JP2017149511A - 乗客コンベア - Google Patents

Abstract

【課題】乗客コンベアの運転方向をより広範囲且つ遠方からでも把握することができる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】本発明に係る乗客コンベア１００は、無端状に連結された複数の踏板４と、前記踏板４の移動方向に沿って前記踏板４の両側に設けられた欄干５と、前記欄干５の周縁上に設けられ、前記踏板４と同期して移動する無端状の移動手摺６と、を備えた乗客コンベア１００において、前記移動手摺６は、前記踏板４と同方向に移動する順方向移動部１１と、前記踏板４と反対方向に移動する逆方向移動部１２と、前記順方向移動部１１と前記逆方向移動部１２との間に設けられた反転部１３ａ，１３ｂと、を有し、前記欄干５の前記反転部１３ａ，１３ｂは、前記移動手摺６に沿って前記乗客コンベア１００の運転方向を示す照明装置７ａ，７ｂが付設されていることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、乗客コンベアに関し、特に乗客コンベアの運転方向を示す照明装置を有する乗客コンベアに関する。

欄干の長手方向に沿って照明装置を取付けた乗客コンベア（エスカレーター）にあって、コストアップなしで運転方向表示機能を付加し、安全性及び利便性を図ったものとして、特許文献１に開示されているものがある。特許文献１には、両側に欄干を備えた自動運転用乗客コンベアにおける照明装置であって、欄干の長さ方向に沿って複数の光源が配置され、各光源の点灯、消灯又は照度の変更を制御することにより運転方向表示を行う照明装置において、乗客コンベアの運転停止時には、乗り口付近のみの光源を点灯し、それ以外の光源を消灯するか又は照度を低くするように各光源を制御することにより、運転方向の表示及び乗り口の表示を行う乗客コンベアにおける照明装置が開示されている。また、乗客コンベアに複数の安全装置が備えられており、個々の安全装置が作動して乗客コンベアが停止したときに、各安全装置毎に予め決められた光源を点灯させるようにした乗客コンベアにおける照明装置が記載されている。

特開２０１１‐５１７０６号公報

エスカレーターは、設置する建物のレイアウトによって視認性が大きく変化する。殆どの場合、エスカレーターの周囲には天井、壁および柱等があり、エスカレーター全体が見えることは極めて稀である。前述した特許文献１では乗降口で移動手摺が水平状態になる部分までしか照明を用意していない。このため、エスカレーターの周囲に壁や柱があり、エスカレーター全体が見えない場合、エスカレーターの運転状況は、至近距離でしか判断できなかった。

本発明は、前述した従来技術における実状に鑑みてなされたもので、その目的は、乗客コンベアの運転方向をより広範囲且つ遠方からでも把握することができる乗客コンベアを提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明は、無端状に連結された複数の踏板と、踏板の移動方向に沿って踏板の両側に設けられた欄干と、欄干の周縁上に設けられ、踏板と同期して移動する無端状の移動手摺と、を備えた乗客コンベアにおいて、上記移動手摺は、踏板と同方向に移動する順方向移動部と、踏板と反対方向に移動する逆方向移動部と、順方向移動部と逆方向移動部との間に設けられた反転部と、を有し、欄干の上記反転部は、移動手摺に沿って乗客コンベアの運転方向を示す照明装置が付設されていることを特徴とする乗客コンベアを提供する。

本発明によれば、乗客コンベアの運転方向をより広範囲且つ遠方からでも把握することができる乗客コンベアを提供することができる。

上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

本発明に係る乗客コンベアの一例を模式的に示す側面図である。 図１の乗降口付近を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る乗客コンベアの一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る乗客コンベアの他の例を模式的に示す側面図である。

以下、本発明に係る乗客コンベアの実施の形態を図面に基づき説明する。

図１は、本発明に係る乗客コンベアの一例を模式的に示す側面図であり、図２は図１の乗降口付近を模式的に示す斜視図である。図１および図２では、上階から下階へ下る（運転方向が「下り」である）乗客コンベアの例を示している。図１および図２に示すように、乗客コンベア１００は、無端状に連結された複数の踏板（ステップ）４と、踏板４の移動方向に沿って踏板４の両側に設けられた欄干５と、欄干５の周縁上に設けられ、踏板４と同期して移動する無端状の移動手摺６とを備えている。

