JP7013279B2 - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板およびその製造方法に関する。
モバイル機器、カーナビゲーション装置、パソコン用モニタ、テレビ等の各種画像表示装置として、液晶表示装置や有機EL表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、その表示原理から、液晶セルの視認側表面に偏光板が配置されている。透過型の液晶表示装置では、液晶セルの両面に偏光板が配置されている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射されて鏡面のように視認されることを抑止するために、視認側表面に円偏光板(典型的には、偏光板と1/4波長板の積層体)が配置される場合がある。
偏光板を構成する偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにヨウ素を吸着させ、延伸等により分子を配向されたものが広く使用されている。ポリビニルアルコールは親水性が高いため、ポリビニルアルコール系偏光子は吸湿による劣化が生じやすい。そのため、一般的に、偏光板は、ポリビニルアルコール系の偏光子の一方または両方の主面に偏光子保護フィルムが貼り合わせられている。
偏光子の主面に偏光子保護フィルムを貼り合わせた場合でも、偏光子の端面が露出しているため、端面からの水分の侵入により、偏光板周縁の偏光子が劣化して色抜けが生じやすい。偏光板の端面における偏光子の劣化を防止するために、特許文献1では、偏光板の端面を、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂により封止して、端面からの水分の侵入を抑制する方法が提案されている。特許文献2では、偏光板の周縁に主面からレーザー光を照射し、偏光子の主面に設けられた偏光子保護フィルムが溶融して偏光子の端面を覆う肉厚部を形成することにより、端面の耐クラック性を向上できることが記載されている。
特開2011-22202号公報 特開2012‐173588号公報
近年、スマートフォン等のモバイル機器を中心に、表示装置の狭額縁化やベゼルレス化が進んでいる。従来は、偏光板の周縁部(例えば、端面から1mm程度の領域)は画像表示装置の筐体内に収容され、外部からは視認されることがなかったが、狭額縁化やベゼルレス化に伴い、偏光板の周縁部も表示領域として利用されるようになっている。特許文献1や特許文献2に記載されている加工方法では、偏光板の周縁部に、封止のための樹脂層やレーザー加工による肉厚部が形成されており、狭額縁化や狭ベゼルレス化には不向きである。
人体に付着した薬品や化粧品等が偏光板の端面から偏光子内に侵入すると、偏光子の端面の劣化が顕著となる傾向がある。そのため、偏光板には、水分に対する耐久性だけでなく、薬品に対する耐久性も要求されるようになっている。
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に透明フィルムを備える枚葉の偏光板およびその製造方法に関する。
本発明の偏光板における偏光子は、面内の端部の赤外吸収スペクトルにおける1089cm-1付近のピークの吸光度A1089と3300cm-1付近のピークの吸光度A3300との比A3300/A1089が、面内の中央部の赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089よりも小さいことが好ましい。偏光子の面内の端部のA3300/A1089は、面内中央部のA3300/A1089の0.97倍以下が好ましい。
偏光板の作製においては、まず、相対的にサイズの大きい偏光板を切断して枚葉の偏光板を切り出す。相対的にサイズの大きい偏光板は、例えば、ロール・トゥー・ロール法により作製された長尺状の偏光板である。本発明の製造方法では、切り出し後の偏光板の端面に、偏光子が吸収可能な波長の光線を照射することにより、偏光板の端面の偏光子を変性させる。枚葉に切り出した偏光板への光照射は、複数の偏光板を積層した状態で実施してもよい。
偏光子の端面に照射する光線は、好ましくはインコヒーレント光である。偏光子の端面への光線照射はパルス照射でもよい。パルス照射におけるパルス時間幅は10マイクロ秒~100ミリ秒が好ましい。
本発明によれば、薬品が付着した状態で高温高湿度環境に曝された場合でも端部の退色が生じ難く耐久性に優れる偏光板が得られる。
図1Aは枚葉偏光板の一実施形態を模式的に表す平面図であり、図1Bは図1AのB1‐B2線における断面を表す模式的断面図である。 複数の偏光板を積層した状態での偏光板の端面への光照射を行う様子を表す概念図である。
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子保護フィルムとしての透明フィルムを備える枚葉の偏光板に関し、端面において偏光子が変性していることを特徴とする。
[偏光板の構成]
