JP2002072190A

JP2002072190A - 液晶表示素子

Info

Publication number: JP2002072190A
Application number: JP2000262593A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Ihara; 聡渭原; Kenji Kiyohara; 健司清原; Yuji Hayata; 祐二早田
Original assignee: Kyocera Display Corp
Current assignee: Kyocera Display Corp
Priority date: 2000-08-31
Filing date: 2000-08-31
Publication date: 2002-03-12

Abstract

(57)【要約】【課題】液晶表示素子の製造作業の効率を向上させる
とともに、楕円偏光板および偏光板の信頼性の高い液晶
表示素子を提供すること。【解決手段】前記楕円偏光板７のいずれか一辺に対し
て１０〜８０°のいずれかの角度を有する偏光軸方向に
位置する前記楕円偏光板７のコーナー部分に削落部１２
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を利用したデ
ィスプレイに使用される液晶表示素子に係り、特に、楕
円偏光板を配設する液晶表示素子の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、液晶表示素子には、ＴＮ (Twis
ted Nematic)型液晶表示素子、ＳＴＮ(Super Twisted N
ematic)型液晶表示素子、ＴＦＴ (Thin Film Transisto
r)方式を用いた液晶表示素子が知られている。特に、こ
れら液晶表示素子のうちカラー液晶表示素子は、優れた
演色性を有しているため自動車のインスツルメントパネ
ルにおけるスピードメータ、タコメータ、オドメータ、
トリップメータなど各種の機器やオーディオ機器などに
広く使用されている。

【０００３】例えば、図４に示すカラー液晶表示素子
は、間隔を隔ててほぼ平行に配置された２枚のガラスの
ような材質からなる透明基板１Ａ，１Ｂを有しており、
これらの両透明基板１Ａ，１Ｂ間の外周は周辺シール材
２により密閉されている。このうち、上方に位置する一
方の透明基板１Ａの下面には、透明共通電極３Ａが密着
するように配設されており、また、この透明共通電極３
Ａの下方には、非表示部を覆うように遮光膜４が配置さ
れている。

【０００４】また、前記遮光膜４の下方には、電極間に
印加される電圧に応じて液晶分子の配向を制御する配向
膜６Ａが密着するように全面に亘って配設されている。
さらに、前記透明基板１Ａの上面には楕円偏光板７Ａが
配設されている。

【０００５】一方、下方に位置する前記透明基板１Ｂの
上面には、透明セグメント電極３Ｂが配置されており、
この透明セグメント電極３Ｂの上方にはカラーフィルタ
膜５が配置されている。このカラーフィルタ膜５の形成
法としては、印刷法、電着法、染色法、顔料分散法など
各種の方法が従来から知られている。また、このカラー
フィルタ膜５の上方には配向膜６Ｂが密着するように配
設されている。さらに、前記透明基板１Ｂの下面には楕
円偏光板７Ｂが配設されている。

【０００６】そして、前記両透明基板１Ａ，１Ｂおよび
周辺シール材２により囲繞された密閉空間内にはＳＴＮ
形の液晶８が封入されており、さらに、両透明基板１
Ａ，１Ｂ間の間隔を正確に一定に保持するため、前記両
配向膜６Ａ，６Ｂ間には複数の球状あるいは柱状のスペ
ーサ９が介装されている。

【０００７】また、透過型表示素子の場合には、前記透
明基板１Ｂの下方の楕円偏光板７Ｂの下方に、図示しな
いバックライトが配設される。

【０００８】ここで、前記各楕円偏光板７Ａ，７Ｂは、
図１に示すように、偏光板１０と位相差板１１とを積層
して構成されている。このうち、前記偏光板１０は、光
の振動方向を規制する役割を果たすものである。また、
前記位相差板１１は、液晶層を通過するときに生じる干
渉色を補償するものであり、この位相差板１１に必要と
される基本特性は、液晶ディスプレイの電気光学特性に
合わせた位相差値（Δｎ・ｄ）を有することである。こ
こにおけるΔｎは縦方向と横方向の屈折率の差であり、
また、ｄは位相差板１１の膜厚である。そして、この位
相差板１１としては、従来から、ポリカーボネートなど
の高分子フィルムを一軸延伸した位相差板１１や、液晶
性高分子フィルムからなる位相差板１１が用いられてい
る。

