JP2017114985A - 変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法 - Google Patents

変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 グラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を効率的に生産する製造法を提供する。【解決手段】 第1工程として、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化する工程、第2工程として、得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いて、ハロゲン化ポリオレフィンにアクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体をグラフト反応する工程、第3工程として、得られたグラフト反応溶液を乾燥する工程を含むことを特徴とするグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、グラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法に関するものであり、より詳しくは、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化し、得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いてアクリロニトリルとアクリル系化合物をグラフト反応するグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法に関するものである。
ハロゲン化ポリオレフィンは、クロロスルホン化ポリエチレンや塩素化ポリエチレン等の総称であり、優れた耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性及び明色性を有することから、各種ホースやホースのカバー材、電線被覆材、パッキン、ガスケット、ロール及びエスカレーターの手摺等の各種用途に使用されている。また、クロロスルホン化ポリエチレンや塩素化ポリエチレン等は塩素基を含有することから、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム及びエチレン・プロピレン系ゴム等の汎用ゴムと比べて耐油性が良好であり、耐油性が要求されるホースやチューブ等にも多く使用されている。
ハロゲン化ポリオレフィンの耐油性を向上する方法としては、ハロゲン量を増大させることが知られているが、この方法で耐油性を向上した場合、得られるハロゲン化ポリオレフィンのガラス転移温度が高くなり、室温付近での硬さが増大し、ゴム材料としての特性を失ってしまう問題が生じる。そのため、各種ホース用途分野に於いてはハロゲン量増大による耐油性の向上には限界があり、高度な耐油性が要求される用途に対しては好ましい方法とは言えない。
自動車向けの燃料系ホースや、建設機械用の特殊な油圧ホース等の高度な耐油性が要求される用途に於いては、ハロゲン化ポリオレフィン単層での適用は困難であり、燃料等が直接接触する内層部分には、耐油性が特に優れたアクリロニトリル・ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴム、或いはフッ素系材料が使用されており、多層構造とせざるを得ない状況が生じている(例えば特許文献1〜6参照。)。
しかし、昨今の自動車では、エンジンルームの省スペース化やターボ化によってエンジンルーム内の温度が上昇しており、内層材料としてのアクリロニトリル・ブタジエンゴムの耐熱性では限界を超える場合が生じている。このような場合には、アクリロニトリル・ブタジエンゴムより耐熱性に優れた水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴムやアクリルゴム、或いはフッ素系材料が使用されることとなるが、これらの材料はアクリロニトリル・ブタジエンゴムに比べて高価格であり、ホース製品の材料コストを大幅に増大させることとなるため、比較的低価格で、耐油性と耐熱性のバランスに優れたゴム材料が望まれている。
特開平5−193053号公報 特開平7−24961号公報 特開2001−206987号公報 特開2002−103412号公報 特開2007−269862号公報 特開2014−231159号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的はハロゲン化ポリオレフィンの持つ優れた耐熱性を維持したままに、耐油性が大きく改良されたグラフト共重合体及びこれを含有する変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を効率的に生産する製造法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、第1工程として、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化し、ハロゲン化ポリオレフィン溶液を製造する工程、第2工程として、第1工程で得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いて、ハロゲン化ポリオレフィンにアクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体をグラフト反応する工程、第3工程として、第2工程で得られたグラフト反応溶液を乾燥する工程を含むことを特徴とするグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法に関するものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、第1工程として、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化し、ハロゲン化ポリオレフィン溶液を製造する工程、第2工程として、第1工程で得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いて、ハロゲン化ポリオレフィンにアクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体をグラフト反応する工程、第3工程として、第2工程で得られたグラフト反応溶液を乾燥する工程を含むグラフト共重合体及び当該グラフト重合体を含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法である。
