JP2015004388A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接を用いることなく2つの部材を互いに強固に一体的に結合できるようにする。
【解決手段】シートクッションを支えるリヤリンク5Bと、リヤリンク5Bに横から差し込まれて一体的に結合されるリヤロッド5Dと、を有する乗物用シートである。リヤリンク5Bは、リヤロッド5Dを横から差し込むことのできる差込孔5Ba1を有する。差込孔5Ba1にリヤロッド5Dが差し込まれた状態で、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとに跨ってリヤロッド5Dの差込方向とは垂直な方向にピン部材Dが差し込まれて留められることにより、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとがピン部材Dを介して互いに一体的に結合されている。
【選択図】図2
【解決手段】シートクッションを支えるリヤリンク5Bと、リヤリンク5Bに横から差し込まれて一体的に結合されるリヤロッド5Dと、を有する乗物用シートである。リヤリンク5Bは、リヤロッド5Dを横から差し込むことのできる差込孔5Ba1を有する。差込孔5Ba1にリヤロッド5Dが差し込まれた状態で、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとに跨ってリヤロッド5Dの差込方向とは垂直な方向にピン部材Dが差し込まれて留められることにより、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとがピン部材Dを介して互いに一体的に結合されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートクッションを支える支持部材と、支持部材に横から差し込まれて一体的に結合される棒部材と、を有する乗物用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、シートクッションとフロアとの間に、シートクッションの着座高さを調整可能とするシートリフタが設けられたものが知られている(特許文献1)。上記シートリフタは、左右一対のフロントリンクとリヤリンクとを備えた四節リンク機構と、同機構を駆動操作する駆動ユニットと、によって構成されている。上記左右一対のフロントリンク同士とリヤリンク同士とは、それぞれ、ロッドを介して一体的に結合された状態とされており、左右で協働したリンク運動によってシートクッションの着座高さを変えられるようになっている。
しかし、上記従来技術では、ロッドと各リンクとが溶接によって結合されているため、これらの部材が溶接による入熱によって歪んでしまうことがある。本発明は、上述した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、溶接を用いることなく2つの部材を互いに強固に一体的に結合できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートクッションを支える支持部材と、支持部材に横から差し込まれて一体的に結合される棒部材と、を有する乗物用シートである。支持部材は、棒部材を横から差し込むことのできる差込孔を有する。差込孔に棒部材が差し込まれた状態で、支持部材と棒部材とに跨って棒部材の差込方向とは垂直な方向にピン部材が差し込まれて留められることにより、支持部材と棒部材とがピン部材を介して互いに一体的に結合されている。
第1の発明は、シートクッションを支える支持部材と、支持部材に横から差し込まれて一体的に結合される棒部材と、を有する乗物用シートである。支持部材は、棒部材を横から差し込むことのできる差込孔を有する。差込孔に棒部材が差し込まれた状態で、支持部材と棒部材とに跨って棒部材の差込方向とは垂直な方向にピン部材が差し込まれて留められることにより、支持部材と棒部材とがピン部材を介して互いに一体的に結合されている。
この第1の発明によれば、支持部材の差込孔内に棒部材を差し込んで、これらに跨って棒部材の差し込み方向とは垂直な方向にピン部材を差し込んで留めることにより、これら2つの部材を溶接を用いることなく互いに強固に一体的に結合することができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。差込孔が、支持部材に一体的に設けられた筒状部の筒内によって形成されている。筒状部内に棒部材が差し込まれた状態で、筒状部と棒部材とに跨ってピン部材が半径方向に貫通して差し込まれて装着されている。
