JP2022082441A - 無溶剤型反応性接着剤、その硬化物、及び積層体 - Google Patents

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孝之 津
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Abstract

【課題】塗膜強度及び柔軟性に優れ、耐熱試験及び耐油試験後に優れた塗膜強度及び柔軟性が維持され、さらに、主剤と硬化剤の混合比が変動した場合に破断伸度への影響が少ない、無溶剤型反応性接着剤の提供。【解決手段】上記課題は、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体と、さらに、芳香族ポリイソシアネート(但しトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を除く)を含むポリイソシアネートと、ポリオールとを含む無溶剤型反応性接着剤であって、前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、40~80質量%の範囲で含む、無溶剤型反応性接着剤によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、高い塗膜強度と柔軟性を有し、耐熱性、耐油性、接着力、及び作業性に優れる無溶剤型反応性接着剤に関する。
自動車、建材、船舶、航空機等の分野において、鉄、アルミ、ステンレス等の金属、樹脂、ガラス、セラミックス等を接着固定するために様々な構造用接着剤が使用されている。近年、自動車や航空機の分野では燃費向上のために軽量化が進められており、プラスチックや繊維強化プラスチックからなる材料(以下、FRPと略する)の使用比率を高めることや、鉄からより軽量なアルミニウムに置き換えようとする動きが活発になっており、これらを強固に接合できる接着剤が求められている。さらに作業性や環境負荷低減の観点から、揮発性有機化合物を含まない接着剤が求められている。
しかしながら、例えば、アルミニウム等の金属とFRPのような線膨張係数が異なる材料とを接着する場合、製造過程又は使用温度環境における温度変化によって生じる材料間の膨張率差により接着剤層に高い応力がかかり、接着剤層の破壊又は劣化が促進されるという課題がある。
例えば特許文献1~3には、金属やFRPへの高い接着力を有するエポキシ化合物に、応力緩和を目的として長鎖ポリアミンやナノ分散させたゴム状粒子を添加する方法が開示されている。しかし、これらの方法では一定の柔軟性を付与できるものの、得られる接着層は依然として硬くて脆く効果は十分ではない。
例えば特許文献4には、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、活性水素基を有する化合物を含んだ硬化剤硬化物からなる、破断伸度に優れる無溶剤型のウレタン系接着剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献4に記載の接着剤は、2液混合吐出装置で塗布する場合に、混合比のブレや、ミキシングノズル内での混合ムラにより、破断伸度が大幅に低下するという課題がある。
この様な課題に対し、特許文献5には、ウレタンポリマーを含む主剤、及び非結晶性ポリオール化合物とポリアミン化合物とを含む硬化剤を用いることで、主剤と硬化剤の混合比が変動しても、破断伸度の低下が抑制されたウレタン系接着剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献5に記載の接着剤はアミン化合物を大量に使用するため、硬化速度の調整が難しく、塗布時のノズル詰まりや、大面積あるいは手作業における接着において接合ムラが発生するという課題がある。アミン化合物の使用量を減らすことで硬化速度を遅くすることができるが、柔軟性や塗膜強度が低下する。さらに、これらの方法では硬化膜中にアミノ基が微量に残存するため、耐熱性や、耐油性等の耐薬品性が十分ではないという課題がある。
特表2018-506635号公報 国際公開第2007/025007号 特開2015-182248号公報 特開2017-218539号公報 特開2020-055923号公報
本発明の目的は、塗膜強度及び柔軟性に優れ、耐熱試験及び耐油試験後に優れた塗膜強度及び柔軟性が維持され、さらに、主剤と硬化剤の混合比が変動した場合に破断伸度への影響が少ない、無溶剤型反応性接着剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、所定範囲量のトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を含むポリイソシアネートを用いた接着剤が、上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体と、さらに、芳香族ポリイソシアネート(但しトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を除く)を含むポリイソシアネートと、ポリオールとを含む無溶剤型反応性接着剤であって、前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、40~80質量%の範囲で含む、無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記芳香族ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記芳香族ポリイソシアネートを、20~60質量%の範囲で含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、45~75質量%の範囲で含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記ポリオールが、ポリカーボネートポリオール(但しウレタン結合を有しない)を含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記ポリオールが、ウレタン結合を有するポリオールを含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、前記ポリオールの質量を基準として、前記ウレタン結合を有するポリオールを、30~70質量%の範囲で含む、上記無溶剤型反応性接着剤に関する。
また本発明は、上記無溶剤型反応性接着剤の硬化物に関する。
また本発明は、基材上に、上記硬化物からなる接着層を有する積層体に関する。
本発明により、塗膜強度及び柔軟性に優れ、耐熱試験及び耐油試験後に優れた塗膜強度及び柔軟性が維持され、さらに、ポリオール(以下、主剤ともいう)とポリイソシアネート(以下、硬化剤ともいう)との混合比が変動した場合に破断伸度への影響が少ない、無溶剤型反応性接着剤を提供することができる。
<無溶剤型反応性接着剤>
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を含むポリイソシアネートと、ポリオールとを含み、ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、40~80質量%の範囲で含むことを特徴とする。
