JP5005035B2 - 動力源と機械的発振装置との間の動力伝達を一定トルクで行う時計のムーブメント - Google Patents

動力源と機械的発振装置との間の動力伝達を一定トルクで行う時計のムーブメント Download PDF

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Description

本発明は、枠に取り付けられ、捲回の程度に応じて出力トルクが変化する動力源を備えたタイムピースのムーブメントに関する。
動力源は、補償装置を備えた調速輪列を通して、機械的発振装置の発振動作を維持するように設計されている。補償装置は、前記動力源に、直接又は少なくとも1つの組立車を介して動力伝達可能に接続されている入力部材と、前記機械的発振装置に動力伝達可能に接続されている出力部材とを有しており、動力源の捲回の程度に拘わらず、機械的な発振装置に実質的に一定のトルクを伝達するように構成されている。
この型のムーブメントは、ムーブメントの輪列にぜんまいが与える動力の不可避的な変動を平滑にしつつ、動力を長期に亘って貯えることのできるぜんまいを動力源として使用するという目的で、特に置き時計の分野において長く知られている。なお、この変動は、置き時計が動いている間のぜんまいの捲回の程度の変化に起因している。より正確には、ぜんまいがより多く巻き上げられていれば、該ぜんまいが調速輪列に伝達するトルクがより大きくなることは、通常、理解されるであろう。
一般にコンスタントフォース脱進機又はルモントワール機構と呼ばれ、主ぜんまいの動力によって定期的に巻き上げられる第二ぜんまいを使用する、数多くの機構が既に提案されている。巻上の周期は、第二ぜんまいによってムーブメントに与えられる力が、その捲回の程度が最小であるときと最大であるときとの間で一定と考えられるように、十分に短くなければならない。
他の型の機構、特にチェーンフュジー機構と呼ばれる型のものは、前記第二ぜんまい機構に比べて、動力伝達のより上流側で、香箱に接してより正確に動作するようになっている。
これらのムーブメントは、香箱に接続されているチェーンが捲回されている螺旋状の溝を備えた円錐形の部材であるフュジーを含んでいる。タイムピースが巻き上げられているときには、チェーンはそれ自体をフュジーの周囲に巻き付けており、香箱のぜんまいは応力を受ける。径が一定である車が、フュジーと同軸にフュジーに固定されており、香箱のぜんまいの動力を、フュジーからムーブメントの輪列に伝えるようになっている。このようにして、香箱のぜんまいの動力は一定のトルクで輪列からムーブメントに伝えられる。
実際、香箱ぜんまいの捲回の程度が最大であってその最大の力を及ぼしているときには、チェーンがフュジーの螺旋の径が最小である円周部分を引っ張っている。これに対して、香箱ぜんまいの捲回の程度が減少するにつれ、チェーンがフュジーの螺旋の径がより大きい部分の円周部分を引くようになる。
このような機構は16世紀から知られているが、この機構を実装するに際しては、特に非常に多くの部品を含んでいるチェーンを実現するのが依然として複雑であって費用がかかる。この機構を腕時計に実装するという課題に対しては、この製造の複雑さが非常に大きな問題となり、このような時計が特に選ばれたクラスの人のみのものとなっている。
本発明の第一の目的は、動力源が解放したトルクの変動を補償する装置を含むタイムピースムーブメントを提案することによって、従来技術によって公知の機構の代替物を提供することである。その構造は、過度に複雑でない上に価格も手頃であり、また、スペースを取らない一方で、高い動作信頼性を保証することが可能である。
この目的のために、より詳しくは、本発明は前記型のタイムピースムーブメントに関し、前記補償装置が、半径の大きさが変化すると共に略平面上に実質的に延在する周縁部を有するカムを含み、該カムの半径の大きさの変化が動力源の出力トルクに応じたものであることを特徴とする。このカムは、周縁部に複数の歯も有している。この補償装置は、また、該カムの複数の歯と咬合すると共に、カムの前記周縁部と調速輪列との間を、殆ど又は全く滑ることなく、動力伝達可能に接続するように配設された、中間接続機構も含んでいる。
前記補償機構が、個々に見たときに堅い部品を専ら有していると、好都合である。
これらの特徴によって、本発明のムーブメントは、従来技術の機構よりも嵩が小さく、また、従来技術のものより複雑ではなく、それ故に、製造経費が少なくて済む。さらに、前記補償装置はその製造、特にムーブメントにカムを装着するのに大きな柔軟性を提供する。
