JP2019164115A - 復帰ばね、輪列機構、時計用ムーブメント及び機械式時計 - Google Patents

復帰ばね、輪列機構、時計用ムーブメント及び機械式時計 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな平面スペースを必要とせずに取り付けることができると共に、揺動車にかかる負荷を抑制した状態で揺動車を一方向に付勢すること。【解決手段】揺動方向Lに沿って第1位置P1と第2位置P2との間を揺動可能に配置された揺動車32を、第1位置側から第2位置側に向けて付勢する復帰ばねであって、固定枠部70と、基端部が固定枠部に連結された連結端部72とされ、且つ先端部が揺動車に対して接触可能な自由端部73とされた、弾性変形可能な片持ち状のばね本体71とを備え、自由端部は、揺動車に対して、揺動車を第2位置側に向けて付勢した状態で接触可能とされ、ばね本体は、自由端部から連結端部に至るまでの間に、揺動車の軸方向から見て揺動車の中心軸O5に対して交差する径方向に、間隔をあけて隣り合う対向部75、76、77、78を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されている復帰ばね33を提供する。【選択図】図5

Description

本発明は、復帰ばね、輪列機構、時計用ムーブメント及び機械式時計に関する。
時計用ムーブメントにおいて、第1車と第2車との間に配置される揺動車を揺動させることで、第1車と第2車との間の動力(回転トルク)の伝達を許容するモードと、第1車と第2車との間の動力の伝達を遮断するモード、とを切り替えることが知られている。
この場合、例えば揺動車は第1車に対して噛み合った状態で、第2車に対して噛み合う噛合位置と、第2車に対する噛み合いが解除される解除位置と、の間で揺動可能に配置されている。揺動車が噛合位置に位置している場合には、第1車から伝わってきた動力を、揺動車を介して第2車に伝達することが可能となる。これに対して揺動車が解除位置に位置している場合には、第1車から伝わってきた動力を、揺動車を介して第2車に伝達することを防止することが可能となる。
この種の揺動車を用いる場合において、横当てばねを利用して、揺動車をムーブメントの面内方向に沿って解除位置側から噛合位置側に向けて付勢する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。横当てばねとしては、例えば板ばね、U字ばね或いは線ばね等が挙げられる。
また、揺動レバーを使用して、揺動車を噛合位置と解除位置との間で揺動可能に保持すると共に、噛合位置で揺動車を位置決めする技術も知られている(例えば特許文献2、3参照)。
さらには、押さえばね或いは針座を利用して揺動車をムーブメントの厚さ方向に押さえ込むことで、揺動車を噛合位置と解除位置との間で揺動可能に噛合位置に位置決めする技術も知られている。
特開2016−114509号公報 特開2014−41124号公報 特開2015−219236号公報
上記従来の横当てばねの場合、揺動車を付勢するばね力(付勢力)が大きいと、第2車に対して揺動車が強く押し当たってしまうので、揺動車に対して大きな負荷がかかり易く、例えば噛み合い部分に摩耗等が生じ易くなってしまう。さらに、揺動車が噛合位置側から解除位置側に向けて揺動し難くなってしまうので、揺動車の適切な揺動を阻害し易い。
そのため、横当てばねの場合には揺動車を付勢するばね力を小さくすることが望まれる。しかしながら、この場合には、横当てばねを長く形成して、ばね長を長く確保する必要があり、横当てばねを設置するための平面スペースを大きく確保する必要があった。ところが多数の時計部品が密集して配置されているムーブメントにおいて、横当てばねを設置するための平面スペースを十分に確保することは難しく、改善の余地があった。
これに対して上記従来の揺動レバーの場合には、横当てばねに比べれば、必要とされる平面スペースを小さくすることが可能である。しかしながら、揺動レバーは、噛合位置側に向けて付勢されているわけではないので、噛合位置から解除位置に揺動した後、噛合位置側に向けて揺動レバーを自動的に復帰させることができず、改善の余地があった。
例えば、例えば第2車が香箱車の内部に収容されているぜんまいを巻き上げ可能な角穴車であり、且つ揺動車が巻真からの回転トルクを角穴車に伝える揺動伝え車の場合、揺動伝え車が揺動レバーによって解除位置に位置したままの状態になってしまうと、角穴車と揺動伝え車との噛み合いが解除された状態となってしまう。この状態において、例えばぜんまいの巻き解き作業を行うために、角穴車に対するこはぜの係合を解除してしまうと、ぜんまいが勢い良く巻き解かれてしまうといった不都合が生じるおそれがあった。そのため、上述したように改善の余地があった。
さらに上記従来の押さえばね或いは針座の場合には、揺動レバーと同様に、横当てばねに比べれば必要とされる平面スペースを小さくすることが可能であるが、揺動車が噛合位置から解除位置に揺動した後、噛合位置側に向けて揺動車を自動的に復帰させることができず、改善の余地があった。
それに加え、押さえばね或いは針座を、揺動車に対してムーブメントの厚さ方向に組み立てる必要があるので、例えば固定ねじ等で本締めする前の仮組みの間、各時計部品が浮き上がり等によってムーブメントの厚さ方向に離れ易い。そのため、組立性が悪く、改善の余地があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、大きな平面スペースを必要とせずに取り付けることができると共に、揺動車にかかる負荷を抑制した状態で揺動車を一方向に付勢することができる復帰ばね、輪列機構、時計用ムーブメント及び機械式時計を提供することである。
(1)本発明に係る復帰ばねは、揺動方向に沿って第1位置と第2位置との間を揺動可能に配置された揺動車を、第1位置側から第2位置側に向けて付勢する復帰ばねであって、固定枠部と、基端部が前記固定枠部に連結された連結端部とされ、且つ先端部が前記揺動車に対して接触可能な自由端部とされた、弾性変形可能な片持ち状のばね本体と、を備え、前記自由端部は、前記揺動車に対して、前記揺動車を前記第2位置側に向けて付勢した状態で接触可能とされ、前記ばね本体は、前記自由端部から前記連結端部に至るまでの間に、前記揺動車の軸方向から見て前記揺動車の中心軸に対して交差する径方向に、間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されている。
本発明に係る復帰ばねによれば、揺動車が第2位置側から第1位置側に向けて揺動した際、ばね本体が揺動車の揺動に応じて径方向に弾性変形する。このときばね本体は、間隔をあけて径方向に隣り合う対向部同士が揺動方向において互いに接近或いは離間するように弾性変形する。これにより、ばね本体の弾性復元力を利用して、揺動車を第1位置側から第2位置側に向けて自由端部を介して付勢することができ、揺動車を第2位置に復帰させることができる。
特にばね本体は、自由端部から連結端部に至るまでの間に、径方向に間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されているので、自由端部から連結端部までのばね有効長さを十分に確保しながら、平面的に小さく形成することができる。
ばね本体のばね有効長さを十分に確保することができるので、ばね本体が揺動車を付勢する付勢力(弾性復元力を利用したばね力)を小さくすることが可能となり、揺動車にかかる負荷を抑制した状態で揺動車を第2位置側に向けた一方向に付勢することができる。さらに、ばね本体を平面的に小さく形成することができるので、大きな平面スペースを必要とせずに復帰ばねを取り付けることができる。従って、従来の横当てばねよりも小さいスペースで復帰ばねを取り付けることが可能である。
(2)前記自由端部は、前記揺動車よりも前記第1位置側に配置されると共に、前記揺動車に対して前記第1位置側から接触可能とされても良い。
この場合には、揺動車に対して第1位置側から自由端部を接触させた状態で、揺動車を第2位置側に向けて付勢することができる。従って、揺動車に対して例えば自由端部を第1位置側から押し当てるだけの簡便な構成で、揺動車に対して復帰ばねを組み合わせることができる。そのため、復帰ばねを容易に取り付けることが可能である。
(3)前記ばね本体は、前記揺動車を径方向の外側から多段に囲む渦巻き状に形成されても良い。
この場合には、ばね本体が渦巻き状に形成されているので、ばね本体における自由端部から連結端部までのばね有効長さをさらに長くすることができるうえ、平面的にさらに小さく形成することができる。
