JP6751215B1 - てんぷ規正機構、時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents

てんぷ規正機構、時計用ムーブメントおよび時計 Download PDF

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Abstract

【課題】てんぷの作動をスムーズに再始動させることができるてんぷ規正機構を提供する。【解決手段】てんぷ規正機構19は、地板に支持された巻真51と、巻真51の軸方向の変位に伴って地板に対して回動するおしどり60と、おしどり60に係合し、おしどり60の回動に伴って回動する小鉄レバー90と、小鉄レバー90に支持され、小鉄レバー90が所定位置に位置する場合に巻真51の回転を指針に伝達する小鉄車45と、小鉄レバー90に係合し、小鉄レバー90の回動に伴っててんぷに接触する規正位置とてんぷから離間する退避位置との間を変位可能に設けられたてんぷ規正レバー100と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、てんぷ規正機構、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
一般に、機械式時計には、時刻合わせを行う際に用いられる秒針規正(ストップセコンド)機構が設けられている。この秒針規正機構は、巻真をスライド移動させることにより作動する規正レバーを有している。そして、規正レバーを作動させててんぷを規正し、輪列の動きを止める(例えば、特許文献1参照)。
中国実用新案第87206253号明細書
ところで、てんぷの規正位置が死点位置近傍であった場合や、ひげぜんまいの巻き上げ量が少ない場合には、てんぷの規正を解除してもてんぷが再始動しない可能性がある。そのため、てんぷの規正を解除する際に、てんぷに運動を付与することにより、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができる機構の開発が望まれる。
そこで本発明は、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができるてんぷ規正機構、並びにそのてんぷ規正機構を備えた時計用ムーブメントおよび時計を提供するものである。
本発明のてんぷ規正機構は、地板に支持された巻真と、前記巻真の軸方向の変位に伴って前記地板に対して回動するおしどりと、前記おしどりに係合し、前記おしどりの回動に伴って回動する小鉄レバーと、前記小鉄レバーに支持され、前記小鉄レバーが所定位置に位置する場合に前記巻真の回転を指針に伝達する伝達車と、前記小鉄レバーに係合し、前記小鉄レバーの回動に伴っててんぷに接触する規正位置と前記てんぷから離間する退避位置との間を変位可能に設けられた規正レバーと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、てんぷに接触する規正レバーが小鉄レバーとは別部材として設けられる。このため、規正レバーを小鉄レバーとは異なる動きでてんぷに対して接触および離間させることが可能となる。よって、てんぷの規正を解除する際に、てんぷに運動を付与するように規正レバーを変位させることが容易となる。したがって、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができる。
上記のてんぷ規正機構において、前記規正レバーは、前記地板に案内される被案内部を有するとともに、前記小鉄レバーとの係合部において前記小鉄レバーに対して回転可能に設けられ、前記被案内部は、前記規正レバーが前記てんぷに接触しつつ前記規正位置から前記退避位置に向けて変位する際に、前記地板に案内されて前記規正レバーと前記小鉄レバーとの係合部の変位方向に沿って変位してもよい。
本発明によれば、規正レバーがてんぷに接触した状態で、規正レバーを略平行移動させることができる。これにより、規正レバーが規正位置から退避位置に向けて変位する際に、規正レバーの変位に追随するようにてんぷを回転させて、てんぷに運動を付与することができる。したがって、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができる。
上記のてんぷ規正機構において、前記規正レバーは、前記地板に対して前記地板の厚さ方向で前記てんぷと同じ側に配置され、前記小鉄レバーの少なくとも一部は、前記地板に対して前記厚さ方向で前記規正レバーとは反対側に配置されていてもよい。
小鉄レバーの全体が地板に対して厚さ方向で規正レバーと同じ側に配置される場合、てんぷに動力を伝達する表輪列の配置が小鉄レバーによって制限を受ける。本発明によれば、地板に対して表輪列とは反対側に小鉄レバーが配置されるので、表輪列の配置自由度の低下による時計用ムーブメントの基本性能の低下を抑制できる。
上記のてんぷ規正機構において、前記規正レバーは、前記退避位置から前記規正位置に変位する過程で、前記地板の段差に摺接して前記地板の厚さ方向に案内され、前記てんぷに前記厚さ方向から接触してもよい。
本発明によれば、規正レバーの動作時の軌跡が地板の厚さ方向から見ててんぷに重なるので、規正レバーの周囲の部品の配置自由度の向上を図ることができる。また、規正レバーを地板の段差によって地板の厚さ方向に案内するので、新たな別部品を設けることなく規正レバーを地板の厚さ方向に変位させることが可能な構造が得られる。
本発明の時計用ムーブメントは、上記のてんぷ規正機構と、前記地板と、前記地板に回転可能に支持されたてんぷと、を備えることを特徴とする。
本発明の時計は、上記の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができる時計用ムーブメントおよび時計を提供できる。
本発明によれば、てんぷの作動をスムーズに再始動させることができるてんぷ規正機構、時計用ムーブメントおよび時計を提供できる。
第1実施形態に係る時計を示す平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントを裏側から見た平面図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構を裏側から見た斜視図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構を表側から見た斜視図である。 第1実施形態に係るムーブメントの一部を表側から見た斜視図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第1実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第2実施形態に係るてんぷ規正機構を表側から見た斜視図である。 図11のXII−XII線における断面の一部を示す図である。 第2実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第2実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。 第2実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、時計の一例として機械式時計を例に挙げて説明する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板に対する厚さ方向の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。なお、実施形態では、文字板からケース裏蓋に向かう方向を上方、その反対側を下方と定義して説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る時計を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋およびガラス2からなる時計ケース内に、ムーブメント(時計用ムーブメント)10と、少なくとも時に関する情報を示す目盛りを有する文字板3と、時針5、分針6および秒針7を含む指針と、を備える。文字板3には、後述する日車40に表示された日文字40aを明示させる日窓3aが形成されている。
