JP2001106726A - 末端にチオール基を有するポリイソブチレンおよびその硬化性樹脂組成物 - Google Patents

末端にチオール基を有するポリイソブチレンおよびその硬化性樹脂組成物

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JP2001106726A
JP2001106726A JP28927199A JP28927199A JP2001106726A JP 2001106726 A JP2001106726 A JP 2001106726A JP 28927199 A JP28927199 A JP 28927199A JP 28927199 A JP28927199 A JP 28927199A JP 2001106726 A JP2001106726 A JP 2001106726A
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polyisobutylene
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terminal
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JP28927199A
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English (en)
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Tsukasa Maruyama
司 丸山
Kazunori Ishikawa
和憲 石川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な末端にチオール基を有するポリイソブチ
レンとそれを含有する硬化性樹脂組成物、および末端に
アルケニル基を有するポリイソブチレンとポリチオール
を含有する室温硬化性樹脂組成物の提供。組成物はシー
リング剤や接着剤の主剤である。 【解決手段】末端にアルケニル基を有するポリイソブチ
レンに、特定のポリチオールを付加させて得た、末端に
チオール基を有するポリイソブチレンおよび得られた該
変性ポリイソブチレンと硬化剤(金属化合物、酸素な
ど) を含有する易硬化性樹脂組成物、さらには末端にア
ルケニル基を有するポリイソブチレンと特定のポリチオ
ールを含有する室温で容易に硬化する硬化性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な末端チオー
ル基を有するポリイソブチレン、該ポリイソブチレンを
含有する硬化性樹脂組成物、および末端にアルケニル基
を有するポリイソブチレンを含有する室温硬化性樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイソブチレンは、耐候性、耐気体、
透過性などの特徴を有するエラストマーである。この優
れた耐候性および低気体透過性という特徴を活かして、
シーリング剤や接着剤の主材料として利用する研究が活
発に行われている。実際、ポリイソブチレン骨格を有し
両末端にアルコキシシリル基あるいはアリル基を有する
両末端反応性ポリイソブチレンオリゴマー“エピオン”
が、鐘淵化学工業から市販されている。
【0003】前者のアルコキシシリル基末端ポリイソブ
チレンは、空気中の水分により加水分解された後、シロ
キサン結合を形成して硬化することから、常温湿気硬化
型である。後者のアリル基末端ポリイソブチレンは、シ
ラン化合物の共存下における加熱によるハイドロシリレ
ーションにより硬化することから、加熱硬化型である。
【0004】しかしながら、アルコキシシリル基末端ポ
リイソブチレンを用いた場合は、湿気硬化後の硬化物表
面にタックが残る欠点があり、また製造原料として高価
なケイ素化合物を用いるため割高であった。また、アリ
ル基末端ポリイソブチレンを用いた場合は、ハイドロシ
リレーションのために加える触媒毒により、適用範囲
(用途)が限定されるなどの欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイソブ
チレン骨格に由来する耐候性、耐気体透過性を維持し、
かつ良好な硬化物特性を示すことができる新規な末端に
チオール基を有するポリイソブチレンを提供すること、
該新規変性ポリイソブチレンを含有する硬化性樹脂組成
物を提供すること、および末端にアルケニル基を有する
ポリイソブチレンを含有する常温硬化性樹脂組成物を提
供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、