ここで、グラフト共重合体は、ハロゲン化ポリオレフィンにアクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体の共重合体(以下、アクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体という)が結合したものであり、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物は、上記グラフト重合体及びハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体を含有する。
本発明の第1工程は、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化し、ハロゲン化ポリオレフィン溶液を製造する工程である。
ハロゲン化ポリオレフィンとしては、原料であるポリオレフィンを塩素化、または塩素化及びクロロスルホン化して得られるハロゲン化ポリオレフィンが例示できる。また、必要に応じて臭素やフッ素を含有したハロゲン化ポリオレフィンも使用可能である。原料であるポリオレフィンには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、フッ素含有ポリエチレン等が挙げられる。これらを単独または併用して用いることができるが、良好な物理特性と耐油性を両立させるためには、高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましい。
原料であるポリオレフィンをハロゲン化する溶液反応を行う際、溶剤としてはポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、第2工程のグラフト反応で用いるアクリロニトリル、アクリル系化合物等の不飽和単量体、及びグラフト反応によって得られる変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物が溶解する溶剤であれば特に制限はなく、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤や、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フロロベンゼン、ジクロロジフロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロフロロエタン等の塩素系有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種類以上を併用して用いることができるが、塩素化反応に対し不活性な塩素系有機溶剤のみの使用が好ましい。
ポリオレフィンのハロゲン化を行う反応工程はラジカル発生剤を触媒として、塩素、または塩素と亜硫酸ガス、塩素と塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、塩素と亜硫酸ガスと塩化スルフリルを、溶剤に溶解または懸濁したポリオレフィンと反応させる。また、臭素化のために塩素の一部又は全部を臭素に変更することも可能である。クロロスルホン化反応を行う場合には必要に応じて助触媒としてピリジン、キノリン等のアミノ化合物が添加させる。反応温度は塩素化反応、または塩素化反応及びクロロスルホン化反応が進行する範囲であれば特に限定するものではなく、例えば40〜150℃であり、適度な塩素化反応、または塩素化反応及びクロロスルホン化反応が進行するためには好ましくは60〜130℃の範囲である。反応圧力は塩素化反応、または塩素化反応及びクロロスルホン化反応が進行する範囲であれば特に限定するものではなく、例えば、0〜1.0MPaであり、適度な塩素化反応、または塩素化反応及びクロロスルホン化反応が進行するためには好ましくは0〜0.7MPaである。
ポリオレフィンをハロゲン化する溶液反応を行う際に使用するラジカル発生剤は、ハロゲン化反応が進行するものであれば特に限定するものではなく、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。アゾ系化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化t−ブチル、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。取り扱い上安定性が高いため、好ましくはアゾ系化合物であり、適度な塩素化反応、またはハロゲン反応が進行するためには、特に好ましくはα,α’−アゾビスイソブチロニトリルである。
ハロゲン化を行う反応工程における、塩素、または塩素と亜硫酸ガス、塩素と塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、塩素と亜硫酸ガスと塩化スルフリルとラジカル発生剤を添加する際の添加方法は、ハロゲン化反応が進行すれば特に限定されないが、明色性のためにはラジカル発生剤を加える前に、塩素、または塩素と亜硫酸ガス、塩素と塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、塩素と亜硫酸ガスと塩化スルフリル等を先に添加するのが好ましい。反応工程終了時にはラジカル発生剤の添加停止後、塩素、または塩素と亜硫酸ガス、塩素と塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、塩素と亜硫酸ガスと塩化スルフリル等の添加を停止するのが好ましく、これらの添加方法は単独または併用しても良い。
ハロゲン化を行う反応工程の後、反応溶液中には、ハロゲン化反応によって副生する塩化水素や亜硫酸ガスが溶存している。第2工程のグラフト反応を安定的に行うためには、窒素等の不活性ガスを吹き込むことによって、溶存する塩化水素や亜硫酸ガスを低減することが望ましい。
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造に用いられるハロゲン化ポリオレフィンの塩素量は特に制限はないが、耐油性や機械特性を考慮し、15.0〜45.0重量%の範囲が好ましく、更に低温性を考慮した場合、20.0重量%〜40.0重量%の範囲であることが好ましい。ハロゲン化ポリオレフィンが、ポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化によって得られるクロロスルホン化ポリエチレンである場合の硫黄量は特に制限はないが、0.1〜3.0重量%の範囲が好ましい。
本発明の第2工程は、第1工程で得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いてアクリロニトリルとアクリル系化合物を用いてグラフト反応する工程である。グラフト反応は、アクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体を添加して、ラジカル開始剤によりグラフト重合し、所定の重合転化率に達したところで、必要により酸化防止剤を添加する。
本発明の特徴は、ハロゲン化ポリオレフィンをアクリロニトリルとアクリル系化合物を用いてグラフト反応する第2工程に於いて、固形のハロゲン化ポリオレフィンを溶解してグラフト反応するのではなく、第1工程で得られたハロゲン化ポリオレフィンの反応溶液をそのままグラフト反応に用いることである。ハロゲン化ポリオレフィンの反応溶液を用いることにより、第2工程の所要時間が大幅に短縮することができ、生産性に優れた製造方法となる。