図2は、第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。なお図2では、図面を見易くするためにムーブメント10を構成する一部の部品の図示を省略している。
図2に示すように、ムーブメント10は基板を構成する地板11を有している。地板11には、巻真51が組み込まれている。巻真51は、地板11に形成された巻真案内穴に軸線L回りに回転可能、かつ軸線Lの軸方向(以下、軸線L方向と称する)に変位可能に支持されている。巻真51には、図1に示す時計ケースの外側でりゅうず4が連結されている。ムーブメント10は、地板11の表側に、表輪列12と、脱進調速機13と、を備える。
表輪列12は、脱進調速機13にトルクを伝達する。表輪列12は、主に一対の香箱アセンブリ20A,20B、遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24、およびがんぎ中間車25を備える。一対の香箱アセンブリ20A,20Bは、地板11の厚さ方向から見た平面視で互いに並んで配置されている。各香箱アセンブリ20A,20Bは、地板11と図示しない香箱受との間に軸支されている。各香箱アセンブリ20A,20Bは、内部にぜんまいを収容する香箱車20aと、香箱車20aと同軸かつ相対回転可能に配置された角穴車20bと、を備える。ぜんまいの外端部は香箱車20aに固定され、ぜんまいの内端部は角穴車20bに固定されている。これにより、ぜんまいの巻き解けに伴うトルクによって香箱車20aおよび角穴車20bが相対回転するとともに、香箱車20aおよび角穴車20bを所定の方向に相対回転させることでぜんまいが巻き上げられる。
一方の香箱アセンブリ20Aの角穴車20bは、角穴中間車27と噛み合っている。角穴中間車27は、手動巻輪列14の一部を構成している。手動巻輪列14は、巻真51の回転を一方の香箱アセンブリ20Aの角穴車20bに伝達する。これにより、一方の香箱アセンブリ20Aの角穴車20bは、巻真51の回転によって回転し、一方の香箱アセンブリ20Aのぜんまいを巻き上げる。一方の香箱アセンブリ20Aの香箱車20aの歯部は、他方の香箱アセンブリ20Bの香箱車20aの歯部と噛み合っている。他方の香箱アセンブリ20Bの香箱車20aは、一方の香箱アセンブリ20Aのぜんまいの巻き解けに伴うトルクによって回転し、他方の香箱アセンブリ20Bのぜんまいを巻き上げる。そして、他方の香箱アセンブリ20Bの角穴車20bは、他方の香箱アセンブリ20Bのぜんまいの巻き解けに伴って回転する。
遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24およびがんぎ中間車25は、地板11と図示しない輪列受との間に軸支されている。これら遊び歯車21、二番車22、三番車23、四番車24およびがんぎ中間車25は、他方の香箱アセンブリ20Bの角穴車20bが巻き上げられたぜんまいの弾性復元力によって回転すると、この回転に基づいて回転する。
すなわち、遊び歯車21は他方の香箱アセンブリ20Bの角穴車20bと噛み合っており、角穴車20bの回転に基づいて回転する。二番車22は、遊び歯車21と噛み合っており、遊び歯車21の回転に基づいて回転する。三番車23は、二番車22と噛み合っており、二番車22の回転に基づいて回転する。四番車24は、三番車23と噛み合っており、三番車23の回転に基づいて回転する。四番車24の回転軸線は、巻真51の軸線Lに直交している。四番車24には、図1に示す秒針7が取り付けられており、四番車24の回転に基づいて秒針7が「秒」を表示する。秒針7は、脱進調速機13によって調速された回転速度で1分間に1回転する。がんぎ中間車25は、四番車24と噛み合っており、四番車24の回転に基づいて回転する。がんぎ中間車25は、後述するがんぎ車のがんぎかな(不図示)と噛み合っている。
脱進調速機13は、表輪列12の回転を制御する。脱進調速機13は、図示しないがんぎ車およびアンクルと、てんぷ32と、を主に備える。がんぎ車は、香箱アセンブリ20A,20Bのぜんまいから表輪列12を介して伝達されるトルクによって回転する。アンクルは、がんぎ車を脱進させて規則正しく回転させる。てんぷ32は、がんぎ車を一定速度で脱進させる。
てんぷ32は、てん真(不図示)、てん輪33およびひげぜんまい34を備える。てん真は、地板11とてんぷ受(不図示)との間に回転可能に軸支されている。てん真は、ひげぜんまい34を動力源として、第1軸線O1を中心として一定の周期で往復回転する。てん輪33は、てん真に同軸で固定されている。てん輪33は、てん真を径方向の外側から囲む円環状のリム部33aと、リム部33aとてん真とを径方向に連結するアーム33bと、を備える。リム部33aは、第1軸線O1と同軸に配置されている。アーム33bは、第1軸線O1を中心として90°の間隔をあけて4つ設けられている。なお、てん輪33の形状は、図示の例に限定されるものではなく、自由に変更して構わない。てんぷ32の全体は、平面視で軸線Lに対する一方側に配置されている。
図3は、第1実施形態に係るムーブメントを裏側から見た平面図である。なお図3では、図面を見易くするためにムーブメント10を構成する一部の部品の図示を省略しているとともに、日車40については一部のみを図示している。
図3に示すように、ムーブメント10は、地板11の裏側に、裏輪列15と、カレンダ機構16と、時刻修正輪列17と、カレンダ修正機構18と、を備える。
裏輪列15は、主に分車36、日の裏車37および筒車38を備える。分車36は、四番車24(図2参照)と同軸に配置されている。分車36は、三番車23(図2参照)と噛み合っており、三番車23の回転に基づいて回転する。分車36には、図1に示す分針6が取り付けられており、分車36の回転によって分針6が「分」を表示する。分針6は、脱進調速機13によって調速された回転速度で1時間に1回転する。日の裏車37は、分車36と噛み合っており、分車36の回転に基づいて回転する。筒車38は、分車36と同軸に配置されている。筒車38は、日の裏車37と噛み合っており、日の裏車37の回転に基づいて回転する。筒車38には、図1に示す時針5が取り付けられており、筒車38の回転によって時針5が「時」を表示する。時針5は、脱進調速機13によって調速された回転速度で12時間に1回転する。
カレンダ機構16は、日車40、第1日回し中間車41、第2日回し中間車42および日回し車43を備える。日車40は、地板11に対して回転自在に取り付けられたリング状部材である。日車40には、周方向に沿って1〜31の日を表す日文字40a(図1参照)が順番に表示されている。日車40の内周面には、複数の歯部が形成されている。複数の歯部は、径方向の内側に突出するとともに周方向に間隔をあけて形成されている。
第1日回し中間車41、第2日回し中間車42および日回し車43は、地板11に回転可能に支持されている。第1日回し中間車41は、筒車38と噛み合っており、筒車38の回転に基づいて回転する。第2日回し中間車42は、第1日回し中間車41と噛み合っており、第1日回し中間車41の回転に基づいて回転する。日回し車43は、日回し歯車43aおよび日回しつめ43bを備える。日回し歯車43aは、第2日回し中間車42と噛み合っており、第2日回し中間車42の回転に基づいて24時間に1回転する。日回しつめ43bは、日回し歯車43aを動力源として、日回し歯車43aの回転中心回りを24時間に1回転する。日回しつめ43aは、1回転する毎に1度、日車40の歯部に係合して日車40を1歯分だけ回転させる。これにより、カレンダ機構16は、日車40を間欠的に回転させる。
