JP2017149884A - 樹脂組成物、水性塗工液、保護層及び感熱記録媒体 - Google Patents

樹脂組成物、水性塗工液、保護層及び感熱記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性及び耐水ブロッキング性に優れる感熱記録媒体の保護層に有用な樹脂組成物を提供すること。【解決手段】カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有する樹脂組成物であり、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の10重量%水溶液粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有する樹脂組成物に関するものであり、更に、かかる樹脂組成物を含有する水性塗工液、及びかかる水性塗工液から形成される保護層、及びかかる保護層を含有する感熱記録媒体に関するものである。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と略記する。)は、優れた水溶性、界面特性(分散性、保護コロイド性等)、皮膜特性(造膜性、強度、耐油性等)等を利用して、分散剤、乳化剤、懸濁剤、繊維加工剤、紙加工剤、バインダー、接着剤、フィルム等に広く用いられている。
かかる水溶性を利用し、溶剤不要の水性塗工液として、感熱記録媒体の保護層等に好適に用いられている。
感熱記録媒体は、支持基材上に、例えばロイコ染料、顕色剤及び分散剤を含む水分散液を塗工・乾燥して形成された感熱発色層を有しており、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融して混ざり合い、反応して発色する。更に、感熱発色層の上には、保護層が設けられ、感熱発色層を、水や油などの汚れなどから保護している。
しかしながら、PVA系樹脂は水溶性であるため耐水性に乏しく、水にさらされたり、高湿度下に置かれたりするような用途に適用する際にはPVA系樹脂の耐水性が必要であり、そのため、PVA系樹脂の耐水化の検討が種々行われている。
PVA系樹脂の耐水化として、架橋剤を配合することが有効であり、架橋剤との反応性を高めるため、PVA系樹脂として、各種の変性PVA系樹脂が提案されている。
中でも、高い反応性を有することから、カルボキシル基を含有するPVA系樹脂が用いられている。また、カルボキシル基含有PVA系樹脂は、エポキシ系化合物と反応するため、架橋剤としてポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂が広く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開2015−013470号公報 特開2013−220589号公報
しかしながら、カルボキシル基含有PVA系樹脂に対して、最適なポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の検討までは行われておらず、まだまだ改善の余地があり、さらなる耐水性や濡れた際にブロッキングするといったことがあり、このようなブロッキングを防ぐ、耐水ブロッキング性の向上が求められている。
そこで、本発明は、このような背景下において、耐水性及び耐水ブロッキング性に優れる感熱記録媒体の保護層に有用な樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、カルボキシル基含有PVA系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有する樹脂組成物において、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を水溶液とした際に低粘度であるものを用いることで、耐水性及び耐水ブロッキング性に優れる被膜を得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、カルボキシル基含有PVA系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有する樹脂組成物であり、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の10重量%水溶液粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
また、本発明では、前記樹脂組成物を用いてなる水性塗工液、かかる水性塗工液から形成される保護層、更には、かかる保護層を有する感熱記録媒体も提供するものである。
本発明の樹脂組成物は、例えば、感熱記録媒体の保護層とした場合などに、耐水性と耐水ブロッキング性の両方に優れるため、使用時あるいは保管時等に水に濡れたとしても、保護層が溶解し、記録面同士が貼り付いてしまうこともない感熱記録媒体を提供することができるものである。
本発明においては、粘度の低いポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を用いることにより、かかる樹脂の動きが活発となり、カルボキシル基含有PVA系樹脂分子鎖の隙間に入り込みやすく、結果として緻密な架橋構造体を形成することが可能となり、本発明の効果が得られるものと推測される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、カルボキシル基含有PVA系樹脂と10重量%水溶液粘度が5〜30mPa・sのポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有するものである。まずは、カルボキシル基含有PVA系樹脂について説明する。
〔カルボキシル基含有PVA系樹脂〕
本発明に用いられるカルボキシル基含有PVA系樹脂は、カルボキシル基を有する構造単位を有するものであり、製造方法としては、例えば、(1)カルボキシル基を有する不飽和単量体及びビニルエステル系化合物より共重合体を得た後、該共重合体をケン化する方法、(2)カルボキシル基を有するアルコールやカルボキシル基を有し、かつアルデヒドあるいはチオール等の官能基を有する化合物を連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系化合物を重合した後に、アルカリ金属水酸化物等の触媒でケン化する方法等が挙げられるが、(1)の方法が樹脂の製造面、性能面から実用的である。
また、本発明においては、カルボキシル基含有PVA系樹脂の中でも、ビニルエステル系単量体との重合性が高く得られやすい点でマレイン酸変性PVA系樹脂、イタコン酸変性PVA系樹脂が好ましく、更には取扱いの点でマレイン酸変性PVA系樹脂が好ましい。