図1Aは偏光板10の平面図であり、図1Bは図1AのB1‐B2線における断面図である。図1Bに示す偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子21の一方の面に第一偏光子保護フィルム31を備え、偏光子21の他方の面に第二偏光子保護フィルム32を備える。
<偏光子>
偏光子21は、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール(PVA)系フィルムである。偏光子に適用されるPVA系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度が1000~10000程度、ケン化度が80~100モル%程度のものが一般に用いられる。
PVA系フィルムに、ヨウ素染色および延伸を施すことにより、偏光子が得られる。偏光子の製造工程においては、必要に応じて、水洗、膨潤、架橋等の処理が行われてもよい。延伸は、ヨウ素染色の前後いずれに行われてもよく、染色しながら延伸が行われてもよい。延伸は、空中での延伸(乾式延伸)、あるいは、水中や、ホウ酸、ヨウ化カリウム等を含む水溶液中での延伸(湿式延伸)のいずれでもよく、これらを併用してもよい。
PVA系偏光子として、厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることもできる。薄型の偏光子としては、例えば、特開昭51-069644号公報、特開2000-338329号公報、WO2010/100917号パンフレット、特許第4691205号明細書、特許第4751481号明細書等に記載されている薄型偏光子を挙げることができる。これらの薄型偏光子は、PVA系樹脂層と延伸用樹脂基材とを積層体の状態で延伸する工程と、ヨウ素染色する工程とを含む製法により得られる。
<偏光子保護フィルム>
偏光板10は、偏光子21の両方の主面に、偏光子保護フィルム31,32として透明フィルムが貼り合わせられている。なお、図1Bでは、偏光子21の両面に透明保護フィルム31,32が設けられている形態が図示されているが、偏光子21の一方の面のみに偏光子保護フィルムが設けられていてもよい。
偏光子保護フィルム31,32を構成する材料としては、透明性、機械強度、および熱安定性に優れる熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
偏光子21の両面に偏光子保護フィルム31,32が設けられる場合、その表裏で同一の樹脂材料からなるフィルムが用いられてもよく、異なる樹脂材料からなるフィルムが用いられてもよい。また、液晶セルの光学補償や視野角拡大等を目的として、位相差板(延伸フィルム)等の光学異方性フィルムを偏光子保護フィルムとして用いることもできる。偏光子保護フィルムがλ/4板であり、偏光子と偏光子保護フィルムとが円偏光板を構成していてもよい。例えば、有機EL素子の視認側表面に円偏光板を配置することにより、金属電極等による外光の反射を遮蔽して表示の視認性を向上できる。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、強度や取扱性等の作業性、薄膜性等の点からは、5~100μm程度が好ましく、10~80μmがより好ましい。
<接着剤>
偏光子21と偏光子保護フィルム31,32とは、適宜の接着剤層(不図示)を介して貼り合せられていることが好ましい。PVA系偏光子と偏光子保護フィルムとの貼り合わせに用いられる接着剤は、光学的に透明であればその材料は特に制限されず、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。接着剤の厚みは、5μm以下が好ましく、0.01~3μmがより好ましく、0.05~2μmがさらに好ましい。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤系接着剤、ホットメルト接着剤系、活性エネルギー線硬化型接着剤等の各種形態のものが用いられる。これらの中でも、接着剤層の厚みを小さくできることから、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。
水系接着剤としては、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等の水溶性または水分散性ポリマーを含むものを例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、フィルム上に水溶液を塗布し、乾燥させることにより形成される。水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒を配合することもできる。