(4)前記ばね本体は、前記揺動車の前記中心軸よりも付勢方向とは反対側において、互いに隣り合う前記対向部同士の間に形成される前記揺動方向に沿った各間隔のうちの少なくとも1箇所が、前記揺動車の前記中心軸よりも前記付勢方向側において、互いに隣り合う前記対向部同士の間に形成される前記揺動方向に沿った各間隔よりも広く形成されても良い。
この場合には、ばね本体が、互いに隣り合う対向部同士の間隔が例えば同等となるような渦巻き状に形成されているのではなく、揺動車の中心軸よりも付勢方向とは反対側における対向部同士の少なくとも1箇所の間隔が、揺動車の中心軸よりも付勢方向側における対向部同士の各間隔よりも広くなるような渦巻き状に形成されている。
揺動車がばね本体の弾性力(すなわち付勢力)に抗して第2位置側から第1位置側に向けて揺動したときに、ばね本体は、揺動車の揺動に伴って揺動車の中心軸よりも付勢方向とは反対側において対向部同士が互いに接近し、且つ揺動車の中心軸よりも付勢方向側において対向部同士が互いに離間するように弾性変形する。ばね本体は、上述のように揺動車の中心軸よりも付勢方向とは反対側における少なくとも1箇所の間隔が広く形成されているので、その分だけ対向部同士を互いに接触させ難くすることができる。従って、ばね本体における対向部同士の接触を防止しながら、ばね本体をより大きく弾性変形させることができる。従って、ばね本体のばね有効長さをさらに確保することができ、平面的にさらに小さく形成することが可能となる。
さらに、ばね本体における対向部同士の接触を防止しながら、ばね本体をより大きく弾性変形させることができるので、揺動車を第1位置と第2位置との間をより大きなストロークで揺動させることができ、揺動車を有効に利用することができる。
(5)前記ばね本体は、前記揺動車の前記中心軸を中心としたアルキメデス曲線に沿うように湾曲した湾曲部と、前記揺動方向に沿って直線状に延びた直線部と、が前記ばね本体の長手方向に交互に並んだ渦巻き状に形成されても良い。
この場合には、ばね本体が揺動方向に沿って直線状に延びた直線部を具備する渦巻き状に形成されているので、揺動車が第2位置側から第1位置側に揺動したときに、ばね本体の全体を揺動方向に積極的に弾性変形させ易い。これにより、揺動方向に沿って第1位置側から第2位置側に向かう方向に揺動車を効果的に付勢することができ、揺動車に対するばね本体の付勢力が小さい場合であっても、揺動車を第2位置に向けて適切に付勢することができる。
(6)前記連結端部は、前記揺動車の前記中心軸を通過し、且つ前記揺動方向に沿って延びる仮想軸線上から外れた位置に配置され、前記ばね本体は、前記連結端部を基点として、全体が前記揺動方向に弾性変位可能とされても良い。
この場合には、揺動車が第2位置側から第1位置側に揺動したときに、ばね本体を径方向に弾性変形させながら、さらにばね本体の全体を、連結端部を基点として揺動方向に沿う第1位置側に向けて弾性変位させることができる。従って、揺動車に対するばね本体の付勢力が小さい場合であっても、揺動車を第2位置に向けて効率良く付勢することができる。
(7)前記自由端部は、前記揺動車の車軸を径方向の外側から囲む環状に形成されても良い。
この場合には、ばね本体の自由端部が揺動車の車軸を囲む環状に形成されているので、例えば環状の自由端部の内側に車軸を挿通させるだけの簡便な方法で、確実且つ容易に揺動車に対して自由端部を接触させながら揺動車と復帰ばねとを組み合わせることができる。従って、復帰ばねをさらに容易に取り付けることが可能である。
さらに自由端部が環状に形成されているので、例えば自由端部が単なる板片状或いは棒状等に形成されている場合に比べて、復帰ばねの組み込み時に、自由端部が周辺の構造体に対して不意に接触或いは引っ掛かる等の不都合が生じ難いうえ、自由端部を意図せずに押し潰す等して例えば屈曲変形させてしまうような不都合が生じ難い。この点においても、復帰ばねを容易に取り付けることができる。
(8)前記固定枠部は、前記ばね本体を径方向の外側から囲む環状に形成されても良い。
この場合には、固定枠部が環状に形成されているので、ばね本体をがたつき少なく安定して片持ち状に支持することができ、ばね本体を利用した上述の作用効果をより一層適切に奏功することができる。さらに、固定枠部がばね本体を囲むので、例えばばね本体が他の時計部品と干渉する等の不都合が生じ難い。従って、ばね本体における作動の信頼性を向上することができる。
(9)本発明に係る輪列機構は、上記復帰ばねを備えている。
この場合には、復帰ばねを備えているので、輪列機構を小さな平面スペースを利用して構成することができる。
(10)巻真の回転操作により回転する丸穴車と、回転によって香箱車の内部のぜんまいを巻き上げる角穴車に対して、動力を伝達する伝達車と、前記丸穴車と前記伝達車との間に配置され、前記丸穴車から前記伝達車に前記動力を伝達すると共に、前記復帰ばねによって付勢された前記揺動車と、を備え、前記第1位置は、前記伝達車に対する前記揺動車の噛み合いが解除されると共に、前記丸穴車側から前記揺動車を介した前記伝達車側への前記動力の伝達を遮断する解除位置とされ、前記第2位置は、前記伝達車に対して前記揺動車が噛み合うと共に、前記丸穴車側から前記揺動車を介した前記伝達車側への前記動力の伝達を許容する噛合位置とされ、前記揺動車は、前記解除位置と前記噛合位置との間を前記揺動方向に沿って揺動可能とされていると共に、前記復帰ばねによって前記噛合位置に向けて付勢されても良い。
この場合には、揺動車は復帰ばねによって伝達車に噛み合う噛合位置に付勢されているので、巻真を予め決められた方向に回転操作することで、丸穴車側から揺動車を介して伝達車側に動力(回転トルク)を伝えることができ、これにより該動力を角穴車に伝えることができる。その結果、香箱車の内部に収容されたぜんまいを巻き上げることができる。
これに対して、ぜんまいの巻き上げ時、例えば巻真を予め決められた方向とは逆方向に回転操作した場合には、丸穴車を介して揺動車に逆方向の動力が作用する。角穴車は、ぜんまいの巻き解き方向への回転が規制されているので、これに対応して伝達車もぜんまいの巻き解き方向への回転が規制されている。そのため、揺動車は、自身に伝わった動力を伝達車に伝えることができず、例えばぜんまいの巻き上げ時とは反対方向に回転しながら、噛合位置から解除位置に向けて揺動する。これより、丸穴車側から揺動車を介した伝達車側への動力の伝達を遮断することができ、該動力が角穴車側に伝わることを防止することができる。その後、巻真の逆方向への回転操作を停止することで、復帰ばねによる付勢力によって、揺動車を解除位置側から噛合位置側に向けて自動的に復帰させることができる。
このように、復帰ばねを利用したぜんまいの巻上に好適な輪列機構とすることができる。特に復帰ばねを利用するので、伝達車に対して揺動車が強く押し当たることを抑制できるので、伝達車と揺動車との間の噛み合い部分にかかる負荷を抑制することができる。さらには、復帰ばねの付勢力を小さくすることができるので、揺動車を解除位置にスムーズに揺動させ易い。
(11)本発明に係る時計用ムーブメントは、上記輪列機構を備えている。
(12)本発明に係る機械式時計は、上記時計用ムーブメントを備えている。
この場合には、輪列機構自体を小さな平面スペースを利用して構成することができるので、さらなる小型化、薄型化を図り易い時計用ムーブメント及び機械式時計とすることができる。
本発明によれば、大きな平面スペースを必要とせずに取り付けることができると共に、揺動車にかかる負荷を抑制した状態で揺動車を一方向に付勢することができる。
本発明に係る第1実施形態を示す図であって、時計の外観図である。 図1に示すムーブメントのうち巻上輪列機構の周辺部分を拡大した斜視図である。 図2に示す巻上輪列機構の縦断面図である。 図2に示す揺動車が、噛合位置から解除位置に揺動した状態を示す斜視図である。 図2に示す復帰ばねの平面図であって、揺動車が噛合位置に位置している状態における復帰ばねの平面図である。 図4に示す復帰ばねの平面図であって、揺動車が解除位置に位置している状態における復帰ばねの平面図である。 復帰ばねの変形例を示す平面図である。 復帰ばねの別の変形例を示す平面図である。 復帰ばねの別の変形例を示す平面図である。 復帰ばねの別の変形例を示す平面図である。 復帰ばねの別の変形例を示す平面図である。 本発明に係る第2実施形態を示す図であって、巻上輪列機構の周辺部分を拡大した斜視図である。 図12に示す巻上輪列機構の縦断面図である。 図12に示す揺動車が、噛合位置から解除位置に揺動した状態を示す斜視図である。 図12に示す復帰ばねの平面図であって、揺動車が噛合位置に位置している状態における復帰ばねの平面図である。 図15に示す状態における復帰ばねの自然状態を示す平面図である。 図14に示す復帰ばねの平面図であって、揺動車が解除位置に位置している状態における復帰ばねの平面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。