ハロゲン化ポリオレフィンに共グラフトするアクリル系化合物は、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を含有する化合物であれば制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等のアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸系化合物、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸化合物等を例示することができ、これらは単独あるいは2種類以上併用しても良いが、良好な物理特性及び耐油性を維持するためには、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸n−ブチルをそれぞれ単独あるいは併用することが望ましい。
また、アクリロニトリル、アクリル系化合物以外に、変性ハロゲン化ポリオレフィンとしての特性を損なわない範囲で、その他の単量体をグラフト重合していても良い。例えばメチルビニルケトン等のアルキルビニルケトン化合物、ビニルエチルエーテル等のアルキルビニルエーテル化合物、アリルメチルエーテル等のアリルエーテル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物、メタクリロニトリル等のビニルニトリル化合物、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、アクリルアミド、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等を例示することができる。これらの上記単量体としては、グラフト重合に用いる総不飽和単量体中の20重量%以下の割合で加えることが好ましい。
ラジカル開始剤としては、パーオキサイド類やアゾ化合物等を用いることができる。パーオキサイド類としては、メチル―エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)吉草酸等のパーオキシケタール類、p−メンタン−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン−ハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル−ハイドロパーオキサイド、クメン−ハイドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−クミル−パーオキサイド、ジ−t−ヘキシル−パーオキサイド、ジ−t−ブチル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、ジイソブチリル−パーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイル−パーオキサイド、ジコハク酸−パーオキサイド、ジベンゾイル−パーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド等のジアジルパーオキサイド類、ジ−n−プロピル−パーオキシジカーボネート、ジイソプロピル−パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル−パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、クミル−パーオキシネオデカン酸、1,1,3,3−テトラメチルブチル−パーオキシネオデカン酸、t−ヘキシル−パーオキシネオデカン酸、t−ブチル−パーオキシネオデカン酸、t−ブチル−パーオキシネオヘプタン酸、t−ヘキシル−パーオキシピバル酸、t−ブチル−パーオキシピバル酸、1,1,3,3−テトラメチルブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサン酸、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシル−パーオキシ−2−エチルヘキサン酸、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサン酸、t−ヘキシル−パーオキシ−イソプロピル−モノカーボネート、t−ブチル−パーオキシ−マレイン酸、t−ブチル−パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサン酸、t−ブチル−パーオキシラウリン酸、t−ブチルーパーオキシイソプロピルーモノカーボネート、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキシル−モノカーボネート、t−ヘキシル−パーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチル−パーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類が挙げられる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス{2−メチル−n−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[n−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート等が挙げられる。これらのラジカル開始剤は、単独または併用して用いることができ、場合によっては、硫酸第一鉄等の第一鉄塩、ハイドロサルファイトナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、アニリン、n−ブチルアルデヒドアミン、三級アミン等の還元剤を添加してグラフト重合を行うこともできる。
上述の不飽和単量体及びラジカル開始剤の添加方法としては特に制限はなく、共グラフト反応の初期段階に一括で添加する方法、一部の不飽和単量体及び/またはラジカル開始剤を共グラフト反応の初期段階で添加し、残りの不飽和単量体及び/またはラジカル開始剤を連続注入する方法、すべての不飽和単量体及び/またはラジカル開始剤を連続注入する方法が挙げられる。
また、共重合体の分子量を調整するため、及び分子間架橋を抑制するため、共グラフト反応時に分子量調節剤を添加しても良い。分子量調節剤としては、例えば、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルチウラムジスルフィド、2,2’−ジチオプロピオン酸、3,3’−ジチオプロピオン酸、4,4’−ジチオジブラン酸、2,2’−ジチオビス安息香酸などのジスルフィド類、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸、チオマレイン酸無水物、ジチオマレイン酸、チオグルタール酸、システイン、ホモシステイン、6−メルカプトテトラゾール酢酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸等のメルカプタン類、ジフェニルエチレン、p−クロロジフェニルエチレン、p−シアノジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマー、ベンジルジチオベンゾエート、有機テルル化合物、硫黄等が挙げられ、これらを単独または併用して用いることができる。
