JP2023170895A - 接着剤、硬化物及び積層体 - Google Patents

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孝之 津
Takayuki Shin
千智 出原
Chisato Idehara
優介 榮
Yusuke Sakae
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Abstract

【課題】本発明の課題は、高い柔軟性と塗膜強度を有し、耐熱性、接着性及び塗工性に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤を提供することにある。【解決手段】本発明の課題は、ウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリエーテルポリオール(A2)を含有し、前記、ウレタン変性樹脂(C)が、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であり、前記、ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応生成物であり、前記ポリエーテルポリオール(A1)が、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)由来の構成単位と、結晶性ポリエーテルポリオール(F)由来の構成単位と、を有し、前記、分子量200未満のモノアミン化合物が、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有し、前記ポリエーテルポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として25~250質量%の範囲である、接着剤によって解決される。【選択図】 なし

Description

本発明は、低温領域での高い柔軟性を有し、塗膜強度、耐熱性、及び接着性に優れる接着剤に関する。
自動車、建材、船舶、航空機等の分野において、鉄、アルミ、ステンレス等の金属、樹脂、ガラス、セラミックス等を接着固定するために様々な構造用接着剤が使用されている。近年、自動車や航空機の分野では燃費向上のために軽量化が進められており、プラスチックや繊維強化プラスチックからなる材料(以下、FRPと略する)の使用比率を高めることや、鉄からより軽量なアルミニウムに置き換えようとする動きが活発になっており、これらを強固に接合できる接着剤が求められている。さらに作業性や環境負荷低減の観点から、揮発性有機化合物を含まない接着剤が求められている。
しかしながら、例えば、アルミニウム等の金属とFRPのような線膨張係数が異なる材料とを接着する場合、製造過程又は使用温度環境における温度変化によって生じる材料間の膨張率差により接着剤層に高い応力がかかり、接着剤層の破壊あるいは劣化を促進するという課題がある。
この様な課題に対し、例えば特許文献1~3には、金属やFRPへの高い接着性を有するエポキシ化合物に、応力緩和を目的として長鎖ポリアミンやナノ分散させたゴム状粒子を添加する方法が開示されている。しかし、これらの方法では一定の柔軟性を付与できるものの、得られる接着層は依然として硬脆く効果は十分ではない。
一方で、特許文献4~6には、結晶性ポリオールを用いて作製したウレタンポリマーを含む主剤、及び非結晶性ポリオール化合物とポリアミン化合物とを含む硬化剤を用いることで、柔軟性と塗膜強度とを有する接着剤組成物が開示されている。
しかしながら、これらの方法ではポリアミン化合物と硬化剤との反応性が早すぎるため、混合時の粘度上昇による吐出不良の発生や、大面積の接着に対応できないという課題がある。さらに硬化膜中にアミノ基が微量に残存するため、耐熱性が不足するという課題がある。
特表2018-506635号公報 国際公開第2007/025007号 特開2015-182248号公報 特開2020-055921号公報 特開2020-055922号公報 特開2020-055923号公報
本発明の目的は、高い柔軟性と塗膜強度を有し、耐熱性、接着性及び塗工性に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]ウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリエーテルポリオール(A2)を含有し、前記、ウレタン変性樹脂(C)が、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーと、分子量200未満のモノアミン化合物と、の反応生成物であり、前記、ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応生成物であり、前記ポリエーテルポリオール(A1)が、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)由来の構造単位と、結晶性ポリエーテルポリオール(F)由来の構造単位と、を有し、前記、分子量200未満のモノアミン化合物が、分子内に水酸基又はスルファニル基を有し、前記ポリエーテルポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として25~250質量%の範囲である、接着剤。
[2]前記ポリオール(A)の全質量を基準として、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)を30~65質量%、結晶性ポリエーテルポリオール(F)を35~70質量%の範囲で含む、[1]に記載の接着剤。
[3]前記非結晶性ポリエーテルポリオール(E)が、ポリプロピレングリコールを含む、[1]または[2]に記載の接着剤。
[4]前記結晶性ポリエーテルポリオール(F)が、ポリテトラメチレングリコールを含む、[1]~[3]いずれかに記載の接着剤。
[5]前記ポリエーテルポリオール(A2)の数平均分子量が750未満である、[1]~[4]いずれかに記載の接着剤。
[6][1]~[5]いずれかに記載の接着剤の硬化物。
[7]基材上に、[6]に記載の硬化物からなる層を有する積層体。
本発明により、高い柔軟性と塗膜強度を有し、耐熱性、接着性及び塗工性に優れる構造用接着剤を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。また、本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値の範囲として含むものとする。また、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
≪接着剤≫
本発明の接着剤は、ウレタン変性樹脂(C)、ポリイソシアネート(D)、及びポリエーテルポリオール(A2)を含有し、
前記、ウレタン変性樹脂(C)が、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であり、
前記、ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)と芳香族ポリイソシアネート(B)との反応生成物であり、
前記ポリエーテルポリオール(A1)が、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)由来の構成単位と、結晶性ポリエーテルポリオール(F)由来の構成単位とを有し、
前記、分子量200未満のモノアミン化合物が、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有し、
前記ポリエーテルポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として25~250質量%の範囲であることを特徴とする。