以下、(1)の方法について具体的に説明する。
上記カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、例えば、エチレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、等)、又はエチレン性不飽和カルボン酸モノエステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、等)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、等)、又はエチレン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、等)、あるいは(メタ)アクリル酸等の単量体、及びこれらの塩が挙げられ、エチレン性不飽和カルボン酸モノエステル又はその塩が好適に使用される。
中でも、ビニルエステル単量体との反応性の点でエチレン性不飽和カルボン酸モノエステルが好ましく、更にはマレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルが好ましく、特にはマレイン酸モノアルキルエステルが好ましい。
また、ビニルエステル系化合物としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用いることができるが、実用性の点で特に酢酸ビニルが好ましい。
本発明においては、カルボキシル基を有する不飽和単量体及びビニルエステル系化合物との重合の際に上記の如きカルボキシル基を有する単量体、ビニルエステル系化合物以外に、飽和カルボン酸のアリルエステル(ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等)、α−オレフィン(エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オクタデセン等)、アルキルビニルエーテル(プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等)、アルキルアリルエーテル(プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル等)、更には、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アリルスルホン酸塩、エチレン性不飽和スルホン酸塩、スチレン、塩化ビニルなどの(ビニルエステルと)共重合しうる単量体を50モル%以下、好ましくは30%以下存在せしめて重合を行なっても良い。共重合するに当たっては特に制限はなく、公知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノールあるいはエタノール等の低級アルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。
かかる方法において単量体の仕込み方法としては、まずビニルエステル系化合物の全量と前記カルボキシル基含有不飽和単量体の一部を仕込み、重合を開始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、一括仕込みする方法等任意の手段を用いて良い。共重合反応は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行なわれる。又、反応温度は50℃〜沸点程度の範囲から選択される。
上記の如くして得られた共重合体は、次にケン化されてカルボキシル基含有PVA系樹脂となる。ケン化に当たっては、共重合体をアルコールや酢酸エステルまたはこれらの混合溶媒に溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、また、酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は通常20〜50重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いて行われる。かかる触媒の使用量はビニルエステル系化合物に対して通常1〜100ミリモル当量である。
かくして、カルボキシル基含有PVA系樹脂が得られるわけであるが、かかるカルボキシル基の含有量は0.1〜20モル%が好ましく、更には0.5〜10モル%、特には1〜6モル%が好ましい。かかるカルボキシル基の含有量が少なすぎると耐水性が低下する傾向があり、逆に多すぎると塗工液とした際に塗工が困難となる傾向がある。
また、カルボキシル基含有PVA系樹脂のケン化度(JIS K 6726準拠)は通常70〜100モル%、好ましくは75〜99.9モル%、特に好ましくは78〜90モル%、更に好ましくは80〜85モルである。かかるケン化度が小さすぎると水溶性が低下する傾向がある。
また、カルボキシル基含有PVA系樹脂の重合度(JIS K 6726準拠)は通常200〜4000、好ましくは300〜3000、特に好ましくは1000〜2000である。かかる重合度が大きすぎると塗工液の粘度が上昇する傾向があり、小さすぎると耐水性が低下する傾向がある。
〔ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂〕
本発明で用いられるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂は、10重量%水溶液粘度が5〜30mPa・sであり、好ましくは8〜28mPa・s、特に好ましくは10〜25mPa・sである。 かかる粘度が低すぎても高すぎても、本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
本発明に用いられるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の粘度は、ブルックフィールド粘度計(DV3T 英弘精機社製)を用いて、23℃、回転数20rpmで測定されるものである。
本発明で規定する粘度のポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を製造する方法は、ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリン類との反応の際に、本発明で規定する粘度に到達した時点で反応を停止する方法等が挙げられる。
