JP5005965B2 - 硬化性樹脂組成物及び室温硬化性接着剤組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び室温硬化性接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及びそれを成分とする室温硬化性接着剤組成物に関する。より詳細には、特定の化学構造・硬化機構を有する硬化性樹脂組成物からなる接着性に優れた硬化性樹脂組成物及びそれを用いた室温硬化性接着剤組成物に関する。
従来、各種プラスチック同士又は各種プラスチックと金属等の異種材料を貼り合わせる接着剤としては、変成シリコーン/エポキシ系接着剤、2液型ウレタン系接着剤、SGA(第2世代アクリル)系接着剤などが主に用いられていた。
ここで、異種材料を貼り合わせるための接着剤には、主に次のような性能が求められる。すなわち、(1)各種被着材に対して良好な接着性を有すること、(2)被着材が多孔質、非多孔質に関わらず良好な硬化性を有すること、(3)互いに熱膨張係数が異なる材料同士の貼り合わせであっても応力を緩和できる強靱且つ柔軟な硬化皮膜であること、等である。このような性能を満足すべく、様々な検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらの要求性能を考えた場合に、従来の接着剤ではそれぞれ以下のような問題点があった。
変成シリコーン/エポキシ系接着剤は、その硬化機構の一部(具体的には変成シリコーン樹脂の硬化機構)が湿気硬化機構であるため、貼り合わせ面積が比較的大きく、中でも非多孔質被着材の場合には、貼り合わせ後湿気が供給されにくい被着材中央部の硬化性(内部硬化性)が悪い、という問題があった。また、貯蔵中に混入した水分により変成シリコーン樹脂が反応して増粘する、等の問題もあった。
二液混合反応型であるウレタン系接着剤では、柔軟な皮膜が得られにくい、混入した湿気とイソシアネート基との反応による発泡によって皮膜強度が低下する、貯蔵中に混入した水分によりイソシアネート化合物が反応して増粘する、等の問題があった。
SGA系接着剤ではそのような問題はないものの、独特の臭気がある、等の問題を抱えていた。そこで、これら従来型の接着剤に替わる新たな硬化機構を有する接着剤が求められていた。
また、分子末端に環状カーボネート基を有する化合物が提案されている(特許文献4)。しかしながら、これらの提案では環状カーボネート化合物をポリウレタンの原料として使用されているにすぎなかった。
特開平9−279047号公報 特開平10−110155号公報 特開2003−212914号公報 US Patent 3072613号
すなわち、本発明は、従来型接着剤の諸問題を解決するためになされたものであって、貯蔵時に湿気の影響を受けないため、湿分管理の必要がなく、大面積の非多孔質材料同士を貼り合わせた際も良好な内部硬化性を示し、臭気の問題のない、接着性に優れた硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定の化学構造・硬化機構を有する硬化性樹脂組成物を見出した。さらに、これらの硬化性樹脂組成物から得られた硬化皮膜が強靱且つ柔軟であり、さらに接着性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第1の発明は、
分子内に下記一般式(1)で示される数平均分子量1000〜20000のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物から合成されるウレタンプレポリマーとグリセリンカーボネートとの反応により合成される二つ以上の五員環カーボネート基及びウレタン結合を有する化合物(A)と、分子内に二つ以上のエポキシ基を有する化合物(B)と、分子内に二つ以上の第一級アミノ基を有する化合物(C)とからなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
一般式(1):
(ただし、式中のRはCH であり、Yは数平均分子量1000〜20000のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物から合成されるウレタンプレポリマー残基を表し、nは2以上の整数である。)
また、第の発明は、化合物(A)の残基Yが、オキシエチレン基(−OCHCH−)を繰り返し構成単位として含有することを特徴とする、第の発明に係る硬化性樹脂組成物、に関するものである。
また、第の発明は、化合物(B)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、且つ、その分子量が300〜700であることを特徴とする、第1又は2のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物、に関するものである。
また、第の発明は、第1〜のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物からなる室温硬化性接着剤組成物、に関するものである。

本発明に係る硬化性樹脂組成物及び室温硬化性接着剤組成物は、分子内に上記一般式(1)で示される数平均分子量1000〜20000のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物から合成されるウレタンプレポリマーとグリセリンカーボネートとの反応により合成される二つ以上の五員環カーボネート基及びウレタン結合を有する化合物(A)と、分子内に二つ以上のエポキシ基を有する化合物(B)と、二つ以上の第一級アミノ基を分子内に有する化合物(C)の3成分からなる(以下、単にそれぞれを「化合物(A)」「化合物(B)」「化合物(C)」と表記することがある)。