【０００９】このような構成のカラー液晶表示素子によ
れば、表示すべき画像に対応するように特定の透明セグ
メント電極３Ｂと透明共通電極３Ａとの間に電圧を印加
させ、両電極３Ａ，３Ｂ間に位置する配向膜６Ａ，６Ｂ
により液晶８の分子の配向を制御して、バックライトか
らの光のうち特定波長の光のみをカラーフィルタ膜５を
介して透明基板１Ａおよび楕円偏光板７Ａに通過させる
ことにより、カラー画像を目視できることになる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、偏
光板１０と位相差板１１とを積層させて貼付した楕円偏
光板７は、高温高湿の環境下に放置することにより、膨
張や収縮を生じる。その際、同一の楕円偏光板７を構成
していても、偏光板１０と位相差板１１とではその膨張
や収縮の程度は異なっており、位相差板１１よりも強く
延伸させる偏光板１０の方が大きく膨張または収縮し、
特に、偏光板１１の偏光軸方向へ内部応力が強く働き、
従って変動も大きくなるという特性を有している。

【００１１】そのため、楕円偏光板７を貼付する透明基
板１（液晶パネル）の洗浄の程度・貼付前の保管による
汚染の程度等の表面状態や、貼付のための接着剤（図示
せず）の接着力等によっては、透明基板１と楕円偏光板
７との間、楕円偏光板７を構成する偏光板１０と位相差
板１１との間等で接着力が不足して、剥離が生じること
があった。そして、この剥離は、特に、前記楕円偏光板
のいずれか一辺に対して１０〜８０°のいずれかの角度
を有する偏光軸方向に位置する楕円偏光板７のコーナー
部分に生じ易かった。また、楕円偏光板７を透明基板１
の所定位置に接着剤を用いて接着させた後においては、
前記偏光板７の膨張あるいは収縮が、位相差板１１を伴
った楕円偏光板７を前記透明基板１から剥離させる原因
となることもあった。

【００１２】前記剥離は接着力の強い接着剤を用いるこ
とで抑制しうるが、偏光板１０に起因する製品不良が発
生した場合に、偏光板１０の剥離再生が困難となるとい
う不具合がある。また、ポリカーボネート等の高分子フ
ィルムを一軸延伸した位相差板等では、接着剤の接着力
を高めると、高温高湿環境下に放置したときに位相差値
が変動する等の不具合が発生することが解っている。

【００１３】本発明は、このような点に鑑み、接着剤の
接着力に頼ることなく、高温高湿環境下における楕円偏
光板や楕円偏光板を構成する偏光板の剥離の問題を解消
することにより、楕円偏光板を貼付する前の液晶パネル
の洗浄・保管を含めた液晶表示素子の製造作業の効率を
向上させるとともに、楕円偏光板および偏光板の信頼性
の高い液晶表示素子を提供することを目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、本発明の液晶表示素子の特徴は、前記楕円偏光板
のいずれか一辺に対して１０〜８０°のいずれかの角度
を有する偏光軸方向に位置する前記楕円偏光板のコーナ
ー部分に削落部を形成した点にある。

【００１５】そして、このような構成を採用したことに
より、偏光板に働く内部応力を緩和させることにより、
高湿高温環境下に液晶表示素子を放置しても、楕円偏光
板あるいは前記偏光板の剥離を防止することができる。

【００１６】また、本発明の液晶表示素子は、前記削落
部は円弧状に形成され、その半径を２〜８ｍｍとされて
いることを特徴とする。

【００１７】さらに、本発明の液晶表示素子は、前記削
落部は直線状に形成され、その偏光板の辺部分の削落寸
法を２〜８ｍｍとされていることを特徴とする。

【００１８】これらの構成を採用したことにより、より
確実に楕円偏光板あるいは前記偏光板の剥離を防止する
ことができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の液晶表示素子全体の機械
的構成は、前述した図４と同様なので、その図示は省略
する。

