JP2000235085A - 時計のスイッチ構造および時計 - Google Patents

時計のスイッチ構造および時計

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JP2000235085A
JP2000235085A JP11356224A JP35622499A JP2000235085A JP 2000235085 A JP2000235085 A JP 2000235085A JP 11356224 A JP11356224 A JP 11356224A JP 35622499 A JP35622499 A JP 35622499A JP 2000235085 A JP2000235085 A JP 2000235085A
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wheel
timepiece
time
winding stem
switch
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Noriaki Shimura
典昭 志村
Joji Kitahara
丈二 北原
Hiroyuki Kojima
博之 小島
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時計において、簡易な構成でありながら、よ
り正確に動作モード切り換えを行う。 【解決手段】 巻真81は、位置決め部材82eによっ
て通常運針、暦修正および時刻修正状態のいずれかに位
置決めされる。巻真81には、おしどり82が係合され
ており、おしどり82にはかんぬき83が係合されてい
る。この構成の下、巻真81が0段目の位置から1段目
の位置に位置決めされた後に、所定時間内に巻真81が
0段目の位置に戻された場合に、この時計の動作モード
を時刻表示モードから消費電力を低減させる節電モード
へと切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー修正や
時刻修正等を行う巻真を備えた時計のスイッチ構造、お
よびこのスイッチ構造を有する時計に関する。
【従来の技術】巻真を利用してスイッチングを行う時計
が開発されている。このような時計では、巻真に係合さ
れるおしどり、およびおしどりに係合されるかんぬきを
有しており、おしどりまたはかんぬきが巻真の移動に伴
って移動した際に、スイッチピン等と接触する構成とな
っている。
【0002】ここで、図1は、従来の巻真を備えた時計
の切換部の構成を示す。同図において、符号1は巻真を
示す。巻真1は、図の矢印方向に移動可能になされてい
る。巻真1には、おしどり2が係合されている。おしど
り2は軸2aに揺動自在に支持されており、これにより
おしどり2は巻真1の移動に伴って回動するようになっ
ている。おしどり2は、図示せぬ押さえ部材に設けられ
たクリック部によって0段、1段引きおよび2段引きの
3箇所に位置決めされるようになっている。これらの位
置におしどり2が位置決めされることによって、巻真1
が通常運針、暦修正および時刻修正状態のいずれかに位
置決めされることになる。また、おしどり2には、かん
ぬき3が係合されている。かんぬき3は、軸3aに揺動
自在に支持されており、これによりおしどり2の移動に
伴ってかんぬき3が回動するようになっている。
【0003】かんぬき3は、巻真1に沿って移動可能に
設けられたつづみ車4に係合されており、かんぬき3が
回動させられた場合には、つづみ車4が巻真1に沿って
移動させられる。つづみ車4の図中下方には、小鉄車6
が配置されており、巻真1が時刻修正状態に位置決めさ
れると、つづみ車4がかんぬき3によって下方に移動さ
せられ、小鉄車6と噛み合うようになっている。この状
態で巻真1を回転させると、つづみ車4から小鉄車6に
回転が伝達され、小鉄車6から日の裏車7に回転が伝達
される。これにより、日の裏車7に係合される図示せぬ
二番車および筒車が回転させられ、時刻修正が行われ
る。一方、時刻修正状態に巻真1が位置決めさた場合に
は、おしどり2によって規制レバー8が移動させられ、
これにより規制レバー8が図示せぬ四番車を停止させる
とともに、電子回路部をリセットするようになってい
る。また、巻真1には、第1カレンダー修正車5が巻真
1に対して回転自在に取り付けられている。巻真1が暦
修正状態に位置決めされた場合には、かんぬき3によっ
てつづみ車4が上方に移動させられ、つづみ車4の角形
状を有する尾部が第1カレンダ修正車5の角穴部と係合
するようになっている。これにより、巻真1の回転に伴
って第1カレンダー修正車5が回転させられ、第1カレ
ンダー修正車5に常時係合された図示せぬ第2カレンダ
ー修正車、およびこれに係合されたカレンダー修正車が
回転させられる。このカレンダー修正車が日車に噛合
し、日車が回転させられることにより、暦修正が行われ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の切換部
においては、巻真1が0段目の位置、1段目の位置およ
び2段目の位置にそれぞれ位置決めされた状態では、そ
れぞれ通常運針、暦修正および時刻修正といった機能が
割り当てられており、これらの機能に加えて新たなスイ
ッチ機能を持たせようとした場合、構造およびスイッチ
ング操作の複雑化を招くことになる。また、巻真1が1
段目の位置、つまり暦修正状態に位置決めされた時にス
イッチングを行う、つまり暦修正機能とその他のスイッ
チング機能とを兼用した構造とすると、暦修正を行おう
とした場合にも、スイッチングなされたりするといった
ことがあり、スイッチングの確実性が低下するといった
問題もある。
【0005】また、従来技術では、巻真が1段目に引き
出されてもかんぬきおよびつづみ車は1段目の位置に必
ず移動している訳ではなく、つづみ車の角形状の尾部と
第1カレンダ修正車の角穴部の位相が合わない場合は巻
真の引き出し動作に確実に連動はしないこととなる。従
って、上記従来の技術においては巻真の引き出し動作が
行われたからといっても、つづみ車とかんぬきが所定の
1段目の位置に落ち着く訳ではなく、かんぬきの動きを
巻真操作に対して時間的に確実に連動させる必要がある
場合には、このような構成を採用するわけにはいかない
という問題点が生じることとなっていた。本発明は、上
記の事情を考慮してなされたものであり、簡易な構成で
ありながら、より正確に動作モード切り換えを行うこと
が可能な時計のスイッチ構造、およびこれを備える時計