すなわち、化合物(A)と化合物(C)とが反応することによって、極性基であるウレタン結合及び水酸基が生成する。これによって、各種プラスチック類等への密着性・接着性が確保されると考えられる。一方で、化合物(B)と化合物(C)との反応は従来知られているエポキシ樹脂の硬化機構と同様であり、これによって得られる硬化皮膜の強靱性が向上する。また、この効果は、化合物(A)として、さらにその分子内にウレタン結合を有するものを用いることによって、接着性がさらに向上する(第1の発明)。
また、化合物(A)の主鎖骨格(すなわち残基Y)がポリオキシアルキレンであることによって、得られる硬化皮膜の柔軟性が向上するためさらに接着性が向上する。また、化合物(A)の残基Yがオキシエチレン基(−OCHCH−)を繰り返し構成単位として含有することによって、アクリル系被着材等への接着性が大幅に向上する。(第の発明)。
また、化合物(B)がビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であって、且つ、その分子量が300〜700であることによって、得られる硬化皮膜の強靱性が大幅に向上する(第の発明)。
また、第1〜の発明に係る硬化性樹脂組成物からなる室温硬化性接着剤組成物は、貯蔵時に湿気の影響を受けないため、湿分管理の必要がなく、大面積の非多孔質材料同士を貼り合わせた際も内部硬化や臭気の問題のない、接着性に優れた、従来に無い特長を有する無溶剤型接着剤を得ることができる(第の発明)。
[化合物(A)について]
本発明における、環状五員環カーボネート結合を有する化合物(A)は、ジオールとホスゲンとの反応によるもの(参考文献、B.M.Trost and D.M.T.Chan., 48, 3346 (1983)他)、オキシランとβラクトンとの反応(T.Nishikubo, T.Iizuka, M.Iida and N.Isobe, Tetrahedron Lett., 27. 3741
(1986))、オキシランと二酸化炭素による反応(W.J.Peppel, Ind. Eng. Chem., 50,
767 (1958)、Nobuhiro Kihara and Takeshi Endo, Macromolecules.,
25, 4824 (1993))などによって合成できる。
また、本発明における、化合物(A)のうち、上記一般式(2)で示される、分子内にウレタン結合及び五員環カーボネート基を有するものは、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)とグリセリンカーボネート(a2)との反応により、合成することもできる。
[イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)について]
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(a1)は、ポリオール化合物(i)とポリイソシアネート化合物(ii)から従来公知の定法により合成することができる。
[ポリオール化合物(i)について]
ポリオール化合物(i)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール等の従来公知のポリオール化合物が例示される。これらポリオールは、一種単独を用いてもよく、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
さらに具体的に説明すれば、ポリエーテルポリオールとしては、数平均分子量500〜30,000のものが好ましく、1,000〜20,000のものが特に好ましい。また、官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが好ましく、その具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン等の単独重合体並びにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド及びテトラヒドロフランよりなる群から選ばれた2種以上のモノエポキシドを開環共重合させてなる共重合体が挙げられる。特に、官能基数が2〜6のポリオキシプロピレンポリオールが好ましく、その具体例としては、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールの上市品としては、旭電化工業株式会社製のP−2000、P−3000、旭硝子株式会社製のPML−3005、PML−3010、PML−3012、PML−4002、PML−4012、PML−4015、PML−5005、住化バイエルウレタン株式会社製のスミフェン(Sumiphen)3600、スミフェン3700、SBU−Polyol0319(以上、いずれも商品名)が例示される。
ポリエステルポリオールとしては、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボン酸類の一種又は二種以上と、ジオール類の一種又は二種以上とを重縮合して得られる重合体、ε−カプロラクタム、バレロラクトン等を開環重合させてなる開環重合物、活性水素を2個以上有するひまし油等の活性水素化合物が例示される。通常、分子量50〜25,000のものが用いられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、エチレン・α−オレフィン骨格を有するポリオール、ポリイソブチレン骨格を有するポリオールが例示される。
