JP2017144753A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】大荷重入力時のシート形状の崩れ変形をより適切に抑えること。【解決手段】シートバック2を支えるリクライニングプレート40と、リクライニングプレート40とシート幅方向とは略垂直な方向に並んで設けられたロアアーム31と、を有するシート1であって、シートバック2に対して外部荷重が入力された際にリクライニングプレート40とロアアーム31との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向での相対変位を規制する変位規制構造RSを備える。変位規制構造RSは、ロアアーム31から延びるブッシュ35に設けられてリクライニングプレート40に向かって接近する方向に突出するフランジ部35Bと、リクライニングプレート40に設けられてフランジ部35Bに向かって接近する方向に延出する突起部43と、を有し、フランジ部35Bが突起部43に対してシート幅方向とは略垂直な方向で当接することにより相対変位を規制する構成とされている。【選択図】図9

Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートバックを支える第1フレーム部と、第1フレーム部とシート幅方向とは略垂直な方向に並んで設けられた第2フレーム部と、を有する乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートバックに乗物の衝突発生等に伴う大荷重が入力された際に、シートバックの過剰な倒れ込みを抑えてシート形状の崩れ変形を防止する変形規制構造が設けられたものが知られている(特許文献1)。具体的には、シートバックを支えるリクライニングプレートと、シートクッションの側部骨格を成すロアアームと、の接続箇所において、大荷重入力時にリクライニングプレートが左右のロアアーム間に架橋されたリヤロッドに押し当てられて変形を規制するというものである。
特開2015−3574号公報
しかし、上記従来技術では、リクライニングプレートがリヤロッドから大きく離間している場合、大荷重入力時にこれらの当接するまでの距離が長くなり、ロアアームに対するリクライニングプレートの変位規制を適切に行えないおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、大荷重入力時のシート形状の崩れ変形をより適切に抑えられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートバックを支える第1フレーム部と、第1フレーム部とシート幅方向とは略垂直な方向に並んで設けられた第2フレーム部と、を有する乗物用シートであって、シートバックに対して外部荷重が入力された際に第1フレーム部と第2フレーム部との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向での相対変位を規制する変位規制構造を備える。変位規制構造は、両フレーム部のうちの一方に設けられて他方に向かって接近する方向に突出する突出部位と、両フレーム部のうちの他方に設けられて突出部位に向かって接近する方向に延出する延出部位と、を有し、突出部位が延出部位に対してシート幅方向とは略垂直な方向で当接することにより両フレーム部間における相対変位を規制する構成とされている。
この第1の発明によれば、シートバックに入力される外部荷重によって両フレーム部間に相対変位が生じた際に、両フレーム部のうちの一方に形成された突出部位の構成を利用して、両フレーム部のうちの他方から延びる延出部位を突出部位に当接させることで、上記の相対変位を規制することができる。上記規制により、相対変位の進行に伴うシートバックの倒れ込みが適切に抑えられるため、シート形状の崩れ変形を適切に抑えることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。突出部位と延出部位との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向で離間する距離は、両フレーム部がシート幅方向とは略垂直な方向で対向する距離よりも小さい構成とされている。
この第2の発明によれば、シートバックに外部荷重が入力された際に、両フレーム部のうちの一方と他方とが互いに当接する前の段階で突出部位と延出部位とを互いに当接させて相対変位を規制することができる。
第3の発明は、上述した第2の発明において、次の構成とされているものである。第1フレーム部及び第2フレーム部は、互いにシート幅方向とは略垂直な方向における複数箇所で接続されており、シートバックに対して外部荷重が入力された際に、第1フレーム部が第2フレーム部に対して複数の接続箇所のうちのいずれかを基点としてシート幅方向とは略垂直な方向に回転する態様で相対変位を生じる構成とされている。
この第4の発明によれば、シートバックに外部荷重が入力された際の第1フレーム部の第2フレーム部に対する変形態様をコントロールしやすくなる。したがって、この変形に伴って両フレーム部間に生じる相対変位も適切に規制することができる。
第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。第2フレーム部は、シートクッションの側部骨格を成して第1フレーム部に対してシート幅方向に接続される本体部と、本体部からシート幅方向に突出してシートクッションの両側部骨格間に架橋された管状部と、を有する。第1フレーム部は、シート幅方向とは略垂直な方向において管状部の外周面に対向配置されている。突出部位は、管状部の外周面から径方向外側に向かって拡径された拡径部位によって構成される一方、延出部位は、第1フレーム部においてシート幅方向とは略垂直な方向で本体部に向かって延出すると共にシート幅方向に沿って延出し、拡径部位に対して対向配置されてなる構成とされている。
この第4の発明によれば、突出部位としての拡径部位を一体的に有する管状部の構成を利用して、第1フレーム部が第2フレーム部に対してシート幅方向とは略垂直な方向に力が加えられて相対変位することを簡素かつ適切に規制して、シート形状の崩れ変形を適切に抑えることができる。また、延出部位を突出部位に対してシート幅方向の広い範囲に亘って安定して当接させることができる。
第5の発明は、上述した第4の発明において、次の構成とされているものである。拡径部位が、管状部の外周面と同心円状に湾曲した外周形状を成す円弧形状とされている。そして、同拡径部位の径方向の外側の位置に対向して配置される延出部位が、拡径部位の円弧形状に沿って湾曲した内周形状を持つ構成とされている。
