JP2017151164A - 偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光漏れと光学フィルムの剥離とを抑制することができる偏光板を提供する。【解決手段】偏光板(1)は、フィルム状の偏光子(7)と、偏光子(7)に重なる複数の光学フィルム(3,5,9,11,13)と、を備える。偏光板(7)の端面(21)の鉛直度(a/b)が、0.00以上0.35未満である。偏光板(7)の表面の端部のうち端面(21)に沿う部分(3e)における偏光解消部(23)の幅(W)が、0.00μm以上35μm未満である。【選択図】図2
Description
本発明は、偏光板及び画像表示装置に関する。
偏光板は、液晶テレビ、有機ELテレビ又はスマートフォン等の画像表示装置を構成する光学部品の一つである。下記特許文献1に示すように、偏光板は、フィルム状の偏光子と、偏光子に重なる光学フィルム(例えば、保護フィルム)と、を備える。
テレビ又はスマートフォン等の一般的な画像表示装置の殆どは、四角形状の画面を有するので、画像表示装置に搭載される従来の偏光板も四角形であり、その全体が一様に偏光能を有する。一方、特殊な画像表示装置は、それらの用途に応じた異形を有しており、当該装置に搭載される従来の偏光板も異形である。例えば、スマートウォッチ又は車載メーターに用いられる画像表示装置に偏光板を適用するためには、偏光板を加工して、スマートウォッチ又は車載メーターの形状・外観に応じた形(例えば円形)にしなければならない。偏光板の用途・目的は多様であるので、用途・目的に応じて偏光板を様々な形に加工することが可能な方法が必要になる。
しかしながら、従来の機械的な切断方法(例えば、切削加工)によって、偏光板を切断して加工する場合、偏光板の切断面(端面)が傾いたり、切断面(端面)の近傍に亀裂が形成されたりすることがある。偏光板の端面の傾斜及び亀裂は、端面近傍における偏光能を損ない、光漏れを引き起こす。「光漏れ」とは、振動方向が偏光子の吸収軸に平行である光が偏光板を透過してしまう現象である。また、機械的な切断方法によって偏光板を切断して加工する場合、偏光板を構成する光学フィルムが部分的に偏光子から剥離したり、隣り合う光学フィルム同士が部分的に剥離したりする。このような層間剥離は、偏光板の切断面(端面)の近傍で生じ易い。
上記のような機械的な切断方法の代わりに、レーザー切断によって偏光板を加工する場合、偏光板を様々な形状に加工し易い。しかし、CO2レーザー等を用いた熱加工の場合、偏光板の切断面(端面)が傾いたり、切断面(端面)の近傍に亀裂が形成されたりすることがある。さらに、レーザー切断では、切断面(端面)の近傍がレーザーで加熱されるため、偏光子の化学的な変質により偏光能が損なわれ易い。偏光子の化学的な変質とは、例えば、偏光子の変色又は溶解である。以下では、偏光子の化学的な変質により偏光機能が損なわれた部分を、偏光板の「偏光解消部」と呼ぶ。偏光解消部が広いほど、画像表示装置において光が漏れ易い。本発明者らによる研究の結果、CO2レーザーよりも波長が短いエキシマレーザーを用いた加工(例えば、アブレーション加工)の場合であっても、偏光板の切断に伴う上記の技術的問題が起こり得ることがわかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光漏れと光学フィルムの剥離とを抑制することができる偏光板、及び当該偏光板を含む画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る偏光板は、フィルム状の偏光子と、偏光子に重なる複数の光学フィルムと、を備え、偏光板の端面の鉛直度が、0.00以上0.35未満であり、偏光板の表面の端部のうち上記端面に沿う部分における偏光解消部の幅が、0.00μm以上35μm未満である。「光学フィルム」とは、偏光板を構成するフィルム状の部材(偏光子自体を除く。)を意味する。例えば、光学フィルムは、保護フィルム及び離型フィルムを含意する。「偏光板の表面」とは、偏光板の受光面、又は受光面の裏面と言い換えてよい。
上記端面に沿う部分における亀裂の数が、上記端部に平行な単位長さ1mmあたり、0以上4以下であってよい。
上記端面に沿う部分における亀裂の長さが、0μm以上50μm未満であってよい。
偏光子を挟む一対の光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、トリアセチルセルロースを含んでよい。
本発明の一側面に係る偏光板は、ハードコート層をさらに備えてよく、光学フィルムが、ハードコート層と偏光子との間に位置してよい。
偏光子を挟む一対の光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、環状オレフィンポリマーを含んでよい。
偏光子を挟む一対の光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、ポリメタクリル酸メチルを含んでよい。
本発明の一側面に係る画像表示装置は、上記偏光板を含む。
本発明によれば、光漏れと光学フィルムの剥離とを抑制することができる偏光板、及び当該偏光板を含む画像表示装置が提供される。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。各図に示すX,Y及びZは、互いに直交する3つの座標軸を意味する。各座標軸が示す方向は、全図に共通する。
図1に示すように、本実施形態に係る偏光板1は、フィルム状の偏光子7と、偏光子7に重なる複数の光学フィルム(3,5,9,13)と、を備える。偏光子7及び複数の光学フィルム(3,5,9,13)のいずれも、四角形である。複数の光学フィルム(3,5,9,13)とは、第一保護フィルム5、第二保護フィルム9、第三保護フィルム3、及び離型フィルム13(セパレータ)である。つまり、偏光板1は、偏光子7、第一保護フィルム5、第二保護フィルム9、第三保護フィルム3、及び離型フィルム13を備える。偏光板1は、第二保護フィルム9と離型フィルム13との間に位置する粘着層11も備える。偏光子7の一方の表面には第一保護フィルム5が重なっており、偏光子7の他方の表面には第二保護フィルム9が重なっている。第一保護フィルム5には第三保護フィルム3が重なっている。つまり、第一保護フィルム5は、偏光子7と第三保護フィルム3との間に位置する。第二保護フィルム9には、粘着層11を介して、離型フィルム13が重なっている。換言すると、第二保護フィルム9は、偏光子7と粘着層11との間に位置する。
偏光板1の一方の表面(第一表面)は、第三保護フィルム3から構成される。偏光板1の他方の表面(第二表面)は、離型フィルム13から構成される。図2に示す偏光板1の断面は、偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)に垂直である。換言すると、図2に示す偏光板1の断面は、Y軸に垂直であり、ZX面に平行である。換言すると、図2に示す偏光板1の断面は、偏光板1の表面(受光面)に垂直である。
偏光板1の端面21は、平坦であってよい。偏光板1の端面21は、平坦でなくてもよい。例えば、端面21は凹凸状であってよい。例えば、偏光子7、光学フィルム(3,5,9,13)及び粘着層11のうち一つ以上のフィルム又は層が、端面21において突出していてよい。
偏光板1の端面21の鉛直度は、0.00以上0.35未満である。以下では、図2に基づき、鉛直度を説明する。