この他、ポリオール化合物(i)の主鎖骨格は、アクリル骨格を有するポリオール化合物、フッ素原子、珪素原子、硫黄原子又はロジン骨格を有する有機基を含有するポリオール化合物、ジエン系モノマーを重合して得られるポリブタジエン骨格などを有するポリオール化合物が挙げられ、使用目的や求める性能に応じて、適宜のポリオール化合物を用いればよい。
以上例示したポリオール化合物の中でも、化合物(A)の主鎖骨格(すなわち残基X又はY)としては、ポリオキシアルキレンであることが、得られる硬化皮膜の柔軟性が向上させ、さらに接着性が向上するため、好ましい。さらに、ポリエチレンオキサイド、すなわち、エチレンオキサイドの開環重合体(具体的には、オキシエチレン基(−OCHCH−))をその繰り返し構成単位として含有するものであることによって、アクリル系被着材等への接着性が大幅に向上するため、特に好ましい。
また、化合物(A)の主鎖骨格(すなわち残基X又はY)の分子量が500以上となるようなポリオール化合物(i)を選択することが、これらの効果をさらに明確するのでさらに好ましい。
[ポリイソシアネート化合物(ii)について]
ポリイソシアネート化合物(ii)としては、分子内に複数のイソシアネート基を有する従来公知のポリイソシアネート化合物、すなわち、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物、テトライソシアネート化合物が代表的なものとして挙げられる。
さらに具体的に例示すれば、ジイソシアネート化合物としては、次に示す脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物が例示される。
<脂肪族ジイソシアネート化合物>
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート
<脂環式ジイソシアネート化合物>
1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート
<芳香脂肪族ジイソシアネート化合物>
1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−/1,4−キシリレンジイソシアネート(混成体)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−/1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン(混成体)
<芳香族ジイソシアネート化合物>
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート
トリイソシアネート化合物又はテトライソシアネート化合物としては、次に示す脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物が例示される。
<脂肪族ポリイソシアネート化合物>
リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン
<脂環式ポリイソシアネート化合物>
1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、3−イソシアネート−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ [2,2,1] ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ [2,2,1] ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ [2,2,1] ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ [2,2,1] ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン
<芳香族ポリイソシアネート化合物>
トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート
[化合物(B)について]
本発明における、分子内にエポキシ基を有する化合物(B)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アミンをエポキシ化したエポキシ樹脂、複素環を有するエポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、また3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等の一分子中に一個以上のオキシラン環と一個以上のアルコキシシリル基を含有する化合物、等の従来公知のエポキシ基含有化合物が挙げられる。
これらの中でも、得られる硬化皮膜の強靱性が大幅に向上することから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であって、その分子量が300〜700であることが、特に好ましい。
化合物(B)の配合量は、化合物(A)100質量部に対して、1〜200質量部が好ましく、2〜100質量部が特に好ましい。化合物(B)の配合量が、200質量部を超えるとプラスチック等に対する接着性が大きく低下する。
[化合物(C)について]
