JP3971593B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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    • C08G75/04Polythioethers from mercapto compounds or metallic derivatives thereof
    • C08G75/045Polythioethers from mercapto compounds or metallic derivatives thereof from mercapto compounds and unsaturated compounds

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性組成物に関する。より詳しくは、メルカプト基を有するアクリル酸エステルを主成分とする重合体を含有し、ジスルフィド結合形成反応により硬化可能な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メルカプト基を有する重合体を必須成分とし、ジスルフィド結合形成反応により硬化可能な硬化性組成物としては、チオコール(東レチオコール株式会社製)などのポリサルファイドポリマー、パーマポール(株式会社日本触媒製)などの変性ポリサルファイドポリマー、特開2001−106726号公報に記載されている、末端にメルカプト基を有するポリイソブチレン系ポリマーなどを必須成分とする組成物が知られている。これらの組成物は、シーリング材、耐油性コーティング材、ライニング材、ホース材、印刷ロール、コールドキャスティング材、ポッティング材、塗料や接着剤の変性剤、柔軟性付与剤などの用途に使用されている。
【0003】
しかし、ポリサルファイドポリマーは硬化物表面の仕上材や塗料を変色させたり、軟化させたりする場合があり、特に弾性シーリング材として使用する場合に問題となっている。上記特開2001−106726号公報に記載のポリイソブチレン系ポリマーを利用した組成物においては、硬化物の耐熱性、耐油性、耐候性などに劣るという欠点もある。上記変性ポリサルファイドポリマーは、深部硬化に時間がかかるという問題がある。また、ポリサルファイドポリマーや変性ポリサルファイドポリマーは、分子量を精密に制御したり、分子量分布を低く抑えることが困難であり、硬化物のモジュラスや伸びなど、重合体の分子量や分子量分布が影響する物性を精密に制御することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされ、その目的は、分子量および分子量分布が制御された重合体成分を有し、得られる硬化物の物性を容易に調整することが可能であり、硬化物表面の仕上材や塗料を変色させたり軟化させたりすることがほとんどなく、かつ深部硬化速度の大きい硬化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために検討を重ね、以下の硬化性組成物を発明した。
【0006】
本発明の硬化性組成物は、(A)アクリル酸エステル50重量%以上および該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体50重量%未満を含む、アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下に重合させて得られるチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)に由来し、分子末端に1つ以上のメルカプト基を有する重合体;(B)1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物;および(C)酸化剤を含有する。
【0007】
好適な実施態様においては、上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)は、アクリル酸エステル80重量%以上と、該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体20重量%未満とでなる。
【0008】
好適な実施態様においては、上記(A)のメルカプト基を有する重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた数平均分子量は2000〜100000の範囲にある重合体である。
【0009】
好適な実施態様においては、上記(A)のメルカプト基を有する重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた分子量分布は1.8以下である。
【0010】
好適な実施態様においては、上記(A)のメルカプト基を有する重合体は、分子両末端にメルカプト基を有するテレケリック重合体を50重量%以上の割合で含有する。
【0011】
好適な実施態様においては、上記チオカルボニルチオ基を有する化合物は、以下の一般式(1)および(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である:
【0012】
【化4】
Figure 0003971593
【0013】
(式中、Rは炭素数1以上のp価の有機基であり、該p価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zが複数個存在する場合には、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよく;そしてpは1以上の整数である);および
【0014】
【化5】
Figure 0003971593
【0015】
(式中、Rは炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは硫黄原子(q=2の場合)、酸素原子(q=2の場合)、窒素原子(q=3の場合)、または炭素数1以上のq価の有機基であり、該q価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;2以上のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよく;そしてqは2以上の整数である)。
【0016】
好適な実施態様においては、上記チオカルボニルチオ基を有する化合物は、以下の一般式(3)で示される化合物である:
【0017】
【化6】
Figure 0003971593
【0018】
(式中、Rは炭素数1以上の2価の有機基であり、該2価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく、2個のZは互いに同一でもよく、異なっていてもよい)。
【0019】
好適な実施態様においては、上記アクリル酸エステルは、炭素数1〜10のアルコールのアクリル酸エステルである。
【0020】
好適な実施態様においては、上記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体は、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、およびクロロプレンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0021】
好適な実施態様においては、上記(B)の1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物は、1分子中にメルカプト基を3つ以上有する化合物である。
【0022】
好適な実施態様においては、上記(C)の酸化剤は、二酸化鉛、過酸化亜鉛、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、二酸化マンガン、および重クロム酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0023】
好適な実施態様においては、本発明の硬化性組成物は、さらに硬化促進剤、可塑剤、充填剤、硬化速度調整剤、たれ防止剤、接着付与剤、着色剤、紫外線吸収剤、および酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物は、(A)分子末端に1つ以上のメルカプト基を有する重合体、(B)1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物、および(C)酸化剤を含有する。上記(A)の分子末端に1つ以上のメルカプト基を有する重合体(以下、メルカプト基を有する重合体(A)あるいは単に重合体(A)という場合がある)は、アクリル酸エステル50重量%以上および該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体50重量%未満を含む、アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下に重合させて得られるチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)に由来する。具体的には、メルカプト基を有する重合体(A)は、(I)上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)をチオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下に重合させて、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)を得る工程;および(II)該チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)のチオカルボニルチオ基をメルカプト基に変換する工程により得られる。
【0025】
以下、本発明の組成物について順次説明するが、本発明は以下の説明に限定されない。
【0026】
〔アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1) 〕
上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)は、上記のように、アクリル酸エステルおよび必要に応じて該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体を含む。これらのうち、アクリル酸エステルとしては、例えば次の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、2−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、2−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸3−ジメチルアミノエチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ラウリル、アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、アクリル酸カルビトール、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アクリル酸テトラエチレングリコール、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、アクリル酸1,9−ノナンジオール、アクリル酸1,4−ブタンジオール、2−プロペノイックアシッド〔2−〔1,1−ジメチル−2−〔(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチル〕−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル〕メチルエステル、アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジェンフタレート、3−メトキシアクリル酸メチル、アクリル酸アリルなど。上記アクリル酸エステルのうち、分子量分布の狭い重合体が得られる点で、不飽和結合を1分子中に1つ有するアクリル酸エステルが好ましく、入手性、および価格の点で、炭素数1〜10のアルコールのアクリル酸エステルがより好ましい。例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸2‐メトキシエチルが特に好適に用いられる。上記アクリル酸エステルは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
