JP2017151435A - トナーバインダーの製造方法及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トナーの定着温度を低くする手段として、結着樹脂のガラス転移点を低くする技術が一般的に使用されている。しかしながら、ガラス転移点を低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなりトナーの保存性が低下するため、ガラス転移点の下限は実用上50℃である。このガラス転移点は、結着樹脂の設計ポイントであり、ガラス転移点を下げる方法では、更に低温定着可能なトナーを得ることはできない。
しかし、これらのトナーは、従来の分子量分布の狭い未架橋の単一樹脂に比べ、定着可能範囲、すなわちオフセット発生温度と定着下限温度との温度範囲は拡大するが、まだ十分とはいえない。
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度は防止できても、定着下限温度も同時に上昇するため低温定着が困難となり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
すなわち、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と多価イソシアネート(C)とを150〜210℃で混練して反応させるウレタン変性ポリエステル樹脂(D)を含有するトナーバインダーの製造方法であって、ポリエステル樹脂(A)の水酸基価OHVAが10〜80KOHmg/gであり、ポリエステル樹脂(B)の水酸基価OHVBが10KOHmg/g未満であるトナーバインダーの製造方法;トナーバインダーを含有するトナーの製造方法である。
具体的には、本発明のポリエステル樹脂(A)の水酸基価OHVAは10〜80KOHmg/gであり、好ましくは10〜50KOHmg/g、更に好ましくは20〜40KOHmg/gである。80KOHmg/gを超える(A)を用いると帯電安定性、粉砕性が悪くなる場合がある。
−35℃未満では耐熱保存性が悪くなる場合があり、65℃を超えると低温定着性が悪くなる場合がある。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
45℃未満では耐熱保存性が悪くなる場合であり、80℃を超えると低温定着性が悪くなる場合がある。
炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン及びオキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下、AO単位と略記することがある。)の数1〜30〕;
2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
[式中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、又は直接結合を表し;Arは、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
これらの中で好ましくはEO及び/又はPOである。AOの付加モル数は、好ましくは2〜30モル、更に好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルのうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4、特に2〜3)である。
糖類及びその誘導体、例えばショ糖及びメチルグルコシド);
上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);
トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);
ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜3)である。
ポリカルボン酸成分(y)として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらのポリカルボン酸と併用してもよい。
保存安定性の観点から更に好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
イソシアヌレート3量体とは、ジイソシアネートモノマー3分子からなり、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートであり、例えば、下記の化学式(3)で表される化合物などが挙げられる。
更に3〜8価のポリイソシアネート(C1)のうち、イソシアヌレート、及びビウレットの化学構造を含むポリイソシアネート(C11)が更に好ましい。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応の反応率の観点から、好ましくは30分以上、特に好ましくは2〜40時間である。
また、ポリエステル重合安定性を得る目的で、安定剤を添加してもよい。安定剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。
混練方法としては、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と多価イソシアネート(C)とを混練する方法であれば、特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)とを混練して溶融させてから多価イソシアネート(C)を加えて混練しても良いし、ポリエステル樹脂(A)と多価イソシアネート(C)とを混練して溶融させてからポリエステル樹脂(B)を加えて混練しても良いし、ポリエステル樹脂(B)と多価イソシアネート(C)とを混練して溶融させてからポリエステル樹脂(A)を加えて混練しても良い。また、必要により溶融させてから混練しても良いし、いずれか2種類以上を混合してから混練しても良い。ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と、同時に多価イソシアネート(C)とを混練しても良い。
例えばポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との混合物を二軸押出機に一定速度で注入し、同時に多価イソシアネート(C)も一定速度で注入し、例えば150℃の温度で混練搬送しながら反応を行わせる方法;反応容器にポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を仕込み、溶液状態となる温度に加熱し、混合するような方法などがある。
混練温度が150℃未満では光沢性、耐熱保存性が悪くなる場合があり、210℃を超えると耐ホットオフセット性、画像強度が悪くなる場合がある。
水分気化装置 : VA−100
陽極液 : アクアミクロンAX
陰極液 : アクアミクロンCXU
キャリヤーガス流量: 200mL/分
加熱温度 : 200℃
試料重量 : 0.1g
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。
荷電制御剤を使用する場合、荷電制御剤はトナー重量に基づき、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤を使用する場合、流動化剤はトナー重量に基づき、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の合計量はトナー重量に基づき、好ましくは3〜70重量%、更に好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、更に分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解又は分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物177部(8モル%)、3−メチル1,5−ペンタンジオール301部(41モル%)、トリメチロールプロパン12部(1モル%)、テレフタル酸508部(49モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)のピーク分子量は8,700、Tgは16℃、酸価は0.4、水酸基価は35、数平均分子量は3,200、重量平均分子量は9,400だった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物194部(9モル%)、3−メチル1,5−ペンタンジオール298部(41モル%)、トリメチロールプロパン12部(1モル%)、テレフタル酸493部(48モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A−2)のピーク分子量は4,300、Tgは12℃、酸価は0.5、水酸基価は80、数平均分子量は2,100、重量平均分子量は4,600だった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物171部(8モル%)、3−メチル1,5−ペンタンジオール307部(41モル%)、トリメチロールプロパン11部(1モル%)、テレフタル酸447部(43モル%)、アジピン酸62部(7モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