このように、非結晶性ポリエーテルと、結晶性ポリエーテル構造を有するウレタン樹脂の末端領域に、イソシアナト基とアミノ基との反応によるウレア結合と、水酸基又はスルファニル基と、が近接して導入されたウレタン変性樹脂(C)と、芳香族ポリイソシアネート(B)と、ポリエーテルポリオール(A2)と、を組合せることで、柔軟なウレタン部位が、ポリエーテルポリオール及び芳香族ポリイソシアネートからなる架橋構造に強固に取り込まれ、ウレタン部位に由来する優れた伸長性と、架橋構造に由来する優れた強度を発揮する。これにより、本発明の接着剤は、高い柔軟性と塗膜強度を有し、優れた耐熱性、接着性及び塗工性を発揮することができる。
したがって、本発明の接着剤は、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に好適に用いられる。また、本発明の接着剤は、液状の無溶剤型接着剤として用いることができ、安全性や環境対応の観点からも優れるものである。
<ウレタン変性樹脂(C)>
本発明のウレタン変性樹脂(C)は、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネートとから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基とを反応させた構造であればよく、その製造方法は制限されないが、好ましくは下記の方法で製造することができる。
まず、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)、及びポリイソシアネートを反応させて、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを形成する(以下、工程1)。
次いで、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、及びポリエーテルポリオール(A2)を添加し、ウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、モノアミン化合物のアミノ基とを反応させて、ウレタンプレポリマーの両末端に水酸基又はスルファニル基を有するウレタン変性樹脂(C)を合成する(以下、工程2)。
これらの反応は全て、溶媒を用いて行ってもよいし溶媒を使用せずに行ってもよい。また、上記工程2においてポリエーテルポリオール(A2)を配合することで、溶媒の非存在化で反応させることができるため好ましい。ただし溶媒を用いる場合は、反応の途中段階又は反応終了後に、減圧下又は常圧下で溶媒を除去することが好ましい。このようにして、無溶剤型の接着剤を得ることができる。
ウレタン変性樹脂(C)の質量平均分子量は、特に制限されず、好ましくは5,000~300,000であり、より好ましくは7,500~100,000である。5,000以上であると接着力に優れ、300,000以下であると粘度の調整が容易である。
<ポリオール(A)>
ポリオールは分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物由系ポリオール等が挙げられる。本発明のポリオール(A)は、ポリエーテルポリオール(A1)を含む。
(ポリエーテルポリオール(A1))
ポリエーテルポリオール(A1)は、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)由来の構造単位と結晶性ポリエーテルポリオール(F)由来の構造単位とを含む。ポリエーテルポリオール(E)及び(F)の数平均分子量は、好ましくは500~5,000未満であり、より好ましくは500~3,000の範囲である。この範囲であると柔軟性に優れる。
なお本明細書において、「結晶性」とは、-20℃において固体であることを意味し、「非結晶性」とは、-20℃において液状であることを意味する。
[非結晶性ポリエーテルポリオール(E)]
非結晶性ポリエーテルポリオール(E)は、上述の「非結晶性」を有するポリエーテルポリオールであればよく、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール等のグリコール類;
2個以上の活性水素基を有する化合物に、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン、若しくはポリオキシテトラメチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリオール類等が挙げられる。
前記2個以上の活性水素基を有する化合物としては、例えば、低分子ポリオール、脂肪族アミン化合物類、芳香族アミン化合物類、アルカノールアミン類又はビスフェノール類が挙げられる。
前記低分子ポリオールとしては、例えば、2官能の低分子ポリオール又は3官能以上の低分子ポリオールが挙げられる。
2官能の低分子ポリオールとしては、特に制限されず、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールA、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
3官能以上の低分子ポリオールとしては、特に制限されず、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ブタントリオール、トリメチロールブテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールノネン、トリメチロールデセン、トリメチロールウンデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、トリメチロールヘキセン、1,2,3-オクタントリオール、1,3,7-オクタントリオール、3,7-ジメチル-1,2,3-オクタントリオール、1,1,1-、1,1,1-トリメチロールデカン、1,2,10-デカントリオール、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-sec-ブタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ペンタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ノナン、1,1,1-トリメチロール-tert-トリデカン、1,1,1-トリメチロール-tert-ヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,2,3,4-ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、スチルベン-3,4’、5-トリオール、シュークロース、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース、キシリトールが挙げられる。
脂肪族アミン化合物類としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパンが挙げられる。芳香族アミン化合物類としては、例えば、トルエンジアミン、ジフェニルメタン-4,4-ジアミンが挙げられる。アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン及びジエタノールアミンが挙げられる。ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールFが挙げられる。
上記非結晶性ポリエーテルポリオール(E)は、ポリプロピレングリコールを含むことが好ましい。ポリプロピレングリコールは特に柔軟性に優れる。
[結晶性ポリエーテルポリオール(F)]
結晶性ポリエーテルポリオール(F)は、上述の「結晶性」を有するポリエーテルポリオールであればよく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