時刻修正輪列17は、時刻修正時に、巻真51の回転を時針5および分針6に伝達する。時刻修正輪列17は、小鉄車45、日の裏中間車46および時刻修正伝え車47を備える。小鉄車45は、後述するつづみ車52(図4参照)と噛み合うように設けられている。日の裏中間車46は、後述する小鉄レバー90に回転可能に支持されている。日の裏中間車46は、日の裏中間第1歯車46a(図5参照)および日の裏中間第2歯車46bを有する。日の裏中間第1歯車46aおよび日の裏中間第2歯車46bは、一体回転する。日の裏中間第1歯車46aは、小鉄車45と常時噛み合っている。これにより、日の裏中間第1歯車46aおよび日の裏中間第2歯車46bは、小鉄車45の回転に基づいて回転する。時刻修正伝え車47は、日の裏中間第2歯車46bと常時噛み合っており、日の裏中間車46の回転に基づいて回転する。時刻修正伝え車47は、日の裏車37と噛み合うように設けられている。
カレンダ修正機構18は、日付を修正する際に、巻真51の回転を日車40に伝達する。カレンダ修正機構18は、上述した小鉄車45および日の裏中間車46に加えて、第1日修正伝え車48および第2日修正伝え車49を備える。第1日修正伝え車48は、日の裏中間第1歯車46aと噛み合うように設けられている。第1日修正伝え車48は、日の裏中間第1歯車46aと噛み合うことで、日の裏中間車46の回転に基づいて回転する。第2日修正伝え車49は、第1日修正伝え車48と噛み合っており、第1日修正伝え車48に基づいて回転する。第2日修正伝え車49は、第1日修正伝え車48の回転に伴って第1日修正伝え車48の回転中心回りを揺動するレバー(不図示)に支持されている。第2日修正伝え車49は、第1日修正伝え車48の所定方向の回転に伴って日車40に接近するように変位し、日車40の歯部に噛み合う。これにより、カレンダ修正機構18は、日車40を回転させる。
図2および図3に示すように、ムーブメント10は、てんぷ規正機構19をさらに備える。てんぷ規正機構19は、切換機構50と、てんぷ規正レバー100と、を備える。
図4は、第1実施形態に係るてんぷ規正機構を裏側から見た斜視図である。図5は、第1実施形態に係るてんぷ規正機構を表側から見た斜視図である。なお、図4では、図面を見易くするためにかんぬき押さえ80を仮想線で示している。また、図5では、図面を見易くするためにてんぷ規正レバー押さえ110を仮想線で示している。
図3および図4に示すように、切換機構50は、巻真51のトルクの伝達経路を切り替える。切換機構50は、巻真51と、つづみ車52と、おしどり60と、かんぬき70と、かんぬき押さえ80と、小鉄レバー90と、を備える。
上述したように、巻真51は、りゅうず4(図1参照)の引き出し操作に伴って、地板11に対して軸線L方向に変位可能に設けられている。本実施形態では、巻真51は、ムーブメント10の内側に最も入り込んだ0段位置、0段位置からりゅうず4を1段引いた1段位置、1段位置からさらにりゅうず4を1段引いた2段位置の3つの位置で位置決めされる。巻真51には、おしどり60と係合する括れ部51aが形成されている。なお、以下の説明は、特に記載のない限り巻真51が0段位置に位置決めされた状態を前提とする。
巻真51には、きち車53が設けられている。きち車53は、括れ部51aよりもムーブメント10の中心側の箇所に設けられている。なお、本実施形態においてムーブメント10の中心とは、指針の回転中心であって、四番車24、分車36および筒車38の回転軸線である。きち車53は、巻真51に対して回転可能、かつ巻真51に対して軸線L方向に変位不能に設けられている。きち車53には、手動巻輪列14に含まれる丸穴車28(図2参照)が噛み合っている。
つづみ車52は、巻真51に外挿され、軸線Lと同軸に配置されている。つづみ車52は、きち車53よりもムーブメント10の中心側に配置されている。つづみ車52は、巻真51と一体回転可能、かつ巻真51に対して軸線L方向に変位可能に設けられている。つづみ車52は、巻真51に対して軸線L方向に変位することで、きち車53に対してムーブメント10の内側から外側に向かう方向に噛み合う状態と、小鉄車45に対してムーブメント10の外側から内側に向かう方向に噛み合う状態と、を相互に移行可能に構成されている。
おしどり60は、地板11に対して第2軸線O2を中心として回動可能に設けられている。おしどり60は、回動軸であるおしどり軸61と、おしどり軸61に支持されたおしどり本体62と、を備える。おしどり軸61は、平面視で軸線Lに対しててんぷ32(図2参照)と同じ側に配置されている。おしどり軸61は、地板11を貫通するように配置されている。
おしどり本体62は、地板11に対して地板11の厚さ方向でてんぷ32とは反対側(裏側)に配置されている。おしどり本体62は、薄板状に形成され、地板11の面方向に沿って延びている。おしどり本体62は、おしどり軸61との接続部から延びる頭部63および尾部64を備える。頭部63は、長円形状に形成されている。頭部63は、平面視で軸線Lと重なるように配置されている。頭部63は、巻真51の括れ部51aに配置されている。これにより、おしどり60は、巻真51に対して軸線L方向に係合し、りゅうず4の引き出し操作に伴う巻真51の変位に伴って回動する。以下、おしどり60の回動方向のうち、巻真51が0段位置から2段位置に向けて変位する際の回動方向を第1回動方向M1といい、その反対に巻真51が2段位置から0段位置に向けて変位する際の回動方向を第2回動方向M2という。尾部64は、おしどり軸61との接続部から頭部63とは反対側に延出している。尾部64には、係合凸部65が形成されている。係合凸部65は、尾部64における延在方向の中間部に設けられている。係合凸部65は、平面視で軸線L側に向けて、第1回動方向M1に突出している。係合凸部65は、おしどり60が第1回動方向M1に回動する際に、平面視で軸線Lに接近するように形成されている。
おしどり60は、おしどりピン66および小鉄レバー作動ピン67を備える。おしどりピン66は、尾部64における係合凸部65の近傍に配置されている。おしどりピン66は、尾部64から地板11とは反対側(裏側)に向けて突出している。小鉄レバー作動ピン67は、尾部64における先端部近傍に配置されている。小鉄レバー作動ピン67は、尾部64から地板11側(表側)に向けて突出している。小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90に係合している。
かんぬき70は、地板11に対して第3軸線O3を中心として回動可能に設けられている。第3軸線O3は、平面視で軸線Lを挟んで第2軸線O2とは反対側に配置されている。かんぬき70は、地板11に突設された支軸に回動可能に支持されたかんぬき本体71と、かんぬき本体71に固定されたかんぬきピン72と、を備える。かんぬき本体71は、地板11に対しておしどり本体62と同じ側に配置されている。かんぬき本体71は、薄板状に形成され、おしどり本体62と同一平面に沿って延びている。かんぬき本体71は、平面視でおしどり本体62と並んで配置されている。