酸化防止剤としては特に限定するものではなく、ポリマーの酸化防止剤として一般に利用されているもので、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−ビス〔{[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]オキシ}メチル]プロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス[3−(t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリン)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−オルト−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス〔2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニオキシ]−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン等のフェノール系酸化防止剤、2,2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール、4,4’−ビス−(2,2−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ビス(1,2,2,5,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオナート等のアミン系酸化防止剤、ジラウリルー3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルー3,3’−ジチオプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等の硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等の安定ラジカル系酸化防止剤等が挙げられる。
共グラフト反応の反応温度及び反応圧力は特に限定するものではないが、反応温度は50〜150℃、反応圧力は0〜1.0MPaの範囲が好ましい。
本発明の特徴は、アクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体を共グラフト反応によりハロゲン化ポリオレフィンに導入させることで、物理特性と耐油性に優れるグラフト重合体および変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を効率的に得ることができる点である。
本発明の変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物には、アクリロニトリルとアクリル系化合物に由来するものとして、グラフト共重合体中のハロゲン化ポリオレフィンと結合したアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体及びハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体が存在する。グラフト共重合体中のアクリロニトリル及びアクリル系化合物の共重合体と、ハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリル及びアクリル系化合物の共重合体の重量比率(グラフト選択率)については特に制限はないが、得られる変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の力学物性と耐油性を両立させるためには、その重量比率が3/97〜70/30の範囲であることが好ましい。
本発明の変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物中の、ハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体及びグラフト共重合体中のアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体の合計の含有率は、ハロゲン化ポリオレフィン組成物としての特性を維持しつつ、優れた物理特性と耐油性を両立させるためには20重量%から75重量%の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、40重量%から65重量%の範囲である。残りの成分は、グラフト共重合体中のハロゲン化ポリオレフィンに由来する成分である。
本発明の変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物中のハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリル及びアクリル系化合物の共重合体及びグラフト共重合体中のアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体に含まれる、アクリロニトリルとアクリル系化合物由来の成分の重合比率は10/90〜70/30の範囲であることが好ましい。当該の共重合体中におけるアクリロニトリルの重量比率が10%以上の場合、得られる変性ハロゲン化ポリオレフィン加硫物の引張強さが維持される。一方、アクリロニトリルの重量比率が70%以下の場合、得られる変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の粘度が上昇せず、成形加工性が良好である。好ましくは15/85〜60/40の範囲である。
本発明の第3工程は、第2工程で得られたグラフト反応溶液を乾燥し、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を単離する工程である。
第2工程の共グラフト反応終了後、メタノール等の不溶性溶剤による析出、ドラムドライヤー、ベント付押出し機等を用いた濃縮、乾燥により、目的とするグラフト重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物が得られる。
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造コスト低減するために、第3工程の乾燥により蒸発した、溶剤及び未反応の不飽和単量体を回収、精製した後、再利用することが好ましい。
