JP2019148734A - 円偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムを備える円偏光板において、カバーガラスなどの前面板を貼合した状態で高温環境下においた後の、初期状態からの反射光の色の変化が抑制できる円偏光板を提供すること。【解決手段】偏光子の一方の面に第1の保護フィルムが積層され、当該偏光子のもう一方の面に第2の保護フィルムが積層された偏光板と、重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムとを備え、以下の条件1及び条件2の内、少なくとも一方を満たす円偏光板。条件1:前記第1の保護フィルムの透湿度をx(g/m2・24hr)とし、前記第2の保護フィルムの透湿度をy(g/m2・24hr)としたときに、式(1)を満たす。1/x+1/y≧0.0030 式(1)、条件2:前記偏光板の水分率が3.00%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、円偏光板に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう。)表示装置に代表される画像表示装置が急速に普及している。有機EL表示装置には、偏光子及び位相差フィルム(λ/4板)を備える円偏光板が搭載される。円偏光板を配置することにより、外光の反射を防止し、画面の視認性を向上させることができる。
有機EL表示装置の台頭により、画像表示装置の薄型化への要望が強くなるに伴って、円偏光板についても薄型化が求められている。従来の樹脂フィルムを成形した位相差フィルムから、薄型化が可能な液晶化合物を材料にして形成した位相差フィルムへ変更することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。重合性液晶化合物を使用した位相差フィルムは、重合性液晶化合物を基材上に塗工し配向させ、必要により光照射をして配向状態を固定することで製造される。重合性液晶化合物から形成される位相差フィルムを有する円偏光板を前面板付きで高温環境下におくと、円偏光板中央部において初期状態から反射光の色変化が生じる、具体的には反射光が赤くなるという問題があった。
特開2017−54093号公報
本発明の目的は、液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムを備える円偏光板において、カバーガラスなどの前面板を貼合した状態で高温環境下においた後の、初期状態からの反射光の色の変化が抑制できる円偏光板を提供することである。
[1]偏光子の一方の面に第1の保護フィルムが積層され、当該偏光子のもう一方の面に第2の保護フィルムが積層された偏光板と、重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムとを備え、
以下の条件1及び条件2の内、少なくとも一方を満たす円偏光板。
条件1:前記第1の保護フィルムの透湿度をx(g/m・24hr)とし、前記第2の保護フィルムの透湿度をy(g/m・24hr)としたときに、式(1)を満たす。
1/x+1/y≧0.0030 式(1)
条件2:前記偏光板の水分率が3%以下である。
[2]条件1及び条件2を両方満たす請求項1に記載の円偏光板。
[3]前記偏光板における前記位相差フィルムが積層された側とは反対側に、前面板を備える請求項1または2に記載の円偏光板。
[4]前記偏光子の厚みが13μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の円偏光板。
本発明によれば、液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムを備える円偏光板において、カバーガラスなどの前面板を貼合した状態で高温環境下においた後の、初期状態からの反射光の色の変化が抑制できる。
円偏光板の層構成を示す概略断面図の一例である。 円偏光板の層構成を示す概略断面図の一例である。 有機EL表示装置の層構成を示す概略断面図の一例である。
<円偏光板>
本発明の円偏光板は、偏光板と位相差フィルムとを備える。偏光板と位相差フィルムとは、例えば接着層を介して積層することができる。接着層としては、例えば後述の粘着剤層や接着剤層が挙げられる。本発明において偏光板とは、偏光子と、偏光子の両面にそれぞれ貼合された保護フィルムとからなる積層体のことをいう。
以下、図1を参照して、本発明の円偏光板の層構成の一例を説明する。なお、図1において偏光子10と保護フィルム11,12とをそれぞれ貼合するための接着剤層は図示していない。図1(a)に示す円偏光板100は、偏光子10の一方の面に第1の保護フィルム11が積層され、偏光子10のもう一方の面に第2の保護フィルム12が積層された偏光板1と、重合性液晶化合物が硬化した層20を含む位相差フィルム2とが、粘着剤層13を介して積層された層構成を有する。さらに、円偏光板100は、位相差フィルム2における偏光板1とは反対側の面に粘着剤層14を有する。粘着剤層14は、有機EL表示素子等へ貼合するための粘着剤層であることができる。
図1(b)に示す円偏光板101は、偏光子10の一方の面に第1の保護フィルム11が積層され、偏光子10のもう一方の面に第2の保護フィルム12が積層された偏光板1と、位相差フィルム2とが、粘着剤層13を介して積層された層構成を有する。円偏光板101において、位相差フィルム2は、重合性液晶化合物が硬化した層20と重合性液晶化合物が硬化した層21とが、接着層15を介して積層された層構成を有する。さらに、円偏光板101は、位相差フィルム2における偏光板1とは反対側の面に粘着剤層14を有する。粘着剤層14は、有機EL表示素子等へ貼合するための粘着剤層であることができる。
図1に示すように位相差フィルムは、重合性液晶化合物が硬化した層を1層有していてもよいし、2層有していてもよい。また、位相差フィルムは、重合性液晶化合物を配向させるための配向膜や、基材フィルムを有していてもよい。
