JP5428091B2 - 偏光子、偏光子の製造方法、及び画像表示装置 - Google Patents

偏光子、偏光子の製造方法、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、新規なジスアゾ化合物を用いた偏光子などに関する。
偏光子は、偏光又は自然光から特定の直線偏光を透過させる機能を有する光学部材である。偏光子は、例えば、液晶表示装置の構成部材や、偏光サングラスのレンズなどに使用されている。
汎用的な偏光子は、例えば、ヨウ素で染色したポリビニルアルコールフィルムを延伸することにより得られる。
また、リオトロピック液晶性化合物を含む溶液を基材上に塗工する方法(溶液流延法)により得られる偏光子も知られている。
例えば、特許文献1には、特定構造のジスアゾ化合物を含む溶液を、基材上に塗工することにより得られた偏光子が開示されている。該特定構造のジスアゾ化合物として、下記式(4−1)で表されるジスアゾ化合物が用いられている。このジスアゾ化合物は、リオトロピック液晶相を示し、溶液中において、会合体を形成し得る。
Figure 0005428091
特開2007−126628号公報
上記式(4−1)で表されるジスアゾ化合物を用いて、溶液流延法によって偏光子を作製するとき、該ジスアゾ化合物が結晶となって析出し易い。このため、得られた偏光子は、ヘイズが大きいため、比較的高い二色比を有しない。
本発明の目的は、比較的高い二色比を有する偏光子を提供することである。
本発明の他の目的は、比較的二色比の高い偏光子を簡易に製造できる偏光子の製造方法を提供することである。
本発明の偏光子は、下記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物を含む
Figure 0005428091
上記一般式(I)において、Qは、下記式群の中から選ばれる1つであり、
Figure 0005428091
は、下記式で表されるナフチレン基のいずれか一方であり、
Figure 0005428091
Mは、対イオンを表し、Rは、水素原子、メチル基、又はアセチル基を表す。
本発明の偏光子に含まれるジスアゾ化合物においては、ナフチル基に結合した各置換基のそれぞれの配置が特徴である。のジスアゾ化合物を用いれば、透明性に優れ、二色比の高い偏光子を得ることができる。その理由は、次のように推定される。
上記ジスアゾ化合物は、NHR基とOH基が隣接している(4位と5位にそれぞれ結合している)ので、NHR基とOH基が水素結合する。このため、ジスアゾ化合物の平面構造が安定化し易い。さらに、OH基とアゾ基がヒドラゾン構造(Q−NH−N=Naphthyl)を形成し易いため、前記ジスアゾ化合物の平面構造がより安定化する。さらに、それぞれ電子供与性基であるOH基及びNHR基が、電子吸引性基である各SOM基に対して、ナフチル基を挟んで短軸方向反対側に位置している。このため、前記ジスアゾ化合物は、分子の短軸方向における双極子モーメントが高い。かかるジスアゾ化合物は、溶液中において良好に配向し、安定的な会合体を形成し得る。このような性質を有するジスアゾ化合物を用いれば、透明性に優れ、二色比の高い偏光子を得ることができる。
本発明の好ましい偏光子は、二色比が25以上である
本発明の別の局面によれば、偏光子の製造方法を提供する。
本発明の偏光子の製造方法は、上記ジスアゾ化合物と水系溶媒とを含む塗工液を、基材上に塗工する工程を有する。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置を提供する。
本発明の画像表示装置は、その構成部材として、上記偏光子を有する。
本発明の偏光子に含まれるジスアゾ化合物は、溶液中において、良好に配向し、安定的な会合体を形成し得る。このため、のジスアゾ化合物を用いれば、透明性に優れ、二色比の高い偏光子を得ることができる
また、本発明の偏光子は、比較的二色比が高い。かかる偏光子は、例えば、画像表示装置の構成部材として好適である。
さらに、本発明の偏光子の製造方法によれば、溶液流延法により、比較的二色比の高い偏光子を簡易に製造できる。
1つの実施形態に係る偏光子を示す部分断面図。 1つの実施形態に係る偏光板を示す部分断面図。
(ジスアゾ化合物)
本発明のジスアゾ化合物は、下記一般式(I)で表される。本発明の偏光子は、下記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物を含む。
なお、本明細書において、「Y〜Z」という表示は、「Y以上Z以下」を意味する。
Figure 0005428091
一般式(I)において、Qは、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Qは、置換若しくは無置換のアリーレン基を表し、Mは、対イオンを表し、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアセチル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又は下記一般式(II)で表される基を表す。ただし、前記置換若しくは無置換のアリール基は、隣接しない炭素原子の一部が窒素原子に置換されているアリール基を含む。前記隣接しない炭素原子が窒素原子に置換されているアリール基としては、ピリジン環、ピリミジン環などが挙げられる。
Figure 0005428091