本発明によって得られるグラフト共重合体及び変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物は、特に耐油性が必要とされる各種ホースや各種シール材、パッキン等に用いることができる。
これらの用途は、本発明のグラフト共重合体及び変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の加硫物として使用される。変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の加硫物を得る方法としては、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物と各種配合剤をロール又はバンバリーミキサー等で配合又は混練した後、プレス加硫、蒸気加硫、高周波(UHF)加硫あるいは電子線加硫等が行われる。各種配合剤としては加硫剤、加硫促進剤、受酸剤、可塑剤、補強剤、充填剤、加工助剤、老化防止剤等が挙げられ、必要に応じて用いられる。
本発明のグラフト共重合体及び変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法は、効率的であり、得られるグラフト共重合体及び変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の生産コストを低減するために有効な製造方法である。また、本発明によって得られるグラフト共重合体及び変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物は、良好な難燃性、物理特性と耐油性を両立しており、特に耐油性が必要とされる各種ホースや各種シール材、パッキン等に用いることができる。
以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに制限されるものではない。
尚、以下の実施例等で用いた値は、以下の測定法で行ったものである。
<不飽和単量体の転化率>
不飽和単量体の転化率は、反応終了後の溶液を少量採取し、未反応の不飽和単量体量をガスクロマトグラフィー(GC−2025、島津製作所製)を用いて測定することにより求めた。
<共重合体の含有率>
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物中に於ける、ハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリル及びアクリル系化合物の共重合体及びグラフト共重合体中のアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体の合計の含有率は、原料であるハロゲン化ポリオレフィン重量と、不飽和単量体(アクリロニトリル及びアクリル系化合物)の仕込み量と各不飽和単量体の転化率から求めた反応した不飽和単量体重量から算出した。
含有率={反応した不飽和単量体重量/(ハロゲン化ポリオレフィン重量+反応した不飽和単量体重量)}×100
<共重合体中のアクリロニトリルとアクリル系化合物の重量比率>
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物中に於ける、ハロゲン化ポリオレフィンと結合していないアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体及びグラフト共重合体中のアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体に含まれるアクリロニトリルとアクリル系化合物由来の成分の重量比率は、不飽和単量体の重合率より算出した。
アクリロニトリル重量比率
=(反応したアクリロニトリル重量/反応した不飽和単量体重量)×100
アクリル系化合物重量比率
=(反応したアクリル系化合物重量/反応した不飽和単量体重量)×100
<グラフト選択率>
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物中に於けるハロゲン化ポリオレフィンに結合したアクリロニトリル及びアクリル系化合物の共重合体と、ハロゲン化ポリオレフィンに結合していないアクリロニトリルとアクリル系化合物の共重合体の重量比率(グラフト選択率)は、以下の方法によって求めた。
1)得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物をアセトンで抽出し、アセトン抽出物及びアセトン抽出残渣の夫々を乾燥し、精秤する。
アセトン抽出物重量 [A]
アセトン抽出残渣物重量 [B]
3)アセトン抽出物、及びアセトン抽出残渣物中の塩素含有率を測定する。
原料ハロゲン化ポリオレフィンの塩素含有率 [C]
アセトン抽出物の塩素含有率 [D]
アセトン抽出残渣物の塩素含有率 [E]
アセトン抽出物中の共重合体含有率[F]=([C]−[D])×100/[C]
アセトン抽出残渣物中の共重合体含有率[G]=([C]−[E])×100/[C]
グラフト選択率=([B]×[G])×100/([A]×[F]+[B]×[G])
<塩素含有率の測定>
塩素含有率の測定は、最初に、吸収液として1.7重量%硫酸ヒドラジニウム水溶液15.0mlを入れた燃焼フラスコ内で、原料ハロゲン化ポリオレフィンまたは変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアセトン抽出物またはアセトン抽出残渣物30.0mgを酸素燃焼法に従い燃焼させ、30分静置した。次に、この吸収液を純水100.0mlで洗い出し、濃度0.05Nの硝酸銀水溶液で電位差滴定法により塩素イオンを定量することにより求めた。
<硫黄含有率の測定>
硫黄含有率の測定は、最初に、吸収液として3.0重量%の過酸化水素水10.0mlを入れた燃焼フラスコ内で、原料ハロゲン化ポリオレフィンまたは変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアセトン抽出物またはアセトン抽出残渣物30.0mgを酸素燃焼法に従い燃焼させ、30分静置した。次に、この吸収液を純水約40.0mlで洗い出した後、酢酸1ml、2−プロピルアルコール100.0ml、アルセナゾIII0.47mlを加えた。これを濃度0.01Nの酢酸バリウム溶液で光度滴定法により硫酸イオンを定量することにより求めた。
<物理的特性評価>
変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を表1に記載した所定の配合処方にてJIS−K−6299(2012年度版)に従い混練を行い、得られたサンプルを厚み2mmの金型にて加硫を行った。その後、引張強さ(TB)、破断時伸び(EB)、100%引張応力(M100)はJIS−K−6251(2012年度版)に従い、引張速度500mm/分、23℃の条件にて評価した。
Figure 2017114985
<耐油性評価>
得られた加硫物をJIS−K−6258(2012年度版)に従い、試験用潤滑油のNo.3油を用い、100℃で72時間浸漬した後の体積変化率を測定することにより評価した。
実施例1
40リットルのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを21.6kg、密度が960kg/cm、メルトフローレート(MFR)が5.0g/10分の高密度ポリエチレン3kgを添加した後、反応器のジャケットに蒸気を通し、110℃でポリエチレンを均一に溶解した。またこの間、反応器に10.0リットル/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器内の空気を除去した。ラジカル発生剤として、5.0gのα,α−アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン1.0リットルに溶解した溶液を4.0ml/分の流量で、6.5kgの塩化スルフリルを25.0ml/分の流量で、各々別の投入口より反応器へ連続的に添加した。反応中は反応器の圧力を0.2MPaに保った。反応終了後、反応系の圧力を常圧まで低下し、その後常圧下で窒素を吹き込み、溶液中に溶存する塩化水素、亜硫酸ガスを系外に排出することによって、クロロスルホン化ポリエチレン含有率が20.7重量%のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を得た。
得られたクロロスルホン化ポリエチレン溶液の一部を採取し、乾燥することによってクロロスルホン化ポリエチレンを単離し、塩素及び硫黄含量を測定した結果、35.3重量%の塩素と、0.22重量%の硫黄を含有していた。
次に、得られたクロロスルホン化ポリエチレン溶液を用いて、共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン溶液725g、1,1,2−トリクロロエタン1.43kgを仕込み、内部を窒素で置換し、内温を65℃に調整した。内温を室温から65℃に昇温するまでの所要時間は1時間であった。次に、アクリロニトリル59.7g、アクリル酸n−ブチル48.1gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7gを溶解した溶液を5時間かけて滴下してグラフト反応を行い、その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから、反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸n−ブチル共重合体含有率は24.4重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸n−ブチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸n−ブチル比率は55/45であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2017114985
Figure 2017114985
実施例2
不飽和単量体の仕込量を、アクリロニトリル103.9g、アクリル酸エチル196.1gに変更した以外は実施例1と同様にして変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから、反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸エチル共重合体含有率は51.0重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸エチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸エチル比率は34/66であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
実施例3
不飽和単量体を、アクリロニトリル86.9g、アクリル酸2−メトキシエチル213.1gに変更した以外は実施例1と同様にして変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから、反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体含有率は52.4重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は31/69であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
実施例4
40リットルのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを21.6kg、密度が960kg/cm、メルトフローレート(MFR)が5.0g/10分の高密度ポリエチレン3kgを添加した後、反応器のジャケットに蒸気を通し、110℃でポリエチレンを均一に溶解した。またこの間、反応器に10.0リットル/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器内の空気を除去した。反応開始の前にピリジン0.1gを添加し、ラジカル発生剤として、5.0gのα,α−アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン1.0リットルに溶解した溶液を4.0ml/分の流量で、6.5kgの塩化スルフリルを25.0ml/分の流量で、各々別の投入口より反応器へ連続的に添加した。反応中は反応器の圧力を0.2MPaに保った。反応終了後、反応系の圧力を常圧まで低下し、その後常圧下で窒素を吹き込み、溶液中に溶存する塩化水素、亜硫酸ガスを系外に排出することによって、クロロスルホン化ポリエチレン含有率が20.3重量%のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を得た。
得られたクロロスルホン化ポリエチレン溶液の一部を採取し、乾燥することによってクロロスルホン化ポリエチレンを単離し、塩素及び硫黄含量を測定した結果、35.6重量%の塩素と、1.02重量%の硫黄を含有していた。
次に、得られたクロロスルホン化ポリエチレン溶液を用いて、共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン溶液739g、1,1,2−トリクロロエタン1.41kgを仕込み、内部を窒素で置換し、内温を65℃に調整した。内温を室温から65℃に昇温するまでの所要時間は1時間であった。次に、アクリロニトリル86.9g、アクリル酸2−メトキシエチル213.1g、メタクリル酸グリシジル11.0gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7gを溶解した溶液を5時間かけて滴下してグラフト反応を行い、その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから、反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体含有率は52.5重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は32/68であった。処方2の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