この第5の発明によれば、延出部位と拡径部位との間に形成される隙間が周方向に一定となるため、両フレーム部間に生じる相対変位の方向が周方向にずれたとしても両者を適切に当接させて規制することができる。
第6の発明は、上述した第4の発明において、次の構成とされているものである。拡径部位の径方向の外側の位置に対向して配置される延出部位が、拡径部位に平坦面を向ける構成とされている。
この第6の発明によれば、延出部位を屈曲形成する場合に比べて簡便に形成できるため、延出部位の拡径部位に対する周方向へのズレへの考慮が必要ない場合等に有効である。
第7の発明は、上述した第1から第7のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。第1フレーム部が、第2フレーム部のシート幅方向の外側の位置に配置され、第2フレーム部の突出部位が第1フレーム部のシート幅方向の外側に外れた位置に形成され、延出部位が突出部位とシート幅方向とは略垂直な方向に対向する位置まで延びる形状とされている。
この第7の発明によれば、第2フレーム部の第1フレーム部からシート幅方向の外側に外れた位置に形成された突出部位の構成を利用して、第2フレーム部のシート幅方向の外側の位置に配置された第1フレーム部が外部荷重の入力によってシート幅方向とは略垂直な方向に相対変位する動きを適切に規制することができる。
第8の発明は、上述した第1から第7のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。第2フレーム部に、シートバックに入力される外部荷重により局所的な応力集中を生じさせて両フレーム部間に相対変位を生じさせやすくする脆弱部が形成されている。
この第8の発明によれば、シートバックに外部荷重が入力された際の第1フレーム部の第2フレーム部に対する変形態様を脆弱部を基点とする形にコントロールしやすくなる。したがって、両フレーム部間に生じる相対変位の規制を狙いとする位置で適切に行うことができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 図1の分解斜視図である。 図1の右側面図である。 図1のIV視拡大図である。 図4を内側から見た斜視図である。 図3のVI部拡大図である。 図6のVII-VII線断面図である。 シートバックに入力された大荷重によりリクライニングプレートがリヤパイプのブッシュに当てられた状態を表す図6に対応する拡大図である。 図8のIX-IX線断面図である。 実施例2の乗物用シートの概略構成を図6に対応する側面視で表す拡大図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
<シート1の基本構造について>
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図9を用いて説明する。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の左側座席として構成されている。上記シート1は、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えている。なお、以下の説明において、「シート幅方向」という場合には、シート1の横幅方向(左右方向)を指している。また、「車幅方向」という場合には、車両の横幅方向(左右方向)を指しており、「車幅方向の内側」という場合にはシート1の右側を指しており、「車幅方向の外側」という場合には、シート1の左側を指している。
上記シート1は、いわゆる「パワーシート」の構成とされており、シートバック2の背凭れ角度の調節やシートクッション3の着座位置の調節をそれぞれスイッチの操作による電動操作によって行うことができる構成とされている。具体的には、上記シートバック2は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、電動式のリクライナ4を介してシートクッション3の左右両サイドの後端部に連結された構成とされている。これにより、シートバック2は、常時は上述した各リクライナ4によってその背凭れ角度が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によって各リクライナ4を電動操作することにより、その背凭れ角度が前後方向に傾動する形で調節される構成とされている。
また、シートクッション3は、車両のフロアF(乗物本体)上に、左右一対の電動式のスライドレール5を介して連結された構成とされている。これにより、シートクッション3は、常時は上述した各スライドレール5によってその着座位置が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によって各スライドレール5を電動操作することにより、その着座位置が前後方向に調節される構成とされている。
また、シートクッション3は、上述した左右一対のスライドレール5との間に、電動式のシートリフタ6が介在した構成とされている。これにより、シートクッション3は、常時は上述したシートリフタ6によってその着座高さが固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によってシートリフタ6を電動操作することにより、その着座高さが調節される構成とされている。
ところで、上述したシートバック2は、図1〜図2に示すように、次のようにシートクッション3の後端部に組み付けられている。先ず、図2に示すように、上述したシートバック2は、その骨格を成すバックフレーム20が、左右一対のサイドフレーム21と、これらサイドフレーム21の上端部間を繋ぐアッパフレーム22と、によって、正面視逆U字状の形に組まれた構成とされている。
上記左右一対の各サイドフレーム21は、それぞれ、シート幅方向に面を向ける縦長状の鋼板材により形成されている。また、アッパフレーム22は、側面視逆U字状の形に折り曲げられた鋼板材により形成されている。上記アッパフレーム22は、上述した各サイドフレーム21の上端部間に跨る形に架橋されて溶接により一体結合されている。上記各サイドフレーム21の下端側の外側面部には、上述した各リクライナ4を介して厚板形状のリクライニングプレート40が連結されている。これらリクライニングプレート40は、上述した各サイドフレーム21よりも厚手の鋼板材により形成されており、各サイドフレーム21よりも高い構造強度を備えた構成とされている。