末端にアルケニル基を有するポリイソブチレンのアルケ
ニル基を介して、下記式(1)で示されるポリチオール
が付加したことを特徴とする末端にチオール基を有する
ポリイソブチレンである。 (化3) R─(OCO−CH2 −SH) n (1) (式中、Rは2〜8価の有機基、nは2〜8の整数を示
す)
【0007】好ましい第一の発明は、有機基が炭素数1
〜18の炭化水素基(基中、酸素、イオウまたは窒素原
子を含んでいても良い)であることを特徴とする末端に
チオール基を有するポリイソブチレンである。
【0008】本発明の第二の発明は、前記のいずれかの
末端にチオール基を有するポリイソブチレン100重量
部と硬化剤0.1〜20重量部を含有することを特徴と
する硬化性樹脂組成物である。
【0009】本発明の第三の発明は、末端にアルケニル
基を有するポリイソブチレンと、下記式(1)で示され
るポリチオールを含有することを特徴とする室温硬化性
樹脂組成物である。 (化4) R─(OCO−CH2 −SH) n (1) (式中、Rは2〜8価の有機基、nは2〜8の整数を示
す)
【0010】
【発明の実施の形態】[末端にチオール基を有するポリ
イソブチレン]末端にチオール基を有するポリイソブチ
レンは、末端にアルケニル基を有するポリイソブチレン
の末端アルケニル基に、下記式(1)で示されるポリチ
オールが付加し、チオエーテル結合を分子中に有し、か
つ末端にチオール基を有するポリイソブチレンである。 (化5) R─(OCO−CH2 −SH) n (1) (式中、Rは2〜8価の有機基、nは2〜8の整数を示
す)
【0011】末端にチオール基を有するポリイソブチレ
ンであることは、図1(実施例1)に示すように 1H−
NMR(270MHz,CDCl3 ,δ,ppm)スペ
クトルにおいて、スルフィド結合に由来するピークが認
められることから同定することができる。
【0012】末端にチオール基を有するポリイソブチレ
ンは、一般的に末端にアルケニル基を有するポリイソブ
チレンのアルケニル基に、式(1)で示されるポリチオ
ールを付加して製造される。該アルケニル基を有するポ
リイソブチレンの二重結合に対する該ポリチオールのチ
オール基の理論当量比は、[チオール基のモル数]/
[ポリイソブチレンの二重結合のモル数]=2である
が、該アルケニル基を有するポリイソブチレンと該ポリ
チオールとの供給比は、得られる末端にチオール基を有
するポリイソブチレンに期待する特性、用途などを考慮
して適宜決定される。
【0013】該アルケニル基を有するポリイソブチレン
が過剰の場合は、得られる末端にチオール基を有するポ
リイソブチレンの二重結合の残存量が多いので、チオー
ル基の反応を利用した硬化生成物が得られない。一方、
該ポリチオールが過剰の場合は、未反応のポリチオール
が多く、硬化生成物の物性に好ましくない影響を与え
る。したがって、前記供給比は、一般的には、1.5〜
4.0、好ましくは1.8〜3.0である。
【0014】式(1)で示されるポリチオールは、末端
にアルケニル基を有するポリイソブチレンに、ラジカル
発生剤を使用しなくとも、室温で十分付加し、末端にチ
オール基を有するポリイソブチレンを生成するが、ラジ
カル発生剤の使用により、一層短時間で末端にチオール
基を有するポリイソブチレンを生成する。ラジカル発生
剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイルなどが例示される。その使用量は、特に制限され
ないが、末端にアルケニル基を有するポリイソブチレン
に対して重量比で0.05〜30重量%、好ましくは
0.1〜20重量%である。
【0015】末端にアルケニル基を有するポリイソブチ
レンは分子量が1000〜10万程度であるのが好まし
い。分子量が1000未満では、硬化性、硬化生成物の
特性が必ずしも十分でなく、10万を越えると粘度が高
くなって、作業性が悪くなる。アルケニル基を有するポ
リイソブチレンは市販されており、例えば、“エピオ
ン”(鐘淵化学工業(株)製)などがある。
【0016】ポリチオール(1)は、分子中にチオール
基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない
が、アルキレンチオールを含むアルカン、アルケンおよ
び脂肪族ポリチオール、そのアルキレン基が酸素、イオ
ウまたは窒素原子または芳香族基により随時中断されて
いる脂肪族ポリチオール、分子中2個以上のチオール基
を有する芳香族ポリチオール、複素芳香環ポリチオール
などが挙げられる。
【0017】具体的には、エタンジオールジチオグリコ
レート、プロパンジオールジチオグリコレート、ブタン
