JP2003280243A - 電子写真トナー用離型剤及びトナーバインダー組成物 - Google Patents

電子写真トナー用離型剤及びトナーバインダー組成物

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JP2003280243A
JP2003280243A JP2002080445A JP2002080445A JP2003280243A JP 2003280243 A JP2003280243 A JP 2003280243A JP 2002080445 A JP2002080445 A JP 2002080445A JP 2002080445 A JP2002080445 A JP 2002080445A JP 2003280243 A JP2003280243 A JP 2003280243A
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Japan
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toner
release agent
acid
electrophotographic toner
carbon atoms
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JP2002080445A
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English (en)
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Naoki Takase
直樹 高瀬
Shuji Yamada
修司 山田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱保存性に悪影響を及ぼすことなく、耐ホ
ットオフセット性及び低温定着性に優れた電子写真トナ
ー用離型剤を提供する。 【解決手段】 炭素数12〜100の活性水素含有化合
物(A)とアルキレンオキシド(B)との反応物(C)
からなる電子写真トナー用離型剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記
録、静電印刷などに用いられる乾式トナー用の離型剤及
びトナーバインダー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱定着方式のトナーはヒートロールによ
り支持体上に定着される。その際、複写機の装置の小型
化の観点から、従来より高い定着温度でもトナーが熱ロ
ールに融着しないこと(耐ホットオフセット性)に加
え、エネルギーの消費を抑えるため、低い温度でもトナ
ーが定着できること(低温定着性)が求められている。
特に後者については近年積極的な低温定着化が図られて
おり、それに伴いトナーの設計も低温定着化に対応する
べく種々の手法がとられている。
【0003】耐ホットオフセット性と低温定着性の両立
には離型剤の増量が効果的であるが、トナーバインダー
との相溶性が悪いため分散粒径が大きくなり、粉砕時に
離型剤が欠落してトナー粒子中の離型剤含量が低下する
ため離型性が不足するとともに、感光体へのフィルミン
グも発生し易くなる。
【0004】これに対して、離型剤を適度な分散粒径に
調整するために特定の分散剤を併用することが提案され
ている(特開平2000−305319号公報、特開平
2001−134009号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では分散粒径の適正化によりトナーの定着特性は向
上するものの、耐熱保存性が悪いという問題点がある。
本発明の目的は、トナーの耐ホットオフセット性を低下
させることなく低温定着性を向上し、かつ耐熱保存性に
優れる電子写真トナー用離型剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、炭素数12〜100の活性水素含有
化合物(A)とアルキレンオキシド(B)との反応物
(C)からなる電子写真トナー用離型剤及び該トナー用
離型剤とポリエステル樹脂からなるトナーバインダー組
成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
の炭素数12〜100の活性水素含有化合物(A)とし
ては、アルコール(A1)、カルボン酸(A2)及びア
ミン(A3)が挙げられる。(A1)としては、1価ア
ルコール、例えば1−ドデカノール、2−ドデカノー
ル、1−オクタデカノール、1−エイコサノール、1−
トリアコンタノール、1−テトラコンタノール及び1−
ペンタコンタノール;多価(2〜3又はそれ以上)アル
コール、例えば1,30−トリアコンタンジオール、
1,40−テトラコンタンジオール、1,50−ペンタ
コンタンジオール及び1,12,50−ペンタコンタン
トリオール;などが挙げられる。(A2)としては、モ
ノカルボン酸、例えば1−ドデカン酸、2−ドデカン
酸、1−オクタデカン酸、1−エイコサン酸、1−トリ
アコンタン酸、1−テトラコンタン酸及び1−ペンタコ
ンタン酸;ポリ(2〜3又はそれ以上)カルボン酸、例
えば1,30−トリアコンタンジカルボン酸、1,40
−テトラコンタンジカルボン酸、1,50−ペンタコン
タンジカルボン酸及び1,12,50−ペンタコンタン
トリカルボン酸;などが挙げられる。(A3)として
は、1級モノアミン、例えば1−ドデシルアミン、1−
メチルウンデシルアミン、1−オクタデシルアミン、1
−エイコシルアミン、1−トリアコンチルアミン、1−
テトラコンチルアミン及び1−ペンタコンチルアミン;
1級ポリ(2〜3又はそれ以上)アミン、例えば1,3
0−トリアコンタンジアミン、1,40−テトタコンタ
ンジアミン、1,50−ペンタコンタンジアミン及び
1,12,50−ペンタコンタントリアミン;2級モノ
アミン、例えばN−メチルウンデシルアミン、N,N−
ジオクチルアミン及びN,N−ジエイコシルアミン;2
級ポリ(2〜3又はそれ以上)アミン、例えばN,N’
−ジプロピル−1,12−ドデカンジアミン及びN−エ
チル−N’−プロピル−1,30−トリアコンタンジア