本発明における、第一級アミノ基を分子内に有する化合物(C)としては、従来公知のアミノ基を有する化合物を使用することができる。これらを例示すれば、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、2−ブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アミルアミン、3−ペンチルアミン、イソアミルアミン、2−オクチルアミン等の脂肪族アミン類;3−メトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン等のアルコキシアルキルアミン類;ロジンアミン、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ペンタエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,9−ジアミノノナン、ノルボルナンジアミン、イソフォロンジアミン、ATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)、CTUグアナミン、ドデカン酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、式 HN(CNH)H(n≧5)で表わされる化合物(商品名:ポリエイト、東ソー株式会社製)、サンテクノジャパン株式会社製のジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000(以上、いずれも商品名)等の分子末端に第1級アミノ基を有するポリオキシプロピレン等の分子内に複数のアミノ基を有するポリアミン化合物等が挙げられる。
化合物(C)は、化合物(A)及び化合物(B)と反応し、最終硬化物を与えるものである。化合物(C)は、所望の硬化皮膜物性を得るために適宜選択すればよく、さらにこれらは1種又は2種以上使用してもよい。
化合物(C)の配合量は、化合物(A)100質量部に対して、0.2〜100質量部が好ましく、0.5〜50質量部が特に好ましい。化合物(C)の配合量が、100質量部を超えると化合物(C)がブリードアウトする等の不具合が発生する場合がある。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、上記化合物(A)中のカーボネート基及び/又は上記化合物(B)中のエポキシ基と、上記化合物(C)中のアミノ基が結合することにより硬化する。すなわち、本発明に係る硬化性樹脂組成物の硬化物は、化合物(A)と化合物(C)との反応生成物で形成されるネットワーク(NA)、及び、化合物(B)と化合物(C)との反応生成物で形成されるネットワーク(NB)が相互に入り組んだ高次構造を取っていると推察される。さらには、例えば下記一般式(3)で示されるように、化合物(A)及び化合物(B)が化合物(C)によって連結されることにより、上記ネットワーク(NA)と上記ネットワーク(NB)が架橋されていると推察される。このような理由から、本発明における硬化性樹脂組成物が硬化後に非常に強靱な硬化物を形成するものと考えられる。
本発明は、このような従来に類を見ない硬化機構並びに硬化性樹脂組成物(いわば「ウレタン・エポキシ・ハイブリッド」と呼ぶべき硬化機構並びに硬化性樹脂組成物)によるものであると、認識されるべきである。
一般式(3):
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、例えば、接着剤、シーラント、塗料などの用途に好適に用いられるが、これらの用途に用いる場合は、さらに硬化触媒、充填材、可塑剤、各種添加剤、溶剤、脱水剤などを、要求される性能に応じて配合することが好ましい。特に、シランカップリング剤を触媒とともに配合することが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[化合物(A)の調製]
(合成例1)
数平均分子量5,000のポリエーテルポリオール(商品名;PR5007、旭電化工業株式会社製、オキシプロピレン/オキシエチレン質量比(以下「PO/EO」と表記する)=3/7) 35質量部、平均分子量4,000のポリエーテルポリオール(商品名;P−28、三井化学ポリウレタン株式会社製、PO/EO=100/0) 700質量部、及びイソホロンジイソシアネート(商品名;デスモジュールI、住化バイエルウレタン株式会社製) 83質量部を窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、ポリオール化合物に対して10ppmのスズ触媒の存在下90℃で5時間反応させた。その後グリセリンカーボネート(宇部興産株式会社製) 50質量部を加え同温度でさらに3時間反応させた。反応後IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される吸収(2265cm−1)は観察されなかった。得られた樹脂を以下では「化合物(A1)」と称する。
(合成例2)
数平均分子量10,000のポリエーテルポリオール(商品名;PML S4012、旭硝子ウレタン株式会社製、PO/EO=100/0) 500質量部及びイソホロンジイソシアネート(商品名;デスモジュールI、住化バイエルウレタン株式会社製) 22質量部を窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、ポリオール化合物に対して10ppmのスズ触媒の存在下90℃で5時間反応させた。その後グリセリンカーボネート(宇部興産株式会社製) 12質量部を加え同温度でさらに3時間反応させた。反応後IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される吸収(2265cm−1)は観察されなかった。得られた樹脂を以下では「化合物(A2)」と称する。
(合成例3)