水系接着剤のポリマーとしては、PVA系偏光子との接着性に優れることから、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、接着耐久性を向上させる点から、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含むものが特に好ましい。水系接着剤には、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物を、架橋剤として配合することもできる。このような架橋剤としては、ホウ酸やホウ砂;カルボン酸化合物;アルキルジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;モノアルデヒド類;ジアルデヒド類;アミノ-ホルムアルデヒド樹脂;二価金属または三価金属の塩およびその酸化物等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線や紫外線等の活性エネルギー線の照射により、ラジカル重合、カチオン重合またはアニオン重合可能な接着剤である。中でも、低エネルギーで硬化可能であることから、紫外線照射によりラジカル重合が開始する光ラジカル重合性接着剤が好ましい。
ラジカル重合性接着剤のモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、ビニル基を有する化合物が挙げられる。中でも、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、C1-20鎖状アルキル(メタ)アクリレート、脂環式アルキル(メタ)アクリレート、多環式アルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。ラジカル重合性接着剤は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N‐メチロール(メタ)アクリルアミド、N‐メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマーを含んでいてもよい。ラジカル重合性接着剤は、架橋成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9‐ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを含んでいてもよい。
光ラジカル重合性接着剤は、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。ラジカル重合開始剤の含有量は、モノマー100重量部に対して、通常0.1~10重量部程度、好ましくは、0.5~3重量部である。なお、ラジカル重合性接着剤を電子線硬化型として用いる場合には、重合開始剤は特に必要ない。ラジカル重合性接着剤には、必要に応じて、カルボニル化合物等で代表される光増感剤を添加することもできる。光増感剤は、電子線による硬化速度や感度を上昇させるために用いられる。光増感剤の使用量はモノマー100重量部に対して、通常0.001~10重量部程度、好ましくは、0.01~3重量部である。
接着剤は、必要に応じて適宜の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシド等の接着促進剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等が挙げられる。
<付加層>
偏光板は、偏光子および偏光子保護フィルムに加えて、各種の付加層を有していてもよい。付加層としては、位相差板、視野角拡大フィルム、視野角制限(覗き見防止)フィルム、輝度向上フィルム等の画像表示装置の形成に用いられる各種の機能性光学フィルム、偏光板と画像表示セル等との貼り合わせのための粘着剤、偏光板や機能性光学フィルム等の表面を保護するための表面保護フィルム等が挙げられる。
粘着剤層を構成する粘着剤は特に制限されず、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー等をベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤等の、透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性を示し、耐候性や耐熱性等に優れる粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚みは、被着体の種類等に応じて適宜設定され、一般には5~500μm程度である。
粘着剤層の表面には、セパレーターが仮着されていることが好ましい。セパレーターは、偏光板を画像表示セル等と貼り合わせるまでの間、粘着剤層の表面を保護する。セパレーターの構成材料としては、アクリル、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等のプラスチックフィルムが好適に用いられる。セパレーターの厚みは、通常5~200μm程度である。セパレーターの表面には、離型処理が施されていることが好ましい。離型剤としては、シリコーン系材料、フッ素系材料、長鎖アルキル系材料、脂肪酸アミド系材料等が挙げられる。
表面保護フィルムの材料としては、上述のセパレーターと同様のプラスチック材料が好ましく用いられる。表面保護フィルムの厚みは、例えば20~1000μm程度である。