偏光板1の一方の表面(第一表面)の端部のうち端面21に沿う部分を、第一端部3eと定義する。偏光板1の第一表面の端部とは、偏光板1の第一表面の外縁と言い換えられる。第一端部3eの全体は、偏光板1の第一表面に平行な方向(XY面方向)において、直線状又は曲線状に延在していてよい。第一端部3eは、偏光板1の第一表面側に位置する第一光学フィルム(第三保護フィルム3)の端部と言い換えてよい。第一端部3eは、偏光板1の第一表面と端面21に共通する辺と言い換えてもよい。偏光板1の他方の表面(第二表面)の端部のうち端面21に沿う部分を、第二端部13eと定義する。第二端部13eの全体は、偏光板1の第二表面に平行な方向(XY面方向)において、直線状又は曲線状に延在していてよい。第二端部13eは、端面21において第一端部3eに対向する端部と言い換えてよい。第二端部13eは、偏光板1の第二表面側に位置する第二光学フィルム(離型フィルム13)の端部と言い換えてよい。第二端部13eは、偏光板1の第二表面と端面21に共通する辺と言い換えてもよい。以下では、図2に示すように、第一端部3e及び第二端部13eのいずれも、偏光板1の表面に垂直な同一断面上に位置する点とみなす。第一端部3eと第二端部13eとの距離を、aと定義する。距離aは、偏光板1の第一表面及び第二表面に平行な方向(XY平面方向)における距離である。偏光板1の厚み(例えば、厚みの平均値)を、bと定義する。このとき、偏光板1の端面21の鉛直度は、a/bと定義される。鉛直度は、a’/bと定義されてもよい。a’は、第一端部3e’と第二端部13e’との距離である。距離a’は、偏光板1の第一表面及び第二表面に平行な方向(XY平面方向)における距離である。第一端部3e’とは、偏光板1の第一表面の端部のうち端面21’に沿う部分である。端面21’とは、上記端面21に対向する他方の端面である。第二端部13e’とは、偏光板1の第二表面の端部のうち端面21’に沿う部分である。第二端部13e’とは、端面21’において第一端部3e’に対向する端部と言い換えてよい。a/bは、a’/bと等しくてよい。a/bは、a’/bと異なっていてもよい。a/bがa’/bと異なる場合、a/b、及びa’/bのいずれも、0.00以上0.35未満である。上記の定義に適合する限り、偏光板1の任意の端面においてa及びbを測定してよく、a及びbそれぞれの測定値から、各端面の鉛直度a/bを計算すればよい。偏光板1の任意の複数の端面の鉛直度a/bをそれぞれ計算する場合、複数の鉛直度a/bのうち最大値が、0.00以上0.35未満であればよい。a、a’、b、及びb’は、例えば、光学顕微鏡を用いた偏光板1の断面の観察に基づき、測定すればよい。
端面21の鉛直度a/bが、0.35未満であることにより、光漏れが抑制される。端面21の鉛直度a/bが0.35以上である場合、端面21に露出する偏光子7の断面(端面)において、光の屈折等に起因する光漏れが顕著になる。端面21の鉛直度a/bは、0.00以上0.30以下、0.00以上0.29以下、0.00以上0.28以下、0.04以上0.30以下、0.04以上0.29以下、又は0.04以上0.28以下であってよい。鉛直度a/bが小さいほど、光漏れが抑制され易い。したがって、aはゼロであることが最も好ましい。つまり、鉛直度a/bはゼロであることが最も好ましい。鉛直度a/bがゼロであることは、端面21が偏光板1の表面(第一表面及び第二表面)に対して完全に垂直であることを意味する。
偏光板1の厚みbは、例えば、10μm以上1200μm以下、10μm以上500μm以下、10μm以上300μm以下、又は10μm以上200μm以下であってよい。第一端部3eと第二端部13eとの距離aは、a/bが0.00以上0.35未満である限り、任意の値であってよい。
図3に示すように、偏光板1の一方の表面(第一表面)の端部のうち端面21に沿う第一端部3eに、偏光解消部23が形成されている場合がある。偏光板1の他方の表面(第二表面)の端部のうち端面21に沿う第二端部13eに、偏光解消部が観察されている場合もある。偏光解消部23は、端面21の形成過程(レーザー切断工程)において、偏光子7又は光学フィルム(3,5,9,13)の化学的な変質によって生じる。偏光解消部23は、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において連続的又は不連続的に存在していてよい。つまり、偏光解消部23は、偏光板1の表面からの深さを有していてよい。言い換えれば、偏光解消部23は、3次元的に分布していてよい。例えば、偏光解消部23は、端面21に沿って形成されていてよい。偏光解消部23は、光漏れの一因である。偏光解消部23における光漏れは、偏光子7又は光学フィルム(3,5,9,13)の化学的組成の変化に起因する。例えば、偏光子7を構成するポリビニルアルコール又は色素分子(ヨウ素を含む化合物)の配向性の乱れによって、偏光解消部23における光漏れが起こる。
第一端部3eにおける偏光解消部23の幅Wは、0.00μm以上35μm未満である。図3に示すように、第一端部3eにおける偏光解消部23の幅Wとは、偏光板1の第一表面(第三保護フィルム3の表面)に平行な偏光解消部23の寸法であり、且つ第一端部3eに垂直な方向における偏光解消部23の寸法である。偏光解消部23の幅Wは、X軸方向における偏光解消部23の寸法と言い換えてもよい。偏光板1は略透明であるため、第二表面側(離型フィルム13の表面側)に位置する偏光解消部23が、第一表面側(第三保護フィルム3の表面側)から観察されてよい。つまり、第一表面側(第三保護フィルム3の表面側)で観察される偏光解消部23は、必ずしも第一光学フィルム(第三保護フィルム3)に形成されているわけではない。また、偏光板1の内部に位置する偏光解消部23が、第一表面側又は第二表面側から観察されてもよい。第一表面側に位置している偏光解消部23が、第二表面側から観察されてよい。つまり、第二表面側(離型フィルム13の表面側)で観察される偏光解消部23は、必ずしも第二光学フィルム(離型フィルム13)に形成されているわけではない。偏光板1は略透明であるため、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において偏光板1の表面を観察した際に、3次元的に分布する偏光解消部23が、重なり合った状態で見えてよい。つまり、3次元的に分布する偏光解消部23が、偏光板1の第一表面(XY平面)における2次元の正射影(例えば、長方形)として観察されてよい。
偏光解消部23の幅Wが35μm未満であることにより、光漏れが抑制される。偏光解消部23の幅Wが35μm以上である場合、偏光解消部23における光漏れが顕著になる。偏光解消部23の幅Wは、0.00μm以上20μm以下、0.00μm以上19μm以下、又は0.00μm以上18μm以下であってよい。偏光解消部23の幅Wが小さいほど、光漏れが抑制され易い。したがって、偏光解消部23の幅Wは0.00μmであることが最も好ましい。つまり、偏光解消部23はないことが最も好ましい。偏光解消部23の幅Wは、0.00μm以上35μm未満の範囲内である限り、一定でなくてよい。偏光解消部23の幅Wが一定でない場合、偏光解消部23の幅Wの最大値が、35μm未満である。第二端部13eにおける偏光解消部の幅も、0.00μm以上35μm未満であってよい。つまり、偏光板1の第一表面及び第二表面のいずれにおいても、偏光解消部23の幅が、0.00μm以上35μm未満であってよい。第一端部3e’及び第二端部13e’それぞれにおける偏光解消部の幅が、0.00μm以上35μm未満であってよい。
第一表面上の第一端部3eには、亀裂25が形成されている場合がある。第一表面上の別の第一端部3e’に、亀裂25が形成されている場合もある。第二表面上の第二端部13eに、亀裂25が形成されている場合もある。第二表面上の別の第二端部13’eに、亀裂25が形成されている場合もある。亀裂25は、第一表面(第三保護フィルム3の表面)に沿って形成されていてよい。亀裂25は、第二表面(離型フィルム13の表面)に沿って形成されていてもよい。亀裂25は、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において連続的又は不連続的に形成されていてよい。つまり、亀裂25は、偏光板1の表面からの深さを有していてよい。言い換えれば、亀裂25は、3次元的に分布していてよい。