円偏光板は、図1に示した層以外の層を有することができる。円偏光板がさらに有していてもよい層としては、前面板、遮光パターンなどが挙げられる。前面板は、偏光板における位相差フィルムが積層された側とは反対側に配置されることができる。図2(a)に示す円偏光板102は、円偏光板100に前面板4が積層されたものであり、前面板4は粘着剤層16を介して、偏光板1に積層されている。図2(b)に示す円偏光板103は、円偏光板101に前面板4が積層されたものであり、前面板4は粘着剤層16を介して、偏光板1に積層されている。
遮光パターンは、前面板における偏光板側の面上に形成することができる。遮光パターンは、画像表示装置の額縁(非表示領域)に形成され、画像表示装置の配線が使用者に視認されないようにすることができる。
本発明の円偏光板は、以下の条件1及び条件2の内、少なくとも一方を満たす。
条件1:前記第1の保護フィルムの透湿度をx(g/m・24hr)とし、前記第2の保護フィルムの透湿度をy(g/m・24hr)としたときに、式(1)を満たす。
1/x+1/y≧0.0030 式(1)
条件2:前記偏光板の水分率が3.00%以下である。
円偏光板が、上記条件1及び条件2の内、少なくとも一方を満たすことにより、円偏光板が高温環境下に置かれた場合において、円偏光板の中央部の色が変化するのを防止することができる。円偏光板は、上記条件1及び条件2を両方満たすことが好ましい。
より詳細には、式(1)において、1/x+1/yは、0.0030以上であり、0.010以上であることが好ましく、0.020以上であることがより好ましく、0.050以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、1/x+1/yは、通常0.2以下である。
より詳細には、偏光板の水分率は、3.00%以下であり、2.50%以下であることが好ましく、2.00%以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、偏光板の水分率は、通常0.50%以上であり、1.00%以上であってもよい。水分率の測定方法は、後述の実施例に記載した方法に従う。
本発明を何ら制限するものではないが、条件1,2を満たすことにより、反射光が赤く変色するのを防ぐことができる理由は、以下のように推測される。本発明者の検討により、円偏光板の中央部からの反射光が赤くなる現象は、位相差フィルムの位相差値の低下が原因であることが明らかになった。位相差フィルムの位相差値の低下は、偏光板に含まれる水分が位相差フィルムへ移行することにより生じるものと推定された。したがって、偏光板に含まれる水分率を所定値以下にして、位相差フィルムへ移行し得る水分の量を小さくするか、偏光板が備える保護フィルムの透湿度を所定値以下にして、位相差フィルムへ水分が移行しにくいようにすることが有効である。
条件2は上記推定に基づくものであって、偏光板の水分率を上記範囲とすることによって、円偏光板からの反射光が赤くなるのを防ぐことができる。一方、条件1は、意外なことに、偏光板における位相差フィルムに近い側の保護フィルムの透湿度だけではなく、偏光板における位相差フィルムから遠い側の保護フィルムの透湿度も、円偏光板の反射光の変色を防ぐために重要であると明らかになったことに基づくものである。本発明者の検討によれば、偏光板の両面に貼合される保護フィルムの透湿度を、上記条件1を満たすように選択することにより、円偏光板からの反射光が赤くなることを防ぐことができる。
本発明の円偏光板は、85℃で400時間加熱したときに、面内中央(円偏光板の重心の位置であってもよい)の位相差値の低下量の大きさΔRe(nm)が10nm以下であることが好ましく、8nm以下であることがより好ましい。位相差値は波長547nmにおける値を採用する。このような範囲とすることで、円偏光板の色変化を小さくすることができ、外観が良好な円偏光板が得られる。
本発明の円偏光板の形状は特に限定されるものではない。円偏光板が実質的に矩形である場合、長辺の長さは5cm以上35cm以下であることが好ましく、10cm以上25cm以下であることがより好ましく、短辺の長さは5cm以上25cm以下であることが好ましく、6cm以上20cm以下であることがより好ましい。このような大きさであれば、水分がこもりにくい。
実質的に矩形であるとは、円偏光板が、それぞれ、主面の4つの隅(角部)のうち少なくとも1つの角部が鈍角となるように切除された形状や丸みを設けた形状であったり、主面に垂直な端面の一部が面内方向に窪んだ凹み部(切り欠け)を有したり、主面内の一部が、円形、楕円形、多角形及びそれらの組合せ等の形状にくり抜かれた穴あき部を有したりしてもよいことをいう。
<偏光板>
本発明において偏光板とは、偏光子と、偏光子の両面にそれぞれ貼合された保護フィルムとからなる積層体のことをいう。偏光板が備える保護フィルムは、後述のハードコート層、反射防止層、帯電防止層などの表面処理層を有していてもよい。偏光子と保護フィルムとは、例えば接着剤層や粘着剤層を介して積層することができる。偏光板が備える部材について、以下に説明する。
(1)偏光子
偏光板が備える偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であることができる。第1の層が有する偏光子としては、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光子を好適に用いることができる。偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液等の架橋液で処理する工程;及び、架橋液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85〜100mol%であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000〜10000であり、1500〜5000が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に制限されないが、偏光子の厚みを15μm以下とするためには、5〜35μmのものを用いることが好ましい。より好ましくは、20μm以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、架橋処理の前又は架橋処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤や水を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜8倍である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素による染色後の架橋処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。