一方、シートクッション3は、その骨格を成すクッションフレーム30が、左右一対のロアアーム31と、これらロアアーム31の前端部間を繋ぐフロントパネル32と、によって、平面視略U字状の形に組まれた構成とされている。上記左右一対の各ロアアーム31は、それぞれ、シート幅方向に面を向ける前後方向に長尺な鋼板材により形成されている。また、フロントパネル32は、高さ方向に面を向けるシート幅方向に長尺な鋼板材により形成されている。上記フロントパネル32は、上述した各ロアアーム31の前端側の上部間に跨る形に架橋されている。
上述したシートバック2は、上記のように予めバックフレーム20の左右両側の下端部に各リクライナ4を介してリクライニングプレート40が組み付けられた状態(サブアッシ化された状態)で、これらリクライニングプレート40がシートクッション3の左右各側のロアアーム31の後端部にそれぞれ2本のボルトB1,B2により締結されることにより、各ロアアーム31の後端部に一体的に組み付けられている。詳しくは、上記シートバック2は、上記各リクライニングプレート40がシートクッション3の各ロアアーム31の後端部に対してそれぞれシート幅方向の外側に一部が重ね合わされるようにセットされた状態で、これらの重なり合う前後2箇所の位置にボルトB1,B2がシート幅方向の外側から差し込まれて締結されることにより、各ロアアーム31の後端部に一体的に組み付けられている。
上記組み付けにより、シートバック2は、その左右両側の下端部が、それぞれ構造強度の高い厚手のリクライニングプレート40を介してシートクッション3の左右両側の後端部に強く支持された状態として組み付けられている。上述した各リクライニングプレート40は、上述した各ロアアーム31よりも厚手の構造強度の高い構成とされている。上記構成のシートバック2は、通常時、着座乗員の背部が前側から凭れ掛かることによって受ける背凭れ荷重を、各リクライニングプレート40を介して接続されたシートクッション3の各ロアアーム31による支持により強く受け止めることができるようになっている。
しかし、上記シートバック2は、図8に示すように、車両の後部衝突が発生した時等、着座乗員の背部から受ける背凭れ荷重が各リクライニングプレート40を介して接続されたシートクッション3の各ロアアーム31に塑性変形を伴わせるような過大なものとなる場合には、上記荷重を定位置で受け止めきれないことがある。すなわち、各ロアアーム31の塑性変形の進行により、シートバック2が後側に倒れ込んでしまうからである。そして、上記シートバック2の倒れ込み量が過剰となると、着座乗員の身体を支えるシート1の支持形状(シート形状)が崩れてしまうこととなり問題である。
しかし、その一方で、上記変形に伴うシートバック2の倒れ込みを防止するために、例えば、各ロアアーム31を厚肉化するなどして構造強度を高める構成とすると、各ロアアーム31の重量増加を招く他、その他の箇所で塑性変形が発生したり破損が生じたりして、結果としてシートバック2の倒れ込みが却って助長されてしまうおそれがある。そこで、上記シート1には、上述した大荷重入力時におけるシートバック2の倒れ込み量が過剰とならないように、各ロアアーム31の塑性変形を狙った位置で適切な範囲内で行わせた後に当接により規制できるようにする変位規制構造RSが設けられている。
具体的には、上記変位規制構造RSは、上述した大荷重が入力された際に、各ロアアーム31の後端部に接続された各リクライニングプレート40を、各ロアアーム31の塑性変形に伴って、各ロアアーム31間に架橋されているリヤパイプ34の両端側の各ブッシュ6B1の外周面に当接させることで、過剰な変形を規制する構成とされている。詳しくは、上記変位規制構造RSを構成する各リクライニングプレート40のうち、車幅方向の外側に配置された左側のリクライニングプレート40は、同側の対応するブッシュ6B1の外周面に近づけられた状態に配置されており、変形の早い段階でブッシュ6B1の外周面に当接して、早期に変形の進行が食い止められるようになっている。
これに対して、図4及び図6〜図7に示すように、車幅方向の内側に配置された右側のリクライニングプレート40は、同側の対応するブッシュ35(6B1)が軸方向の外側の端部に径方向の外側に張り出すリング状のフランジ部35Bが形成された構成とされているために、組み付け時のブッシュ35との干渉を避けるためにブッシュ35の円筒部35Aの外周面からの距離が離された形状とされている。上記構成についてより詳しく説明すると、上述したリクライニングプレート40は、その対応する側のブッシュ35の円筒部35Aの外周面とあまりに近づけられた形状とされていると、組み付け時にブッシュ35のフランジ部35Bと形状の干渉を起こしやすくなってしまう。そのため、上述したリクライニングプレート40は、上述したブッシュ35の円筒部35Aの外周面との間の距離が、上述したフランジ部35Bと径方向の配置が重ならないようになる位置まで離された形状とされている。
しかし、上記リクライニングプレート40には、そのブッシュ35の円筒部35Aの外周面と対向する底辺部位上に、上述したブッシュ35の円筒部35Aの外周面に向かって延び出すと共にブッシュ35のフランジ部35Bと径方向に対向する位置までシート幅方向の外側に折り曲げられて延びる形状とされた突起部43が形成されている。上記突起部43により、上述した右側のリクライニングプレート40は、上述したブッシュ35との間の径方向の距離が、上述した突起部43とフランジ部35Bとが径方向に対向する部位間において、リクライニングプレート40とブッシュ35の円筒部35Aに装着されたスペーサ36との間の隙間TL1よりも狭い隙間TL2を形成するように設けられた状態とされている。したがって、右側のリクライニングプレート40も、同側の対応するブッシュ35の外周面に近づけられた状態として、変形の早い段階でブッシュ35の外周面(フランジ部35B)に当接して、早期に変形の進行が食い止められるようになっている。
ここで、上述したクッションフレーム30の車幅方向の内側のロアアーム31が本発明の「第2フレーム部」に相当する。また、同側のリクライニングプレート40が本発明の「第1フレーム部」に相当する。また、同側のブッシュ35が本発明の「管状部」に相当する。また、上記ブッシュ35のフランジ部35Bが本発明の「突出部位」及び「拡径部位」に相当する。また、リクライニングプレート40に形成された突起部43が本発明の「延出部位」に相当する。
<クッションフレーム30の具体的な構成について>