かんぬき本体71は、地板11の支軸との接続部から延びる頭部73を備える。頭部73は、平面視で巻真51を跨ぐように延びている。頭部73の先端は、おしどり60の係合凸部65に第1回動方向M1から対向している。頭部73は、おしどり60の係合凸部65が第1回動方向M1に変位したときに、係合凸部65に押圧されてムーブメント10の中心側に向けて回動する。これにより、かんぬき70は、おしどり60の回動に伴って回動する。すなわち、かんぬき70は、りゅうず4の引き出し操作に伴う巻真51の変位に伴って回動する。より詳細には、かんぬき70は、巻真の0段位置と1段位置との間での変位の際に回動する。かんぬきピン72は、かんぬき本体71から地板11とは反対側に向けて突出している。かんぬきピン72には、後述するかんぬき戻しばね83が接触している。
ここで、かんぬき本体71の頭部73における先端と基端との中間部は、つづみ車52の括れ部に配置されている。これにより、かんぬき70は、つづみ車52に対して軸線L方向に係合している。かんぬき70は、頭部73がおしどり60の係合凸部65に押圧された際に、つづみ車52をきち車53から離間させる方向に変位させる。かんぬき70は、巻真51が0段位置に位置するとき、つづみ車52をきち車53に噛合させる。かんぬき70は、巻真が1段位置から2段位置にわたる領域に位置するとき、つづみ車52を小鉄車45に噛合させる。
かんぬき押さえ80は、おしどり60およびかんぬき70を地板11側に向かって押さえている。かんぬき押さえ80は、薄板状に形成され、地板11の面方向に沿って延びている。かんぬき押さえ80は、地板11に固定された基部81と、基部81から延びる4つのアーム82A,82B,82C,82Dと、基部81から延びるかんぬき戻しばね83と、を備える。基部81は、かんぬき本体71を挟んで地板11とは反対側に配置されている。基部81は、平面視で軸線Lに対しておしどり本体62とは反対側に配置されている。基部81は、平面視でかんぬき本体71における地板11の支軸との接続部に重なっている。基部81は、かんぬきピン72よりもムーブメント10の中心側に配置されている。基部81は、地板11に2個のネジによって締結されている。4つのアーム82A,82B,82C,82Dは、それぞれ平面視で基部81から軸線L側に延びている。
第1アーム82Aは、平面視で軸線Lを跨ぎ、おしどり60の頭部63に重なっている。第1アーム82Aは、おしどり本体62におけるおしどり軸61との接続部近傍を地板11側に付勢している。第2アーム82Bは、平面視で第1アーム82Aに対するムーブメント10の中心側で、基部81から第1アーム82Aに対して間隔をあけて延びている。第2アーム82Bは、きち車53にムーブメント10の中心側から対向している。これにより、第2アーム82Bは、ムーブメント10の中心側へのきち車53の変位を規制している。
第3アーム82Cは、平面視で第2アーム82Bに対するムーブメント10の中心側で、基部81から第2アーム82Bに対して間隔をあけて延びている。第3アーム82Cは、平面視で軸線Lを跨いでいる。第3アーム82Cは、平面視でかんぬき70の頭部73、およびおしどり60の頭部63に重なっている。第3アーム82Cは、地板11の面方向に撓み変形可能に形成されている。第3アーム82Cの先端は、おしどりピン66に第1回動方向M1から対向して接触している。これにより、第3アーム82Cは、りゅうず4の引き出し操作に伴うおしどり60の移動方向とは反対方向に、おしどり60を付勢している。第3アーム82Cの先端におけるおしどりピン66に対向する側面には、3つの係合凹部84a,84b,84cが並んで形成されている(図7参照)。3つの係合凹部84a,84b,84cは、第1係合凹部84a、第2係合凹部84b、第3係合凹部84cの順に、第3アーム82Cの先端から基部に向かう方向に並んでいる。これら係合凹部84a,84b,84cには、おしどりピン66が係合する。第1係合凹部84aと第2係合凹部84bとの間には、滑らかな第1係合山部85a(図7参照)が形成されている。第2係合凹部84bと第3係合凹部84cとの間には、滑らかな第2係合山部85b(図7参照)が形成されている。
第4アーム82Dは、平面視で第3アーム82Cに対するムーブメント10の中心側で、基部81から第3アーム82Cに対して間隔をあけて延びている。第4アーム82Dは、平面視で軸線Lを跨いでいる。第4アーム82Dは、平面視でおしどり60の頭部63に重なっている。第4アーム82Dの先端には、地板11に突設されたピンが挿通される貫通孔が形成されている。これにより、第4アーム82Dの先端は、地板11の面方向に位置決めされている。
かんぬき戻しばね83は、基部81からおおよそ一定の幅で延びている。かんぬき戻しばね83は、平面視で先端が基部81とかんぬきピン72との間に位置するように基部81から延びている。かんぬき戻しばね83の先端は、かんぬきピン72にムーブメント10の中心側から接触している。かんぬき戻しばね83は、かんぬき70の頭部73がおしどり本体62の係合凸部65に接近する方向にかんぬき70を付勢している。
小鉄レバー90は、地板11に対しておしどり60と同じ側に配置されている。小鉄レバー90は、地板11に対して第4軸線O4を中心として回動可能に設けられている。第4軸線O4は、四番車24の回転軸線よりもムーブメント10の外側寄りで軸線Lに直交している。小鉄レバー90は、おしどり60の回動に伴って回動する。小鉄レバー90は、地板11に突設された支軸に支持されたレバー軸91と、レバー軸91に支持されたレバー本体92と、を備える。レバー軸91は、円筒状に形成され、地板11の支軸に相対回転可能に外挿されている。レバー軸91の外周面には、径方向外側に張り出すフランジ91aが形成されている。レバー本体92は、薄板状に形成されている。レバー本体92は、レバー軸91に支持された回動部93と、おしどり60に係合した係合部94と、回動部93と係合部94とを連結した連結部95と、を備える。
回動部93は、地板11の面方向に沿って延びている。回動部93は、平面視でかんぬき押さえ80の第4アーム82Dに対してムーブメント10の中心側に配置され、第4アーム82Dと同一平面上に並んでいる。回動部93には、レバー軸91が挿通される貫通孔が形成されている。回動部93は、レバー軸91のフランジ91aに地板11側から重なっている。係合部94は、回動部93よりもムーブメント10の外側寄りに配置されている。係合部94は、回動部93よりも地板11側で、地板11の面方向に沿って延びている。係合部94は、おしどり本体62よりも地板11側に配置されている。係合部94は、平面視でおしどり本体62に重なっている。係合部94は、平面視で軸線Lに対しておしどり本体62と同じ側に配置されている。連結部95は、回動部93から係合部94に向けて平面視で略一定の幅で延びている。連結部95は、平面視でかんぬき押さえ80の第4アーム82Dに交差している。連結部95は、回動部93から回動部93と平行に延びた後、第4アーム82Dを避けるように地板11側に屈曲し、係合部94と平行に延びて係合部94に接続している。以下、小鉄レバー90の回動方向のうち、平面視で係合部94が軸線Lから離間する方向を第3回動方向M3といい、その反対方向を第4回動方向M4という。
係合部94には、おしどり60の小鉄レバー作動ピン67が挿入されたおしどり係合窓96が形成されている。おしどり係合窓96は、小鉄レバー作動ピン67を案内可能とするように、小鉄レバー作動ピン67の外径よりも大きい略一定の幅で延びている。おしどり係合窓96は、巻真51が0段位置と1段位置との間を変位する際に小鉄レバー作動ピン67が通過する第1延在部96aと、巻真51が1段位置と2段位置との間を変位する際に小鉄レバー作動ピン67が通過する第2延在部96bおよび第3延在部96cと、を備える。第1延在部96aは、平面視で第1回動方向M1および第2回動方向M2に平行な方向(すなわち第2軸線O2回りの周方向)に沿って円弧状に延びている。第2延在部96bは、第1延在部96aにおける第1回動方向M1の端部に連なっている。第2延在部96bは、第1延在部96aから第1回動方向M1かつ第4回動方向M4に延びている。第3延在部96cは、第2延在部96bにおける第1回動方向M1の端部に連なっている。第3延在部96cは、第2延在部96bから第1回動方向M1に沿って円弧状に延びている。