一般式(II)において、Xは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、メタクリル基又はアクリル基を表す。ただし、前記炭素数1〜18のアルキル基は、隣接しない炭素原子の一部が酸素原子に置換されているアルキル基を含む。前記隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されている炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキルエーテル基などが挙げられる。
なお、本明細書において、「置換若しくは無置換」とは、「置換基を有する、又は、置換基を有しない」ことを意味する。
上記一般式(I)のQで表されるアリール基は、フェニル基(隣接しない炭素原子が窒素原子に置換されているフェニル基を含む)、ナフチル基などのようなベンゼン環が2以上縮合した縮合環基、複素環が結合したフェニル基(隣接しない炭素原子が窒素原子に置換されているフェニル基を含む)などが挙げられる。
で表されるアリール基は、置換基を有していてもよいし、又は、置換基を有していなくてもよい。前記アリール基が置換又は無置換のいずれの場合でも、ジスアゾ化合物は、溶媒溶解性を有し、さらに、配向性に優れている。
前記アリール基が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のフェニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アセトアミド基、−SOM基、−COOM基、又は−OM基などが挙げられる。前記置換基が複数の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。また、置換基は、任意の比率で置換されていてもよい。
好ましくは、一般式(I)のQは、下記式群の中から選ばれる1つである。
Figure 0005428091
より好ましくは、一般式(I)のQは、置換基を有するフェニル基であり、特に好ましくは下記式群の中から選ばれる1つである。
Figure 0005428091
一般式(I)のQで表されるアリーレン基は、フェニレン基、ナフチレン基などのようなベンゼン環が2以上縮合した縮合環基が挙げられる。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよいし、又は、置換基を有していなくてもよい。前記アリーレン基が、置換又は無置換のいずれの場合でも、ジスアゾ化合物は、溶媒溶解性を有し、さらに、配向性に優れている。前記アリーレン基が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のフェニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、−SOM基、−COOM基、又は−OM基などが挙げられる。好ましくは、前記置換基は、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、−OM基、−COOM基、及び−SOM基から選ばれる1つである。ただし、Mは、一般式(I)と同様に、対イオンを表す。この好ましい置換基を有するジスアゾ化合物は、溶媒溶解性に優れている。前記置換基が複数の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。また、置換基は、任意の比率で置換されていてもよい。
上記Qは、好ましくは置換若しくは無置換のナフチレン基であり、より好ましくは、置換基を有するナフチレン基である。このようなQは、例えば、下記式(III)から(V)からなる群から選ばれる1つである。
Figure 0005428091
式(III)から(V)において、各Aは、それぞれ置換基を表し、各aは、その置換数を表す。前記Aは、独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のフェニルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、−SOM基、−COOM基、又は−OM基などが挙げられる。1〜6のアシルアミノ基、ジヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲノ基、アニオン性基などが挙げられる。アニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基及びこれらの塩基などが挙げられる。前記Aは、好ましくはアニオン性基又は水酸基であり、より好ましくは水酸基、スルホン酸基又はこれらの塩基である。前記aは、0〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1又は2である。前記aが2以上である場合、各Aは、独立して、同一又は異なる。前記aが2以上である場合(すなわち、Aが2以上置換されている場合)、1つ又は2つのAが水酸基で、残るAがスルホン酸基又はその塩基であることが好ましい。
なお、上記式(III)から(V)において、Aは、ナフチレン環の炭素原子に結合しているが、その結合位置は任意である。これらの結合位置が前記のように任意であることを表すため、式(III)から(V)において、置換基Aからの直線の一端部がナフチレン環の中央部にまで記載されている。
前記Qは、さらに好ましくは置換若しくは無置換の1,4−ナフチレン基であり、特に好ましくは置換基を有する1,4−ナフチレン基である。前記一般式(I)のQは、2つのアゾ基の間に結合している。このQが1,4−ナフチレン基であるジスアゾ化合物は、2つのアゾ基の間において屈曲しない分子構造となるため、直線性に優れている。このため、Qが1,4−ナフチレン基であるジスアゾ化合物は、溶液中において、特に良好な会合体を形成し得る。
