配置されたとき、一番伝え車45に対して最も近接して配置されるとともに一番伝え車45と噛合される噛合位置に配置される。このとき、二番伝え車48と一番伝え車45との間では、回転トルクの伝達が可能となっている。
また、図4に示すように、二番伝え車48は、軸部48cが軸受部74内において一番伝え車45とは反対側の端部に配置されたとき、一番伝え車45から最も離間して配置されるとともに、一番伝え車45との噛合が解除される非噛合位置に配置される。このとき、二番伝え車48と一番伝え車45との間では、回転トルクの伝達が遮断される。
(巻上機構の作用)
続いて、上述のように構成された巻上機構10の作用について説明する。以下では、自動巻き時と手動巻き時のそれぞれの場合に分けて説明する。
自動巻き時においては、図2に示すように、回転錘8が例えばユーザーの動きによりCW方向およびCCW方向の双方向に回転すると、回転錘8の回転トルクが一番仲介車41、二番仲介車42、三番仲介車43を介して切換伝え車50に伝達する。切換伝え車50は、回転錘8からのCW方向およびCCW方向の双方向の回転トルクを、CCW方向の一方向の回転トルクとして、切換伝え車50の切換かな52から出力する。切換伝え車50の切換かな52と噛合する一番伝え車45は、切換伝え車50から出力されたCCW方向の回転トルクによりCW方向に回転する。
ここで、二番伝え車48は、付勢部材49によって一番伝え車45に向かって付勢されるとともに、一番伝え車45と噛合している。したがって、二番伝え車48は、一番伝え車45のCW方向の回転にともなって、CCW方向に回転する。また、二番伝え車48と噛合する角穴車12は、CW方向に回転する。これにより、巻上機構10は、自動巻き時において、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
なお、角穴車12と噛合する揺動丸穴車26には、角穴車12のCW方向の回転トルクによって、角穴車12から離間する方向に力が作用する。このとき、揺動丸穴車26は、板バネ75の付勢力に抗して角穴車12から離間する方向に移動し、角穴車12との噛合が解除される。したがって、巻上機構10は、自動巻き時において、回転錘8からの回転トルクを手動巻輪列20に伝達することなく、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
手動巻き時においては、図4に示すように、例えばユーザーがりゅうず7(図1参照)を把持して巻真6(図1参照)を回転させると、丸穴車22がCCW方向に回転する。丸穴車22と噛合する丸穴伝え車24は、CW方向に回転する。丸穴伝え車24と噛合する揺動丸穴車26は、CCW方向に回転する。
揺動丸穴車26は、板バネ75によって角穴車12に向かって付勢されるとともに、角穴車12と噛合している。また、角穴車12は、揺動丸穴車26のCCW方向の回転にともなって、CW方向に回転する。
ところで、手動巻き時において、角穴車12が回転すると、角穴車12と噛合する自動巻輪列40の二番伝え車48には、一番伝え車45から離間する方向に回転トルクが作用する。このとき、二番伝え車48は、付勢部材49の付勢力に抗して一番伝え車45から離間する方向に軸部48cが軸受部74内を移動し、一番伝え車45との噛合が解除される。すなわち、手動巻き時において、軸受部74と付勢部材49とを備えたトルク遮断機構60によって、回転錘8と角穴車12との間の回転トルクの伝達が遮断される。したがって、巻上機構10は、手動巻き時において、二番伝え車48よりも回転錘8側に回転トルクを伝達することなく、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
本実施形態によれば、揺動歯車である二番伝え車48の回転中心を移動させて一番伝え車45との噛合を解除することにより、回転錘8と手動巻輪列20により回転される角穴車12との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構60を備えているので、自動巻輪列40を構成する一番伝え車45、切換伝え車50、二番仲介車42、三番仲介車43、一番仲介車41の各歯車の無駄な回転を防止できる。これにより、自動巻輪列40を構成する各歯車の摩耗を抑制できるので、巻上機構10の耐久性を向上させることができる。
また、揺動歯車が二番伝え車48であり、トルク遮断機構60は、二番伝え車48が、二番伝え車48と一番伝え車45とが噛合される噛合位置と、二番伝え車48と一番伝え車45との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動するので、りゅうず7からの回転トルクが一番伝え車45と回転錘8との間の自動巻輪列40を構成する各歯車に伝達するのを防止できる。これにより、一番伝え車45と回転錘8との間の自動巻輪列40を構成する各歯車の摩耗を抑制できるので、巻上機構10の耐久性を向上させることができる。