偏光子の厚みは、通常30μm以下であり、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは13μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。とりわけ偏光子の厚みを15μm以下とすることは、単位面積当たりの偏光板の水分量を小さくするのに有利である。偏光子の厚みは、通常2μm以上であり、3μm以上であることが好ましい。
偏光子としては、例えば特開2016−170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380〜800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。また、WO2011/024891に記載されるように、液晶性を有する二色性色素から偏光子を形成してもよい。
(2)保護フィルム
偏光子を基準に、位相差フィルムから遠い側の保護フィルム(第1の保護フィルム)の透湿度は、500g/m・24hr以下であることが好ましく、200g/m・24hr以下であることがより好ましく、100g/m・24hr以下であることがさらに好ましく、50g/m・24hr以下であってもよい。下限値は特に限定されないが、通常0g/m・24hr超である。
偏光子を基準に、位相差フィルムに近い側の保護フィルム(第2の保護フィルム)の透湿度は、500g/m・24hr以下であることが好ましく、200g/m・24hr以下であることがより好ましく、100g/m・24hr以下であることがさらに好ましく、50g/m・24hr以下であってもよい。下限値は特に限定されないが、通常0g/m・24hr超である。
第1の保護フィルムと第2の保護フィルムとは、互いに同じ透湿度であってもよいし、互いに異なる透湿度であってもよい。透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定することができる。
偏光子の両面に積層される保護フィルムは、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)、ポリプロピレン樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのようなノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリエステル系樹脂は、下記セルロースエステル系樹脂を除く、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものも挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)が特に好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックである。
保護フィルムの位相差値を、液晶表示装置等の画像表示装置に好適な値に制御することも有用である。例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置においては、保護フィルムとして実質的に位相差値がゼロのフィルムを用いることが好ましい。実質的に位相差値がゼロとは、波長550nmにおける面内位相差値Re(550)が10nm以下であり、波長550nmにおける厚み方向位相差値Rthの絶対値が10nm以下であることをいう。波長480〜750nmにおける厚み方向位相差値Rthの絶対値は15nm以下であることが好ましい。また、使用者が偏光サングラス等を着用した場合の画面の視認性を向上させるために、波長550nmにおける面内位相差値Re(550)を70〜140nmとしてもよい。
例えば液晶表示装置のモードによっては、保護フィルムに延伸及び/又は収縮加工等を行い、好適な位相差を付与してもよい。例えば、視野角補償を目的として、保護フィルムとして単層又は多層構造の位相差層(又はフィルム)を用いることができる。
保護フィルムの厚みは通常1〜100μmであるが、強度や取扱性等の観点から5〜60μmであることが好ましく、10〜55μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましい。
偏光子の両面に貼合される保護フィルムは、同種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、同じ位相差特性を有していてもよいし、異なる位相差特性を有していてもよい。
上述のように、保護フィルムの少なくともいずれか一方は、その外面(偏光子とは反対側の面)に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、反射防止層、低屈折率層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を備えるものであってもよい。なお、保護フィルムの厚みは、表面処理層の厚みを含んだものである。