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の構成は、支持体と、時刻表示機構
と、前記支持体に対して少なくとも0段目の位置および
1段目の位置で位置決めされる操作部材と、前記操作部
材の位置に応じて動作機能を切り換える切換機構と、を
備える時計のスイッチ構造であって、前記操作部材が前
記0段目の位置から前記1段目の位置に位置決めされた
後に、所定時間内に前記操作部材が前記0段目の位置に
戻された場合に、この時計の動作モードを時刻表示モー
ドから前記時刻表示機構の消費電力を低減させる節電モ
ードへと切り換えるスイッチ手段を具備することを特徴
としている。
【0007】請求項2記載の構成は、請求項1記載の構
成において、前記操作部材が前記0段目の位置に位置決
めされたときの前記動作機能は通常運針機能であり、前
記1段目の位置に位置決めされたときの前記動作機能は
カレンダー修正機能であることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の構成は、請求項1または請
求項2記載の構成において、前記切換機構は、前記操作
部材の移動に伴って移動する巻真と、当該巻真に係合さ
れるおしどりと、前記おしどりに係合されるかんぬきと
を有しており、前記操作部材が前記1段目の位置に位置
決めされた時に、前記かんぬきと接触する位置に配置さ
れるスイッチ部をさらに具備し、前記スイッチ手段は、
前記スイッチ部と前記かんぬきとの接触時間が前記所定
時間内である場合に、前記動作モードを切り換えること
を特徴としている。
【0009】請求項4記載の構成は、請求項3記載の構
成において、前記時計は、日車を有するカレンダー機構
を備えるものであり、前記スイッチ構造は、前記巻真に
常時係合され、前記巻真の回転に伴って回転する第1の
伝達車と、揺動自在に支持され、前記第1の伝達車の回
転に伴って回転する伝達車であって、前記かんぬきによ
り揺動規制されるとともに、前記操作部材が前記1段目
に位置決めされた時に前記かんぬきの移動に伴って前記
日車と係合させられる第2の伝達車と、をさらに具備す
ることを特徴としている。
【0010】請求項5記載の構成は、請求項1ないし4
のいずれかに記載のスイッチ構造と、 前記スイッチ構
造によって前記動作モードが切り換えられる電子回路と
を具備することを特徴としている。
【0011】請求項6記載の構成は、請求項1ないし4
のいずれかに記載のスイッチ構造と、電力を蓄える電源
と、前記スイッチ構造によって、前記時刻表示機構の消
費電力を低減させる節電モードへ切り換えられるモード
制御回路とを具備し、前記時刻表示機構は、前記電源か
ら供給される電力によって時刻表示を行う、ことを特徴
としている。
【0012】請求項7記載の構成は、請求項4記載の時
計のスイッチ構造を具備する時計であって、前記カレン
ダー機構は、前記支持体に揺動自在に支持されたカレン
ダ修正車を有し、前記カレンダ修正車は、前記巻真によ
り回転させられるとともに、前記かんぬきによって位置
が規制され、前記動作機能が通常運針機能あるいは時刻
修正機能である場合に前記日車と噛合しないように構成
されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。 A.全体の概略構成 まず、図2は本発明の一実施形態に係るスイッチ構造を
備えた時計の概略構成を示す断面図である。同図に示す
ように、この時計は、胴(支持体)201を備えてお
り、この胴201の内部に各機構が収納されている。図
の上部には、発電機構210(図11参照)の一部であ
る回転重錘35が配置されている。発電機構210は、
回転重錘35の回転によって発電し、発電した電力を二
次電源に蓄える。回転重錘35の下方には、水晶、IC
等が実装された回路基板等を備えた回路部209が配置
されている。回路部209は、上述した発電機構210
によって二次電源に蓄えられた電力によって動作し、運
針機構212によって秒針204、分針205および時
針206等を回転させる。
【0014】回路部209の下方には、輪列受41およ
び地板40が対向配置されており、これらの間に軸支さ
れた輪列やステッピングモータからなる運針機構212
が配置されている。また、地板40の上方には、図示せ
ぬりゅうず(操作部材)を介して使用者に操作される切
換部211が配置されている。地板40の下面側には、
カレンダー機構208が配置されている。カレンダー機
構208の下面側には、文字盤203が配置されてお
り、使用者は文字盤203の一部に形成された窓部20
7からカレンダー機構208によって表示される日付を
覗けるようになっている。203の下方には、カバーガ
ラス202が配置されており、このカバーガラス202
と文字盤203との間に、運針機構212等によって回
転させられる秒針204、分針205および時針206
が配置されている。本実施形態に係る時計は、発電機構
210の発電状態に応じて、運針機構212を駆動して
時刻表示を行う表示モードと、運針機構212への給電
を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えるこ
とができるようになっている。なお、同図に示した各部
の配置は概略配置であり、以下、この時計を構成する各
部の構造および動作の詳細について説明する。
【0015】B.発電機構 まず、図3および図4を参照して、この時計の発電機構
210について説明する。図3において、符号11は発
電機を示す。発電機11は、ロータ30がステータ31
の内部で回転することにより、ステータ31に接続され
たコイル32に電力を誘起させる交流発電装置である。
図3および図4に示すように、ロータ30のかなには、
地板40に軸支されるロータ伝え車33が噛合されてお
り、ロータ伝え車33には、回転錘車34が噛合されて
いる。これにより、回転錘車34の回転が増速されてロ
ータ30に伝達されるようになっている。符号35は、
回転重錘である。回転重錘35は、回転錘車34に嵌め
入れられることによって回転錘車34と一体化されてお
り、回転重錘35の回転に伴って回転錘車34が回転す
るようになっている。回転錘車34の内周側には、内輪
36が配置されており、この内輪36がネジ37によっ
て回転錘受38に固定されている。内輪36と回転錘車
34の間には、複数のボール39が挿入されている。こ
の構成の下、使用者の腕に動き等が生じた場合には、回
転重錘35がその動きを捉えて回転錘車34と一体とな
って回転し、この回転がロータ伝え車33を介してロー
タ30に伝達される。ここで、回転重錘35が回転した
場合にも、内輪36は回転しないようになっており、回
