JP2019211771A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 第1基材層、第1機能層、接着層、第2機能層、及び第2基材層をこの順に含む積層体であって、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記接着層の端部の位置は、下記[a]〜[c]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[c]前記第2機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
の関係をすべて満たす、積層体。(以下、該積層体を「積層体(1)」と称することがある。)
〔2〕 前記接着層の端部の位置は、前記積層体の幅方向の両端において、上記[a]〜[c]の関係をすべて満たす、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕 前記第1機能層及び前記第2機能層は、それぞれ液晶層である、〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 前記第1機能層及び前記第2機能層のうちの少なくとも一方は、位相差層である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕 第1基材層、第1機能層、接着層、及び第2’機能層をこの順に含む積層体であって、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部における前記接着層の端部の位置は、下記[a]、[b]及び[d]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[d]前記第2’ 機能層の端部の位置と同じである、
の関係をすべて満たす、積層体。(以下、該積層体を「積層体(2)」と称することがある。)
〔6〕 前記接着層の端部の位置は、前記積層体の幅方向の両端において、上記[a]、[b]及び[d]の関係をすべて満たす、〔5〕に記載の積層体。
〔7〕 前記第1機能層及び前記第2’機能層は、それぞれ液晶層である、〔5〕又は〔6〕に記載の積層体。
〔8〕 前記第1機能層及び前記第2’機能層のうちの少なくとも一方は、位相差層である、〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の積層体。
〔9〕 更に、樹脂フィルムを含み、
前記第2’機能層側に、樹脂フィルム用接着層を介して前記樹脂フィルムが積層されている、〔5〕〜〔8〕のいずれかに記載の積層体。(以下、該積層体を「積層体(3)」と称することがある。)
〔10〕 前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記樹脂フィルム用接着層の端部の位置は、前記第1機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、〔9〕に記載の積層体。
〔11〕 前記樹脂フィルムは、光学フィルムである、〔9〕又は〔10〕に記載の積層体。
〔12〕 第1基材層、第1機能層、接着層、第2機能層、及び第2基材層をこの順に含む積層体の製造方法であって、
前記第1基材層及び前記第1機能層を含む第1積層部を準備する工程と、
前記第2基材層及び前記第2機能層を含む第2積層部を準備する工程と、
前記接着層を介して前記第1機能層と前記第2機能層とが対向するように、前記第1積層部と前記第2積層部とを積層する工程と、を含み、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記接着層の端部の位置は、下記[a]〜[c]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[c]前記第2機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
の関係をすべて満たす、積層体の製造方法。
〔13〕 第1基材層、第1機能層、接着層、及び第2’機能層をこの順に含む積層体の製造方法であって、
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体から前記第2基材層を剥離する工程と、を含む、積層体の製造方法。
〔14〕 〔5〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体の前記第2’機能層側に、樹脂フィルム用接着層を介して樹脂フィルムを積層する工程と、を有する、積層体の製造方法。
〔15〕 〔9〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体から前記第1基材層を剥離する工程と、を含む、積層体の製造方法。
(積層体(1))
図1は、積層体(1)の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。積層体(1)41は、図1に示すように、