保護フィルムは、例えば接着剤層または粘着剤層を介して偏光子に貼合することができる。接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。粘着剤層としては後述のものが使用できる。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子と保護フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するための乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20〜45℃の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する接着剤であり、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
上記硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物やラジカル重合性の硬化性化合物であることができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含む。
偏光子と保護フィルムとを貼合するにあたっては、接着性を高めるために、これらの少なくともいずれか一方の貼合面に表面活性化処理を施してもよい。表面活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、放電処理(グロー放電処理等)、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、電離活性線処理(紫外線処理、電子線処理等)のような乾式処理;水やアセトン等の溶媒を用いた超音波処理、ケン化処理、アンカーコート処理のような湿式処理を挙げることができる。これらの表面活性化処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。
偏光子の両面に保護フィルムが貼合される場合においてこれらの保護フィルムを貼合するための接着剤は、同種の接着剤であってもよいし異種の接着剤であってもよい。
<位相差フィルム>
位相差フィルムは、重合性液晶化合物を含む組成物から構成される層を有する。重合性液晶化合物を含む組成物から構成される層とは、具体的には、重合性液晶化合物が硬化した層を意味する。本明細書において、λ/2の位相差を与える層、λ/4の位相差を与える層(ポジティブA層)及びポジティブC層等を総称して、位相差層ということがある。さらに、位相差フィルムは後述の基材、配向膜を含んでいてもよい。
重合性液晶化合物が硬化した層は例えば、基材に設けられた配向膜上に形成される。前記基材は、配向膜を支持する機能を有し、長尺に形成されている基材であってもよい。この基材は、離型性支持体として機能し、転写用の位相差層を支持することができる。さらに、その表面が剥離可能な程度の接着力を有するものが好ましい。前記基材としては、上記保護フィルムの材料として例示をした樹脂フィルムが挙げられる。
基材の厚みとしては、特に限定されないが、例えば20μm以上200μm以下の範囲とすることが好ましい。基材の厚さが20μm以上であると、強度が付与される。一方で、厚さが200μm以下であると、基材を裁断加工して枚葉の基材とするにあたり、加工屑の増加、裁断刃の磨耗を抑制できる。
なお、基材は、種々のブロッキング防止処理が施されていてもよい。ブロッキング防止処理としては、例えば、易接着処理、フィラー等を練り込ませる処理、エンボス加工(ナーリング処理)等が挙げられる。このようなブロッキング防止処理を基材に対して施すことによって、基材を巻き取る際の基材同士の張り付き、いわゆるブロッキングを効果的に防止することができ、生産性高く光学フィルムを製造することが可能となる。
重合性液晶化合物が硬化した層は、配向膜を介して基材上に形成される。すなわち、基材、配向膜の順で積層され、液晶化合物が硬化した層は前記配向膜上に積層される。
なお、配向膜は、垂直配向膜に限らず、重合性液晶化合物の分子軸を水平配向させる配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を傾斜配向させる配向膜であってもよい。配向膜としては、後述する重合性液晶化合物を含む組成物の塗工等により溶解しない溶媒耐性を有し、また、溶媒の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び表面に凹凸パターンや複数の溝を形成し配向させるグルブ配向膜が挙げられる。配向膜の厚さは、通常10nm〜10000nmの範囲であり、好ましくは10nm〜1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm〜200nmの範囲である。
配向膜に用いる樹脂としては、公知の配向膜の材料として用いられる樹脂であれば特に限定されるものではなく、従来公知の単官能又は多官能の(メタ)アクリレート系モノマーを重合開始剤下で硬化させた硬化物等を用いることができる。具体的に、(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、ウレタンアクリレート等を例示することができる。なお、樹脂としては、これらの1種類であってもよいし、2種類以上の混合物であってもよい。
本実施形態で使用される重合性液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものを言う(高分子物理・相転移ダイナミクス、土井 正男著、2頁、岩波書店、1992)。
本実施形態では、何れの重合性液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1、又は、特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]、又は、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物は、2種類以上を併用してもよい。その場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有している。すなわち、前記重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