以下、上述した変位規制構造RSのより具体的な構成について、その周辺構造と併せて詳しく説明していく。先ず、図1〜図3を参照しながら、上述したクッションフレーム30の具体的な構成について説明する。すなわち、上述したクッションフレーム30には、上述した各ロアアーム31及びフロントパネル32の構成に加えて、上述したシートリフタ6を構成する左右一対のフロントリンク6Aとリヤリンク6Bとを各側のロアアーム31に連結するための接続部材となるブッシュ6A1,6B1、及びこれらブッシュ6A1同士とブッシュ6B1同士とを互いに左右で一体的に繋ぐためのフロントパイプ33及びリヤパイプ34が組み付けられている。
上述した左右一対の各ブッシュ6A1,6B1は、それらの組み付けられる対応する各ロアアーム31に対して、それぞれ、シート幅方向に軸方向を向けて貫通する形に嵌め込まれて、回転可能に軸支された状態として組み付けられている。そして、上記各ブッシュ6A1,6B1に対して、それぞれ、対応する各フロントリンク6Aの上端部とリヤリンク6Bの上端部とがそれぞれ軸方向に通されて溶接により一体的に組み付けられている。更に、上述した前側2つの各ブッシュ6A1間にフロントパイプ33が架橋されて溶接により一体的に組み付けられ、後側2つの各ブッシュ6B1間にもリヤパイプ34が架橋されて溶接により一体的に組み付けられている。
なお、上述した各フロントリンク6Aの下端部とリヤリンク6Bの下端部とは、それぞれ、対応する左右各側のスライドレール5の上部箇所に対して、シート幅方向に軸方向を向ける連結軸6A2,6B2により回転可能に軸支された状態に組み付けられている。上記組み付けにより、上述したクッションフレーム30の左右各側のロアアーム31とスライドレール5との間に、左右一対のフロントリンク6Aとリヤリンク6Bとが互いに1自由度のリンク運動で起倒回転する4節リンク機構が組まれた構成とされている。上記左右一対のフロントリンク6Aとリヤリンク6Bの起倒回転は、車幅方向の外側となる左側のリヤリンク6Bのブッシュ6B1に接続された駆動ユニット6Cにより発揮される駆動力によって行われるようになっている。
上述した駆動ユニット6Cは、上述したブッシュ6B1に対して、図示しないギアの噛み合い構造を介して動力伝達可能な状態に連結されている。上記駆動ユニット6Cは、その初期状態では、その内部に設けられたモータのブレーキ力によってブッシュ6B1を回転止めした状態に保持して、各フロントリンク6Aとリヤリンク6Bの回転を止めた状態に保持するようになっている。また、上記駆動ユニット6Cは、シート1の所定箇所に設けられた図示しないスイッチの操作によってモータが正逆それぞれの方向に駆動操作されることにより、ブッシュ6B1をその対応する回転方向に駆動させて、各フロントリンク6Aとリヤリンク6Bとを一斉に起倒回転させてシートクッション3の着座高さを調節するようになっている。
上述した各ブッシュ6B1のうち、車幅方向の内側となる右側のリヤリンク6Bの上端部に連結されたブッシュ35は、図4〜図7に示すように、シート幅方向に軸方向を向ける円筒部35Aと、円筒部35Aの車幅方向の内側となる右側の端部に形成された径方向の外側に張り出すリング状のフランジ部35B(図7参照)と、を有した形状とされている。上述したフランジ部35Bは、上述した円筒部35Aと同心円状に湾曲した外周形状を成す円弧形状に張り出した形に形成されている。上述したブッシュ35は、その組み付けられる対応する側のロアアーム31に対して、車幅方向の内側となる右側(シート幅方向の外側)から円筒部35Aのフランジ部35Bのない側の端部が差し込まれて、同端部がリヤパイプ34の対応する右側の端部に形成された段差状に絞り込まれた縮径部34Aの外周部に嵌まり込む形に装着されて溶接されている。
そして、上記ブッシュ35は、上記対応するロアアーム31に差し込まれた先の領域において、対応するリヤリンク6Bの上端部が軸方向に通されて溶接により一体的に組み付けられている。上述したブッシュ35は、上述した組み付けにより、その円筒部35Aがロアアーム31の車幅方向の内側となる右側にも張り出した状態として、その張り出した位置にフランジ部35Bを位置させる形に組まれた状態とされている。
詳しくは、図7に示すように、上記ブッシュ35には、そのフランジ部35Bとロアアーム31との間に介在する円筒部35Aの外周部分と、ロアアーム31とリヤリンク6Bとの間に介在する円筒部35Aの外周部分とに、それぞれ、これらの間にシート幅方向に挟まれた状態に配設される円筒形状のスペーサ36が嵌め込まれている。これらスペーサ36を介した組み付けにより、ブッシュ35は、対応するロアアーム31に対して、シート幅方向に位置ズレしない形に組み付けられた状態とされている。詳しくは、上述したブッシュ35の円筒部35Aは、同円筒部35Aの外周面と対向するリクライニングプレート40の底辺部位よりも車幅方向の内側となる右側(シート幅方向の外側)に張り出して、その張り出した位置にフランジ部35Bを位置させた状態とされている。なお、上記ブッシュ35のフランジ部35Bの立ち上がりの根元側の内角部は、同内角部の成形時に形成されるRの膨らみが切除された形状とされている。これにより、上記円筒部35Aの外周部分に嵌め込まれるスペーサ36が、上記Rの膨らみに乗り上がることなく、円筒部35Aから浮き上がりのない形でフランジ部35Bの内側面に当てられた状態とされている。
ところで、図2及び図4〜図5に示すように、上述した各ロアアーム31は、シート幅方向に面を向ける前後方向に長尺な鋼板材により形成されている。そして、上記各ロアアーム31は、それらの後端側の縁部に沿って区画された形に形成された各接続領域31Bに、上述した各リクライニングプレート40が連結されている。具体的には、上記接続領域31Bは、それより前側の本体領域31Aとの間に、シート幅方向の外側にクランク状に折り曲げられた段差形状の段差部31Cが形成された構成とされている。上記各段差部31Cにより、各ロアアーム31の接続領域31Bは、それより前側の本体領域31Aに対して、シート幅方向の外側にオフセットされた位置に形成された構成とされている。また、上述した各ロアアーム31の上述した各接続領域31Bの後ろ側の縁部を残す上側の縁部と下側の縁部とには、それぞれ、各縁部に沿ってシート幅方向の外側に折り曲げられた上側フランジ部31Dと下側フランジ部31Eとが形成されている。これら上側フランジ部31Dと下側フランジ部31Eとは、それぞれ、段差部31Cの形成位置を前後方向に跨る形で前後方向に面一状に連続的に延びる形となって形成されている。