実施例5
ハロゲン化ポリオレフィンとして、実施例4記載のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を用いて、共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン739g、1,1,2−トリクロロエタン1.41kgを仕込み、内部を窒素で置換し、内温を65℃に調整した後、アクリロニトリル86.9g、アクリル酸2−メトキシエチル213.1g、メタクリル酸グリシジル11.0g、還元剤(大内新興化学工業(株)製 ノクセラー8;n−ブチルアルデヒドアミン)2.0gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解した溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーブチルO;t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート)7.0g溶液を5時間かけて滴下して反応を実施した。その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから、反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体含有率は50.7重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は43/57であった。処方2の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
比較例1
ハロゲン化ポリオレフィンとして、実施例1記載のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を、160℃に加熱したドラムドライヤーを用いて、クロロスルホン化ポリエチレンを得た。このクロロスルホン化ポリエチレンを用いて共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン150g、1,1,2−トリクロロエタン2.0kgを仕込み、内部を窒素で置換し、110℃に加熱してクロロスルホン化ポリエチレンを溶解した。昇温開始からクロロスルホン化ポリエチレンが完全に溶解するまでの所要時間は4時間であった。次に1時間で内温を65℃まで冷却した後、アクリロニトリル59.7g、アクリル酸n−ブチル48.1gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解した溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7g溶液を5時間かけて滴下して反応を実施した。その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)のクロロスルホン化ポリエチレンを溶解するための昇温開始から反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は11.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸n−ブチル共重合体含有率は27.4重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸n−ブチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸n−ブチル比率は54/46であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
比較例2
不飽和単量体の仕込量を、アクリロニトリル103.9g、アクリル酸エチル196.1gに変更した以外は比較例1と同様にして変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。尚、グラフト反応(第2工程)のクロロスルホン化ポリエチレンを溶解するための昇温開始から反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は11.5時間であった。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸エチル共重合体含有率は54.0重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸エチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸エチル比率は33/67であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表2に示す。
比較例3
不飽和単量体を、アクリロニトリル86.9g、アクリル酸2−メトキシエチル213.1gに変更した以外は比較例1と同様にして変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。尚、グラフト反応(第2工程)のクロロスルホン化ポリエチレンを溶解するための昇温開始から反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は11.5時間であった。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体含有率は55.4重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は30/70であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表3に示す。
比較例4
ハロゲン化ポリオレフィンとして、実施例4記載のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を、160℃に加熱したドラムドライヤーを用いて、クロロスルホン化ポリエチレンを得た。このクロロスルホン化ポリエチレンを用いて共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン溶液739g、1,1,2−トリクロロエタン1.41kgを仕込み、内部を窒素で置換し、110℃に加熱してクロロスルホン化ポリエチレンを溶解した。昇温開始からクロロスルホン化ポリエチレンが完全に溶解するまでの所要時間は4時間であった。次に1時間で内温を65℃まで冷却した後、アクリロニトリル86.9g、アクリル酸2−メトキシエチル213.1g、メタクリル酸グリシジル11.0gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7gを溶解した溶液を5時間かけて滴下してグラフト反応を行い、その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)のクロロスルホン化ポリエチレンを溶解するための昇温開始から反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は11.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体含有率は55.8重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は34/66であった。処方2の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表3に示す。