ミン;などが挙げられる。これらの活性水素含有化合物
は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0008】(A)の炭素数は、通常12〜100、好
ましくは30〜70である。アルキル基の炭素数が12
未満ではトナーの耐熱保存性が低下し、100を超える
とトナーへの分散性が低下する。
【0009】(A)の融点は、好ましくは70〜180
℃、更に好ましくは90〜150℃である。トナーの耐
熱保存性の観点から70℃以上が好ましく、トナーへの
分散性の観点から180℃以下が好ましい。
【0010】(A1)の水酸基価は、好ましくは30〜
310mgKOH/g、更に好ましくは50〜140m
gKOH/gである。環境安定性の観点から30mgK
OH/g以上が好ましく、トナーへの分散性の観点から
310mgKOH/g以下が好ましい。
【0011】(A2)の酸価は、好ましくは30〜27
0mgKOH/g、更に好ましくは50〜130mgK
OH/gである。環境安定性の観点から50mgKOH
/g以上が好ましく、トナーへの分散性の観点から27
0mgKOH/g以下が好ましい。
【0012】(A3)の全アミン価は、好ましくは30
〜310mgKOH/g、更に好ましくは50〜140
mgKOH/gである。環境安定性の観点から30mg
KOH/g以上が好ましく、トナーへの分散性の観点か
ら310mgKOH/g以下が好ましい。
【0013】アルキレンオキシド(B)には、エチレン
オキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、1,
2−、2,3−、1,3−及びiso−ブチレンオキシ
ド、テトラヒドロフラン(THF)並びにこれらの2種
以上の併用が含まれる。併用の場合の付加形式はブロッ
ク付加でもランダム付加でも両者の組み合わせ(例えば
ブロック付加後にランダム付加)でも差し支えない。こ
れらのうち好ましいものは、EO及び/又はPOであ
る。
【0014】反応物(C)は、(A)に(B)を反応さ
せて得られるが、未反応の(A)を含有してもよい。
(C)の融点は、通常45〜130℃、好ましくは50
〜120℃、特に70〜100℃である。トナーの耐熱
保存性の観点から50℃以上が好ましく、トナーへの分
散性の観点から120℃以下が好ましい。(A)に対す
る(B)の付加モル数は、(C)の融点が上述の範囲内
であれば特に制限はない。また、反応物(C)は単一成
分でもよいし、付加モル数の異なる成分の混合物でもよ
い。
【0015】(C)の製造方法としては、例えば(A)
に、触媒の存在下、(A)の融点〜200℃、圧力0〜
0.6MPa、反応時間2〜15時間でアルキレンオキ
シド(B)を付加させる方法が挙げられる。
【0016】上記触媒については、通常用いられる公知
の触媒でよく、例えば、ルイス酸(BF3、BCl3、A
lCl3、FeCl3及びSnCl3等)及びその錯体
[例えばBF3エーテル錯体(BF3・THF錯体
等)];プロトン酸(H2SO4及びHClO4等);ア
ルカリ金属の過塩素酸塩(KClO4及びNaClO
4等);アルカリ土類金属の過塩素酸塩[Ca(Cl
42及びMg(ClO42等];前記以外の金属の過
塩素酸塩[Al(ClO43等];水酸化物[アルカリ
金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物{KOH、N
aOH、CsOH及びCa(OH)2等}等];酸化物
[アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物(K
2O 、CaO及びBaO等)等];アルカリ金属(N
a、K等)及びその水素化物(NaH及びKH等);ア
ミン類(トリエチルアミン及びトリメチルアミン等)等
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、KOH、
NaOH、CsOH及びBF3・THF錯体である。
【0017】本発明のトナーバインダー組成物は、本発
明の電子写真トナー用離型剤とポリエステル樹脂からな
り、必要によりその他の離型剤及びその他の樹脂を併用
することができる。
【0018】ポリエステル樹脂としては、ポリオールと
ポリカルボン酸との重縮合物等が挙げられる。ポリオー
ルとしては、ジオール(a)及び3価〜8価又はそれ以
上のポリオール(b)が、ポリカルボン酸としては、ジ
カルボン酸(c)及び3価〜6価又はそれ以上のポリカ
ルボン酸(d)が挙げられる。
【0019】ジオール(a)としては、水酸基価180
〜1900mgKOH/gのジオール、具体的には、炭
素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−
ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエ
ーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂
環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及
び水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類
(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノ
ールS等);上記脂環式ジオール及びビスフェノール類
のアルキレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜3
0)等が挙げられる。尚、上記及び以下において、水酸
基価及び酸価は、JIS K 0070に規定の方法で
測定される。
【0020】これらのうち好ましいものは、炭素数2〜
12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアル
キレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜30)及
びこれらの併用であり、更に好ましいものは炭素数2〜
12のアルキレングリコールとビスフェノール類のアル
キレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜30)の
併用である。
【0021】3価〜8価又はそれ以上のポリオール
(b)としては、水酸基価150〜1900mgKOH
/gのポリオール、具体的には、3価〜8価又はそれ以
上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール及びソルビトール等);上記脂肪族多価アルコール
のアルキレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜3
0);トリスフェノール類(トリスフェノールPA
等);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレ
ゾールノボラック等);上記トリスフェノール類のアル
キレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜30);
上記ノボラック樹脂のアルキレンオキシド(B)付加物
(付加モル数2〜30)等が挙げられる。
【0022】これらのうち好ましいものは、3〜8価又
はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂
のアルキレンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜3
0)であり、更に好ましくはノボラック樹脂のアルキレ
ンオキシド(B)付加物(付加モル数2〜30)であ
る。
【0023】ジカルボン酸(c)としては、酸価180
〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的に
は、炭素数4〜36のアルキレンジカルボン酸(コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデセニルコハク酸
等);炭素数4〜36のアルケニレンジカルボン酸(マ
レイン酸及びフマル酸等);炭素数8〜36の芳香族ジ
カルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及
びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これら
のうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレン
ジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸
である。
【0024】3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸
(d)としては、酸価150〜1250mgKOH/g
のポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香
族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸
等)、不飽和カルボン酸のビニル重合物[スチレン/マ
レイン酸共重合物、スチレン/アクリル酸共重合物、α
−オレフィン/マレイン酸共重合物、及びスチレン/フ
マル酸共重合物等]等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸で
あり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリッ
ト酸である。尚、(c)又は(d)としては、上述のも
のの酸無水物又は低級アルキル(炭素数1〜4)エステ
ル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピル
エステル等)を用いてもよい。
【0025】ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水
酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]
/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは
1.8/1〜1/1.8、特に1.5/1〜1/1.5
である。
【0026】トナーバインダーはモノクロ用、フルカラ
ー用で各々異なる物性が求められており、ポリエステル
樹脂の設計も異なる。即ち、フルカラー用には高光沢画
像が求められるため、低粘性のバインダーとする必要が
あるが、モノクロ用は光沢は特に必要なくホットオフセ
ット性が重視されるため高弾性のバインダーとする必要
がある。
【0027】モノクロ複写機等に有用である低光沢画像
を得る場合は、(a)及び(c)とともに(b)及び/
又は(d)を用いた非線状のポリエステルが好ましく、
(a)、(b)、(c)及び(d)の4成分からなるポ
リエステルが特に好ましい。(b)と(d)の両方を用
いることで耐ホットオフッセト性がより向上する。
【0028】(b)及び(d)の比率は、(b)と
(d)のモル数の和が(a)〜(d)のモル数の合計に
対して、通常0.1〜40モル%、好ましくは0.5〜
25モル%、特に1〜20モル%である。(c)と
(d)とのモル比は、通常0/100〜100/0、好
ましくは90/10〜20/80、特に85/15〜3
0/70である。
【0029】モノクロ用ポリエステル樹脂の場合、耐ホ
ットオフセット性の観点から、ポリエステル樹脂の貯蔵
弾性率(G’)が6000Paとなる温度(TG1)
は、通常130〜230℃、好ましくは140〜230
℃、特に150〜230℃である。
【0030】低温定着性及び耐熱保存性の観点から、ポ
リエステル樹脂の複素粘性率(η*)が1000Pa・
sとなる温度(TE1)は、通常80〜140℃、好ま
しくは90〜135℃、特に105〜130℃である。
【0031】TG1及びTE1は、例えば、樹脂をラボ
プラストミルを用いて130℃、70rpmで30分間
溶融混練後のブロックを、市販の動的粘弾性測定装置を
用いて、樹脂温度を変化させながら貯蔵弾性率(G’)
及び複素粘性率(η*)を測定することで求められる。
【0032】モノクロ用ポリエステル樹脂は、THF不
溶分を5〜70%含有していることが好ましく、更に好