ポリエステル樹脂(A−3)のピーク分子量は25,200、Tgは15℃、酸価は0.6、水酸基価は10、数平均分子量は5,600、重量平均分子量は37,300だった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物744部(50モル%)、アジピン酸163部(26モル%)、テレフタル酸171部(24モル%)、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A−4)を得た。
ポリエステル樹脂(A−4)のピーク分子量は8,000、Tgは40℃、酸価は0.1、水酸基価は15、数平均分子量は4,100、重量平均分子量は19,500だった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物695部(52モル%)、アジピン酸275部(46モル%)、無水トリメリット酸27部(2モル%)、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A−4)を得た。
ポリエステル樹脂(A−4)のピーク分子量は8,000、Tgは−14℃、酸価は0.1、水酸基価は30、数平均分子量は3,800、重量平均分子量は20,000だった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物195部(9モル%)、3−メチル1,5−ペンタンジオール301部(42モル%)、トリメチロールプロパン12部(2モル%)、テレフタル酸489部(48モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(A’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A’−1)のピーク分子量は4,100、Tgは11℃、酸価は0.5、水酸基価は85、数平均分子量は2,000、重量平均分子量は4,300だった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物654部(46モル%)、安息香酸67部(14モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、200℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次にテレフタル酸244部(36モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、5〜20mmHgの減圧下に4時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸32部(4モル%)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、水酸基価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B−1)は水酸基価が0.1、酸価が16、Tgが56℃、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が7,100であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物634部(46モル%)、p−t−ブチル安息香酸95部(14モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、200℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次にテレフタル酸238部(36モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、5〜20mmHgの減圧下に4時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸30部(4モル%)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、水酸基価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B−2)は水酸基価が0.1、酸価が16、Tgが63℃、数平均分子量が2,300、重量平均分子量が7,000であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物689部(49モル%)、p−t−ブチル安息香酸85部(11モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、200℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次にテレフタル酸257部(36モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、5〜20mmHgの減圧下に4時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸33部(4モル%)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、水酸基価が1未満になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(B−3)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B−3)は水酸基価が5、酸価が16、Tgが60℃、数平均分子量が2,100、重量平均分子量が6,200であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物649部(48モル%)、安息香酸58部(8モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、200℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次にテレフタル酸275部(42モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、5〜20mmHgの減圧下に4時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸16部(2モル%)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ取り出し、ポリエステル樹脂(B’−1)を得た。
得られたポリエステル樹脂(B’−1)は水酸基価が10、酸価が17、Tgが63℃、数平均分子量が2,400、重量平均分子量が6,800であった。
なお、ポリエステル樹脂(B’−1)は、ポリエステル樹脂(A)の条件を満たすポリエステル樹脂である。
表3に記載のとおりポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と、同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)3部とを、重量比で(A−1)/(B−1)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃で滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−1)を含有するトナーバインダー(TB−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A−2)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と、同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)7部を、重量比で(A−2)/(B−1)/(C−1)=10/90/7となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−2)を含有するトナーバインダー(TB−2)を得た。
ポリエステル樹脂(A−3)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と同時にビウレット型の3価イソシアネートのデュラネート24A−100(C−2)(旭化成ケミカルズ製)2部を、重量比で(A−3)/(B−1)/(C−2)=10/90/2となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−3)を含有するトナーバインダー(TB−3)を得た。
ポリエステル樹脂(A−4)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)3部を、重量比で(A−4)/(B−1)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−4)を含有するトナーバインダー(TB−4)を得た。