が1,4−ナフチレン基である場合、Qは、好ましくは下記式(VI)で表され、より好ましくは下記式(VII)又は式(VIII)で表されるナフチレン基の何れか一方である。式(VII)又は式(VIII)で表されるナフチレン基は、ジスアゾ化合物の短軸方向の双極子モーメントを高める作用があるため、溶液中において、ジスアゾ化合物が、良好に配向し、安定的な会合体を形成し得る。
Figure 0005428091
前記式(VI)から(VIII)において、Mは、上記一般式(I)と同様に、対イオンを表す。式(VI)のlは、1〜5の整数を表す。前記lは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1又は2である。
上記一般式(I)のRが、置換若しくは無置換のアルキル基である場合、該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜4である。前記Rが、置換のアルキル基である場合、その置換基としては、−OM基、−SOM基、−COOM基、フェニル基、フッ素などのハロゲノ基、グリシジル基、アミノ基、ニトロ基などが挙げられる。前記アルキル基は、これら置換基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。前記Mは、式(I)と同様に、対イオンを表す。また、一般式(I)のRが、置換のアセチル基、置換のベンゾイル基、又は置換のフェニル基である場合、それらの置換基としては、前記アルキル基の置換基と同様なものが挙げられる。
前記Rは、好ましくは水素原子、メチル基又はアセチル基(−COCH)であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(II)のXが、炭素数1〜18のアルキル基である場合、該アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状でもよいが、好ましくは直鎖状である。前記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜4である。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基 、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
前記Xが、置換の炭素数1〜18のアルキル基である場合、その置換基としては、−OM基、−SOM基、−COOM基、フェニル基、フッ素などのハロゲノ基、グリシジル基、アミノ基、ニトロ基などが挙げられる。前記アルキル基は、これら置換基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。前記Mは、対イオンを表す。式(II)のXは、好ましくは水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、メタクリル基又はアクリル基である。
前記各式のM(対イオン)はそれぞれ、好ましくは、水素原子;Li、Na、K、Csなどのアルカリ金属原子;Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属原子;金属イオン;アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩;有機アミンの塩などが挙げられる。前記金属イオンとしては、例えば、Ni2+、Fe3+、Cu2+、Ag、Zn2+、Al3+、Pd2+、Cd2+、Sn2+、Co2+、Mn2+、Ce3+などが挙げられる。有機アミンとしては、炭素数1〜6のアルキルアミン、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜6のアルキルアミン、カルボキシル基を有する炭素数1〜6のアルキルアミンなどが挙げられる。上記Mで表される対イオンは、1種単独で、又は2種以上混在していてもよい。
上記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物は、例えば、細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日技報堂発行、135頁〜152頁)に従って合成できる。
置換基を有するアニリン誘導体をジアゾニウム塩化し、これをアミノナフタレンスルホン酸誘導体とカップリング反応させることによって、モノアゾ化合物を得る。このモノアゾ化合物をジアゾニウム塩化した後、4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸と弱アルカリ性下でカップリング反応させることによって、一般式(I)で表されるジスアゾ化合物を合成できる。
上記式(I)で表されるジスアゾ化合物は、適当な溶媒に溶解させることにより液晶相を示し得る、リオトロピック液晶性化合物である。従って、該ジスアゾ化合物を含む塗工液を基材上に流延することによって、ジスアゾ化合物が所定方向に配向する。
なお、リオトロピック液晶性化合物とは、溶媒に溶解させた溶液状態で、溶液の温度や濃度などを変化させることにより、等方相−液晶相の相転移を起こす性質(リオトロピック液晶性)を有する化合物を意味する。
前記一般式(I)のジスアゾ化合物は、ナフチル基の4位にNHR基が結合し、前記ナフチル基の5位にOH基が結合し、前記ナフチル基の2位及び7位にSOM基がそれぞれ結合している。ただし、前記結合位置番号は、アゾ基の結合位置をナフチル基の6位とした場合を基準とする。
上記ジスアゾ化合物は、NHR基とOH基が隣接している(4位と5位にそれぞれ結合している)ので、NHR基とOH基が水素結合する。このため、前記ジスアゾ化合物の平面構造が安定化し易い。さらに、OH基とアゾ基がヒドラゾン構造(Q−NH−N=Naphthyl)を形成し易いため、前記ジスアゾ化合物の平面構造がより安定化する。