ジオールジチオグリコレート、トリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、ペンタエリスリットテトラチオ
グリコレートなどが挙げられる。これらは、単独使用ま
たは併用される。
【0018】付加反応溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、イソオクタンなど
の脂肪族炭化水素、プロセスオイルなどの可塑剤などを
用いることができる。付加反応温度は、特に限定されな
いが、10〜150℃の範囲内であるのが好ましい。付
加反応時間は、ポリチオール、触媒量、反応温度によっ
て異なるが、通常、0.1〜40時間であり、好ましく
は0.5〜30時間である。
【0019】[硬化性樹脂組成物]末端にチオール基を
有するポリイソブチレンは、硬化剤により容易に硬化す
る。すなわち、該チオール基を有するポリイソブチレン
は、二酸化マンガンのような金属酸化物などの酸化剤
(A)により容易に硬化し、また、分子中に2個以上の
イソシアネート基または分子中に2個以上のエポキシ基
を有する化合物(B)と容易に反応して高分子量化す
る。また、末端にチオール基を有するポリイソブチレン
は、空気(C)中に放置されると硬化を開始する。
【0020】硬化剤としての酸化剤(A)は、チオール
をジスルフィドに酸化可能なものであれば特に限定され
ないが、二酸化マンガン、二酸化鉛、酸化鉄(III)、酸
化コバルト、酸化銅(II)、五酸化バナジウムなどの金属
酸化物またはヘキサシアノ鉄(III)カリウムなどの金属
塩または有機酸鉄(III)、トリス(アセチルアセトナー
ト)マンガンなどの有機金属化合物などが挙げられる。
これらの酸化剤は2種類以上併用してもよい。酸化剤
(A)の添加量は、チオール基を有するポリイソブチレ
ン100重量部に対して、好ましくは0.01〜40重
量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0021】末端にチオール基を有するポリイソブチレ
ンと酸化剤(A)を含有する硬化性樹脂組成物に、硬化
促進剤として3級アミンを添加することができる。3級
アミンとしては、モノアミン、ジアミン、トリアミン、
ポリアミン、環状アミン、アルコールアミン、エーテル
アミンなどが挙げられる。具体的には、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリ
アルキルアミン、N, N, N', N'−テトラメチルエチレン
ジアミン、N, N,N', N'−テトラメチルプロパン-1, 3-
ジアミン、テトラメチルグアニジン, N, N'-ジメチルピ
ペラジン、ジメチルアミノエタノール、1,8-ジアザビシ
クロ[5. 4.0]-7-ウンデセン (DBU)、1, 4−ジアザ
ビシクロ[2. 2. 2]オクタン (DABCO) 、ビス(2−
ジメチルアミノエチル)エーテル (BL−19) などが
例示される。これら3級アミンは2種類以上を併用して
もよい。硬化促進剤の添加量は、チオール基を有するポ
リイソブチレン100重量部に対して、0.01〜30
重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量部
である。
【0022】また、末端にチオール基を有するポリイソ
ブチレンのチオール基は、酸素(C)によりジスルフィ
ドに酸化され、ついで硬化される。この際、金属塩を存
在させると、酸化が促進される。金属塩としては、銅、
鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの塩化物、よ
う化物、硫酸塩、硝酸塩などを挙げることができる。金
属塩は2種類以上併用してもよい。金属塩の添加量は、
チオール基を有するポリイソブチレン100重量部に対
して、好ましくは0.01〜40重量部、より好ましく
は0.1〜20重量部である。
【0023】酸素(C)酸化による硬化の場合も、樹脂
組成物に硬化促進剤として3級アミンを添加することが
できる。3級アミンは、前記したものが同様に使用され
る。3級アミンの添加量は、チオール基を有するポリイ
ソブチレン100重量部に対して、好ましくは0.01
〜30重量部、より好ましくは0.1〜15重量部であ
る。
【0024】さらに、末端にチオール基を有するポリイ
ソブチレンを硬化する際に、1分子中にチオール基を2
個以上有するポリチオールを架橋剤として添加すること
もできる。ポリチオールとしては、臭気および硬化後の
樹脂物性から、チオグリコール酸またはメルカプトプロ
ピオン酸とポリオールとから得られるポリチオール、末