上記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、例えば、次の単量体が挙げられるが、それらに限定されない:メタクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、アリルエステル化合物、不飽和基含有エーテル化合物、マレイミド化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクロレイン、メタクロレイン、環化重合可能な単量体、N−ビニル化合物など。これらアクリル酸エステルと共重合可能な単量体は単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
上記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、メタクリル酸エステルとしては、例えば、次の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸3−メトキシブチル、メタクリル酸2−アミノエチル、2−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸ペンタフルオロエチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルなど。
【0029】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、芳香族アルケニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0030】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0031】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0032】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、ハロゲン含有不飽和化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0033】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、ケイ素含有不飽和化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリフェニルシラン、ビニルトリエチルシラン、α,ω−ジビニルポリ(ジメチルシロキサン)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0034】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、不飽和ジカルボン酸化合物としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0035】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、ジビニルカーボネート、ビニルエチルカーボネート、ビニルフェニルカーボネートなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0036】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、アリルエステル化合物としては、例えば、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、ピバリン酸アリル、安息香酸アリル、ケイ皮酸アリル、ジアリルカーボネート、アリルメチルカーボネート、アリルフェニルカーボネートなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0037】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、不飽和基含有エーテル化合物としては、例えば、次の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:ビニルフェニルエーテル、ビニルエチルエーテル、ジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル、アリルエチルエーテル、ジアリルエーテル、ビニルアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,4−ブタンジオールモノアリルエーテル、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテルなど。
【0038】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、マレイミド化合物としては、例えば、次の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなど。
【0039】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、環化重合可能な単量体としては、例えば、1,6−ヘプタジエン、ジアリルジエチルアンモニウムクロライドのようなジアリルアンモニウム塩などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0040】
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、N−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0041】
上記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、入手性および価格の点で、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、およびクロロプレンからなる群より選択される化合物が好ましく、アクリル酸エステルとの共重合が容易である点でメタクリル酸エステル、スチレン、およびアクリロニトリルからなる群より選択される化合物がより好ましく、メタクリル酸メチル、スチレン、およびアクリロニトリルからなる群より選択される化合物がさらに好ましい。
【0042】
上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)に、アクリル酸エステルが80重量%以上、そして、上記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体が20重量%以下の割合で含まれることが、最終的に得られる硬化物のモジュラス、伸びおよび柔軟性のバランスが良好である点で好ましい。アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)がアクリル酸エステルのみで構成されていてもよい。
【0043】
〔チオカルボニルチオ基を有する化合物〕
上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下で重合させることにより、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)が得られる。このチオカルボニルチオ基を有する化合物としては以下の一般式(1)で示される化合物(以下、チオカルボニルチオ基を有する化合物(1)あるいは、単に化合物(1)という場合がある)および(2)で示される化合物(以下、チオカルボニルチオ基を有する化合物(2)あるいは、単に化合物(2)という場合がある)からなる群より選択される化合物が使用される:
【0044】
【化7】
Figure 0003971593
【0045】
(式中、Rは炭素数1以上のp価の有機基であり、該p価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zが複数個存在する場合には、それらは互いに同一でもよく、異なっていてもよく;そしてpは1以上の整数である);および
【0046】
【化8】
Figure 0003971593
【0047】
(式中、Rは炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは硫黄原子(q=2の場合)、酸素原子(q=2の場合)、窒素原子(q=3の場合)、または炭素数1以上のq価の有機基であり、該q価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;2以上のRは互いに同一でもよく、異なっていてもよく;そしてqは2以上の整数である)。
【0048】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物(1)において、上述のように、pは1以上の整数であり、入手性の点でpは1〜6の範囲であることが好ましい。p価の有機基Rは、炭素数1以上の有機基であり特に限定されないが、入手性、および重合活性の点で、炭素数4〜20のアルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数7〜30の置換アラルキル基、およびこれら1価の置換基において1つ以上の水素原子を結合手に置き換えた、2価以上の有機置換基であることがさらに好ましい。
【0049】
上記有機基Rの具体例としては、次式:
【0050】
【化9】
Figure 0003971593
【0051】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、Acはアセチル基を示す)、
【0052】
【化10】
Figure 0003971593
【0053】
(式中、nは1以上の整数であり、rは0以上の整数である)、および
【0054】
【化11】
Figure 0003971593
【0055】
で示される基が挙げられるが、これらに限定されない。上記式中、入手性の点でnおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。
【0056】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物(1)において、1価の有機基Zとしては特に限定されないが、入手性、および重合活性の点で、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の置換アルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数6〜30の置換アリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数7〜30の置換アラルキル基、炭素数7〜30のN−アルキル−N−アリールアミノ基、炭素数12〜30のN,N−ジアリールアミノ基、炭素数6〜30のチオアリール基、および炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。上記有機基Zの具体例としては、次式:
【0057】
【化12】
Figure 0003971593
【0058】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)、および次式:
【0059】
【化13】
Figure 0003971593
【0060】
で示される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物(2)において、上述のように、Rは炭素数1以上の1価の有機基であり、特に限定されないが、入手性、および重合活性の点で、炭素数4〜20のアルキル基、炭素数2〜20の置換アルキル基、炭素数7〜30のアラルキル基、および炭素数7〜30の置換アラルキル基であることが好ましい。上記有機基Rの具体例としては、次式:
【0062】
【化14】
Figure 0003971593
【0063】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、Acはアセチル基を示す)、および次式:
【0064】
【化15】
Figure 0003971593
【0065】
(式中、nは1以上の整数であり、rは0以上の整数である)で示される基が挙げられるが、これらに限定されない。上記式中、入手性の点でnおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。
