JP3214642B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
硬化性エポキシ樹脂組成物Info
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- JP3214642B2 JP3214642B2 JP21478293A JP21478293A JP3214642B2 JP 3214642 B2 JP3214642 B2 JP 3214642B2 JP 21478293 A JP21478293 A JP 21478293A JP 21478293 A JP21478293 A JP 21478293A JP 3214642 B2 JP3214642 B2 JP 3214642B2
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Description
トと特定の塩素含有化合物と特定のジオール含有化合物
と硬化剤を含む、高湿度下硬化性の良い新規硬化性エポ
キシ樹脂組成物に関する。
電気的特性、化学的特性、接着性から塗料、電気材料、
コンポジット、接着剤などの分野で広く使用されてい
る。しかしながら、エポキシ樹脂の常温における粘度は
液状の物で数千センチポアズ〜1万数千センチポアズと
高いため、使用に際しては適当な希釈剤を用いて所望の
粘度まで希釈されることが多い。
剤で硬化させる際に反応して硬化組成物に組み込まれる
反応性希釈剤と、反応しない非反応性希釈剤とがある。
非反応性希釈剤は硬化物に残存して物性を低下させた
り、加熱硬化の際にボイドを発生する問題があり、その
使用は塗料などの用途に限られている。一方、反応性希
釈剤はそのような問題がないため、優れた硬化物性が要
求される用途に広く用いられている。
方法で希釈剤で希釈し、用途に応じて炭酸カルシウムや
酸化ケイ素粉末のようなフイラーあるいは顔料を混ぜて
塗料とし、金属面やコンクリート面に塗布する防食塗料
の分野においては、従来のエポキシ樹脂硬化性組成物を
用いると、水槽内部や海洋構築物に塗装するように高湿
下で塗装乾燥する場合に塗装面の光沢が悪く、かぶりと
呼ばれる白化現象が見られるという問題があり、適用範
囲に著しい制約があった。
れる場合に、低温によりエポキシ樹脂から結晶が生じて
使用不能となるという問題があった。すなわち、高湿度
下でも光沢のある強靱な塗膜を形成でき、かつ低温下で
の保存に耐えるような硬化性エポキシ樹脂は従来なく、
当業者ではそのようなエポキシ樹脂組成物が要望されて
いた。本発明の目的は、上述のような課題を満たす硬化
性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
達成すべく鋭意検討した結果、特定のエポキシ当量を有
するエポキシ樹脂(a)と、アルキレンカーボネート
(b)と特定の塩素含有化合物(c) と特定のジオ−ル含有
化合物(d) とマンニッヒ塩基型メタキシレンジアミン硬
化剤(e) とをブレンドすることにより、高湿下でも光沢
のある強靱な塗膜を形成でき、かつ低温下での耐保存性
の良い硬化性エポキシ樹脂組成物を提供できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
アルキレン−1,2−カーボネート(b)と、下記式
(1)から選ばれる1種又は2種以上の塩素化合物
(c)と、下記式(2)から選ばれる1種又は2種以上
のジオール化合物(d)と、マンニッヒ塩基型メタキシ
レンジアミン硬化剤(e)とを含むことを特徴とする、
硬化性エポキシ樹脂組成物。 式(1) :
はハロゲン又は炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数
たせハロゲンまたは炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数
エポキシ樹脂(a)としては、例えばビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェ
ノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチ
ルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールA
D、テトラメチルビスフェノールS、ビフェノール、ジ
ヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシノール
などの2価フェノール類とエピクロロヒドリンの反応に
よって得られるエポキシ樹脂;トリスフェノールメタ
ン、ベンゼントリオールなどの3価フェノール類とエピ
クロロヒドリンの反応によって得られるエポキシ樹脂;
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂
などの多価フェノール類とエピクロロヒドリンとの反応
によって得られるエポキシ樹脂などがある。
ロロヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂が好ま
しく、特に好ましくはエポキシ当量が100から400
g/eqの比較的低重合度からなるエポキシ樹脂であ
り、このようなエポキシ樹脂として、エポキシ当量が1
70から200g/eqのビスフェノールA型エポキシ
樹脂がある。
(b)(単に、アルキレンカーボネートと略称する)と
しては、1個の1,2−カーボネート基を含む環状カー
ボネート類がある。好ましいアルキレン鎖は2〜10個
の炭素原子を含み、そのアルキレン鎖は直鎖でも分岐し
ていてもよい。
ンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,
3−ブチレンカーボネート、1,2−ヘキシレンカーボ
ネート、1,2−ヘプチレンカーボネートが挙げられる
が、特に好ましいアルキレンカーボネートはエチレンカ
ーボネート、およびプロピレンカーボネートである。
ーボネートの量は、エポキシ樹脂の粘度を使用条件に応