端にチオール基を有するポリスルフィドを例示すること
ができる。具体的には、ペンタエリスリットテトラチオ
グリコレート、ペンタエリスリットテトラチオプロピオ
ネート、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、トリメチロールプロパントリチオプロピオネート、
ヘキサンジオールジチオプロピオネート、液状ポリサル
ファイドポリマー(“チオコールLP” 東レチオコー
ル(株)製)などが挙げられる。これらは、単独使用ま
たは併用される。ポリチオールの架橋剤としての添加量
は、該チオール基を有するポリイソブチレン100重量
部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.1
〜15重量部がより好ましい。
【0025】末端にチオール基を有するポリイソブチレ
ンを、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
化合物または1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
化合物(B)を用いて硬化する場合、前者の化合物とし
ては、有機ポリイソシアネート化合物および/または活
性水素含有化合物に有機ポリイソシアネート化合物をイ
ソシアネート化合物が過剰の条件で反応させて得られる
ウレタンプレポリマーが好ましい。
【0026】有機ポリイソシアネート化合物としては、
具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0027】活性水素含有化合物としては、水酸基末端
ポリエステル、水酸基末端ポリウレタン重合体、アクリ
ル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、水
酸基末端ポリブタジエン、脂肪族ポリオール、およびチ
オール基を2個以上有するアルカン、アルケンおよび脂
肪族チオール、末端にチオール基を有するポリサルファ
イドポリマー、芳香族、脂肪族および複素環ジアミンな
どを含むジアミン化合物、およびこれらの混合物が挙げ
られる。
【0028】チオール基を有するポリイソブチレンとイ
ソシアネート基含有化合物(B1)を含有する硬化性樹
脂組成物における、該イソシアネート基含有化合物中の
イソシアネート基と、チオール基を有するポリイソブチ
レン中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チ
オール基)は0.5〜4.0、好ましくは0.7〜3.
0である。
【0029】硬化触媒としては3級アミンおよび/また
は有機金属化合物が用いられ、3級アミンとしては、前
記硬化促進剤として示した一連の化合物を用いることが
できる。これら3級アミンを2種類以上用いてもよい。
【0030】有機金属化合物としては、有機錫化合物、
有機鉛化合物、有機ビスマス化合物などがあり、具体的
にはオクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクテン酸鉛、ネオデカン酸ビスマス
などが挙げられる。中でも、有機錫化合物、有機ビスマ
ス化合物が好ましく、より好ましくはジアルキル錫ジカ
ルボン酸塩やトリカルボン酸ビスマス塩などが挙げられ
る。これら有機金属化合物を2種類以上用いてもよい。
硬化触媒の添加量は、チオール基を有するポリイソブチ
レン100重量部に対して、0.001〜15重量部が
好ましく、0.005〜10重量部であるのがより好ま
しい。
【0031】チオール基を有するポリイソブチレンとエ
ポキシ基を有する化合物(B2)を含有する硬化性樹脂
組成物における、該エポキシ基を有する化合物(B2)
としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールAD等とエピクロルヒドリンを反応させて得
られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂などや、これらを水添化したエポキシ樹脂、グリシジ
ルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂
などが挙げられる。
【0032】チオール基を有するポリイソブチレンとエ
ポキシ基を有する化合物(B2)を含有する硬化性樹脂
組成物における、エポキシを有する化合物中のエポキシ
基と、チオール基を有するポリイソブチレン中のチオー
ル基とのモル比(エポキシ基/チオール基)は0.5〜
4.0、好ましくは0.7〜3.0である。
【0033】チオール基を有するポリイソブチレンとエ
ポキシを有する化合物(B2)からなる硬化性樹脂組成