本発明の第一の好適な態様によると、前記中間接続機構は、枠に固定された心棒を中心として枢軸回動するレバーであって、前記固定された心棒を中心として自由に回転できるように取り付けられると共に調速輪列の内の少なくとも1つの組立車と永久的に咬合するように配設された車と動力伝達可能に永久的に接続されたピニオンを、支持するレバーを有している。前記ピニオンは、前記カムの複数の歯と、殆ど又は全く滑ることなく係合するように配設されている。
これらの特徴によって、このカムの周縁部の形態は、大きな柔軟性を有して、捲回の程度に応じて伝達された出力トルクに関する動力源の挙動の関数として、正確に調節することができる。その一方で、動力源から機械的発振装置へと高い信頼性で動力を伝達することができる。
前記カムの周縁部が補償装置の入力部材に接続されている態様の好適な一変形例によると、前記ピニオンが減速輪列の車と係合するように配設されているので、カムの歯の大きさと数とによって、動力源の性質を、特に、動力源がぜんまいである場合には、ぜんまいの変形の大きさを定めることが可能である。
本発明の第二好ましい態様においては、前記中間接続機構が、半径の大きさが変化するもう1つのカムを有しており、この第二のカムの周縁部が動力伝達可能に前記第一のカムの周縁部に接続され、両カムの中心を結ぶ線分上における両カムの半径の長さの合計が、一定であるように大きさが定められている。この第二のカムは、前記動力源に動力伝達可能に接続されている駆動車に該駆動車と共に回転するように固定されている。
これらの特徴によって、2つのカムの動力伝達接続が非常に強固であるので、動力源の巻き上げの程度に拘わらず補償装置からの出力として出されるトルクが一定であるように、2つのカムの各々は前記動力源の出力トルクの変動を部分的に補償する。
一般に、前記補償装置が差動歯車を有し、前記カムが該作動歯車の入力部材をなし、作動歯車の出力部材が動力を伝達するように機械的発振装置に接続されていると好適である。この場合において、前記差動歯車が、動力源の巻き上げを実現することのできる追加的な入力部材を含んでいると賢明である。
本発明の他の特徴と効果とは、本発明を制限しない例として与えられている添付の図面を参照して以下になされる、好ましい態様の詳細な記述を読むことにより、より明確になるであろう。
本発明の第一の態様による補償装置を有するタイムピースムーブメントの一部分の、単純化した上面図である。 図1aに示されているムーブメントの第一の細部の、単純化した上面図である。 図1aに示されているムーブメントの単純化した横方向断面図である。 図2aで見えている部分のムーブメントの第二の細部の、単純化した上面図である。 図2aで見えている部分のムーブメントの第三の細部の、単純化した上面図である。 本発明の第二の態様による補償装置を有するタイムピースムーブメントの一部分の、単純化した上面図である。
明確さのために、全ての図面において、本発明を理解するのに有用な要素のみが示されている。
図1aは、本発明の第一の態様による補償装置を有する、ぜんまい仕掛けの時計のムーブメントの一部分を単純化した上面図を示している。より正確には、動力源から、この動力によって発振が維持される機械的発振装置へと動力を伝達する動力伝達鎖において、動力伝達の役割を果たしているムーブメントの要素のみが図示されている。
参考までに、動力源は、香箱ぜんまい(図2aにおいて見えている)を収容する香箱1の形態を取っており、香箱ぜんまいは、特に調速輪列と、車3およびピニオン4のみが線で示されている脱進機とを介して、天府2の発振を維持するように設計されている。
香箱ぜんまいは従来からある型のものであり、この香箱ぜんまいが伝え、調速輪列に出力されるトルクは、公知の態様で、捲回の程度に応じて変動し、この変動が天府の動作の正確さを害することがある。このように、本発明によると、調速輪列は一定の力で天府の発振を維持することを可能にする補償装置5を含んでおり、それによってその動作の正確さを向上させている。
歯の付いた出力車6が香箱と共に回転するように該香箱に取り付けられており、また、該出力車6は補償装置の減速輪列の第一組立車7と係合するように配設されている。この補償装置は、ムーブメントの枠(図2aにおいて見えている。)によって支持されている。第一輪列のピニオン8はこの輪列の第一車9と咬合しており、第一車9は同じ輪列の第二車10と咬合している。
第二車10は、歯の付いたカム12の周縁部と係合するように配置されている。このカム12は実質的にアルキメデス曲線を辿る形状を有していると好ましい。より正確には、このカムは、その周縁部に、カムが存在する平面上に設けられた複数の歯を備えている。