転重錘35等を支持するネジ37がゆるんでしまうこと
を防止している。このようにして発電機11は、使用者
の腕の動き等からロータ30を高速で回転させて発電を
行っている。発電機11で発電された電力は、図示せぬ
整流回路を介して二次電源25に蓄えられる。
【0016】C.運針機構 次に、時針、分針、秒針および日車を回転させるための
運針機構212について説明する。図5および図6に示
すように、時分駆動用ステッピングモータ13の駆動力
は、地板40と輪列受41との間に軸支される複数の歯
車等からなる時分輪列15によって時針や分針等に伝達
される。時分駆動用ステッピングモータ13は、後述す
る駆動部から供給される駆動パルスによって駆動される
モータである。時分駆動用ステッピングモータ13は、
駆動部からの駆動パルスによって磁力を発生するコイル
13aと、コイル13aによって励磁されるステータ1
3bと、ステータ13bの内部において励磁される磁界
により回転するロータ50とを備えた構成となってい
る。また、二番車53本体のかなには、日の裏車54が
噛合されている。日の裏車54は、地板40の裏面(図
の下面)側に突出しており、この突出した部分に配置さ
れた歯車が時針が取り付けられた筒車55と噛合されて
いる。これにより時分駆動用ステッピングモータ13の
駆動力が筒車55に伝達され、時針が回転させられるよ
うになっている。筒車55は、後述するカレンダー機構
の筒中間車に噛合されている。
【0017】上述したように、この時計では、分針およ
び時針等を駆動する時分駆動用ステッピングモータ13
と、秒針を駆動する秒駆動用ステッピングモータ14と
を有する構成となっている。秒駆動用ステッピングモー
タ14は、上述した時分駆動用ステッピングモータ13
と同様に、コイル14a、ステータ14bおよびロータ
47を備えた構成となっており、後述する駆動部から供
給される駆動パルスによってロータ47が回転するよう
になっている。図4および図5に示すように、秒駆動用
ステッピングモータ14の駆動力は、地板40と輪列受
41との間に軸支される秒輪列16によって秒針に伝達
され、秒針が回転するようになっている。秒輪列16
は、秒中間車45と秒車46とを有し、秒駆動用ステッ
ピングモータ14のロータ47のかなに秒中間車45が
噛合されており、秒中間車45に秒車46が噛合された
構成となっている。これにより、ロータ47の回転に伴
って秒車46に取り付けられた秒針が回転させられるよ
うになっている。本実施形態では、秒針と分針とをそれ
ぞれ時分駆動用ステッピングモータ13および秒駆動用
ステッピングモータ14とでそれぞれ駆動する構成とな
っているため、二番車53と秒車46との間に押さえ部
材48を配置し、二番車53と秒車46との間で駆動力
が伝達されることを防止している。
【0018】D.カレンダー機構 次に、この時計のカレンダー機構208について説明す
る。上述したように、時分駆動用ステッピングモータ1
3からの駆動力が時分輪列15を介して筒車55に伝達
され、筒車55に取り付けられた時針が回転させられる
ようになっている(図5および図6参照)。図7に示す
ように、この筒車55には、筒中間車70が噛合されて
おり、この筒中間車70には日回し中間車71が噛合さ
れている。これにより、時分駆動用ステッピングモータ
13の駆動力が日回し中間車71に伝達され、日回し中
間車71が回転するようになっている。図7における日
回し中間車71の上方には、5つの歯を有する日回し車
72が配置されている。日回し車72の回転軸は、地板
40に設けられた凹溝73に沿って移動可能に支持され
ている。日回し車72の回転軸は、地板40に固定され
た薄板状のばね部材74によって図中下方に押圧されて
おり、これにより日回し車72は日回し中間車71の外
周縁と接触した状態となっている。また、日回し車72
は、日回し中間車71の外周縁と接触した状態でリング
状の日車75の内周側に形成された歯部に噛合されてい
る。
【0019】日回し中間車71の外周縁には凹部71a
が1箇所に形成されている。日回し中間車71は、時分
駆動用ステッピングモータ13および各輪列によって2
4時間で1回転するようになされており、所定時になる
と、凹部71aに日回し車72の歯が噛合される。これ
により、日回し車72は日回し中間車71の回転に伴っ
て回転し、日車75もこれに伴って回転させられること
になる。このようにして、日車75が回転させられ、図
2に示す文字盤203に形成された窓部207の位置に
表示される日付が変更されるようになっている。なお、
日回し中間車71の外周縁と日回し車72とが接触して
いる状態、つまり日回し車72が凹部71aに噛合され
ていない状態では、日回し車72は日回し中間車71の
外周縁に対して摺動するようになっている。すなわち、
日回し中間車71からは日回し車72に駆動力が伝達さ
れず、日回し車72は回転しないようになっている。
【0020】また、日回し車72の回転軸の上方には、
日車押さえ76と一体形成された棒状のばね部材77が
配置されている。ばね部材77は、上述したばね部材7
4より大きなばね定数を有する部材である。ここで、ば
ね部材77は、日回し車72の回転軸よりやや上方に配
置されているため、通常時は日回し車72の回転軸とは
非接触となっているが、この時計に衝撃等が加わった場
合に、日回し車72がばね部材74の押圧力に抗して図
の上方に移動しようとした場合には、ばね部材77はば
ね部材74と共に日回し車72の回転軸に押圧力を付与
して日回し車72の位置ずれを規制し、日飛び等が生じ
ることを抑制している。また、通常時は日回し車72は
小さいばね定数を有するばね部材74に押圧されて日回
し中間車71の外周縁と接触しているので、両者の間の
摩擦が小さくなっている。このため、日回し中間車71
を駆動する時分駆動用ステッピングモータ13に対する
負荷を低減することが可能となる。カレンダー機構20
8は、上述したような構造となっているため、モータ出
力トルクに対するカレンダー負荷を低減(従来のジャン
パばねを用いた構造の1/10程度)することが可能と
なり、上述したように時分輪列15を10秒毎に運針す
る構成とすることができる。このように時分輪列15を
10秒運針構成とすることにより、後述する節電モード
から現時刻への復帰動作を行う場合の、復帰所要時間を
短縮することができる。
【0021】E.切換部 次に、りゅうずを介して使用者に操作される切換部21
1について説明する。図8および図9において、符号8
1は巻真を示す。巻真81の時計本体外部側の先端部に