本発明で用いられるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の重量平均分子量は通常、500〜30000であり、好ましくは800〜20000、特に好ましくは1000〜10000である。かかる重量平均分子量が大きすぎると粘度が上昇し作業性が低下する傾向があり、少なすぎると耐水性が低下する傾向がある。
本発明で用いられるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂は、ポリアルキレンポリアミン類とジカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミドポリアミンに、エピハロヒドリン類を反応させることにより得ることができる。
ポリアルキレンポリアミン類としては、分子中に少なくとも2個以上のアルキレン基と2個以上のアミノ基を有するものであればよく、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられ、中でもジエチレントリアミンが好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、ポリアルキレンポリアミン類の一部に代えて、エチレンジアミン、プロピレンジアミン又はヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ε−アミノカプロン酸等の炭素数1〜6のアミノカルボン酸;ε−カプロラクタムのような炭素原子数1 〜6のアミノカルボン酸のラクタム等を使用することもできる。
ジカルボン酸類としては、分子中に2個のカルボキシル基を有するものであれば良い。例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸; フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;上記各酸の酸無水物;上記各酸の炭素数1〜5、特に炭素数1〜3の低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール)のエステル等のジカルボン酸誘導体が挙げられる。これらの中でもグルタル酸、アジピン酸、グルタル酸メチルエステル、アジピン酸メチルエステル等が好ましい。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリアミドポリアミンを合成するに際しては、ジカルボン酸類1.0モルに対してポリアルキレンポリアミン類0.8〜1.5モルとなる反応モル比が好ましく、かかるポリアルキレンポリアミン類の反応量が多すぎると、増粘する傾向があり、少なすぎるとポリアミドポリアミンの生成量が少なくなる傾向がある。
ポリアルキレンポリアミン類とジカルボン酸類との反応については、生成するポリアミドポリアミンが、固形分50重量%水溶液の25℃における粘度基準で、100〜500mPa・sの範囲内の粘度に達するまで続けることが好ましい。
ポリアルキレンポリアミン類やポリアルキレンポリアミンが有するアミノ基と、ジカルボン酸類が有するカルボキシル基を反応させるときは、原料仕込み時に発生する反応熱を利用するか、外部より加熱して脱水及び/又は脱アルコール反応を行う。反応温度は、遊離酸であるか、無水物やエステル等の誘導体であるかに依存するが、通常110〜250℃、より好ましくは120〜180℃である。この際、重縮合反応の触媒として、例えば、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類や、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸等のリン酸類、その他公知の触媒を単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。その使用量はポリアルキレンポリアミン1モルに対して、好ましくは0.005〜0.1モル、より好ましくは0.01 〜0.05モルである。
本発明で使用されるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂は、前記のポリアミドポリアミンにエピハロヒドリン類を反応させることにより得ることができる。
エピハロヒドリン類としては、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン等が挙げられる。また、これらを2種以上混合して用いることもできる。これらのエピハロヒドリン類の中でも、エピクロロヒドリンが特に好ましい。
ポリアミドポリアミンに対するエピハロヒドリン類の反応比は、ポリアミドポリアミンのアミノ基1モルに対して、好ましくは0.01〜2モル、より好ましくは、0.05〜1.5、さらに好ましくは0.05〜1モルである。エピハロヒドリン類のモル比が多すぎると、エピハロヒドリンの副生物として低分子の有機ハロゲン化合物の生成が多くなる傾向がある。エピハロヒドリン類のモル比が少なすぎると、得られる樹脂の耐水性が低下する傾向がある。
ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリン類との反応は、反応液の濃度を固形分10〜80重量%、反応温度を5〜90℃で行うことが好ましい。特に、ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリン類との反応効率を上げるため、ポリアミドポリアミンにエピハロヒドリン類を投入する場合の温度を5〜45℃の範囲で実施し、その後の反応では温度を45〜90℃とし、得られるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を高分子量化して所定の粘度まで増加させることが好ましい。
ポリアミドポリアミンとエピハロヒドリン類との反応は、得られるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂が、固形分10重量%水溶液の23℃における粘度基準で、5〜30mPa・s、好ましくは8〜28mPa・s、特に好ましくは10〜25mPa・sの範囲内の粘度を有するまで反応を続けることにより、耐水性に優れた樹脂が得られるようになる。反応液の粘度がこの粘度範囲内となった後、反応液に水を加えて冷却するなどして反応を停止させ、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の水溶液を得ることができる。
本発明で用いられるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位数nが平均で1.5以上であることが好ましい。かかる構造単位数nは、特に好ましくは平均で2以上である。かかる構造単位数nが小さすぎれば、十分な耐水性が得られない傾向がある。なお、かかる構造単位数nの上限は、通常200、好ましくは100程度である。