重合性液晶化合物は、重合反応をし得る重合性基を有する。重合性基としては、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基などの付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
重合性液晶化合物が硬化した層は、後述するように、重合性液晶化合物を含む組成物を、例えば配向膜上に塗工することによって形成することができる。前記組成物には、上述した重合性液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。例えば、前記組成物には、重合開始剤が含まれていることが好ましい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。重合開始剤の使用量は、前記塗工液中の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
また、前記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
なお、重合性モノマーとしては、上述した重合性液晶化合物と共重合することができるものが好ましい。具体的な重合性モノマーとしては、例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載のものが挙げられる。重合性モノマーの使用量は、重合性液晶化合物の全質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
また、前記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。具体的な界面活性剤としては、例えば、特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
また、前記組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、例えば、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、前記組成物には、偏光子界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの垂直配向促進剤、並びに、偏光子界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤などの水平配向促進剤といった各種配向剤が含まれていてもよい。さらに、前記組成物には、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどが含まれていてもよい。
本実施形態において位相差層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましい。また、前記位相差層の厚みは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。なお、上述した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。位相差層の厚みが前記下限値以上であると、十分な耐久性が得られる。位相差層の厚みが前記上限値以下であると、円偏光板の薄層化に貢献し得る。位相差層の厚みは、λ/4の位相差を与える層、λ/2の位相差を与える層、又はポジティブC層の所望の面内位相差値、及び厚み方向の位相差値が得られるよう調整され得る。
位相差フィルムは、重合性液晶化合物が硬化した層を1層含むものであってもよいし、重合性液晶化合物が硬化した層を2層以上含むものであってもよい。位相差フィルムが、重合性液晶化合物が硬化した層を2層含む場合、2層はλ/4の位相差を与える層およびポジティブC層、またはλ/4の位相差を与える層およびλ/2の位相差を与える層であることが好ましい。位相差フィルムが、重合性液晶化合物が硬化した層を2層含む場合、重合性液晶化合物が硬化した層を配向膜上にそれぞれ作製し、両者を接着剤層や粘着剤層を介して積層することにより、位相差フィルムは製造することができる。両者を積層した後、基材および配向膜は剥離することができる。位相差フィルムの厚みは、3〜30μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。
<粘着剤層>
粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。粘着剤層の厚みは、通常3〜30μmであり、好ましくは3〜25μmである。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
<前面板>
前面板は、偏光板の視認側に配置される。前面板は、接着層を介して偏光板に積層されることができる。接着層としては、例えば前述の粘着剤層や接着剤層が挙げられる。図2(a)、(b)に示すように、前面板4は、偏光板1における第1の保護フィルム11上に、粘着剤層16を介して積層されることができる。
円偏光板に前面板が積層される場合、円偏光板からの反射光が赤く変色しやすいことがある。前面板は、透湿度が低いことが多く、偏光板に含まれる水分がこもりやすくなるためであると考えられる。したがって、本発明の円偏光板は、前面板を備えるときに、顕著な効果を奏する。
前面板としては、ガラス、樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなるものなどが挙げられる。ガラスとしては、例えば、高透過ガラスや、強化ガラスを用いることができる。特に薄い透明面材を使用する場合には、化学強化を施したガラスが好ましい。ガラスの厚みは、例えば100μm〜5mmとすることができる。
樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなる前面板は、既存のガラスのように硬直ではなく、フレキシブルな特性を有することができる。ハードコート層の厚さは特に限定されず、例えば、5〜100μmであってもよい。