ましくは15〜60%、特に20〜50%である。TH
F不溶分が5%を以上で耐ホットオフセット性が良好に
なり、70%以下で良好な低温定着性が得られる。上記
及び以下において特別に規定しない限り、%は重量%を
示す。
【0033】尚、THF不溶分及びTHF可溶分は以下
の方法で得られる。200mlの共栓付きマイヤーフラ
スコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加
え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターに
て不溶分をろ別する。THF不溶分の重量%は、グラス
フィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後
の重量と試料の重量比から算出する。後述する分子量の
測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
【0034】フルカラー複写機等に有用である高光沢画
像を得る場合は、(a)及び(c)を用いた線状ポリエ
ステル、又は(a)及び(c)に、更に(b)及び/又
は(d)を併用した非線状ポリエステルが好ましい。
【0035】(b)及び/又は(d)の比率は、(b)
と(d)のモル数の和が(a)〜(d)のモル数の合計
に対して、通常0〜20モル%、好ましくは0〜15モ
ル%、特に0〜10モル%である。
【0036】フルカラー用ポリエステル樹脂の場合、複
素粘性率が100Pa・sとなる温度(TE2)は、通
常90〜170℃、好ましくは100〜165℃、特に
105〜150℃である。170℃以下で十分な光沢が
得られ、90℃を以上で耐熱保存性が良好となる。TE
2はTE1と同様の方法により求められる。また、TH
F不溶分は、光沢度の観点から、通常10%未満、好ま
しくは5%未満である。
【0037】ポリエステル樹脂のピークトップ分子量
(Mp)はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、
好ましくは1000〜30000、更に好ましくは15
00〜25000、特に1800〜20000である。
Mpが1000以上で、耐熱保存性及び粉体流動性が良
好となり、30000以下でトナーの粉砕性が向上し、
生産性が良好となる。
【0038】上記及び下記においてポリエステル樹脂の
Mp及び数平均分子量(Mn)は、THF可溶分につい
てGPCを用いて以下の条件で測定される。 装置 : 東ソー製 HLC−8120 カラム : TSKgelGMHXL(2本) TSKgelMultiporeHXL−M(1本) 測定温度 : 40℃ 試料溶液 : 0.25%のTHF溶液 溶液注入量: 100μl 検出装置 : 屈折率検出器 基準物質 : ポリスチレン 得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子
量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
【0039】ポリエステル樹脂のTgはモノクロ用、フ
ルカラー用いずれの場合も、好ましくは40〜90℃、
更に好ましくは50〜80℃、特に55〜75℃であ
る。Tgが40〜90℃の範囲では耐熱保存性と低温定
着性が良好である。尚、上記及び以下においてポリエス
テル樹脂のTgは、セイコー電子工業(株)製DSC2
0,SSC/580を用いてASTM D3418−8
2に規定の方法(DSC法)で測定される。
【0040】ポリエステル樹脂は、ポリオールとポリカ
ルボン酸を公知のエステル化触媒(例えばテトラブトキ
シチタネート又はジブチルチンオキシド)の存在下、1
50〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られ
る。反応末期の反応速度を向上させるために減圧するこ
とも有効である。
【0041】本発明のトナーバインダー組成物におい
て、ポリエステル樹脂は2種類以上を併用して用いるこ
ともできる。
【0042】その他の離型剤としては、公知のものが使
用でき、例えば、前記(A1)、ポリオレフィンワック
ス(ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックス
など)、長鎖炭化水素(パラフィンワックス及びサゾー
ルワックスなど)及びカルボニル基含有ワックス(カル
ナウバワックス、モンタンワックス及びジステアリルケ
トンなど)が挙げられる。
【0043】その他の樹脂としては、例えばスチレン系
樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂が挙げられる。ス
チレン系樹脂としては、スチレンの重合体及びスチレン
とその他のビニルモノマーとの共重合体等が使用でき
る。重合反応には、公知の重合反応触媒等が使用でき
る。
【0044】その他のビニルモノーとしては、以下の
〜のモノマー及びこれらの併用が挙げられる。 カルボキシル基若しくはカルボン酸エステル基含有ビ
ニル系モノマー: −1)炭素数3〜20の不飽和モノカルボン酸:(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等; −2)炭素数4〜30の不飽和ジカルボン酸及びその
エステル形成性誘導体[酸無水物及びモノ若しくはジア
ルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル]:マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれ
らの無水物並びにこれらのモノ若しくはジアルキル(ア
ルキルの炭素数1〜18)エステル(メチルエステル及
びエチルエステル等)等; −3)炭素数3〜30の不飽和カルボン酸アルキル
(炭素数1〜24)エステル:メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト及びベンジル(メタ)アクリレート等;
【0045】−4)炭素数3〜30の不飽和カルボン
酸多価(2〜3)アルコールエステル:エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート及び1,6ヘキサンジオールジア