前記第二車10とカム12の周縁部との動力を伝達する接続を確実に維持するために、前記第一車9の回転中心軸14を中心としてムーブメントの枠に対して枢軸回動するレバー13に、前記第一車を取り付ける。このようにして、第二車10に接触するカム12の半径の長さに拘わらず、第二車10は第一車9の動きを該カムに連続的に伝える。
この機械的な接続は、図1bにおいてより明確に見えている。図1bにおいては、香箱ぜんまいがかなりの程度まで巻き上げられている場合におけるこの接続が、ムーブメントの他の部分から抜き出されて示されている。実際、香箱を高度に巻き上げた状態からこのムーブメントが動作するときには、香箱の高い出力トルクの値を最小化するために、第二車10と接触しているカムの半径は小さくなっている。香箱のぜんまいが巻き戻って行く間に、香箱は先に記載した動力伝達鎖を回転駆動し、また、図において時計回りにカム12を回転させる。香箱のぜんまいが巻き戻るにつれてその出力トルクは減少して行き、香箱の出力トルクの低下を補償するために、前記第二車12と接触しているカムの半径が増大してゆく。
図1aに戻ると、前記補償装置の出力車15はカム12と同軸に取り付けられており、動力伝達の下流、即ち、機械的発振装置の方向に位置する調速輪列に一定のトルクを与える。ここでは、この出力車の板は5本のアームを有しているが、アームの数はこれに限定されない。カム12と出力車15との間の機械的接続の構造については、図2aを参照して、以下に詳述する。
出力車15は減速輪列の第一組立車16と咬合しており、この減速輪列は、前記第一組立車16に続いて、第二組立車17、大きな第三車18、第三組立車19、及び前記脱進機のピニオン4と咬合する第二車・ピニオン組立体20を含んでいる。
なお、ここに記述した減速輪列の組立車の数がこれに限定されないのは、当然のことである。香箱ぜんまいの機械的性質と、前記カムの大きさと歯数とが、それらを相互に接続する減速輪列の構造に影響することに注意されたい。同様に、前記補償装置のカム及び出力車15の大きさと、動力を供給される機械的発振装置の性質と特長とが減速輪列の構造に影響を与える。
当業者であれば、本発明の範囲を超えることなく、ムーブメントの前記減速輪列をその当業者自身の必要に適合させるのに特別な困難に遭遇することはない。
図2aは、図1aに示されているムーブメントの単純化した横方向断面図を示している。この図においては香箱ぜんまい22が見えており、また、香箱ぜんまいからのトルクの伝達が出力車6から行われるので、香箱1の円筒形筐体が歯を有していないという事実も見て取れる。
また、前記補償装置が差動歯車23を有しており、そのカム12が第一の入力部材をなし、出力車15が一定トルクでの出力を行う出力部材をなすことも、図2aからは理解される。
前記差動歯車23は、中央心棒25によってムーブメントの枠24に取り付けられる。前記出力車15は、心棒25に接触してその周囲を自由に回転することができる芯26に螺子留めされ、また、芯26は放射状の歯部27を有している。
差動受け30はカム12に螺子留めされており、2つの衛星車31の各両端がカム12と差動受け30とにそれぞれ回転可能に取り付けられている。衛星車31の各々は、ピニオン32と車33とを有しており、ピニオン32は芯26の歯27と咬合するように配置されている。
前記差動歯車23は車35の形態をした第二の入力部材を有しており、この車35は中央心棒25に自由に回転するように取り付けられている。この車35は、中央心棒25の方を向いた半径方向に延在する歯部36を有しており、該歯部は前記衛星車31の各々の車33と係合するように配置されている。
図2bにおいてより良く示されているように、車35は前記差動歯車23の入力部材の機能を果たし、香箱ぜんまいの巻上を可能にする。この図においては、外部制御部材40をこの車35に接続する動力伝達連鎖が線図で示されている。
外部制御部材は、丸穴車42と咬合するきち車41を回転駆動することができるように作られており、丸穴車は竜頭43と係合している。この竜頭は、差動歯車23の入力車35と係合させて配設されており、以下に詳述するように、差動歯車23が前記外部制御部材40と香箱1との間を、確実に動力を伝達するように接続している。巻上操作が行われていないときに車が時ならぬ回転をしてしまうのを防ぐために、従来の型のこはぜ(図示せず)も巻上輪列中に配されている。