はりゅうず80が取り付けられている。使用者はりゅう
ず80を引き出したり回したりすることにより、りゅう
ず80の位置決め等を行い時刻修正等を行うことができ
るようになっている。巻真81には、おしどり82が係
合されており、おしどり82は軸82aに揺動自在に支
持されいてる。これにより、巻真81がその軸方向に沿
って移動させられた場合には、おしどり82は軸82a
を中心として回動させられるようになっている。また、
おしどり82に形成された突起82dは、3つの凹部を
有する位置決め部材82eのいずれかの凹部に位置決め
されるようになっている。位置決め部材82eの3つの
凹部におしどり82の突起82dが位置決めされことに
よって、巻真81が通常運針、暦修正(1段目)および
時刻修正(2段目)状態のいずれかに位置決めされるこ
とになる。
【0022】また、おしどり82には、かんぬき83が
係合されている。かんぬき83は軸83aに回動自在に
支持されており、かんぬき83はおしどり82の移動に
伴って回動させられるようになっている。かんぬき83
は、巻真81の軸方向に沿って移動可能に設けられたつ
づみ車84に係合されており、かんぬき83が回動させ
られた場合には、巻真81の軸方向に沿って移動させら
れる。つづみ車84の図8中の下方側(図9中の右側)
には、小鉄車89が配置されており、巻真81が時刻修
正状態に位置決めされると、つづみ車84がかんぬき8
3によって小鉄車89と噛み合う位置に移動させられる
ようになっている。この状態で巻真81を回転させる
と、巻真81の回転がつづみ車84を介して小鉄車89
に伝達され、小鉄車89に噛合された日の裏中間車90
が回転させられる。日の裏中間車90には、上述した日
の裏車54が噛合されており、これにより巻真81の回
転に伴って分針が取り付けられた二番車53や時針が取
り付けられた筒車55が回転させられる。
【0023】また、時刻修正状態に巻真81が位置決め
されている場合には、おしどり82によって規制レバー
91が移動させられる。規制レバー91が移動させられ
ると、規制レバー91の一端部91aが四番車51に接
触するようになっており、これにより四番車51は回転
を停止させられる。このとき、規制レバー91の他端部
91bは図示せぬ回路基板のリセットパターン等と接触
し、この時計を電気的にリセットするようになってい
る。この状態では、四番車51が停止させられているた
め、三番車52や二番車53も停止した状態となるが、
上述したように二番車53に所定値以上のトルク、つま
り巻真81からの回転力が加わった場合には、二番車5
3における三番車52と噛合される歯車と、二番車53
における日の裏車54に噛合される歯車とが個別に回転
することになる。この構成により、巻真81を回転させ
れば分針および時針を任意に回転させることができるよ
うになっている。
【0024】また、巻真81には、第1カレンダ修正伝
え車(第1の伝達車)92が係合されている。第1カレ
ンダ修正伝え車92は、巻真81に形成された角部に係
合されており、これにより第1カレンダ修正車92は、
常時、つまり運針状態、暦修正および時刻修正のいずれ
の状態においても巻真81と一体となって回転するよう
になっている。図7および図9に示すように、第1カレ
ンダ修正伝え車92には、第2カレンダ修正伝え車93
が係合されている。上述したように、第1カレンダ修正
伝え車92は常時巻真81と共に回転させられるため、
第2カレンダ修正伝え車93も常時巻真81の回転に伴
って回転する。図10に示すように、第2カレンダ修正
伝え車93には、カレンダ修正車(第2の伝達車)94
が係合されており、このカレンダ修正車94も常時巻真
81の回転に伴って回転させられるようになっている。
【0025】カレンダ修正車94の回転軸94aは、地
板40に設けられた凹溝94bに沿って揺動自在に支持
されており、通常運針および時刻修正状態において回転
軸94aは、かんぬき83の端部83b(図8参照)に
よってその位置が規制され、これによりカレンダ修正車
94は、日車75の内周に設けられた歯部と噛合しない
ようになっている。従って、通常運針および時刻修正状
態では、巻真81の回転に伴ってカレンダ修正車94は
回転するが、カレンダ修正車94と日車75とが噛合さ
れていないため、日車75にはその回転が伝達されな
い。一方、巻真81が暦修正位置に位置決めされた場合
には、図10に示すようにかんぬき83が巻真81の移
動に伴って回動させられ、かんぬき83の端部83bが
図10における破線の位置(図8における一点鎖線の位
置)へ移動する。ここで、巻真81を回すことにより、
カレンダ修正車94が日車95の歯部と噛合可能な位置
まで回動可能となり、使用者はりゅうず80を回して暦
を修正することができる。
【0026】図8に戻り、巻真81に係合された第1カ
レンダ修正伝え車92の図の左側には、導電性の金属か
らなるスイッチピン(スイッチ部)95が配置されてい
る。スイッチピン95は、その一端が絶縁部材であり地
板40に固定された回路受座に取り付けられ、他端が図
示せぬ回路基板の配線パターンに接触導通させられてい
る。また、スイッチピン95は、巻真81が暦修正状態
に位置決めされた時に、かんぬき83の端部83bと接
触する位置に配置されている。かんぬき83は図中の左
側に端部が地板40に立設されたピン83cによって位
置決めされている。このピン83cは導電性の金属から
なるものであり、かんぬき83はピン83cを介して地
板40によって通電させられている。この構成の下、上
述したように巻真81が暦修正状態に位置決めされる
と、図8中一点鎖線で示す位置にかんぬき83が移動
し、かんぬき83とスイッチピン95が接触する。これ
により、スイッチピン95を介して後述するスイッチン
グ検出部(検知手段)に電力が供給される。このような
スイッチピン95からの電力が供給されたか否かによっ
て、後述する制御回路ではスイッチングがなされたか否
かを判断できるようになっている。
【0027】本実施形態では、スイッチピン95とかん
ぬきの接触時間が所定時間以内であった場合、後述する
節電モードに移行するようになっている。例えば、巻真
81を0段目から1段目に引き出し、1秒以内にまた0
段目に戻す操作を実行すると節電モードへ移行する。こ
のようにすることにより、ユーザが次に時計を使用する
場合には、巻真操作が全く不要となり、軽く振るなどし
て発電をさせることにより表示モードへ移行し、時計を
再び使用することが可能となるため、大変使いやすい時
計(商品)とすることができる。本実施形態では、上述
したように巻真81を暦修正状態に位置決めした状態