【0066】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物において、qは、上述のように、2以上の整数であり、2〜6の範囲であることが好ましい。q価の有機基Zとしては特に限定されないが、入手性、および重合活性の点で、次式:
【0067】
【化16】
Figure 0003971593
【0068】
(式中、nは1以上の整数であり、rは0以上の整数であり、sは1以上の整数である)で示される構造が好ましく、炭素数6〜20の2価の芳香環構造がより好ましい。上記式中、入手性の点で、nおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。また、入手性の点で、sは1〜30の範囲であることが好ましく、1〜10の範囲であることがより好ましい。
【0069】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物の具体例としては、次式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
【0070】
【化17】
Figure 0003971593
【0071】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)、
【0072】
【化18】
Figure 0003971593
【0073】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を示し、rは0以上の整数である)、
【0074】
【化19】
Figure 0003971593
【0075】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)、
【0076】
【化20】
Figure 0003971593
【0077】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)、
【0078】
【化21】
Figure 0003971593
【0079】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)、
【0080】
【化22】
Figure 0003971593
【0081】
(式中、Rは2価の有機基を示し;Meはメチル基、Phはフェニル基を示し;nは1以上の整数であり、rは0以上の整数である)、および
【0082】
【化23】
Figure 0003971593
【0083】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示し;nは1以上の整数であり、rは0以上の整数である)。
【0084】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物の構造において、入手性の点で、nおよびrは500以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。また、上記チオカルボニルチオ基を有する化合物の構造において、2価の有機基Rとしては特に限定されないが、例えば、次式:
【0085】
【化24】
Figure 0003971593
【0086】
(式中、sは1以上の整数である)で示される構造を挙げることができる。上記式中、入手性の点で、sは1〜30の範囲であることが好ましく、1〜10の範囲であることがより好ましい。
【0087】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物のうち、両末端にメルカプト基を有するテレケリック重合体を容易に合成できる点で、一般式(3)
【0088】
【化25】
Figure 0003971593
【0089】
(式中、Rは炭素数1以上の2価の有機基であり、該2価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく、2個のZは互いに同一でもよく、異なっていてもよい)で示される化合物が好ましい。
【0090】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物において、2価の有機基Rとしては特に限定されないが、入手性、および重合活性の点で炭素数1〜20の2価の脂肪族基、炭素数2〜20の2価の置換脂肪族基、炭素数6〜20の2価の芳香環含有脂肪族基が好ましい。該2価の有機基Rの具体例としては、次式:
【0091】
【化26】
Figure 0003971593
【0092】
で示される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
上記チオカルボニルチオ基を有する化合物(3)において、1価の有機基Zとしては、チオカルボニルチオ基を有する化合物(1)のZと同様の基が挙げられる。
【0094】
〔チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)の調製〕
チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)は、上述の工程(I)、つまりチオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下、上記アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)をラジカル重合させることにより製造される。
【0095】
工程(I)のラジカル重合の方法については特に限定されず、従来公知の方法を適用可能である。例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、微細懸濁重合などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、コストおよび安全性の点で、乳化重合、懸濁重合、および微細懸濁重合のような水系重合が好ましい。重合反応に際しては、重合に用いられる単量体を一括して反応器に仕込んで反応させてもよく、逐次添加して反応させてもよい。
【0096】
本発明において、工程(I)を溶液重合により実施する場合、使用される溶媒としては、例えば次の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルスピリットなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、スワゾール310(コスモ石油株式会社製)、スワゾール1000(コスモ石油株式会社製)、スワゾール1500(コスモ石油株式会社製)などの芳香族石油系溶剤など。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。使用する溶剤の種類および量の決定に際しては、単量体の溶解度、得られる重合体の溶解度、十分な反応速度を達成するために適切な重合開始剤濃度や単量体濃度、チオカルボニルチオ基を有する化合物の溶解度、人体や環境に与える影響、入手性、および価格などを考慮して決定すればよく、特に限定されない。溶解度、入手性、価格の点で、工業的にはトルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、およびアセトンが好ましく、トルエンがより好ましい。
【0097】
本発明において、工程(I)を乳化重合、または微細懸濁重合により製造する場合、使用する乳化剤としては特に限定されず、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが使用可能である。
【0098】
上記乳化剤のうちアニオン性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:ラウリン酸カリウム、ヤシ脂肪酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ジエタノールアミン塩、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、混合脂肪酸ソーダ石けん、半硬化牛脂脂肪酸ソーダ石けん、ヒマシ油カリ石けんなどの脂肪酸石けん;ドデシル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、2−エチルヘキシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム;アルキルリン酸カリウム塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩;ポリカルボン酸型高分子アニオン;アシル(牛脂)メチルタウリン酸ナトリウム;アシル(ヤシ)メチルタウリン酸ナトリウム;ココイルイセチオン酸ナトリウム;α−スルホ脂肪酸エステルナトリウム塩;アミドエーテルスルホン酸ナトリウム;オレイルザルコシン;ラウロイルザルコシンナトリウム;ロジン酸石けんなど。
【0099】
上記乳化剤のうち非イオン性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(例えば、ノニオンNS‐270)などのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエートなどのポリオキシエチレンエステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステルなどのポリグリセリンアルキルエステル;ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド;ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキル(ヤシ)アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)アミン、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)プロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジオレイルアミンなどのアルキルポリエーテルアミン;ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイドなどのアミンオキサイド;エチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシプロピレンジステアレートなどのジステアレート;1,2−ヒドロキシフェニルステアリン酸;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体など。
【0100】
上記乳化剤のうちカチオン性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテート、テトラデシルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩など。
【0101】
上記乳化剤のうち両性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルラウリルベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム;アミドベタイン;イミダゾリン;ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどを挙げることができる。
【0102】
これらの乳化剤は単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。必要に応じて、後述する懸濁重合の分散剤を使用してもよい。乳化剤の使用量は特に限定されないが、乳化状態が良好で重合がスムーズに進行する点で、単量体100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。上記乳化剤のうち、乳化状態の安定性の点で非イオン性界面活性剤が好ましく、HLBが10以上の非イオン性界面活性剤がより好ましく、HLBが15以上の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。ここでHLBとは親水親油バランスを表す指標である。
【0103】