この第2の発明によれば、支持部材に筒状部が設けられることで、支持部材にピン部材を棒部材の差込方向とは垂直な方向に差し込める領域を確保することができ、支持部材と棒部材とを簡単かつ適切に一体的に結合することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図4を用いて説明する。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の運転席として構成されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成となっている。上記シート1は、いわゆる「パワーシート」の構成となっており、シートバック2の背凭れ角度の調整やシートクッション3の着座位置の調整をそれぞれスイッチの操作による電動操作によって行うことができる構成となっている。
具体的には、シートバック2は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、図示しない電動式のリクライナを介してシートクッション3の左右両サイドの後端部に連結された構成となっている。これにより、シートバック2は、常時は上述した各リクライナによってその背凭れ角度が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によって各リクライナを電動操作することにより、その背凭れ角度が前後方向に調整操作される構成とされている。また、シートクッション3は、車両のフロア上に、左右一対の電動式のスライドレール4を介して連結された構成とされている。これにより、シートクッション3は、常時は上述した各スライドレール4によってその着座位置が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によって各スライドレール4を電動操作することにより、その着座位置が前後方向に調整操作される構成とされている。
また、シートクッション3は、上述した左右一対のスライドレール4との間に、それぞれ電動式のシートリフタ5が介在して設けられた構成とされている。これにより、シートクッション3は、常時は上記シートリフタ5によってその着座高さ位置が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によってシートリフタ5を電動操作することにより、その着座高さ位置が調整される構成とされている。また、シートクッション3は、その前部に、電動式のチルト機構6が備えられた構成とされている。これにより、シートクッション3は、常時は上述したチルト機構6によってその着座乗員の大腿部を支える前部の支持角度が固定された状態に保持され、図示しないスイッチの操作によってチルト機構6を電動操作することにより、上記前部の支持角度が高さ方向に調整操作される構成とされている。
このように、シート1は、シートバック2の背凭れ角度の調整(前後2方向)と、シートクッション3の着座位置の調整(前後2方向と上下2方向)と、シートクッション3の前部の角度調整(上下2方向)と、が可能とされた、いわゆる「8ウェイ」と呼ばれる8方向の調整操作が可能な構成とされている。これらの調整操作は、シートクッション3の車両外側(図示向かって左側)の側部等の所定箇所に設けられた図示しないスイッチの操作による電動操作によって行われるようになっている。
本実施例のシート1は、上述したシートリフタ5を構成する左右一対のフロントリンク5A同士を連結するフロントロッド5Cや左右一対のリヤリンク5B同士を連結するやリヤロッド5Dが、それぞれ、各フロントリンク5Aや各リヤリンク5Bに対して、溶接を用いることなくかしめによって強固に一体的に結合することができるようになっている点を特徴とするものである。以下、上述したフロントロッド5Cやリヤロッド5Dの各フロントリンク5Aや各リヤリンク5Bに対する具体的な組み付け構造について、シートクッション3の具体的な構成と併せて詳しく説明していく。
図1に示すように、シートクッション3は、その骨格を成す金属製のクッションフレーム10が、シートクッション3の外周形状に沿った四角枠形状に組まれた構成となっている。具体的には、クッションフレーム10は、左右一対のサイドフレーム11と、各サイドフレーム11の前端部間に架橋されて着座乗員の大腿部を下方側から支持するフロントパネル12と、を有し、各サイドフレーム11の間に金属製の丸パイプから成るフロントロッド5Cとリヤロッド5Dとがそれぞれシート幅方向に貫通して軸連結された状態に組み付けられていることにより、全体が平面視四角枠形状に組まれた構成とされている。なお、上述したクッションフレーム10の上部には、着座乗員の荷重を和らげて受け止める図示しない発泡ウレタン製のクッションパッドやシートクッション3の表面全体を外側から覆う図示しない布製のクッションカバーが取り付けられているが、これらの構成についての具体的な説明は省略することとする。