第一端部3eにおける亀裂25の数は、単位長さ1mmあたり、0以上4以下であってよい。単位長さ1mmとは、第一端部3eに平行である長さ1mmの線分と言い換えてよい。単位長さ1mmあたりの亀裂25の数とは、単位長さ1mmと交わる亀裂25の数と言い換えてよい。偏光板1は略透明であるため、第二表面側(離型フィルム13の表面側)に位置する亀裂25が、第一表面側(第三保護フィルム3の表面側)から観察されてよい。つまり、第一端部3eにおいて観察される亀裂25は、必ずしも第一端部3eが属する第一光学フィルム(第三保護フィルム3)に形成されているわけではない。また、偏光板1の内部に位置する亀裂25が、第一表面側(第一端部3e側)から観察されてもよい。偏光板1の内部に位置する亀裂25が、第二表面側(第二端部13e側)から観察されてもよい。第一表面側(第三保護フィルム3の表面側)に位置している亀裂25が、第二表面側(離型フィルム13の表面側)から観察されてよい。つまり、第二端部13eにおいて観察される亀裂25は、必ずしも第二端部13eが属する第二光学フィルム(離型フィルム13)に形成されているわけではない。偏光板1は略透明であるため、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において偏光板1の表面を観察した際に、3次元的に分布する亀裂25が、重なり合った状態で見えてよい。つまり、3次元的に分布する亀裂25が、偏光板1の第一表面(XY平面)における2次元の正射影として観察されてよい。偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において重なり合う複数の亀裂25が、偏光板1の第一表面においては一つの亀裂25として見えてよい。つまり、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において重なり合う複数の亀裂25が、偏光板1の表面においては一つの亀裂25として数えられてよい。
亀裂25の数が4以下である場合、光漏れが更に抑制され易い。亀裂25の長さlは、0μm以上50μm未満であってよい。亀裂25の長さlは、偏光板1の表面に垂直な方向(Z軸方向)において観察される亀裂25の長さであり、亀裂25の一端と第一端部3eとの最短距離である。亀裂25の長さlが50μm未満である場合、視認される程度の光漏れが更に抑制され易い。亀裂25の数が少なく、亀裂25が短いほど、光漏れが更に抑制され易い。また、亀裂25の数が少なく、亀裂25が短いほど、偏光板1の機械的強度が高く、画像表示装置の製造過程における偏光板1の破損が抑制され易い。したがって、亀裂25はないことが最も好ましい。第二端部13eにおける亀裂の数も、単位長さ(1mm)あたり、0以上4以下であってよい。つまり、偏光板1の第一表面及び第二表面のいずれにおいても、亀裂の数は、単位長さ(1mm)あたり、0以上4以下であってよい。第二端部13eにおける亀裂の長さも、0μm以上50μm未満であってよい。つまり、偏光板1の第一表面及び第二表面のいずれにおいても、亀裂の長さは、0μm以上50μm未満であってよい。第一端部3e’及び第二端部13e’それぞれにおける亀裂の数も、単位長さ(1mm)あたり、0以上4以下であってよい。第一端部3e’及び第二端部13e’それぞれにおける亀裂の長さも、0μm以上50μm未満であってよい。
本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、
フィルム状の偏光子と、複数の光学フィルムと、を重ねて、積層体を形成する工程と、
積層体にエキシマレーザーのパルス波を照射して、積層体を切断する工程(切断工程)と、を備え、
エキシマレーザーの出力が、20W未満であり、
エキシマレーザーのスポットの外周部分の強度が、スポットの強度の極大値の80%より大きく、
エキシマレーザーの集光径が、50μmよりも大きく、
エキシマレーザーの繰り返し周波数が、1000Hz未満である。
上記積層体においてエキシマレーザーが照射された部分に形成される切断面が、偏光板1の端面21に相当する。以下では、各工程について詳しく説明する。
フィルム状の偏光子と、複数の光学フィルムと、を重ねて、積層体を形成する工程と、
積層体にエキシマレーザーのパルス波を照射して、積層体を切断する工程(切断工程)と、を備え、
エキシマレーザーの出力が、20W未満であり、
エキシマレーザーのスポットの外周部分の強度が、スポットの強度の極大値の80%より大きく、
エキシマレーザーの集光径が、50μmよりも大きく、
エキシマレーザーの繰り返し周波数が、1000Hz未満である。
上記積層体においてエキシマレーザーが照射された部分に形成される切断面が、偏光板1の端面21に相当する。以下では、各工程について詳しく説明する。
積層体は、偏光子7と各光学フィルム(3,5,9,13)との貼合、又は光学フィルム同士の貼合を繰り返すことにより得られる。なお、粘着層11は、例えば、第二保護フィルム9の表面に粘着剤を塗布することによって形成されてよい。
エキシマレーザーは、下記のいずかであってよい。
F2レーザー(発振波長:157nm)
ArFレーザー(発振波長:193nm)
KrFレーザー(発振波長:248nm)
XeClレーザー(発振波長:308nm)
XeFレーザー(発振波長:351nm)
F2レーザー(発振波長:157nm)
ArFレーザー(発振波長:193nm)
KrFレーザー(発振波長:248nm)
XeClレーザー(発振波長:308nm)
XeFレーザー(発振波長:351nm)
エキシマレーザーの発振波長は、他のレーザーの発振波長よりもはるかに短い。例えば、CO2レーザーの発振波長は、9.4μm又は10.6μmである。波長が短いエキシマレーザーを積層体に照射する場合、偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)を構成する高分子が瞬時に分解・昇華し易く、エキシマレーザーの照射に伴う積層体の加熱が抑制される。したがって、エキシマレーザーが照射された部分において、鉛直度が小さい切断面(偏光板1の端面21)が瞬時に形成され易く、熱に起因する偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)の化学的な変質も抑制される。一方、波長が長いレーザーを積層体に照射する場合、レーザーが照射された部分において、温度は上昇し易いが、偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)を構成する高分子の分解・昇華は起き難い。つまり、レーザーの照射により加熱された部分が溶融・変形することによりはじめて、切断面(偏光板1の端面21)が形成される。したがって、仮にエキシマレーザーよりも波長が長いレーザーを用いる場合、偏光板1の端面21の鉛直度を制御し難く、偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)の化学的な変質によって偏光解消部23が形成され易い。
エキシマレーザーの出力は、1W以上20W未満である。エキシマレーザーの出力が20W以上である場合、切断面の近傍において亀裂25が形成され易く、偏光解消部23の幅Wが大きくなり易い。エキシマレーザーの出力は、5W以上8W以下であってよい。
図4に示すように、エキシマレーザーのスポットLSは円形である。エキシマレーザーのスポットLSの中心Lcを通る直線に沿ったエキシマレーザーのスポットLSの強度分布IDは、トップハット型である。スポットLSは、エキシマレーザーの進行方向に垂直なエキシマレーザーの断面と言い換えてよい。トップハット型のエキシマレーザーを用いて形成した切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bは、強度分布がガウス型であるエキシマレーザーを用いて形成した切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bに比べて、小さくなり易い。エキシマレーザーのスポットLSの外周部分Leの強度ILeは、スポットLSの強度の極大値ILcの80%より大きく、ILcの100%以下である。換言すれば、(ILe/ILc)×100が、80%より大きく100%以下である。換言すれば、{(ILc−ILe)/ILc}×100が、0%以上20%未満である。ILcは、強度分布IDにおける平坦部(トップ部)の強度の平均値と言い換えてよい。ILcは、スポットLSの中心Lcの強度と言い換えてもよい。ILeがILcの80%以下である場合、切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bが大きくなり易い。換言すると、(ILe/ILc)×100が80%以下である場合、切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bが大きくなり易い。換言すると、{(ILc−ILe)/ILc}×100が20%以上である場合、切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bが大きくなり易い。ILeは、ILcの90%以上95%以下であってよい。換言すると、(ILe/ILc)×100が、90%以上95%以下であってよい。換言すると、{(ILc−ILe)/ILc}×100は、5%以上10%以下であってよい。強度ILe及び強度ILcの単位は、例えば、W/m2であってよい。本実施形態の変形例では、エキシマレーザーのスポットが細長い長方形であってもよい。