第1基材層11、第1機能層12、接着層30、第2機能層22、及び第2基材層21をこの順に含み、
積層体(1)41の幅方向の少なくとも一方の端部において、接着層30の端部の位置は、下記[a]〜[c]:
[a]第1基材層11の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]第1機能層12の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[c]第2機能層22の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
の関係をすべて満たす。
なお、上記[a]〜[c]の要件に記載の各端部の位置は、積層体(1)41の幅方向断面における位置であり、以下において各層の端部の位置の関係を規定する場合も、積層体(1)41の幅方向断面における位置である。
積層体(1)41は、枚葉のフィルム状物であってもよく、長尺のフィルム状物であってもよい。
第2基材層21は、その上に形成される第2機能層22を支持する支持層、又は第2機能層22を保護する保護層としての機能を有する。
第1基材層11及び第2基材層21は、それぞれ複数のフィルムが積層された層であってもよい。第1基材層11は、偏光機能を示すフィルムを有する層であってもよい。
本実施形態において、第1基材層11は、離型性を示すフィルムであってもよく、離型性を示すフィルムである場合は第1機能層12に対して剥離可能である。第2基材層21は、離型性を示すフィルムであってもよく、離型性を示すフィルムである場合は第2機能層22に対して剥離可能である。
具体的には、積層体(1)41の幅方向断面において、接着層30の端部は、第1基材層11の端部と同じかそれよりも幅方向内側に位置し、第1機能層12の端部よりも幅方向外側に位置し、かつ、第2機能層22の端部と同じかそれよりも幅方向内側に位置する。
積層体(1)41の幅方向の少なくとも一方の端部において、接着層30の端部が第2機能層22の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側に位置する(上記[c]の関係を満たす)ことにより、接着層30が第2基材層21に接着していない状態とすることができる。ゆえに、積層体(1)41から第2基材層21を剥離することができる。更に、接着層30の幅方向の少なくとも一方の端部において、第1基材層11の端部と同じかそれよりも幅方向内側に位置し、かつ、第1機能層12の端部よりも幅方向外側に位置する(上記[a]及び[b]の関係を満たす)ことにより、第2機能層22の少なくとも一方の端部を含む領域が接着層30を介して第1基材層11に接着した状態とすることができる。そのため、積層体(1)41を接着層30と第1基材層11との間で分離させるための剥離力が、第2機能層22と第2基材層21との間で分離させるための剥離力よりも大きくなる。この剥離力の相違により、積層体(1)41から第2基材層21を剥離しようとしたときに、接着層30と第1基材層11との間で分離されにくくなることにより、第1基材層11と第1機能層12との間での分離が生じにくくなるのに対し、第2基材層21と第2機能層22との間での分離が生じやすくなる。よって、積層体(1)41から第2基材層21を好適に剥離することができる。
図2(a)及び(b)は、積層体(1)41の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。積層体(1)の製造方法は、
第1基材層11及び第1機能層12を含む第1積層部10を準備する工程と(図2(a))、
第2基材層21及び第2機能層22を含む第2積層部20を準備する工程と(図2(b))、
接着層30を介して第1機能層12と第2機能層22とが対向するように、第1積層部10と第2積層部20とを積層する工程と(図1)、を含む。
第1機能層12が樹脂フィルムである場合、接着剤又は粘着剤を用いて、第1基材層11と第1機能層12を剥離可能に貼り合わせる方法等により第1積層部10を準備することができる。
第1機能層12が第1液晶層である場合、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を第1基材層11上に塗布し、第1基材層11上で重合性液晶化合物を重合して第1機能層12を形成する方法により第1積層部10を準備することができる。
特開2017−83843号公報に例示されるように、二色性色素を含む液晶層形成用組成物で第1機能層12を形成することで、第1機能層を偏光層とすることができる。
また、韓国特許第10−1586736号公報に例示されるように、第1機能層としてタッチセンサ層を形成することができる。
第2機能層22が樹脂フィルムである場合、接着剤又は粘着剤を用いて、第2基材層21と第2機能層22を剥離可能に貼り合わせる方法等により第2積層部20を準備することができる。