じた使い易い粘度にするに足る量で、かつ硬化物の物性
に実質的に好ましくない影響を与えない量である。一般
的に、アルキレンカーボネートを添加することで粘度を
低減させるには、エポキシ樹脂100重量部に対して少
なくとも1重量部のアルキレンカーボネートが必要であ
る。一方、添加量を一定量以上にすると架橋密度が低く
なるため硬化物性の低下をきたすが、その量は一般にエ
ポキシ樹脂100重量部に対して80重量部である。塗
料用途では通常希釈後の粘度は常温でおよそ1,000
cpsが望ましいので樹脂100重量部に対しアルキレ
ンカーボネートが約10〜50重量部、特に10〜30
重量部が望ましい。
に示す多価フェノール化合物の誘導体であり、式中Rは
アルキル基または水素原子を示す。エポキシ樹脂の粘度
を下げるという趣旨からその中でもRがメチル基または
水素原子のものが好ましい。式(1) :
はハロゲン又は炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数
−クロル−2−ヒドロキシプロピル基を示す。XとYと
がどちらも1−クロル−2−ヒドロキシプロピル基の化
合物群も含まれる。もちろんXとYとが異なる化合物群
と同じ化合物群との両方を使用することも含まれ、その
両者の比率に制限はない。nは繰返数で整数を示してい
るが、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げるという趣旨か
ら、その中でもn=0,1,2のものが好ましく、特に
n=0のものが好ましい。
(4′−グリシジルオキシフェニル)(4″−(2″′
−ヒドロキシ−3″′−クロロプロピルオキシ)フェニ
ル)プロパン、1,1−(4′−グリシジルオキシフェ
ニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロロ
プロピル)オキシフェニル)エタン、(4′−グリシジ
ルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−
3″′−クロロプロピルオキシ)フェニル)メタン、
グリシジルオキシフェニル)(3″,5″−ジブロモフ
ェニル−4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロロ
プロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(4′−
(2″−ヒドロキシ−3″−クロロプロピルオキシ)フ
ェニル)プロパン、1,1−ビス(4′−(2″−ヒド
ロキシ−3″−クロロプロピルオキシ)フェニル)エタ
ン、ビス(4′−(2″−ヒドロキシ−3″−クロロプ
ロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス
(3′,5′−ジブロモ−4′−(2′−ヒドロキシ−
3″−クロロプロピルオキシ)フェニル)プロパン、
ロロプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2′−ヒ
ドロキシ−3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼン、
1,2−ジ(2′−ヒドロキシ−3′−クロロプロピル
オキシ)ベンゼン、1−グリシジルオキシ−2−(2′
−ヒドロキシ−3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼ
ン、1−グリシジルオキシ−3−(2′−ヒドロキシ−
3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼン、1−グリシジ
ルオキシ−4−(2′−ヒドロキシ−3′−クロロプロ
ピルオキシ)ベンゼン、
3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼン、1,2,4−
トリ(2′−ヒドロキシ−3′−クロロプロピルオキ
シ)ベンゼン、1−グリシジルオキシ−3,5−ジ
(2′−ヒドロキシ−3′−クロロプロピルオキシ)ベ
ンゼン、1−グリシジルオキシ−2,4−ジ(2′−ヒ
ドロキシ−3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼン、
1,3−グリシジルオキシ−5−(2′−ヒドロキシ−
3′−クロロプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−グリ
シジルオキシ−4−(2′−ヒドロキシ−3′−クロロ
プロピルオキシ)ベンゼン、
ロロプロピルオキシ)フェニル)メタン、トリ(3−
(2′−ヒドロキシ−3′−クロロプロピルオキシ)フ
ェニル)メタン、トリ(2−(2′−ヒドロキシ−3′
−クロロプロピルオキシ)フェニル)メタン、
ロプロピルオキシ)フェニル)(4′−グリシジルオキ
シフェニル)メタン、ジ(4′−グリシジルオキシフェ
ニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロロ
プロピルオキシ)フェニル)メタン、ジ(2−グリシジ
ルオキシフェニル)(2′−(2″−ヒドロキシ−3″
−クロロプロピルオキシ)フェニル)メタン、ジ(2−
(2″−ヒドロキシ−3″−クロロプロピルオキシ)フ
ェニル)(2′−グリシジルオキシフェニル)メタン、
ジ(4′−(2″−ヒドロキシ−3″−クロロプロピル
オキシ)フェニル)(2′−グリシジルオキシフェニ
ル)メタン、ジ(2′−(2″′−ヒドロキシ−3″′
−クロロプロピルオキシ)フェニル)(4″−グリシジ
ルオキシフェニル)メタン、
クロロプロピルオキシ)−3′−メチルフェニル)メタ
ン、ビス(3′−メチル−4′−ヒドロキシ−3″−ク
ロロプロピルオキシ)フェニル)メタン、(2′−
(2″−ヒドロキシ−3″−クロロプロピルオキシ)−
3′−メチルフェニル)(3″−メチル−4″−
(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロロプロピルオキ
シ)−フェニル)メタン、(2′−グリシジルオキシ−