このように、所定範囲量のトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を含むポリイソシアネートを用いることで、主剤と硬化剤の混合比が変動した場合でも、弾性率変化の少ない硬化膜を得ることができ、優れた柔軟性を安定して発揮する。また、本発明の無溶剤型反応性接着剤は、高い塗膜強度と柔軟性、及び優れた耐熱性、耐油性、接着力、適度なタクトタイムを発揮することができる。
したがって、本発明の無溶剤型反応性接着剤は、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に好適に用いられる。
<ポリイソシアネート>
本発明におけるポリイソシアネートは、ポリイソシアネートの全質量を基準として、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を40~80質量%の範囲で含むものである。一般に、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体は、常温で粘性固体であるため、取扱いが難しく、無溶剤型接着剤では使用されてこなかったが、このようなトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、40~80質量%という高い配合比で含有することで、特異的な架橋形態を形成する。これにより、主剤と硬化剤との混合比が変動した場合でも、硬化膜の弾性率変化が抑制され、得られる硬化膜は、高い柔軟性と、優れた塗膜強度、耐熱性、耐油性を示す。
トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の含有率は、ポリイソシアネートの質量を基準として、好ましくは45~75質量%の範囲であり、より好ましくは50~75質量%の範囲である。45質量%以上であると、破断応力及び破断伸度に優れるため好ましい。75質量%以下であると、せん断応力及び破断伸度に優れるため好ましい。
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体は、2,4-トリレンジイソシアネート及び/又は2,6-トリレンジイソシアネートと、トリメチロールプロパンの反応体であれば特に制限されず、例えば、三井化学社製の「タケネートD103H」、住化バイエルウレタン社製の「デスモジュールL」が挙げられる。
ジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体は、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと、トリメチロールプロパンの反応体であれば特に制限されない。
ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体以外のポリイソシアネート(以下、その他ポリイソシアネート)を20~60質量%の範囲で含むものであり、そのようなその他ポリイソシアネートとしては、特に制限されず、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、又は脂環式ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、アロファネート型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビウレット型変性体、アダクト型変性体のほか、上記ポリイソシアネート成分とポリオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させたイソシアネート基とウレタン結合とを有する反応生成物が挙げられる。上記ポリイソシアネートの変性体を形成するポリオールとしては、特に制限されず、公知のポリオールから選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
これらのその他ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、本発明の無溶剤型反応性接着剤は、ポリイソシアネートとして、好ましくは芳香族ポリイソシアネートを含むものであり、より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである。
ポリイソシアネートが芳香族ポリイソシアネートを含む場合、芳香族ポリイソシアネートの含有率は、ポリイソシアネートの質量を基準として、好ましくは20~60質量%であり、より好ましくは20~50質量%であり、さらに好ましくは25~45質量%である。上記範囲内であると、得られる硬化膜の柔軟性、塗膜強度、耐熱性に優れるため好ましい。
<ポリオール>
本発明におけるポリオールは、ポリイソシアネートとの反応で強靭な架橋構造を形成し、得られる硬化膜に適度な柔軟性と凝集力を与え、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性を付与する役割を担う。上記ポリオールは、分子内に水酸基を2つ以上有する化合物であればよく、化合物が樹脂である場合、該水酸基は、樹脂の末端、側鎖、又は側基のいずれにあってもよい。
このようなポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物油系ポリオール、アクリルポリオールや等のその他ポリオール、これらの複合体が挙げられ、硬化膜中のウレタン結合濃度の調節や各種官能基導入を目的として、後述の低分子ポリオールを使用してもよい。
上記ポリオールは、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよいし、酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したものや、ジイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい。
これらのポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールは、水酸基とエーテル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、又はポリテトラメチレングリコールのような、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体;ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール又はこれらの混合物の縮合によるポリエーテルポリオール類;低分子ポリオール、脂肪族アミン化合物類、芳香族アミン化合物類、アルカノールアミン類、又はビスフェノール類のような少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物を出発原料として、これに酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン、若しくはポリオキシテトラメチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリオール;が挙げられる。