第2機能層22が第1液晶層である場合、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を第2基材層21上に塗布し、第2基材層21上で重合性液晶化合物を重合して第2機能層22を形成する方法により第1積層部10を準備することができる。
特開2017−83843号公報に例示されるように、二色性色素を含む液晶層形成用組成物で第2機能層22を形成することで、第2機能層を偏光層とすることができる。
また、韓国特許第10−1586736号公報に例示されるように、第2機能層としてタッチセンサ層を形成することができる。
接着層30の幅方向の端部の位置は、積層体(1)の幅方向の一方の端部において、上記[a]〜[c]の関係をすべて満たすものであってもよく、積層体(1)の幅方向の両端において、上記[a]〜[c]の関係をすべて満たすものであってもよい。
積層体(1)41は、第1基材層11、第1機能層12、接着層30、第2機能層22、及び第2基材層21に加え、そのほかの層を更に含んでいてもよい。例えば、積層体(1)41は、第1基材層11の第1機能層12とは反対側の面に、接着層及び剥離フィルムを、この順に更に有していてもよい。
第2基材層21と第2機能層22との間に第2配向層を有する場合、積層体(1)41の幅方向の少なくとも一方の端部において、第2配向層の端部は、第2基材層21の端部と同じかそれよりも幅方向内側に位置していてよく、第2機能層22の端部と同じ位置であってもよく、それよりも幅方向内側又は幅方向外側に位置していてもよい。
(積層体(2))
図3は、積層体(2)の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。積層体(2)42は、図3に示すように、
第1基材層11、第1機能層12、接着層30、及び第2’機能層22’をこの順に含み、
積層体(2)42の幅方向の少なくとも一方の端部において、接着層30の端部の位置は、下記[a]、[b]及び[d]:
[a]第1基材層11の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]第1機能層12の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[d]第2’機能層22’の端部の位置と同じである、
の関係をすべて満たす。
なお、上記[a]、[b]及び[d]の要件に記載の各端部の位置は、積層体(2)42の幅方向断面における位置であり、以下において各層の端部の位置の関係を規定する場合も、積層体(2)42の幅方向断面における位置である。
積層体(2)42は、枚葉のフィルム状物であってもよく、長尺のフィルム状物であってもよい。
第2’機能層22’は、偏光特性や光学補償機能等の光学特性を示す薄膜層、タッチセンサを構成する層等が挙げられ、樹脂フィルムであってもよいし、液晶層であってもよい。
第2’機能層22’は、好ましくは液晶化合物を含む液晶層である(以下、液晶層である第2’機能層22を「第2’液晶層」と称することがある。)。第2’機能層22’は、例えば重合性液晶化合物を重合して形成された硬化膜であってもよい。第2’機能層22’は、後述するように第2機能層22に由来する層であってもよい。第2’機能層22’は、より好ましくは位相差層である。
先の実施形態と同様に、第1基材層11は、第1機能層12に対して剥離可能なフィルムであってもよく、偏光機能を示すフィルムを有する層であってもよい。
図4(a)及び(b)は、積層体(2)の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。図4(a)に示す積層体(1)41は、図1に示す積層体(1)41と同じ構造を有し、図4(b)に示す積層体(2)42は、図3に示す積層体(2)42と同じ構造を有する。積層体(2)の製造方法は、
積層体(1)41を準備する工程と(図4(a))、
積層体(1)41から第2基材層21を剥離する工程と(図4(b))、を含む。
接着層30の端部の位置は、積層体(2)42の幅方向の一方の端部において、上記[a]、[b]及び[d]の関係をすべて満たすものであってもよく、積層体(2)42の幅方向の両端において、上記[a]、[b]及び[d]の関係をすべて満たすものであってもよい。
積層体(2)42は、第1基材層11、第1機能層12、接着層30、及び第2’機能層22’に加え、そのほかの層を更に含んでいてもよい。例えば、積層体(2)42は、第1基材層11の第1機能層12とは反対側の面に、接着層及び剥離フィルムを、この順に更に有していてもよい。
積層体(2)42が第2配向層を有する場合、積層体(2)42の幅方向の少なくとも一方の端部において、第2配向層の端部は、第2’機能層の端部と同じ位置であってもよく、それよりも幅方向内側に位置していてもよい。
(積層体(3))
図5は、積層体(3)の一例を示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。本実施形態の積層体(3)51は、図5に示すように、