3′−メチルフェニル)(2″−(2″′−ヒドロキシ
−3″′−クロロプロピルオキシ)−3″−メチルフェ
ニル)メタン、(3′−メチル−4′−グリシジルオキ
シフェニル)(3″−メチル−4″−(2″′−ヒドロ
キシ−3″′−クロロプロピルオキシ)−フェニル)メ
タンがあり、
キシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′
−クロロプロピルオキシ)フェニル)プロパン、(4′
−グリシジルオキシフェニル)(4″−(2″−ヒドロ
キシ−3″−クロロプロピルオキシ)フェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4′(2″−ヒドロキシ−3″−ク
ロロプロピルオキシ)フェニル)プロパンが特に好まし
い。
の塩素原子の重量が、エポキシ樹脂とアルキレンカーボ
ネートを合計した重量に対して少なくとも50ppm以
上になるよう添加される。その塩素原子の重量が、50
ppm未満ではこの組成物を低温で保存した場合にエポ
キシ樹脂に由来する結晶が析出する問題が生じる。一
方、50,000ppmを越えると硬化物性に良くない
影響を及ぼす。そのため、好ましくは100ppmから
5000ppm、特に好ましくは200ppmから1,
000ppmになるように添加するのが望ましい。
す多価フェノール化合物の誘導体である。式(2) :
たせハロゲンまたは炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数
素原子を示す。エポキシ樹脂の粘度を下げるという趣旨
から、その中でもRがメチル基または水素原子のものが
好ましい。Yはグリシジル基、Xは1,2−ジヒドロキ
シプロピル基を示す。XとYとがどちらも1,2−ジヒ
ドロキシプロピル基の化合物群も含まれる。もちろんX
とYとが異なる化合物群と同じ化合物群との両方を使用
することも含まれ、その両者の比率に制限はない。nは
繰返数で整数を示しているが、エポキシ樹脂組成物の粘
度を下げるという趣旨からその中でもn=0,1,2の
ものが好ましく、特にn=0のものが好ましい。
(4′−グリシジルオキシフェニル)(4″−
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)プロパン、1,1−(4′−グリシジルオキシフ
ェニル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロ
ピルオキシ)フェニル)エタン、(4′−グリシジルオ
キシフェニル)(4″−(2″′,3″′ジヒドロキシ
プロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2−(3′,
5′−ジブロモ−4′−グリシジルオキシフェニル)
(3″,5″−ジブロモ−4″−(2″′−3″′−ジ
ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)プロパン、2,
2−ビス(4′−(2″,3″′−ジヒドロキシ−3″
−クロロプロピルオキシ)フェニル)プロパン、
ドロキシプロピルオキシ)フェニル)エタン、ビス
(4′−(2″−3″−ジヒドロキシプロピルオキシ)
フェニル)メタン、2,2−ビス(3′,5′−ジブロ
モ−(2″−3″−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)プロパン、
ロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2′,3′−ジ
ヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ジ
(2′,3′−ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼ
ン、1−グリシジルオキシ−2−(2′,3′−ジヒド
ロキシプロピルオキシ)ベンゼン、1−グリシジルオキ
シ−3−(2′,3′−ジヒドロキシプロピルオキシ)
ベンゼン、1−グリシジルオキシ−4−(2′,3′−
ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン、
キシプロピルオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリ
(2′,3′−ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼ
ン、1−グリシジルオキシ−3,5−ジ(2′,3′−
ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン、1−グリシジ
ルオキシ−2,4−ジ(2′,3′−ジヒドロキシプロ
ピルオキシ)ベンゼン、1,3−ジグリシジルオキシ−
5−(2′,3′−ジヒドロキシプロピルオキシ)ベン
ゼン、1,3−ジグリシジルオキシ−4−(2′,3′
−ジヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン、トリ(4′
−(2″,3″−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニ
ル)メタン、
プロピルオキシ)フェニル)メタン、トリ(2′−
(2″,3″−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニ
ル)メタン、ジ(4′−(2″′,3″′−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)フェニル)(4″−グリシジルオキ
シフェニル)メタン、ジ(4′−グリシジルオキシフェ
ニル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピ
ルオキシ)フェニル)メタン、ジ(2′−グリシジルオ
キシフェニル)(2″−(2″′,3″′−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)フェニル)メタン、ジ(2′−