エキシマレーザーの集光径は、50μmよりも大きく、2000μm以下である。エキシマレーザーの集光径が50μm以下である場合、切断面(偏光板1の端面21)の鉛直度a/bが大きくなり易い。エキシマレーザーの集光径とは、エキシマレーザーのスポットLSの直径と言い換えてよい。エキシマレーザーの集光径は、600μm以上1000μm以下であってよい。
エキシマレーザーの繰り返し周波数は、10Hz以上1000Hz未満である。エキシマレーザーの繰り返し周波数が1000Hz以上である場合、亀裂25が形成され易く、偏光解消部23も形成され易い。エキシマレーザーの繰り返し周波数は、100Hz以上500Hz以下であってよい。
偏光子7は、延伸、染色及び架橋等の工程によって作製されたフィルム状のポリビニルアルコール系樹脂であってよい。偏光子7の詳細は以下の通りである。
例えば、まず、フィルム状のポリビニルアルコール系樹脂を、一軸方向又は二軸方向に延伸する。一軸方向に延伸された偏光子7の二色比は、高い傾向がある。延伸に続いて、ヨウ化カリウム等を含む染色液を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂をヨウ素又は二色性色素(ポリヨウ素)によって染色する。染色液は、ホウ酸、硫酸亜鉛、又は塩化亜鉛を含んでいてもよい。染色前にポリビニルアルコール系樹脂を水洗してもよい。水洗により、ポリビニルアルコール系樹脂の表面から、汚れ及びブロッキング防止剤が除去される。また水洗によってポリビニルアルコール系樹脂が膨潤する結果、染色の斑(不均一な染色)が抑制され易い。染色後のポリビニルアルコール系樹脂を、架橋のために、架橋剤の溶液(例えば、ホウ酸の水溶液)で処理する。架橋剤による処理後、ポリビニルアルコール系樹脂を水洗し、続いて乾燥する。以上の手順を経て、偏光子7が得られる。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、又は、酢酸ビニルと他の単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)であってよい。酢酸ビニルと共重合する他の単量体は、エチレンの他に、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、又はアンモニウム基を有するアクリルアミド類であってよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、アルデヒド類で変性されていてもよい。変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、又はポリビニルブチラールであってよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコールの脱水処理物、又はポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルムであってよい。延伸前に染色を行ってもよく、染色液中で延伸を行ってもよい。延伸された偏光子7の長さは、例えば、延伸前の長さの3〜7倍であってよい。
偏光子7の厚みは、例えば、1μm以上50μm以下、又は4μm以上30μm以下であってよい。一般的に、薄い偏光子7が一軸方向に延伸されている場合、穴開け工程又はチップカット工程において、延伸方向に沿った亀裂25が形成され易い。しかし、エキシマレーザーを用いた上記の切断工程により、亀裂25の形成を抑制することができる。
第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9は、透光性を有する熱可塑性樹脂であればよく、光学的に透明な熱可塑性樹脂であってもよい。第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9を構成する樹脂は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はこれらの混合物若しくは共重合体であってよい。第一保護フィルム5の組成は、第二保護フィルム9の組成と全く同じであってよい。第一保護フィルム5の組成は、第二保護フィルム9の組成と異なっていてもよい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体であってよい。鎖状ポリオレフィン系樹脂は、二種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体であってもよい。
環状オレフィンポリマー系樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)は、例えば、環状オレフィンの開環(共)重合体、又は環状オレフィンの付加重合体であってよい。環状オレフィンポリマー系樹脂は、例えば、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体(例えば、ランダム共重合体)であってよい。共重合体を構成する鎖状オレフィンは、例えば、エチレン又はプロピレンであってよい。環状オレフィンポリマー系樹脂は、上記の重合体を不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性したグラフト重合体、又はそれらの水素化物であってもよい。環状オレフィンポリマー系樹脂は、例えば、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂であってよい。
セルロースエステル系樹脂は、例えば、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース(TAC))、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート又はセルロースジプロピオネートであってよい。これらの共重合物を用いてもよい。水酸基の一部が他の置換基で修飾されたセルロースエステル系樹脂を用いてもよい。
セルロースエステル系樹脂以外のポリエステル系樹脂を用いてもよい。ポリエステル系樹脂は、例えば、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体であってよい。多価カルボン酸又はその誘導体は、ジカルボン酸又はその誘導体であってよい。多価カルボン酸又はその誘導体は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はナフタレンジカルボン酸ジメチルであってよい。多価アルコールは、例えば、ジオールであってよい。多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、又はシクロヘキサンジメタノールであってよい。
ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、又はポリシクロヘキサンジメチルナフタレートであってよい。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介して重合単位(モノマー)が結合された重合体である。ポリカーボネート系樹脂は、修飾されたポリマー骨格を有する変性ポリカーボネートであってよく、共重合ポリカーボネートであってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA));メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(例えば、MS樹脂);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)であってよい。
偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち少なくとも一方の光学フィルムが、トリアセチルセルロース(TAC)を含んでよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち少なくとも一方の光学フィルムが、環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)を含んでよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち少なくとも一方の光学フィルムが、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含んでよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)の両方が、トリアセチルセルロースを含んでもよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち一方のフィルムが、トリアセチルセルロースを含み、偏光子7を挟む一対の光学フィルムのうち他方のフィルムが、環状オレフィンポリマーを含んでもよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち一方のフィルムが、トリアセチルセルロースを含み、偏光子7を挟む一対の光学フィルムのうち他方のフィルムが、ポリメタクリル酸メチルを含んでもよい。偏光子7を挟む一対の光学フィルム(第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9)のうち一方のフィルムが、環状オレフィンポリマー系樹脂を含み、偏光子7を挟む一対の光学フィルムのうち他方のフィルムが、ポリメタクリル酸メチルを含んでもよい。TAC、COP系樹脂又はPMMAから構成される光学フィルムが偏光子7に接する場合、従来の加工方法によって端面21の鉛直度a/bを低減し、且つ偏光解消部23及び亀裂25の形成を抑制することは困難である。しかし、エキシマレーザーを用いた上記の切断工程により、端面21の鉛直度a/bを低減し、且つ偏光解消部23及び亀裂25の形成を抑制する。
偏光子7又は各光学フィルム(3,5,9,又は13)のガラス転移温度Tgは、100〜180℃、又は108〜180℃であってよい。光学フィルム(3,5,9,又は13)がトリアセチルセルロース(TAC)からなる場合、光学フィルム(3,5,9,又は13)のガラス転移温度Tgは、160〜180℃であってよい。光学フィルム(3,5,9,又は13)が環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)からなる場合、光学フィルム(3,5,9,又は13)のガラス転移温度Tgは、126〜136℃であってよい。光学フィルム(3,5,9,又は13)がポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる場合、光学フィルム(3,5,9,又は13)のガラス転移温度Tgは、108〜136℃であってよい。偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)のガラス転移温度Tgが100℃以上である場合、偏光板1は耐熱性に優れ、エキシマレーザーの照射に伴う熱に起因する偏光板1の変形が抑制され易い。
第一保護フィルム5又は第二保護フィルム9は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、及び酸化防止剤からな群より選ばれる少なくとも一種の添加剤を含んでよい。
第一保護フィルム5の厚みは、例えば、5μm以上90μm以下、5μm以上80μm以下、又は5μm以上50μm以下であってよい。第二保護フィルム9の厚みも、例えば、5μm以上90μm以下、5μm以上80μm以下、又は5μm以上50μm以下であってよい。
第一保護フィルム5又は第二保護フィルム9は、位相差フィルム又は輝度向上フィルムのように、光学機能を有するフィルムであってよい。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムが得られる。
第一保護フィルム5は、接着層を介して、偏光子7に貼合されていてよい。第二保護フィルム9も、接着層を介して、偏光子7に貼合されていてよい。接着層は、ポリビニルアルコール等の水系接着剤を含んでよく、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂を含んでもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、活性エネルギー線を照射されることにより、硬化する樹脂である。活性エネルギー線は、例えば、紫外線、可視光、電子線、又はX線であってよい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であってよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、一種の樹脂であってよく、複数種の樹脂を含んでもよい。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂は、カチオン重合性の硬化性化合物、又はラジカル重合性の硬化性化合物を含んでよい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を含んでよい。
カチオン重合性の硬化性化合物は、例えば、エポキシ系化合物(分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物)、又はオキセタン系化合物(分子内に少なくとも一つのオキセタン環を有する化合物)であってよい。ラジカル重合性の硬化性化合物は、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)であってよい。ラジカル重合性の硬化性化合物は、ラジカル重合性の二重結合を有するビニル系化合物であってもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、又は溶剤等を含んでよい。
粘着層11は、例えば、アクリル系感圧型接着剤、ゴム系感圧型接着剤、シリコーン系感圧型接着剤、又はウレタン系感圧型接着剤などの感圧型接着剤を含んでよい。粘着層11の厚みは、例えば、2μm以上500μm以下、2μm以上200μm以下、又は2μm以上50μm以下であってよい。
第三保護フィルム3を構成する樹脂は、第一保護フィルム5又は第二保護フィルム9を構成する樹脂として列挙された上記の樹脂と同じであってよい。第三保護フィルム3の厚みは、例えば、5μm以上200μm以下であってよい。
離型フィルム13を構成する樹脂は、第一保護フィルム5又は第二保護フィルム9を構成する樹脂として列挙された上記の樹脂と同じであってよい。離型フィルム13の厚みは、例えば、5μm以上200μm以下であってよい。