クリレート等; −5)不飽和アルコール[ビニル、イソプロペニル
等]と炭素数1〜12のモノ若しくはポリカルボン酸と
のエステル:酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオ
ン酸ビニル及び酪酸ビニル等。
【0046】ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー: −1)炭素数5〜16のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート; −2)炭素数2〜12のアルケノール、例えば(メ
タ)アリルアルコール、1−ブテン−3−オール及び2
−ブテン−1−オール; −3)炭素数4〜12のアルケンジオール、例えば2
−ブテン−1,4−ジオール; −4)炭素数3〜30のアルケニルエーテル、例えば
2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び蔗糖アリ
ルエーテル等。
【0047】ビニル系炭化水素: −1)スチレン以外の芳香族ビニル系炭化水素(炭素
数8〜20):スチレンのハイドロカルビル(アルキ
ル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニ
ル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、フェ
ニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチ
レン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニル
トルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン;
並びにビニルナフタレン。 −2)脂肪族ビニル系炭化水素:炭素数2〜20のア
ルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソ
ブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オク
テン、ドデセン、オクタデセン及び前記以外のα−オレ
フィン等;炭素数4〜20のアルカジエン類、例えばブ
タジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5
−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン; −3)脂環式ビニル系炭化水素:モノ及びジシクロア
ルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、
(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及び
エチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネ
ン、リモネン及びインデン。
【0048】エポキシ基含有ビニル系モノマー:グリ
シジル(メタ)アクリレート等。 ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロ
ニトリル等。 アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N
−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリ
ルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4
−ビニルピリジン、クロチルアミン及びビニルイミダゾ
ール等。
【0049】エポキシ樹脂としては、ポリエポキシドと
(a)又は(b)との重付加物及びポリエポキシドと
(c)又は(d)の酸無水物との硬化物等が使用でき
る。重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用
できる。ポリエポキシドとしては、芳香族ポリエポキシ
ド、複素環含有ポリエポキシド、脂環族ポリエポキシド
及び脂肪族ポリエポキシド等が用いられる。
【0050】芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェ
ノールグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールF
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールADジグリシジルエーテル及びビスフェノ
ールSジグリシジルエーテル);芳香族多価カルボン酸
グリシジルエステル(例えば、フタル酸ジグリシジルエ
ステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフ
タル酸ジグリシジルエステル);グリシジル芳香族ポリ
アミン(例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,
N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン
及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニル
メタンジアミン)等が挙げられる。
【0051】複素環ポリエポキシドとしては、トリスグ
リシジルメラミンが挙げられる。脂環族ポリエポキシド
としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、
リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド
及びビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル
が挙げられる。
【0052】脂肪族ポリエポキシドとしては、脂肪族多
価アルコールのポリグリシジルエーテル(例えば、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル及びテトラメチレングリコ
ールジグリシジルエーテル);多価脂肪酸のポリグリシ