また、切換伝え車50は、二番伝え車48よりも回転錘8側に設けられているので、手動によるぜんまい13の巻き上げ時において二番伝え車48が揺動し、二番伝え車48よりも回転錘8側への回転トルクの伝達を遮断することにより、切換伝え車50に回転トルクが伝達する防止できる。したがって、巻上機構10の耐久性を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態のムーブメント5および時計1は、上述の巻上機構10を備えているので、耐久性に優れた高性能なムーブメント5および時計1を提供できる。
(第一実施形態の変形例に係る巻上機構)
続いて、第一実施形態の変形例に係る巻上機構について説明する。
図7は、自動巻き時における第一実施形態の変形例に係る巻上機構の平面図である。
図8は、手動巻き時における第一実施形態の変形例に係る巻上機構の平面図である。
上述した第一実施形態の巻上機構10は、トルク遮断機構60が、二番伝え車48と一番伝え車45とが噛合される噛合位置と、二番伝え車48と一番伝え車45との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように二番伝え車48を支持する軸受部74を備えていた(図2参照)。
これに対して、図7および図8に示すように、第一実施形態の変形例に係る巻上機構110は、トルク遮断機構160が、二番伝え車48と角穴車12とが噛合される噛合位置と、二番伝え車48と角穴車12との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように二番伝え車48を支持する軸受部174を備えている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
第一実施形態の変形例に係る巻上機構110のトルク遮断機構160は、軸受部174と、付勢部材149とを含む。
軸受部174は、角穴車12の径方向外側において、角穴車12に対して接近離間する方向に沿うように、一番伝え車45の周方向に沿うように長軸を有する長孔となっている。
付勢部材149は、一端部149aが固定され、他端部149bが自由端とされる板バネ部材であり、他端部149bが二番伝え車48の軸部48cと当接するとともに、二番伝え車48を角穴車12に向かって付勢している。
図7に示すように、二番伝え車48は、軸部48cが軸受部174内において角穴車12側の端部に配置されたとき、角穴車12に対して最も近接して配置されるとともに角穴車12と噛合される噛合位置に配置される。このとき、二番伝え車48と角穴車12との間では、回転トルクの伝達が可能となっている。
また、図8に示すように、二番伝え車48は、軸部48cが軸受部174内において角穴車12とは反対側の端部に配置されたとき、角穴車12から最も離間して配置されるとともに、角穴車12との噛合が解除される非噛合位置に配置される。このとき、二番伝え車48と角穴車12との間では、回転トルクの伝達が遮断される。
(第一実施形態の変形例に係る巻上機構の作用)
続いて、上述のように構成された第一実施形態の変形例に係る巻上機構110の作用について説明する。以下では、自動巻き時と手動巻き時のそれぞれの場合に分けて説明する。
自動巻き時においては、図7に示すように、角穴車12は、回転錘8の回転トルクが伝達されて、CW方向に回転する。これにより、巻上機構110は、自動巻き時において、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
また、手動巻き時においては、図8に示すように、角穴車12は、手動巻輪列20を介してりゅうず7(図1参照)の回転トルクが伝達されて、CW方向に回転する。
ところで、手動巻き時において、角穴車12がCW方向に回転すると、角穴車12と噛合する自動巻輪列40の二番伝え車48には、角穴車12から離間する方向に回転トルクが作用する。このとき、二番伝え車48は、付勢部材149の付勢力に抗して角穴車12から離間する方向に軸部48cが軸受部174内を移動し、角穴車12との噛合が解除される。すなわち、手動巻き時において、軸受部174と付勢部材149とを備えたトルク遮断機構160によって、回転錘8と角穴車12との間の回転トルクの伝達が遮断される。したがって、巻上機構110は、手動巻き時において、角穴車12よりも回転錘8側に回転トルクを伝達することなく、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
第一実施形態の変形例に係る巻上機構110によれば、トルク遮断機構160は、二番伝え車48が、二番伝え車48と角穴車12とが噛合される噛合位置と、二番伝え車48と角穴車12との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動するので、りゅうず7からの回転トルクが二番伝え車48と回転錘8との間の歯車に伝達するのを防止できる。すなわち、手動によるぜんまい13の巻き上げ時において、りゅうず7からの回転トルクが自動巻輪列40の全ての歯車に伝達するのを防止できるので、巻上機構110の耐久性を大幅に向上させることができる。
(第二実施形態の巻上機構)
続いて、第二実施形態の巻上機構について説明する。
図9は、自動巻き時における第二実施形態の巻上機構の平面図であり、図10は、図9のB−B線に沿った断面図であり、図11は、手動巻き時における第二実施形態の巻上機構の平面図である。
第一実施形態の巻上機構10は、トルク遮断機構60の付勢部材49が板バネ部材であった(図2参照)。