本発明に係る画像表示装置は、例えば、液晶表示装置又は有機EL表示装置等であってよい。例えば、図5に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置30は、液晶セル10と、液晶セル10の一方の表面(第一表面)に重なる偏光板1a(第一偏光板)と、液晶セル10の他方の表面(第二表面)に重なる別の偏光板1b(第二偏光板)と、を備える。図5に示す偏光板1a及び1bは、離型フィルム13及び第三保護フィルム3を備えない点を除いて、図1及び2に示す偏光板1と同じである。偏光板1a(第一偏光板)は、粘着層11を介して、液晶セル10の第一表面に貼着されている。偏光板1a(第一偏光板)は、液晶セル10の第一表面に重なる粘着層11と、粘着層11に重なる第二保護フィルム9と、第二保護フィルム9に重なる偏光子7と、偏光子7に重なる第一保護フィルム5と、を有する。別の偏光板1b(第二偏光板)は、粘着層11を介して、液晶セル10の第二表面に貼着されている。別の偏光板1b(第二偏光板)は、液晶セル10の第二表面に重なる粘着層11と、粘着層11に重なる第二保護フィルム9と、第二保護フィルム9に重なる偏光子7と、偏光子7に重なる第一保護フィルム5と、を有する。液晶セル10と、一対の偏光板1a及び1bとが、液晶パネル20を構成する。液晶パネル20と、バックライト(面光源装置)その他の部材とが、液晶表示装置30を構成する。バックライトその他の部材は、図5において省略する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
偏光板の形状は、用途に応じた様々な形であってよい。ここで、偏光板の形状とは、図1〜3のZ方向(偏光板1の表面に垂直な方向)から見た偏光板全体の形状である。例えば、偏光板の形状は、四角形以外の多角形であってよい。例えば、偏光板は、円形、楕円形、又は不定形であってもよい。偏光板の外縁は、直線(複数の辺)のみからなっていってよい。ここで、偏光板の外縁とは、図1〜3のZ方向(偏光板の表面に垂直な方向)から見た偏光板の外縁である。偏光板の外縁は、偏光板の表面の端部と言い換えてよい。偏光板の外縁は、曲線のみからなっていってよい。偏光子7及び各光学フィルム(3,5,9,13)それぞれの形状も、用途に応じた様々な形であってよい。
偏光板が備える光学フィルム(偏光子に重なる光学フィルム)の枚数は限定されない。偏光板が備える光学フィルムの枚数が1枚であってよい。例えば、図1及び2に示す偏光板1は、第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9のうち、いずれか一方の保護フィルムを備えないものであってもよいし、両方の保護フィルムを備えないものであってもよい。例えば、図5に示す偏光板1a(第一偏光板)及び偏光板1b(第二偏光板)のうち、いずれか一方の偏光板あるいは両方の偏光板が、第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9のうち、いずれか一方の保護フィルムを備えなくてもよい。図5に示す偏光板1a(第一偏光板)及び偏光板1b(第二偏光板)のうちいずれか一方の偏光板あるいは両方の偏光板が、両方の保護フィルムを備えなくてもよい。
離型フィルムが、粘着層を介して、偏光板の両面に配置されていてもよい。
偏光板が備える光学フィルムは、反射型偏光フィルム、防眩機能付フィルム、表面反射防止機能付フィルム、反射フィルム、半透過反射フィルム、視野角補償フィルム、光学補償層、タッチセンサー層、帯電防止層又は防汚層であってもよい。
偏光板が、ハードコート層をさらに備えてもよい。例えば、偏光板1が、第一保護フィルム5が、ハードコート層と偏光子7との間に位置してよく、ハードコート層は、第一保護フィルム5と第三保護フィルム3との間に位置してよい。この場合、第一保護フィルム5が、トリアセチルセルロースを含んでよい。ハードコート層の表面硬度(鉛筆硬度)は、H以上5H以下、又は2H以上5H以下であってよい。鉛筆硬度は、日本工業規格(JIS K 5400)に基づく。鉛筆硬度が上記範囲になるハードコート層は、偏光板1の製造過程において傷付き難い。しかし、ハードコード層は硬くて脆いので、従来の切断方法によって偏光板の端面(切断面)を形成する場合、亀裂がハードコート層に形成され易い。しかし、エキシマレーザーを用いた上記の切断工程により、ハードコート層における亀裂の形成を抑制することができる。
ハードコート層は、例えば、微細な凹凸形状が表面に設けられたアクリル系樹脂フィルムから構成される層である。ハードコート層は、例えば、有機微粒子又は無機微粒子を含有する塗膜から形成されてよい。この塗膜を、凹凸形状を有するロールに押し当てる方法(たとえばエンボス法等)を用いてもよい。有機微粒子又は無機微粒子を含有しない塗膜を形成後、この塗膜を、凹凸形状を有するロールに押し当てる方法を用いてもよい。
無機微粒子は、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等であってよい。また、有機微粒子(樹脂粒子)は、例えば、架橋ポリアクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子等であってよい。
無機微粒子又は有機微粒子を分散させるためのバインダー成分は、高硬度(ハードコート)となる材料から選定されればよい。バインダー成分は、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等であってよい。生産性、硬度などの観点から、バインダー成分としては、紫外線硬化性樹脂が好ましく使用される。
ハードコート層の厚みは、例えば、2μm以上30μm以下、又は3μm以上30μm以下であってよい。ハードコート層の厚みが2μm以上ある場合、ハードコート層の十分な硬度が得られ易く、ハードコート層の表面がより傷付き難い。ハードコート層の厚みが30μm以下である場合、ハードコート層がより割れ難くなり、ハードコート層の硬化収縮に因る偏光板の湾曲(カール)が抑制され易く、生産性が向上し易い傾向がある。
無機微粒子は、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等であってよい。また、有機微粒子(樹脂粒子)は、例えば、架橋ポリアクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子等であってよい。
無機微粒子又は有機微粒子を分散させるためのバインダー成分は、高硬度(ハードコート)となる材料から選定されればよい。バインダー成分は、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等であってよい。生産性、硬度などの観点から、バインダー成分としては、紫外線硬化性樹脂が好ましく使用される。
ハードコート層の厚みは、例えば、2μm以上30μm以下、又は3μm以上30μm以下であってよい。ハードコート層の厚みが2μm以上ある場合、ハードコート層の十分な硬度が得られ易く、ハードコート層の表面がより傷付き難い。ハードコート層の厚みが30μm以下である場合、ハードコート層がより割れ難くなり、ハードコート層の硬化収縮に因る偏光板の湾曲(カール)が抑制され易く、生産性が向上し易い傾向がある。
偏光子7の厚みが30μm以下であり、且つ偏光子7の単体透過率Tが42.5以上であり、且つ偏光子7の偏光度Pが99.9以上であってよい。従来、偏光子が薄くて単体透過率及び偏光度が大きい場合、偏光板の端面において光漏れが認識され易かった。しかし、エキシマレーザーを用いた上記の切断工程によって鉛直度の小さい端面21を形成する場合、薄くて単体透過率及び偏光度が大きい偏光子7を備える偏光板1における光漏れを抑制することができる。
偏光子7、第一保護フィルム5及び第二保護フィルム9の3つのフィルムから構成される積層体の水分率は、1.0〜5.0%、0.5〜5.5%、又は1.0〜5.0%であってよい。水分率が上記範囲内であることにより、加熱に伴う偏光板1の反りが抑制され易く、偏光板1における光漏れが更に抑制され易い。
図1及び2では、離型フィルム13側(第二光学フィルム側)における第二端部13eが、第三保護フィルム3側(第一光学フィルム側)における第一端部3eよりも外側に突出しているが、第三保護フィルム3側(第一光学フィルム側)における第一端部3eが、離型フィルム13側(第二光学フィルム側)における第二端部13eよりも外側に突出していてよい。切断工程において、エキシマレーザーを第三保護フィルム3(第一光学フィルム)に照射する場合、離型フィルム13側(第二光学フィルム側)に位置する第二端部13eが、第三保護フィルム3側(第一光学フィルム側)に位置する第一端部3eよりも外側に突出し易い。切断工程において、エキシマレーザーを離型フィルム13側(第二光学フィルム側)に照射する場合、第三保護フィルム3側(第一光学フィルム側)に位置する第一端部3eが、離型フィルム13側(第二光学フィルム側)に位置する第二端部13eよりも外側に突出し易い。