なお本実施形態では、文字板からケース裏蓋に向かう方向を上側、その反対側を下側として説明する。
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、図示しないケース裏蓋及びガラス2からなる時計ケース内に、ムーブメント(本発明に係る時計用ムーブメント)10と、少なくとも時に関する情報を示す目盛りを有する文字板3と、目盛りを指す指針(すなわち時を示す時針4、分を示す分針5、及び秒を示す秒針6)と、を備えている。
図2及び図3に示すように、ムーブメント10は、基板を構成する地板11と、地板11よりも表側に配置された輪列受12と、を備えている。なお、図2では、輪列受12の図示を省略している。
地板11の裏側には、文字板3が配置されている。輪列受12と地板11との間には、表輪列、表輪列の回転を制御する脱進機、脱進機を調速する調速機が主に設けられていると共に、香箱車13の内部に収容されたぜんまい14を巻き上げる巻上輪列機構15(本発明に係る輪列機構)が設けられている。なお、各図面では、表輪列、脱進機及び調速機の図示を省略している。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、巻真案内穴11aに巻真20が第1軸線O1回りに回転可能に組み込まれている。巻真20には、図1に示すりゅうず21が連結されている。これにより、りゅうず21を介して第1軸線O1回りに巻真20を回転操作することができる。
なお本実施形態では、手動によって巻真20を回転させてぜんまい14を巻き上げる、いわゆる手動巻きの機械式時計1を例に挙げて説明する。
巻真20は、おしどり、かんぬき、かんぬきばね等を有する図示しない切換装置により、軸方向の位置が決められている。巻真20の案内軸部には、巻真20に対して回転可能、且つ軸方向に移動不能にきち車22が取り付けられている。巻真20のうちきち車22よりも先端側に位置する部分には、巻真20に対して回転不能、且つ軸方向に移動可能に図示しないつづみ車が取り付けられている。
きち車22とつづみ車とは、例えば巻真20を、軸方向に沿ってムーブメント10に最も近い巻真位置(0段位置)にセットしたときに、互いに噛合可能とされている。従って、この状態でりゅうず21を介して巻真20を回転操作することで、つづみ車を介してきち車22を巻真20と同軸の第1軸線O1回りに回転させることが可能とされている。
きち車22が回転することで、巻上輪列機構15を介して角穴車23を回転させることが可能とされている。さらに角穴車23が回転することで、香箱車13の内部に収容された動力源であるぜんまい14を巻き上げることが可能とされている。
なお、予め決められた第1回転方向M1に向けて巻真20を第1軸線O1回りに回転させることで、ぜんまい14を巻き上げることが可能とされている。また、巻真20を第1回転方向M1とは反対の第2回転方向M2に向けて第1軸線O1回りに回転させた場合には、後述する揺動車32の揺動によって、巻真20から角穴車23への動力伝達経路が切り離されるように構成されている。
表輪列は、香箱車13、二番車、三番車及び四番車を主に備えている。なお、各図面では、二番車、三番車及び四番車の図示を省略している。これら二番車、三番車及び四番車は、巻き上げられたぜんまい14の弾性復元力によって回転する香箱車13の回転に伴って順に回転する。
なお、図1に示す秒針6は、四番車の回転に基づいて回転すると共に脱進機及び調速機によって調速された回転速度、すなわち1分間で1回転する。分針5は、二番車の回転、或いは二番車の回転に伴って回転する図示しない分車の回転に基づいて回転すると共に脱進機及び調速機によって調速された回転速度、すなわち1時間で1回転する。時針4は、図示しない日の裏車を介して、二番車の回転に伴って回転する図示しない筒車の回転に基づいて回転すると共に、脱進機及び調速機によって調速された回転速度、すなわち12時間或いは24時間で1回転する。
脱進機は、四番車に噛み合うと共にぜんまい14から伝達される動力によって回転するがんぎ車、及びがんぎ車を脱進させて規則正しく回転させるアンクルを備え、てんぷからの規則正しい振動で表輪列を制御する。調速機は、主に図示しないひげぜんまいを動力源として、香箱車13の出力トルクに応じた定常振幅(振り角)で往復回転(正逆回転)するてんぷを備えている。
図3に示すように、香箱車13は、地板11及び輪列受12によって回転可能に軸支された図示しない香箱真と、香箱真に対して相対回転可能に組み合わされ、内部にぜんまい14を収容する香箱ケース13aと、を備えている。香箱ケース13aには、二番車に噛み合う香箱歯車13bが形成されている。
ぜんまい14は、香箱真に対して渦巻状に巻き付けられた状態で香箱ケース13a内に収容されている。ぜんまい14は、香箱真の回転によって巻き上げられると共に、巻き解ける際の弾性復元力により香箱ケース13aを回転させて、二番車を介して表輪列に動力(回転トルク)を伝える。
図2及び図3に示すように、角穴車23は、香箱ケース13aと輪列受12との間に配置され、香箱真に対して例えば圧入等によって固定されている。角穴車23は、後述する第2伝達車36の第2伝達歯車36dに噛み合う角穴歯車23aを有しており、第2伝達車36の回転に伴って第3回転方向M3に香箱真と一体に回転することが可能とされている。これにより、第3回転方向M3への角穴車23の回転によって、香箱真を介してぜんまい14を巻き上げることが可能とされている。
図2に示すように、角穴車23には、巻き上げたぜんまい14の巻き解けを防止するために、角穴車23の逆転を規制するこはぜ24が係合している。このこはぜ24によって、角穴車23は第3回転方向M3への回転が許容され、且つその反対の第4回転方向M4への回転が規制されている。なお、図2では、各歯車の図示を簡略化している。
(巻上輪列機構)
図2及び図3に示すように、巻上輪列機構15は、巻真20の回転によって回転する丸穴車30と、揺動車32を有し、丸穴車30から角穴車23に動力を伝達する手動巻輪列31と、揺動車32を一方向に付勢する復帰ばね33と、を備えている。
丸穴車30は、巻真20と輪列受12との間に配置され、案内リング40を介して第2軸線O2回りに回転可能に輪列受12に支持されている。
輪列受12には、該輪列受12を上下に貫通するように形成されたねじ孔41が形成されていると共に、下方に向けて円筒状のガイド筒42が突出するように形成されている。ねじ孔41及びガイド筒42は、第2軸線O2と同軸に形成されている。
案内リング40は、第2軸線O2と同軸に配置され、輪列受12の下方からガイド筒42の外側に嵌め込まれた状態で、連結ねじ43によって輪列受12に一体的に組み合わされている。
連結ねじ43は、案内リング40に下方から接触するヘッド部43aと、ねじ孔41に対して螺着されたねじ軸部43bと、を備え、輪列受12との間で案内リング40を挟み込んだ状態で輪列受12に連結されている。
丸穴車30は、案内リング40の外側に、案内リング40に対して第2軸線O2回りに相対回転可能に取り付けられている。丸穴車30は、きち車22に噛み合う丸穴歯車30aを有している。これにより、丸穴車30は、きち車22の回転に伴って第2軸線O2回りを回転可能とされている。
なお、丸穴車30は、ぜんまい14の巻き上げ時、巻真20及びきち車22が第1軸線O1回りを第1回転方向M1に時計方向に回転することで、上方(ケース裏蓋側)から見て、図2に示す矢印の如く時計回り方向(以下、単に時計方向という)に回転する。よって、巻真20及びきち車22を第1回転方向M1とは反対の第2回転方向M2に向けて第1軸線O1回りに回転させた場合には、丸穴車30は反時計回り方向(以下、単に反時計方向という)に回転する。
手動巻輪列31は、揺動車32に加え、地板11と輪列受12との間に配置された第1伝達車(本発明に係る伝達車)35、及び第2伝達車(本発明に係る伝達車)36をさらに備えている。第1伝達車35は、第3軸線O3回りに回転可能とされている。第2伝達車36は、第4軸線O4回りに回転可能とされている。
第1伝達車35は、下ほぞ部35aが地板11に保持された第1軸受45の第1ほぞ穴45aによって軸支されると共に、上ほぞ部35bが輪列受12に保持された第2軸受46の第2ほぞ穴46aによって軸支されている。なお、第1軸受45及び第2軸受46としては、例えばルビー等で形成された穴石等が挙げられる。
第1伝達車35は、揺動車32の後述する揺動歯車32cに噛み合う第1伝達歯車35cを備えている。これにより、第1伝達車35は、揺動車32の回転に伴って第3軸線O3回りを回転可能とされている。