物において、硬化触媒として3級アミンを用いてもよ
い。3級アミンとしては、前記硬化促進剤として示した
一連の化合物を用いることができる。これら3級アミン
は2種類以上を用いてもよい。硬化触媒の添加量は、チ
オール基を有するポリイソブチレン100重量部に対し
て、0.001〜15重量部が好ましく、0.005〜
10重量部であるのがより好ましい。
【0034】[室温硬化性樹脂組成物]一方、末端にア
ルケニル基を有するポリイソブチレンと前記一般式
(1)で示されるポリチオールとを室温において付加反
応させることによっても硬化可能である。これは、チオ
ールの酸素酸化により形成されたチイルラジカルと末端
アルケニル基の炭素−炭素二重結合とが付加反応を繰り
返すことの結果である。ポリチオールとしては、前記一
般式(1)で示されるポリチオールであれば、特に制限
されない。具体的には前記したものが好ましく使用され
る。
【0035】硬化反応を行う場合、末端にアルケニル基
を有するポリイソブチレンの炭素−炭素二重結合に対す
る、ポリチオール(1)のチオール基の理論当量比は
1、すなわち[チオール基のモル数]/[炭素−炭素二
重結合のモル数]=1であるが、具体的には、理論当量
比に係わらず適宜選択することができる。好ましい供給
量比は0.7〜1.3である。硬化反応は、室温におい
ても十分進行するが、加熱によって促進される。この末
端にアルケニル基を有するポリイソブチレンとポリチオ
ールとを室温で硬化して得られる生成物は、前記した末
端にチオール基を有するポリイソブチレンを硬化剤によ
って硬化して得られる生成物と同様な性質を示す。
【0036】本発明のいずれの硬化性樹脂組成物にも、
経済性、組成物を施工する際の作業性および硬化後の物
性を改良する目的で、充填剤、可塑剤等の添加剤が必要
に応じて、適宜配合され得る。
【0037】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) [チオール基を有するポリイソブチレン]末端にアリル
基を有するポリイソブチレンオリゴマー(鐘淵化学工業
(株)製:“エピオン203A”がプロセスオイル(出
光興産(株)製:PS−32)に23重量%含有された
もの)500g(アリル基含有量154ミリモル)に、
トルエン100mlを空気存在下に添加した後、80℃
で攪拌して均一溶液を得た。均一溶液に、3官能チオー
ルであるトリメチロールプロパントリス(チオグリコレ
ート)(C2H5C(CH2OCOCH2SH)3)55g(154ミリモ
ル;チオール基含有量462ミリモル)を添加後、80
℃で15時間攪拌した。反応終了後、トルエンを減圧留
去することにより、末端にチオール基を有するポリイソ
ブチレンを得た。これの粘度は22Pa・sで、分子量
は5700であった。
【0038】チオール基を有するポリイソブチレンの C
DCl3 1H−NMRスペクトルにおいて、原料の末端ア
リル基のプロトンに由来するピーク(δ= 5.0 ppm, 5.8
ppm)が消失し、代わってチオール基のアリル基への付
加反応によって形成されたスルフィド結合(2.6ppm)
およびチオグリコール酸エステル中のチオール基(20
ppm )に由来するピークが観測された(図1)。
【0039】以下にアリル基への付加反応によって形成
されたスルフィド結合に隣接するメチレンプロトンおよ
びチオグリコール酸エステルユニットに対応するプロト
ンのケミカルシフトおよびその積分比を示す。1 H−NMR(270 MHz, CDCl3, δ ppm)2.0 (t, -CH2-
SH, 2H), 2.6 (t, -CH2-S-CH2-CO-, 2H), 3.2 (s, -S-C
H2-CO-, 2H), 3.3 (d, -CO-CH2-SH, 2H), 4.2(s, -CH2-
O-CO-, 6H). (tは三重線、dは二重線、sは一重線を
示す。) 以上の結果から、末端にチオール基を4個含有するポリ
イソブチレンが得られていることが確認できた。
【0040】(実施例2〜7)(比較例1) [硬化性樹脂組成物]実施例1の末端にチオール基を有
するポリイソブチレンに、表1に示す種類と量の酸化
剤、表1に示す量の架橋剤ポリチオール(“チオコール
LP70”:東レチオコール(株)製)、硬化剤および
硬化促進剤DBU(1,8-ジアザビシクロ[5. 4. 0]-7-ウ
ンデセン)を配合した後、混合分散して、硬化性樹脂組
成物を調製した。得られた組成物を室温で空気中に放置
して、その組成物の表面が硬化する時間(タックフリー
タイム)を測定した。測定はASTM D−2979−
88のプローブタック試験法に準じて行なった。結果を
表1に示した。
【0041】