本発明において、工程(I)を懸濁重合により実施する場合、使用する分散剤としては特に限定されず、例えば部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリアルキレンオキサイド、アニオン性界面活性剤と分散助剤の組合せなど当該分野で使用される材料を使用することができる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。また必要に応じて、上記乳化重合の際に用いられる乳化剤を使用してもよい。分散剤の使用量は特に限定されないが、重合がスムーズに進行する点で、単量体100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。
【0104】
本発明において工程(I)のラジカル重合を実施する際、使用する重合開始剤、あるいは重合開始方法については特に限定されず、当該分野で一般に知られている重合開始剤、あるいは重合開始方法を用いることができる。重合開始剤としては、例えば次の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、O−t−ブチル−O−イソプロピルパーオキシカーボネート、コハク酸パーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ポリジメチルシロキサン系高分子アゾ重合開始剤(例えば、VPS−1001(和光純薬工業株式会社製)、VPS−0501(和光純薬工業株式会社製))などのアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物;スチレンなどの熱的にラジカル種を生成するビニル系単量体;ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルフォスフィンオキシド、フォトレドックス系などの光によりラジカル種を発生する化合物;亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄などを還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどを酸化剤とするレドックス型重合開始剤など。これら重合開始剤は単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。この他に、電子線照射、エックス線照射、放射線照射などによる重合開始系を利用することも可能である。このような重合開始方法に関しては、Moad and Solomon“The Chemistry of Free Radical Polymerization”,Pergamon,London,1995,53−95ページに記載されている方法が使用可能である。
【0105】
上記重合開始剤の使用量については特に限定されないが、分子量分布の狭い重合体を得られる点で、重合中に発生するラジカル種の量が、チオカルボニルチオ基1モルに対して1モル以下が好ましく、0.5モル以下がより好ましく、0.2モル以下が特に好ましい。また、重合中に発生するラジカル種の量を制御するために、重合開始剤の使用量と合わせて、熱的解離する重合開始剤の場合には温度を調節すること、光や電子線などによりラジカルを発生する重合開始系の場合には照射するエネルギー量を調節したりすることなどが好ましい。重合を制御しやすい点で、熱的解離する重合開始剤を用い、その半減期が0.5〜50時間となるような温度で重合することが好ましく、半減期が1〜20時間となるような温度で重合することがより好ましく、半減期が5〜15時間となるような温度で重合することが特に好ましい。
【0106】
上記工程(I)のラジカル重合において、チオカルボニルチオ基を有する化合物の使用量と、重合させる単量体の使用量との比を調節することにより、得られる重合体(A)の重合度と分子量とを制御することができる。得られる重合体(A)の重合度(DP)は、単量体の転化率が100%の場合、次式:
DP=単量体のモル数/チオカルボニルチオ基のモル数
で表される。重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、上記DPに単量体の分子量を乗ずることにより計算できる。単量体の転化率が100%に満たない場合には、転化率を100%として計算した値に、単量体の転化率を乗ずることにより計算できる。
【0107】
上記工程(I)において、チオカルボニルチオ基を有する化合物は、ラジカル重合可能な単量体をラジカル重合させる際に、可逆的付加脱離連鎖移動剤として作用する。重合がスムーズに進行し、分子量や分子量分布の制御された重合体を得ることができる点で、適用するラジカル重合の条件において、チオカルボニルチオ基を有する化合物の連鎖移動定数が1以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。このようなチオカルボニルチオ基を有する化合物の連鎖移動剤としての作用の機構や、連鎖移動定数の決定に関しては、以下の文献、およびこれらに引用されている文献に記載がある:国際特許WO98/01478号公報、国際特許WO99/05099号公報、国際特許WO99/31144号公報、Macromolecules 1998年 31巻 16号 5559〜5562ページ、Macromolecules 1999年 32巻6号 2071〜2074ページ、Polym.Prepr. 1999年 40巻 2号 342〜343ページ、Polym.Prepr. 1999年40巻 2号 397〜398ページ、Polym.Prepr. 1999年 40巻 2号 899〜900ページ、Polym.Prepr. 1999年 40巻 2号 1080〜1081ページ、Macromolecules 1999年 32巻 21号 6977〜6980ページ、Macromolecules 2000年 33巻 2号 243〜245ページ、Macromol.Symp. 2000年 150巻 33〜38ページなど。
【0108】
工程(I)によるチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)の生成を以下に示す。チオカルボニルチオ基を有する化合物(1)を用いた場合には、スキーム1に示すように、アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)のラジカル重合を行なうことにより、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2−1)が生成する(nは、単量体(a1)の繰り返し数である)。
【0109】
【化27】
Figure 0003971593
【0110】
チオカルボニルチオ基を有する化合物(2)を用いた場合には、スキーム2に示すように、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2−2)が生成する(nは、単量体(a1)の繰り返し数である)。
【0111】
【化28】
Figure 0003971593
【0112】
このように工程(I)により、分子主鎖末端に少なくとも1つのチオカルボニルチオ基を有するチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)が得られる。
【0113】
〔メルカプト基を有する重合体(A)〕
上記チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)のチオカルボニルチオ基をメルカプト基に変換することによりメルカプト基を有する重合体(A)が得られる。この変換のために各種処理剤が用いられる。処理剤としては特に限定されないが、(i)酸性化合物、(ii)塩基性化合物、および(iii)水素−窒素結合含有化合物を挙げることができる。
【0114】
これらの処理剤のうち、(i)の酸性化合物としては特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ホウフッ化水素酸、クロロスルホン酸、ヨウ化水素酸、ヒ酸、ケイフッ化水素酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メチルリン酸、エチルリン酸、n−プロピルリン酸、イソプロピルリン酸、n−ブチルリン酸、ラウリルリン酸、ステアリルリン酸、2−エチルヘキシルリン酸、イソデシルリン酸、ジメチルジチオリン酸、ジエチルジチオリン酸、ジイソプロピルジチオリン酸、フェニルホスホン酸などの有機酸;強酸性イオン交換樹脂、弱酸性イオン交換樹脂など。さらに、微量の水分と反応して酸性を示す化合物も使用可能である。このような化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸などの酸無水物;酢酸クロライド、安息香酸クロライドなどのハロゲン化アシル;四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化ケイ素などの金属ハロゲン化物;塩化チオニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組合せて用いてもよい。
【0115】
本発明の工程(II)において使用する処理剤のうち、(ii)の塩基性化合物としては特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛などの遷移金属水酸化物;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェニラート、リチウムエチラート、リチウムブチラートなどのアルカリ金属アルコラート;マグネシウムメチラート、マグネシウムエチラートなどのアルカリ土類金属アルコラート;水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物;ハイドロサルファイト、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムブロマイドなどの有機金属試薬など。さらに、微量の水分と反応して塩基性化合物に変換される化合物も使用可能である。このような化合物としては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウムなどのアルカリ金属;金属マグネシウム、金属カルシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。
【0116】
工程(II)において使用する処理剤のうち、(iii)の水素−窒素結合含有化合物としては特に限定されないが、(iii-1)アンモニア、(iii-2)ヒドラジン、(iii-3)1級アミン系化合物、(iii-4)2級アミン系化合物、(iii-5)アミド系化合物、(iii-6)アミン塩酸塩系化合物、(iii-7)水素−窒素結合含有高分子、および(iii-8)ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられる。
【0117】
