JP2010197760A - 耐水性偏光膜の製造方法 - Google Patents

耐水性偏光膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも二色比が高く、亀裂の発生しない耐水性偏光膜の製造方法を提供する。
【解決手段】有機色素とポリビニルアルコール系ポリマーの混合物から得られる偏光膜を、(ア)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方と、(イ)テトラヒドロキシホウ酸アニオンとを含む耐水化処理液に接触させて耐水化処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水性偏光膜の製造方法に関する。
従来、スルホン酸イオンと1価陽イオンとが結合したスルホン酸塩基を有する有機色素を用いた偏光膜がある。このような偏光膜は、有機色素が水に溶解するため、耐水性に乏しい。そこで、上記のスルホン酸塩基の1価陽イオンを、水に不溶な多価陽イオンに置換して、水に不溶または難溶な耐水性偏光膜を得る方法が知られている(例えば特許文献1)。
しかし、従来法により得られる耐水性偏光膜は、二色比が小さく、かつ、表面に細かい亀裂(クラック)が生じるという問題がある。
特開平11−21538号公報
本発明の課題は、従来よりも二色比が高く、亀裂の発生しない耐水性偏光膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは、有機色素とポリビニルアルコール系ポリマーの混合物から得られる偏光膜を、
(ア)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方と、
(イ)テトラヒドロキシホウ酸アニオン
とを含む耐水化処理液に接触させて耐水化処理することにより、二色比が高く、亀裂の発生しない耐水性偏光膜が得られることを見出した。テトラヒドロキシホウ酸アニオンは、ホウ酸またはホウ酸塩由来のアニオンである。以下にその作用を説明する。
(a)ポリビニルアルコール系ポリマーの作用
有機色素にポリビニルアルコール系ポリマーを少量添加すると、有機色素の凝集や結晶化を抑制する作用がある。少量とは、偏光膜の総重量の20重量%以下の意味である。この作用の詳細なメカニズムはまだ解明されていない。偏光膜中に有機色素の凝集物や結晶があると、有機色素分子の配列方向を一方向にそろえるのが困難であるが、凝集物や結晶がなければ、有機色素分子の配列方向を一方向にそろえることが可能となる。これにより、有機色素分子の配向の度合いが高くなり、二色比の高い偏光膜が得られる。
(b)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの作用
有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンは、例えば、有機アミン塩酸塩および多価金属塩を、それぞれ水に溶解することで生成する。有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンは、有機色素のアニオン性基と結合して、有機色素を不溶化または難溶化する。
(c)テトラヒドロキシホウ酸アニオンの作用
テトラヒドロキシホウ酸アニオンは、例えば次式のように、ホウ酸を水に溶解することで生成する。
BO+HO ←→ H+B(OH)
生成したテトラヒドロキシホウ酸アニオンは、下記式(1)に示すように、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基と水素結合により架橋して(式(1)中の点線のボンド)、ポリビニルアルコールを不溶化または難溶化する。さらに、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基は、有機色素とも水素結合していると予想される。
Figure 2010197760
(d)テトラヒドロキシホウ酸アニオン/有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの相乗作用
有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンは、偏光膜中の有機色素を選択的に架橋する。また、テトラヒドロキシホウ酸アニオンは、偏光膜中のポリビニルアルコール系ポリマーを選択的に架橋する。その結果、
(ア)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方と、
(イ)テトラヒドロキシホウ酸アニオン
とを含む耐水化処理液を用いると、偏光膜が多湿環境下にさらされても、有機色素、ポリビニルアルコール系ポリマーのいずれの成分も溶出することがない。そのため、高い二色比を維持したまま、亀裂の発生しない耐水性偏光膜が得られる。
本発明の要旨は次のとおりである。
(1)本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、アニオン性基を2つ以上有する有機色素とポリビニルアルコール系ポリマーとを含む偏光膜の表面に、有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方とテトラヒドロキシホウ酸アニオンとを含む耐水化処理液を接触させて、耐水化処理をおこなう工程を含むことを特徴とする。