偏光板を構成する偏光子保護フィルムや機能性光学フィルムの表面には、反射防止層、防汚層、光拡散層、易接着層、帯電防止層等の機能性付与層が設けられていてもよい。
反射防止層としては、光の多重干渉作用による反射光の打ち消し効果を利用して反射を防止する薄層タイプや、表面に微細構造を付与することにより反射率を低減させるタイプのものが挙げられる。光の多重干渉を利用する反射防止層の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等の高屈折率層と、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等の低屈折率層との交互積層体が挙げられる。反射防止層の厚みは、例えば0.01~2μm程度であり、好ましくは0.05~1.5μmである。
防汚層の材料としては、フッ素基含有シラン系化合物や、フッ素基含有有機化合物等が挙げられる。また、ダイアモンドライクカーボン等も防汚層の材料として用いることができる。防汚層の厚みは、例えば0.01~2μm程度であり、好ましくは0.05~1.5μmである。
光拡散層としては、後方散乱が小さいものが好ましい。光拡散層のヘイズは、20~88%が好ましく、30~75%がより好ましい。光拡散層としては、例えば拡散粘着剤層が用いられる。拡散粘着剤層としては、粘着剤を構成するポリマー中に、異なる屈折率を有する粒子を混合したもの等が用いられる。前述の粘着剤層として拡散粘着剤層を用いてもよい。
光拡散層を設ける代わりに、あるいは光拡散層に加えて、偏光子保護フィルムや機能性光学フィルムの表面にアンチグレア処理を施してもよい。アンチグレア処理としては、サンドブラストまたはエンボス加工等による粗面化、透明微粒子の配合等により、表面に微細凹凸構造を付与する方法が挙げられる。
偏光子、偏光子保護フィルムおよび機能性光学フィルムの表面には、接着剤等に対する濡れ性や密着性の向上を目的として易接着層を設けてもよい。易接着層の材料としては、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、分子中にアミノ基を含むポリマー類、エステルウレタン系樹脂、オキサゾリン基を有するアクリル系樹脂等が挙げられる。易接着層の厚みは、例えば0.05~3μmであり、好ましくは0.1~1μmである。
帯電防止層としては、バインダー樹脂中に帯電防止剤を添加したものが好ましく用いられる。帯電防止剤としては、イオン性界面活性剤系、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリキノキサリン等の導電性ポリマー;酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム等の金属酸化物系等が挙げられる。特に、光学特性、外観、帯電防止効果等の観点から、導電性ポリマーが好ましく用いられる。中でも、ポリアニリン、ポリチオフェン等の水溶性または水分散性の導電性ポリマーが好ましい。帯電防止層の厚みは、例えば0.01~2μmであり、好ましくは0.05~1μmである。易接着層のバインダー樹脂中に帯電防止剤を含めることにより、帯電防止性を有する易接着層を形成してもよい。
[偏光板の加工]
<偏光板の切断>
相対的に面積の大きい偏光板から枚葉の偏光板が切り出される。偏光子と偏光子保護フィルムとの貼り合わせ、粘着剤層、表面保護フィルム、機能性光学フィルム等の付加層の付設は、ロール・トゥー・ロールプロセスにより行われることが好ましい。ロール・トゥー・ロールプロセスにより、大面積の偏光板が得られる。大面積の偏光板は、画像表示装置のサイズ(画面サイズ)と合致する製品サイズに切り出される。切断方法としては、トムソン刃等を用いて打ち抜く方法、丸刃や皿刃等のカッターを用いる方法、レーザー光や水圧を利用する方法等が挙げられる。図1Aでは、矩形の偏光板が図示されているが、偏光板の形状は矩形に限定されず、三角形、ひし形、五角形、六角形等の多角形でもよい。偏光板の形状は、円形、楕円形等でもよく、多角形の頂点部分が面取りされた形状のように、直線部分と曲線部分を有していてもよい。
偏光板の切断時には、偏光子作製時の延伸方向と垂直な切断端面の偏光子にマイクロクラックが発生しやすい。切断端面のマイクロクラックの除去等を目的として、偏光板の切断端面を切削加工してもよい。切削方法としては、特開2004-167673号公報や特開2004-148419号公報に記載の方法等が挙げられる。
切断端面の切削加工は、偏光板の外周全体に対して実施してもよく、特定の切断端面のみを切削してもよい。切削幅は、切断時に生じたマイクロクラックを除去可能であればよい。切削幅は、通常10mm以下であり、好ましくは0.1~5mm程度である。切断後の偏光板を複数積層して切削加工を行ってもよい。複数の偏光板を積層して切削加工を実施することにより、処理効率を向上できる。
<偏光子の端面変性>
枚葉に切り出し、必要に応じて切削加工を行った後、偏光子の端面変性処理を行う。端面に露出している偏光子に、熱や光によるエネルギーを付与して変性することにより、水分や薬品に対する耐久性が向上し、偏光板の周縁の偏光子の劣化が抑制される傾向がある。