で、かんぬき83とスイッチピン95とを接触させてス
イッチングする構造となっている。この装置でスイッチ
ングを行う場合、使用者は巻真81を1段目引き出して
暦修正状態に位置決めすることになる。このとき、使用
者は巻真81を引き出して、何らかの手応えがあった時
点で1段目引き出しが行われたものと思うはずである。
この装置では、使用者に何らかの手応えが感じられるの
は、おしどり82の突起82dが位置決め部材82eの
凹部に納まった(暦修正状態に位置決めされた)時であ
る。従って、このときに確実にかんぬき83とスイッチ
ピン95が接触している状態でなければならない。本実
施形態の構成によれば、第1カレンダ修正車92の角穴
部と、巻真81の角部が常時係合している点およびかん
ぬき83の0段目〜1段目の移動に対してこの移動を妨
げる構成がない点により確実にかんぬき83がスイッチ
ピン95に当接するまでスムーズに移動可能となる。
【0028】これに対し、先に述べた従来技術に対応す
る構成では、巻真を回すことにより、初めてかんぬきが
所定の位置に移動する場合が生じる構成を採っていたた
め、ユーザの0段目→1段目→0段目という操作では、
確実にスイッチングができなかった。また、他の従来技
術としてつづみ車に一体に設けられたカレンダ修正車が
巻真操作に連動したかんぬきの動きにより移動し、直接
日車の歯部と噛合する構成があったがこの場合もカレン
ダ修正車の歯と、日車の歯との位相が合わなければかん
ぬきが所定の位置へ移動しない構成であり、同様に確実
にスイッチングを行うことはできなかった。
【0029】F.電気系統 次に、本実施形態に係る時計の電気的構成について図1
1を用いて説明する。同図に示すように、この時計の電
気系統は、上述した発電機構210と、電源部111
と、制御部112と、駆動部113と、スイッチング検
出部114とを備えた構成となっている。電源部111
は、過大電圧が後段の回路に印加されるのを防止するた
めのリミッタ回路120と、発電機構210によって発
電された電力が蓄電される二次電源25と、昇圧回路1
21とを備えている。昇圧回路121は、複数のコンデ
ンサを有している。昇圧回路121は、これらのコンデ
ンサを用いて他段階の昇圧および降圧ができるようにな
っており、制御部112からの制御信号によって駆動部
113に供給する電圧を調整することができる。また、
昇圧回路121の出力電圧はモニタ信号として制御部1
12にも供給されており、これにより出力電圧をモニタ
できると共に、出力電圧の微小な増減によって発電機構
210が発電を行っているか否かを判断できるようにな
っている。ここで、電源部111は、Vdd(高電圧
側)を基準電位(GND)に取り、Vss(低電圧側)
を電源電圧として生成している。
【0030】制御部112は、大別すると、パルス合成
回路122と、モード設定部123と、時刻情報記憶部
124と、駆動制御回路125とを備えている。パルス
合成回路122は、水晶振動子などの基準発振源126
を用いて安定した周波数の基準パルスを発振する発振回
路と、基準パルスを分周して得た分周パルスと基準パル
スとを合成してパルス幅やタイミングの異なるパルス信
号を発生する合成回路とを備えた構成となっている。モ
ード設定部(スイッチ手段、モード制御回路)123
は、発電状態検出部127と、発電状態検出のために用
いる設定値を切り換える設定値切換部128と、二次電
源25の充電電圧を検出する電圧検出回路129と、発
電状態に応じて時刻表示のモードを制御するとともに、
充電電圧に基づいて昇圧倍率を制御する中央制御回路1
30と、モードを記憶するモード記憶部131とを備え
た構成となっている。
【0031】発電状態検出部127は、発電機構210
の起電圧Vgenを設定電圧値Voと比較して発電が検
出されたか否かを判断する第1の検出回路132と、設
定電圧値よりもかなり小さい設定電圧値Vbas以上の
起電圧Vgenが得られた発電継続時間Tgenを設定
時間Toと比較して発電が検出されたか否かを判断する
第2の検出回路133とを備えており、第1の検出回路
132および第2の検出回路133のいずれか一方の条
件が満足すると、発電状態であると判断するようになっ
ている。ここで、設定電圧値VoおよびVbasは、い
ずれもVdd(=GND)を基準としたときの負電圧で
あり、Vddからの電位差を示している。なお、第1の
検出回路132および第2の検出回路133の構成につ
いては後述する。
【0032】ここで、設定電圧値Voおよび設定時間T
oは、設定値切換部128によって切換制御できるよう
になっている。設定値切換部128は、表示モードから
節電モードに切り換わると、発電状態検出部127の第
1の検出回路132および第2の検出回路133の設定
値VoおよびToの値を変更する。本実施形態において
は、表示モードの設定値VaおよびTaとして、節電モ
ードのVbおよびTbよりも低い値がセットされるよう
になっている。したがって、節電モードから表示モード
へ切り換えるためには、大きな発電が必要とされる。こ
こで、その発電の程度は、この時計を通常携帯して得ら
れる程度では足らず、ユーザが手振りによって強制的に
充電する際に生じる大きなものである必要がある。言い
換えれば、節電モードの設定値VbおよびTbは手振り
による強制充電を検出できるように設定されている。
【0033】中央制御回路130は、第1の検出回路1
32および第2の検出回路133で発電が検出されない
非発電時間Tnを計測する非発電時間計測回路134を
備えており、非発電時間Tnが所定の設定時間以上継続
すると表示モードから節電モードに移行するようになっ
ている。一方、節電モードから表示モードへの移行は、
発電状態検出部127によって、発電機構210が発電
状態にあることが検出され、かつ二次電源25の充電電
圧VCが十分であるという条件が整うと実行される。と
ころで、本実施形態では電源部111が昇圧回路121
を備えているため、充電電圧VCがある程度低い状態で
も昇圧回路121を用いて電源電圧を昇圧することによ
り、上述した運針機構212等を駆動することが可能で
ある。そこで、中央制御回路130は、充電電圧VCに
基づいて昇圧倍率を決定し、昇圧回路121を制御して
いる。
【0034】しかし、充電電圧VCがあまりにも低い
と、昇圧しても運針機構212等を動作させることが可
能な電源電圧を得ることができない。そのような場合に
は、節電モードから表示モードに移行すると、正確な時
間表示を行うことができず、また無駄な電力を消費して
しまうことになる。そこで、本実施形態においては、充
電電圧VCを予め定められた設定電圧値Vcと比較する