第2伝達車36は、下ほぞ部36aが地板11に保持された第3軸受47の第3ほぞ穴47aによって軸支されると共に、上ほぞ部36bが輪列受12に保持された第4軸受48の第4ほぞ穴48aによって軸支されている。なお、第3軸受47及び第4軸受48としては、例えばルビー等で形成された穴石等が挙げられる。
第2伝達車36は、第1伝達歯車35cに噛み合う第2伝達かな36cと、角穴車23の角穴歯車23aに対して噛み合う第2伝達歯車36dと、を備えている。これにより、第2伝達車36は、第1伝達車35の回転に伴って第4軸線O4回りを回転可能とされていると共に、角穴車23を回転させることが可能とされている。
なお、第1伝達車35は、ぜんまい14の巻き上げ時、丸穴車30が第2軸線O2回りを時計方向に回転することで、揺動車32を介して図2に示す矢印の如く第3軸線O3回りを時計方向に回転する。これにより、第2伝達車36は、ぜんまい14の巻き上げ時、図2に示す矢印の如く第4軸線O4回りを反時計方向に回転する。従って、ぜんまい14の巻き上げ時、先に述べたように、第2伝達車36の回転に伴って角穴車23を第3回転方向M3に回転させて、ぜんまい14を巻き上げることが可能となる。
(揺動車)
揺動車32は、丸穴車30と第1伝達車35との間に位置するように、地板11と輪列受12との間に配置され、第5軸線O5回りに回転可能とされている。
揺動車32は、地板11及び輪列受12にそれぞれ形成された平面視長孔状の第1揺動孔50及び第2揺動孔51に沿って、図4に示す解除位置(本発明に係る第1位置)P1と、図2に示す噛合位置(本発明に係る第2位置)P2との間を揺動可能とされている。
解除位置P1は、第1伝達車35に対する揺動車32の噛み合いが解除されると共に、丸穴車30側から揺動車32を介した第1伝達車35側への動力の伝達を遮断する位置とされている。噛合位置P2は、第1伝達車35に対して揺動車32が噛み合うと共に、丸穴車30側から揺動車32を介した第1伝達車35側への動力の伝達を許容する位置とされている。
図3及び図5に示すように、第1揺動孔50は丸穴車30の周方向に沿って延びるように地板11に形成されている。第2揺動孔51は、第1揺動孔50に対応するように輪列受12に形成され、丸穴車30の周方向に沿って延びている。従って、第1揺動孔50及び第2揺動孔51に沿った揺動車32の揺動方向Lは、丸穴車30の周方向に沿っている。なお、図5を含む各図面では、揺動車32の揺動方向Lの曲率が僅かであるので、模式的に直線状に図示している。
図2及び図3に示すように、第1揺動孔50には、揺動リング55が揺動方向Lに沿って相対移動可能に嵌め込まれている。揺動車32における車軸の下ほぞ部32aは、揺動リング55の内側に所定の締め代で例えば打ち込み等によって固定されている。さらに揺動車32における車軸の上ほぞ部32bは、輪列受12に形成された第2揺動孔51の内側に揺動方向Lに沿って相対移動可能に支持されている。
従って、揺動車32の車軸及び揺動リング55は、一体となって第1揺動孔50及び第2揺動孔51に沿って揺動方向Lに移動可能とされている。
さらに揺動車32は、丸穴車30の丸穴歯車30a及び第1伝達車35の第1伝達歯車35cに対して噛み合い可能な揺動歯車32cを備えている。揺動歯車32cは、下ほぞ部32a及び上ほぞ部32bが形成された車軸に対して、第5軸線O5回りに相対回転可能に連結されている。
これにより、揺動車32は、揺動歯車32cが第5軸線O5回りに回転可能な状態で、第1揺動孔50及び第2揺動孔51に沿う揺動方向Lに揺動可能とされている。なお、本実施形態では、第5軸線O5回りの揺動歯車32cの回転を、単に揺動車32の回転という。
揺動歯車32cは、図2に示すように、揺動車32が噛合位置P2に位置しているときに第1伝達歯車35cに対して噛み合い、図4に示すように、揺動車32が解除位置P1に位置しているときに第1伝達歯車35cから離間して噛み合いが外れる。
ただし、本実施形態では、揺動歯車32cは、図2及び図4に示すように、揺動車32の揺動位置に関係なく丸穴歯車30aに対しては常時噛み合っている。
これにより揺動車32は、丸穴車30に噛み合った状態で、解除位置P1と噛合位置P2との間を揺動方向Lに沿って揺動可能とされている。
従って、揺動車32は、噛合位置P2に位置しているときに、丸穴車30側からの動力を第1伝達車35側に伝えることができると共に、解除位置P1に位置しているときに、丸穴車30側から第1伝達車35側への動力伝達経路を切り離して、第1伝達車35側への動力の伝達を遮断することが可能とされている。
なお、揺動車32は、ぜんまい14の巻き上げ時、丸穴車30が第2軸線O2回りを時計方向に回転することで、図2に示す矢印の如く第5軸線O5回りを反時計方向に回転する。
上述のように構成された揺動車32は、図5に示す復帰ばね33によって解除位置P1側から噛合位置P2側に向けて常時付勢されている。
(復帰ばね)
図2、図3及び図5に示すように、復帰ばね33は、地板11に形成された窪み部60の内側に収納された状態で、揺動リング55を介して揺動車32を噛合位置P2側に向けて付勢して、揺動車32を第1伝達車35に対して押し付けている。第1揺動孔50は、窪み部60における底壁に形成されている。
なお、揺動車32の中心軸である第5軸線O5方向から見た平面視において、第5軸線O5に交差する方向を径方向といい、第5軸線O5回りに周回する方向を周方向という。
復帰ばね33は、窪み部60の内側に固定された環状の固定枠部70と、固定枠部70の内側に配置されると共に、固定枠部70に対して片持ち状に支持された弾性変形可能なばね本体71と、を備えている。
ばね本体71は、例えば鉄やニッケル等の金属からなる薄板ばねであり、基端部が固定枠部70に連結された連結端部72とされ、且つ先端部が揺動リング55を介して揺動車32に接触可能な自由端部73とされている。
ばね本体71は、自由端部73から連結端部72に至るまでの間に、径方向に間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されている。本実施形態では、ばね本体71は、噛合位置P2に位置する揺動車32の第5軸線O5を中心(原点)とした極座標系においてアルキメデス曲線に沿う渦巻き状に形成されている。これにより、ばね本体71は、径方向に略等間隔で隣り合うように複数の巻き数で巻かれている。
具体的には、ばね本体71は、揺動車32を径方向の外側から4段(多段)に囲む渦巻き状に形成されている。
図5に示すように、ばね本体71は、自由端部73を含むと共に径方向の最も内側に位置する最内周ばね部75と、最内周ばね部75を径方向外側から囲む第1中間ばね部76と、第1中間ばね部76を径方向外側から囲む第2中間ばね部77と、連結端部72を含むと共に第2中間ばね部77を径方向外側から囲み、径方向の最も外側に位置する最外周ばね部78と、を備え、これらがアルキメデス曲線に沿って連続して繋がった渦巻き状に形成されている。
なお、最内周ばね部75、第1中間ばね部76、第2中間ばね部77及び最外周ばね部78は、上述した対向部としてそれぞれ機能する。よって、本実施形態のばね本体71は、4段の対向部を有する渦巻き状に形成されている。
さらにばね本体71は、自由端部73が揺動車32を噛合位置P2側に向けて付勢するように、連結端部72を介して固定枠部70に連結されている。具体的には、ばね本体71は、自由端部73が揺動車32よりも解除位置P1側に配置され、揺動リング55を介して揺動車32に解除位置P1側から接触するように、連結端部72を介して固定枠部70に連結されている。
さらに連結端部72は、第5軸線O5方向から見た平面視で、第5軸線O5を通り、且つ揺動方向Lに沿って延びる仮想軸線V上から外れた位置に配置されている。これにより、ばね本体71は、連結端部72を基点として全体が揺動方向Lに弾性変形可能に、固定枠部70に連結されている。
固定枠部70は、ばね本体71を径方向の外側から囲む環状に形成されている。本実施形態では、固定枠部70は、地板11に形成された窪み部60を画成する側壁部61に沿うように環状に形成され、側壁部61の内側に配置されている。
固定枠部70には、側壁部61側に向かって僅かに膨らんだ突起部79が、固定枠部70に沿って間隔をあけて複数形成されている。複数の突起部79は、側壁部61に対して例えば密に接触している。これにより、固定枠部70は、複数の突起部79を介して側壁部61の内側に嵌合した状態で窪み部60内に配置されている。
(機械式時計の作用)
次いで、上述のように構成された復帰ばね33を含む巻上輪列機構15を備えた機械式時計1の作用について説明する。