上述した各段差部31Cは、詳しくは、上述した各ロアアーム31の上側フランジ部31Dと下側フランジ部31Eとを残す高さ方向の略全域に亘って、後ろ下がりに斜めに延びる形となって形成されている。そして、上記各段差部31Cを介して各ロアアーム31の本体領域31Aと区画された各接続領域31Bに対して、それぞれ対応する各リクライニングプレート40がシート幅方向の外側に形状の一部が重なり合う状態にセットされて、これらの重なり合う前上側と後下側の2箇所の部位にそれぞれボルトB1,B2がシート幅方向の外側から差し込まれて締結されて、各リクライニングプレート40が一体的に組み付けられている。
詳しくは、上記各ロアアーム31の接続領域31Bは、これらの外側面部に組み付けられる各リクライニングプレート40の内側面部に連結された円盤形状の各リクライナ4とシート幅方向において同じ位置に配置される構成とされている。そのため、各ロアアーム31の接続領域31Bは、上述した各リクライナ4との干渉を避けつつ各リクライナ4を比較的近い位置に配置させられるようにするために、それらの後縁部が各リクライナ4の外周形状に沿って後ろ下がりに斜めに湾曲した凹形状に肉抜きされた形状とされている。
そして、上記後ろ斜め形状に延びる形に形成された各ロアアーム31の接続領域31Bの前上側の端部箇所と後下側の端部箇所とには、それぞれ、シート幅方向の外側からボルトB1,B2を差し込めるようにする丸孔形状の締結孔31Baが形成されている。更に、上記各接続領域31Bの各締結孔31Baの形成領域の内側面部には、各締結孔31Ba内に差し込まれたボルトB1,B2を螺合締結させることのできるウェルドナット31Bbが溶接されている。
一方、各リクライニングプレート40は、上述した各接続領域31Bに対してそれらの底辺領域が斜め上向きの角度姿勢で重ね合わされた状態に組み付けられる略三角形の平板形状に形成されている。上記各リクライニングプレート40の各接続領域31Bに重ね合わされる底辺領域の上下の両角部には、それぞれ、上述した各接続領域31Bに形成された各締結孔31Baと対応する位置に丸孔形状の締結孔42が形成されている。上記各リクライニングプレート40は、それらの各締結孔42を、上述した各ロアアーム31の接続領域31Bに形成された対応する各締結孔31Baに位置合わせした状態にセットした後、これら位置合わせされた各締結孔42,31Ba内にシート幅方向の外側からそれぞれボルトB1,B2を差し込んで各ウェルドナット31Bbに螺合締結することにより、各ロアアーム31の接続領域31Bに一体的に組み付けられている。
上述した各リクライニングプレート40には、それらの内側面部に、対応する各リクライナ4の外側面部が一体的に溶接されて連結されている。具体的には、上述した各リクライニングプレート40には、これらに連結される対応する各リクライナ4の外側面部に突出して形成された円周方向に並ぶ3つの円弧形状のダボ4Aをそれぞれシート幅方向の内側から嵌め込むことのできる対応する3つの円弧形状のダボ孔41が貫通して形成されている。上記各リクライニングプレート40に対し、上述した各リクライナ4は、それらの外側面部に形成された各ダボ4Aが各ダボ孔41内に嵌め込まれて溶接されることにより、それぞれ強固に一体的に結合された状態とされている。
上記のように各リクライニングプレート40と接続される各ロアアーム31に対して、上述したリヤパイプ34の両端部を各ロアアーム31に対して連結する各ブッシュ6B1は、次のような位置に通されて設けられている。すなわち、各ブッシュ6B1は、図6〜図7に示すように、上述した各ロアアーム31の後ろ斜め形状に延びる形に形成された接続領域31Bの直下領域となっている本体領域31Aの後端部分にシート幅方向に通されて設けられている。このような位置に各ブッシュ6B1が通されていることにより、各ブッシュ6B1が、各接続領域31Bに接続された各リクライニングプレート40の斜め上向きの角度で設けられる底辺部位と、比較的近い距離関係を成す位置に設けられた状態とされている。
上記構成とされたシート1は、図8に示すように、車両の後部衝突が発生した時等、着座乗員の背部からシートバック2に掛けられる背凭れ荷重が一定値以上となると、同シートバック2を下端側で支える各リクライニングプレート40に対して後方側に捩られようとする強い曲げモーメントの負荷が掛けられる。そして、この強い曲げモーメントの負荷により、各リクライニングプレート40と接続された各ロアアーム31が、構造的に脆弱となっている段差部31Cにおいて、そのオフセット形状による偏心曲げの作用を受けて局所的な応力集中を生じさせ、段差の立ち上がりを前側に倒す形に優先的に座屈変形するようになっている。ここで、上記段差部31Cが本発明の「脆弱部」に相当する。
そして、上記各段差部31Cの座屈変形に伴って、各段差部31Cの後側に位置する接続領域31Bが各リクライニングプレート40と一体的となって、各段差部31Cの前側に位置する本体領域31Aに対して前下側に変位する。具体的には、上述した各リクライニングプレート40に対してシートバック2に掛けられる後傾方向の荷重が入力されると、図8の黒矢印で示されているように、各リクライニングプレート40と接続されている各ロアアーム31の接続領域31Bの上側の部分に後側に引かれる力が働き、各ロアアーム31の接続領域31Bの下側の部分に前側に押される力が働く。これらの力は、主として、各リクライニングプレート40と各ロアアーム31とを直接接続している各ボルトB1,B2の締結箇所において伝えられるようになっている。
そして、上記各力の伝達により、上記上側の部分の接続箇所となる上側のボルトB1の締結箇所には、後ろ斜め上方に向けた力が掛けられて、各ロアアーム31の接続領域31Bの上側の部分が、本体領域31Aに対して、後ろ斜め上方に引張られるように力を受ける。一方で、下側の部分の接続箇所となる下側のボルトB2の締結箇所には、前斜め下方に向けた力が掛けられて、各ロアアーム31の接続領域31Bの下側の部分が、本体領域31Aに対して、前斜め下方に押し込まれるように力を受ける。
その結果、各ロアアーム31の接続領域31Bの上側の部分は、本体領域31Aに対して面内方向に引張られる引張り力の負荷を受けることになるが、本体領域31Aとは上側フランジ部31Dによって面一状に繋がれた形状となっていることから、比較的変形しにくい挙動を示す。一方で、各ロアアーム31の接続領域31Bの下側の部分は、本体領域31Aに対して面内方向に圧縮される圧縮力の負荷を受けることとなるため、比較的変形しやすい挙動を示す。その結果、各ロアアーム31は、上述した各接続領域31Bが、各リクライニングプレート40と共に、上側のボルトB1の締結箇所を回転中心として、段差部31Cを座屈変形させながら図示時計回り方向(前下方向)に回転する態様で本体領域31Aに対して変位するようになる。