【００２０】本実施形態の液晶表示素子の楕円偏光板７
は、図１に示すように、偏光板１０と位相差板１１とを
積層して貼り合わせた構造とされており、図２に示すよ
うに、前記楕円偏光板７のいずれか一辺に対して１０〜
８０°のいずれかの角度を有する偏光軸方向に位置す
る、前記楕円偏光板７のコーナー部分に削落部１２が形
成されている。本実施形態において、前記削落部１２は
円弧状に角丸め（アール）形成されている。

【００２１】前記所定角度としては、前記角度を４５°
としたその偏光軸方向のライン上に偏光板１０のコーナ
ー部分が位置した場合に最も剥離が生じやすいことか
ら、この４５°の前後３５°の範囲内となる１０〜８０
°、好ましくは前後３０°の範囲内となる１５〜７５°
とする。

【００２２】また、前記角丸め（アール）形成は、図２
に示すように、半径２〜８ｍｍで形成されているものと
し、半径２〜６ｍｍで形成されている楕円偏光板７が好
ましい。

【００２３】この角丸め（アール）形成は、所望の半径
寸法の円弧状に形成されたトムソン刃等を用いて打ち抜
き形成することとする。

【００２４】なお、位相差板１１としては、ポリカーボ
ネート等の高分子フィルムを一軸延伸した位相差板、あ
るいは、液晶性高分子フィルムからなる位相差板が使用
可能である。

【００２５】また、図３に示す液晶表示素子の楕円偏光
板７は、前記前記楕円偏光板のいずれか一辺に対して１
０〜８０°のいずれかの角度を有する偏光軸方向に位置
する前記楕円偏光板７のコーナー部分に形成された削落
部１２が面取（コーナーカット）形成されている。

【００２６】この面取（コーナーカット）形成は、図３
の一部拡大図に示すように、偏光板のＸ軸方向、Ｙ軸方
向の両辺部分の削落寸法をそれぞれ２〜８ｍｍに形成さ
れているものとし、２〜６ｍｍとして形成されている楕
円偏光板７が好ましい。なお、削落寸法はＸ軸方向寸法
（図中、Ｘ）とＹ軸方向寸法（図中、Ｙ）とで同寸法で
ある必要はなく、例えば、Ｘ＝３（ｍｍ）、Ｙ＝４（ｍ
ｍ）とする三角形状を切り取ってもよい。

【００２７】この面取（コーナーカット）形成は、カッ
ター等を用いてコーナー部分を切り取ることとする。

【００２８】なお、前記偏光軸の角度および位相差板１
１については、前述の実施形態と同様である。

【００２９】削落部１２の大きさは、楕円偏光板７ある
いは偏光板１０の剥離を防止する観点から大きくしても
よいが、大きすぎると楕円偏光板７のない部分（削落部
１２）が液晶表示素子の視野領域に入り、美粧性を低下
させるとともに、削落部１７に位置する部分に遮光膜が
ない場合には、液晶に外光（紫外線）が照射された液晶
の劣化を生じさせるので、上記の範囲の大きさとされ
る。

【００３０】このような構成の楕円偏光板７とすること
により、高温高湿環境下における偏光板１０の剥離の問
題を解消することができるので、液晶表示素子の製造工
程において洗浄工程を経た後、長時間放置されても、楕
円偏光板７の貼付信頼性に悪影響を与えることがなく、
液晶表示素子の製造作業効率を向上させることができ
る。

【００３１】そして、本実施形態の液晶表示素子の構成
によれば、偏光板１０と位相差板１１あるいは楕円偏光
板７と透明基板１との接着に用いられる接着剤の接着力
をアップさせなくても、楕円偏光板７や偏光板１０の剥
離を抑制することができるので、接着剤の選択の幅も広
がる。また、偏光板７に起因する不良が発生しても、偏
光板７の剥離再生を簡単に行うことができる。