本実施形態の機械式時計1において、手動によってぜんまい14の巻き上げを行う場合には、りゅうず21を介して巻真20を第1軸線O1方向に移動させて、巻真20をムーブメント10側に最も近い巻真位置(0段位置)にセットする。これにより、きち車22とつづみ車とを噛合させることができる。そのため、図2に示すように、0段位置において巻真20を第1軸線O1回りに第1回転方向M1側に回転操作することで、つづみ車及びきち車22を介して丸穴車30に動力を伝えることができ、丸穴車30を第2軸線O2回りに時計方向に回転させることができる。
揺動車32は、復帰ばね33によって噛合位置P2に付勢されているので、丸穴車30及び第1伝達車35の両方に噛み合った状態となっている。従って、丸穴車30の回転に伴って、揺動車32を第5軸線O5回りに反時計方向に回転させることができると共に、揺動車32の回転に伴って第1伝達車35を第3軸線O3回りに時計方向に回転させることができる。このように、丸穴車30に伝わった動力を、揺動車32を介して第1伝達車35に伝えることができる。
第1伝達車35が回転することで、第2伝達車36を第4軸線O4回りに反時計方向に回転させることができると共に、第2伝達車36の回転に伴って、角穴車23を第3回転方向M3に回転させることができる。このように、第1伝達車35に伝わった動力を、第2伝達車36を介して角穴車23に伝えることができる。
そして、角穴車23を第3回転方向M3に回転させることで、香箱真を介して香箱車13の内部に収容されているぜんまい14を巻き上げることができる。
ところで、ぜんまい14の巻き上げ時、図4に示すように、巻真20を予め決められた第1回転方向M1とは逆方向である第2回転方向M2に回転操作した場合には、つづみ車及びきち車22を介して丸穴車30に先ほどとは逆方向の動力が作用する。これにより、丸穴車30は図4に示す矢印の如く第2軸線O2回りに反時計方向に回転する。そのため、丸穴車30から揺動車32に対して先ほどとは逆方向の動力が作用する。
ここで角穴車23は、こはぜ24によって、ぜんまい14の巻き解き方向である第4回転方向M4への回転が規制されているので、これに対応して第1伝達車35及び第2伝達車36もぜんまい14の巻き解き方向への回転が規制されている。つまり、第1伝達車35は、第3軸線O3回りに反時計方向に回転することが規制され、第2伝達車36は、第4軸線O4回りに時計方向に回転することが規制されている。
そのため揺動車32は、丸穴車30から伝わった動力を第1伝達車35に伝えることができない。また、丸穴車30から揺動車32に伝わる動力は、揺動車32を第1伝達車35から離間させる方向に作用する。
これらのことから、揺動車32はぜんまい14の巻き上げ時とは逆の時計方向に第5軸線O5回りを回転しながら、揺動方向Lに沿って噛合位置P2から解除位置P1に向けて揺動する。これより、巻真20からの動力が角穴車23側に伝わってしまうことを防止することができる。
その後、巻真20の第2回転方向M2への回転操作を停止することで、復帰ばね33による付勢力によって、揺動車32を解除位置P1側から噛合位置P2側に向けて自動的に復帰させることができる。従って、図2に示すように、丸穴車30及び第1伝達車35の両方に対して揺動車32を再び噛み合った状態に復帰させることができる。
復帰ばね33について詳細に説明する。
揺動車32が図2及び図5に示す噛合位置P2から、図4及び図6に示す解除位置P1に向けて揺動すると、自由端部73が揺動リング55を介して揺動車32に解除位置P1側から接触した状態で、ばね本体71が揺動車32の揺動に応じて径方向に弾性変形する。このとき、ばね本体71は、間隔をあけて径方向に隣り合う対向部同士(すなわち、最内周ばね部75、第1中間ばね部76、第2中間ばね部77、最外周ばね部78)が、揺動方向Lにおいて互いに接近或いは離間するように弾性変形する。
これにより、ばね本体71の弾性復元力を利用して、揺動車32を図4及び図6に示す解除位置P1側から、図2及び図5に示す噛合位置P2側に向けて自由端部73を介して付勢することができる。
その結果、揺動車32を噛合位置P2に復帰させることができる。
特に、ばね本体71は、自由端部73から連結端部72に至るまでの間に、径方向に間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状、具体的には、最内周ばね部75、第1中間ばね部76、第2中間ばね部77、最外周ばね部78の4段の対向部を有する渦巻き状に形成されている。そのため、自由端部73から連結端部72までのばね本体71のばね有効長さを十分に確保しながら、平面的に小さくばね本体71を形成することができる。
ばね本体71のばね有効長さを十分に確保することができるので、ばね本体71が揺動車32を付勢する付勢力(弾性復元力を利用したばね力)を小さくすることができ、揺動車32にかかる負荷を抑制した状態で揺動車32を噛合位置P2側に向けた一方向に付勢することができる。
さらに、ばね本体71を平面的に小さく形成することができるので、大きな平面スペースを必要とせずに復帰ばね33を取り付けることができる。従って、従来の横当てばねよりも小さいスペースで復帰ばね33を取り付けることが可能である。
以上説明したように本実施形態の復帰ばね33によれば、大きな平面スペースを必要とせずに取り付けることができると共に、揺動車32にかかる負荷を抑制した状態で揺動車32を噛合位置P2に向けた一方向に付勢することができる。
特に本実施形態の復帰ばね33は、ばね本体71が渦巻き状に形成されているので、ばね本体71における自由端部73から連結端部72までのばね有効長さをより一層長くすることができるうえ、平面的にさらに小さく形成することができる。
また、図5に示すように、連結端部72が仮想軸線V上から外れた位置に配置され、ばね本体71が連結端部72を基点として、全体が揺動方向Lに弾性変位可能とされている。そのため、図6に示すように、揺動車32が解除位置P1側に揺動したときに、ばね本体71を径方向に弾性変形させながら、さらにばね本体71の全体を、連結端部72を基点として揺動方向Lに沿う解除位置P1側に向けて弾性変位させることができる。従って、揺動車32に対するばね本体71の付勢力が小さい場合であっても、揺動車32を噛合位置P2に向けて効率良く付勢することができる。
さらに、固定枠部70が環状に形成されているので、ばね本体71をがたつき少なく安定して片持ち状に支持することができ、ばね本体71を利用した上述の作用効果をより一層適切に奏功することができる。
さらに本実施形態の巻上輪列機構15は、上述した復帰ばね33を備えているので、図2に示すように、巻上輪列機構15自体を小さな平面スペースを利用して構成することができる。また、復帰ばね33を利用するので、第1伝達車35に対して揺動車32が強く押し当たることを抑制できるので、第1伝達車35と揺動車32との間の噛み合い部分にかかる負荷を抑制することができる。さらには、復帰ばね33の付勢力を小さくすることができるので、揺動車32を解除位置P1にスムーズに揺動させることもできる。
さらに本実施形態のムーブメント10及び機械式時計1によれば、巻上輪列機構15自体を小さな平面スペースを利用して構成することができるので、さらなる小型化、薄型化を図ることができるムーブメント及び機械式時計とすることができる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、図5に示すように、自由端部73を揺動車32よりも解除位置P1側に配置すると共に、揺動リング55を介して揺動車32に解除位置P1側から接触させることで、揺動車32を噛合位置P2側に付勢したが、この場合に限定されるものではない。
例えば図5において、自由端部73を揺動車32よりも噛合位置P2側に配置させ、揺動リング55に対して自由端部73を溶接等によって一体に固着、或いは係合等により一体に連結しても良い。これにより、自由端部73により、揺動リング55を介して揺動車32を噛合位置P2側に引っ張るように付勢することが可能である。従って、この場合であっても、同様の作用効果を奏功することができる。
いずれにしても、揺動車32を噛合位置P2側に付勢できれば、揺動車32に対する自由端部73の相対的な位置関係は適宜変更して構わない。ただし、上記第1実施形態のように構成した場合には、揺動車32に対して自由端部73を解除位置P1側から押し当てるだけの簡便な構成で、揺動車32に対して復帰ばね33を組み合わせることができるので、復帰ばね33を容易に取り付けることが可能である。
さらに復帰ばね33の形状は、上記第1実施形態の形状に限定されるものではない。
例えば、図7に示すように、固定枠部81の形状を、揺動方向Lに長い平面視楕円状に形成した復帰ばね80としても構わない。この場合には、固定枠部81自体のサイズを小さくし易いので、平面的にさらに小さい形状の復帰ばね80とすることができる。なお、固定枠部81の形状を、例えば平面視円形状、角形状に形成しても構わない。