上述した各サイドフレーム11は、それぞれ、プレス加工された1枚の鋼板材により形成されており、前後方向に長尺な板形状にカットされて、互いに内向するシート内側に面を向けて配設された状態とされている。各サイドフレーム11は、それぞれ、それらの上縁部と下縁部とがシート外側に折り曲げられて、曲げや捩りに対する構造強度が高められた構成とされている。
フロントパネル12は、上述した各サイドフレーム11と同様に、プレス加工された1枚の鋼板材により形成されており、シート幅方向に長尺な板形状にカットされて、シート上方側に面を向けて配設された状態とされている。上記フロントパネル12は、その前側の縁部や左右両側の縁部がそれぞれシート下方側に折り曲げられて、曲げや捩りに対する構造強度が高められた構成とされている。上記フロントパネル12は、その左右両側部が、それぞれ、チルトパネル12Aを介して回転軸12B(ピン)により上述した各サイドフレーム11の前後方向の中間部に回転可能に軸連結された状態に組み付けられた状態とされている。
上述した各チルトパネル12Aは、それぞれ、プレス加工された1枚の鋼板材により形成されており、前後方向に長尺な板形状にカットされて、各サイドフレーム11の内側面側に面を重ねるように配置されて設けられた状態とされている。各チルトパネル12Aは、それらの上縁部が、シート外側に折り曲げられて、曲げや捩りに対する構造強度が高められた構成とされている。各チルトパネル12Aは、上記折り曲げられた各天板面部が、それぞれ、上述した各サイドフレーム11のシート外側に折り曲げられた上縁部の直上部に位置して、フロントパネル12の左右両側の縁部に下方側からあてがわれてリベットにより一体的に締結されて結合された状態とされている。
そして、各チルトパネル12Aは、それらの後端部が、回転軸12B(ピン)により各サイドフレーム11の中間部に回転可能に軸連結された状態とされている。これら回転軸12Bは、互いに同軸線上の位置に並んで設けられた状態とされている。これにより、フロントパネル12が、各サイドフレーム11に対して、上述した各回転軸12Bを中心に上下方向に回転移動することができる状態に設けられた状態とされている。このような連結構造により、着座乗員の大腿部を支えるフロントパネル12の支持角度を高さ方向に調整操作することのできるチルト機構6が構成されている。上記チルト機構6は、上述したフロントパネル12と車両外側のサイドフレーム11との間に設けられた図示しない送りねじ駆動装置の駆動力やブレーキ力によって駆動操作されたり制止されたりするようになっている。
次に、シートリフタ5の構成について説明する。シートリフタ5は、左右一対のフロントリンク5Aと、左右一対のリヤリンク5Bと、各フロントリンク5Aの上端部同士を一体的に繋ぐフロントロッド5Cと、各リヤリンク5Bの上端部同士を一体的に繋ぐリヤロッド5Dと、車両外側のリヤリンク5Bに回転駆動力やブレーキ力を伝達するギヤ機構5Eと、を有する構成とされている。ここで、各フロントリンク5Aや各リヤリンク5Bがそれぞれ本発明の「支持部材」に相当し、フロントロッド5Cやリヤロッド5Dがそれぞれ本発明の「棒部材」に相当する。
上述した各フロントリンク5Aは、そのうちの図示向かって左側に示された車両外側に配された一方側のフロントリンク5Aが、同側のサイドフレーム11の外側に配置されており、図示向かって右側に示された車両内側に配された他方側のフロントリンク5Aが、同側のサイドフレーム11の内側に配置された状態とされている。そして、各フロントリンク5Aは、これらの上端部と各サイドフレーム11とに貫通するように丸パイプ状のフロントロッド5Cがシート幅方向に挿通されて、その挿通されたフロントロッド5Cと一体的に結合されることにより、フロントロッド5Cと一体的となって各サイドフレーム11に対して回転することができるようにフロントロッド5Cを介して各サイドフレーム11に軸連結された状態とされている。各フロントリンク5Aの下端部は、フロア側の部材となる各スライドレール4の上部に回転可能に軸連結された状態とされている。
また、各リヤリンク5Bも同様に、そのうちの図示向かって左側に示された車両外側に配された一方側のリヤリンク5Bが、同側のサイドフレーム11の外側に配置されており、図示向かって右側に示された車両内側に配された他方側のリヤリンク5Bが、同側のサイドフレーム11の内側に配置された状態とされている。そして、各リヤリンク5Bは、これらの上端部と各サイドフレーム11とに貫通するように丸パイプ状のリヤロッド5Dがシート幅方向に挿通されて、その挿通されたリヤロッド5Dと一体的に結合されることにより、リヤロッド5Dと一体的となって各サイドフレーム11に対して回転することができるようにリヤロッド5Dを介して各サイドフレーム11に軸連結された状態とされている。各リヤリンク5Bの下端部は、フロア側の部材となる各スライドレール4の上部に回転可能に軸連結された状態とされている。