ことにより、充電電圧VCが十分であるか否かを判断
し、これを節電モードから表示モードへ移行するための
一条件としている。さらに、中央制御回路130は、上
述したように使用者によって巻真81が1段引き出され
て暦修正状態に位置決めされてスイッチピン95にが導
通させられている時間が所定時間内であるか否かを監視
するための節電モードカウンタ(計測手段)135を備
えている。こうして設定されたモードは、モード記憶部
131に記憶され、その情報が駆動制御回路125、時
刻情報記憶部124および設定値切換部128に供給さ
れている。駆動制御回路125においては、表示モード
から節電モードに切り換わると、駆動部113に対しパ
ルス信号を供給するのを停止し、時分針駆動部113a
および秒針駆動部113bの動作を停止させる。これに
より、時分駆動用ステッピングモータ13および秒駆動
用ステッピングモータ14が回転しなくなり、時刻表示
が停止する。
【0035】次に、時刻情報記憶部124は、より具体
的にはアップダウンカウンタで構成されており(図示せ
ず)、表示モードから節電モードに切り換わると、パル
ス合成回路122によって生成された基準信号を受けて
時間計測を開始してカウント値をアップする(アップカ
ウント)。これにより、節電モードの継続時間が計測さ
れることになる。また、節電モードから表示モードに切
り換わると、前記アップダウンカウンタのカウント値を
ダウンし(ダウンカウント)、ダウンカウント中は、駆
動制御回路125から秒針駆動部113bおよび時針駆
動部113aに供給される早送りパルスを出力する。そ
して、アップダウンカウンタのカウント値が零、すなわ
ち節電モードの継続時間に相当する早送り運針時間が経
過すると、早送りパルスの送出を停止するための制御信
号を生成し、これを秒針駆動部113bおよび時針駆動
部113aに供給している。
【0036】この結果、時刻表示は現時刻に復帰される
ことになる。このように時刻情報記憶部124は、再表
示された時刻表示を現在時刻に復帰させる機能も備えて
いる。本実施形態では、時刻情報記憶部124のアップ
ダウンカウンタは、そのカウント値が24時間を越えた
時点で、カウント値を零に戻して再びアップカウントを
続行するように設定されている。このようなアップカウ
ントを行うことによって、24時間を越えた現時刻復帰
動作を行う場合にも、時分針を24時間分以上回転させ
ることなく、現時刻への復帰動作を行うことができ、復
帰動作時の消費電力を低減することが可能となる。な
お、本実施形態のように時分駆動用ステッピングモータ
13によってカレンダー機構を駆動する構成となってい
ない場合、例えば、カレンダー機構を時分駆動用モータ
13とは別のモータで駆動する場合には、時刻情報記憶
部124のアップダウンカウンタは、カウント値が12
時間を超えた時点で零に戻してカウントを続行するよう
にすればよい。これは、時分駆動用モータ13がカレン
ダー機構を駆動しない場合には、午前、午後に関わりな
く時分針の指す時刻が現時刻と一致すればよいので、時
分針を12時間以上、つまり時針を1回転以上させる必
要がないためである。従って、時分駆動用モータ13が
カレンダー機構を駆動しない場合には、このようにアッ
プダウンカウンタを設定することにより、現時刻復帰動
作時の消費電力をさらに低減することができる。
【0037】次に、駆動制御回路125は、パルス合成
回路122から出力される各種のパルスに基づいて、モ
ードに応じた駆動パルスを生成する。まず、節電モード
にあっては、駆動パルスの供給を停止する。次に、節電
モードから表示モードへの切り換えが行われた直後に
は、時刻表示を現時刻に復帰させるために、パルス間隔
が短い早送りパルスを駆動パルスとして時分針駆動部1
13aおよび秒針駆動部113bに供給する。そして、
早送りパルスの供給が終了した後には、通常のパルス間
隔の駆動パルスを時分針駆動部113aおよび秒針駆動
部113bに供給する。次に、スイッチング検出部11
4は、上述したスイッチピン95と接続される導通部を
備えている。上述したように巻真81が1段目(暦修正
状態)に位置決めされると、かんぬき83とスイッチピ
ン95が接触し、これによりスイッチピン95が導通さ
せられてスイッチング検出部114の導通部に通電され
る。スイッチング検出部114は、この通電状態を検知
し、上述した節電モードカウンタ135によって所定時
間(例えば1秒)内で通電が終了した場合には、スイッ
チングがなされたものと判断する。このように所定時間
内に通電が終了した場合にのみスイッチングがなされた
判断するのは、使用者が実際に暦修正を行う場合にも、
スイッチピン95とかんぬき83が接触した状態となる
ためであり、このような通電状態と区別するために所定
時間内の通電を検知した場合にのみ、スイッチオンを検
知するようになっている。
【0038】G.動作 次に、上記構成の時計におけるスイッチングによる節電
モードへの移行を中心とした動作について図12を用い
て説明する。本実施形態では、節電モードへの移行は、
巻真81を0段目から1段目(暦修正状態)にした後、
所定時間(ここでは1秒とする)以内に0段目に戻した
場合に、強制的に節電モードへ移行するものとなってい
る。まず、制御部112は、節電モード動作中であるか
否かを判別する(ステップS1)。ステップS1の判別
において節電モード中である場合には、後述するステッ
プS7の処理に移行する。一方、ステップS1の判別に
おいて節電モード中ではない、すなわち表示モード中で
ある場合には、スイッチング検出部114が通電された
か否か、つまり巻真81が1段目(暦修正状態)に位置
決めされたか否かを判別する(ステップS2)。
【0039】ステップS2の判別において、スイッチン
グ検出部114が導通させられていない場合には、処理
をステップS3に移行させる。一方、ステップS2の判
別において、スイッチング検出部114が導通させられ
た場合には、節電モードに移行するか否かを判別するた
めにそのカウント値を用いる節電モードカウンタ135
をリセット(t=0)し、カウント値tのカウントを開
始する(ステップS11)。次に、直前および直後の巻
真81が時刻修正状態に位置決めされたか否か、すなわ
ちステップS2において検出された巻真81の位置が暦
修正状態に位置決めされたのは、巻真81を時刻修正状
態(2段目の位置)から通常運針状態に戻したのか、あ
るいは、通常運針から時刻修正状態に引き出したもので
あったのかを判別する(ステップS12)。ここで、巻
真81が時刻修正状態に位置決めされたか否かは、規制