積層体(2)42(すなわち、第1基材層11、第1機能層12、接着層30、及び第2’機能層22’)と、光学フィルム60(樹脂フィルム)とを含み、
積層体(2)42の第2’機能層22側に、光学フィルム用接着層36(樹脂フィルム用接着層)を介して光学フィルム60が積層されている。
積層体(3)51は、枚葉のフィルム状物であってもよく、長尺のフィルム状物であってもよい。
なお、積層体(3)51をなす各層の各端部の位置は、積層体(3)51の幅方向断面における位置である。
詳細は後述するが、第1基材層11の剥離により、第1基材層11と光学フィルム用接着層36との間にある中間層45(第2’機能層22’、接着層30、及び第1機能層12を含む層)は、光学フィルム用接着層36の端部よりも幅方向外側にある領域(以下、「外側領域」ということがある。)と、幅方向内側にある領域(以下、「内側領域」ということがある。)とに分割される(図6(a),(b))。
先の実施形態で説明したように、第1基材層11は第1機能層12に対して剥離可能となっているため、外側領域では第1基材層11と接着層30との間で分離が生じにくく、内側領域では第1基材層11と第1機能層12との間で分離が生じやすくなる。したがって、積層体(3)51から第1基材層11を剥離すると、第1基材層11上に外側領域が存在し、光学フィルム用接着層36上に内側領域が存在するように中間層45が分割され、内側領域において第1基材層と第1機能層とを分離することができる。ゆえに、積層体(3)51から第1基材層11を剥離することにより、光学積層体52を得ることができる(図6(b))。
積層体(3)51(図5)の製造方法は、
積層体(2)42を準備する工程と(図3又は図4(b))、
積層体(2)42の第2’機能層22’側に、光学フィルム用接着層36(樹脂フィルム用接着層)を介して光学フィルム60(樹脂フィルム)を積層する工程と(図5)、を有する。
なお、積層体(3)は、光学フィルム60の光学フィルム用接着組成物層とは反対側に、更に層を有してもよく、例えば、光学フィルム60の光学フィルム用接着組成物層とは反対側に接着剤層及び剥離フィルムをこの順に有してもよい。
積層体(3)51の幅方向の少なくとも一方の端部において、光学フィルム用接着層の幅方向の端部の位置は、第1機能層の幅方向の端部の位置よりも幅方向外側にあってもよい。この場合、積層体(3)51から第1基材層を剥離しても、中間層45の内側領域(積層体(3)51の幅方向断面において、光学フィルム用接着層の端部の位置よりも内側にある領域)にも、第1基材層に接着層が接着している領域が含まれるため、第1基材層と第1機能層との間で分離が生じにくい。光学フィルム用接着層の幅方向の端部の位置が第1機能層の幅方向の端部の位置よりも幅方向外側にある場合、第1機能層12の幅方向の端部の位置かそれよりも幅方向内側の位置において積層体(3)体51の端部を除去することにより、積層体(3)51から第1基材層11を剥離できる。
積層体(3)51において、例えば、光学フィルムに代えて剥離フィルム(樹脂フィルム)を用いてもよく、光学フィルム用接着層36に代えて積層体用接着層(樹脂フィルム用接着層)を用いてもよく、積層体(3)51をなす第1基材層11に代えて、偏光板等の光学フィルムを用いてもよい。
積層体用接着層は、例えば適宜のタイミングで剥離フィルムを剥離することによって、積層体(3)を光学表示素子に貼合するために用いることができる。
積層体(3)51において、第1機能層12が第1液晶層であり、第2’機能層22’が第2’液晶層である場合、例えば、第1基材層11と第1機能層との間に第1配向層を更に有していてもよいし、第2’機能層22’と光学フィルム用接着層36との間に第2配向層を更に有していてもよい。
図6は、光学積層体の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。
図6(a)に示す積層体(3)51は、図5に示す積層体(3)51と同じ構造を有する。光学積層体52の製造方法は、
積層体(3)51を準備する工程と(図6(a))、
積層体(3)51から第1基材層11を剥離する工程と(図6(b))、を含む。
なお、光学積層体52をなす各層の各端部の位置は、光学積層体52の幅方向断面における位置である。
光学積層体52は、第1’機能層12’、接着層30’、第2”機能層22”、光学フィルム用接着層36、及び光学フィルム60に加え、そのほかの層を更に含んでいてもよい。光学積層体52は、第1’機能層12が第1’液晶層であり、第2”機能層22”が第2”液晶層である場合、例えば、第1’機能層12’の接着層30’とは反対側に第1配向層を有していてもよいし、第2”機能層22”と光学フィルム用接着層36との間に第2配向層を有していてもよい。
積層体(3)が第1基材層と第1機能層との間に第1配向層を有する場合、第1基材層とともに第1配向層を剥離して図6(b)に示す光学積層体52を得てもよく、第1配向層が第1’機能層12’上に存在するように第1基材層を剥離してもよい。この場合、積層体(3)中の第1配向層は、中間層45と同様に第1基材層の剥離の際に、光学フィルム用接着層36の幅方向の端部よりも幅方向外側にある領域と、幅方向内側にある領域とに分割されてもよい。