偏光板の周縁部分を選択的に変性するためには、偏光板の端面への光照射が好ましい。端面からの光照射により、偏光板10の周縁部の偏光子21に、変性領域21eが形成される。例えば、図1に示す偏光板10の周縁部分の偏光子を変性するためには、偏光板の端面11,12,13,14から光を照射することが好ましい。図2に示すように、複数の偏光板を積層した状態で、積層体100の4つの端面101,102,103,104のそれぞれに光を照射し、複数の偏光板に同時に変性処理を行ってもよい。複数の偏光板を積層して端面変性処理を実施することにより、処理効率を向上できる。
光照射により変性処理を行う場合、偏光子が吸収可能な波長の光線を照射することが好ましい。偏光子に吸収された光エネルギーは熱エネルギーに変換され、温度上昇により偏光子が変性する。
二色性物質としてヨウ素を含むPVA系偏光子は主に380~800nm程度の可視光領域に吸収性を有し、特に、400~700nmの吸収率が高い。そのため、波長400~700nmの光を照射して偏光子を変性することが好ましい。また、偏光子に隣接して設けられた偏光子保護フィルムは可視光の吸収が小さいため、可視光を照射することにより、偏光子を選択的に変性させることが可能である。偏光板に照射する光線は、コヒーレント光でもよく、インコヒーレント光でもよい。
レーザー等のコヒーレント光は、単位時間単位空間密度あたりのエネルギーが高く、偏光板を構成する偏光子や偏光子保護フィルムの蒸発や溶解を引き起こしやすい。また、コヒーレント光は照射面積が小さいため、偏光板の端面全体を変性するためには、光源または偏光板の位置を移動しながら加工を行う必要がある。一方、インコヒーレント光は、多光子過程や干渉等によるエネルギーの過度の強め合いがなく、局所的に必要以上にエネルギーが供給されることがないため、偏光板の端面およびその近傍の偏光子を局所的に変性させることが可能である。また、インコヒーレント光はコヒーレント光に比べて大面積の照射が可能であるため、複数の偏光板を積層して同時に端面変性処理を実施できる。そのため、偏光板に照射する光線はインコヒーレント光が好ましい。
偏光板の端面への光照射は連続的に実施してもよく、間欠的に実施してもよい。光照射はパルス照射でもよい。パルス照射とは、所定のパルス時間幅での光照射(オン)と非照射(オフ)とを連続的に繰り返す照射方法である。偏光子の過度の加熱による溶融を抑制しつつ、照射面およびその近傍領域を局所的に変性させることが可能であることから、パルス照射が好ましい。
光線のパルス照射幅は一般には1ナノ秒~1秒程度である。偏光子の光吸収による加熱変性を促進し、かつ過度の加熱による溶融や変性領域の拡大を抑制する観点から、パルス時間幅は10マイクロ秒~100ミリ秒が好ましく、50マイクロ秒~50ミリ秒がより好ましく、100マイクロ秒~10ミリ秒がさらに好ましい。パルス照射は、1回のみでもよく、2回以上繰り返してもよい。偏光子の変性を十分に進行させるためには、複数回のパルス照射を行うことが好ましい。照射時間(パルス幅と照射回数の積)は、1ミリ秒~1秒程度が好ましく、5ミリ秒~500ミリ秒がより好ましい。
インコヒーレントなパルス光の照射にはフラッシュ光源を用いることが好ましい。フラッシュランプはパルス幅の制御により、加熱深度を調整可能であり、パルス幅が短いほど加熱深度が小さくなる。そのため、照射面近傍を局所的に変性させることが可能である。フラッシュ光源としては、キセノンフラッシュランプ、アルゴンフラッシュランプ、クリプトンフラッシュランプ等が挙げられる。中でも、偏光子が吸収可能な可視領域に強い発光スペクトルを有することから、キセノンフラッシュランプが好ましい。
マイクロ秒からミリ秒オーダーの短時間のパルス照射で照射面近傍を選択的に加熱変性させるためには、高輝度のフラッシュランプを用いることが好ましい。例えば、半導体のフラッシュランプアニールに用いられるフラッシュランプ等が好適に用いられる。光源と偏光板の端面(照射面)までの距離は、変性対象領域の全体に光が照射されるように調整すればよい。インコヒーレント光の強度は距離の2乗に反比例するため、光源から偏光板の端面までの距離が過度に大きいと、光照射による変性が不十分となる場合がある。光源と偏光板の端面との距離は、1~500mm程度が好ましく、2~100mm程度がより好ましい。
偏光板の端面からキセノンフラッシュランプ等による光照射を行うことにより、偏光板10の周縁部の偏光子21が変性して、変性領域21eが形成される。変性領域21eでは偏光子が変性されているため、中央部21cとは偏光子の特性が異なっている。端面からの光照射によりPVA系偏光子を局所的に加熱した際の特徴的な変化として、赤外吸収スペクトルにおける1089cm-1付近の吸光度の増大が挙げられる。
1089cm-1付近の吸収は、エーテル結合(C-O-C)のC-O伸縮に由来する。したがって、1089cm-1付近の吸光度の増大は、変性によるエーテル結合の生成を意味する。エーテル結合の生成は、ポリビニルアルコールの水酸基の脱水縮合によるものと考えられる。すなわち、変性により、ポリビニルアルコールの分子鎖に架橋構造が導入されて分子構造がより密となるため、偏光板の端面からの偏光子内への水分や油分等の侵入が抑制され、偏光板の耐久性が向上すると考えられる。また、架橋構造の導入により、機械強度が向上するため、クラック抑制等の効果も期待できる。