一般式(1)で表される構造単位の含有量については、通常10モル%以上、好ましくは20〜99モル%、さらに好ましくは50〜90モル%である。かかる含有量が少なすぎると耐水性、耐水ブロッキング性が低下する傾向があり、多すぎると増粘する傾向がある。
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
一般式(1)の構造単位数nが平均で1.5以上のポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂は、ポリアミドポリアミンに対して、エピハロヒドリンを多く、具体的にはポリアミドポリアミンのアミノ基1モルに対して、0.01〜2モル程度配合し、反応させることで製造される。
なお、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂中の一般式(1)の構造単位数nは、NMRを用いて測定結果から算出することができる。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、上記のカルボキシル基含有PVA系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有するものである。
本発明の樹脂組成物における、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の含有量はカルボキシル基含有PVA系樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部であることが好ましく、特には1〜25重量部、更には2〜15重量部であることが好ましい。かかるポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の含有量が多すぎても少なすぎても耐水性が低下する傾向がある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果に影響がない程度に、カルボキシル基含有PVA系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂以外の成分を含んでも良く、例えば、有機又は無機フィラー、アクリル系エマルション、界面活性剤、滑剤などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の混合方法としては、(i)カルボキシル基含有PVA系樹脂水溶液とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂水溶液を混合する方法、(ii)カルボキシル基含有PVA系樹脂水溶液に固体状のポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を配合する方法、(iii)ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂水溶液に固体状のカルボキシル基含有PVA系樹脂を配合する方法などが挙げられる。中でも、均一混合が容易な点から(i)の方法が好ましい。
〔水性塗工液〕
本発明の水性塗工液は、上記の樹脂組成物及び水を含有するものである。
かかる水性塗工液の固形分濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%とすることが好ましく、かかる濃度が低すぎると、本発明の効果を充分に発揮できない傾向があり、逆に高すぎると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になる傾向がある。
また、塗工液のpHとしては10以下が好ましく、さらには3〜10が好ましい。pHが高すぎると耐温水性や耐可塑剤性が低下することがある。なお、カルボキシル基含有PVA系樹脂は水溶液とすると弱酸性となるので、かかるpH調整は通常必要ないことが多いが、必要に応じて、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、酢酸などの有機酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性化合物でpH調整すればよい。
本発明においては、更に、水性塗工液に必要に応じて熱可塑性樹脂、顔料、その他添加剤等を配合することもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などが挙げられ、中でも耐水性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
上記の熱可塑性樹脂の配合量は、塗工液の固形分全体の通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。
上記顔料としては、例えば、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
〔保護層〕
本発明の保護層は、上記の水性塗工液から形成されるものである。かかる水性塗工液を、各種基材などに塗工して水分を除去することにより、保護層となる。水分を除去する場合には、通常水性塗工液を塗工した後に乾燥するわけであるが、かかる乾燥条件としては、通常は5〜150℃、さらには30〜120℃、特には50〜110℃の温度条件で行うことが好ましく、0.01〜60分、さらには0.1〜30分、特には0.2〜20分の乾燥時間で行うことが好ましい。
かかる保護層の厚みは、通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜10μmである。かかる厚みが厚すぎると乾燥に時間がかかり、不効率となる傾向があり、薄すぎると耐水性が低下する傾向がある。
塗工量としては、通常0.1〜20g/m2、好ましくは0.1〜20g/m2、特に好ましくは0.1〜20g/m2である。
本発明の保護層は、感熱記録媒体の保護層として好適に用いられ、本発明の水性塗工液を感熱発色層の上に塗工して、乾燥することにより形成される。
本発明の樹脂組成物は、各種用途に用いることもできるが、上述の通り感熱記録媒体の保護層として非常に有用であり、以下、感熱記録媒体について説明する。
〔感熱発色層〕
感熱記録媒体には、基材上に感熱発色層が設けられるのであるが、かかる感熱発色層は、バインダー(例えば、PVA系樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)にさらに発色性物質と顕色剤を配合した水溶液(発色液)を得た後、該水溶液を基材に塗工することにより形成させることができる。