図１中、矢印４０は踏板４の移動方向を示す。矢印６０は欄干上部を移動する移動手摺６の移動方向を示し、矢印６１は欄干下部を移動する移動手摺６の移動方向を示している。移動手摺６は、その移動方向によって、踏板４と同方向に移動する順方向移動部１１と、踏板４と逆方向に移動する逆方向移動部１２と、順方向移動部１１と逆方向移動部１２との間（欄干の長さ方向端部）に位置する反転部１３ａ，１３ｂに分割される。通常、逆方向移動部１２の移動手摺６は、欄干５を支持するデッキボード１０に収納されている。反転部は、上部欄干（上階の欄干）の周縁に沿って設けられる上部反転部１３ａおよび下部欄干（下階の欄干）上の周縁に沿って設けられる下部反転部１３ｂを有する。

本発明に係る乗客コンベア１００は、欄干５の反転部１３ａ，１３ｂの移動手摺６に沿った位置に、乗客コンベアの運転方向を示す照明装置７ａ，７ｂが付設されている。図２に示すように、通常、乗客コンベア１００の周囲は壁９等によって、遠方や乗降口正面以外の角度からは乗客コンベアの運転方向（踏板４の移動方向）が見えづらい状況となっている。また、一般的に、移動手摺６は単色であり、遠方からはその移動方向が認識しづらい。そこで、欄干の長手方向の両端部となる反転部１３ａ，１３ｂにおける移動手摺６に沿って照明７ａ，７ｂを設けることで、どのような角度から見ても（建屋のレイアウトの影響による視認性の良し悪しによらず）、また遠方から見た場合であっても、乗客コンベア１００の運転方向を認識することが可能となる。

照明装置７ａ，７ｂは、乗客コンベア１００の運転方向を示すために、複数の光源が移動手摺６に沿って並び、複数の光源のそれぞれの照度または色を調整して照明装置７ａ，７ｂの全体で移動手摺６と同期して移動手摺６の移動方向に沿って動く（フローする）模様を表示可能な物であることが好ましい。光源としては、ＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）を好ましく用いることができる。例えば、光源は青色および白色を発光する物を用い、白色の背景を青色が動くような模様を表示することが好ましい。

図３は本発明に係る乗客コンベアの一例を模式的に示す断面図である。図３に示すように、欄干５の周縁は、移動手摺６を移動方向に沿って案内する移動手摺ガイド１４を有しており、この移動手摺ガイド１４を介して照明装置７ａ，７ｂが欄干５に取り付けられていることが好ましい。

図３に示すように、本発明に係る乗客コンベア１００は、上述した照明装置７ａ，７ｂに加えて、さらにデッキボード１０に乗客コンベアの運転方向を示す照明装置１６が設けられていてもよい。この照明装置１６は、上述した照明装置７ａ，７ｂと同様に、複数の光源を順方向移動部１１における移動手摺６の移動方向に沿って並べ、それぞれの光源の照度または色を調整して照明装置１６の全体で移動手摺６と同期して移動手摺６の移動方向に沿って動く（フローする）模様を表示可能な物であることが好ましい。また、移動方向を認識可能な文字（例えば、「上り」または「下り」など）を表示するものであってもよい。上述した照明装置７ａ，７ｂに加えてこのような照明装置１６を設けることで、乗客コンベアの運転方向の視認性がさらに向上する。

図４は本発明に係る乗客コンベアの他の例を模式的に示す側面図である。図４に示すように、照明装置７ａ，７ｂは、反転部１３ａ，１３ｂのみならず、順方向移動部
１１の一部に設けられていてもよいし、順方向移動部１１全体に設けられていてもよい。また、反転部１３ａ，１３ｂに設けられる照明装置７ａ，７ｂは、複数の光源のそれぞれの照度または色を調整して移動手摺６と同期して移動手摺の移動方向に沿って動く模様を表示可能とした構成を有するものとし、順方向移動部１１に設ける照明装置１７は、従来設けられている照明と同じく、一定の照度および色で発光するものを用いてもよい。また、照度および色のいずれか一方が一定に発光するものを用いてもよい。このように照明装置の種類を使い分けることで、乗客コンベアの製造コストおよび運転コストを低減することができる。

照明装置７ａ，７ｂとして２色（例えば、白色および青色）の光源を用いる場合、照明装置１７はその２色のうちのどちらか一色（例えば、白色）の光源を用いることが好ましい。このようにすることで、照明装置７ａ，７ｂと照明装置１７との間の境界を見えづらくし、乗客に与える照明の違和感を低減することができる。