そして、上記各ロアアーム31の塑性変形の進行により、各ブッシュ6B1の外周面と対向する位置関係にある各リクライニングプレート40の底辺部位が、各ブッシュ6B1の外周面に向かって接近移動していき、最終的に当接する。この当接により、各リクライニングプレート40のそれ以上の接近方向の移動が規制された状態となる。その理由は、各リクライニングプレート40が当接する各ブッシュ6B1は、各ロアアーム31における接続領域31Bにではなくて本体領域31Aに連結されているからであり、当接後には各リクライニングプレート40から受ける力を強く受け止めることができるようになっているからである。したがって、上記当接により、各リクライニングプレート40に連結されたシートバック2の後側への倒れ込みが抑止されるため、着座乗員の身体を支えるシート1の支持形状(シート形状)が崩れてしまうことを適切に抑えることができる。
詳しくは、図6〜図9に示すように、車幅方向の内側となる右側のリクライニングプレート40は、その対応する側のブッシュ35に対して、その底辺部位から車幅方向の内側へと延びる突起部43が、上記接近移動によりブッシュ35のフランジ部35Bと当接して、上記接近方向の移動を早期に食い止めるようになっている。上記突起部43は、図8に示すように、上述した大荷重の入力時に、各リクライニングプレート40が各ロアアーム31の接続領域31Bと共に本体領域31Aに対して上側のボルトB1の締結箇所を回転中心として前下方向に回転移動することによりブッシュ35のフランジ部35Bの外周面と当接する移動軌跡上の位置に形成されている。
上記突起部43は、より詳しくは、上述したブッシュ35のフランジ部35Bよりも車幅方向の内側(シート幅方向の外側)へと延びる形状とされて、フランジ部35Bをシート幅方向の両側に跨った状態となって設けられている。そして、上記突起部43は、そのフランジ部35Bと径方向に対向する部位面が、フランジ部35Bの円弧形状に沿って湾曲した円弧状の内周形状を持つ形となるように曲げられた構成とされている。このような構成とされていることにより、突起部43は、そのフランジ部35Bとの間の径方向の隙間が、これらが径方向に対向し合う円周方向の領域において均等となる構成とされている。したがって、上記大荷重の入力時に突起部43がフランジ部35Bに向かって接近移動していく方向が、高さ方向にある程度ずれることがあっても、常に接近移動が隙間の寸法分だけ進行したところで突起部43をフランジ部35Bにバラツキなく当接させることができる。
<まとめ>
以上をまとめると、本実施例のシート1は次のような構成とされている。すなわち、シートバック(シートバック2)を支える第1フレーム部(リクライニングプレート40)と、第1フレーム部とシート幅方向とは略垂直な方向に並んで設けられた第2フレーム部(クッションフレーム30のロアアーム31)と、を有する乗物用シート(シート1)であって、シートバックに対して外部荷重が入力された際に第1フレーム部と第2フレーム部との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向での相対変位を規制する変位規制構造(変位規制構造RS)を備える。変位規制構造は、両フレーム部のうちの一方(クッションフレーム30に設けられたブッシュ35)に設けられて他方(リクライニングプレート40)に向かって接近する方向に突出する突出部位(フランジ部35B)と、両フレーム部のうちの他方に設けられて突出部位に向かって接近する方向に延出する延出部位(突起部43)と、を有し、突出部位が延出部位に対してシート幅方向とは略垂直な方向で当接することにより両フレーム部間における相対変位を規制する構成とされている。
このような構成とされていることにより、シートバック(シートバック2)に入力される外部荷重によって両フレーム部(ロアアーム31とリクライニングプレート40)間に相対変位が生じた際に、両フレーム部のうちの一方(ブッシュ35)に形成された突出部位(フランジ部35B)の構成を利用して、両フレーム部のうちの他方(リクライニングプレート40)から延びる延出部位(突起部43)を突出部位に当接させることで、上記の相対変位を規制することができる。上記規制により、相対変位の進行に伴うシートバックの倒れ込みが適切に抑えられるため、シート形状の崩れ変形を適切に抑えることができる。
また、突出部位(フランジ部35B)と延出部位(突起部43)との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向で離間する距離(隙間TL2)は、両フレーム部(ロアアーム31とリクライニングプレート40)がシート幅方向とは略垂直な方向で対向する距離(隙間TL1)よりも小さい構成とされている。このような構成とされていることにより、シートバック(シートバック2)に外部荷重が入力された際に、両フレーム部のうちの一方(ブッシュ35)と他方(リクライニングプレート40)とが互いに当接する前の段階で突出部位と延出部位とを互いに当接させて相対変位を規制することができる。
また、第1フレーム部(リクライニングプレート40)及び第2フレーム部(クッションフレーム30のロアアーム31)は、互いにシート幅方向とは略垂直な方向における複数箇所(ボルトB1,B2の締結箇所)で接続されており、シートバック(シートバック2)に対して外部荷重が入力された際に、第1フレーム部が第2フレーム部に対して複数の接続箇所のうちのいずれか(上側のボルトB1の締結箇所)を基点としてシート幅方向とは略垂直な方向に回転する態様で相対変位を生じる構成とされている。このような構成とされていることにより、シートバックに外部荷重が入力された際の第1フレーム部の第2フレーム部に対する変形態様をコントロールしやすくなる。したがって、この変形に伴って両フレーム部(ロアアーム31とリクライニングプレート40)間に生じる相対変位も適切に規制することができる。