香箱ぜんまい22の巻上を行うために、外部制御部材40が回転されると、直前に記述した巻上輪列を経て、入力車35が回転駆動される。前記差動歯車の出力車15が、殆どの時間、即ち、がんぎ車3が止められている間、固定されていることを考慮すると、差動歯車の動作原理を説明するための第一近似において、前記差動歯車の芯26がこの操作の間には動かないと考えることができるので、入力車35は歯36を介して2つの衛星車31を反対方向に回転して、図1a及び1bにおいて反時計回りにカム12を回転駆動する。
カム12の回転は車10に伝えられ、次いで車9、そして組立車7,最後に香箱の出力車6に伝えられる。結果として、香箱1は、図1aにおいて反時計回りに回転駆動され、内側端部が枠に対して固定されている香箱真50と一体化されているそのぜんまい22を再び巻き上げる。
巻上輪列が外部制御部材から力を受けていない場合は、差動歯車の入力車35が固定されていると考えることができる。
先に記載したように、香箱ぜんまい22はその力をカム12に伝達し、該カムを図1a及び1bにおいて時計回りに回転させようとする。しかしながら、このカムの回転は、がんぎ車3が止められていない場合にのみ、即ち、差動歯車の出力車15が固定されていない場合のみに可能である。前記2つの衛星車31は、該衛星車の軸を介してカムと一体化されており、これら衛星車はカムと同じ回転動で駆動される。その結果、入力車35の歯36と咬合しているので衛星車の車33が回転する。これら2つの衛星車は自転しながら、前記芯26の歯27を介してこの芯にトルクを伝達し、したがって、出力車15にもトルクを伝える。
カム12の半径の長さが変化していることにより、差動入力トルクが一定に保たれるので、香箱ぜんまい22の捲回の程度によらず、即ち、調速輪列に伝えられる出力トルクに拘わらず、出力車15による差動出力において伝達されるトルクも一定である。
その結果、がんぎ車3に最終的に伝えられるトルクは一定であり、衝撃毎に同じ力を天府2に与え、優れた動作精度を保証する。
以下に従来の方法で説明されているように、動作精度は、時刻の表示のレベルでも観察することができる。時刻の表示は、時が経つにつれ、わずかにずれてくる。分針(図示せず)を有するように設計された筒カナ60は二番車とそのカナ18とによって支持されており、筒カナ自身は、時針(図示せず)を有するように設計された筒車61を支持している。日の裏輪列62によって、これら2つの部材の間の必要な回転数の減少を確実に行う。
機械的発振装置の動作を中断することなく、従来の方法で、対応するタイムピースの設定を行うことができるように、段の付いた型の筒カナ60を図示している。図示されていない設定輪列は、前記外部操作部材を前記日の裏輪列62に接続するように配設されていると都合がよい。
本発明を制限しない説明図である図2cに抜き出して示しているように、香箱真50の角位置のインデキシング機構があると好ましい。
このインデキシング機構は、鋸歯を有する車70の形態を取っており、この車70は香箱真50と一体に回転し、こはぜ71と協働する。このインデキシング機構によって、香箱ぜんまい22によって与えられる、カム12の使用可能な最大半径と関連する出力トルクの最小値を制御するために、香箱真の角度位置を調節するのが可能になる。この出力トルクの最小値は、使用される香箱ぜんまい22の機械的特性に従って、ムーブメントの製造中に予め定められる。この値は、一般に、香箱ぜんまいによって伝達されるトルクが、通常、香箱の回転数によって特徴付けられる捲回の程度に応じて、規則的な動作変動を有する範囲の起点を定める。
さらに、カム12によって支持されると共に枠に固定された当接面73(図1bにおいて線で示されている)と協働して、製造中に選択された前記香箱の出力トルクの最小値に達したときにカムの回転を止める停止部材73も示している。
カムの半径が最小になったときに巻上を制限するための同様の停止部材を設けてもよく、この停止部材が香箱のぜんまい22によって与えられる出力トルクの最大値と関連していると好適である。出力トルクの最大値は、前記のように、香箱のぜんまいの動作範囲の終わりを示している。当業者であれば、本発明の範囲を超えることなく、歯車を損傷しないために、従来から用いられている型のトルク制限機構を巻上輪列中に設けることもできるであろう。
ある特定の香箱ぜんまいが選択された場合に、減速輪列、即ち車6、9及び10並びに組立車7を、香箱1の動作範囲に対応する香箱の回転数の合計が実質的にカム12の一回転に相当するように選択すると最適である。
図3は、本発明の第二の態様による補償装置を含むタイムピースムーブメントの一部分の単純化した上面図である。