端面近傍の偏光子が局所的に変性されていることは、偏光子の面内中央部と端部の赤外吸収スペクトルの対比により確認できる。PVA系偏光子の変性により、エーテル結合が生成すると、赤外吸収スペクトルにおける1089cm-1付近のピークの吸光度A1089と3300cm-1付近のピークの吸光度A3300との比A3300/A1089が小さくなる。3300cm-1付近の吸収は水酸基のO-H伸縮に由来する。前述のように、1089cm-1付近の吸収は、エーテル結合のC-O伸縮に由来する。なお、本明細書において、特定の波数「付近」のピークとは、当該波数±15cm-1に存在するピークの中で、当該波数に最も近い波数のピークを指す。
光照射によりPVA系偏光子が変性すると、水酸基に由来する3300cm-1付近のピークの吸光度A3300が小さくなり、エーテル結合に由来する1089cm-1付近のピークの吸光度A1089が大きくなる。端面近傍の偏光子が局所的に変性されている場合は、偏光子の面内の端部21e(変性部)の赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089が、中央部21cの赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089よりも小さい。換言すると、偏光子の面内の端部21eの赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089が、中央部21cの赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089よりも小さい偏光板は、面内中央部の偏光子は変性されずに良好な光学特性を有し、面内端部では偏光子が変性されている。面内端部の偏光子が変性されていることにより、偏光板の耐久性が向上する傾向がある。特に本発明の偏光板は耐薬品性に優れ、薬品が付着した状態で高温高湿度の環境に暴露された場合でも、端部の退色劣化が生じ難い。
偏光子21は、面内の端部21eのA3300/A1089が、面内中央部21cのA3300/A1089の0.97倍以下であることが好ましい。面内の端部21eのA3300/A1089が小さいほど、耐薬品性が向上する傾向がある。端部21eのA3300/A1089は、中央部21cのA3300/A1089の0.95倍以下がより好ましく、0.9倍以下がさらに好ましく、0.85倍以下が特に好ましい。
偏光板の耐久性向上の観点からは、偏光子の面内端部21eのA3300/A1089は小さいほど好ましい。一方、A3300/A1089を大幅に低下させるためには、変性処理に長時間を要し、生産性の低下を招く場合がある。また、端部の偏光子のA3300/A1089を小さくすると、変性領域21eの幅Wが大きくなり、偏光板の有効面積が減少するため、画像表示装置の狭額縁化への適応が困難となる場合がある。そのため、端部21eのA3300/A1089は、中央部21cのA3300/A1089の0.05倍以上が好ましく、0.1倍以上がより好ましく、0.2倍以上がさらに好ましい。
偏光子の赤外吸収スペクトルは、偏光板から偏光子保護フィルム等を剥離して偏光子を露出させた状態で顕微赤外分光計を用いて全反射法(ATR法)により測定される。面内端部の偏光子の赤外吸収スペクトルは、端面(外周)から100μmの領域に測定光を照射して測定を行う。
3300/A1089が、面内中央部のA3300/A1089の0.95倍以下である領域を変性領域とした場合に、変性領域の幅Wは、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。変性領域の幅は、顕微赤外分光の測定光(入射光)の光径を10μm程度に設定して、端面側から中心部に向かって複数点で赤外吸収スペクトルを測定し、端面からの距離とA3300/A1089の値をプロットすることにより求められる。変性領域の幅Wが大きいほど、偏光板の耐久性が向上する傾向がある。一方、変性領域の幅Wが過度に大きいと、有効面積の低下により画像表示装置の狭額縁化への適応が困難となるため、Wは3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1.5mm以下がさらに好ましく、1mm以下が特に好ましい。前述のように、フラッシュランプ等を用いて端面近傍を局所的に変性させることにより、Wを小さくできる。また、フラッシュランプを用いる場合は、パルス時間幅を調整することにより、加熱深度を制御できるため、変性領域の幅を所望の範囲とすることができる。
[偏光板の用途]
本発明の偏光板は、液晶表示装置や有機EL表示装置、有機EL照明等の各種光学デバイスの形成等に用いることができる。