また、第2フレーム部(クッションフレーム30)は、シートクッション(シートクッション3)の側部骨格を成して第1フレーム部(リクライニングプレート40)に対してシート幅方向に接続される本体部(ロアアーム31)と、本体部からシート幅方向に突出してシートクッションの両側部骨格(両ロアアーム31)間に架橋された管状部(ブッシュ35)と、を有する。第1フレーム部は、シート幅方向とは略垂直な方向において管状部の外周面に対向配置されている。突出部位(フランジ部35B)は、管状部の外周面から径方向外側に向かって拡径された拡径部位によって構成される一方、延出部位(突起部43)は、第1フレーム部においてシート幅方向とは略垂直な方向で本体部に向かって延出すると共にシート幅方向に沿って延出し、拡径部位に対して対向配置されてなる構成とされている。このような構成とされていることにより、突出部位としての拡径部位を一体的に有する管状部の構成を利用して、第1フレーム部が第2フレーム部に対してシート幅方向とは略垂直な方向に力が加えられて相対変位することを簡素かつ適切に規制して、シート形状の崩れ変形を適切に抑えることができる。また、延出部位を突出部位に対してシート幅方向の広い範囲に亘って安定して当接させることができる。
また、拡径部位(フランジ部35B)が、管状部(ブッシュ35)の外周面と同心円状に湾曲した外周形状を成す円弧形状とされている。そして、同拡径部位の径方向の外側の位置に対向して配置される延出部位(突起部43)が、拡径部位の円弧形状に沿って湾曲した内周形状を持つ構成とされている。このような構成とされていることにより、延出部位と拡径部位との間に形成される隙間(隙間TL2)が周方向に一定となるため、両フレーム部(ロアアーム31とリクライニングプレート40)間に生じる相対変位の方向が周方向にずれたとしても両者を適切に当接させて規制することができる。
また、拡径部位(フランジ部35B)の径方向の外側の位置に対向して配置される延出部位(突起部43)が、拡径部位に平坦面を向ける構成とされている。このような構成とされていることにより、延出部位を屈曲形成する場合に比べて簡便に形成できるため、延出部位の拡径部位に対する周方向へのズレへの考慮が必要ない場合等に有効である。
また、第1フレーム部(リクライニングプレート40)が、第2フレーム部(クッションフレーム30のロアアーム31)のシート幅方向の外側の位置に配置され、第2フレーム部の突出部位(フランジ部35B)が第1フレーム部のシート幅方向の外側に外れた位置に形成され、延出部位(突起部43)が突出部位とシート幅方向とは略垂直な方向に対向する位置まで延びる形状とされている。このような構成とされていることにより、第2フレーム部の第1フレーム部からシート幅方向の外側に外れた位置に形成された突出部位の構成を利用して、第2フレーム部のシート幅方向の外側の位置に配置された第1フレーム部が外部荷重の入力によってシート幅方向とは略垂直な方向に相対変位する動きを適切に規制することができる。
また、第2フレーム部(クッションフレーム30のロアアーム31)に、シートバック(シートバック2)に入力される外部荷重により局所的な応力集中を生じさせて両フレーム部(ロアアーム31とリクライニングプレート40)間に相対変位を生じさせやすくする脆弱部(段差部31C)が形成されている。このような構成とされていることにより、シートバックに外部荷重が入力された際の第1フレーム部(リクライニングプレート40)の第2フレーム部に対する変形態様を脆弱部を基点とする形にコントロールしやすくなる。したがって、両フレーム部間に生じる相対変位の規制を狙いとする位置で適切に行うことができる。
続いて、実施例2のシート1(乗物用シート)の構成について、図10を用いて説明する。本実施例では、車幅方向の内側となる右側に配置されたリクライニングプレート40に形成された突起部44(延出部位)の、ブッシュ35のフランジ部35B(突出部位)と径方向に対向する部位面が、フランジ部35Bに向かって真っ直ぐな平坦面を向ける形となって形成されている。このような構成となっていることにより、突起部44を簡便に形成することができる。上記突起部44は、実施例1で示した突起部43と同じように、上述したブッシュ35のフランジ部35Bよりも車幅方向の内側(シート幅方向の外側)へと延びる形状とされて、フランジ部35Bをシート幅方向の両側に跨った状態となって設けられている。なお、上記以外の構成については、実施例1で示した構成と同じとなっているため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を2つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用シートの構成は、自動車の左席以外のシートの他、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートや、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、第2フレーム部は、シートクッションの骨格要素を成すものに限らない。すなわち、第2フレーム部は、シートバックをシートクッションの構成を介さずに直接、フロアパネル等の乗物本体に連結するためのブラケット等のベース部材として構成されるものであってもよい。また、第2フレーム部の第1フレーム部を当接させる部位は、上記実施例で示したブッシュのような円筒形状の部材の外周面に限らず、角筒形状の部材の外周面や、その他の形状を有する部材の構成面であってもよい。また、シートバックを支える第1フレーム部は、リクライニングプレートの他、シートバックのサイドフレーム又は同サイドフレームと連結されるブラケット等のシートバックを支える様々な部材から成るものであってもよい。
なお、第2フレーム部と第1フレーム部とは、互いに別体の構成から成るものに限らず、上記各実施例で示したロアアームの本体領域と接続領域との関係のように、一部材における外部荷重の入力により相対変位を生じる別々の領域として構成されたものであってもよい。また、第1フレーム部は、第2フレーム部に対して、複数のボルトによる締結によって断続的な複数箇所で接続されるものに限らず、溶接によりひと続きに連続した形で接続されるものであってもよい。また、上記第2フレーム部と第1フレーム部とは、外部荷重が入力される前の初期状態において、互いの突出部位と延出部位とが当接した状態として設けられるものであってもよい。また、両フレーム部のうちの一方に設けられる突出部位は、両フレーム部のうちの他方と対向する位置に形成されて、同他方から突出する延出部位がシート幅方向に延びることなく突出部位とシート幅方向とは略垂直な方向に対向した配置とされて、外部荷重の入力時に突出部位と当接する構成であってもよい。