上記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールB、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸のような2官能の低分子ポリオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ブタントリオール、トリメチロールブテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールノネン、トリメチロールデセン、トリメチロールウンデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、トリメチロールヘキセン、1,2,3-オクタントリオール、1,3,7-オクタントリオール、3,7-ジメチル-1,2,3-オクタントリオール、1,1,1-、1,1,1-トリメチロールデカン、1,2,10-デカントリオール、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-seA-ブタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ペンタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ノナン、1,1,1-トリメチロール-tert-トリデカン、1,1,1-トリメチロール-tert-ヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,2,3,4-ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、スチルベン-3,4’、5-トリオール、シュークロース、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース、キシリトールのような3官能以上の低分子ポリオール;が挙げられる。
上記脂肪族アミン化合物類としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパンが挙げられる。上記芳香族アミン化合物類としては、例えば、トルエンジアミン、ジフェニルメタンー4,4-ジアミンが挙げられる。上記アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン及びジエタノールアミンが挙げられる。上記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールA、ビスフェノールE、ビスフェノールFが挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールや、ラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
上記二塩基酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸、及びそれらの無水物が挙げられる。
上記ラクトン類としては、例えば、ε-カプロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)、ポリバレロラクトンが挙げられる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、の反応生成物が挙げられる。
上記ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。上記アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート等が挙げられる。上記ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
(ポリオレフィン系ポリオール)
ポリオレフィン系ポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水添した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水添した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンが挙げられる。
(植物油系ポリオール)
植物油系ポリオールとしては、例えば、植物由来のひまし油、ダイマー酸、又は大豆油を原料としたポリオールが挙げられる。
これらのポリオールは、前述のとおり、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよいし、酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したものや、ジイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい
上記酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、炭素数2~30のアルキレングリコール又はアルカントリオールを無水トリメリット酸でエステル化反応させてなるエステル化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
さらに、本発明の無溶剤型反応性接着剤は、ウレタン結合を有するポリオールを含むことが好ましい。このようなウレタン結合を有するポリオールとしては、上述の、ジイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したポリオールが挙げられ、異なるポリマー種同士を連結したブロックポリマーであってもよい。
上記ウレタン結合を有するポリオールは、樹脂の末端領域に水酸基が局在化していることが好ましい。樹脂の末端領域に水酸基が局在化していると、硬化膜の柔軟性に優れるため好ましい。
このような樹脂の末端に水酸基を有する、ウレタン結合を有するポリオールとしては、例えば、上述のポリイソシアネートとポリオールとを、イソシアネート基と水酸基とのモル当量比(NCOモル数/OHモル数)が1未満となるように反応させることで得ることができる。
これらの中でも、ポリオールとして好ましくは、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものであり、より好ましくはポリカーボネートポリオールを含むものであり、さらに好ましくは、ポリカーボネートポリオール(但し、ウレタン結合を有しない)と、ウレタン結合を有するポリオールとを含むものである。
ポリオールがポリカーボネートポリオールを含む場合、ポリカーボネートポリオールの含有率は、ポリオールの質量を基準として、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは50~90質量%である。
ポリオールがウレタン結合を有するポリオールを含む場合、ウレタン結合を有するポリオールの含有率は、ポリオールの質量を基準として、好ましくは30~70質量%である。30質量%以上であると、得られる硬化膜の発泡性に優れる。70質量%以下であると、塗膜の破断強度に優れる。
上記ウレタン結合を有しないポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500以上、5,000未満であり、より好ましくは700以上、3,500未満である。