液晶表示装置は、例えば、偏光板と、液晶セル、バックライド等の光学部材とを適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことにより製造できる。有機EL表示装置や有機EL照明は、有機ELパネルの表面に偏光板と1/4波長板とを積層した円偏光板を配置することにより、外光が金属電極層で反射して鏡面のように視認されることを抑止できる。
本発明の偏光板は、薬品が付着した状態で高温高湿度の環境に暴露された場合でも、端部の退色劣化が生じ難い。そのため、偏光板が外部から接触可能な状態で配置され、人体に付着した薬品や化粧品等が偏光板に移着しても、デバイスの端部近傍の偏光特性の低下が生じ難い。そのため、本発明の偏光板は、額縁幅が狭く表示領域の大きい画像表示装置にも好適に使用可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[粘着剤付き偏光板の作製]
<偏光子>
厚み100μmの非晶質ポリエステルフィルム(ポリエチレン-テレフタレート/イソフタレート;ガラス転移温度75℃)の片面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業 「ゴーセファイマーZ200」;重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上)を9:1の重量比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、非晶質ポリエステルフィルム基材上に厚み11μmのPVA系樹脂層が設けられた積層体を作製した。
この積層体を、120℃のオーブン内での空中補助延伸により長手方向に2.0倍に自由端一軸延伸した後、ロール搬送しながら、30℃の4%ホウ酸水溶液に30秒間、30℃の染色液(0.2%ヨウ素、1.0%ヨウ化カリウム水溶液)に60秒間、順次浸漬した。次いで、積層体をロール搬送しながら、30℃の架橋液(ヨウ化カリウムを3%、ホウ酸3%水溶液)に30秒間浸漬して架橋処理を行い、70℃のホウ酸4%、ヨウ化カリウム5%水溶液に浸漬しながら、総延伸倍率が5.5倍となるように長手方向に自由端一軸延伸した。その後、積層体を30℃の洗浄液(4%ヨウ化カリウム水溶液)に浸漬して、非晶質ポリエステルフィルム基材上に厚み5μmのPVA系偏光子が設けられた積層体を得た。
<偏光子保護フィルムの貼り合わせ>
N-ヒドロキシエチルアクリルアミド40重量部およびアクリロイルモルホリン60重量部を硬化性成分として含み、さらに重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(BASF製「イルガキュア819」)3重量部を含む紫外線硬化型接着剤を調製した。この接着剤を、上記の積層体の偏光子の表面に約1μmの厚みで塗布し、その上に、環状オレフィン系フィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルム ZF14」、厚み40μm)を貼り合わせ、積算光量1000/mJ/cmの紫外線を照射して接着剤を硬化させた。
積層体から非晶質ポリエステルフィルム基材を剥離し、フィルム基材を剥離したPVA樹脂層の表面に、上記の活性エネルギー線硬化型接着剤溶液を塗布し、環状オレフィン系フィルムを貼り合わせた後、紫外線を照射して接着剤を硬化させ、厚み5μmの偏光子の両面に偏光子保護フィルムとして環状オレフィン系フィルムを備える偏光板を得た。
<保護フィルムおよび粘着シートの付設>
偏光板の一方の面に、表面に微粘着層が設けられたポリエステルフィルムを保護フィルムとして貼り合わせた。
離型層を備えるポリエチレンテレフタレートフィルム(離型フィルム)が両面に貼り合わせされた厚み20μmのアクリル系粘着シートから、片面の離型フィルムを剥離し、粘着シートの露出面を上記の偏光板の他方の面に貼り合わせた。偏光板への保護フィルムの貼り合わせおよび粘着シートの貼り合わせは、いずれもロールラミネータを用いて実施した。
以上の工程により、PVA偏光子の両面に偏光子保護フィルムを備える偏光板の一方の面に保護フィルムが貼り合わせられ、他方の面に粘着剤層を備える粘着剤付き偏光板を得た。
<偏光板の切断>
粘着剤付き偏光板を255mm×195mmの矩形サイズに打ち抜いた。同一のサイズに打ち抜かれた粘着剤付き偏光板を100枚積層し、フルバックカッターにより、矩形の4辺それぞれの端面を2.5mm切削研磨して、250mm×190mmの粘着剤付き偏光板を得た。
[偏光板端面のフラッシュランプ加工]
250mm×190mmの粘着剤付き偏光板を100枚積層した状態で、端面から10mm離れた距離から、キセノンフラッシュランプ(ウシオ電機製、光源電圧1.5kV)のパルス光(パルス幅1ミリ秒、パルス周波数3Hz)を照射した、実施例1では、矩形の4辺それぞれの端面に対して、20ショットの照射を行った。実施例2および実施例3では、照射ショット数を、それぞれ30回および50回に変更した。比較例ではフラッシュランプの照射を行わなかった。
[評価]
<赤外スペクトル>