さらに、それぞれ電子供与性基であるOH基及びNHR基が、電子吸引性基である各SOM基に対して、ナフチル基を挟んで短軸方向反対側に位置している。このため、前記ジスアゾ化合物は、分子の短軸方向における双極子モーメントが高い。かかるジスアゾ化合物は、溶液中において良好に配向し、安定的な会合体を形成し得る。
従来のジスアゾ化合物(上記式(4−1)に示されるジスアゾ化合物)は、NH基がナフチル基の3位に結合しているので、NH基とOH基が水素結合せず、さらに、分子の短軸方向における双極子モーメントも低い。このため、従来のジスアゾ化合物は、本発明のジスアゾ化合物に比して、配向性が低い。
本発明のジスアゾ化合物を用いれば、透明性に優れ、二色比の高い偏光子を得ることができる。
(本発明の偏光子)
本発明の偏光子は、上記式(I)で表されるジスアゾ化合物を含む。
なお、本発明の偏光子には、本発明の効果を損なわない範囲で、ジスアゾ化合物以外の成分(ポリマー、他の有機色素及び/又は添加剤など)が含まれていてもよい。
本発明の偏光子中にジスアゾ化合物以外の成分を含む場合、偏光子中における前記成分の含有量は、一般には、0を超え50質量%以下である。
本発明の偏光子は、前記ジスアゾ化合物の超分子会合体が所定方向に配向しているため、波長380nm〜780nmの間の少なくとも一部で吸収二色性を示す。
また、本発明の偏光子は、従来のジスアゾ化合物で形成された偏光子と同様に、耐熱性も良好である。
本発明の偏光子の二色比は、好ましくは20を超え、より好ましくは25以上であり、特に好ましくは30以上である。
ただし、前記二色比は、下記実施例に記載の方法に従って測定できる。
前記偏光子の偏光度は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは98%以上であり、特に好ましくは99%以上である。
ただし、前記偏光度は、下記実施例の二色比の測定方法と同様にしてk及びkを測定し、これを下記式に代入して求めることができる。
式:偏光度=(k−k)/(k+k
なお、kは、最大透過率方向の直線偏光の透過率を表し、kは、最大透過率方向に直交する方向の直線偏光の透過率を表す。
前記偏光子の透過率(T[550])は、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。ただし、前記透過率は、例えば、分光光度計(日本分光株式会社製、製品名「V−7100」)を用いて測定できる。
前記偏光子の厚みは、特に限定されない。本発明の偏光子は、後述するように溶液流延法によって形成できるので、より薄く形成できる。具体的には、偏光子の厚みは、好ましくは0.05μm〜5μmであり、より好ましくは0.1μm〜1.0μmである。
(本発明の偏光子の製造方法)
本発明の偏光子は、例えば、前記ジスアゾ化合物を含む塗工液を適当な基材上に薄膜状に塗工し、乾燥することによって得られる。
本発明の偏光子は、好ましくは下記工程A及び工程Bを経て製造でき、必要に応じて、工程Bの後、下記工程Cを行ってもよい。
工程A:前記ジスアゾ化合物を含む塗工液を、基材上に塗工し、塗膜を形成する工程。
工程B:前記塗膜を乾燥する工程。
工程C:工程Bで乾燥させた塗膜の表面に、耐水化処理を施す工程。
前記基材は、塗工液を塗工する面側に配向規制力が付与されていてもよい。
<工程A>
工程Aは、上記塗工液を、基材上に塗工し、塗膜を形成する工程である。
本発明の塗工液は、前記一般式(I)又は(II)で表されるジスアゾ化合物と、前記ジスアゾ化合物を溶解させる溶媒と、を含む。
溶媒に、前記式(I)で表されるジスアゾ化合物及び前記式(II)で表されるジスアゾ化合物から選ばれる少なくとも1種を溶解させる。
前記溶媒は、特に限定されず、従来公知の溶媒を用いることができるが、水系溶媒が好ましい。水系溶媒は、水、親水性溶媒、及び、水と親水性溶媒の混合溶媒を含む。前記親水性溶媒は、水と略均一に溶解させることができる溶媒である。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、メチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;などが挙げられる。前記水系溶媒は、好ましくは、水、又は、水と親水性溶媒の混合溶媒が用いられる。
前記ジスアゾ化合物は、−SOM基などを有するので、水に可溶であり、特に前記水系溶媒に対する溶解性に優れている。
上記塗工液は、液温やジスアゾ化合物の濃度などを変化させることにより、液晶相を示す。
この液晶相は、ジスアゾ化合物が液中で超分子会合体を形成することによって発現する。液晶相は、特に限定されず、ネマチック液晶相、ミドル相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相、又はヘキサゴナル液晶相等が挙げられる。液晶相は、偏光顕微鏡で観察される光学模様によって、確認、識別できる。
前記塗工液中におけるジスアゾ化合物の濃度は、0.05質量%〜50質量%であり、好ましくは0.5質量%〜40質量%であり、より好ましくは2質量%〜30質量%である。本発明のジスアゾ化合物は、通常、前記濃度範囲において液晶相を示す。
塗工液の調製方法は、特に限定されず、例えば、溶媒を入れた容器にジスアゾ化合物を加えてもよいし、或いは、ジスアゾ化合物を入れた容器に溶媒を加えてもよい。
また、塗工液は、適切なpHに調整される。塗工液のpHは、好ましくはpH2〜10程度、より好ましくはpH6〜8程度である。
さらに、塗工液の温度は、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃に調整される。