(2)本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、アニオン性基がスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、およびそれらの塩基のいずれかであることを特徴とする。
(3)本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、有機色素が下記一般式(2)で表わされるアゾ化合物であることを特徴とする。
Figure 2010197760
一般式(2)中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アセチル基、置換もしくは非置換のベンゾイル基、置換もしくは非置換のフェニル基を表わす。Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または−SOM基を表わす。Mは水素原子またはアルカリ金属原子を表わす。
(4)本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、耐水化処理液に含まれる有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの合計濃度が耐水化処理液の総重量の10重量%〜25重量%であり、テトラヒドロキシホウ酸アニオンの濃度が耐水化処理液の総重量の1重量%〜6重量%であることを特徴とする。
(5)本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、耐水化処理液の液温が5℃〜60℃であることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、二色比が高く、亀裂の発生しない耐水性偏光膜が得られる。
[耐水性偏光膜の製造方法]
本発明の耐水性偏光膜の製造方法は、アニオン性基を2つ以上有する有機色素と、ポリビニルアルコール系ポリマーとを含む偏光膜の表面に、
(ア)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方と、
(イ)テトラヒドロキシホウ酸アニオン
とを含む耐水化処理液を接触させて、耐水化処理をする工程を含むことを特徴とする。この工程を耐水化処理工程と言う。
本発明の製造方法は、上記の特徴を満足するものであれば、他に任意の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、耐水化処理後、付着した耐水化処理液を洗浄する工程や、偏光膜を乾燥する工程などがある。
[耐水化処理前の偏光膜]
本発明に用いられる耐水化処理前の偏光膜は、アニオン性基を2つ以上有する有機色素と、ポリビニルアルコール系ポリマーとを含む。このような偏光膜は、上記の有機色素とポリビニルアルコール系ポリマーと溶媒とを含むコーティング液を、流延し、有機色素を配向させて得ることができる。
上記の偏光膜の有機色素の含有量は、偏光膜の総重量の、好ましくは、80重量%以上、100重量%未満である。ポリビニルアルコール系ポリマーの含有量は、偏光膜の総重量の、好ましくは0重量%を超え20重量%以下であり、より好ましくは0重量%を超え10重量%以下である。上記の偏光膜は、任意の添加剤や他の有機色素を含有していてもよい。そのような添加剤としては界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などが挙げられる。
[有機色素]
本発明に用いられる有機色素は、分子構造中に、アニオン性基を2つ以上有するものである。上記のアニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、およびそれらの塩基などが挙げられる。有機色素が有するアニオン性基の個数(置換数)は、2〜4が好ましい。
このような有機色素は、耐水化処理液を接触させる前(耐水化処理前)は、アニオン性基が親水性溶媒に対する溶解性を付与する置換基として作用するので、コーティング液を調整しやすい。
一方、耐水化処理液を接触させて耐水化処理をおこなった後は、アニオン性基が有機アミンカチオンや多価金属カチオンとの架橋点として作用するので、優れた耐水性を示すようになる。これにより格段に耐水性の高い耐水性偏光膜を得ることができる。
上記の有機色素としては、例えば、特開2007−126628号公報、特開2006−323377号公報などに記載されている有機色素が使用できる。これらの公報に記載された有機色素は、溶液状態では液晶性(リオトロピック液晶性)を示し、液晶状態の有機色素に剪断応力を加えると、流動により配向させることができる。上記の有機色素は、溶液中で超分子会合体を形成しており、これを含む溶液に剪断応力を加えて流動させると、超分子会合体の長軸方向が流動方向に配向する。
上記の有機色素はアゾ化合物が好ましく、下記一般式(2)で表わされるアゾ化合物がさらに好ましい。このようなアゾ化合物は、溶媒に溶解した状態で安定な液晶相(リオトロピック液晶性)を示し、配向性に優れる。
Figure 2010197760
上記の一般式(2)中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アセチル基、置換もしくは非置換のベンゾイル基、置換もしくは非置換のフェニル基を表わす。Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または−SOM基を表わす。Mは対イオンであり、水素原子またはアルカリ金属原子である。