そして、車両外側(図示向かって左側)のリヤリンク5Bには、同リヤリンク5Bを回転駆動させたり回転止めしたりするための動力伝達を行う駆動装置を備えたギヤ機構5Eが連結されている。上記シートリフタ5は、上述したギヤ機構5Eから車両外側のリヤリンク5Bに伝達される回転駆動力やブレーキ力により、各フロントリンク5Aと各リヤリンク5Bとが一緒になって前後方向に揺動回転したり回転止めされたりして、シートクッション3の着座高さ位置を調整したりその調整した位置に留めたりするようになっている。
その際、シートリフタ5は、上述した各フロントリンク5A同士及び各リヤリンク5B同士が、上述したフロントロッド5Cやリヤロッド5Dによってそれぞれ一体的に連結された構成となっていることにより、上述した車両外側のリヤリンク5Bが回転止めされることに伴う回転止め力により、各フロントリンク5A間及び各リヤリンク5B間でそれぞれ各サイドフレーム11を個別に下方側から支持することのできる支持力を発揮したり、車両外側のリヤリンク5Bが回転駆動される力によって各側のサイドフレーム11を個別に下方側から持ち上げたりすることのできる高い支持剛性(捩れ剛性や曲げ剛性)を発揮することのできる構成とされている。
上述した各スライドレール4は、そのうちの図示向かって右側に示された車両内側に配設された一方側のスライドレール4が、同側のサイドフレーム11の直下位置に配置されているが、図示向かって左側に示された車両外側に配設された他方側のスライドレール4が、同側のサイドフレーム11よりも外側に張り出した位置に配置された、シート幅方向の設置間スペースの広い構成とされている。
しかし、このように各スライドレール4の設置間隔が各サイドフレーム11の設置間隔よりも広い構成であっても、上述したように車両外側のフロントリンク5Aやリヤリンク5Bが同側のサイドフレーム11の外側に位置して、同側のサイドフレーム11を貫通するフロントロッド5Cやリヤロッド5Dの延びた先に連結される構成となっていることにより、別段、両者間のシート幅方向の寸法差を補うためのブラケット等の別部品を追加して設けることなく、これら寸法差のある各サイドフレーム11と各スライドレール4との間に各フロントリンク5Aと各リヤリンク5Bとを簡単に組み付けることができるようになっている。
次に、上述した各フロントリンク5Aの上端部に通されたフロントロッド5Cや各リヤリンク5Bの上端部に通されたリヤロッド5Dを、各フロントリンク5Aや各リヤリンク5Bにそれぞれ一体的に結合する構造について説明する。なお、各フロントリンク5Aをフロントロッド5Cに結合する構造と各リヤリンク5Bをリヤロッド5Dに結合する構造とは、それぞれ互いに同じ構造となっているため、以下では、これらを代表して、図1の向かって左側に示されている車両外側のリヤリンク5Bをリヤロッド5Dに結合する構造について説明することとし、これらに対応するフロントリンク5Aやフロントロッド5Cの構成については、リヤリンク5Bやリヤロッド5Dの構成の後ろに括弧書きで構成を付して説明することとする。
すなわち、図2〜図3に示すように、リヤリンク5B(フロントリンク5A)は、そのリヤロッド5D(フロントロッド5C)が差し込まれる上端側の領域部に、板厚方向に円筒状に突出する円筒部5Ba(円筒部5Aa)が形成された構成となっている。上記円筒部5Baは、リヤリンク5Bがバーリング加工されることによって形成されており、その円筒内部に、リヤロッド5D(フロントロッド5C)を軸方向に貫通して差し込むことのできる丸孔状の差込孔5Ba1(差込孔5Aa1)が形成された構成となっている。そして、上記円筒部5Baには、その円周方向の4箇所に、半径方向に貫通する丸孔状の挿通孔5Ba2(挿通孔5Aa2)が形成された状態とされている。
上記各挿通孔5Ba2は、後述する丸棒状の2本のピン部材Dをそれぞれ半径方向の異なる2方向から貫通して挿通させられるようにするための通し孔として機能するものとなっている。各挿通孔5Ba2は、そのうちの対向する2つずつが対となってそれぞれピン部材Dを貫通して挿通させられるように機能するものとなっており、挿通された各ピン部材D同士を互いに干渉させないように、対向する2つずつの孔同士が互いに軸方向にずれた位置に形成された状態とされている。各挿通孔5Ba2は、各ピン部材Dを円筒部5Baの中心を通って挿通させられるように円筒部5Baの中心に向かってそれぞれ真っ直ぐに貫通した形に形成されている。
一方、リヤロッド5Dは、そのリヤリンク5Bの差込孔5Ba1内に差し込まれる領域の外周部に、差込孔5Ba1内に差し込まれることによって上述した円筒部5Baに形成された各挿通孔5Ba2と位置合わせされた状態にセットされる丸孔状の4つの挿通孔5Ca(挿通孔5Da)が形成されている。これら挿通孔5Caは、上述した円筒部5Baに形成された各挿通孔5Ba2と同じ大きさに形成されており、これら挿通孔5Ba2と位置合わせされた状態にセットされることにより、これら挿通孔5Ba2内に外側から貫通して差し込まれる各ピン部材Dを各挿通孔5Ca内にも貫通して跨らせた状態に挿通させられるようになっているものである。