レバー91によって電子回路部がリセットされたか否か
を参照すればよい。
【0040】ステップS12の判別において、直前また
は直後の巻真81が時刻修正状態に位置決めされていな
い場合には、巻真81が通常運針状態に位置決めされる
まで待機し(ステップS13)、節電モードカウンタ1
35の値tが予め定められた節電モード移行基準時間
(1秒)未満である場合には、節電モードに移行する
(ステップS6)。より具体的には、中央制御回路13
0がモード記憶部131に節電モードを記憶させる。こ
れにより、駆動制御回路125は時分針駆動部113a
および秒針駆動部113bを制御し、時分駆動用ステッ
ピングモータ13および秒駆動用ステッピングモータ1
4の駆動を停止させる。ステップS14の判別におい
て、節電モードカウンタ135のカウント値tが予め設
定された節電モード移行基準時間(1秒)以上である場
合には、処理をステップS3に移行する。そして、中央
制御回路130は、発電状態検出部127の検出信号に
基づいて、起電力があるか否か、すなわち発電機構21
0が発電しているか否かを判別する(ステップS3)。
ステップS3の判別において、起電力があると判別した
場合には、時刻表示を継続し(ステップS10)、再び
ステップS1に処理を移行する。
【0041】一方、ステップS3の判別において、起電
力がない、すなわち発電機構210は発電をしていない
と判別した場合には、中央制御回路130の非発電時間
計測回路134が非発電時間Tnのカウントアップを行
う(ステップS4)。そして、中央制御回路130は、
非発電時間Tnが所定の設定時間を越えて継続している
か否かを判別する(ステップS5)。ステップS5の判
別において、非発電時間Tnが所定の設定時間を超えて
継続していない場合には、処理を再びステップS3に移
行し、ステップS3からステップS5の処理を繰り返
す。一方、ステップS5の判別において、非発電時間T
nが所定の設定時間を超えて継続している場合には、自
動的に時刻表示を停止して節電モードに移行する(ステ
ップS6)。このように節電モードに移行すると、時刻
情報記憶部124が時間計測を開始する(ステップS
7)。そして、発電機構210に発電状態にあるか、つ
まり起電力があるか否かが判別される(ステップS
8)。ここで、発電状態検出部127によって発電機構
210が発電状態にあることが検出され、かつ二次電源
25の容量が十分である場合には、時刻情報記憶部12
4に計測された時間に基づいて、駆動制御回路125か
ら時分針駆動部113aおよび秒針駆動部113bに早
送りパルスが送出される。これにより分針時針および秒
針が早送りで回転させられ、時刻表示を現時刻に復帰さ
せる(ステップS9)。
【0042】本実施形態では、使用者がりゅうず80を
操作して、巻真81を1段目の位置(暦修正状態)に位
置決めした後、所定時間内に巻真81が0段目の位置、
つまり通常運針状態に戻された場合に、節電モードへ強
制的に移行するようになっている。このため、使用者が
暦修正を行おうとして、巻真81を1段目の位置に位置
決めした場合には、節電モードへ移行されることがな
い。また、使用者が時刻修正を行おうとして巻真81が
1段目の位置を通過した場合にも、節電モードへ移行す
ることがない。従って、使用者が暦修正や時刻修正を行
おうとして節電モードへ移行されてしまうといった誤っ
たスイッチングがなされてしまうことが低減される。ま
た、巻真81を0段目の位置から1段目の位置にした
後、所定時間内に0段目の位置に戻すといった操作で節
電モードへのスイッチングがなされるので、スイッチン
グを行うためのみの巻真81の位置決め箇所を新たに設
ける必要がない。従って、通常の暦修正および時刻修正
を行う時計の切換機構の構造を大きく変えることなく、
つまり構成の大幅な複雑化を招くことなく、スイッチン
グを行うことができる。
【0043】H.変形例 なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでは
なく、以下のような種々の変形が可能である。 (1)上述した実施形態においては、時分駆動用ステッ
ピングモータ13および秒駆動用ステッピングモータ1
4がそれぞれ時分針および秒針を駆動する構成となって
いたが、これに限らず、時針、分針および秒針等を1つ
のモータで駆動する構成としてもよい。 (2)また、上述した実施形態においては、発電機構2
10を備えており、使用者の腕の動き等を捉えて発電す
る発電機構付時計について説明したが、これに限らず、
電池駆動やぜんまい駆動の時計に適用することも可能で
ある。もちろん、上述したような回転重錘を用いた発電
機構以外にも、太陽電池などによって発電する発電装置
を備えた時計に適用することも可能である。 (3)また、スイッチピン95の配置位置等も、上述し
た実施形態において説明した位置に限らず、巻真81を
暦修正状態に位置決めしたときに、かんぬき83のいず
れかの部分と接触する位置に配置されていればよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
通常運針、暦修正あるいは時刻修正状態を切り換える切
換機構の構成の大幅な複雑化を招くことなく、切換機構
を利用したスイッチ構造を構成することが可能となる。
また、操作部材が0段目の位置から1段目の位置に位置
決めされた後、所定時間内に0段目の位置に戻された時
にスイッチングがなされるので、例えば使用者が暦修正
を行おうとして操作部材を1段目の位置に位置決めした
にも関わらず、スイッチングがなされるといった誤った
スイッチングがなされてしまうことを低減することがで
きる(請求項1)。節電モード移行操作完了時点で巻真
は既に0段目に戻されているため、ユーザが次に時計を
使う際には、巻真の操作を行う必要がなく、軽く振って
発電をさせるだけで、表示モードへの移行が可能とな
り、使い勝手が大変に良い時計(商品)を提供すること
ができる。
【0045】また、かんぬきやおしどりといった切換機
構の構造を利用してスイッチ構造を構成することによ
り、構成を簡易とすることができる(請求項2)。ま
た、巻真と第1の伝達車が常時係合されているため、巻
真の位置決め時に巻真と修正車とがうまく係合しないと
いったことが皆無となる。従って、巻真を暦修正状態に
位置決めする際に、使用者が手応えを感じたときには、
かんぬきとスイッチ部材と接触しており、より確実にス
イッチングを行うことができる(請求項3)。また、第
1カレンダ修正車が常時巻真とともに回転する構造であ
るが、カレンダ修正車をかんぬきにより揺動規制するこ
とにより必要なときのみ巻真の回転が暦表示車に伝わる