小鉄レバー90は、小鉄車45、日の裏中間車46および時刻修正伝え車47を支持している。小鉄車45は、レバー軸91に回転可能に支持されている。このため、小鉄車45の回転軸線は、第4軸線O4に一致している。小鉄車45は、レバー本体92の回動部93と地板11との間に配置されている。日の裏中間車46は、回動部93に回転可能に支持されている。日の裏中間第1歯車46aは、地板11の厚さ方向で回動部93に対する小鉄車45側に配置されている。日の裏中間第2歯車46bは、地板11の厚さ方向で回動部93を挟んで日の裏中間第1歯車46aとは反対側に配置されている。日の裏中間第1歯車46aおよび日の裏中間第2歯車46bは、回動部93を貫通する回動軸を介して互いに連結され、一体回転する。時刻修正伝え車47は、回動部93に回転可能に支持されている。時刻修正伝え車47は、地板11の厚さ方向で回動部93に対する日の裏中間第2歯車46b側に配置されている。
図6は、第1実施形態に係るムーブメントの一部を表側から見た斜視図である。なお、図6では、図面を見易くするためにてんぷ規正レバー押さえ110の図示を省略しているとともに、てんぷ規正レバー100のレバー基部101およびばね体102を仮想線で示している。
図4および図6に示すように、小鉄レバー90は、てんぷ規正レバー作動ピン97を備える。てんぷ規正レバー作動ピン97は、係合部94に配置されている。てんぷ規正レバー作動ピン97は、係合部94から地板11側に向けて突出している。てんぷ規正レバー作動ピン97は、地板11に形成された貫通孔11aに挿通され、地板11の裏側から表側に貫通している。地板11の貫通孔11aは、小鉄レバー90の回動に伴って変位するてんぷ規正レバー作動ピン97を避けるように形成されている。てんぷ規正レバー作動ピン97は、地板11の表側でてんぷ規正レバー100に係合している。
図4および図5に示すように、てんぷ規正レバー100は、地板11に対して地板11の厚さ方向でてんぷ32と同じ側(表側)に配置されている。てんぷ規正レバー100は、平面視で小鉄レバー90のレバー本体92に重なるように配置されている。てんぷ規正レバー100は、小鉄レバー90の回動に伴って変位する。てんぷ規正レバー100は、レバー基部101と、レバー基部101に基端が接続されたばね体102と、を備える。レバー基部101は、薄板状に形成され、地板11の面方向に沿って延びている。レバー基部101には、小鉄レバー90のてんぷ規正レバー作動ピン97が挿入される貫通孔が形成されている。レバー基部101は、てんぷ規正レバー作動ピン97が貫通孔に挿入されることで、小鉄レバー90と係合している。レバー基部101は、てんぷ規正レバー作動ピン97に対して回転可能とされている。本実施形態では、てんぷ規正レバー作動ピン97は、レバー基部101から地板11とは反対側に僅かに突出している。
ばね体102は、薄板状に形成されている。ばね体102は、両主面が地板11の面方向に向くように配置され、地板11の面方向に撓み可能に形成されている。本実施形態では、ばね体102は、レバー基部101に屈曲部103を介して接続し、レバー基部101と一体成形されている。ばね体102は、レバー基部101との接続部から第3回動方向M3に沿って延びている。ばね体102は、平面視で直線状に延びている。ばね体102は、平面視でてんぷ32と第4軸線O4との間で、地板11の面方向から見ててんぷ32のてん輪33のリム部33a(図2参照)に重なるように配置されている。
てんぷ規正レバー100は、てんぷ規正レバー案内ピン104(被案内部)を備える。てんぷ規正レバー案内ピン104は、第4軸線O4を中心とする径方向において、小鉄レバー90のてんぷ規正レバー作動ピン97よりも外側に配置されている。てんぷ規正レバー案内ピン104は、てんぷ規正レバー作動ピン97よりも第3回動方向M3に配置されている。てんぷ規正レバー案内ピン104は、レバー基部101から地板11側に向けて突出している。本実施形態では、てんぷ規正レバー案内ピン104は、レバー基部101に形成された貫通孔に挿入され、レバー基部101から地板11とは反対側にも僅かに突出している。
図6に示すように、地板11には、てんぷ規正レバー案内ピン104が挿入された規正レバー案内窓11bが形成されている。規正レバー案内窓11bは、てんぷ規正レバー案内ピン104を案内可能とするように、てんぷ規正レバー案内ピン104の外径よりも大きい略一定の幅で延びている。規正レバー案内窓11bは、第4回動方向M4の端部から第3回動方向M3に向かうに従い第4軸線O4を中心とする径方向の外側に延びた後、第3回動方向M3に沿って延びている。
図4および図5に示すように、てんぷ規正レバー100は、地板11に固定されたてんぷ規正レバー押さえ110によって、地板11側に抑えられている。てんぷ規正レバー押さえ110は、薄板状に形成され、地板11の面方向に沿って延びている。てんぷ規正レバー押さえ110は、てんぷ規正レバー100のばね体102を避けるように配置され、平面視でレバー基部101に重なっている。てんぷ規正レバー押さえ110には、てんぷ規正レバー作動ピン97を避ける第1逃げ窓111と、てんぷ規正レバー案内ピン104を避ける第2逃げ窓112と、が形成されている。第1逃げ窓111は、平面視で地板11の貫通孔11a(図6参照)の形状におおよそ一致する形状に形成されている。第2逃げ窓112は、平面視で地板11の規正レバー案内窓11b(図6参照)の形状におおよそ一致する形状に形成されている。
次に切換機構50の動作について、図7から図10を参照して説明する。
図7から図10は、第1実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。
図7に示すように、巻真51が0段位置に位置する状態では、おしどり60のおしどりピン66は、かんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第1係合凹部84aに入り込んでいる。これにより、巻真51は、0段位置に位置決めされている。かんぬき70の頭部73は、つづみ車52がきち車53に噛み合うようにつづみ車52を保持している。このため、0段位置にある巻真51を回転させると、つづみ車52が巻真51と一体回転し、さらにつづみ車52を介してきち車53が回転する。そして、きち車53が回転することにより、きち車53と噛み合う丸穴車28が回転し、手動巻輪列14を介して香箱アセンブリ20Aの角穴車20bが回転する(図2参照)。これにより、香箱アセンブリ20A,20Bのぜんまいが巻き上げられる。なお、日の裏中間第1歯車46aは、第1日修正伝え車48と噛み合っている。また、おしどり60の小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90のおしどり係合窓96の第1延在部96aにおける第2回動方向M2の端部に位置している。
巻真51が0段位置から1段位置に変位する際、おしどり60は、第1回動方向M1に回動する。すると、図8に示すように、おしどりピン66は、かんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第1係合凹部84aから第1係合山部85aを乗り越えて第2係合凹部84bに入り込む。この際、おしどり60にはかんぬき押さえ80の第3アーム82Cの復元力が作用して、使用者が巻真51を引き出す際のクリック感が発生する。おしどり60が第1回動方向M1に回動すると、かんぬき70の頭部73は、かんぬきピン72に作用するかんぬき戻しばね83の付勢力に抗しつつ、おしどり60の係合凸部65に押圧されてムーブメント10の中心側に向けて回動する。これにより、かんぬき70の頭部73に保持されたつづみ車52は、きち車53から離間し、小鉄車45と噛み合う。かんぬき70の頭部73は、巻真51が1段位置に到達すると、おしどり60の係合凸部65の回動軌跡からムーブメント10の中心側に退避する。