さらには、例えば図8に示すように固定枠部91を環状に形成するのではなく、ばね本体71を径方向外側から部分的に囲むように形成した固定枠部91を有する復帰ばね90としても構わない。
このように、本発明において、固定枠部の形状は特定の形状に限定されるものではなく、例えば地板11の形状、或いは地板11に形成された窪み部60の形状等に応じて適宜変更して構わない。
さらに図9に示すように、噛合位置P2に位置する揺動車32の第5軸線O5を中心(原点)としたアルキメデス曲線に沿うように湾曲した湾曲部102と、揺動方向Lに沿って直線状に延びた直線部103と、が交互に並ぶように形成された渦巻き状のばね本体101を備えた復帰ばね100としても構わない。
この場合、最内周ばね部75、第1中間ばね部76、第2中間ばね部77及び最外周ばね部78は、それぞれ湾曲部102及び直線部103が組み合わされることで形成されている。
このように構成された復帰ばね100の場合には、ばね本体101が揺動方向Lに沿って直線状に延びた直線部103を具備する渦巻き状に形成されているので、揺動車32が噛合位置P2側から解除位置P1側に揺動したときに、ばね本体101の全体を揺動方向Lに積極的に弾性変形させ易い。これにより、揺動方向Lに沿って解除位置P1側から噛合位置P2側に向かう方向に揺動車32を効果的に付勢することができ、揺動車32に対するばね本体101の付勢力が小さい場合であっても、揺動車32を噛合位置P2に向けて適切に付勢することができる。
さらに図10に示すように、図8に示す固定枠部81と、図9に示すばね本体101とを組み合わせた復帰ばね110としても構わない。
さらに図11に示すように、図9に示すばね本体101に、最外周ばね部78を延長した形状の固定枠部121を組み合わせた復帰ばね120としても構わない。
なお、図11に示す復帰ばね120では、第2中間ばね部77と最外周ばね部78との間に、第3中間ばね部122を備え、ばね本体101の巻き数が1巻分多い復帰ばね120としている。このように構成された復帰ばね120の場合には、固定枠部121を含めた復帰ばね120の全体の形状を渦巻き状に形成することができるので、平面的にさらに小さい形状の復帰ばね120とすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、揺動車32が丸穴車30と第1伝達車35との間に位置するように配置されていたが、本実施形態では揺動車32が第1伝達車35と第2伝達車36との間に位置するように配置されている。さらに第1実施形態では、ばね本体71が径方向に略等間隔で隣り合うように複数の巻き数で巻かれた復帰ばね33を例に挙げて説明したが、本実施形態では、互いに隣り合う対向部同士の間隔が不均等となるようにばね本体が形成された復帰ばねを例に挙げて説明する。
図12及び図13に示すように、本実施形態の巻上輪列機構(本発明に係る輪列機構)130は、第1伝達車35と第2伝達車36との間に揺動車32が配置されるように構成されている。第1伝達車35は、丸穴車30に噛合するように配置され、第2伝達車36は角穴車23に噛合するように配置されている。
本実施形態の第1伝達車35は、第1伝達歯車35cが丸穴車30の丸穴歯車30aに噛み合っている。これにより、第1伝達車35は、丸穴車30の回転に伴って第3軸線O3回りを回転可能とされている。なお、第1伝達車35は、ぜんまい14の巻き上げ時、丸穴車30が図12に示す矢印の如く第2軸線O2回りを時計方向に回転することで、図12に示す矢印の如く第3軸線O3回りを反時計方向に回転する。
揺動車32は、地板11及び輪列受12にそれぞれ形成された第1揺動孔50及び第2揺動孔51に沿って、図12及び図13に示す噛合位置P2と、図14に示す解除位置P1との間を揺動可能とされている。
図14に示すように、解除位置P1は、第2伝達車36に対する揺動車32の噛み合いが解除されると共に、丸穴車30側から第1伝達車35及び揺動車32を介した第2伝達車36側への動力の伝達を遮断する位置とされている。図12に示すように、噛合位置P2は、第2伝達車36に対して揺動車32が噛み合うと共に、丸穴車30側から第1伝達車35及び揺動車32を介した第2伝達車36側への動力の伝達を許容する位置とされている。
本実施形態の揺動車32は、図12及び図13に示すように、揺動歯車32cが第1伝達車35の第1伝達歯車35c、及び第2伝達車36の第2伝達かな36cに対してそれぞれ噛み合っている。特に、揺動歯車32cは、揺動車32が噛合位置P2に位置しているときに第2伝達かな36cに対して噛み合い、揺動車32が解除位置P1に位置しているときに第2伝達かな36cから離間して噛み合いが外れる。
ただし揺動歯車32cは、図12及び図14に示すように、揺動車32の揺動位置に関係なく第1伝達歯車35cに対しては常時噛み合っている。
これにより揺動車32は、第1伝達車35に噛み合った状態で、解除位置P1と噛合位置P2との間を揺動方向Lに沿って揺動可能とされている。
従って、揺動車32は、噛合位置P2に位置しているときに、第1伝達車35を介した丸穴車30側からの動力を第2伝達車36側に伝えることができると共に、解除位置P1に位置しているときに、第1伝達車35を介した丸穴車30側から第2伝達車36側への動力伝達経路を切り離して、第2伝達車36側への動力の伝達を遮断することが可能とされている。
なお、揺動車32は、ぜんまい14の巻き上げ時、第1伝達車35が第3軸線O3回りを反時計方向に回転することで、図12に示す矢印の如く第5軸線O5回りを時計方向に回転する。これにより、第2伝達車36は、ぜんまい14の巻き上げ時、図12に示す矢印の如く第4軸線O4回りを反時計方向に回転する。従って、ぜんまい14の巻き上げ時、第2伝達車36の回転に伴って角穴車23を第3回転方向M3に回転させて、ぜんまい14を巻き上げることが可能となる。
上述のように構成された揺動車32は、図12に示す復帰ばね140によって解除位置P1側から噛合位置P2側に向けて常時付勢されている。
(復帰ばね)
図12、図13及び図15に示すように、復帰ばね140は、地板11に形成されたばね用凹部135の内側に収納されている。そして復帰ばね140は、揺動リング55を介して揺動車32を噛合位置P2側に向けて付勢して、揺動車32を第2伝達車36に対して押し付けている。なお、第1揺動孔50は、ばね用凹部135における底壁に形成されている。
なお、地板11には、その他の複数の収容凹部がばね用凹部135に連設されるように形成されている。複数の収容凹部の1つは、例えばばね用凹部135よりも深く形成され、復帰ばね140をばね用凹部135内に組み込む、或いはばね用凹部135から復帰ばね140を取り外す際に利用するセット用凹部136とされている。
復帰ばね140は、ばね用凹部135の内側に固定された環状の固定枠部141と、固定枠部141の内側に配置されると共に、固定枠部141に対して片持ち状に支持された弾性変形可能なばね本体142と、を備えている。
固定枠部141は、ばね本体142を径方向の外側から囲む環状に形成されている。固定枠部141は、ばね用凹部135を画成する側壁部135aに沿うように環状に形成されていると共に、側壁部135aの内側に少なくとも部分的に嵌合している。これにより、復帰ばね140は、ばね用凹部135内から脱落することなく収納されている。
固定枠部141には、セット用凹部136内に入り込むフランジ部143が一体に形成されている。先に述べたように、セット用凹部136は、ばね用凹部135よりも深く形成されているので、セット用凹部136の底壁とフランジ部143との間に第5軸線O5方向に沿った隙間が形成されている。これにより、この隙間を利用してフランジ部143の下方に例えば指先や工具等を入り込ませることができ、フランジ部143を介して復帰ばね140を上方に押し上げることが可能とされている。これにより、ばね用凹部135内から復帰ばね140を容易に取り外すことが可能とされている。
ばね本体142は、例えば鉄やニッケル等の金属からなる薄板ばねであり、基端部が固定枠部141に連結された連結端部145とされ、且つ先端部が揺動リング55を介して揺動車32に接触可能な自由端部146とされている。
ばね本体142は、自由端部146から連結端部145に至るまでの間に、径方向に間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されている。本実施形態では、ばね本体142は、揺動車32を径方向の外側から4段(多段)に囲む渦巻き状に形成されている。
自由端部146は、揺動車32の車軸を径方向の外側から囲む環状に形成されている。具体的には、自由端部146は、内径が揺動リング55の外径よりも僅かに大きいリング状に形成され、揺動リング55を介して揺動車32の車軸を囲んでいる。