第二の態様は、第一の態様の接続機構に代わる接続機構を示している。
香箱1の出力車6は、減速輪列の第一組立車80と咬合する。また、この第一組立車は、第二組立車81と咬合している。第二組立車は、第一カム83に該カムと同軸であって該カムと共に回転するように取り付けられた車82を介して、接続組立車を駆動する。
この第一カム83は、好ましくは歯部を用いることによって、その周縁部が第二カム84と咬合するように配設されている。第二カムは一例であるが、この第二カムは、第一の態様に関連して記載された差動歯車23に類似する差動歯車への入力部材として好適に機能することができる。
2つのカム83と84とは、各々の周縁部が連続的に係合するようにその大きさが定められる。このような意図を以て、2つのカムの中心を結ぶ線分85上に各々の半径を位置させたときに、2つのカムの半径の合計が一定であるように、2つのカムの半径を定める。さらに、香箱のぜんまい1の捲回の程度に拘わらず、したがって香箱から出力車6によって伝達される出力トルクに拘わらず、第二のカム84によって与えられるトルクが一定であるように、それぞれの半径の値が調節される。
このように、香箱ぜんまいがその動力を放出するにつれ、その出力トルクは低減し、第一のカムの半径は増大して、該カムが受け取るトルクの減少分よりも多くのトルクを実質的に補償する。即ち、第一のカムは、その値がごくわずかに増加する傾向のあるトルクを第二のカム84に伝達する。同時に、第二のカム84の半径は少しずつ小さくなって行き、動力伝達の下流側に配されている機械的発振装置(図示せず)に、全体として、一定のトルクを与えるために、第一のカム83によって自身に伝えられたトルクの増加分を正確に補償するようになっている。
これら2つのカムの連結によって、従来技術の機構に比べて製造と組立の努力を大幅に低減しながら、香箱からの出力トルクの変動を高い精度で補償することができる。さらに、このようにして2つのカムの間に実現された動力伝達の信頼性は高く、好ましい態様である歯車によって実現されたときに特に優れている。
これまでの記述は本発明の好ましい態様に対応し、本発明を制限するものではない。特に、タイムピースの様々な部品要素として図示され、記載された形態は、例としてのみの形態である。本発明を制限しないが、その嵩が小さいので、本発明が腕時計型のタイムピースにおいて好適に実施することができるということができる。
本発明の範囲を超えることなく、数多くの代替態様を提供することができる。特に、最初に記載した態様に関しては、カムの周縁部を、補償装置の入力部材ではなく、補償装置の出力部材に接続することができる。この場合、例えば、動力伝達可能に動力源に接続された入力車を配設し、また、該カムの周縁部に接続されている中間接続機構を補償装置の出力部材に接続して、カムを入力車によって駆動することができる。この場合において、出力車6の代わりに、該カムを香箱に直接取り付けることも考えることができる。
一般に、当業者であれば、様々な歯車、減速輪列又は加速輪列を各当業者の必要に応じて変更するに際し、特段の困難に遭遇することはない。
勿論、本発明は、ここで記載され図示された動力源の性質によって制限されることはない。しかしながら、その機能故に、本発明は、回転数の少ない所謂「低速の」香箱ぜんまいの使用を可能にすることが注目される。出力トルクが高くて、その動作範囲の両端の間でトルクの変動が非常に大きいという事実のために、この型のぜんまいはあまり普通の型のものではない。しかしながら、このような低速ぜんまいは、回転数の多い「高速の」ぜんまいにあってはより一般に見られる、捲回されたぜんまいの部分同士の接着の危険性が小さいという効果を特に有する。同様に、本発明は、並列に搭載された複数の香箱によって調速輪列に伝達される非常に大きなトルクを扱うのに使用することもできる。

Claims (13)

  1. 枠(24)に取り付けられ、捲回の程度に応じて出力トルクが変化する動力源(1、22)を有し、補償装置(5)を有する調速輪列を介して機械的発振装置(2、3、4)の発振動作を維持するように設計されており、該補償装置が、前記動力源から動力伝達可能に接続された入力部材と前記機械的発振装置に動力伝達可能に接続された出力部材とを有し、前記動力源の捲回の程度に拘わらず前記機械的発振装置に実質的に一定のトルクを伝達するように配設された時計のムーブメントであって、
    前記補償装置が