上記水素−窒素結合含有化合物のうち、(iii-3)の1級アミン系化合物としては、特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、12−アミノドデカン酸、3−アミノ−1−プロパノール、アリルアミン、イソプロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、モノエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、n−プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、3−メトキシプロピルアミン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−カルボキシ−4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ジアミノマレオニトリル、シクロヘキシルアミン、ATU(味の素株式会社製)、CTUグアナミン(味の素株式会社製)、二酸化チオ尿素、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、n−ヘキシルアミン、モノメチルアミン、モノメチルヒドラジン、3−(ラウリルオキシ)プロピルアミン、アニシジン、アニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチルエステル、2−アミノ−4−クロロフェノール、2−アミノチアゾール、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、アミノフェノール、p−アミノベンズアルデヒド、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、3−イソプロポキシアニリン、4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンスルホン酸モノナトリウム塩、6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、キシリジン、m−キシリレンジアミン、p−クレシジン、ジアニシジン、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、1,4−ジアミノアントラキノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ステファニル酸、トビアス酸、2,4,5−トリクロロアニリン、o−トリジン、トルイジン、トルイレンジアミン、ナフチオン酸ナトリウム、ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、o−クロロ−p−トルイジン−m−スルホン酸、フェニルヒドラジン、フェニレンジアミン、フェネチジン、フェネチルアミン、ベンジルアミン、ベンゾフェノンヒドラゾン、メシジン、メタニル酸、2−メチル−4−ニトロアニリン、ロイコ−1,4−ジアミノアントラキノン、パラミン、アミノピリジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ベンゾグアナミン、メラミン、o−クロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2−アミノ−4−クロロ安息香酸、o−クロロ−p−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,4−ジフルオロアニリン、o−フルオロアニリン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ−アミノプロピルトリエトキシシランなど。
【0118】
上記水素−窒素結合含有化合物のうち、(iii-4)の2級アミン系化合物としては、特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:N−メチルエタノールアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、イミノジ酢酸、3,3’−イミノジプロピオニトリル、ビス(ヒドロキシエチル)アミン、N−エチルエチレンジアミン、エチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、1,1−ジメチルヒドラジン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジメチルアミン、N−メチル酢酸ナトリウム、N−エチルアニリン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、7−アニリノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、N−メチルアニリン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチルピラゾール、5,5’−ビ−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペコリン、2−(1−ピペラジニル)ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、N−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、モルホリンなど。
【0119】
上記水素−窒素含有化合物のうち、(iii-5)のアミド系化合物としては、特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アジピン酸ジヒドラジド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、カルボヒドラジド、グアニルチオ尿素、グリシルグリシン、N−〔3−(ジメチルアミノ)プロピル〕アクリルアミド、N−〔3−(ジメチルアミノ)プロピル〕メタクリルアミド、N,N’−エチレンビス(ステアロアミド)、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N’−メチレンビス(ステアロアミド)、N−(ヒドロキシメチル)ステアロアミド、ダイアセトンアクリルアミド、チオアセトアミド、チオカルボヒドラジド、チオセミカルバジド、チオ尿素、ドデカン二酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、ホルムアミド、メタクリルアミド、N,N’−メチレンビス(アクリルアミド)、N−メチロールアクリルアミド、アセトアニリド、アセト酢酸o−アニシダイド、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸m−キシリダイド、アセト酢酸o−クロロアニリド、アセト酢酸2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセト酢酸トルイダイド、1,1,1’、1’−テトラメチル−4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジセミカルバジド、トルエンスルホンアミド、p−ヒドロキシフェニルアセトアミド、フタルイミド、イソシアヌル酸、3−カルバモイル−2−ピラジンカルボン酸、コハク酸イミド、5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、ヒダントイン、フェニルピラゾリドン、3−メチル−5−ピラゾロン、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、ブロムワレリル尿素、2,6−ジフルオロベンズアミド、2,2,2−トリフルオロアセトアミドなど。
【0120】
上記水素−窒素含有化合物のうち、(iii-6)のアミン塩酸塩系化合物としては、特に限定されないが、次の化合物が挙げられる:アセトアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、モノプロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、モノブチルアミン塩酸塩、ジブチルアミン塩酸塩、塩酸セミカルバジド、塩酸グアニジン、塩酸アミノグアニジン、2−クロロエチルアミン塩酸塩、ジステアミン塩酸塩、t−ブチルヒドラジンモノ塩酸塩など。
【0121】
上記水素−窒素含有化合物のうち、(iii-7)の水素−窒素結合含有高分子の具体例としては、ポリメント(株式会社日本触媒製)、ポリエチレンイミン、アミノポリアクリルアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン46、ポリアミドイミド、ポリアリルアミン、ポリウレタンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0122】
上記水素−窒素含有化合物のうち、(iii-8)のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)としては、アデカスタブLA−77(旭電化株式会社製)、Chimassorb 944LD(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Tinuvin 144(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、アデカスタブLA−57(旭電化株式会社製)、アデカスタブLA−67(旭電化株式会社製)、アデカスタブLA−68(旭電化株式会社製)、アデカスタブLA−87(旭電化株式会社製)、Goodrite UV−3034(Goodrich社製)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0123】
上記工程(II)において、処理剤の使用量は特に限定されない。処理剤として酸性化合物または塩基性化合物を使用する場合、取り扱いやすさおよび反応性の点で、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)100重量部に対して0.01〜100重量部が好ましく、0.05〜50重量部がより好ましく、0.1〜30重量部が特に好ましい。酸性化合物または塩基性化合物で処理した場合には、処理後に中和することが、得られる重合体の安定性の点で好ましい。処理剤として水素−窒素結合含有化合物を使用する場合、メルカプト基の導入率が高い点で、チオカルボニルチオ基含有重合体(a2)中のチオカルボニルチオ基1モルに対して、水素−窒素結合含有化合物を0.5〜1000モルの割合で用いるのが好ましく、1〜500モルの割合で用いるのがより好ましい。過剰の水素−窒素結合含有化合物は、回収して再利用することができる。
【0124】
上記処理剤のうち、装置腐食の問題がなく、中和する必要がない点で、水素−窒素結合含有化合物が好ましく;処理後の精製工程を簡略化できる点で、沸点100℃以下の水素−窒素結合含有化合物およびHALSがより好ましく;入手性の点で、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、およびHALSがさらに好ましい。
【0125】
上記工程(II)の反応条件に関しては特に限定されない。例えば、工程(I)で得られたチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)を有機溶媒に溶解させて処理剤を添加してもよく、工程(I)の重合を水中で実施した場合にはその反応液に処理剤を添加してもよく、あるいは工程(I)で得られたチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)を単離した後、直接処理剤を添加してもよい。有機溶媒を使用する場合には、工程(I)の説明において上述した有機溶媒を使用することができる。重合体を単離した後直接処理剤を添加する場合には、反応効率を高める点で、2軸押出機、ニーダー、プラストミル、バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練する方法が好ましい。反応温度は特に限定されないが、処理効率が高い点で、−50〜300℃の範囲が好ましく、0〜200℃の範囲がより好ましく、30〜150℃の範囲がより好ましい。ただし、重合体に直接添加して溶融混練するような場合には、重合体の溶融温度以上、かつ分解温度未満で処理することが好ましい。
【0126】
工程(II)によるメルカプト基を有する重合体(A)の生成を以下に示す。工程(I)においてチオカルボニルチオ基を有する化合物(1)を用いてチオカルボニルチオ基含有重合体(a2−1)を得た場合には、スキーム3に示すように、これを処理剤と反応させることにより、該重合体のチオカルボニルチオ基が、メルカプト基に変換され、メルカプト基を有する重合体(A−1)が得られる。ここで、pは1以上の整数であり、pが2以上の場合は、メルカプト基を複数個有する重合体が得られる。例えば、p=2の場合は、HS−(a1)n−R−(a1)n−SHで示される、両末端にメルカプト基を有する重合体が得られる。
【0127】
【化29】
Figure 0003971593
【0128】
工程(I)においてチオカルボニルチオ基を有する化合物(2)を用いてチオカルボニルチオ基含有重合体(a2−2)を得た場合には、スキーム4に示すように、これを処理剤と反応させることにより、該重合体のチオカルボニルチオ基が、メルカプト基に変換され、メルカプト基を有する重合体(A−2)が得られる。
【0129】
【化30】
Figure 0003971593
【0130】
このようにして得られるメルカプト基を有する重合体(A)は、該重合体(A)を含む組成物から得られる最終的な硬化物のモジュラス、伸びなどの力学特性に優れる点で、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた数平均分子量が2000〜100000の範囲であることが好ましく、3000〜50000の範囲であることがより好ましい。
【0131】
重合体(A)は、該重合体(A)を含む組成物の取り扱いやすさ、および該組成物から得られる最終的な硬化物の力学特性の点で、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた分子量分布が1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