ジルエステル(例えば、ジグリシジルオキサレート及び
ジグリシジルマレート);グリシジル脂肪族アミン(例
えばN,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチ
レンジアミン)等が挙げられる。
【0053】ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシア
ネートと水酸基含有化合物[例えば(a)、(b)、
(a)と(c)の重縮合により得られるポリエステルジ
オール及び炭素数6〜12のカプロラクトンの開環重合
体]との重付加物などが使用できる。重付加反応には、
公知の重付加反応触媒等が使用できる。
【0054】ポリイソシアネートとしては、炭素数(N
CO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポ
リイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシ
アネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネー
ト、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及
びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、
カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュ
ーレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシ
アヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこ
れらの2種以上の混合物等が用いられる。
【0055】芳香族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート
(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び粗製M
DIが挙げられる。
【0056】脂肪族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)及びドデカメチレンジイソシアネートが挙げられ
る。
【0057】脂環式ポリイソシアネートとしては、例え
ばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロ
ヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添M
DI)、シクロヘキシレンジイソシアネート及びメチル
シクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等が
挙げられる。
【0058】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート(XD
I)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
【0059】トナーバインダー組成物における電子写真
トナー用離型剤、ポリエステル樹脂、その他の離型剤及
びその他の樹脂の含有量は、好ましくはそれぞれ1〜3
0%、25〜99%、0〜15%及び0〜30%、特に
1〜20%、50〜99%、0〜10%及び0〜20%
である。
【0060】トナーバインダー組成物を得るためには、
トナー用離型剤、ポリエステル樹脂並びに必要によりそ
の他の離型剤及びその他の樹脂を粉体混合しても良い
し、二軸押出機や、加熱攪拌のできる配合釜等で溶融混
合しても良い。
【0061】本発明のトナーバインダー組成物を用いた
電子写真用トナーの製造例を示す。トナーは本発明のト
ナーバインダー組成物と着色剤等から構成され、必要に
応じて離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等種々の添加剤
等が混合される。
【0062】着色剤としては公知の染料、顔料及び磁性
粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラッ
ク、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベ
ンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファー
ストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレ
ッド、トルイジンレッド、カーミン、ピグFBメントオ
レンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダ
ミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシ
アニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリー
ン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カ
ヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクO
P、マグネタイト及び鉄黒等が挙げられる。トナー中の
着色剤の含有量は、染料又は顔料を使用する場合は、通
常2〜15%であり、磁性粉を使用する場合は、通常1
5〜70%、好ましくは30〜60%である。
【0063】トナー製造時に添加する離型剤としては、
本発明の離型剤及び前述のその他の離型剤と同様のもの
が挙げられ、使用に際してはトナーバインダー組成物に
使用する離型剤と同じでも異なっていてもよい。トナー
中の離型剤の量は、通常0〜10%である。
【0064】荷電制御剤としては、公知のものすなわ
ち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級
アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリ
チル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系
ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げ
られる。トナー中の荷電制御剤の含有量は通常0〜5%
である。
【0065】流動化剤としては、コロイダルシリカ、ア
ルミナ粉末、酸化チタン粉末及び炭酸カルシウム粉末等
公知のものが挙げられる。トナー中の流動化剤の含有量
は通常0〜5%である。
【0066】トナーの製造法としては、公知の混練粉砕
法等が挙げられる。上記トナー構成成分を乾式ブレンド
した後、溶融混練し、その後、ジェットミル等を用いて
微粉砕し、更に風力分級し、粒径D50が通常2〜20
μmの粒子として得られる。尚、粒径D50は、コール
ターカウンター[例えば、商品名:マルチタイザーIII
(コールター社製)]を用い測定される。
【0067】本発明のトナーバインダーを用いたトナー
は必要に応じて磁性粉(鉄粉、ニッケル粉、フェライ
ト、マグネタイト等)、ガラスビーズ及び/又は樹脂
(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコー
ティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合され
て電気的潜像の現像剤として用いられる。また、キャリ
アー粒子のかわりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電
気的潜像を形成することもできる。次いで、公知の熱ロ
ール定着方法等により支持体(紙、ポリエステルフィル
ム等)に定着して記録材料とされる。
【0068】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重
量部を示す。尚、実施例及び比較例における融点は以下
の方法で測定される。 [融点の測定方法] 装置:セイコー電子工業株式会社製 RDC220ロボ
ットDSC、SSC5200Hディスクステーション 条件:JIS K−7122に準拠 上記装置及び条件にて得られるDSC曲線において、最
大吸熱ピークが得られる温度を融点とした。
【0069】実施例1 [離型剤の合成]ガラス製オートクレーブに炭素数約5
0のアルコール[ペトロライト社製;商品名「UNIL
IN700Alcohl」;融点105℃]700部
(1.0モル)及びBF3・THF錯体を7.9部を仕
込み、耐圧滴下ロートからEO176部(4.0モル)
を、オートクレーブ内温度を120〜130℃に制御し
ながら10時間かけて滴下した。その後、130℃で5
時間反応し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を
4.8部添加した後、吸着処理剤(協和化学工業社製;
キョーワード600及びキョーワード1000。以下同
様とする。)で処理し、、濾過後、130℃、30mm
Hg以下で減圧脱水して、本発明の離型剤(C1)を得
た。(C1)は融点が81℃であった。
【0070】比較例1 実施例1で使用した炭素数約50のアルコール[ペトロ
ライト社製;商品名「UNILIN700Alcoh
l」;融点105℃]を比較離型剤(CC1)とした。
【0071】比較例2 炭素数約25のアルコール[ペトロライト社製;商品名
「UNILIN350Alcohl」;融点78℃]を
比較離型剤(CC2)とした。
【0072】製造例1 [ポリエステル樹脂の合成]冷却管、撹拌機及び窒素導
入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレン
オキシド2モル付加物132部、ビスフェノールAプロ
ピレンオキシド3モル付加物371部、ビスフェノール
Aエチレンオキシド2モル付加物20部、フェノールノ
ボラック(平均重合度約5)のプロピレンオキシド5モ
ル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイ
ン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び
縮合触媒としてジブチルスズオキシド1.5部を入れ、
230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10
時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反
応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却
し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時
間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕しポリエステ
ル樹脂(D)を得た。ポリエステル樹脂(D)の軟化点
は142℃、酸価は30、水酸基価は17、Tgは57
℃、数平均分子量は1380、Mpは4150、THF
不溶分は26%であった。
【0073】製造例2 [離型剤用分散剤の合成]温度計及び撹拌機の付いたオ
ートクレーブ反応槽中に、キシレン2261部、熱減成
型ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール
440P:軟化点153℃]1000部を入れ充分溶解
し、窒素置換後、スチレン1000部、メタクリル酸メ
チル3000部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒド
ロテレフタレート172部及びキシレン595部の混合
溶液を、オートクレーブ内温度を160℃に制御しなが
ら2時間で滴下して重合し、更に1時間保持した。次い
で脱溶剤を行い、離型剤用分散剤(E)を得た。(E)
のMnは3200、Tgは55.3℃であった。
【0074】評価例1及び比較評価例1〜3 表1に記載の配合処方に基づき、トナーバインダー、離
型剤、顔料、荷電制御剤及び必要により離型剤用分散剤
をヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10
B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝
製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット
粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)
製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマ
チック工業(株)製 MDS−I]で分級し粒径D50
が9μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子10
0部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本ア
エロジル(株)製]0.3部をサンプルミルにて混合し
て、トナー(T1)及び比較トナー(CT1)〜(CT
3)を得た。
【0075】
【表1】
【0076】トナー(T1)及び比較トナー(CT1)
〜(CT3)を用いて、離型剤の分散粒径、離型剤の分
散状態、耐熱保存性、最低定着温度及びホットオフセッ
ト発生温度を以下の評価方法により評価した結果を表2
に示す。
【0077】[評価方法] (1)離型剤の分散粒径 電子顕微鏡を用いて試料中の離型剤の長径と短径を測定
して、その平均値を離型剤分散粒径とする。
【0078】(2)離型剤の分散状態 試料を電子顕微鏡で観察し、下記基準で判定する。 ○ ; 離型剤が全体に均一に分散し粒径が揃ってい
る。 △ ; 粒径の小さな離型剤もあるが粗大粒子が存在す
る。 × ; 離型剤の粗大粒子が多い。
【0079】(3)耐熱保存性 トナーをそれぞれポリエチレン製の瓶に入れ、45℃の
恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュのふるいに
移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターを用
いて10秒間振とうし、ふるいの上に残ったトナーの重
量%を測定し、耐熱保存性のテストとし、下記基準で判
定した。△以上が実用範囲である。 残存トナー重量% 0〜25% : 耐熱保存性 ○ 25〜30% : △ 30%以上 : ×
【0080】(4)最低定着温度(MFT) トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウ
ダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成
分現像剤とした。該現像剤を用い市販複写機(AR50
30;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販複写
機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改
造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピ
ード145mm/secで定着した。定着画像をパット
で擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着
ロール温度をもって最低定着温度とした。
【0081】(5)ホットオフセット発生温度(HO
T) 上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオ
フセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発
生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温
度とした。
【0082】
【表2】
【0083】表2から、本発明の離型剤を使用したトナ
ーは、低融点の比較の離型剤(CC2)を使用したトナ
ーと同等以上の低温定着性を有し、かつ耐熱保存性に優
れることが分かる。また、分散性の悪い比較の離型剤
(CC1)を使用したトナーに比べて低温定着性に優
れ、(CC1)の分散性を上げるために分散剤を併用し
たトナーより耐熱保存安定性に優れることが分かる。
【0084】
【発明の効果】本発明の電子写真トナー用離型剤は、分
散剤を使用することなく、トナーバインダー中に適度に
分散するため、耐熱保存性に悪影響を及ぼすことなく、
良好な耐ホットオフセット性及び低温定着性を付与する
ことができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数12〜100の活性水素含有化合物
    (A)とアルキレンオキシド(B)との反応物(C)か
    らなる電子写真トナー用離型剤。
  2. 【請求項2】(A)がアルコール(A1)、カルボン酸
    (A2)及びアミン(A3)からなる群より選ばれる活
    性水素含有化合物である請求項1記載の電子写真トナー
    用離型剤。
  3. 【請求項3】(A)の融点が70〜180℃である請求
    項1又は2記載の電子写真トナー用離型剤。
  4. 【請求項4】(A)の炭素数が30〜70である請求項
    1〜3のいずれか記載の電子写真トナー用離型剤。
  5. 【請求項5】(B)がエチレンオキシド及び/又はプロ
    ピレンオキシドである請求項1〜4のいずれか記載の電
    子写真トナー用離型剤。
  6. 【請求項6】(C)の融点が50〜120℃である請求
    項1〜5のいずれか記載の電子写真トナー用離型剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか記載の電子写真ト
    ナー用離型剤とポリエステル樹脂からなるトナーバイン
    ダー組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006276825A (ja) * 2005-03-03 2006-10-12 Kao Corp トナーの製造方法
EP2889691A1 (en) 2013-12-26 2015-07-01 Canon Kabushiki Kaisha Toner and two-component developer

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