また、シートバックに対して上述した両フレーム部間に相対変位を生じさせる外部荷重が入力された際に、当接により相対変位を規制する変位規制構造は、両フレーム部間に生じるシート幅方向とは略垂直な方向、すなわちシート高さ方向及びシート前後方向のうちのいずれの方向の相対変位を規制するものであっても良い。また、上記方向成分を含む斜めの方向であってもよい。また、上記両フレーム部間に相対変位を生じさせるものとしてシートバックに入力される外部荷重としては、車両の後部衝突に伴う後方荷重の他、車両の前部衝突に伴う前方荷重や、車両の側部衝突に伴う側方荷重等のものが挙げられる。
また、突出部位や延出部位は、第2フレーム部や第1フレーム部から切り起こされたり折り曲げられたりして一体的に形成されるものの他、別部品が溶接等の接合により組み合わされて形成されるものであってもよい。また、当該突出部位と延出部位とは、互いに面接触する形で当接するものの他、線接触や点接触で当接する関係となるように組み合わされるものであってもよい。
また、第2フレーム部に形成される脆弱部は、段差部の他、切欠き部や薄肉部から成るものであってもよい。また、第2フレーム部に脆弱部が形成されていない構成であってもよい。
また、管状部の一部領域に形成される突出部位としての拡径部位は、管状部の軸方向の端部に限らず、軸方向の一部領域に形成されていればよい。上記拡径部位は、第1フレーム部のシート幅方向の外側への移動を規制するものの他、シート幅方向の内側への移動を規制するように設けられるものであってもよい。また、管状部は、円形断面から成るものに限らず、角形断面その他の異形断面から成るものであってもよい。
1 シート
2 シートバック
3 シートクッション
4 リクライナ
4A ダボ
5 スライドレール
6 シートリフタ
6A フロントリンク
6A1 ブッシュ
6A2 連結軸
6B リヤリンク
6B1 ブッシュ
6B2 連結軸
6C 駆動ユニット
20 バックフレーム
21 サイドフレーム
22 アッパフレーム
30 クッションフレーム
31 ロアアーム(第2フレーム部)
31A 本体領域
31B 接続領域
31Ba 締結孔
31Bb ウェルドナット
31C 段差部(脆弱部)
31D 上側フランジ部
31E 下側フランジ部
32 フロントパネル
33 フロントパイプ
34 リヤパイプ
34A 縮径部
35 ブッシュ(管状部)
35A 円筒部
35B フランジ部(突出部位、拡径部位)
36 スペーサ
40 リクライニングプレート(支持フレーム部)
41 ダボ孔
42 締結孔
43 突起部(延出部位)
44 突起部(延出部位)
B1,B2 ボルト
RS 変位規制構造
TL1 隙間
TL2 隙間
F フロア

Claims (8)

  1. シートバックを支える第1フレーム部と、該第1フレーム部とシート幅方向とは略垂直な方向に並んで設けられた第2フレーム部と、を有する乗物用シートであって、
    前記シートバックに対して外部荷重が入力された際に前記第1フレーム部と前記第2フレーム部との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向での相対変位を規制する変位規制構造を備え、
    当該変位規制構造は、前記両フレーム部のうちの一方に設けられて他方に向かって接近する方向に突出する突出部位と、前記両フレーム部のうちの他方に設けられて前記突出部位に向かって接近する方向に延出する延出部位と、を有し、前記突出部位が前記延出部位に対してシート幅方向とは略垂直な方向で当接することにより前記両フレーム部間における相対変位を規制する構成とされている乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記突出部位と前記延出部位との間におけるシート幅方向とは略垂直な方向で離間する距離は、前記両フレーム部がシート幅方向とは略垂直な方向で対向する距離よりも小さい構成とされている乗物用シート。
  3. 請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は、互いにシート幅方向とは略垂直な方向における複数箇所で接続されており、前記シートバックに対して外部荷重が入力された際に、前記第1フレーム部が前記第2フレーム部に対して当該複数の接続箇所のうちのいずれかを基点としてシート幅方向とは略垂直な方向に回転する態様で前記相対変位を生じる構成とされている乗物用シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記第2フレーム部は、シートクッションの側部骨格を成して前記第1フレーム部に対してシート幅方向に接続される本体部と、当該本体部からシート幅方向に突出して前記シートクッションの両側部骨格間に架橋された管状部と、を有し、
    前記第1フレーム部は、シート幅方向とは略垂直な方向において前記管状部の外周面に対向配置されており、
    前記突出部位は、前記管状部の外周面から径方向外側に向かって拡径された拡径部位によって構成される一方、
    前記延出部位は、前記第1フレーム部においてシート幅方向とは略垂直な方向で前記本体部に向かって延出すると共にシート幅方向に沿って延出し、前記拡径部位に対して対向配置されてなる構成とされている乗物用シート。
  5. 請求項4に記載の乗物用シートであって、
    前記拡径部位が前記管状部の外周面と同心円状に湾曲した外周形状を成す円弧形状とされ、該拡径部位の径方向の外側の位置に対向して配置される前記延出部位が前記拡径部位の円弧形状に沿って湾曲した内周形状を持つ構成とされている乗物用シート。
  6. 請求項4に記載の乗物用シートであって、
    前記拡径部位の径方向の外側の位置に対向して配置される前記延出部位が前記拡径部位に平坦面を向ける構成とされている乗物用シート。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記第1フレーム部が前記第2フレーム部のシート幅方向の外側の位置に配置され、前記第2フレーム部の前記突出部位が前記第1フレーム部のシート幅方向の外側に外れた位置に形成され、前記延出部位が前記突出部位とシート幅方向とは略垂直な方向に対向する位置まで延びる形状とされている乗物用シート。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記第2フレーム部に、前記シートバックに入力される外部荷重により局所的な応力集中を生じさせて前記両フレーム部間に相対変位を生じさせやすくする脆弱部が形成されている乗物用シート。
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