上記の一般式(2)で表わされるアゾ化合物は、例えば、アニリン誘導体とナフタレンスルホン酸誘導体とを、常法によりジアゾ化およびカップリング反応させ、モノアゾ化合物とした後、さらにジアゾ化し、アミノナフトールジスルホン酸誘導体とカップリング反応させて、得ることができる。
[ポリビニルアルコール系ポリマー]
本発明に用いられるポリビニルアルコール系ポリマーは、任意のものが用いられる。上記のポリビニルアルコール系ポリマーは、直鎖状ポリマーであってもよいし、枝分かれポリマーであってもよい。また、ホモポリマーであってもよいし、2種類以上の単位ポリマーから重合されたコポリマー(共重合体)であってもよい。
ホモポリマーの代表例としては、ポリビニルアルコール、コポリマーの代表例としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
上記のポリビニルアルコール系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、1,000〜500,000である。
上記のポリビニルアルコール系ポリマーは、好ましくはポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールは、代表的には、ポリ酢酸ビニル樹脂を鹸化することによって得られる。ポリビニルアルコールの鹸化度は、好ましくは、85モル%〜100モル%である。
[耐水化処理]
本発明に用いられる耐水化処理は、偏光膜の表面に、
(ア)有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方と、
(イ)テトラヒドロキシホウ酸アニオン
とを含む耐水化処理液を接触させる処理である。
上記のテトラヒドロキシホウ酸アニオンは、ホウ酸またはホウ酸塩を水に溶解して得ることができる。上記のホウ酸塩としては、例えば、メタホウ酸リチウムや四ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記の有機アミンカチオンは、好ましくは、炭素数1〜6のアルキルジアミンカチオン、例えば、1,4−ブタンジアミンカチオンや、1,6−ヘキサンジアミンカチオンである。有機アミンカチオンは、有機アミン塩酸塩を水に溶解して得ることができる。
上記の多価金属カチオンは、多価金属塩を水に溶解して得ることができる。なお、テトラヒドロキシホウ酸アニオンと共存させるカチオンは、有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンのいずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。
耐水化処理液に含まれるテトラヒドロキシホウ酸アニオンの濃度は、耐水化処理液の総重量の、好ましくは、1重量%〜6重量%である。
耐水化処理液に含まれる有機アミンカチオンまたは多価金属カチオンの濃度(両方含まれる場合は合計の濃度)は、耐水化処理液の総重量の、好ましくは、10重量%〜25重量%である。
テトラヒドロキシホウ酸アニオン、有機アミンカチオン、多価金属カチオンの濃度が高すぎると、偏光膜中に取り込まれない過剰な溶解物が耐水性偏光膜の表面に析出する場合があり、低すぎると耐水化の効果が小さくなる場合がある。
耐水化処理液の液温は、好ましくは、5℃〜60℃である。液温が高すぎたり、低すぎたりすると、耐水性偏光膜が白濁する場合がある。
耐水化処理液は、好ましくは、ホウ酸と塩化バリウムとを含む水溶液である。ホウ酸と塩化バリウムの水溶液は、中性あるいは弱酸性であるため、塗布コータを腐食する心配がない。また、工業的に入手しやすい。
耐水化処理液を偏光膜の表面に接触させる手段(接触手段)は、特に制限はなく、例えば、偏光膜を耐水化処理液中に浸漬してもよいし、偏光膜の表面に耐水化処理液を塗布してもよい。
[耐水性偏光膜]
本発明において、耐水性偏光膜は、偏光膜を上述のように耐水化処理することによって得られる。耐水性偏光膜が、上記の一般式(2)で表わされるアゾ化合物を含む場合、式中の対イオンMは、その一部または全部が有機アミンカチオンまたは多価金属カチオンである。
本発明により得られる耐水性偏光膜は、可視光領域(波長380nm〜780nm)の少なくとも一波長で、吸収二色性を示す。本発明により得られる耐水性偏光膜の厚みは、好ましくは、0.1μm〜5μmである。本発明により得られる耐水性偏光膜の二色比は、好ましくは、20以上である。
[実施例1]
4−ニトロアニリンと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とを常法により、ジアゾ化およびカップリング反応させて、モノアゾ化合物を得た。(常法については、細田豊著「理論製造 染料化学 第5版」昭和43年7月15日技報堂発行、135頁〜152頁を参照。)得られたモノアゾ化合物を、同様に常法によりジアゾ化し、さらに1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸リチウム塩とカップリング反応させて、下記構造式(3)のアゾ化合物を含む粗生成物を得、これを塩化リチウムで塩析することにより、下記構造式(3)のアゾ化合物を得た。
Figure 2010197760
上記の構造式(3)のアゾ化合物100重量部と、ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−117、重量平均分子量75,000)0.5重量部とをイオン交換水に溶解し、上記のアゾ化合物の濃度が20重量%のコーティング液を調製した。このコーティング液はネマチック液晶相を示した。