上記リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとは次のように組み付けられて結合されている。先ず、図2〜図3に示すように、リヤリンク5Bの差込孔5Ba1内にリヤロッド5Dを差し込んで、リヤロッド5Dの各挿通孔5Caとリヤリンク5Bの各挿通孔5Ba2とを互いに位置合わせした状態にセットする。次に、上記位置合わせされた各挿通孔5Ba2,5Ca内にそれぞれピン部材Dを円筒部5Baの外側から反対側まで貫通する位置まで挿通する。そして、各ピン部材Dの挿通した先の端部と根本側の端部とをそれぞれ折り曲げて、各ピン部材Dをリヤリンク5Bの円筒部5Baとリヤロッド5Dとに径方向に跨らせて差し込んだ状態に結合した状態にする(図3〜図4参照)。これにより、リヤロッド5Dが、リヤリンク5Bに対して、軸方向にも回転方向にも強固に一体的に結合された状態に保持された状態となる。
このように、リヤリンク5Bの差込孔5Ba1内にリヤロッド5Dを差し込んで、これらに跨ってリヤロッド5Dの差し込み方向(軸方向)とは垂直な方向(径方向)にピン部材Dを差し込んで留めることにより、これら2部材を溶接を用いることなく互いに強固に一体的に結合することができる。また、差込孔5Ba1がリヤリンク5Bに一体的に設けられた円筒部5Baの円筒内によって形成されていることにより、リヤリンク5Bにピン部材Dをリヤロッド5Dの差込方向とは垂直な方向に差し込める領域を円筒部5Baにおいて適切に確保することができ、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとを簡単かつ適切に一体的に結合することができる。
続いて、実施例2のシート1(乗物用シート)の構成について、図5を用いて説明する。本実施例では、2本のピン部材Dが折り曲げではなく、両端部をかしめる潰しによって円筒部5Baに一体的に結合された構成となっている。このようにしても、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとを溶接を用いることなく互いに強固に一体的に結合することができる。なお、その他の構成については、実施例1で示した構成と同じとなっている。
続いて、実施例3のシート1(乗物用シート)の構成について、図6を用いて説明する。本実施例では、2本のピン部材Dが互いに同じ軸方向位置で交差するように差し込まれるようになっており、一方のピン部材Dが他方のピン部材Dよりも太径に形成されていて、その中心部に他方のピン部材Dを刺し通せるようにする通し孔D1が形成された構成となっている。このようにしても、リヤリンク5Bとリヤロッド5Dとを溶接を用いることなく互いに強固に一体的に結合することができる。なお、その他の構成については、実施例1で示した構成と同じとなっている。
以上、本発明の実施形態を3つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の運転席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の他の乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、本発明の構成は、「シートクッションを支える支持部材と、該支持部材に横から差し込まれて一体的に結合される棒部材と、を有する」構成に対して広く適用することができるものである。すなわち、支持部材は、上記実施例で示したようなシートクッションをフロアに対してリンク連結して支持するリンク以外にも、シートクッションをフロアに対して固定位置で支持するレッグ(回転しない部材)であったり、シートクッションのフレームから下方側に張り出して延びる立板状のロアフレームであったりしてもよい。また、棒部材は、角パイプや中実棒等の丸パイプ以外の部材から成るものであってもよい。また、棒部材は、支持部材のどの部位に差し込まれて結合されるものであってもよい。
また、棒部材と支持部材とは、互いの嵌合形状が四角形等の円形以外の形状となっている場合には、これらの間に跨るようにピン部材を差し込まなくても、これらを互いに回り止めした状態に嵌合することができるため、ピン部材を、単に棒部材の軸方向の外れ止めをするためだけに機能させるものとしてもよい。また、ピン部材は、1本又は3本以上であってもよく、角棒や板材等の丸棒以外の部材からなるものであってもよい。また、ピン部材は、支持部材と棒部材とに跨って棒部材の差込方向とは垂直な方向に差し込まれるようになっていればよく、必ずしもこれらに貫通して差し込まれるものでなくてもよい。また、ピン部材を支持部材と棒部材とに跨って棒部材の差込方向とは垂直な方向に差し込んで留める構造は、上記各実施例で示した構造の他、ピン部材を支持部材と棒部材とに跨って圧入することによってピン部材を変形させるか、或いは支持部材や棒部材を変形させるかして、ピン部材を差し込んだ状態に留める構造であってもよい。