【0132】
なお本発明においては、ゲル浸透クロマトグラフィー分析は、ポリスチレンゲルカラムを使用し、クロロホルムを溶出液として、ポリスチレン標準試料を分子量の基準として実施している。ただし、重合体のクロロホルムに対する溶解度が低い場合は、適宜、他の溶解性の高い溶出液を使用する。例えば、アクリロニトリルやメタクリロニトリルの含有量が高い重合体の場合にはジメチルホルムアミドを使用し、塩化ビニルや塩化ビニリデンの含有量が高い重合体の場合にはテトラヒドロフランを使用する。
【0133】
上記重合体(A)は分子末端に1つ以上のメルカプト基を有するが、上記硬化物の力学特性に優れる点で、両末端にメルカプト基を有するテレケリック重合体を50重量%以上含有することが好ましく、該テレケリック重合体を80重量%以上含有することがより好ましい。
【0134】
〔1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物〕
本発明の硬化性組成物に含有される(B)の1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物(以下、メルカプト基を有する化合物(B)、あるいは単に化合物(B)という場合がある)としては特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、2,3−ジメルカプトブタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプトナフタレン、1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオール、1,9−ジメルカプトノナン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2,3−ジメルカプトコハク酸、4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ペンタンジチオール、3,5−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、4−クロロ−1,3−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、1,6−ヘキサンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、1,8−オクタンジチオール、デュレン−α、α−ジチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、エタンジオールジチオグリコレート、プロパンジオールジチオグリコレート、ブタンジオールジチオグリコレートなどの1分子中にメルカプト基を2つ有する化合物;1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレートなどの1分子中にメルカプト基を3つ以上有する化合物;およびチオコールLP(東レチオコール株式会社製)などの液状ポリサルファイドポリマー。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。これらのうち、効果がより迅速に進行し、得られる硬化物の強度に優れる点で、1分子中にメルカプト基を3つ以上有する化合物が好ましく、入手性の点で、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、およびペンタエリスリトールテトラチオグリコレートがより好ましい。
【0135】
上記1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物(B)の含有量は特に限定されないが、得られる硬化物の強度と伸びなどの機械物性に優れる点で、メルカプト基を有する重合体(A)100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましい。
【0136】
〔酸化剤〕
本発明の硬化性組成物に含有される(C)の酸化剤(以下、酸化剤(C)という場合がある)としては、特に限定されないが、例えば次の化合物が挙げられる:二酸化鉛、二酸化マンガン、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過酸化バリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化ストロンチウム、過酸化炭酸ナトリウムなどの無機過酸化物;酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マンガン、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化銅、五酸化バナジウムなどの金属酸化物;重クロム酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムなどの無機酸化剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、過酢酸ナトリウム、過酸化尿素などの有機過酸化物;ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、パラキノンジオキシムなどの有機酸化剤;ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、有機酸鉄(III)、トリス(アセチルアセトナート)マンガンなどの有機金属化合物;過酸化水素;酸素(空気)など。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。これらのうち、取り扱いやすさ、および入手性の点で、二酸化鉛、過酸化亜鉛、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、二酸化マンガン、重クロム酸塩、過酸化水素、および酸素(空気)が好ましく、二酸化鉛、過酸化亜鉛、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、二酸化マンガン、および重クロム酸塩がより好ましく、二酸化鉛および過酸化カルシウムがさらに好ましい。
【0137】
上記酸化剤(C)の含有量は特に限定されないが、硬化が迅速に進行する点で、成分(A)の重合体100重量部に対して、0.01〜40重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましい。なお、酸化剤として酸素(空気)を使用する場合には、特に添加量に関して制限はない。
【0138】
〔添加剤〕
本発明の硬化性組成物は、上記メルカプト基を有する重合体(A)、メルカプト基を有する化合物(B)、および酸化剤(C)に加えて、必要に応じて添加剤を含有する。
【0139】
本発明の硬化性組成物に含有され得る添加剤としては特に限定されないが、例えば、[1]硬化促進剤、[2]可塑剤、[3]充填剤、[4]顔料、[5]補強剤、[6]硬化速度調整剤、[7]たれ防止剤、[8]接着付与剤、[9]着色剤、[10]紫外線吸収剤、[11]酸化防止剤などを挙げることができる。
【0140】
上記[1] の硬化促進剤としては、3級アミン、金属塩などが好適に用いられる。これらのうち3級アミンとしては、特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルアミノエタノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルなど。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。硬化促進剤として3級アミンを使用する場合、その含有量は特に限定されないが、含有量とそれに対応する促進効果とのバランスに優れる点で、メルカプト基を有する重合体(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.1〜15重量部がより好ましい。
【0141】
上記金属塩は、酸化剤(C)として酸素(空気)を使用する場合に好適に用いられる。このような金属塩としては特に限定されないが、例えば、銅、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの塩化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩などを挙げることができる。これら金属塩は単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。金属塩を使用する場合の組成物中の含有量は特に限定されないが、促進効果と含有量とそれに対応する促進効果とのバランスに優れる点で、メルカプト基を有する重合体(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましい。また、この場合にも上述の3級アミン併用することができる。
【0142】
上記 [2]の可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル;塩素化パラフィン;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどのグリコールエステル;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステル;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸アルキル610(協和発酵(株)製)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪酸エステル;アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどのオキシ酸エステルなど。これらのうち、汎用性の点で、フタル酸エステル、塩素化パラフィン、およびグリコールエステルが好ましい。
【0143】
上記[3]の充填剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレーなどを挙げることができる。
【0144】
上記[4]の顔料としては、目的に応じた所望の顔料のいずれをも使用することが可能である。
【0145】
上記[5]の補強剤としては、カオリン、ケイ砂、ケイ石、タルクなどを挙げることができる。
【0146】
上記[6]の硬化速度調整剤としては、特に限定されないが、例えば、硫黄、アミン、水、ステアリン酸、ステアリン酸塩などを挙げることができる。
【0147】
上記[7]のたれ防止剤としては、特に限定されないが、例えば、微紛ケイ酸、有機ベントナイトなどを挙げることができる。
【0148】
上記[8]の接着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、変成フェノール樹脂、オルガノシラン、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0149】
上記[9]の着色剤としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、べんがらなどを挙げることができる。
【0150】