また、おしどり60が第1回動方向M1に回動すると、小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90のおしどり係合窓96の第1延在部96aを第2回動方向M2の端部から第1回動方向M1の端部へ移動する。第1延在部96aは、第1回動方向M1と平行な方向に沿って延びているので、おしどり60および小鉄レバー90は互いに係合せず、小鉄レバー90は変位しない。
なお、巻真51が1段位置から0段位置に変位する際には、上述した動作とは逆の動作が行われる。
巻真51が1段位置に位置する状態では、おしどりピン66は、かんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第2係合凹部84bに入り込んでいる。これにより、巻真51は、1段位置に位置決めされている。かんぬき70の頭部73は、つづみ車52が小鉄車45に噛み合うようにつづみ車52を保持している。このため、1段位置にある巻真51を回転させると、つづみ車52が巻真51と一体回転し、さらにつづみ車52を介して小鉄車45が回転する。そして、小鉄車45が回転することにより、カレンダ修正機構18を介して日車40が回転する。これにより、日車40を回転させて、日付を修正できる。なお、巻真51が1段位置に位置する状態では、おしどり60の小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90のおしどり係合窓96の第1延在部96aにおける第1回動方向M1の端部に位置している。
巻真51が1段位置から2段位置に変位する際、おしどり60は、第1回動方向M1に回動する。すると、図9に示すように、おしどりピン66は、かんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第2係合凹部84bから第2係合山部85bを乗り越えて第3係合凹部84cに入り込む。この際、おしどり60にはかんぬき押さえ80の第3アーム82Cの復元力が作用して、使用者が巻真51を引き出す際のクリック感が発生する。かんぬき70は、つづみ車52が小鉄車45に噛み合うようにつづみ車52を保持した状態を維持する。
また、おしどり60が第1回動方向M1に回動すると、小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90のおしどり係合窓96の第2延在部96bを第2回動方向M2の端部から第1回動方向M1の端部へ移動する。第2延在部96bが第2回動方向M2の端部から第1回動方向M1かつ第4回動方向M4に延びているので、小鉄レバー90は、小鉄レバー作動ピン67によって第3回動方向M3に押圧されて第3回動方向M3に回動する。この際、小鉄レバー90は、日の裏中間第1歯車46aを第1日修正伝え車48から離間させるとともに、時修正伝え車47を日の裏車37に接近させる。時修正伝え車47は、巻真51が2段位置に到達すると、日の裏車37と噛み合う。
小鉄レバー作動ピン67は、おしどり60の第1回動方向M1に回動に伴っておしどり係合窓96の第2延在部96bを通過し終えると、第3延在部96cを第2回動方向M2の端部から第1回動方向M1の端部へ移動する。第3延在部96cは、第1回動方向M1と平行な方向に沿って延びているので、おしどり60および小鉄レバー90は互いに係合せず、小鉄レバー90は回動しない。
なお、巻真51が2段位置から1段位置に変位する際には、上述した動作とは逆の動作が行われる。
図10に示すように、巻真51が2段位置に位置する状態では、おしどりピン66は、かんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第3係合凹部84cに入り込んでいる。これにより、巻真51は、2段位置に位置決めされている。おしどり60の小鉄レバー作動ピン67は、小鉄レバー90のおしどり係合窓96の第3延在部96cにおける第1回動方向M1の端部に位置している。かんぬき70の頭部73は、つづみ車52が小鉄車45に噛み合うようにつづみ車52を保持している。このため、2段位置にある巻真51を回転させると、つづみ車52が巻真51と一体回転し、さらにつづみ車52を介して小鉄車45が回転する。時修正伝え車47は、日の裏車37と噛み合っているので、小鉄車45が回転することにより、時刻修正輪列17を介して日の裏車37、分車36および筒車38が回転する。これにより、時刻修正輪列17は、巻真51の回転を時針5および分針6に伝達して、時針5および分針6が指示する時分を修正できる。
続いて、てんぷ規正レバー100の動作について説明する。
てんぷ規正レバー100は、巻真51の軸線L方向の変位に伴って、てんぷ32に接触しててんぷ32を規正する規正位置と、てんぷ32から離間する退避位置と、の間を変位する。規正位置は、巻真51の2段位置に対応している。退避位置は、巻真51の1段位置および0段位置、ならびに1段位置と0段位置との間の位置に対応している。具体的なてんぷ規正レバー100の動作を以下に説明する。
図8に示すように、てんぷ規正レバー100のてんぷ規正レバー案内ピン104は、巻真51が1段位置にある状態で、地板11の規正レバー案内窓11bにおける第4回動方向M4の端部に位置している。この状態では、てんぷ規正レバー100は退避位置に位置している。
図9に示すように、巻真51が1段位置から2段位置に向けて引き出されると、小鉄レバー90が第3回動方向M3に回動する。小鉄レバー90が第3回動方向M3に回動すると、てんぷ規正レバー100には、小鉄レバー90のてんぷ規正レバー作動ピン97を介して第3回動方向M3の力が作用する。これにより、てんぷ規正レバー100は、退避位置から規正位置に向けて変位を開始する。てんぷ規正レバー100のてんぷ規正レバー案内ピン104は、地板11の規正レバー案内窓11bに案内されて、第4軸線O4から離間するように変位した後、第3回動方向M3、すなわちてんぷ規正レバー作動ピン97の変位方向に沿って変位する。
てんぷ規正レバー案内ピン104は、第4軸線O4から離間するように変位する際、てんぷ規正レバー作動ピン97に対して非平行に移動する。これにより、てんぷ規正レバー100は、ばね体102が第4軸線O4から離間する方向の回転を伴いながら変位する。そして、てんぷ規正レバー100のばね体102は、てんぷ32のてん輪33のリム部33aの外周面に径方向の外側から接触し、撓み変形を伴いながらてん輪33のリム部33aを径方向の内側に押圧する。
その後、てんぷ規正レバー案内ピン104は、第3回動方向M3に沿って変位する際、てんぷ規正レバー作動ピン97に対して平行に移動する。これにより、てんぷ規正レバー100は、第3回動方向M3に沿って平行移動する。この際、てんぷ規正レバー100のばね体102は、平面視でてん輪33とばね体102との接触点と、第1軸線O1と、を通る直線の延在方向に直交する方向に沿って変位する。これにより、てんぷ規正レバー100は、摩擦力によっててん輪33を回転させる。ただし、てんぷ規正レバー案内ピン104の移動方向は、てんぷ規正レバー作動ピン97の移動方向に対して完全に平行でなくてもよい。
なお、てんぷ規正レバー100のばね体102は、上述したてんぷ規正レバー100の平行移動時に、てん輪33のリム部33aにさらに接近しながら変位してもよい。この場合、ばね体102は、てんぷ規正レバー100の平行移動時に、初めててん輪33に接触してもよい。