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)(2″−グリシジルオキシフェニル)メタン、ジ
(2′−グリシジルオキシフェニル)(4″−
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)メタン、(2′−(2″″,3″″−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)フェニル)(2″−(2″″,
3″″−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)
(4″′−グリシジルオキシフェニル)メタン、
プロピルオキシ)−3′−メチルフェニル)メタン、ビ
ス(3′−メチル−4′−(2″,3″−ジヒドロキシ
プロピルオキシ)フェニル)メタン、(2′−(2″,
3″−ジヒドロキシプロピルオキシ)−3′−メチルフ
ェニル)(3″−メチル−4″−(2″′,3″′−ジ
ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、
フェニル)(2″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプ
ロピルオキシ)−3″−メチルフェニル)メタン、
(3′−メチル−4′−グリシジルオキシフェニル)
(3″−メチル−4″−(2″′,3″′−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)−フェニル)メタンがあり、
キシフェニル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキ
シプロピルオキシ)フェニル)プロパン、(4′−グリ
シジルオキシフェニル)(4″−(2″′,3″′−ジ
ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2
−ビス(4′−(2″,3″−ジヒドロキシプロピルオ
キシ)フェニル)プロパンが特に好ましい。
(d)は、そのジオール基の当量がエポキシ樹脂とアル
キレンカーボネートを合計した重量に対して少なくとも
16meq/kg以上になるよう添加される。16me
q/kg未満ではこの組成物を低温で保存した場合にエ
ポキシ樹脂に由来する結晶が析出する問題が生じる。一
方、200meq/kgを越えると硬化物性に良くない
影響を及ぼす。そのため、好ましくは30〜120me
q/kg、特に好ましくは40〜100meq/kgに
なるように添加するのが望ましい。
成物は、使用するのに適切な粘度を有し、低温での保存
に耐える。さらに以上のようにして配合したエポキシ樹
脂と硬化剤(e)から硬化性組成物を得ることができ
る。
マンニッヒ塩基型メタキシレンジアミン硬化剤を使用す
ることが望ましい。もちろん、周知の硬化剤、例えばポ
リアミン系、酸無水物系、ルイス酸系又は、ルイス塩基
系硬化剤なども使用できる。
に応じて適宜決定されるが、エポキシ樹脂組成物に含ま
れるエポキシ基とカーボネート基に対して0.5〜2.
0までの範囲のアミン水素、あるいは酸無水物基となる
ような量の硬化剤を用いる。ルイス酸系の場合はそれ以
下の量で硬化させることができる。硬化性組成物を得る
方法としては必ずしも上記の順に配合する必要はなく、
(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の各成分を任
意の順番で混合することによって得られる。
どの添加剤を加える。充填剤としては、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、シリカ、溶融石英、アルミナ、水和ア
ルミナ、タルク、マイカ等が使用できる。顔料として
は、酸化クロム、酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄等が使用できる。可塑剤としては、エポキシ化カダノ
ール、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールA樹脂の重合脂肪酸付
加物、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ポリオール、
ポリサルファイド、重合脂肪酸などがある。硬化条件は
使用する硬化剤の種類、使用目的によって変わるが、0
℃から200℃の温度で硬化させることができる。
が、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1)ビスフェノールAジグリシジルエーテル型
液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、25℃におけ
る粘度13800cps)850gにプロピレンカーボ
ネート150gと2,2−(4′−グリシジルオキシフ
ェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロ
ルプロピルオキシフェニル)プロパン5.2gと2,2
−(4′−グリシジルオキシフェニル)(4″−
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)プロパン14.6gを添加し、常温でよく攪拌し
てエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物
につき表1のような性状評価を行った。更に第1表に示
す配合にしたがって充填剤、顔料を加え、3本ロールに
て混練して得た樹脂組成物に、硬化剤としてマンニッヒ
塩基型メタキシレンジアミン(旭電化(株)製 EH2
20)を加えて攪拌しドクターブレードを用いてブリキ
板上に塗布した。その後相対湿度100%気温25℃の
条件下で7日間硬化させ、表面の状態を目視と指触で観
察し、光沢、ベタつき、かぶりについて評価した。硬度
については上記の硬化性組成物を塗膜厚8mmに注型し
た板を同条件下で硬化させ、7日目の硬度を測定した。