上記[10]の紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、次の化合物が挙げられる:フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシー4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、〔2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〕、〔2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−〔(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕〕〕などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、〔2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカルバメートなどのニッケル系紫外線安定剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、SanolLS−770(三共有機合成株式会社製)、アデカスタブLA−77(旭電化工業株式会社製)、スミソープ577(住友化学工業株式会社製)、バイオソーブ04(共同薬品株式会社製)、Chimassorb944LD(Ciba Specialty製)、Tinuvin144(Ciba Specialty製)、アデカスタブLA−52(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブLA−57(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブLA−67(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブLA−68(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブLA−77(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブLA−87(旭電化工業株式会社製)、アデカスタブPEP−36(旭電化工業株式会社製)、GoodriteUV−3034(Goodrich製)などのHALSなど。
【0151】
上記[11]の酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば次の化合物が挙げられる:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール類などのフェノール系酸化防止剤;ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどのリン系酸化防止剤など。
【0152】
〔硬化性組成物〕
本発明の硬化性組成物は上記メルカプト基を有する重合体(A)、メルカプト基を有する化合物(B)、酸化剤(C)、および必要に応じて硬化促進剤などの添加剤などを含有する。これらの成分を混合する場合には、あらかじめ全ての成分を混合して1液型硬化性組成物としてもよく、主剤と硬化剤とに分けて2液型硬化性組成物とし、硬化させる直前に混合して使用してもよい。主剤と硬化剤とに分ける場合には、例えば重合体(A)と化合物(B)とを混合して主剤とし、酸化剤(C)を硬化剤とする方法が貯蔵安定性の点で好ましい。この場合、主剤と硬化剤との混合を容易にするために少量の有機溶媒を使用してもよい。
【0153】
各成分を混合する際には、その方法は特に限定されず、有機溶媒を使用して混合してもよく、あるいは溶媒を使用せず各成分を直接混合してもよい。混合に際しては、ニーダー、ロール、ミキサーなどを用いてもよく、あるいは手混ぜにより行なってもよい。
【0154】
上記各成分を混合することにより、メルカプト基を有する重合体(A)およびメルカプト基を有する化合物(B)のメルカプト基が酸化され、これらはジスルフィド結合を介して結合する。例えば、スキーム5に示すように、重合体(A)が1個のメルカプト基を有する重合体(A−1のp=1の場合)である場合には、2つのメルカプト基を有する化合物(B−1;スキーム中においてHS−b−SHで示される)と結合して、下記構造の重合体(A−1)が生成する。重合体(A)が2個のメルカプト基を有する重合体(A−1のp=2の場合)には、重合体(A)と化合物(B)とが順次結合した長鎖のポリマー(A−2)が生成する(mは繰り返し数)。
【0155】
【化31】
Figure 0003971593
【0156】
本発明においては、目的に応じて用いる単量体や反応条件を選択するとこにより、所望の性質を有するチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)が調製される。この重合体(a2)は、チオカルボニルチオ基を有する化合物を用いて調製されるため、分子量および分子量分布の制御が容易である。従って、このチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)に由来する重合体(A)、1分子中にメルカプト基を2つ以上有する化合物(B)および酸化剤(C)を用いて、所望の性質を有する硬化性組成物を製造することが可能である。本発明においては、上記のように分子量および分子量分布の制御が容易であるため、硬化物のモジュラスや伸びなど、重合体の分子量や分子量分布が影響する物性を精密に制御することが容易である。
【0157】
本発明の硬化性組成物は、シーリング材、コーティング材、ライニング材、ホース材、パッキン、ガスケット、印刷ロール、コールドキャスティング材、粘着剤、接着剤、各種成形体、樹脂改質剤、繊維改質剤、塗料変成剤、柔軟性付与材などとして、広範囲の分野で利用可能である。
【0158】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0159】
本実施例において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により求めた。GPC測定においてはクロロホルムを溶出液とし、ポリスチレンゲルカラムを使用し、ポリスチレン換算で解析した。
【0160】
(製造例1) 両末端にメルカプト基を有するアクリル酸n−ブチル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却管、および滴下ろうとを備えた2L反応器に、乳化剤であるドデシル硫酸ナトリウム410mg、乳化剤であるノニオンNS‐270(HLB=18.7、日本油脂株式会社製)20g、および蒸留水800gを入れ、80℃に加熱撹拌しながら系内を窒素置換した。チオカルボニルチオ基を有する化合物として式(4)
【0161】
【化32】
Figure 0003971593
【0162】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す)で示される化合物46.68gを、単量体であるアクリル酸n−ブチル100gに溶解させて添加し、80℃で20分間窒素気流下で撹拌した後、重合開始剤として4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)14.0gを蒸留水50gと共に添加した。80℃で30分撹拌した時点で、滴下ろうとからアクリル酸n−ブチル200gとアクリル酸2−メトキシエチル100gとの混合溶液を、2時間かけて滴下した。さらに80℃で6時間撹拌した後、乳化液を室温まで冷却し、塩析、ろ過、洗浄、および乾燥により、両末端にチオカルボニルチオ基を有するアクリル酸n−ブチル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体を得た。GPC分析よりこの重合体はMw=4520、Mn=4070、Mw/Mn=1.11であることを確認した。HNMR分析の結果、チオカルボニルチオ基の導入率は両末端基準で97%であった。
【0163】
このチオカルボニルチオ基を両末端に有する重合体375gを、トルエン800mLに溶解し、処理剤としてモノエチルアミン35gを加えて5℃で12時間撹拌した。その後80℃まで昇温して過剰のモノエチルアミンを留去し、さらに120℃まで昇温してトルエンを減圧留去し、重合体378gを得た。GPC分析の結果、Mw=4490、Mn=4010、Mw/Mn=1.12であり、H NMR分析とIR分析より、両末端にメルカプト基を有するアクリル酸n−ブチル−アクリル酸2−メトキシエチル共重合体であることを確認した。
【0164】
(製造例2) 両末端にメルカプト基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた1L反応器に、単量体としてアクリル酸n−ブチル181g、重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)40mg、チオカルボニルチオ基を有する化合物として式(5)
【0165】
【化33】
Figure 0003971593
【0166】
(式中、Phはフェニル基を示す)で示される化合物635mg、およびトルエン300mLを入れ、系内を窒素置換した。反応液を撹拌しながら90℃で5時間加熱した。サンプリングしてGPC分析を行い、得られた重合体がMw=77000、Mn=56900、Mw/Mn=1.35であることを確認した。またH NMR分析より、チオカルボニルチオ基がポリ(アクリル酸n−ブチル)の両末端に導入されており、導入率は両末端基準で93%であることを確認した。アクリル酸n−ブチルの反応率は55%であった。
【0167】
こうして得られた両末端にチオカルボニルチオ基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)のトルエン溶液に、処理剤としてジエチルアミン50gを添加して50℃で10時間撹拌した。その後120℃に昇温して過剰のジエチルアミン、次いでトルエンを減圧留去した。得られた重合体をGPC分析したところ、Mw=76600、Mn=56000、Mw/Mn=1.37であり、H NMR分析とIR分析により、両末端にメルカプト基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)であることを確認した。
【0168】
(製造例3) 両末端にメルカプト基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた1L反応器に、単量体としてアクリル酸n−ブチル271.5g、重合開始剤として1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)60mg、チオカルボニルチオ基を有する化合物として式(5)
【0169】
【化34】
Figure 0003971593
【0170】
(式中、Phはフェニル基を示す)で示される化合物2.10gおよびトルエン430mLを入れ、系内を窒素置換した。反応器を撹拌しながら90℃で10時間加熱した。反応液からトルエンを留去し、得られた重合体を減圧乾燥した。GPC分析よりMw=55200、Mn=43500、Mw/Mn=1.27の重合体生成を確認した。H NMR測定より、両末端にチオカルボニルチオ基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)であることを確認した。チオカルボニルチオ基の導入率は両末端基準で96%であった。
【0171】
このポリ(アクリル酸n−ブチル)100重量部に対し、処理剤としてアデカスタブLA−77(旭電化株式会社製)15重量部を添加し、3本ロールを使用して150℃で20分間混練した。得られた重合体のGPC分析より、Mw=53700、Mn=42900、Mw/Mn=1.25であることを確認した。H NMR分析、およびIR分析より、両末端にメルカプト基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)であることを確認した。
【0172】
(製造例4) 片末端にメルカプト基を有するメタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル共重合体の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ろうと、および還流冷却管を備えた1L反応器に、乳化剤であるドデシルスルホン酸ナトリウム330mgと蒸留水300gとを入れ、80℃で撹拌しながら系内を窒素置換した。チオカルボニルチオ基を有する化合物として式(6)
【0173】
【化35】
Figure 0003971593
【0174】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す)で示される化合物651mgを、単量体であるメタクリル酸メチル3.0gに溶解させて添加し、20分後に重合開始剤である4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)555mgを蒸留水12gと共に添加した。80℃で20分間撹拌した後、滴下ろうとからメタクリル酸メチル52.0gを90分かけて滴下した。30分後、単量体であるアクリル酸n−ブチル61.0gを1時間かけて滴下ろうとから滴下した。80℃で6時間撹拌した後、乳化液を炭酸カルシウムで塩析し、蒸留水で洗浄することにより、メタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチルジブロック共重合体94.1gを得た。GPC分析の結果、この共重合体は、Mw=59800、Mn=44400、Mw/Mn=1.35であり、H NMR分析の結果、ポリ(メタクリル酸メチル)部分とポリ(アクリル酸n−ブチル)部分の重量比は48:52であり、チオカルボニル基がポリ(アクリル酸n−ブチル)側の末端に84%の導入率で導入されていることを確認した。