樹脂フィルムとしては、ノルボルネンまたは多環ノルボルネン系単量体のようなシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体、セルロース(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、イソブチルエステルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース)エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、 ポリエーテルイミド、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシなどの高分子で形成されたフィルムであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸、1軸または2軸延伸フィルムを使用することができる。これらの高分子はそれぞれ単独または2種以上混合して使用することができる。樹脂フィルムとしては、透明性及び耐熱性に優れたポリアミドイミドフィルムまたはポリイミドフィルム、1軸または2軸延伸ポリエステルフィルム、透明性及び耐熱性に優れるとともに、フィルムの大型化に対応できるシクロオレフィン系誘導体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム及び透明性と光学的に異方性のないトリアセチルセルロース及びイソブチルエステルセルロースフィルムが好ましい。樹脂フィルムの厚さは5〜200μm、好ましくは、20〜100μmであってもよい。
前記ハードコート層は、光或いは熱エネルギーを照射して架橋構造を形成する反応性材料を含むハードコート組成物の硬化により形成することができる。前記ハードコート層は、光硬化型(メタ)アクリレートモノマー、或いはオリゴマー及び光硬化型エポキシモノマー、或いはオリゴマーを同時に含むハードコート組成物の硬化により形成することができる。前記光硬化型(メタ)アクリレートモノマーは、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートで構成された群から選択された1種以上を含むことができる。前記エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物に対して(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸を反応させて得ることができる。
ハードコート組成物は溶剤、光開始剤及び添加剤からなる群から選択される一つ以上をさらに含むことができる。添加剤は、無機ナノ粒子、レベリング剤及び安定剤からなる群から選択される一つ以上を含むことができ、それ以外にも当該技術分野で一般的に使用される各成分として、例えば、抗酸化剤、UV吸収剤、界面活性剤、潤滑剤、防汚剤などをさらに含むことができる。
<遮光パターン>
遮光パターンは、前面板または前面板が適用される表示装置のベゼルまたはハウジングの少なくとも一部として提供することができる。遮光パターンは、前面板における表示素子側に形成することができる。遮光パターンは、表示装置の各配線を隠し使用者に視認されないようにすることができる。遮光パターンの色及び/または材質は特に制限されることはなく、黒色、白色、金色などの多様な色を有する樹脂物質で形成することができる。一実施形態において、遮光パターンの厚さは2μm〜50μmであってもよく、好ましくは4μm〜30μmであってもよく、より好ましくは6μm〜15μmの範囲であってもよい。また、遮光パターンと表示部の間の段差による気泡混入及び境界部の視認を抑制するために、遮光パターンに形状を付与することができる。例えば、前記遮光パターンは表示部との隣接面において、遮光パターンが形成された前面板とのなす傾斜角が0.1°〜25°であってもよい。
<円偏光板の製造方法>
図1(a)に示した円偏光板100を例に、円偏光板の製造方法を説明する。円偏光板100は、偏光板1と位相差フィルム2とを粘着剤層13を介して積層することにより製造することができる。
偏光板1は、偏光子10と保護フィルム11,12とを、それぞれ接着剤層を介して積層して製造することができる。偏光板は、長尺の部材を準備し、ロール・トゥ・ロールでそれぞれの部材を貼り合わせた後、所定形状に裁断して製造してもよいし、それぞれの部材を所定の形状に裁断した後、貼り合わせてもよい。偏光子10に保護フィルム11,12を貼り合わせた後、偏光板の水分率を調整するために、加熱工程や調湿工程を設けてもよい。次いで、保護フィルム12上に、剥離フィルム上に形成された粘着剤層13を積層させる。
位相差フィルム2は、例えば次のように製造することができる。基材上に配向膜を形成し、配向膜上に重合性液晶化合物を含む塗工液を塗工する。重合性液晶化合物を配向させた状態で、活性エネルギー線を照射し、重合性液晶化合物を硬化させる。重合性液晶化合物が硬化した層上に、剥離フィルム上に形成された粘着剤層14を積層させる。次いで、基材及び/又は配向膜を剥離する。位相差フィルム2は、長尺の部材を準備し、ロール・トゥ・ロールでそれぞれの部材を貼り合わせた後、所定形状に裁断して製造してもよいし、それぞれの部材を所定の形状に裁断した後、貼り合わせてもよい。
そして、粘着剤層13上に積層された剥離フィルムを剥離し、粘着剤層13を介して位相差フィルム2と偏光板1とを貼合することにより、円偏光板100を作製することができる。
<用途>