光学積層体52の製造方法において、光学フィルム及び光学フィルム用接着層に代えて、剥離フィルム及び積層体用接着層を用いることにより、剥離フィルムを含む積層体を製造することができる。光学積層体の製造方法において、第2’機能層の接着層とは反対側に、光学フィルム用接着層を介して光学フィルムを設ける工程を有していてもよい。
第1基材層及び第2基材層(以下、両者をまとめて「基材層」ということがある。)は、樹脂材料で形成されたフィルムであることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる樹脂材料が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン系ポリマー等の環状ポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル系樹脂;ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル等のビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ポリフェニレンオキシド系樹脂、及びこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。これらの樹脂のうち、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロースエステル系樹脂及び(メタ)アクリル酸系樹脂のいずれか又はこれらの混合物を用いることが好ましい。なお、上記「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
前面板は、液晶セル等の画像表示素子の反りを抑制したり、画像表示素子を保護したりする役割を担うものであり、例えば透光性の(好ましくは光学的に透明な)板状体である。前面板は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
前面板は、本発明の偏光板を含む最終製品において最外面に配置されることから、屋外または半屋外で使用される場合においても十分な耐久性を示すことが求められる。このような観点から、前面板は、ガラス又は強化ガラス等の無機材料、ヤング率が2GPa以上の高分子フィルムから構成されることが好ましい。ガラス及び強化ガラス等の無機材料、特に、フレキシブルディスプレイ用途としては、屈曲可能とするために、樹脂フィルムが好適であり、中でもポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム、アクリル系フィルム、セルロース系フィルムが好ましい。高分子フィルムの中には、シリカ等の無機粒子、有機微粒子、ゴム粒子等を分散させることも好ましい。
樹脂フィルムからなる屈曲可能な前面板は、少なくとも片面にハードコート層を有していてもよい。ハードコート層は公知の方法で樹脂フィルムの表面に設けることができる。
積層体(1)〜(3)及び光学積層体が含んでいてもよい第1配向層及び第2配向層(以下、両者をまとめて「配向層」ということがある。)は、その上に形成される液晶層に含まれる重合性液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる、配向規制力を有する。配向層としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面に凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向層を挙げることができる。配向層の厚みは、通常10〜500nmであり、10〜200nmであることが好ましい。
第1機能層及び第2機能層(以下、両者をまとめて「機能層」ということがある。)は、偏光特性や光学補償機能等の光学特性を示す薄膜層や、タッチセンサを構成する層等が挙げられ、樹脂フィルムであってもよいし、液晶層であってもよい。
樹脂フィルムの厚みは、通常5μm以上100μm以下である。
液晶層の厚みは、通常0.1μm以上10μm以下である。
光学フィルムとしては、偏光層、偏光層の少なくとも片面に保護層が形成された偏光板、偏光板の少なくとも片面にプロテクトフィルムが積層されたプロテクトフィルム付き偏光板、反射フィルム、半透過型反射フィルム、輝度向上フィルム、光学補償フィルム、防眩機能付きフィルム、位相差フィルム、等であることができ、これらのうちの1つを有するものであってもよく、2つ以上を有する多層構造を有していてもよい。また、光学フィルムは、液晶層を含んでいてもよく、この液晶層は位相差層であってもよい。
偏光層は、直線偏光子、又は円偏光板であることができる。