そして、図10に示すように、巻真51が2段位置に到達すると、小鉄レバー90が第3回動方向M3に回動し終える。また、てんぷ規正レバー100は、規正位置に到達する。てんぷ規正レバー100が規正位置に到達すると、てんぷ規正レバー100のばね体102は、てんぷ32のてん輪33に接触しててんぷ32の動作を停止させる。このため、四番車24からがんぎ中間車25を介した脱進調速機13へのトルクの伝達が規制され、四番車24に取り付けられた秒針7の回転が停止する。
てんぷ規正レバー案内ピン104は、巻真51が2段位置にある状態で、地板11の規正レバー案内窓11bにおける第3回動方向M3の端部に位置している。巻真51が2段位置から1段位置に向けて押し込まれると、小鉄レバー90が第4回動方向M4に回動する。小鉄レバー90が第4回動方向M4に回動すると、てんぷ規正レバー100には、てんぷ規正レバー作動ピン97を介して第4回動方向M4の力が作用する。これにより、てんぷ規正レバー100は、規正位置から退避位置に向けて変位を開始する。てんぷ規正レバー案内ピン104は、地板11の規正レバー案内窓11bに案内されて、第4方向M4、すなわちてんぷ規正レバー作動ピン97の変位方向に沿って変位した後、第4軸線O4に接近するように変位する。
てんぷ規正レバー案内ピン104は、第4方向M4に沿って変位する際、てんぷ規正レバー作動ピン97に対して平行に移動する。この際、てんぷ規正レバー100のばね体102は、てん輪33に接触しつつ平行移動し、摩擦力によっててん輪33を回転させる。ただし、てんぷ規正レバー案内ピン104の移動方向は、てんぷ規正レバー作動ピン97の移動方向に対して完全に平行でなくてもよい。これにより、停止していたてんぷ32にトルクを付与し、脱進調速機13を再始動させる。その後、てんぷ規正レバー100は、てんぷ規正レバー案内ピン104が第4軸線O4に接近するように変位する際、ばね体102が第4軸線O4に接近する方向の回転を伴いながら変位する。すると、てんぷ規正レバー100のばね体102は、撓み変形を解消しながら、てんぷ32のてん輪33から離間し、脱進調速機13の再始動を完了する。
なお、てんぷ規正レバー100のばね体102がてん輪33に接触または離間するタイミングは、巻真51が1段位置を離れ、2段位置に到達する前のタイミングが望ましく、おしどりピン66がかんぬき押さえ80の第3アーム82Cの第2係合山部85bの頂点に接触するタイミングと一致することがより望ましい。これにより、使用者が巻真51を0段位置から1段位置に変位させた際に、巻真51が1段位置を越えても、てんぷ規正レバー100がてん輪33に接触しててんぷ32の動作が停止されることを抑制できる。また、使用者が2段位置にある巻真51を回転操作する際に誤って1段位置に向けて巻真51を押し込んでも、てんぷ規正レバー100がてん輪33から離間しててんぷ32の動作が再開されることを抑制できる。
以上に説明したように、本実施形態のてんぷ規正機構19は、小鉄レバー90に係合し、小鉄レバー90の回動に伴っててんぷ32に接触する規正位置とてんぷ32から離間する退避位置との間を変位可能に設けられたてんぷ規正レバー100を備える。この構成によれば、てんぷ32に接触するてんぷ規正レバー100が小鉄レバー90とは別部材として設けられる。このため、てんぷ規正レバー100を小鉄レバー90とは異なる動きでてんぷ32に対して接触および離間させることが可能となる。よって、てんぷ32の規正を解除する際に、てんぷ32に運動を付与するようにてんぷ規正レバー100を変位させることが容易となる。したがって、てんぷ32の作動をスムーズに再始動させることができる。
てんぷ規正レバー案内ピン104は、てんぷ規正レバー100がてんぷ32に接触しつつ規正位置から退避位置に向けて変位する際に、地板11の規正レバー案内窓11bに案内されて、てんぷ規正レバー100と小鉄レバー90との係合部であるてんぷ規正レバー作動ピン97の変位方向に沿って変位する。これにより、てんぷ規正レバー100がてんぷ32に接触した状態で、てんぷ規正レバー100を略平行移動させることができる。仮にてんぷ規正レバーが小鉄レバーに設けられた構成では、てんぷ規正レバーの動作は所定の軸回りの揺動のみとなる。このため、てんぷ規正レバーをてんぷに十分に押し付け摩擦力を維持した状態でてんぷ回転を付与する方向にてんぷ規正レバーを変位させることは困難である。本実施形態によれば、てんぷ規正レバー100が規正位置から退避位置に向けて変位する際に、てんぷ規正レバー100の変位に追随するようにてんぷ32を回転させて、てんぷ32に運動を付与することができる。したがって、てんぷ32の作動をスムーズに再始動させることができる。
てんぷ規正レバー100は、地板11に対して地板11の厚さ方向でてんぷ32と同じ側に配置されている。小鉄レバー90のレバー本体92は、地板11に対して地板11の厚さ方向でてんぷ規正レバー100とは反対側に配置されている。仮に小鉄レバーの全体が地板に対して厚さ方向でてんぷ規正レバーと同じ側に配置される場合、てんぷに動力を伝達する表輪列の配置が小鉄レバーによって制限を受ける。本実施形態によれば、地板11に対して表輪列12とは反対側に小鉄レバー90が配置されるので、表輪列12の配置自由度の低下によるムーブメント10の基本性能の低下(例えば、持続時間の低下や精度の悪化等)を抑制できる。
巻真51が2段位置に位置し、てんぷ規正レバー100が規正位置に位置する状態では、おしどり60の小鉄レバー作動ピン67が小鉄レバー90のおしどり係合窓96における第3延在部96cの第1回動方向M1の端部に位置している。おしどり係合窓96の第3延在部96cは第1回動方向M1の端部から第2回動方向M2に延びているので、巻真51が2段位置から1段位置に向けて変位する初期には、小鉄レバー作動ピン67がおしどり係合窓96に係合しない。このため、2段位置に位置する巻真51を1段位置に向けて僅かに変位させても、小鉄レバー90および小鉄レバー90に係合するてんぷ規正レバー100は変位しない。よって、てんぷ32を規正した状態で誤操作等により巻真51を変位させても、てんぷ32の作動が意図せずに再始動することを抑制できる。
そして、本実施形態のムーブメント10および時計1は、上述したてんぷ規正機構19を備えるので、てんぷ32の作動をスムーズに再始動させることができる。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係るてんぷ規正機構を表側から見た斜視図である。
第1実施形態では、てんぷ規正レバー100のばね体102は、てんぷ32のてん輪33のリム部33aに径方向の外側から接触する。これに対して第2実施形態は、てんぷ規正レバー100Aのばね体102Aは、てんぷ32のてん輪33のリム部33aにてんぷ32の軸方向から接触する点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図11に示すように、てんぷ規正レバー100Aは、第1実施形態のばね体102に替えて、ばね体102Aを備える。ばね体102Aは、薄板状に形成され、レバー基部101(図5参照)に接続している。本実施形態では、ばね体102Aは、レバー基部101と一体成形されている。ばね体102Aは、平面視で全体としてレバー基部101との接続部から直線状に延びている。ばね体102Aは、平面視でてんぷ32と第4軸線O4との間に配置されている。
図12は、図11のXII−XII線における断面の一部を示す図である。
図12に示すように、ばね体102Aは、レバー基部101と接続し地板11の面方向に沿って延びる基端部105と、基端部105の先端から地板11の厚さ方向で地板11から離間する側(表側)に延びる段差部106と、段差部106の先端から地板11の面方向に沿って延びるてんぷ規正部107と、を備える。ばね体102Aは、地板11の面方向から見ててんぷ32のてん輪33のリム部33aよりも地板11側に配置されている。