これに対して、図9から図11に示すように、第二実施形態の巻上機構210は、トルク遮断機構260の付勢部材249がレバー249Aである点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
第二実施形態に係る巻上機構210のトルク遮断機構260は、軸受部274と、付勢部材249とを含む。
軸受部274は、角穴車12の径方向外側において、角穴車12に対して接近離間する方向に沿うように、かつ一番伝え車45の周方向に沿うように長軸を有する長孔となっている。
付勢部材249は、一端部249aが二又に分かれるように形成され、他端部249bが二番伝え車48に接続されるレバー249Aであり、例えば樹脂材料等により形成されている。
付勢部材249であるレバー249Aの一端部249aは、二又に分かれた腕部246により、一番伝え車45の軸部45cを挟持している。レバー249Aの一端部249aは、一番伝え車45の軸部45c周りに所定値以上の回転トルクが付与された時にスリップし、一番伝え車45の軸部45cに対して回転可能となっている。以下、付勢部材249の一端部249aが一番伝え車45の軸部45cに対してスリップするときの回転トルクをスリップトルクという。
ここで、スリップトルクは、レバー249Aの一端部249aを一番伝え車45の軸部45cの中心軸周りに回転させ、レバー249Aの他端部249bに接続された二番伝え車48を移動させるときの移動トルクよりも大きな値に設定されている。したがって、レバー249Aは、一番伝え車45が回転したとき、一端部249aが一番伝え車45の軸部45cを把持した状態で、他端部249bに接続された二番伝え車48を移動させる。
また、角穴車12と二番伝え車48とが当接した後、レバー249Aは、一番伝え車45の回転にともなってレバー249Aの一端部249aと軸部45cとがスリップしつつ、角穴車12に向かって二番伝え車48を付勢する。すなわち、レバー249Aは、一番伝え車45の回転にともなって、角穴車12から二番伝え車48が離間した非噛合位置から、角穴車12と二番伝え車48とが噛合する噛合位置に向かって二番伝え車48を付勢する。
(第二実施形態の巻上機構の作用)
続いて、上述のように構成された第二実施形態に係る巻上機構210の作用について説明する。以下では、自動巻き時と手動巻き時のそれぞれの場合に分けて説明する。
自動巻き時においては、図9に示すように、一番伝え車45は、回転錘8の回転トルクが伝達されて、CW方向に回転する。付勢部材249は、一端部249aに一番伝え車45からの回転トルクが加わるとともに、他端部249bに接続された二番伝え車48を一番伝え車45の回転にともなって非噛合位置から噛合位置に向かって付勢する。二番伝え車48が噛合位置において角穴車12と噛合すると、付勢部材249の一端部249aには、一番伝え車45の軸部45cからの回転トルクにより、スリップトルクよりも大きなトルクが加わる。したがって、一番伝え車45は、レバー249Aの一端部249aと軸部45cとがスリップした状態でCW方向に回転する。二番伝え車48は、一番伝え車45のCW方向の回転にともなって、CCW方向に回転する。また、二番伝え車48と噛合する角穴車12は、CW方向に回転する。これにより、巻上機構210は、自動巻き時において、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
また、手動巻き時においては、図11に示すように、角穴車12は、手動巻輪列20を介してりゅうず7(図1参照)の回転トルクが伝達されて、CW方向に回転する。
ところで、手動巻き時において、角穴車12がCW方向に回転すると、角穴車12と噛合する自動巻輪列40の二番伝え車48には、角穴車12から離間する方向に回転トルクが作用する。このとき、二番伝え車48は、回転トルクによりレバー249Aの一端部249aを軸部45cに対してスリップさせつつ、角穴車12から離間する方向に軸部48cが軸受部274内を移動することにより、角穴車12との噛合が解除される。すなわち、手動巻き時において、軸受部274とレバー249Aとを備えたトルク遮断機構260によって、回転錘8と角穴車12との間の回転トルクの伝達が遮断される。したがって、巻上機構210は、手動巻き時において、角穴車12よりも回転錘8側に回転トルクを伝達することなく、香箱車11に収容されたぜんまい13を巻き上げることができる。
第二実施形態の巻上機構210によれば、一番伝え車45および二番伝え車48に連結されたレバー249Aにより二番伝え車48を非噛合位置から噛合位置に向かって付勢するので、例えば付勢部材に板バネを用いた場合に必要とされる、板バネを固定するためのスペースが不要となる。したがって、巻上機構210の耐久性を向上させることができるとともに、巻上機構210を小型化することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
手動巻輪列20および自動巻輪列40の歯車の数や構成等は、各実施形態に限定されない。
また、第一実施形態では、トルク遮断機構60の付勢部材49として板バネ部材を採用していたが、板バネ部材に限定されない。したがって、例えば、付勢部材49として、コイルスプリング等を採用してもよい。