また、支持部材に設けられる筒状部は、角筒等の円筒以外の筒形状から成るものであってもよい。また、筒状部は、支持部材とは別体の部材を支持部材に一体的に結合して設けたものであってもよい。また、筒状部は、支持部材に貫通した孔を形成する形で設けられていなくてもよく、支持部材に端部を突き当てる形で有底状に設けられる構成であってもよい。但しこの場合には、棒部材の差し込みは、筒状部の底部までに規制されることとなる。また、支持部材に切り起こし部や板片等の張出し部を設け、支持部材の差込孔内に差し込んだ棒部材の外周部に張出し部をあてがえて、これら張出し部と棒部材とに跨ってピン部材を差し込んでこれらを一体的に結合するようにしてもよい。この際、張出し部を、棒部材の外周部の周方向の複数箇所にあてがえられるようにして、各部にピン部材を差し込んで結合するようにすることにより、棒部材を支持部材に対してより強固に結合することができるようになる。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
4 スライドレール
5 シートリフタ
5A フロントリンク(支持部材)
5Aa 円筒部(筒状部)
5Aa1 差込孔
5Aa2 挿通孔
5B リヤリンク(支持部材)
5Ba 円筒部(筒状部)
5Ba1 差込孔
5Ba2 挿通孔
5C フロントロッド(棒部材)
5Ca 挿通孔
5D リヤロッド(棒部材)
5Da 挿通孔
5E ギヤ機構
6 チルト機構
10 クッションフレーム
11 サイドフレーム
12 フロントパネル
12A チルトパネル
12B 回転軸
D ピン部材
D1 通し孔
2 シートバック
3 シートクッション
4 スライドレール
5 シートリフタ
5A フロントリンク(支持部材)
5Aa 円筒部(筒状部)
5Aa1 差込孔
5Aa2 挿通孔
5B リヤリンク(支持部材)
5Ba 円筒部(筒状部)
5Ba1 差込孔
5Ba2 挿通孔
5C フロントロッド(棒部材)
5Ca 挿通孔
5D リヤロッド(棒部材)
5Da 挿通孔
5E ギヤ機構
6 チルト機構
10 クッションフレーム
11 サイドフレーム
12 フロントパネル
12A チルトパネル
12B 回転軸
D ピン部材
D1 通し孔
Claims (2)
- シートクッションを支える支持部材と、該支持部材に横から差し込まれて一体的に結合される棒部材と、を有する乗物用シートであって、
前記支持部材は、前記棒部材を横から差し込むことのできる差込孔を有し、
前記差込孔に前記棒部材が差し込まれた状態で前記支持部材と前記棒部材とに跨って前記棒部材の差込方向とは垂直な方向にピン部材が差し込まれて留められることにより、前記支持部材と前記棒部材とが前記ピン部材を介して互いに一体的に結合されていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記差込孔が、前記支持部材に一体的に設けられた筒状部の筒内によって形成され、該筒状部内に前記棒部材が差し込まれた状態で前記筒状部と前記棒部材とに跨って前記ピン部材が半径方向に貫通して差し込まれて装着されていることを特徴とする乗物用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013129130A JP2015004388A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 乗物用シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013129130A JP2015004388A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 乗物用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015004388A true JP2015004388A (ja) | 2015-01-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013129130A Pending JP2015004388A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 乗物用シート |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015004388A (ja) |
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