ようになっており、従来のおしどり、かんぬきを用いた
切換構造を小規模に変更するだけで、新しい機能を付加
した時計(商品)を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の時計の切換部付近を示す組立平面図で
ある。
【図2】 本発明の一実施形態に係る時計の概略構成を
示す側断面図である。
【図3】 実施形態に係る時計の発電機構を示す組立平
面図である。
【図4】 実施形態に係る時計の発電機構および秒輪列
付近を示す側断面図である。
【図5】 実施形態に係る時計の輪列付近を示す組立平
面図である。
【図6】 実施形態に係る時計の時分輪列付近を示す側
断面図である。
【図7】 実施形態に係る時計のカレンダー機構付近を
示す組立平面図である。
【図8】 実施形態に係る時計の切換部付近を示す組立
平面図である。
【図9】 実施形態に係る時計の切換部付近を示す側断
面図である。
【図10】 暦修正状態時のカレンダー機構の状態を示
す組立平面図である。
【図11】 実施形態に係る時計における電気系統の構
成を示すブロック図である。
【図12】 実施形態に係る時計におけるモード切替動
作の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11……発電機、13……時分駆動用ステッピングモー
タ、14……秒駆動用ステッピングモータ、15……時
分輪列、16……秒輪列、25……二次電源、75……
日車、80……りゅうず(操作部材)、81……巻真、
82……おしどり、83……かんぬき、84……つづみ
車、92……第1カレンダ修正伝え車(第1の伝達
車)、93……第2カレンダ修正伝え車、94……カレ
ンダ修正車(第2の伝達車)、95……スイッチピン
(スイッチ部)、114……スイッチング検出部、12
3……モード設定部(スイッチ手段、モード制御回
路)、135……節電モードカウンタ、201……胴
(支持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 博之 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F082 AA01 BB02 CC01 DD04 DD07 DD10 EE02 EE03 EE05 EE06 EE08 FF01 HH01 HH02 2F084 AA07 BB01 BB09 CC03 FF00 GG02 GG04 HH16 HH21 JJ04 JJ08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、時刻表示機構と、前記支持体
    に対して少なくとも0段目の位置および1段目の位置で
    位置決めされる操作部材と、前記操作部材の位置に応じ
    て動作機能を切り換える切換機構と、を備える時計のス
    イッチ構造であって、 前記操作部材が前記0段目の位置から前記1段目の位置
    に位置決めされた後に、所定時間内に前記操作部材が前
    記0段目の位置に戻された場合に、この時計の動作モー
    ドを時刻表示モードから前記時刻表示機構の消費電力を
    低減させる節電モードへと切り換えるスイッチ手段を具
    備することを特徴とする時計のスイッチ構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の時計のスイッチ構造にお
    いて、 前記操作部材が前記0段目の位置に位置決めされたとき
    の前記動作機能は通常運針機能であり、前記1段目の位
    置に位置決めされたときの前記動作機能はカレンダー修
    正機能であることを特徴とする時計のスイッチ構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の時計のス
    イッチ構造において、 前記切換機構は、前記操作部材の移動に伴って移動する
    巻真と、当該巻真に係合されるおしどりと、前記おしど
    りに係合されるかんぬきとを有しており、 前記操作部材が前記1段目の位置に位置決めされた時
    に、前記かんぬきと接触する位置に配置されるスイッチ
    部をさらに具備し、 前記スイッチ手段は、前記スイッチ部と前記かんぬきと
    の接触時間が前記所定時間内である場合に、前記動作モ
    ードを切り換えることを特徴とする時計のスイッチ構
    造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の時計のスイッチ構造にお
    いて、 前記時計は、日車を有するカレンダー機構を備えるもの
    であり、 前記スイッチ構造は、前記巻真に常時係合され、前記巻
    真の回転に伴って回転する第1の伝達車と、揺動自在に
    支持され、前記第1の伝達車の回転に伴って回転する伝
    達車であって、前記かんぬきにより揺動規制されるとと
    もに、前記操作部材が前記1段目に位置決めされた時に
    前記かんぬきの移動に伴って前記日車と係合させられる
    第2の伝達車と、をさらに具備することを特徴とする時
    計のスイッチ構造。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のス
    イッチ構造と、 前記スイッチ構造によって前記動作モードが切り換えら
    れる電子回路とを具備することを特徴とする時計。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載のス
    イッチ構造と、 電力を蓄える電源と、 前記スイッチ構造によって、前記時刻表示機構の消費電
    力を低減させる節電モードへ切り換えられるモード制御
    回路とを具備し、 前記時刻表示機構は、前記電源から供給される電力によ
    って時刻表示を行う、ことを特徴とする時計。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の時計のスイッチ構造を具
    備する時計であって、 前記カレンダー機構は、前記支持体に揺動自在に支持さ
    れたカレンダ修正車を有し、 前記カレンダ修正車は、前記巻真により回転させられる
    とともに、前記かんぬきによって位置が規制され、前記
    動作機能が通常運針機能あるいは時刻修正機能である場
    合に前記日車と噛合しないように構成されていることを
    特徴とする時計。
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