各実施形態では、二番伝え車48が揺動歯車である場合を例に説明をしたが、揺動歯車は二番伝え車48に限定されない。すなわち、揺動歯車は、自動巻輪列を構成するいずれかの歯車であればよい。したがって、例えば、一番伝え車45が揺動歯車であってもよいし、切換伝え車50が揺動歯車であってもよい。
各実施形態では、回転錘8からの双方向の回転トルクを一方向の回転トルクとして伝達する切換伝え機構として、切換伝え車50を例にして説明をしたがこれに限定されない。したがって、例えば、引きつめおよび押しつめを備えたつめレバーにより、回転錘8からの双方向の回転トルクを一方向の回転トルクとして二番伝え車に伝達する、いわゆるマジックレバー方式の切換伝え機構を採用してもよい。
各実施形態では、角穴車12が巻き上げ用歯車として機能しており、角穴車12を回転させることで香箱車11に収容されたぜんまい13が巻き上げられていた。これに対して、角穴車12を介することなく、香箱車11を回転させることで香箱車11に収容されたぜんまい13が巻き上げられる構成としてもよい。この場合においては、香箱車11が巻き上げ用歯車として機能する。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1・・・時計 5・・・ムーブメント 7・・・りゅうず 8・・・回転錘 10,210・・・巻上機構 11・・・香箱車 12・・・角穴車(巻き上げ用歯車) 13・・・ぜんまい 20・・・手動巻輪列 40・・・自動巻輪列 45・・・一番伝え車 48・・・二番伝え車(揺動歯車) 49,149,249・・・付勢部材 249A・・・レバー 60,160,260・・・トルク遮断機構 74,174,274・・・軸受部 249a・・・レバーの一端部 249b・・・レバーの他端部

Claims (7)

  1. 回転により香箱車の内部のぜんまいを巻き上げる巻き上げ用歯車と、
    りゅうずからの回転トルクを伝達して前記巻き上げ用歯車を回転させる手動巻輪列と、
    回転錘からの回転トルクを伝達して前記巻き上げ用歯車を回転させる自動巻輪列と、
    を備え、
    前記自動巻輪列は、回転中心が移動可能な揺動歯車を含み、
    前記揺動歯車の回転中心を移動させて他の歯車との噛合を解除することにより、前記回転錘と、前記手動巻輪列により回転される前記巻き上げ用歯車との間の回転トルクの伝達を遮断するトルク遮断機構を備えたことを特徴とする巻上機構。
  2. 請求項1に記載の巻上機構であって、
    前記自動巻輪列は、
    一番伝え車と、
    前記一番伝え車および前記巻き上げ用歯車と噛合する二番伝え車と、
    を含み、
    前記揺動歯車は、前記二番伝え車であり、
    前記トルク遮断機構は、
    前記二番伝え車と前記一番伝え車とが噛合される噛合位置と、前記二番伝え車と前記 一番伝え車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように前記二番伝え 車を支持する軸受部と、
    前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢する付勢部材と、
    を備えたことを特徴とする巻上機構。
  3. 請求項1に記載の巻上機構であって、
    前記自動巻輪列は、
    一番伝え車と、
    前記一番伝え車および前記巻き上げ用歯車と噛合する二番伝え車と、
    を含み、
    前記揺動歯車は、前記二番伝え車であり、
    前記トルク遮断機構は、
    前記二番伝え車と前記巻き上げ用歯車とが噛合される噛合位置と、前記二番伝え車と 前記巻き上げ用歯車との噛合が解除される非噛合位置と、の間を揺動可能なように前記 二番伝え車を支持する軸受部と、
    前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢する付勢部材と、
    を備えたことを特徴とする巻上機構。
  4. 請求項3に記載の巻上機構であって、
    前記付勢部材は、一端部が前記一番伝え車に連結され、他端部が前記二番伝え車に連結されたレバーであり、
    前記レバーの一端部は、所定値以上の回転トルクが付与されたときに前記一番伝え車の中心軸周りに回転可能とされ、
    前記レバーは、前記一番伝え車の回転にともなって前記二番伝え車を前記非噛合位置から前記噛合位置に向かって付勢することを特徴とする巻上機構。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の巻上機構であって、
    前記自動巻輪列は、前記回転錘からの双方向の回転トルクを一方向の回転トルクとして伝達する切換伝え機構を備え、
    前記切換伝え機構は、前記揺動歯車よりも前記回転錘側に設けられていることを特徴とする巻上機構。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の巻上機構を備えたことを特徴とするムーブメント。
  7. 請求項6に記載のムーブメントを備えたことを特徴とする時計。
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