する2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピ
ルオキシ)フェニル)プロパンの量をそれぞれ表1に示
す量に変更した以外は実施例1と同様の方法で硬化性エ
ポキシ樹脂組成物を形成し、実施例1と同様の評価を行
った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)770gにプ
ロピレンカーボネート230gと2,2−(4′−グリ
シジルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ
−3″′−クロルプロピルオキシフェニル)プロパン
5.2gと2,2−(4′−グリシジルオキシフェニ
ル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピル
オキシ)フェニル)プロパン15.0gを添加し、常温
でよく攪拌してエポキシ樹脂組成物を得た。硬化性組成
物の調製及び評価は実施例1と同様に行った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)909gにプ
ロピレンカーボネート91gと2,2−(4′−グリシ
ジルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ−
3″′−クロルプロピルオキシフェニル)プロパン5.
2gと2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキ
シ)フェニル)プロパン14.3gを添加し、常温でよ
く攪拌してエポキシ樹脂組成物を得た。硬化性組成物の
調製及び評価は実施例1と同様に行った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)550gにプ
ロピレンカーボネート450gと2,2−(4′−グリ
シジルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ
−3″′−クロルプロピルオキシフェニル)プロパン
5.2gと2,2−(4′−グリシジルオキシフェニ
ル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピル
オキシ)フェニル)プロパン15.9gを添加し、常温
でよく攪拌してエポキシ樹脂組成物を得た。硬化性組成
物の調製及び評価は実施例1と同様に行った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)1000gに
2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)(4″−
(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピルオキシ
フェニル)プロパン5.1gと2,2−(4′−グリシ
ジルオキシフェニル)(4″−(2″′,3″′−ジヒ
ドロキシプロピルオキシ)フェニル)プロパン13.9
gを添加し、常温でよく攪拌してエポキシ樹脂組成物を
得た。硬化性組成物の調製及び評価は実施例1と同様に
行った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)850gにプ
ロピレンカーボネート150gと2,2−(4′−グリ
シジルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキシ
−3″′−クロルプロピルオキシ)フェニル)プロパン
5.1gを添加し、常温でよく攪拌してエポキシ樹脂組
成物を得た。硬化性組成物の調整及び評価は実施例1と
同様に行った。
樹脂(エポキシ当量189、25℃における粘度13,
800cps)850gにプロピレンカーボネート15
0gと2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピ
ルオキシ)フェニル)プロパン5.7gと2,2−
(4′−グリシジルオキシ)フェニル)(4″−
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)プロパン117gを添加し、常温でよく攪拌して
エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物に
つき表1のような性状評価を行った。硬化性組成物の調
整及び評価は実施例1と同様に行った。
ルエーテル型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量189、
25℃における粘度13,800cps)900gにブ
チルグリシジルエーテル100gと2,2−(4′−グ
リシジルオキシフェニル)(4″−(2″′−ヒドロキ
シ−3″′−クロルプロピルオキシ)フェニル)プロパ
ン5.2gと2,2−(4′−グリシジルオキシフェニ
ル)(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピル
オキシ)フェニル)プロパン14.6gを添加し、常温
でよく攪拌してエポキシ樹脂組成物を得た。硬化性組成
物の調整及び評価は実施例1と同様に行った。それらの
結果を下記表1〜4に示す。
(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピ
ルオキシ)フェニル)プロパン *3;2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキ
シ)フェニル)プロパン *4;加水分解性塩素の測定は、試料をトルエンに溶解
し、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加して15
分間還流させ、生成した食塩を硝酸銀滴定した。
ルムに溶解し、過沃素酸をジオール基に反応させ、未反
応の過沃素酸を沃化カリで還元し、生じた沃素をチオ硫
酸ソーダ標準溶液で測定した。 *6;低温保存性試験は樹脂20gに炭酸カルシウム2
0gとエタノール2gを加え、10℃で保存し、流動性