円偏光板は、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(以下、無機ELともいう)表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FEDともいう)、表面電界放出表示装置(SEDともいう))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLVともいう)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMDともいう)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。円偏光板は、特に有機EL表示装置又は無機EL表示装置に特に有効に用いることができる。
図3(a)、(b)において、有機EL表示装置104,105は、位相差フィルム20上に積層された粘着剤層14を介して、円偏光板が有機EL表示素子3に積層された層構成を有する。
(1)フィルム厚みの測定方法
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーターであるMH−15Mを用いて測定した。
(2)透湿度の測定方法
保護フィルムの透湿度の測定は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じて行った。測定の条件は、温度40℃、相対湿度90%として行った。
(3)位相差値の測定方法
位相差測定装置KOBRA−PR(王子計測機器株式会社製)を用いて測定した。
(4)偏光板の水分率の測定方法
偏光板の水分率は、乾燥重量法により算出した。105℃で2時間乾燥させたときの偏光板の重量W1、乾燥前の偏光板の重量W0をそれぞれ測定した。これらの値を下記式に代入して、偏光板の水分率を算出した。
偏光板の水分率〔%〕={(W0−W1)÷W0}×100
<偏光子Aの作製>
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み8μmの偏光フィルムを得た。
<偏光子Bの作製>
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルムに代えて厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を用いた以外は、偏光子(A)の作製と同様にして、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み13μmの偏光子(B)を得た。
<偏光子Cの作製>
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルムに代えて厚み60μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を用いた以外は、偏光子(A)の作製と同様にして、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み23μmの偏光子(C)を得た。
<偏光子Dの作製>
厚み20μmのポリビニルアルコールフィルムに代えて厚み75μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を用いた以外は、偏光子(A)の作製と同様にして、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み28μmの偏光子(D)を得た。
<水系接着剤の調製>
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3重量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業株式会社から入手した商品名「スミレーズレジン(登録商標) 650(30)」、固形分濃度30重量%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水系接着剤を調製した。
<粘着剤層の準備>
粘着剤層A: 剥離フィルム上に形成された、厚みが25μmのアクリル系粘着剤層を準備した。
粘着剤層B: 剥離フィルム上に形成された、厚みが5μmのアクリル系粘着剤層を準備した。
粘着剤層C: 剥離フィルム上に形成された、厚みが20μmのアクリル系粘着剤層を準備した。
<保護フィルムの準備>
以下の保護フィルムを準備した。
保護フィルムA:厚さ20μmのノルボルネン系樹脂フィルム。
保護フィルムB:一方の面にハードコート層が形成されたノルボルネン系樹脂フィルム、保護フィルムBの厚みは52μmであった。
保護フィルムC:一方の面にハードコート層が形成されたTACフィルム、保護フィルムCの厚みは31μmであった。
保護フィルムD:一方の表面にハードコート層が形成されたノルボルネン系樹脂フィルム、保護フィルムCの厚みは29μmであった。
保護フィルムE:厚み40μmのTACフィルム。
保護フィルムF:厚さ13μmのノルボルネン系樹脂フィルム。
保護フィルムG:厚み25μmのTACフィルム。
保護フィルムH:厚み20μmのTACフィルム。
<位相差フィルムの作製>
下記構造の光配向性材料5部(重量平均分子量:30000)とシクロペンタノン(溶媒)95部とを成分として混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、配向膜形成用組成物を得た。

Figure 2019148734
以下に示す重合性液晶化合物A、及び重合性液晶化合物Bを90:10の質量比で混合した混合物に対して、レベリング剤(F−556;DIC社製)を1.0部、及び重合開始剤である2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(「イルガキュア369(Irg369)」、BASFジャパン株式会社製)を6部添加した。
さらに、固形分濃度が13%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、80℃で1時間攪拌することにより、位相差層形成用組成物を得た。
重合性液晶化合物Aは特開2010−31223号公報に記載の方法で製造した。また、重合性液晶化合物Bは、特開2009−173893号公報に記載の方法に準じて製造した。以下にそれぞれの分子構造を示す。
[重合性液晶化合物A]

Figure 2019148734