直線偏光子は、無偏光の光を入射させたとき、吸収軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過させる性質を有する。直線偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを染色、延伸することで製造されるフィルム型偏光子であってもよい。延伸によって配向したPVA系フィルムに、ヨウ素等の二色性色素が吸着、又はPVAに吸着した状態で延伸されることで二色性色素が配向し、偏光性能を発揮する。フィルム型偏光子の製造においては、他に膨潤、ホウ酸による架橋、水溶液による洗浄、乾燥等の工程を有していてもよい。延伸や染色工程はPVA系フィルム単独で行ってもよいし、ポリエチレンテレフタレートのような他のフィルムと積層された状態で行うこともできる。用いられるPVA系フィルムとしては10〜100μm、延伸倍率は2〜10倍が好ましい。
円偏光板は、直線偏光子(又は直線偏光板)にλ/4波長板を積層することにより右若しくは左円偏光成分のみを透過させる機能を有する機能層である。円偏光板は、例えば、外光を右円偏光に変換して有機ELパネルで反射されて左円偏光となった外光を遮断し、有機ELの発光成分のみを透過させることで反射光の影響を抑制して画像を見やすくするために用いられる。円偏光機能を達成するためには、直線偏光子の吸収軸とλ/4波長板の遅相軸は理論上45°である必要があるが、実用的には45±10°である。直線偏光子とλ/4波長板は必ずしも隣接して積層される必要はなく、吸収軸と遅相軸の関係が上記の範囲を満足していればよい。円偏光板は、全波長において完全な円偏光を達成することが好ましいが、実用上は必ずしもその必要はないので、円偏光板は楕円偏光板をも包含する。
位相差フィルムは、入射光の進行方向に直交する方向(フィルムの面内方向)に位相差を与えるフィルムである。前記位相差フィルムは、セルロース系フィルム、オレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等の高分子フィルムを延伸することで製造される延伸型位相差フィルムであってもよい。前記延伸型位相差フィルムの厚さは、200μm以下であってもよく、好ましくは、1μm〜100μmである。厚さが200μmを超えると柔軟性が低下することがある。
タッチセンサは入力手段として用いられる。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等、様々な様式が提案されており、いずれの方式でも構わない。中でも静電容量方式が好ましい。静電容量方式タッチセンサは、活性領域及び前記活性領域の外郭部に位置する非活性領域に区分される。活性領域は表示パネルで画面が表示される領域(表示部)に対応する領域であって、使用者のタッチが感知される領域であり、非活性領域は表示装置で画面が表示されない領域(非表示部)に対応する領域である。タッチセンサはフレキシブルな特性を有する基板と;前記基板の活性領域に形成された感知パターンと;前記基板の非活性領域に形成され、前記感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインを含むことができる。フレキシブルな特性を有する基板としては、前記前面板の高分子フィルム基材と同様の材料が使用できる。また、基材を剥離可能とすることで、タッチセンサ部分のみを積層体に転写して使用することも可能である。
剥離フィルムは、粘着剤層を支持し、粘着剤層に対して剥離可能なセパレータとしての機能を有する。剥離フィルムとしては、基材フィルムの粘着剤層を支持する側の表面にシリコーン処理等の離型処理が施されたフィルムを挙げることができる。基材フィルムをなす樹脂材料としては、上記した第1基材層及び第2基材層をなす樹脂材料と同様のものを挙げることができる。樹脂フィルムは1層構造であってもよく、2層以上の多層構造の多層樹脂フィルムであってもよい。
接着層は、接着剤、粘着剤及びこれらの組み合わせによって形成することができ、通常1層であるが、2層以上であってもよい。接着層が2層以上の層からなる場合、各層は互いに同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。
光学フィルム用接着層は、上記の接着剤、粘着剤及びこれらの組み合わせによって形成することができ、通常1層であるが、2層以上であってもよい。光学フィルム用接着層が2層以上の層からなる場合、各層は互いに同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。光学フィルム用接着層を形成するための接着剤及び粘着剤としては、上記接着層に用いられる接着剤及び粘着剤と同様のものが挙げられる。光学フィルム用接着層が形成される層の表面に対して、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