【００３２】つぎに、前述した本発明の液晶表示素子の
楕円偏光板の作用効果について、具体的な実験例を用い
て説明する。

【００３３】第１実験例においては、５％濃度の苛性ソ
ーダで５分間超音波洗浄を行い、７２時間放置した２０
０ｍｍ×１００ｍｍ、２ｍｍの厚さのソーダガラスから
なる透明基板材料に、１６０ｍｍ×８０ｍｍのサイズに
カットされた１８０°ツイスト、９５０ｎｍ仕様のＴｗ
ｉｓｔａｒ（ポラテクノ製商品名）からなる楕円偏光板
７を貼付した試料を、５０℃、４ｋｇ／ｃｍ²、１５分
間のオートクレープ処理を行い、６０℃、９０％の高温
高湿環境下に１４４時間放置したところ、楕円偏光板７
（偏光板１０）のコーナー部分に剥離が生じた。このと
きの偏光軸の角度は４５°とした。

【００３４】また、第２実験例においては、５％濃度の
苛性ソーダで５分間超音波洗浄を行い、７２時間放置し
たソーダガラスからなる透明基板材料に、偏光軸方向線
上のコーナー部分に半径をそれぞれ１，２，４，６，８
ｍｍとする円弧状の削落部を形成した、前記第１実施例
と同サイズ、同規格のＴｗｉｓｔａｒからなる楕円偏光
板を貼付した試料で同様の試験を行ったところ、半径２
ｍｍ以上に形成した試料においては、いずれも前述のよ
うな剥離は検出されなかった。

【００３５】さらに、第３実験例においては、５％濃度
の苛性ソーダで５分間超音波洗浄を行い、７２時間放置
したソーダガラスからなる透明基板材料に、偏光軸方向
線上のコーナー部分をそれぞれ１，２，４，６，８ｍｍ
にコーナーカットした、前記第１実験例と同サイズ、同
規格のＴｗｉｓｔａｒ（ポラテクノ製商品名）からなる
楕円偏光板を貼付した試料で同様の試験を行ったとこ
ろ、２ｍｍ以上にコーナーカットを行った試料において
は、いずれも前述のような剥離は検出されなかった。

【００３６】なお、本発明は、前述した実施形態に限定
されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能で
ある。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
温高湿環境下における偏光板や楕円偏光板の剥離の問題
を解消することができるので、偏光板の信頼性を向上さ
せることができる。また、高温高湿環境下における剥離
の問題を解消できると、液晶表示素子やこれを用いた液
晶表示パネルの製造作業を効率化することができ、ま
た、その保管や取り扱い等のコストも削減することがで
きる。さらに、接着力を高めることを接着剤に効能に頼
らないので、接着剤の選択の幅も広がり、コスト削減に
貢献することができる。さらにまた、偏光板に起因する
不良が発生しても、偏光板の剥離再生を簡単に行うこと
ができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】液晶表示素子の楕円偏光板を示す縦断面図

【図２】本発明の液晶表示素子の一実施形態の楕円偏
光板（角丸め）の平面図

【図３】本発明の液晶表示素子の別の実施形態の楕円
偏光板（面取）の平面図

【図４】カラー液晶表示素子を示す縦断面図

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ透明基板２周辺シール材３Ａ透明共通電極３Ｂ透明セグメント電極４遮光膜５カラーフィルタ膜６Ａ，６Ｂ配向膜７，７Ａ，７Ｂ楕円偏光板８液晶９スペーサ１０偏光板１１位相差板１２削落部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者早田祐二東京都荒川区東日暮里５丁目７番18号オプトレックス株式会社内Ｆターム(参考） 2H049 BA04 BB11 BB51 BC22 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA41Z GA08 GA13 HA07 HA10 LA30

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】それぞれ電極を設けた一対の基板と周辺
シール材により囲繞された空間に液晶を封入するととも
に、少なくとも一方の前記基板の外表面に偏光板と位相
差板とを積層貼付した楕円偏光板を配設した液晶表示素
子において、前記楕円偏光板のいずれか一辺に対して１０〜８０°の
いずれかの角度を有する偏光軸方向に位置する当該楕円
偏光板のコーナー部分に削落部を形成したことを特徴と
する液晶表示素子。
【請求項２】前記削落部は円弧状に形成され、その半
径を２〜８ｍｍとされていることを特徴とする請求項１
に記載の液晶表示素子。
【請求項３】前記削落部は直線状に形成され、偏光板
の辺部分の削落寸法を２〜８ｍｍとされていることを特
徴とする請求項１に記載の液晶表示素子。