化合物(A)と比較実験するために、合成例1においてグリセリンカーボネートを加えない以外は同様に実験を行い、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーを得た。得られた樹脂を以下では「化合物(U)」と称する。
[硬化性樹脂組成物の調製]
(実施例1)
合成例1で合成した化合物(A1) 100質量部及びエピコート828(ジャパンエポキシレジン株式会社製/化合物(B)) 30質量部を混合し、これを「主剤1」とした。一方、「硬化剤1」としてノルボルナンジアミン(三井化学株式会社製)を用意した。
(実施例2)
合成例1で合成した化合物(A1) 100質量部及びエピコート828(ジャパンエポキシレジン株式会社製/化合物(B)) 50質量部を混合し、これを「主剤2」とした。一方、「硬化剤1」としてノルボルナンジアミン(三井化学株式会社製)を用意した。
[貯蔵安定性の評価]
化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(U)、主剤1〜について、500mlガラス瓶に、上部空間を窒素置換せずにこれらを充填し、室温で1ヶ月間放置し、製造直後と1ヶ月貯蔵後の粘度変化を調べた。その結果を表1に示す。


[表1]
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化合物/主剤 A1 A2 U 主剤1 主剤2
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製造直後粘度 60 80 9 43 31
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貯蔵後粘度 61 82 表面皮張り 45 33
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* 単位 : Pa・s
表1に示されるように、本発明に係る化合物及びそれを配合した硬化性樹脂組成物は貯蔵時に湿気の影響を受けず、良好な貯蔵安定性を示した。
[接着強さの測定]
実施例1で得られた「主剤1」10gと「硬化剤1」1.5gを混合し、アサダ材とステンレス板、アクリル板同士、ABS板同士を各々貼り合わせ、23℃、相対湿度50%で7日間養生した後、JIS K 6850に準拠して、引張りせん断接着強さを測定した。
また、実施例2で得られた「主剤2」10gと「硬化剤1」2.0gを混合し、同様に引張りせん断接着強さを測定した。その結果を表2に示す。
[表2]
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実施例1 実施例2
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アサダ/ステンレス 1.2 1.7
(接着剤層凝集破壊) (接着剤層凝集破壊)
────────────────────────────────────────
アクリル/アクリル 1.3 1.7
(接着剤層凝集破壊) (接着剤層凝集破壊)
────────────────────────────────────────
ABS/ABS 1.3 1.8
(接着剤層凝集破壊) (接着剤層凝集破壊)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
* 単位 : N/mm
表1に示されるように、本発明に係る硬化性樹脂組成物からなる室温硬化性接着剤組成物は、各種の被着材に対して良好な接着性を示した。
本発明に係る硬化性樹脂組成物及び該硬化性樹脂組成物からなる接着剤組成物は、貯蔵時に湿気の影響を受けず、大面積の非多孔質材料同士を貼り合わせた際も良好な内部硬化性を示し、臭気の問題もなく、各種被着材に対して優れた接着性を示すので、例えば、接着剤、シーラント、塗料、コーティング材、目止め材、注型材、被覆材等として用いることができる。

Claims (4)

  1. 分子内に下記一般式(1)で示される数平均分子量1000〜20000のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物から合成されるウレタンプレポリマーとグリセリンカーボネートとの反応により合成される二つ以上の五員環カーボネート基及びウレタン結合を有する化合物(A)と、分子内に二つ以上のエポキシ基を有する化合物(B)と、分子内に二つ以上の第一級アミノ基を有する化合物(C)とからなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    一般式(1):
    (ただし、式中のRはCH であり、Yは数平均分子量1000〜20000のポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物から合成されるウレタンプレポリマー残基を表し、nは2以上の整数である。)
  2. 化合物(A)の残基Yが、オキシエチレン基(−OCHCH−)を繰り返し構成単位として含有することを特徴とする、請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 化合物(B)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、且つ、その分子量が300〜700であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなる室温硬化性接着剤組成物。
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