上記ウレタン結合を有するポリオールの重量平均分子量は、好ましくは3,000~200,000である。重量平均分子量が3,000以上であると得られる硬化膜の柔軟性に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易である。
上記ウレタン結合を有するポリオールの水酸基価は、好ましくは50~500mgKOH/gであり、より好ましくは100~300mgKOH/gである。50~500mgKOH/gであると、得られる硬化膜の接着力、柔軟性、耐熱性に優れるため好ましい。
<無溶剤型反応性接着剤の調整>
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、前述のポリイソシアネート及びポリオールを配合して得られる、2液硬化型のウレタン系無溶剤接着剤であって、ポリオールとポリイソシアネートとの配合割合は、イソシアネートが含有する全イソシアネート基と、ポリオールが含有する全水酸基とのモル当量比[NCO/OH]が0.8~2.5の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0~2.0の範囲である。
また、質量比率の場合は、ポリオールの全質量に対するポリイソシアネートの割合は、好ましくは20~100質量%である。
本発明の無溶剤型反応性接着剤におけるポリイソシアネートの含有率は、ポリオールの質量を基準として、好ましくは20~65質量%の範囲である。上記範囲内であると、得られる硬化膜の塗膜強度、柔軟性、耐熱性に優れるため好ましい。
本発明の無溶剤型反応性接着剤の粘度は、常温25℃において、好ましくは10~1,000Pa・sであり、より好ましくは50~750Pa・sである。
粘度が10Pa・s以上であると接着剤の初期凝集力に優れるため好ましい。粘度が1,000Pa・s以下であると塗工性に優れるため好ましい。
[その他成分]
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、さらに、反応促進剤、シランカップリング剤、リン酸又はリン酸誘導体、レベリング剤又は消泡剤、充填剤、噴射剤、可塑剤、超可塑剤、湿潤剤、難燃剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤及び着色剤等の公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等の金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミン等の反応性3級アミン;が挙げられる。
反応促進剤の配合量は、ポリイソシアネートの質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナト基を有するトリアルコキシシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するトリアルコキシシラン;が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、ポリイソシアネートの質量を基準として、好ましくは0.05~10質量%である。
リン酸又はリン酸誘導体の内、リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類;メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類;が挙げられる。また、リン酸の誘導体としては、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール;フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール;が挙げられる。
リン酸又はその誘導体の配合量は、ポリイソシアネートの質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチンが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物等、公知のものが挙げられる。
<積層体、硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の無溶剤型反応性接着剤を硬化したものであり、上記ポリイソシアネート、ポリオール及び必要に応じてその他成分を公知の方法で混合し、ウレタン架橋反応が進行することで、得ることができる。
また、本発明の積層体は、基材上に上記硬化物からなる接着層を有するものである。積層体の製造方法は特に制限されず、例えば、無溶剤型反応性接着剤を基材の一方の面に塗布し、次いで、未硬化の接着剤面に他の基材を重ねて、20~150℃程度で加熱処理を行い、無溶剤型反応性接着剤を硬化させることで、積層体を得ることができる。硬化後の接着層の厚みは、好ましくは0.1μm~300mmである。
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、多種の基材間の接着に用いることができる。好適な基材としては、例えば、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、ポリロピレン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びポリカーボネート及びそれらのコポリマー等の熱可塑性ポリマー、加硫ゴム等の熱硬化性ポリマー、尿素-ホルムアルデヒドフォーム、メラミン樹脂、木材、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック及びその他の繊維強化プラスチックが挙げられ、接着層を介して接着される基材は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性、耐油性、接着力、及び適度なタクトタイムを有しており、該接着剤を用いた積層体は、自動車、建材、船舶、航空機等の輸送機器の構造部材(パネル部品、骨格部品、足回り部品等)として有用である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
[重量平均分子量(Mw)]
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレンによる換算値として求めた。測定は、GPC装置としてGPC-8020(東ソー社製)、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSKgelSuperHM-M(東ソー社製)を3本直列に連結し、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃の条件で行った。
本明細書における化合物の略称を以下に示す。
<ポリイソシアネート>
・TDI-TMPアダクト:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、商品名「タケネートD103H」、酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学社製を、減圧下で酢酸エチルを除去したもの