このコーティング液を、ラビング処理の施されたオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製ゼオノア)の表面に、バーコータ(BUSHMAN社製Mayer rot HS4)を用いて塗布し、23℃の恒温室内で自然乾燥させて、オレフィン系樹脂フィルム上に、厚み0.4μmの偏光膜(耐水化処理前)を形成した。
次に、この偏光膜を、1,4−ブタンジアミン塩酸塩(東京化成社製)を10重量%と、ホウ酸(WAKO社製)を3重量%含む耐水化処理液(液温15℃)に1分間浸漬して耐水化処理を施し、水洗した後、23℃の恒温室内で自然乾燥させて、耐水性偏光膜を作製した。得られた耐水性偏光膜の特性を表1に示す。この耐水性偏光膜を、60℃、90%RHの恒温恒湿室内に500時間放置しても、二色比の変化は1%未満であり、耐久性に優れていることが分かった。
[実施例2]
1,4−ブタンジアミン塩酸塩に代えて、塩化バリウム(東京化成社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして耐水性偏光膜を作製した。得られた耐水性偏光膜の特性を表1に示す。
[比較例1]
ホウ酸を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして耐水性偏光膜を作製した。得られた耐水性偏光膜の特性を表1に示す。
[比較例2]
1,4−ブタンジアミン塩酸塩を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を作製した。得られた偏光膜の特性を表1に示す。
[比較例3]
ポリビニルアルコールを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を作製した。得られた偏光膜の特性を表1に示す。
Figure 2010197760
[測定方法]
[厚みの測定]
偏光膜の一部を剥離し、三次元非接触表面形状計測システム(菱化システム社製Micromap MM5200)を用いて段差を計測し、偏光膜の厚みを求めた。
[液晶相の観察]
各種濃度の水溶液のサンプルを複数準備し、2枚のスライドガラスに水溶液を少量挟み込み、偏光顕微鏡(オリンパス社製OPTIPHOT−POL)を用いて、液晶相を観察した。
[耐水性の評価]
偏光膜のサンプルを、耐水化処理液に浸漬した際に、偏光膜が維持されるか、あるいは溶解するかを目視観察した。
[二色比の評価]
グラントムソン偏光子を備えた分光光度計(日本分光社製U−4100)を用いて、直線偏光の測定光を入射させ、視感度補正したY値のkおよびkを求め、下式により算出した。
二色比=log(1/k)/log(1/k
ここで、kは最大透過率方向の直線偏光の透過率を表わし、kは最大透過率方向に直交する方向の直線偏光の透過率を表わす。
[亀裂の評価]
偏光顕微鏡(オリンパス社製OPTIPHOT−POL)を用いて、倍率100倍で、亀裂の有無を観察した。
本発明により得られる耐水性偏光膜は、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジなどの液晶パネルに好適に用いられる。

Claims (5)

  1. アニオン性基を2つ以上有する有機色素とポリビニルアルコール系ポリマーとを含む偏光膜の表面に、有機アミンカチオンおよび多価金属カチオンの少なくとも一方とテトラヒドロキシホウ酸アニオンとを含む耐水化処理液を接触させて、耐水化処理をおこなう工程を含むことを特徴とする耐水性偏光膜の製造方法。
  2. 前記アニオン性基がスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、およびそれらの塩基のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の耐水性偏光膜の製造方法。
  3. 前記有機色素が下記一般式(2)で表わされるアゾ化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐水性偏光膜の製造方法。
    Figure 2010197760
    (一般式(2)中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アセチル基、置換もしくは非置換のベンゾイル基、置換もしくは非置換のフェニル基を表わし、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または−SOM基を表わし、Mは水素原子またはアルカリ金属原子を表わす。)
  4. 前記耐水化処理液に含まれる前記有機アミンカチオンおよび前記多価金属カチオンの合計濃度が前記耐水化処理液の総重量の10重量%〜25重量%であり、前記テトラヒドロキシホウ酸アニオンの濃度が前記耐水化処理液の総重量の1重量%〜6重量%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の耐水性偏光膜の製造方法。
  5. 前記耐水化処理液の液温が5℃〜60℃であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の耐水性偏光膜の製造方法。
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