なお、図示の例では、自由端部146が揺動リング55の外周面に隙間なく接触するように図示しているが、自由端部146と揺動リング55との間には僅かな隙間が形成されていても構わない。
図15に示すように、ばね本体142は、自由端部146を含むと共に径方向の最も内側に位置する最内周ばね部150と、最内周ばね部150を径方向外側から囲む第1中間ばね部151と、第1中間ばね部151を径方向外側から囲む第2中間ばね部152と、連結端部145を含むと共に第2中間ばね部152を径方向外側から囲み、径方向の最も外側に位置する最外周ばね部153と、を備え、これらが連続して繋がった渦巻き状に形成されている。
なお、最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152及び最外周ばね部153は、上述した対向部としてそれぞれ機能する。よって、本実施形態のばね本体142は、自由端部146が環状に形成されていることも相まって、4段の対向部を有する渦巻き状に形成されている。
ばね本体142は、自由端部146が揺動車32を噛合位置P2側に向けて付勢するように、連結端部145を介して固定枠部141に連結されている。連結端部145は、第5軸線O5方向から見た平面視で、第5軸線O5を通り、且つ揺動方向Lに沿って延びる仮想軸線V上から外れた位置に配置されている。これにより、ばね本体142は、連結端部145を基点として全体が揺動方向Lに弾性変形可能に、固定枠部141に連結されている。
先に述べたように本実施形態のばね本体142は、互いに隣り合う対向部同士の間隔が不均等となるように形成されている。
具体的には、ばね本体142は、揺動車32の第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側(すなわち解除位置P1から噛合位置P2に向かう方向とは反対側)において、互いに隣り合う対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152及び最外周ばね部153)同士の間に形成される揺動方向Lに沿った各間隔H1、H2、H3のうちの少なくとも1箇所が、揺動車32の第5軸線O5よりも付勢方向(すなわち解除位置P1から噛合位置P2に向かう方向)側において、互いに隣り合う対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152及び最外周ばね部153)同士の間に形成される揺動方向Lに沿った各間隔H4、H5、H6よりも広く形成されている。
なお、最内周ばね部150と第1中間ばね部151との間の揺動方向Lに沿った間隔のうち、第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側に位置する部分の間隔が間隔H1とされ、第5軸線O5よりも付勢方向側に位置する部分の間隔が間隔H4とされている。
第1中間ばね部151と第2中間ばね部152との間の揺動方向Lに沿った間隔のうち、第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側に位置する部分の間隔が間隔H2とされ、第5軸線O5よりも付勢方向側に位置する部分の間隔が間隔H5とされている。
第2中間ばね部152と最外周ばね部153との間の揺動方向Lに沿った間隔のうち、第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側に位置する部分の間隔が間隔H3とされ、第5軸線O5よりも付勢方向側に位置する部分の間隔が間隔H6とされている。
本実施形態では、上記間隔H1、H2、H3のいずれもが、上記間隔H4、H5、H6よりも広くなるようにばね本体142が形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、上記間隔H1、H2、H3の少なくとも1箇所は、上記間隔H4、H5、H6よりも広くなるように形成されていれば構わない。
なお、これらの各間隔の関係は、図16に示すように、ばね本体142に対して揺動車32が組み合わされる前のばね本体142の自然状態の段階から当然に維持されている。なお、ばね本体142は、自然状態において第1揺動孔50よりも付勢方向側に僅かに寄った位置で静止している。そのため、図15に示すようにばね本体142と揺動車32とを組み合わせることで、上記各間隔の関係を維持した状態で、ばね本体142が揺動車32を噛合位置P2に向けて付勢することが可能とされている。
(機械式時計の作用)
次いで、上述のように構成された復帰ばね140を含む巻上輪列機構130を備えた機械式時計1の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
すなわち、手動によってぜんまい14の巻き上げを行う場合には、第1実施形態と同様に、りゅうず21を介して巻真20を第1回転方向M1に回転操作して、図12に示すように丸穴車30を第2軸線O2回りに時計方向に回転させる。
揺動車32は、復帰ばね140によって噛合位置P2に付勢されているので、第1伝達車35及び第2伝達車36の両方に噛み合った状態となっている。従って、丸穴車30の回転に伴って、第1伝達車35を第3軸線O3回りに反時計方向に回転させることができると共に、揺動車32を第5軸線O5回りに時計方向に回転させて、該揺動車32の回転に伴って第2伝達車36を第4軸線O4回りに反時計方向に回転させることができる。そして、第2伝達車36の回転に伴って、角穴車23を第3回転方向M3に回転させることができる。
このように、丸穴車30に伝わった動力を、第1伝達車35及び揺動車32を介して第2伝達車36に伝えることができると共に、さらに第2伝達車36を介して角穴車23に伝えることができる。そして、角穴車23を第3回転方向M3に回転させることで、香箱真を介して香箱車13の内部に収容されているぜんまい14を巻き上げることができる。
また、ぜんまい14の巻き上げ時、図14に示すように、巻真20を予め決められた第1回転方向M1とは逆方向である第2回転方向M2に回転操作した場合には、丸穴車30は図14に示す矢印の如く第2軸線O2回りに反時計方向に回転する。そのため、丸穴車30から第1伝達車35に対して先ほどとは逆方向の動力が作用するので、第1伝達車35は図14に示す矢印の如く第3軸線O3回りに時計方向に回転する。
一方、角穴車23は、こはぜ24によって、ぜんまい14の巻き解き方向である第4回転方向M4への回転が規制されているので、これに対応して第2伝達車36もぜんまい14の巻き解き方向への回転が規制されている。つまり、第2伝達車36は、第4軸線O4回りに時計方向に回転することが規制されている。
そのため揺動車32は、第1伝達車35から伝わった動力を第2伝達車36に伝えることができない。また、第1伝達車35から揺動車32に伝わる動力は、揺動車32を第2伝達車36から離間させる方向に作用する。
これらのことから、揺動車32はぜんまい14の巻き上げ時とは逆の時計方向に第5軸線O5回りを回転しながら、揺動方向Lに沿って噛合位置P2から、図14及び図17に示す解除位置P1に向けて揺動する。これより、巻真20からの動力が角穴車23側に伝わってしまうことを防止することができる。
その後、巻真20の第2回転方向M2への回転操作を停止することで、復帰ばね140による付勢力によって、揺動車32を解除位置P1側から噛合位置P2側に向けて自動的に復帰させることができる。従って、図12に示すように、第1伝達車35及び第2伝達車36の両方に対して揺動車32を再び噛み合った状態に復帰させることができる。
特に本実施形態の復帰ばね140によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、さらに以下の作用効果を奏功することができる。
揺動車32が図12及び図15に示す噛合位置P2から、図14及び図17に示す解除位置P1に向けてばね本体142の弾性力(付勢力)に抗して揺動すると、ばね本体142が揺動車32の揺動に応じて径方向に弾性変形する。このとき、ばね本体142は、間隔をあけて径方向に隣り合う対向部同士(すなわち、最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)が、揺動方向Lにおいて互いに接近或いは離間するように弾性変形する。
具体的には、揺動車32の第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側において対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)同士が互いに接近し、且つ揺動車32の第5軸線O5よりも付勢方向側において対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)同士が互いに離間するように弾性変形する。