さらに、上記塗工液には、添加剤が添加されていてもよい。該添加剤としては、例えば、相溶化剤、界面活性剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、増粘剤などが挙げられる。塗工液中における添加剤の濃度は、好ましくは0を超え10質量%以下である。
基材は、塗工液を均一に展開するために用いられる。この目的に適していれば基材の種類は特に限定されず、例えば、ポリマーフィルム(フィルムとは、一般にシートと呼ばれているものを含む)、ガラス板などを用いることができる。また、基材として、金属ドラムを用いてもよい。好ましい実施形態においては、前記基材として、ポリマーフィルムが用いられる。好ましい他の実施形態においては、前記基材として、配向基材が用いられる。前記配向基材は、少なくとも表面に配向規制力を有する基材である。前記配向基材の表面に塗工液を塗工することにより、ジスアゾ化合物を容易に配向させることができる。
上記ポリマーフィルムとしては、特に限定されないが、透明性に優れているフィルム(例えば、ヘイズ値3%以下)が好ましい。
上記ポリマーフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系;ポリカーボネート系;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系などが挙げられる。前記ジスアゾ化合物を良好に配向させるためには、オレフィン系フィルムを用いることが好ましく、さらに、ノルボルネン系フィルムを用いることがより好ましい。前記ノルボルネン系フィルムとしては、例えば、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオノア」が挙げられる。
前記配向基材は、基材(例えばポリマーフィルム)の表面又は前記基材上に形成された表面層に配向規制力を付与することによって得られる。
前記配向規制力を付与する方法は、特に限定されない。前記方法としては、前記基材の表面にラビング処理を施す方法、前記基材上にポリイミドなどの表面層を形成し、この表面層にラビング処理を施す方法、前記基材上に光反応(光異性化、光二量化又は光分解など)を起こす化合物を含む表面層を形成し、前記表面層に光照射を行うことによって表面層に方向性を付与する方法、などが挙げられる。
また、前記基材の表面(前記塗工液を塗工する面)に、コロナ処理のような親水化処理を施してもよい。
上記基材の厚みは、強度等に応じて適宜に設計し得る。薄型軽量化の観点から、基材の厚みは、好ましくは300μm以下、より好ましくは5μm〜200μm、特に好ましくは10μm〜100μmである。
前記塗工液を基材の一面に塗工する方法としては、適切なコータを用いた塗工方法が採用され得る。該コータとしては、例えば、バーコータ、リバースロールコータ、正回転ロールコータ、グラビアコータ、ロッドコータ、スロットダイコータ、スロットオリフィスコータ、カーテンコータ、ファウンテンコータなどが挙げられる。
液晶相状態の塗工液を基材上に塗工すると、塗工液の流動過程でジスアゾ化合物の超分子会合体に剪断応力が加わる。よって、ジスアゾ化合物の超分子会合体が所定方向に配向した塗膜を基材上に形成できる。また、基材が配向基材である場合、その方向性に従ってジスアゾ化合物が配向する。従って、配向基材を用いる場合、非液晶状態の塗工液を塗工してもよい。つまり、配向基材の使用は、液晶相を示さない状態の塗工液の使用を可能にする。配向基材の表面に、非液晶状態又は液晶状態の塗工液を塗工することによって、ジスアゾ化合物の超分子会合体が所定方向に配向した塗膜を基材上に形成できる。
なお、ジスアゾ化合物の配向を高めるため、必要に応じて、前記塗膜を形成した後、磁場又は電場などを印加してもよい。
<工程B>
工程Bは、前記塗膜を乾燥する工程である。
基材上に、塗工液を塗工して塗膜を形成した後、これを乾燥する。
乾燥は、自然乾燥、強制的な乾燥などで実施できる。強制的な乾燥としては、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。好ましくは、自然乾燥である。
乾燥時間は、乾燥温度や溶媒の種類によって、適宜、選択され得る。例えば、自然乾燥の場合には、乾燥時間は、好ましくは1秒〜120分であり、より好ましくは10秒〜5分である。
上記乾燥過程で、塗膜の濃度が上昇し、塗膜中において配向したジスアゾ化合物が固定される。塗膜中のジスアゾ化合物の配向が固定されることによって、偏光子の特性である、吸収二色性を生じる。得られた乾燥塗膜は、偏光子として使用できる。
得られた乾燥塗膜の厚みは、好ましくは0.05μm〜5μmである。
<工程C>
工程Cは、前記乾燥塗膜の表面(基材の接合面と反対面)に、耐水性を付与する工程である。
具体的には、上記工程Bで形成された乾燥塗膜の表面に、アルミニウム塩、バリウム塩、鉛塩、クロム塩、ストロンチウム塩、セリウム塩、ランタン塩、サマリウム塩、イットリウム塩、銅塩、鉄塩、及び分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物塩を含む溶液を接触させる。
工程Cを行うことにより、前記化合物塩を含む層が前記乾燥塗膜の表面に形成される。かかる層を形成することにより、乾燥塗膜の表面を水に対して不溶化又は難溶化させることができる。よって、乾燥塗膜(偏光子)に、耐水性を付与できる。
なお、必要に応じて、得られた偏光子の表面を水又は洗浄液で洗浄してもよい。
本発明の偏光子の製造方法は、上記工程A、B及びC以外の工程を有していてもよい。
(本発明の偏光子の用途)