積層体用接着層は、上記の接着剤、粘着剤及びこれらの組み合わせによって形成することができ、通常1層であるが、2層以上であってもよい。積層体用接着層が2層以上の層からなる場合、各層は互いに同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。積層体用接着層を形成するための接着剤及び粘着剤としては、上記接着層に用いられる接着剤及び粘着剤と同様のものが挙げられる。積層体用接着層が形成される層の表面に対して、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
Claims (15)
- 第1基材層、第1機能層、接着層、第2機能層、及び第2基材層をこの順に含む積層体であって、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記接着層の端部の位置は、下記[a]〜[c]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[c]前記第2機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
の関係をすべて満たす、積層体。 - 前記接着層の端部の位置は、前記積層体の幅方向の両端において、上記[a]〜[c]の関係をすべて満たす、請求項1に記載の積層体。
- 前記第1機能層及び前記第2機能層は、それぞれ液晶層である、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記第1機能層及び前記第2機能層のうちの少なくとも一方は、位相差層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 第1基材層、第1機能層、接着層、及び第2’機能層をこの順に含む積層体であって、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部における前記接着層の端部の位置は、下記[a]、[b]及び[d]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[d]前記第2’ 機能層の端部の位置と同じである、
の関係をすべて満たす、積層体。 - 前記接着層の端部の位置は、前記積層体の幅方向の両端において、上記[a]、[b]及び[d]の関係をすべて満たす、請求項5に記載の積層体。
- 前記第1機能層及び前記第2’機能層は、それぞれ液晶層である、請求項5又は6に記載の積層体。
- 前記第1機能層及び前記第2’機能層のうちの少なくとも一方は、位相差層である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の積層体。
- 更に、樹脂フィルムを含み、
前記第2’機能層側に、樹脂フィルム用接着層を介して前記樹脂フィルムが積層されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載の積層体。 - 前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記樹脂フィルム用接着層の端部の位置は、前記第1機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、請求項9に記載の積層体。
- 前記樹脂フィルムは、光学フィルムである、請求項9又は10に記載の積層体。
- 第1基材層、第1機能層、接着層、第2機能層、及び第2基材層をこの順に含む積層体の製造方法であって、
前記第1基材層及び前記第1機能層を含む第1積層部を準備する工程と、
前記第2基材層及び前記第2機能層を含む第2積層部を準備する工程と、
前記接着層を介して前記第1機能層と前記第2機能層とが対向するように、前記第1積層部と前記第2積層部とを積層する工程と、を含み、
前記積層体の幅方向の少なくとも一方の端部において、前記接着層の端部の位置は、下記[a]〜[c]:
[a]前記第1基材層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
[b]前記第1機能層の端部の位置よりも幅方向外側にある、
[c]前記第2機能層の端部の位置と同じかそれよりも幅方向内側にある、
の関係をすべて満たす、積層体の製造方法。 - 第1基材層、第1機能層、接着層、及び第2’機能層をこの順に含む積層体の製造方法であって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体から前記第2基材層を剥離する工程と、を含む、積層体の製造方法。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体の前記第2’機能層側に、樹脂フィルム用接着層を介して樹脂フィルムを積層する工程と、を有する、積層体の製造方法。 - 請求項9〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する工程と、
前記積層体から前記第1基材層を剥離する工程と、を含む、積層体の製造方法。
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