【0175】
このジブロック共重合体93gを300mL反応器に入れ、トルエン300mLを加えて溶解し、ジエチルアミン18gを添加して50℃で8時間撹拌した。過剰のジエチルアミン、およびトルエンを減圧留去し、H NMR分析、およびIR分析を行なった。その結果、ポリ(アクリル酸n−ブチル)側の末端にメルカプト基を有する、メタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチルジブロック共重合体の生成を確認した。GPC分析の結果、この共重合体は、Mw=58400、Mn=44200、Mw/Mn=1.32であった。
【0176】
(製造例5) 片末端にメルカプト基を有する(スチレン−アクリロニトリル)−アクリル酸n−ブチル共重合体の製造
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた1L反応器に、単量体としてスチレン150gとアクリロニトリル76.5g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.83g、チオカルボニルチオ基を有する化合物として式(6)
【0177】
【化36】
Figure 0003971593
【0178】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す)で示される化合物4.145g、およびトルエン325gを入れ、系内を窒素置換した。この溶液を撹拌しながら70℃に保ち、8時間後に加熱を中止した。この反応液を室温まで冷却してからメタノール2Lに注いで沈殿物を生成させて、スチレン−アクリロニトリル共重合体を得た。この共重合体のGPC分析の結果、Mw=9900、Mn=8800、Mw/Mn=1.13であった。H NMR分析、および硫黄元素分析より、重合体の末端にチオカルボニルチオ基が100%の導入率で存在することを確認した。スチレン部分とアクリロニトリル部分との組成比は、重量でスチレン:アクリロニトリル=72:28であった。
【0179】
こうして得られた重合体85gを、撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた500mL反応器に入れ、単量体としてアクリル酸n−ブチル170g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.26g、およびトルエン270mLを加えて溶液とした。系内を窒素置換し、70℃で13時間撹拌した。溶媒を留去した後、エタノール200mLを加えて上澄み液を除去し、不溶分を乾燥させた。このエタノール不溶分のH NMR分析およびIR分析より、片末端にチオカルボニルチオ基を有する(スチレン−アクリロニトリル)−アクリル酸n−ブチル共重合体が得られ、該共重合体中の各成分の組成比は、重量比でスチレン:アクリロニトリル:アクリル酸n−ブチル=28:11:61であることを確認した。この共重合体のGPC分析の結果、Mw=28700、Mn=22300、Mw/Mn=1.29であった。
【0180】
こうして得られた末端にチオカルボニルチオ基を有する(スチレン−アクリロニトリル)−アクリル酸n−ブチル共重合体200gをトルエン400mLに溶解し、ジエチルアミン20gを加えて50℃で6時間撹拌した。この溶液をシリカゲルカラムに通した後トルエンを留去し、H NMR分析およびIR分析より、片末端にメルカプト基を有する(スチレン‐アクリロニトリル)−アクリル酸n−ブチル共重合体であることを確認した。メルカプト基の導入率は片末端基準で98%であった。各成分の組成比は、アミン処理前の値と同一であった。GPC分析の結果、Mw=29300、Mn=21500、Mw/Mn=1.36であった。
【0181】
(実施例1)
製造例1で得られたメルカプト基を有する重合体(A)、メルカプト基を有する化合物(B)、および酸化剤(C)を表1に示す重量比で配合した。この混合物(組成物)のタックフリータイムを測定し、深部硬化速度および塗膜非汚染性の評価を行なった。タックフリータイムの測定は、ASTM D−2979−88のプローブタック試験法に準じて行った。深部硬化速度の測定は、JIS A5758のスランプ容器と同形の溝型容器に上記組成物を充填し、20℃で3日間放置した後の表面からの硬化深度を測定することにより行なった。塗膜非汚染性については、上記組成物を3mmの厚みのシートに成形し、硬化後に塗料1(ニューボデラック200;フタル酸系塗料;日本ペイント(株)製)、塗料2(ニッペタイルラックEMA−S;アクリルエマルジョン系塗料;日本ペイント(株)製)および塗料3(ニッサンウレタンNo.1500;ポリウレタン系塗料;日本油脂(株)製))を各々塗装し、3ヵ月後の塗膜の状態を観察した(○:異常なし、△:塗装部分がやや軟化またはやや変色、×:塗装部分が軟化または変色)。上記の評価結果を表1に示す。後述の実施例2〜22および比較例1〜5の結果も併せて表1に示す。
【0182】
(実施例2〜18
製造例1〜のいずれかで得られたメルカプト基を有する重合体(A)、メルカプト基を有する化合物(B)、酸化剤(C)および必要に応じて硬化促進剤、金属塩(硬化促進剤として使用)、およびその他の添加剤を表1に示す重量比で配合し、実施例1と同様に評価を行なった
【0183】
(比較例1〜5)
比較例として、表1に示す市販のポリサルファイド系ポリマーを使用し、実施例1同様に組成物を得、その評価を行なった。
【0184】
表中における略号の意味は次のとおりである:
LP=チオコール LP−280(東レチオコール株式会社製);P500=パーマポールP−2ポリマー P−500(株式会社日本触媒製):TPMP=トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート);PTMP=ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート);TPMA=トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート);PTMA=ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート);TPTG=トリメチロールプロパントリチオグリコレート;PTG=ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート;DFe=ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄;DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン;DOP=フタル酸ジオクチル;DIP=フタル酸ジイソデシル。
【0185】
【表1】
Figure 0003971593
【0186】
表1より、本発明の実施例は比較例と比較して、タックフリータイムが短く硬化性に優れ、深部硬化速度が大きく、塗膜非汚染性に優れることがわかる。
【0187】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、硬化性に優れ、硬化時の深部硬化速度が大きく、かつ硬化物表面の仕上剤や塗料を変色させたり軟化させたりすることがほとんどない。また組成物に含有される重合体成分の分子量や分子量分布を制御することが可能であるため、得られる硬化物の物性を容易に調整することが可能である。
【0188】
この組成物は、シーリング材、コーティング材、ライニング材、ホース材、パッキン、ガスケット、印刷ロール、コールドキャスティング材、粘着剤、接着剤、各種成形体、樹脂改質剤、繊維改質剤、塗料変成剤、柔軟性付与材などとして、広い分野で利用される。

Claims (10)

  1. (A)アクリル酸エステル50重量%を超える割合で、そして該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体50重量%未満の割合で含有される、アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下に重合させて得られるチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)に由来し、1分子中に2つのメルカプト基を有する重合体;
    (B)1分子中にメルカプト基を3つ以上有する化合物;および
    (C)酸化剤;
    を含有する硬化性組成物。
  2. (A)アクリル酸エステル80重量%以上および該アクリル酸エステルと共重合可能な単量体20重量%以下を含む、アクリル酸エステルを主成分とする単量体(a1)を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下に重合させて得られるチオカルボニルチオ基含有重合体(a2)に由来し、1分子中に2つのメルカプト基を有する重合体;
    (B)1分子中にメルカプト基を3つ以上有する化合物;および
    (C)酸化剤;
    を含有する硬化性組成物。
  3. 前記(A)のメルカプト基を有する重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた数平均分子量が2000〜100000の範囲にある重合体である、請求項1または2のいずれかに記載の硬化性組成物。
  4. 前記(A)のメルカプト基を有する重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた分子量分布が1.8以下である、請求項1から3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記(A)のメルカプト基を有する重合体が、分子両末端にメルカプト基を有するテレケリック重合体を50重量%以上の割合で含有する、請求項1から4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 前記チオカルボニルチオ基を有する化合物が、以下の一般式(3)で示される化合物である、請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物:
    Figure 0003971593
    (式中、Rは炭素数1以上の2価の有機基であり、該2価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、および金属原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく;Zは水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上の1価の有機基であり、該1価の有機基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、およびリン原子のうちの少なくとも一つを含んでいてもよく、2個のZは互いに同一でもよく、異なっていてもよい)。
  7. 前記アクリル酸エステルが、炭素数1〜10のアルコールのアクリル酸エステルである、請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 前記アクリル酸エステルと共重合可能な単量体が、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、およびクロロプレンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記(C)の酸化剤が、二酸化鉛、過酸化亜鉛、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、二酸化マンガン、および重クロム酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. さらに硬化促進剤、可塑剤、充填剤、硬化速度調整剤、たれ防止剤、接着付与剤、着色剤、紫外線吸収剤、および酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含有する、請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物。
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