この時の発色性物質や顕色剤は水溶液中ではブロッキングするのでビーズミル、ボールミル、ビスコミル等で0.1〜5μm程度に粉砕される。
上記の発色性物質としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイコ体が挙げられる。
また、顕色剤は前記発色性物質と加熱時反応して発色するもので常温以上、好ましくは70℃以上で液化もしくは気化するものが好ましく、例えば、フェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられる。
感熱発色層を設けるに当たっては上記のバインダー、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液をロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等任意の塗工手段で基材に塗工すればよく、塗工液の固形分は10〜60重量%程度とすればよく、該水溶液の塗工量は、乾燥重量で0.1〜20g/m2程度である。
また、必要に応じて感熱発色層の下にアンダーコート層を設けても良く、アンダーコート層は、公知のPVA系樹脂の他、澱粉、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カゼイン、アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックスなどの水溶性及び水分散性樹脂や上記で述べた顔料を各々単独あるいは2種以上配合して塗工すればよい。アンダーコート層の塗工に際しては、保護層と同様の塗工方法、塗工液の濃度や塗工量が採用される。
〔感熱記録媒体〕
本発明の感熱記録媒体は、基材上に任意の感熱発色層を有し、その上に本発明の保護層用の水性塗工液を塗工して乾燥したものである。
得られる感熱記録媒体は、基材/(アンダーコート層)/感熱発色層/保護層の層構成となる。他に中間層、バック層などを設けてもよい。
基材としては、通常、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙など)やプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらの積層体等)などが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例1
〔カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)の作製〕
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール26部、マレイン酸モノメチル0.1部(酢酸ビニル総量に対して0.09モル%)を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で60℃まで上昇させてから、重合触媒としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート(半減期が1時間になる温度が65℃)を0.001モル%(酢酸ビニル総量に対して)投入し、重合を開始した。重合開始直後にマレイン酸モノメチル2.2部(酢酸ビニル総量に対して2モル%)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート0.008モル%(酢酸ビニル総量に対して)を重合速度に合わせて連続追加し、酢酸ビニルの重合率が73%となった時点で、4−メトキシフェノールを0.01部及び希釈・冷却用メタノールを58部添加して重合を終了した。重合終了時における残存活性触媒量は、反応液総量に対して2ppmであった。
続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整して水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して30ミリモルとなる割合で混合し、温度を40〜50℃にてケン化反応を行った。ケン化反応により固化した樹脂をカットし、70℃で乾燥してカルボキシル基含有PVA系樹脂(1)を得た。かかるPVAの酢酸ビニル成分のケン化度は83.9モル%、平均重合度は1700、カルボキシル基含有量は2モル%であった。
〔ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂水溶液の作製〕
ポリアミドポリアミンにエピクロロヒドリンを反応させて、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)を作製した。得られたポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)の10%水溶液の粘度を測定した結果、17.7mPa・sであった。
なお、ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の粘度は、ブルックフィールド粘度計(DV3T 英弘精機社製)を用いて、23℃、回転数20rpmで測定された値である。
〔水性塗工液の作製〕
上記で得られたカルボキシル基含有PVA系樹脂(1)の10%水溶液100部と、上記で得られたポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)の10%水溶液10部を混合し、水性塗工液を作製した。
〔キャストフィルムの作製〕
10cm×10cmの型枠が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、上記で得られた水性塗工液を流しいれて、23℃、50%RHで3日間乾燥させ、膜厚100μmのキャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムについて、以下の評価を行った。
〔耐水性評価〕
得られたキャストフィルムを70℃、5分間熱処理をした後、80℃の水に1時間浸漬して、フィルムの溶出率(%)を測定した。なお、溶出率(%)の算出にあたっては、水浸漬前のフィルムの乾燥重量(X1)および水浸漬後のフィルムの乾燥重量(X2)(いずれもg)を求め、下式にて溶出率(%)を算出した。結果を表1に示す。
溶出率(%)=[(X1―X2)/X1]×100
〔保護層用水性塗工液の作製〕
上記で得られたカルボキシル基含有PVA系樹脂(1)の10%水溶液100部と、上記で得られたポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)の10%水溶液10部、無機フィラーとしてカオリンを50部混合し、保護層用水性塗工液を作製した。