地板11には、てんぷ規正レバー100Aのばね体102Aの基端部105が摺接する摺接面11cと、てんぷ規正レバー100Aのばね体102Aの段差部106に対向する段差面11dと、が形成されている。摺接面11cは、地板11の面方向に沿って広がっている。段差面11dは、摺接面11cから表側に傾斜して延び、地板11の厚さ方向に対して傾斜した方向を向いている。本実施形態では、段差面11dは、地板11の厚さ方向、かつ表側を向いている。段差面11dは、ばね体102Aの段差部106よりも地板11の面方向に対して小さい傾斜角で形成されている。段差面11dは、平面視でばね体102Aのてんぷ規正部107に重なるように配置されている(図11参照)。段差面11dの高さは、ばね体102Aの段差部106の高さよりも低くなっている。
次に、本実施形態のてんぷ規正レバー100Aの動作について、図13から図15を参照して説明する。なお、おしどり60、かんぬき70および小鉄レバー90の動作については第1実施形態と同様である。また、てんぷ規正レバー100Aのうちレバー基部101の動作についても第1実施形態と同様である。
図13から図15は、第2実施形態に係るてんぷ規正機構の動作説明図である。
図13に示すように、巻真51が1段位置に位置する状態では、てんぷ規正レバー100Aは退避位置に位置している。具体的には、ばね体102Aは、平面視でてんぷ32と第4軸線O4との間に位置している。
図11および図14に示すように、巻真51が1段位置から2段位置に向けて引き出される際に、てんぷ規正レバー100Aは、ばね体102Aが第4軸線O4から離間するように回転する。この際、ばね体102Aの段差部106は地板11の段差面11dから離間した状態を維持し、ばね体102Aの基端部105は地板11の摺接面11c上を摺動する。そして、ばね体102Aのてんぷ規正部107は、平面視でてん輪33のリム部33aに重なる位置まで変位する。
その後、図11および図15に示すように、てんぷ規正レバー100Aが第3回動方向M3に沿って平行移動すると、ばね体102Aの段差部106の下端縁が地板11の段差面11dを摺接して乗り上げる。これにより、ばね体102Aは、段差面11dによって表側に案内され、基端部105を撓ませながらてんぷ規正部107を表側に変位させ、てんぷ規正部107をてん輪33のリム部33aに接触させる。この際、てんぷ規正部107は、摩擦力によっててん輪33を回転させる。そして、巻真51が2段位置に到達し、てんぷ規正レバー100Aが停止すると、ばね体102Aは、てん輪33に接触しててんぷ32の動作を停止させる。
巻真51が2段位置から1段位置に向けて押し込まれると、てんぷ規正レバー100Aのばね体102Aは、てん輪33に接触しつつ平行移動し、摩擦力によっててん輪33を回転させる。これにより、停止していたてんぷ32にトルクを付与し、脱進調速機13を再始動させる。その後、てんぷ規正レバー100Aが退避位置に向けて変位すると、ばね体102Aは基端部105の撓みを解消しながらてん輪33から離間し、脱進調速機13の再始動を完了する。
以上に説明したように、本実施形態のてんぷ規正機構19は、第1実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
てんぷ規正レバー100Aは、退避位置から接触位置に変位する過程で、地板11の段差に摺接して表側に案内され、てんぷ32に裏側から接触する。この構成によれば、てんぷ規正レバー100Aの動作時の軌跡が地板11の厚さ方向から見ててんぷ32に重なるので、てんぷ規正レバー100Aの周囲の部品の配置自由度の向上を図ることができる。また、てんぷ規正レバー100Aを地板11の段差によって表側に案内するので、新たな別部品を設けることなくてんぷ規正レバー100Aを地板11の厚さ方向に変位させることが可能な構造が得られる。
なお、本実施形態では、ばね体102Aの段差部106の下端縁を地板11の段差面11dに摺接させることにより、ばね体102Aを地板11の厚さ方向に案内している。しかしながら、ばね体を地板の厚さ方向に案内する構成はこれに限定されない。例えば、地板の段差面をばね体102Aの段差部106よりも地板11の面方向に対して大きい傾斜角で形成し、段差面の上端縁をばね体102Aの段差部106の下面が摺接するように構成されていてもよい。また、ばね体の先端を地板の段差面に摺接させてばね体の先端を地板の厚さ方向に案内するように構成されていてもよい。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、小鉄レバー90が小鉄車45を支持しているが、小鉄車は地板に突設された支軸に直接支持されていてもよい。すなわち、小鉄レバーは、時刻修正輪列の少なくとも一部の歯車を支持するレバー部材であればよい。
また、上記実施形態では、てんぷ規正レバー100のてんぷ規正レバー案内ピン104が地板11の規正レバー案内窓11bに案内されているが、地板にピンを設けるとともに、てんぷ規正レバーに地板のピンが挿入される案内窓(被案内部)が形成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…時計 10…ムーブメント(時計用ムーブメント) 11…地板 19…てんぷ規正機構 45…小鉄車(伝達車) 46…日の裏中間車(伝達車) 47…時刻修正伝え車(伝達車) 51…巻真 60…おしどり 90…小鉄レバー 100,100A…てんぷ規正レバー 104…てんぷ規正レバー案内ピン(被案内部)

Claims (6)

  1. 地板に支持された巻真と、
    前記巻真の軸方向の変位に伴って前記地板に対して回動するおしどりと、
    前記おしどりに係合し、前記おしどりの回動に伴って回動する小鉄レバーと、
    前記小鉄レバーに支持され、前記小鉄レバーが所定位置に位置する場合に前記巻真の回転を指針に伝達する伝達車と、
    前記小鉄レバーに係合し、前記小鉄レバーの回動に伴っててんぷに接触する規正位置と前記てんぷから離間する退避位置との間を変位可能に設けられた規正レバーと、
    を備えるてんぷ規正機構。
  2. 前記規正レバーは、前記地板に案内される被案内部を有するとともに、前記小鉄レバーとの係合部において前記小鉄レバーに対して回転可能に設けられ、
    前記被案内部は、前記規正レバーが前記てんぷに接触しつつ前記規正位置から前記退避位置に向けて変位する際に、前記地板に案内されて前記規正レバーと前記小鉄レバーとの係合部の変位方向に沿って変位する、
    請求項1に記載のてんぷ規正機構。
  3. 前記規正レバーは、前記地板に対して前記地板の厚さ方向で前記てんぷと同じ側に配置され、
    前記小鉄レバーの少なくとも一部は、前記地板に対して前記厚さ方向で前記規正レバーとは反対側に配置されている、
    請求項1または請求項2に記載のてんぷ規正機構。
  4. 前記規正レバーは、前記退避位置から前記規正位置に変位する過程で、前記地板の段差に摺接して前記地板の厚さ方向に案内され、前記てんぷに前記厚さ方向から接触する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のてんぷ規正機構。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のてんぷ規正機構と、
    前記地板と、
    前記地板に回転可能に支持されたてんぷと、
    を備える時計用ムーブメント。
  6. 請求項5に記載の時計用ムーブメントを備える時計。
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