比較例5
ハロゲン化ポリオレフィンとして、比較例4記載のクロロスルホン化ポリエチレンを用いて、共グラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン739g、1,1,2−トリクロロエタン1.41kgを仕込み、内部を窒素で置換し、110℃に加熱してクロロスルホン化ポリエチレンを溶解した。昇温開始からクロロスルホン化ポリエチレンが完全に溶解するまでの所要時間は4時間であった。次に1時間で内温を65℃まで冷却した後、アクリロニトリル100.0g、アクリル酸2−メトキシエチル268.4g、メタクリル酸グリシジル11.0g、還元剤(大内新興化学工業(株)製 ノクセラー8;n−ブチルアルデヒドアミン)2.0gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解した溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーブチルO;t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート)7.0g溶液を5時間かけて滴下して反応を実施した。その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)のクロロスルホン化ポリエチレンを溶解するための昇温開始から反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は11.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体含有率は59.6重量%であり、アクリロニトリル−アクリル酸2−メトキシエチル−メタクリル酸グリシジル共重合体のアクリロニトリル/アクリル酸2−メトキシエチル比率は31/69であった。処方2の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表3に示す。
比較例6
ハロゲン化ポリオレフィン溶液として、実施例1記載のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を用いてグラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン溶液1207g、1,1,2−トリクロロエタン1.54kgを仕込み、内部を窒素で置換し、内温を65℃に調整した。内温を室温から65℃に昇温するまでの所要時間は1時間であった。次に、アクリロニトリル66.3gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7gを溶解した溶液を5時間かけて滴下してグラフト反応を行い、その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル重合体含有率は9.7重量%であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表3に示す。
比較例7
ハロゲン化ポリオレフィン溶液として、実施例1記載のクロロスルホン化ポリエチレン溶液を用いてグラフト反応を実施した。
窒素雰囲気下4リットルのガラスフラスコにクロロスルホン化ポリエチレン溶液483g、1,1,2−トリクロロエタン1.62kgを仕込み、内部を窒素で置換し、内温を65℃に調整した。内温を室温から65℃に昇温するまでの所要時間は1時間であった。次に、アクリロニトリル106.1gを添加し、1,1,2−トリクロロエタン144gに溶解したラジカル開始剤(日油(株)製 パーロイルOPP;ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート)3.7gを溶解した溶液を5時間かけて滴下してグラフト反応を行い、その後、1時間撹拌を継続した。その後、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−t−ブチルフェノール−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(ビーエーエスエフ(BASF)社製イルガノックス1010)を0.1g添加した。尚、グラフト反応(第2工程)に於いて、ガラスフラスコに所定量のクロロスルホン化ポリエチレン溶液と1,1,2−トリクロロエタンを仕込んだ後、昇温を開始してから反応終了時に酸化防止剤を添加するまでの所要時間は6.5時間であった。
得られた反応溶液をドラム乾燥機にて乾燥することにより、変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物を得た。ドラム乾燥機による乾燥にて回収された1,1,2−トリクロロエタン及び不飽和単量体は、蒸留により分離、精製した。
得られた変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物のアクリロニトリル重合体含有率は31.3重量%であった。処方1の配合処方にて物性評価を実施した。評価結果を表3に示す。

Claims (3)

  1. 第1工程として、ポリオレフィンを溶液反応にてハロゲン化し、ハロゲン化ポリオレフィン溶液を製造する工程、第2工程として、第1工程で得られたハロゲン化ポリオレフィン溶液を用いて、ハロゲン化ポリオレフィンにアクリロニトリル及びアクリル系化合物を含有する不飽和単量体をグラフト反応する工程、第3工程として、第2工程で得られたグラフト反応溶液を乾燥する工程を含むことを特徴とするグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法。
  2. 第1工程及び第2工程に於いて、溶剤として1,1,2−トリクロロエタンを用いることを特徴とする請求項1記載のグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法。
  3. 第3工程に於いて乾燥によって蒸発した、溶剤及び未反応の不飽和単量体を回収精製し、第1工程及び第2工程で再利用することを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフト共重合体及びこれを含む変性ハロゲン化ポリオレフィン組成物の製造方法。
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