上記塗工液を基材上に塗工することによって得られた偏光子1は、図1に示すように、基材2上に積層されている。
本発明の偏光子1は、通常、基材2上に積層された状態で使用される。もっとも、前記偏光子1は、上記基材2から剥離して使用することもできる。
本発明の偏光子1には、さらに、他の光学フィルムを積層してもよい。他の光学フィルムとしては、保護フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。本発明の偏光子に、保護フィルム及び/又は位相差フィルムを積層することにより、偏光板を構成できる。
図2に、本発明の偏光子1に保護フィルム3が積層された偏光板5を示す。この偏光板5は、基材2と、前記基材2上に積層された偏光子1と、前記偏光子1上に積層された保護フィルム3と、を有する。基材2は、偏光子1を保護する機能を有する。このため、前記偏光板5は、偏光子1の一方の面にのみ保護フィルム3が積層されている。
また、特に図示しないが、この偏光板5には、位相差フィルムなどの他の光学フィルムが積層されていてもよい。
偏光子に他の光学フィルムを積層する場合、実用的には、これらの間には任意の適切な接着層が設けられる。接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤等が挙げられる。
本発明の偏光子の用途は、特に限定されない。本発明の偏光子は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置などの画像表示装置の構成部材として使用できる。
前記画像表示装置が液晶表示装置の場合、その好ましい用途は、テレビ、携帯機器、ビデオカメラなどである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
[液晶相の観察]
2枚のスライドガラスの間に水溶液を少量挟み込み、偏光顕微鏡(オリンパス(株)製、製品名「OPTIPHOT−POL」)を用いて、23℃下で液晶相を観察した。
[偏光子の厚みの測定方法]
偏光子の厚みは、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に形成された偏光子の一部を剥離し、3次元非接触表面形状計測システム((株)菱化システム製、製品名「Micromap MM5200」)を用い、前記フィルムと偏光子の段差を測定した。
[偏光子の二色比の測定方法]
グラントムソン偏光子を備える分光光度計(日本分光(株)製、製品名「V−7100」)を用いて、測定対象の偏光子に直線偏光を入射させ、視感度補正を行ったY値のk及びkを測定した。このk及びkを下記式に代入して、二色比を求めた。
式:二色比=log(1/k)/log(1/k
なお、前記kは、最大透過率方向の直線偏光の透過率を表し、kは、最大透過率方向に直交する方向の直線偏光の透過率を表す。
[実施例1]
4−ニトロアニリン(1当量)を、下記文献に記載の方法に従って、亜硝酸ナトリウム(1当量)及び塩酸(5当量)を用いてジアゾニウム塩化し、弱酸性冷水溶液中にて、これを5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1当量)とカップリング反応させることによって、モノアゾ化合物を得た。このモノアゾ化合物(1当量)を、亜硝酸ナトリウム(1当量)及び塩酸(2.5当量)を用いてジアゾニウム塩化し、弱塩基性冷水溶液中にて、これを4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸(0.95当量)とカップリング反応させることによって、ジスアゾ化合物を得た。このジスアゾ化合物のスルホン酸塩をリチウム塩へ変換するため、ジスアゾ化合物を塩化リチウムで塩析することによって、下記式(1)で表されるジスアゾ化合物を得た。
文献:細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日技報堂発行の135頁〜152頁)。
Figure 0005428091
上記式(1)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示した。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、ラビング処理及びコロナ処理が施されたノルボルネン系ポリマーフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア」)の前記処理面上に、バーコータ(BUSHMAN社製、製品名「Mayer rot HS4」)を用いて塗工し、室温下で1分間自然乾燥した。乾燥後の塗膜が、偏光子である。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
[実施例2]
上記5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸に代えて、8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、下記式(2)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(2)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[実施例3]
上記4−ニトロアニリンに代えて、5−クロロ−2−ヒドロキシ−4−ニトロアニリンを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、下記式(3)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(3)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[実施例4]