このとき図15に示すように、ばね本体142は、揺動車32の第5軸線O5よりも付勢方向とは反対側において対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)の同士の間隔H1、H2、H3が広く形成されているので、図17に示すように、その分だけ対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)同士を互いに接触させ難くすることができる。
従って、ばね本体142における対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)同士の接触を防止しながら、ばね本体142をより大きく弾性変形させることができる。従って、ばね本体142のばね有効長さをさらに確保することができ、平面的にさらに小さく形成することが可能となる。
さらに、ばね本体142における対向部(最内周ばね部150、第1中間ばね部151、第2中間ばね部152、最外周ばね部153)同士の接触を防止しながら、ばね本体142をより大きく弾性変形させることができるので、揺動車32をより大きなストロークで揺動させることができ、揺動車32を有効に利用することができる。
さらに、本実施形態のばね本体142の自由端部146は、揺動リング55を介して揺動車32の車軸を囲むリング状に形成されているので、例えばリング状の自由端部146の内側に車軸を挿通させるだけの簡便な方法で、確実且つ容易に揺動車32に対して自由端部146を接触させながら揺動車32と復帰ばね140とを組み合わせることができる。従って、復帰ばね140をさらに容易に取り付けることが可能である。
しかも自由端部146がリング状に形成されているので、例えば自由端部146が単なる板片状或いは棒状等に形成されている場合に比べて、復帰ばね140の組み込み時に、自由端部146が周辺の構造体(例えば第1揺動孔50等)に対して不意に接触或いは引っ掛かる等の不都合が生じ難いうえ、自由端部146を意図せずに押し潰す等して例えば屈曲変形させてしまうような不都合が生じ難い。この点においても、復帰ばね140を容易に取り付けることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記各実施形態では、いわゆる手動巻き式の機械式時計を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、例えば手動巻き及び自動巻きの両方に対応した機械式時計としても構わない。この場合において、例えば回転錘の回転トルクを利用した自動巻き時に、復帰ばねの付勢力に抗して、揺動車が噛合位置側から解除位置側に揺動するように構成しても構わない。
また、上記各実施形態では、復帰ばねを利用して巻上輪列機構を構成する揺動車を一方向に付勢する場合を例に挙げて説明したが、復帰ばねを巻上輪列機構に用いる場合に限定されるものではない。
復帰ばねとしては、揺動方向に沿って第1位置と第2位置との間を揺動する揺動車を付勢できれば良く、種々の輪列機構に用いることが可能である。
さらに上記各実施形態では、ばね本体を渦巻き状に形成したが、渦巻き状に限定されるものではない。例えば、複数回の折れ曲がりによって、径方向に間隔をあけて対向部が少なくとも2段以上並んだ蛇腹状のばね本体としても構わない。この場合であっても、渦巻き状と同様の作用効果を奏功することができる。
いずれにしても、ばね本体は、自由端部から連結端部に至るまでの間に、径方向に間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されていれば良い。
L…揺動方向
V…仮想軸線
O5…第5軸線(揺動車の中心軸)
P1…解除位置(第1位置)
P2…噛合位置(第2位置)
1…機械式時計
10…ムーブメント(時計用ムーブメント)
13…香箱車
14…ぜんまい
15、130…巻上輪列機構(輪列機構)
20…巻真
23…角穴車
30…丸穴車
32…揺動車
33、80、90、100、110、120、140…復帰ばね
35…第1伝達車(伝達車)
36…第2伝達車(伝達車)
70、81、91、121、141…固定枠部
71、101、142…ばね本体
72、145…連結端部
73、146…自由端部
75、150…最内周ばね部(ばね本体の対向部)
76、151…第1中間ばね部(ばね本体の対向部)
77、152…第2中間ばね部(ばね本体の対向部)
78、153…最外周ばね部(ばね本体の対向部)
102…湾曲部
103…直線部

Claims (12)

  1. 揺動方向に沿って第1位置と第2位置との間を揺動可能に配置された揺動車を、第1位置側から第2位置側に向けて付勢する復帰ばねであって、
    固定枠部と、
    基端部が前記固定枠部に連結された連結端部とされ、且つ先端部が前記揺動車に対して接触可能な自由端部とされた、弾性変形可能な片持ち状のばね本体と、を備え、
    前記自由端部は、前記揺動車に対して、前記揺動車を前記第2位置側に向けて付勢した状態で接触可能とされ、
    前記ばね本体は、前記自由端部から前記連結端部に至るまでの間に、前記揺動車の軸方向から見て前記揺動車の中心軸に対して交差する径方向に、間隔をあけて隣り合う対向部を少なくとも2段以上有する曲線状に形成されている、復帰ばね。
  2. 請求項1に記載の復帰ばねにおいて、
    前記自由端部は、前記揺動車よりも前記第1位置側に配置されると共に、前記揺動車に対して前記第1位置側から接触可能とされている、復帰ばね。
  3. 請求項1又は2に記載の復帰ばねにおいて、
    前記ばね本体は、前記揺動車を径方向の外側から多段に囲む渦巻き状に形成されている、復帰ばね。
  4. 請求項3に記載の復帰ばねにおいて、
    前記ばね本体は、
    前記揺動車の前記中心軸よりも付勢方向とは反対側において、互いに隣り合う前記対向部同士の間に形成される前記揺動方向に沿った各間隔のうちの少なくとも1箇所が、前記揺動車の前記中心軸よりも前記付勢方向側において、互いに隣り合う前記対向部同士の間に形成される前記揺動方向に沿った各間隔よりも広く形成されている、復帰ばね。
  5. 請求項3又は4に記載の復帰ばねにおいて、
    前記ばね本体は、前記揺動車の前記中心軸を中心としたアルキメデス曲線に沿うように湾曲した湾曲部と、前記揺動方向に沿って直線状に延びた直線部と、が前記ばね本体の長手方向に交互に並んだ渦巻き状に形成されている、復帰ばね。
  6. 請求項3から5のいずれか1項に記載の復帰ばねにおいて、
    前記連結端部は、前記揺動車の前記中心軸を通過し、且つ前記揺動方向に沿って延びる仮想軸線上から外れた位置に配置され、
    前記ばね本体は、前記連結端部を基点として、全体が前記揺動方向に弾性変位可能とされている、復帰ばね。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の復帰ばねにおいて、
    前記自由端部は、前記揺動車の車軸を径方向の外側から囲む環状に形成されている、復帰ばね。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の復帰ばねにおいて、
    前記固定枠部は、前記ばね本体を径方向の外側から囲む環状に形成されている、復帰ばね。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の復帰ばねを備えている、輪列機構。
  10. 請求項9に記載の輪列機構において、
    巻真の回転操作により回転する丸穴車と、
    回転によって香箱車の内部のぜんまいを巻き上げる角穴車に対して、動力を伝達する伝達車と、
    前記丸穴車と前記伝達車との間に配置され、前記丸穴車から前記伝達車に前記動力を伝達すると共に、前記復帰ばねによって付勢された前記揺動車と、を備え、
    前記第1位置は、前記伝達車に対する前記揺動車の噛み合いが解除されると共に、前記丸穴車側から前記揺動車を介した前記伝達車側への前記動力の伝達を遮断する解除位置とされ、
    前記第2位置は、前記伝達車に対して前記揺動車が噛み合うと共に、前記丸穴車側から前記揺動車を介した前記伝達車側への前記動力の伝達を許容する噛合位置とされ、
    前記揺動車は、前記解除位置と前記噛合位置との間を前記揺動方向に沿って揺動可能とされていると共に、前記復帰ばねによって前記噛合位置に向けて付勢されている、輪列機構。
  11. 請求項9又は10に記載の輪列機構を備えている、時計用ムーブメント。
  12. 請求項11に記載の時計用ムーブメントを備えている、機械式時計。
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