[重合性液晶化合物B]

Figure 2019148734
〔基材、配向膜、重合性液晶化合物が硬化した層からなる積層体の製造〕
基材として50μm厚の環状ポリオレフィン系フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名「ZF−14−50」〕上にコロナ処理を実施した。コロナ処理を施した面に配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布した。配向膜形成用組成物の塗膜を80℃で1分間乾燥した。偏光UV照射装置〔ウシオ電機(株)の商品名「SPOT CURE SP−9」〕を用いて、波長313nmにおける積算光量:100mJ/cmで軸角度45°にて偏光UVを塗膜に照射し、配向膜を得た。
続いて、配向膜上に、位相差層形成用組成物を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した。乾燥後の塗膜に高圧水銀ランプ〔ウシオ電機株式会社 の商品名:「ユニキュアVB−15201BY−A」〕を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm)することにより、重合性液晶化合物を重合させた。このようにして、基材、配向膜及び重合性液晶化合物が硬化した層からなる積層体を得た。
上記方法にて製造した重合性液晶化合物が硬化した層の面内位相差値Re(λ)は、粘着剤を介して積層体をガラスに貼合し、基材である環状ポリオレフィン系フィルムを剥離した後に、測定機〔王子計測機器株式会社商品名「KOBRA−WPR」〕により測定した。各波長における位相差値Re(λ)の測定結果は、Re(450)=121nm、Re(550)=142nm、Re(650)=146nmであり、重合性液晶化合物が硬化した層は位相差フィルムとして機能するものであった。これらの値に基づいてRe(450)/Re(550)=0.85、Re(650)/Re(550)=1.03と算出された。
<前面板の準備>
コーニング社製の厚みが0.4mmのガラス板を準備した。
[実施例1]
偏光子Aの一方の面に、上記水系接着剤を介して保護フィルムBを貼合し、もう一方の面に上記水系接着剤を介して保護フィルムAを貼合した。乾燥処理を施して、偏光板を作製した。偏光板の水分率は、1.11%であった。
偏光板における保護フィルムA上に、粘着剤層Bを積層し、剥離フィルムを剥離した。露出した粘着剤層B上に、重合性液晶化合物が硬化した層が貼合面となるように上記積層体を積層し、ついで基材を剥離した。このようにして、保護フィルムB/偏光子A/保護フィルムA/粘着剤層B/位相差フィルムからなる円偏光板を作製した。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
偏光子、保護フィルム、偏光板の水分率を以下の表1に示すように変更したこと以外は、同様にして、円偏光板を作製した。なお、偏光板の水分率は乾燥温度および乾燥時間を調整することによって調節した。
<耐熱試験>
作製した円偏光板における位相差フィルム上に粘着剤層Aを積層した。剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層Aを介して、円偏光板をガラス板に積層した。さらに、偏光板における位相差フィルム側とは反対側の保護フィルム(第1の保護フィルム)上に、粘着剤層Cを積層した。剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層C上に、前面板を積層した。このようにして、ガラス板(前面板)/粘着剤層C/円偏光板/粘着剤層A/ガラス板からなる評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルを85℃のオーブンに400時間投入した。投入前後の円偏光板の面内位相差値を測定し、その差分ΔReを算出した。なお、円偏光板の面内の中央部において位相差値を測定した。面内位相差値を測定した波長は547nmとした。以上の結果を表1に示す。実施例の円偏光板は、位相差値の低下が少なく、耐熱試験後の反射光には色づきがなかった。一方、比較例の円偏光板は、位相差値の低下が大きく、反射光が赤く色付いていた。
Figure 2019148734
本発明によれば、液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムを備える円偏光板において、カバーガラスを貼合した状態で高温環境下においた後の、初期からの反射光の色の変化が抑制できるので有用である。
1 偏光板
2 位相差フィルム
3 有機EL表示素子
4 前面板
10 偏光子
11 第1の保護フィルム
12 第2の保護フィルム
13,14,16 粘着剤層
15 接着層
20,21 重合性液晶化合物が硬化した層

Claims (4)

  1. 偏光子の一方の面に第1の保護フィルムが積層され、当該偏光子のもう一方の面に第2の保護フィルムが積層された偏光板と、重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差フィルムとを備え、
    以下の条件1及び条件2の内、少なくとも一方を満たす円偏光板。
    条件1:前記第1の保護フィルムの透湿度をx(g/m・24hr)とし、前記第2の保護フィルムの透湿度をy(g/m・24hr)としたときに、式(1)を満たす。
    1/x+1/y≧0.0030 式(1)
    条件2:前記偏光板の水分率が3.00%以下である。
  2. 条件1及び条件2を両方満たす請求項1に記載の円偏光板。
  3. 前記偏光板における前記位相差フィルムが積層された側とは反対側に、前面板を備える請求項1または2に記載の円偏光板。
  4. 前記偏光子の厚みが13μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の円偏光板。
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