また、照明装置７ａ，７ｂに運転方向を示す機能だけではなく、非常事態に警告を示す機能をもたせることも可能である。具体的には、乗客コンベア１００の非常停止等の非常事態に、照明装置７ａ，７ｂの光源が警告色で点灯または点滅するような構成を有していてもよい。このようにして乗客コンベア１００が非常停止状態であることをより広範囲且つ遠方からでも把握することができるようにすることで、乗客コンベア１００に向かって人が滞留して混雑し、ケガや転倒などの危険な状態を招くことを防止することができる。

照明装置７ａ，７ｂの警告色としては、赤色または黄色を用いることが好ましい。また、警告色での点灯または点滅と共に、光源の照度を運転方向表示時（通常機能時）より高め、より注意を促すようにすることも好ましい。

上記照明装置７ａ，７ｂは、乗客コンベア１００に運転方向を示す機能や非常事態を示す機能をもたらすのみではなく、その発光色や模様の形状によって建屋に装飾機能（アクセント）を与える効果ももたらすことができる。

以上、説明したように、本発明によれば、乗客コンベアの運転方向をより広範囲且つ遠方からでも把握することのできる乗客コンベアを提供することができることが示された。

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

例えば、照明装置７ａ，７ｂの運転方向を表示する場合の光源の色は、白色および青色の他に緑色を用いてもよい。また、照明装置７ａ，７ｂの非情事態を表示する場合の光源の色も、赤色および黄色に限定されるものではない。本発明に係る乗客コンベアには、上述した運転方向を示す照明装置の他に、従来設けられている照明装置（スカートガードに設けられる照明および踏板に設けられる照明等）をさらに有していてもよい。

１…本体枠、２…上階の乗降口、３…下階の乗降口、４…踏板（ステップ）、５…欄干、６…移動手摺（ハンドレール）、７，７ａ，７ｂ…運転方向を表示する照明装置（ＬＥＤ）、８ａ…上部欄干の長さ方向の端部、８ｂ…下部欄干の長さ方向の端部、９…壁または柱、１０…デッキボード、１１…移動手摺の順方向移動部、１２…移動手摺の逆方向移動部、１３ａ，１３ｂ…移動手摺の反転部、１４…移動手摺ガイド、１５…乗客、１６，１７…照明装置、４０…踏板の移動方向、６０…順方向移動部における移動手摺の移動方向、６１…逆方向移動部における移動手摺の移動方向、６２ａ…上部欄干の反転部における移動手摺の移動方向、６２ｂ…下部欄干の反転部における移動手摺の移動方向、１００…乗客コンベア（エスカレーター）。

Claims (7)

1. 無端状に連結された複数の踏板と、前記踏板の移動方向に沿って前記踏板の両側に設けられた欄干と、前記欄干の周縁上に設けられ、前記踏板と同期して移動する無端状の移動手摺と、を備えた乗客コンベアにおいて、
   前記移動手摺は、前記踏板と同方向に移動する順方向移動部と、前記踏板と反対方向に移動する逆方向移動部と、前記順方向移動部と前記逆方向移動部との間に設けられた反転部と、を有し、
   前記欄干の前記反転部は、前記移動手摺に沿って前記乗客コンベアの運転方向を示す照明装置が付設されていることを特徴とする乗客コンベア。
2. 請求項１記載の乗客コンベアにおいて、前記照明装置は、複数の光源を有し、前記複数の光源のそれぞれの照度または色を調整して前記照明装置の全体で前記移動手摺と同期して前記移動手摺の移動方向に沿って動く模様を表示可能とした構成を有することを特徴とする乗客コンベア。
3. 請求項１記載の乗客コンベアにおいて、前記欄干を支持するデッキボードを有し、前記デッキボードは、前記乗客コンベアの運転方向を示す表示装置が付設されていることを特徴とする乗客コンベア。
4. 請求項１記載の乗客コンベアにおいて、前記欄干の前記順方向移動部は、前記移動手摺に沿って照明装置が付設されていることを特徴とする乗客コンベア。
5. 請求項４記載の乗客コンベアにおいて、前記順方向移動部の前記照明装置は、一定の照度および色で発光するものであることを特徴とする乗客コンベア。
6. 請求項１ないし５のいずれか１項に記載の乗客コンベアにおいて、前記運転方向を示す照明装置は、前記乗客コンベアの非常事態に警告を示す機能を有することを特徴とする乗客コンベア。
7. 請求項６記載の乗客コンベアにおいて、前記非常事態は、前記乗客コンベアが非常停止した状態にある場合であって、その場合には、運転方向を示す前記照明装置の前記光源は、警告色で点灯または点滅するように設定されていることを特徴とする乗客コンベア。

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