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
・MDI:2,4’-及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン社製
・カルボジイミド変性MDI:商品名「ルプラネートMM103」、BASF INOAC ポリウレタン社製
・ポリメリックMDI:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、商品名「ルプラネートM5S」、BASF INOAC ポリウレタン社製
<ポリオール>
・T5651:2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000、水酸基価110mgKOH/g、商品名「デュラノールT5651」、旭化成社製
・T5650E;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500、水酸基価220mgKOH/g、商品名「デュラノールT5650E」、旭化成社製
・P-1000:2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量1,000、水酸基価56.1mgKOH/g、アデカ社製
・P-400:2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量400、水酸基価280mgKOH/g、アデカ社製
・PTMG-1000SN;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、保土谷化学工業社製
・GI-1000;水素添加ポリブタジエンジオール、数平均分子量1,400、水酸基価75mgKOH/g、日本曹達社製
・URIC HF2009;2官能ひまし油ポリオール、数平均分子量2,640、水酸基価41.5mgKOH/g、伊藤製油社製
・NS-2400;2官能ポリエステルポリオール、数平均分子量2000、水酸基価56mgKOH/g、商品名「アデカニューエースNS-2400」アデカ社製
<低分子ポリオール>
・1,3-プロパンジオール(分子量:76.1)
<ポリイソシアネートの製造例>
[ジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(MDI-TMPアダクト)の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、MDIを100.0部、トリメチロールプロパンを10.0部、酢酸エチルを30.0部仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させ、続けて減圧下で酢酸エチルをすべて除去し、公知の薄膜蒸留法を用いて未反応のMDIを除去することで、ジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(MDI-TMPアダクト)を得た。得られたMDI-TMPアダクトの重量平均分子量は900であった。
[ポリイソシアネートAの製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、PTMG-1000SNを100部、MDIを150部仕込み、窒素雰囲気下80℃で4時間反応させて、芳香族ポリイソシアネートAを得た。
<ウレタン結合を有するポリオールBの製造例>
[ポリオールB1の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、T5651を100.0部、イソホロンジイソシアネートを19.9部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB1を得た。得られたポリオールB1の重量平均分子量は15,000であった。
[ポリオールB2の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、T5651を100.0部、MDI21.3部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB2を得た。得られたポリオールB2の重量平均分子量は11,000であった。
[ポリオールB3の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、P-1000を50.0部、PTMG-1000SNを50.0部、イソホロンジイソシアネートを19.9部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB3を得た。得られたポリオールB3の重量平均分子量は15,000であった。
[ポリオールB4の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、GI-1000を50.0部、PTMG-1000SNを50.0部、イソホロンジイソシアネートを16.2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB4を得た。得られたポリオールB4の重量平均分子量は15,000であった。
[ポリオールB5の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、URIC HF2009を50.0部、PTMG-1000SNを50.0部、イソホロンジイソシアネートを12.5部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB5を得た。得られたポリオールB5の重量平均分子量は15,000であった。
[ポリオールB6の製造]
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、P-1000を50.0部、NS-2400を50.0部、イソホロンジイソシアネートを14.2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下100℃で5時間反応させて、ウレタン結合を有するポリオールB6を得た。得られたポリオールB6の重量平均分子量は15,000であった。
<接着剤の調製>
[実施例1]
TDI-TMPアダクト40.0部と、MDI60.0部とを100℃で撹拌脱泡混合し、ポリイソシアネートを得た。別途、ウレタン結合を有するポリオールB1 83.3部に、T5651を194.4部加え、100℃で撹拌脱泡混合してポリオールを得た。次いで、得られたポリイソシアネート及びポリオールを室温で混合して、無溶剤型の接着剤を調製した。
[実施例2~48、参考例1~2、及び比較例1~12]
表1~4に示す配合組成に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2~48、参考例1~2、及び比較例1~12の接着剤を調製した。
<接着剤の評価>
実施例及び比較例で調製した接着剤について、以下の評価を行った。判定結果は表1~4に記載した。なお、比較例3、4、11、及び12は、ポリイソシアネートの粘度が高く、ポリオールとの混合が困難であり、無溶剤型の接着剤として使用できなかったため、以後の評価を実施しなかった。