    −実質的に略平面上に延在する、半径の長さが変化する周縁部を有するカム(12、84)であって、該カムの半径の長さの変化は前記動力源の出力トルクの変化に応じており、また、前記カムが周縁部に複数の歯を有するカム、及び
    −前記カムの複数の歯と咬合して、殆ど又は全く滑ることなく、前記調速輪列とカムの周縁部との間に動力を伝達する接続をなすように形成された中間接続部材(9、10、13、83)
    を有することを特徴とするムーブメント。
  2. 前記中間接続部材(9、10、13、83)が堅い部品のみを含むことを特徴とする、請求項1に記載のムーブメント。
  3. 前記中間接続部材が、前記枠(24)に固定された心棒(14)を中心として枢軸回動するレバー(13)を含み、該レバーが前記固定された心棒を中心として自由に回転するように取り付けられた車(9)と永久的に動力伝達可能な接続を有する可動車(10)を支持し、該車が前記調速輪列の少なくとも1つの組立車(7)と連続的に係合するように配され、前記可動車が、殆ど又は全く滑ることなく、前記カム(12)の複数の歯と咬合することを特徴とする、請求項1又は2に記載のムーブメント。
  4. 前記カム(12)の周縁部が前記補償装置(5)の前記入力部材に接続されており、また、このカムが前記中間接続機構(9、10、13)を介して前記動力源(1、22)に動力伝達可能に接続されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載のムーブメント。
  5. 前記動力源の捲回の程度が減少したときに、前記動力源と動力伝達可能な接続がなされている前記カムの周縁部の領域において、該カムの半径が大きくなるようにカム(12)が配設されていることを特徴とする、請求項4に記載のムーブメント。
  6. 前記中間接続機構が、前記カム(84)の前記周縁部に動力伝達可能に周縁部が接続されていると共に半径の長さが変わるもう1つのカム(83)を有し、前記2つのカムの中心を結ぶ線分(85)上における前記カムの半径の長さと前記もう1つのカムの半径の長さの合計が一定であるように大きさが定められ、該もう1つのカム(83)は、前記動力源に動力伝達可能に接続されている駆動車に該駆動車と共に回転するように固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のムーブメント。
  7. 前記補償装置(5)が差動歯車(23)を有し、前記カム(12)が該差動歯車の入力部材をなし、該差動歯車が、前記動力源の巻上機構(40、41、42、43)に接続されているもう1つの入力部材(35)と、前記機械的発振装置に動力伝達可能に接続されている出力部材(15)とを含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載のムーブメント。
  8. 一体に回転するピニオン(32)と車(33)とを含み、自由に枢軸回転する少なくとも1つの衛星車(31)を前記カム(12)が支持し、前記ピニオンと車との一方が前記もう1つの入力部材(35)に接続され、前記ピニオンと車との他方が前記出力部材(15)に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載のムーブメント。
  9. 前記動力源が香箱(1)に収容されているぜんまい(22)を有し、該動力源が、所定の条件下で前記カム(12)と前記香箱との相対的な角度を考慮した配置を可能にするように形成されているインデキシング機構(70、71)も含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載のムーブメント。
  10. 前記動力源(1、22)の捲回の程度がその最小値と最大値との間で変化するときに、前記カム(12)が最大一回転するように、前記補償装置(5)が配設されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載のムーブメント。
  11. 前記補償装置が、前記動力源の捲回の程度の最小値と最大値とをそれぞれ定める第一及び第二の停止部材(72)有していることを特徴とする、請求項10に記載のムーブメント。
  12. 前記カム(12)が、前記枠に固定された当接面(73)と協働するように設計された停止部材(72)を有し、前記動力源の最小捲回度を定めることを特徴とする、請求項10に記載のムーブメント。
  13. 前記請求項のいずれか一項に記載のムーブメントを含むタイムピース。
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