〔保護層の形成〕
上記で得られた保護層用水性塗工液をコピー用紙に保護層の厚さが5μmになるように塗工し、70℃×5分乾燥機で乾燥させ、保護層が形成された積層体(保護層/コピー用紙)を得た。
得られた積層体について、以下の評価を行った。
〔耐水ブロッキング性評価〕
得られた積層体の保護層面に水10μlを滴下し、もう1枚の積層体を保護層形成面同士が接するように重ねた。かかる積層体2枚の上に、10g/cm2の荷重をかけ、40℃、90%RHの環境下で24時間放置し、2枚の積層体を剥がして、貼り付き具合を目視観察し、以下のように評価した。結果を表1に示す。
A:貼り付きが全くない
B:貼り付きはあるが、剥離による積層体の破損は見られない
C:貼り付きがあり、剥離すると積層体が破損する
実施例2
実施例1の保護層用水性塗工液の作製において、カオリンを水酸化アルミニウムに変えた以外は同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(2)(ケン化度81.4モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例2において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(2)(ケン化度81.4モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(3)(ケン化度88.4モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例2において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(3)(ケン化度88.4モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(4)(ケン化度99.2モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代え、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)をポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(2)(10%水溶液粘度31.2mPa・s)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、カルボキシル基含有PVA系樹脂(1)をカルボキシル基含有PVA系樹脂(4)(ケン化度99.2モル%、重合度1700、変性率2モル%)に代え、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)をポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(2)(10%水溶液粘度31.2mPa・s)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
実施例5において、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)をポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(3)(10%水溶液粘度42.4mPa・s)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
実施例6において、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(1)をポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂(3)(10%水溶液粘度42.4mPa・s)に代えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の保護層用水性塗工液を用いた実施例1〜6は、溶出率が小さく耐水性に優れ、更に耐水ブロッキング性にも優れるものであった。また、特に実施例2及び4は、保護層用水性塗工液の無機フィラーとしてカオリンを用いた場合においても、水酸化アルミニウムを用いた場合においても、耐水ブロッキング性に特に優れるものであった。一方、粘度が高いポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂を用いた比較例1〜4では、耐水性も耐水ブロッキング性も劣るものであった。
本発明の樹脂組成物は、例えば、感熱記録媒体の保護層とした場合などに、耐水性と耐水ブロッキング性の両方に優れるため、使用時あるいは保管時等に水に濡れたとしても、保護層が溶解することがなければ記録面同士が貼り付いてしまうこともない感熱記録媒体を提供することができるものである。

Claims (8)

  1. カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂とポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂を含有する樹脂組成物であり、
    ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の23℃における10重量%水溶液粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする樹脂組成物。
  2. カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が、80〜90モル%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂がマレイン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂がイタコン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  5. ポリアミドポリアミン・エピハロヒドリン系樹脂の含有量が、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物及び水を含有することを特徴とする水性塗工液。
  7. 請求項6記載の水性塗工液から形成されることを特徴とする保護層。
  8. 請求項7記載の保護層を少なくとも1層有することを特徴とする感熱記録媒体。
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