偏光板の全ての端面の鉛直度が0.00以上0.35未満であってよく、偏光板の表面の端部全域における偏光解消部の幅が0.00μm以上35μm未満であってよい。例えば、矩形状の偏光板の全ての端面(4つの端面)の鉛直度が0.00以上0.35未満であってよい。偏光板の一部分のみに光漏れの抑制が要求される場合、光漏れの抑制が要求される一部分に位置する端面の鉛直度のみが、0.00以上0.35未満であってもよく、この一部分に位置する端部における偏光解消部の幅が0.00μm以上35μm未満であってもよい。例えば、偏光板の一端面の一部分の鉛直度のみが0.00以上0.35未満であってよい。例えば、矩形状の偏光板の一つの端面の鉛直度のみが0.00以上0.35未満であってよい。矩形状の偏光板の対向する一対の端面の鉛直度のみが0.00以上0.35未満であってよい。矩形状の偏光板の3つの端面の鉛直度のみが0.00以上0.35未満であってよい。
偏光板1は、第三保護フィルム3及び離型フィルム13のうち一方又は両方を備えなくてもよい。例えば、第三保護フィルム3は、画像表示装置の製造過程において、偏光板1から剥離され、除去されてよい。つまり、第三保護フィルム3は、仮保護フィルムであってよい。離型フィルム13も、画像表示装置の製造過程において、偏光板1から剥離され、除去されてよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような偏光子7及び光学フィルム(3,5,9,13)から構成される板状の積層体を形成した。積層体は、離型フィルム13と、離型フィルム13に重なる粘着層11と、粘着層11に重なる第二保護フィルム9と、第二保護フィルム9に重なる偏光子7と、偏光子7に重なる第一保護フィルム5と、第一保護フィルム5に重なる第三保護フィルム3と、を備えていた。なお、図1に示していないが、実施例1では、第一保護フィルム5をハードコート層で覆い、ハードコート層を介して第三保護フィルム3を第一保護フィルム5に重ねた。偏光子7としては、延伸され、且つ染色されたフィルム状のポリビニルアルコールを用いた。第一保護フィルム5としては、ハードコート付きトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(凸版印刷(株)製の25KCHCN−TC)を用いた。第二保護フィルム9としては、環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)から構成されるフィルム(日本ゼオン(株)製のZF14−023−1350)を用いた。第三保護フィルム3としては、粘着剤付きPETプロテクトフィルム(藤森工業(株)製のAS3−304)を用いた。離型フィルム13としては、PET(リンテック(株)製のSP−PLR382050)を用いた。離型フィルム13の厚みは、38μmであった。粘着層11の厚みは、20μmであった。第二保護フィルム9の厚みは、23μmであった。偏光子7の厚みは、12μmであった。第一保護フィルム5の厚みは、32μmであった。第三保護フィルム3の厚みは、60μmであった。積層体全体の厚み(偏光板1の厚みbに相当する厚み)は、185μmであった。積層体全体の縦幅は、110mmであった。積層体全体の横幅は、60mmであった。
図1に示すような偏光子7及び光学フィルム(3,5,9,13)から構成される板状の積層体を形成した。積層体は、離型フィルム13と、離型フィルム13に重なる粘着層11と、粘着層11に重なる第二保護フィルム9と、第二保護フィルム9に重なる偏光子7と、偏光子7に重なる第一保護フィルム5と、第一保護フィルム5に重なる第三保護フィルム3と、を備えていた。なお、図1に示していないが、実施例1では、第一保護フィルム5をハードコート層で覆い、ハードコート層を介して第三保護フィルム3を第一保護フィルム5に重ねた。偏光子7としては、延伸され、且つ染色されたフィルム状のポリビニルアルコールを用いた。第一保護フィルム5としては、ハードコート付きトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(凸版印刷(株)製の25KCHCN−TC)を用いた。第二保護フィルム9としては、環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)から構成されるフィルム(日本ゼオン(株)製のZF14−023−1350)を用いた。第三保護フィルム3としては、粘着剤付きPETプロテクトフィルム(藤森工業(株)製のAS3−304)を用いた。離型フィルム13としては、PET(リンテック(株)製のSP−PLR382050)を用いた。離型フィルム13の厚みは、38μmであった。粘着層11の厚みは、20μmであった。第二保護フィルム9の厚みは、23μmであった。偏光子7の厚みは、12μmであった。第一保護フィルム5の厚みは、32μmであった。第三保護フィルム3の厚みは、60μmであった。積層体全体の厚み(偏光板1の厚みbに相当する厚み)は、185μmであった。積層体全体の縦幅は、110mmであった。積層体全体の横幅は、60mmであった。
エキシマレーザーのパルス波を、積層体の第三保護フィルム3側の表面に照射して、積層体を真っ直ぐ切断した。以上の諸工程により、図1及び2に示す構造を有する実施例1の偏光板1を得た。積層体の切断面は、偏光板1の端面21に相当する。エキシマレーザーとしては、発振波長が248nmであるKrFレーザーを用いた。エキシマレーザーの発振器としては、Mlase社製のMLIシリーズ(モデル1000)を用いた。エキシマレーザーの出力は、5Wに設定した。図4に示すように、エキシマレーザーのスポットLSは円形であった。エキシマレーザーのスポットLSの外周部分Leの強度をILeと表記し、スポットLSの強度の極大値(平坦なトップ部の強度)をILcと表記するとき、{(ILc−ILe)/ILc}×100は、5%であった。以下では、{(ILc−ILe)/ILc}×100を、「密度分布」と呼ぶ。エキシマレーザーの集光径は、1000μmに設定した。エキシマレーザーの繰り返し周波数は、100Hzに設定した。
偏光板1の表面(第三保護フィルム3の表面)及び端面21に垂直な方向において、偏光板1を切断して、図2に示すような偏光板1の断面を露出させた。この偏光板1の断面を光学顕微鏡で観察して、第一端部3eと第二端部13eとの距離aを測定した。aの測定値から、端面21の鉛直度であるa/bを計算した。鉛直度は、0.07であった。なお、上記実施形態に記載の通り、第一端部3eは、偏光板1の一方の表面(第一表面)の端部のうち端面21(切断面)に沿う部分である。第二端部13eは、偏光板1の他方の表面(第二表面)の端部のうち端面21(切断面)に沿う部分である。
エキシマレーザーが照射された第三保護フィルム3側に位置する第一端部3eを、光学顕微鏡で観察した。この観察により、第一端部3eにおける亀裂(25)のうち、長さlが50μm未満である亀裂の数と、長さlが50μm以上である亀裂の数とを数えようと試みた。なお、亀裂の個数の定義は上記の実施形態と同様であった。また、亀裂の長さlの定義は、上記の実施形態と同様であった。観察の結果、実施例1の偏光板1の第一端部3eには、長さlが50μm未満である亀裂がなかった。また、実施例1の偏光板1の第一端部3eには、長さlが50μm以上である亀裂もなかった。
光学顕微鏡を用いた上記観察により、第一端部3eにおける偏光解消部23(変色部)の幅Wの測定を試みた。しかし、第一端部3eにおいて、偏光解消部23はなかった。
上記の偏光板1の断面を光学顕微鏡で観察して、端面21側における光学フィルムの剥離(層間剥離)の有無を調べた。端面21側では、50μm以上にわたって剥離している光学フィルムはなかった。なお、「50μm」とは、偏光板1の表面に平行な方向における距離を意味する。