【0042】1) “エピオン103S” 鐘淵化学工
業(株)製 2) “チオコールLP70” 東レチオコール(株)
製 3) DBU(1,8-ジアザビシクロ[5. 4. 0]-7-ウンデ
セン) 4) オクチル酸錫4重量部+ラウリルアミン1重量部
【0043】上記結果から、末端にチオール基を有する
ポリイソブチレンを含む樹脂組成物は、金属酸化物また
は酸素による硬化によって、表面タックのない硬化生成
物を提供できたことが分かる。
【0044】(実施例8〜11)(比較例2) [常温硬化性樹脂組成物]末端にアリル基を有するポリ
イソブチレンオリゴマー(“エピオン203A”(鐘淵
化学工業(株)製)がプロセスオイル(出光興産(株)
製:PS−32)に23重量%含有されたもの)100
gに、表2に記載するポリチオールを、空気の存在下
に、表2に記載する量だけ添加後、得られた常温硬化性
樹脂組成物を室温で6時間放置または表2に記載する温
度で4時間加熱した。得られた硬化生成物の表面が硬化
する時間(タックフリータイム)を実施例2と同様に測
定した。結果を表2に示した。
【0045】
【0046】1) “エピオン203A” : 鐘淵化学
工業(株) 2) TMTG: トリメチロールプロパントリチオグ
リコレート PETG: ペンタエリスリットテトラチオグリコレー
ト BDTG: ブタンジオールジチオグリコレート DMDS: 2,2’−チオジエタンチオール
【0047】上記結果から、末端にアルケニル基を有す
るポリイソブチレンと特定のポリチオールを含む樹脂組
成物が、酸素による硬化によって、表面タックのない硬
化生成物を提供できたことがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の末端にチオール基を有するポリ
イソブチレンは新規化合物であり、これは硬化剤または
酸素により容易に硬化される。また末端にアルケニル基
を有するポリイソブチレンと特定のポリチオールとから
なる組成物も硬化する。いずれの硬化生成物も、シーリ
ング材や接着剤として利用される。そのシーリング剤
は、耐候性、耐熱性、耐気体透過性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の末端にチオール基を有す
るポリイソブチレンのNMRスペクトル図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC112 BB201 BB202 BG072 CD052 CD062 CD082 CD202 CK022 DE096 DE116 ER006 FD142 FD146 FD150 GJ01 GJ02 4J100 AA16P BA15H BA52H CA31 DA01 HA35 HA61 HA62 HC36 HC42 HC70 JA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端にアルケニル基を有するポリイソブチ
    レンのアルケニル基を介して、下記式(1)で示される
    ポリチオールが付加したことを特徴とする末端にチオー
    ル基を有するポリイソブチレン。 (化1) R─(OCO−CH2 −SH) n (1) (式中、Rは2〜8価の有機基、nは2〜8の整数を示
    す)
  2. 【請求項2】有機基が炭素数1〜18の炭化水素基(基
    中に酸素、イオウまたは窒素原子を含有する場合を含
    む)であることを特徴とする請求項1に記載の末端にチ
    オール基を有するポリイソブチレン。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の末端にチオール
    基を有するポリイソブチレン100重量部と硬化剤0.
    1〜20重量部を含有することを特徴とする硬化性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】末端にアルケニル基を有するポリイソブチ
    レンと、下記式(1)で示されるポリチオールを含有す
    ることを特徴とする室温硬化性樹脂組成物。 (化2) R─(OCO−CH2 −SH) n (1) (式中、Rは2〜8価の有機基、nは2〜8の整数を示
    す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003033569A1 (fr) * 2001-10-10 2003-04-24 Kaneka Corporation Composition durcissable
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