上記4−ニトロアニリンに代えて、5−クロロ−2−ヒドロキシ−4−ニトロアニリンを用いたこと以外は、上記実施例2と同様にして、下記式(4)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(4)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[実施例5]
上記4−ニトロアニリンに代えて、3−アミノフタルヒドラジド(慣用名:ルミノール)を用いたこと以外は、上記実施例2と同様にして、下記式(5)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(5)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[比較例1]
上記4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸に代えて、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、下記式(6)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(6)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[比較例2]
上記4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸に代えて、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸を用いたこと以外は、上記実施例2と同様にして、下記式(7)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(7)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[比較例3]
上記4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸に代えて、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸を用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、下記式(8)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(8)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
[比較例4]
上記4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸に代えて、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸を用いたこと以外は、上記実施例4と同様にして、下記式(9)で表されるジスアゾ化合物を得た。
式(9)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物の濃度が25質量%の水溶液を得た。この水溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、この水溶液はネマチック液晶相を示していた。
この水溶液を、さらにイオン交換水で希釈し、ジスアゾ化合物の濃度が7質量%の水溶液(塗工液)を調製した。この塗工液を、実施例1と同様にして、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に塗工し、乾燥することによって、偏光子を作製した。
得られた偏光子の厚み及び二色比を、表1に示す。
Figure 0005428091
Figure 0005428091
本発明の偏光子は、例えば、液晶表示装置の構成部材、偏光サングラスなどに利用できる。
本発明のジスアゾ化合物は、例えば、上記偏光子の形成材料、その他の光学フィルムの形成材料、色素などに利用できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物を含む偏光子。
    一般式(I):
    Figure 0005428091
    上記一般式(I)において、は、下記式群の中から選ばれる1つであり、
    Figure 0005428091
    は、下記式で表されるナフチレン基のいずれか一方であり、
    Figure 0005428091
    Mは、対イオンを表し、Rは、水素原子、メチル基、又はアセチル基を表す。
  2. 二色比が25以上である請求項1に記載の偏光子。
  3. 下記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物と水系溶媒とを含む塗工液を、基材上に塗工する工程を有する偏光子の製造方法。
    一般式(I):
    Figure 0005428091
    上記一般式(I)において、Q は、下記式群の中から選ばれる1つであり、
    Figure 0005428091
    は、下記式で表されるナフチレン基のいずれか一方であり、
    Figure 0005428091
    Mは、対イオンを表し、Rは、水素原子、メチル基、又はアセチル基を表す。
  4. 請求項1又は2に記載の偏光子を有する画像表示装置。
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