[せん断接着力]
各接着剤を、ステンレス基材(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)上に、幅25mm、長さ10mm、厚み0.1mmとなるよう塗布し、炭素繊維強化プラスチック基板(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)と貼りあわせ、厚み0.1mmを保持するよう圧着した状態で80℃1日間養生させて、試験片を得た。得られた試験片を温度25℃、相対湿度50%の条件下、引張り速度1mm/分で引張り試験機を用いてせん断接着強度を測定し、以下の評価基準で判定した。
(評価基準)
○ :せん断接着力が、7MPa以上(良好)
△ :せん断接着力が、5MPa以上、7MPa未満(使用可能)
× :せん断接着力が、5MPa未満(使用不可)
[破断応力・破断伸度]
厚さ2mmのシート状型枠に各接着剤を充填し、表面を整えて、80℃1日間養生した後、3号ダンベル型で打ち抜き、評価用のダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を用いて、引張速度50mm/分で引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定し、以下の基準で判定した。
(破断応力の評価基準)
○ :破断応力が、25MPa以上(良好)
△ :破断応力が、20MPa以上、25MPa未満(使用可能)
× :破断応力が、20MPa未満(使用不可)
(破断伸度の評価基準)
○ :破断伸度が、250%以上(良好)
△ :破断伸度が、200%以上、250%未満(使用可能)
× :破断伸度が、200%未満(使用不可)
[100℃耐熱性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を100℃の環境下で500時間加熱処理した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
○ :変化率が、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
○ :変化率が、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
[100℃耐油性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を100℃のオートマオイルに100時間浸漬した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
○ :変化率が、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
○ :変化率が、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
[発泡性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製し、試験片の表面及び内部での発泡の有無を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○ :発泡が観測されない(良好)
△ :発泡が1~2個観測される(使用可能)
× :発泡が3個以上観測される(使用不可)
[可使時間]
ポリイソシアネートとポリオールとを混合後、流動性が著しく失われるまでの時間を観測し、以下の基準で判定した。
○ :可使時間が、15分以上(良好)
△ :可使時間が、10分以上、15分未満(使用可能)
× :可使時間が、10分未満(使用不可)
[破断伸度低下の評価基準]
ポリイソシアネートとポリオールの配合比のみが異なる実施例同士(例えば実施例1と実施例2)について、破断伸度の評価結果を比較し、以下の基準で判定した。
○ :破断伸度の評価結果が同一である(良好)
× :破断伸度の評価結果が異なる(使用不可)
Figure 2022082441000001
Figure 2022082441000002
Figure 2022082441000003
Figure 2022082441000004
本発明の無溶剤型反応性接着剤は、接着強度が良好で、優れた塗膜強度(破断応力)と柔軟性(破断伸度)とを示し、耐熱試験及び耐油試験後も、優れた破断応力と破断伸度とを維持した。さらに、本発明の接着剤は、主剤と硬化剤との混合比率が変動した場合においても、破断伸度が変化せず安定していた。また、本発明の接着剤は、発泡が抑制され、適度なタクトタイムを発揮し可使時間も良好であった。
一方、比較例の接着剤は、主剤と硬化剤との混合比率が変動した場合に、破断伸度が変化し、不安定であった。また比較例の接着剤は、破断応力と柔軟性とを両立することができず、耐熱性及び耐油性が不良であった。

Claims (9)

  1. トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体と、さらに、芳香族ポリイソシアネート(但しトリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を除く)を含むポリイソシアネートと、ポリオールとを含む無溶剤型反応性接着剤であって、
    前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、40~80質量%の範囲で含む、無溶剤型反応性接着剤。
  2. 前記芳香族ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  3. 前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記芳香族ポリイソシアネートを、20~60質量%の範囲で含む、請求項1又は2に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  4. 前記ポリイソシアネートの質量を基準として、前記トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を、45~75質量%の範囲で含む、請求項1~3いずれか1項に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  5. 前記ポリオールが、ポリカーボネートポリオール(但しウレタン結合を有しない)を含む、請求項1~4いずれか1項に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  6. 前記ポリオールが、ウレタン結合を有するポリオールを含む、請求項1~5いずれか1項に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  7. 前記ポリオールの質量を基準として、前記ウレタン結合を有するポリオールを、30~70質量%の範囲で含む、請求項6に記載の無溶剤型反応性接着剤。
  8. 請求項1~7いずれか1項に記載の無溶剤型反応性接着剤の硬化物。
  9. 基材上に、請求項8に記載の硬化物からなる接着層を有する積層体。
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