が無くなる日数を記録した。 *7;ゲルタイムの測定はTECAMゲルタイマーを用
いて行った。 *11;プロピレンカーボネートの替わりにブチルグリ
シジルエーテルを使用した。
いて行った。 *8;硬化物性の測定はJIS K6911に準拠し
た。 *10;旭電化(株)製 EH220を使用した。
(4″−(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピ
ルオキシ)フェニル)プロパン *3;2,2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
(4″−(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキ
シ)フェニル)プロパン *4;加水分解性塩素の測定は、試料をトルエンに溶解
し、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加して15
分間還流させ、生成した食塩を硝酸銀滴定した。
ルムに溶解し、過沃素酸をジオール基に反応させ、未反
応の過沃素酸を沃化カリで還元し、生じた沃素をチオ硫
酸ソーダ標準溶液で測定した。 *6;低温保存性試験は樹脂20gに炭酸カルシウム2
0gとエタノール2gを加え、10℃で保存し、流動性
が無くなる日数を記録した。
て行った。 *8;硬化物性の測定はJIS K6911に準拠し
た。 *9;測定不能 *10;旭電化(株)製 EH220を使用した。
(2″′−ヒドロキシ−3″′−クロルプロピルオキ
シ)フェニル)プロパンの合成:攪拌装置、コンデンサ
ー、温度計、ガス導入管を装備した1Lの四つ口フラス
コにビスフェノールAジグリシジルエーテル340gを
入れ、60℃に加熱し攪拌しながら塩化水素ガスをバブ
リングした。反応混合物のエポキシ当量を分析し、初期
値の2倍になった時点で反応を終了させ、分取型GPC
で分取して標記化合物を得た。
(2″′,3″′−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェ
ニル)プロパンの合成:攪拌装置、コンデンサー、温度
計を装備した1Lの四つ口フラスコにビスフェノールA
ジグリシジルエーテル340gを入れ、90℃に加熱
し、2時間攪拌した。反応混合物のエポキシ当量を分析
し、初期値の2倍になった時点で反応を終了させ、余剰
の酢酸を水洗除去したのち、分取型GPCで分取して標
記化合物を得た。
レンカーボネートとの混合物に特定の塩素化合物と特定
のジオール化合物を存在させることにより、注型や塗装
に適切な粘度を有し、毒性が少なくかつ低温での保存性
が良好なエポキシ樹脂組成物が得られる。この組成物と
特定の硬化剤、即ちマンニッヒ塩基型メタキシレンジア
ミンからなる硬化性エポキシ樹脂組成物は、特に湿潤下
での硬化において従来の硬化性エポキシ樹脂組成物では
得られなかった光沢のある強靱な表面状態を有する硬化
物を与える。
Claims (1)
- 【請求項1】 エポキシ当量が97より大きいエポキシ
樹脂(a)と、アルキレン−1,2−カーボネート
(b)と、下記式(1) から選ばれる1種又は2種以上の
塩素化合物(c)と、下記式(2) から選ばれる1種又は
2種以上のジオール化合物(d)と、マンニッヒ塩基型
メタキシレンジアミン硬化剤(e)とを含むことを特徴
とする、硬化性エポキシ樹脂組成物。 式(1) : 【化1】 (但し、上式中、R=それぞれ独立にH又はハロゲン又
は炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数 【化2】 である。) 式(2) : 【化3】 (但し、上式中、R=それぞれ独立にHまたせハロゲン
または炭素数1〜18のアルキル基、 Z=−CR2 −、又は−SO2 −、又は単結合 n=整数 【化4】 である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21478293A JP3214642B2 (ja) | 1993-08-09 | 1993-08-09 | 硬化性エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21478293A JP3214642B2 (ja) | 1993-08-09 | 1993-08-09 | 硬化性エポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753677A JPH0753677A (ja) | 1995-02-28 |
JP3214642B2 true JP3214642B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16661452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21478293A Expired - Lifetime JP3214642B2 (ja) | 1993-08-09 | 1993-08-09 | 硬化性エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214642B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5005965B2 (ja) * | 2006-06-22 | 2012-08-22 | コニシ株式会社 | 硬化性樹脂組成物及び室温硬化性接着剤組成物 |
JP7404127B2 (ja) * | 2020-03-25 | 2023-12-25 | 旭化成株式会社 | エポキシ樹脂組成物 |
-
1993
- 1993-08-09 JP JP21478293A patent/JP3214642B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0753677A (ja) | 1995-02-28 |
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