枚葉の偏光板の端部および中央部から、それぞれ3mm×3mmのサイズの試料を切り出し、偏光子と環状オレフィン系フィルムの界面にカッターナイフで切り込みを入れ、切り込み部分から環状オレフィン系フィルムを剥離して、偏光子を露出させた。この試料を用いて、顕微FTIR(Agilent製「UMA600」および「FTS3000」)により、下記の条件で偏光子の赤外吸収スペクトルを測定した。
測定法:ATR法
入射光径:100μm
プリズム:Ge(入射角45°)
検出器:MCT-A
分解能:4.0cm-1
積算:64回
なお、偏光板の端部の試料は、端面から100μmの領域が測定範囲となるように位置調整を行った。
得られたスペクトルから、3300cm-1付近のピークの吸光度A3300と1089cm-1付近のピークの吸光度A1089を求め、両者の比A3300/A1089を算出した。
<薬品付着耐久試験>
粘着剤付き偏光板の粘着剤層の表面に貼り合わせられた離型フィルムを剥離し、粘着剤層をガラス板上に貼り合わせた。ガラス板に貼り合わせた偏光板表面の保護シートを剥離し、偏光板の周縁部にディスペンサーを用いてグリセリンを塗布した。この試料を、温度65℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に入れ、240時間保持して湿熱耐久試験を実施した。試験後の偏光板上に別の偏光板をクロスニコルに配置し、偏光板の周縁部を光学顕微鏡(Olympus製「MX61L」、倍率10倍)で観察し、色抜けが生じている領域の幅(偏光板の端部からの距離)を測定した。
<湿熱耐久試験>
グリセリンの塗布を行わなかったこと以外は、上記と同様に湿熱試験を行い、試験後の偏光板端部の色抜け領域の幅を測定した。
[評価結果]
実施例1~3および比較例の偏光板の端面のフラッシュランプ加工条件、および評価結果を表1に示す。
Figure 0007013279000001
フラッシュランプによる光照射を行わなかった比較例1では、偏光板の端部と中央部のA3300/A1089が等しいのに対して、20ショットのフラッシュランプ照射を行った実施例1では、中央部と端部のA3300/A1089の比が0.94に低下していた。実施例1~3では、照射ショット数の増加に伴って、端部のA3300/A1089が小さくなり、これに伴って中央部と端部のA3300/A1089の比が小さくなっていた。一方、照射ショット数を増加しても、中央部の偏光子のA3300/A1089には明確な変化が見られなかった。これらの結果から、フラッシュランプの照射により、端部の偏光子が選択的に変性されることが分かる。
薬品を塗布せずに実施した湿熱試験では、比較例1および実施例1~3には耐久性に明確な差異は見られなかった。一方、薬品付着試験では、比較例1の偏光板では端部の色抜け幅が500μmを超えていたのに対して、実施例1~3では色抜け幅が小さくなっており、中央部と端部のA3300/A1089の比が小さいほど、耐久性が向上する傾向がみられた。
以上の結果から、偏光板の端面からの光照射により端面に露出した偏光子を変性させることが可能であり、端面の偏光子を変性させることにより、薬品が付着しても周縁部の退色による特性低下が少なく耐久性に優れる偏光板が得られることが分かる。
10 偏光板
21 偏光子
21e 変性領域
31,32 偏光子保護フィルム
100 偏光板積層体

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に透明フィルムを備える枚葉の偏光板であって、
    前記偏光子は、面内の端部の赤外吸収スペクトルにおける1089cm-1付近のピークの吸光度A1089と3300cm-1付近のピークの吸光度A3300との比A3300/A1089が、面内の中央部の赤外吸収スペクトルにおけるA3300/A1089 の0.95倍以下である、偏光板。
  2. 前記偏光子は、A 3300 /A 1089 が、面内の中央部のA 3300 /A 1089 の0.95倍以下である変性領域が、端部から50μm以上の幅で存在する、請求項1に記載の偏光板。
  3. ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一方の面に透明フィルムを備える枚葉の偏光板を製造する方法であって、
    相対的にサイズの大きい偏光板を切断して枚葉の偏光板を切り出し、
    切り出し後の偏光板の端面から、前記偏光子が吸収可能な波長のインコヒーレント光を照射して、偏光板の端面の偏光子を変性させる、偏光板の製造方法。
  4. 前記インコヒーレント光をパルス照射する、請求項3に記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記インコヒーレント光のパルス時間幅が10マイクロ秒~100ミリ秒である、請求項4に記載の偏光板の製造方法。
  6. 枚葉に切り出した偏光板を複数積層した状態で、前記インコヒーレント光の照射を行う、請求項3~のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
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