ポリエステル樹脂(A−5)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)3部を、重量比で(A−5)/(B−1)/(C−1)=15/85/5となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−5)を含有するトナーバインダー(TB−5)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B−2)90部と、同時に多価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)3部を、重量比で(A−1)/(B−2)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−4)を含有するトナーバインダー(TB−4)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B−3)90部と同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)3部を、重量比で(A−1)/(B−3)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−7)を含有するトナーバインダー(TB−7)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)30部とポリエステル樹脂(B−1)70部と同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)11部を、重量比で(A−1)/(B−1)/(C−1)=30/70/11となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度155℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−8)を含有するトナーバインダー(TB−8)を得た。
ポリエステル樹脂(A−1)5部とポリエステル樹脂(B−1)95部と同時にイソシアヌレート型の3価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)(旭化成ケミカルズ製)2部を、重量比で(A−1)/(B−1)/(C−1)=5/95/2となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度205℃滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−9)を含有するトナーバインダー(TB−9)を得た。
表3に記載のとおりポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と、同時に多価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)3部を、重量比で(A−1)/(B−1)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度160℃で滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D’−1)を含有するトナーバインダー(TB’−1)を得た。
表3に記載のとおりポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B−1)90部と、同時に多価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)3部を、重量比で(A−1)/(B−1)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度240℃で滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D’−2)を含有するトナーバインダー(TB’−2)を得た。
表3に記載のとおりポリエステル樹脂(A−1)10部とポリエステル樹脂(B’−1)90部と、同時に多価イソシアネートのデュラネートTPA−100(C−1)3部を、重量比で(A−1)/(B’−1)/(C−1)=10/90/3となるように二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に供給して反応温度190℃で滞留時間14分で反応を行った。
得られた混練反応物を冷却し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(D’−3)を含有するトナーバインダー(TB’−3)を得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(D−1)を含有するトナーバインダー(TB−1)85部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6部、カルナバワックス4部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]4部を加え下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
原料の配合は表4に記載の通りウレタン変性ポリエステル樹脂(D−2)〜(D−9)を含有するトナーバインダー(TB−2)〜(TB−9)をそれぞれに変更する以外は、実施例10と同様にトナーを製造し、トナー(T−2)〜(T−9)を得た。つぎに実施例10と同様に評価し、その結果を表4に示した。
原料の配合は表4に記載の通りウレタン変性ポリエステル樹脂(D’−1)〜(D’−3)を含有するトナーバインダー(TB’−1)〜(TB’−3)をそれぞれに変更する以外は、実施例10と同様にトナーを製造し、比較のためのトナー(T’−1)〜(T’−3)を得た。つぎに実施例10と同様に評価し、その結果を表4に示した。
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性、画像強度、耐折り曲げ性及びドキュメントオフセット試験の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)(℃)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100ml)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
◎:33以上
○:28以上33未満
△:25以上28未満
×:25未満
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
◎:ブロッキングが発生していない。
○:ブロッキングがわずかに発生している。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
◎:0.8以上
○:0.7以上、0.8未満
△:0.6以上、0.7未満
×:0.6未満
二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:10分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
なお、比較例10のトナー(T’−5)は粉砕工程を実施しないため粉砕性の評価は省略した。
◎:8μm未満
○:8μm以上10μm未満
△:10μm以上12μm未満
×:12μm以上
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。
◎:H以上
○:HB〜F
△:B〜HB
×:2B以下
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で2往復擦る。紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
◎:白すじなし
○:わずかに白くなっている点あり
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、60℃で60分間静置する。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
◎:抵抗なし
○:引き離す際、若干の抵抗あり
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
一方、反応温度が160℃と低い比較例のトナー(T’−1)と反応温度が240℃と高い比較例のトナー(T’−2)と比較例のトナー(T’−3)とは少なくとも1つの性能項目が不良であった。
更に、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と多価イソシアネート(C)とを150〜210℃で混練して反応させるウレタン変性ポリエステル樹脂(D)を含有するトナーバインダーの製造方法であって、ポリエステル樹脂(A)の水酸基価OHVAが10〜80KOHmg/gであり、ポリエステル樹脂(B)の水酸基価OHVBが10KOHmg/g未満であるトナーバインダーの製造方法。
- 多価イソシアネート(C)が3〜8価のポリイソシアネート(C1)である請求項1に記載のトナーバインダーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度TgAが−35〜65℃である請求項1又は2に記載のトナーバインダーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度TgBが45〜80℃である請求項1〜3いずれかに記載のトナーバインダーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の重量比(A)/(B)が2/98〜50/50である請求項1〜4いずれかに記載のトナーバインダーの製造方法。
- ウレタン変性ポリエステル樹脂(D)が、ウレア基、ビウレット基及びアロファネート基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する請求項1〜5いずれかに記載のトナーバインダーの製造方法
- 請求項1〜6いずれかに記載のトナーバインダーの製造方法で得られたトナーバインダーと着色剤とを含有するトナーの製造方法。
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