図6中の(a)及び(b)に示すように、バックライト64(面光源)の全面を、下側偏光板62で覆った。下側偏光板62は、実施例1の偏光板とは別の偏光板である。実施例1の偏光板(1s)の離型フィルム13を、下側偏光板62へ対面させた。実施例1の偏光板(1s)を、下側偏光板62の上に重ねて、実施例1の偏光板(1s)の吸収軸A1sを、下側偏光板62の吸収軸A62に直交させた。上側偏光板60を、実施例1の偏光板(1s)の上に重ねて、上側偏光板60の吸収軸A60を、実施例1の偏光板(1s)の吸収軸A1sに平行に配置した。上側偏光板60も、実施例1の偏光板(1s)とは別の偏光板である。なお、図6中の偏光板(1s)の端面(21s)は、図1及び2に示す偏光板1の端面21に相当する。
実施例1の偏光板(1s)を上記のように配置した状態でバックライト64を点灯させ、実施例1の偏光板(1s)を目視で観察した。観察の結果、偏光板(1s)の端面(21s)近傍における光漏れはなかった。
(実施例2〜7、比較例1〜4)
実施例6では、エキシマレーザーとして、KrFレーザーの代わりに、ArFレーザー(発振波長:193nm)を用いた。
実施例6では、エキシマレーザーとして、KrFレーザーの代わりに、ArFレーザー(発振波長:193nm)を用いた。
実施例7では、離型フィルム13、粘着層11及び第三保護フィルム3を備えないこと以外は実施例1の場合と同じ積層体を用いた。以下では、説明の便宜上、実施例7の偏光板の第二保護フィルムを、実施例7の偏光板の「離型フィルム」と呼び、実施例7の偏光板の第一保護フィルムを、実施例7の偏光板の「第三保護フィルム」と呼ぶ。下記表1において、第三保護フィルムを「Pf」と表記し、離型フィルムを「Sp」と表記する。
実施例2〜7及び比較例1〜4では、エキシマレーザーの出力、密度分布、集光径及び繰り返し周波数を下記表1に示す値に設定した。
以上の事項を除いて実施例1と同様に、エキシマレーザーを用いて積層体を切断して、実施例2〜7及び比較例1〜4それぞれの偏光板を得た。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜4それぞれの偏光板の端面の鉛直度a/bを求めた。実施例2〜7及び比較例1〜4それぞれの鉛直度を下記表1に示す。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、エキシマレーザーが照射された第三保護フィルムを観察して、第一端部における亀裂の数を数え、各亀裂の長さを測定した。実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、亀裂の数を下記表1に示す。いずれの実施例においても、第一端部における亀裂の数は、4以下であった。いずれの実施例においても、第一端部における亀裂の長さは、50μm未満であった。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、第三保護フィルム側の第一端部を観察して、第一端部における偏光解消部(変色部)の幅Wを測定した。実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、偏光解消部(変色部)の幅Wを下記表1に示す。いずれの実施例においても、第一端部における偏光解消部(変色部)の幅Wは、35μm未満であった。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、偏光板の端面側(切断面側)における光学フィルムの剥離(層間剥離)の有無を調べた。その結果を下記表1に示す。50μm以上にわたって剥離している光学フィルムがあった場合、下記表1に「有り」と記す。50μm以上にわたって剥離している光学フィルムがなかった場合、下記表1に「無し」と記す。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜7及び比較例1〜4ごとに、偏光板の端面(切断面)近傍における光漏れを検査した。検査結果を下記表1に示す。
本発明に係る偏光板は、例えば、液晶セル又は有機ELデバイス等に貼着され、液晶テレビ、有機ELテレビ又はスマートフォン等の画像表示装置を構成する光学部品として適用される。
1,1a,1b,1s…偏光板、3…第三保護フィルム、5…第一保護フィルム、7…偏光子、9…第二保護フィルム、10…液晶セル、11…粘着層、13…離型フィルム、3e,3e’…偏光板の一方の表面の端部のうち端面に沿う部分(第一端部)、13e,13e’…偏光板の他方の表面の端部のうち端面に沿う部分(第二端部)、20…液晶パネル、21,21’…端面(切断面)、23…偏光解消部、25…亀裂、30…液晶表示装置(画像表示装置),W…偏光解消部の幅、l…亀裂の長さ。
偏光子を挟む一対の光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、(メタ)アクリル系樹脂を含んでよい。
本発明の一側面に係る偏光板は、フィルム状の偏光子と、偏光子に重なる複数の光学フィルムと、を備え、偏光板の外縁の端面の鉛直度が、0.00以上0.35未満であり、偏光板の上記外縁の上記端面に沿う部分における偏光解消部の幅が、0.00μm以上35μm未満であり、画像表示装置に用いられる。本発明の他の一側面に係る偏光板は、フィルム状の偏光子と、偏光子に重なる複数の光学フィルムと、を備え、偏光板の外縁の端面の鉛直度が、0.00以上0.35未満であり、偏光板の上記外縁の上記端面に沿う部分における偏光解消部の幅が、0.00μm以上35μm未満であり、偏光子がポリビニルアルコール系樹脂を含み、少なくとも一つの光学フィルムが熱可塑性樹脂を含む。本発明の他の一側面に係る偏光板は画像表示装置に用いられてよい。「光学フィルム」とは、偏光板を構成するフィルム状の部材(偏光子自体を除く。)を意味する。例えば、光学フィルムは、保護フィルム及び離型フィルムを含意する。「偏光板の表面」とは、偏光板の受光面、又は受光面の裏面と言い換えてよい。
上記端面に沿う部分における亀裂の数が、上記外縁に平行な単位長さ1mmあたり、0以上4以下であってよい。
Claims (8)
- フィルム状の偏光子と、前記偏光子に重なる複数の光学フィルムと、を備える偏光板であって、
前記偏光板の端面の鉛直度が、0.00以上0.35未満であり、
前記偏光板の表面の端部のうち前記端面に沿う部分における偏光解消部の幅が、0.00μm以上35μm未満である、
偏光板。 - 前記端面に沿う部分における亀裂の数が、前記端部に平行な単位長さ1mmあたり、0以上4以下である、
請求項1に記載の偏光板。 - 前記端面に沿う部分における亀裂の長さが、0μm以上50μm未満である、
請求項1又は2に記載の偏光板。 - 前記偏光子を挟む一対の前記光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、トリアセチルセルロースを含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板。 - ハードコート層をさらに備え、
前記光学フィルムが、前記ハードコート層と前記偏光子との間に位置する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光板。 - 前記偏光子を挟む一対の前記光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、環状オレフィンポリマーを含む、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光板。 - 前記偏光子を挟む一対の前記光学フィルムのうち少なくとも一方の光学フィルムが、ポリメタクリル酸メチルを含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光板。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の偏光板を含む、
画像表示装置。
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A02 | Decision of refusal |
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