上記結晶性ポリエーテルポリオール(F)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含むことが好ましい。ポリテトラメチレンエーテルグリコールは凝集力が高く、ウレタン部位の柔軟性を維持しつつ、優れた塗膜強度、耐熱性、接着性を発揮することができる。
ポリオール(A)の全質量を基準として、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)を30~65質量%、結晶性ポリエーテルポリオール(F)を35~70質量%の範囲で含むことが好ましく、より好ましくは、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)を35~60質量%、結晶性ポリエーテルポリオール(F)を40~65質量%の範囲で含むものである。このような配合比にすることで、強靭な硬化膜が得られ、柔軟性、耐熱性、接着性に優れるものとなる。
(その他ポリオール)
ウレタン変性樹脂(C)を構成するポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン結合濃度の調節や各種官能基導入を目的として、ポリエーテルポリオール(A1)以外のその他ポリオールである、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物由系ポリオール等のその他のポリオールを含有してもよい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールや、ラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
上記二塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、コハク酸、水添ダイマー酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、トリメリット酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族又は芳香族の二塩基酸、及びそれらの無水物が挙げられる。
ラクトン類としては、例えば、ε-カプロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)、ポリバレロラクトンが挙げられる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールと、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、の反応生成物が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート等が挙げられる。ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水添した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水添した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンが挙げられる。
(植物油系ポリオール)
植物油系ポリオールとしては、例えば、植物由来のひまし油、ダイマー酸、又は大豆油を原料としたポリオールが挙げられる。
上記ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、植物油系ポリオールの数平均分子量は、好ましくは500以上、5,000以下であり、より好ましくは700以上、3,500以下である。
数平均分子量が500~5、000であると、得られる硬化膜の接着力、柔軟性により優れるため好ましい。
<ポリイソシアネート(B)>
ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネート(B)としては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアナネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアナート、p-テトラメチルキシレンジイソシアナート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
<ウレタンプレポリマー>
ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応生成物である。
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応は、好ましくは無溶剤下で公知のウレタン化反応を用いて行うことができ、ポリイソシアネートを過剰にすることで、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得ることができる。反応時のイソシアナト基と水酸基とのモル比(イソシアナト基のモル数/水酸基のモル数)は、好ましくは1.05~2.00、より好ましくは1.10~1.50である。ウレタン化反応では、反応性を調整する目的で触媒を用いてもよい。
触媒としては、公知の金属系触媒、アミン系触媒等が使用できる。金属系触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、2-エチルヘキソエート鉛、チタン酸2-エチルヘキシル、チタンエチルアセテート、2-エチルヘキソエート鉄、2-エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ-n-ブチル錫等が挙げられる。アミン系触媒としては、テトラメチルブタンジアミン等の3級アミン等が挙げられる。触媒の使用量は、好ましくはポリオールの全質量を基準として、0.05~1モル%の範囲である。
ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、特に制限されず、好ましくは3,000~200,000の範囲である。3,000以上であると接着力に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易となる。
<分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物>
上述で得られたウレタンプレポリマーと、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物とを、好ましくはポリエーテルポリオール(A2)の存在下に反応させることで、ウレタン樹脂の両末端領域に、ウレア結合と、水酸基又はスルファニル基と、を近接して有するウレタン変性樹脂(C)、及びポリエーテルポリオール(A2)の混合物を得ることができる。
モノアミン化合物の分子量が200未満であることで、ウレア結合と水酸基又はスルファニル基とが近接し、さらに、前記水酸基又はスルファニル基が、芳香族ポリイソシアネート(B)を介して架橋することで強靭な硬化膜が形成され、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性、接着性が付与される。モノアミン化合物の分子量は、好ましくは、50~150の範囲である。モノアミン化合物の分子量が200以上であると、ウレア結合と水酸基又はスルファニル基とが近接することによる効果が得られず、強靭な硬化膜を形成できない。
本発明に使用されるモノアミン化合物のアミノ基は、水酸基又はスルファニル基よりも反応性が高いため、ウレタンプレポリマーの末端のイソシアナト基と優先的に反応してウレア結合を形成し、ウレタンプレポリマーの末端に効率的に水酸基又はスルファニル基を導入することができる。モノアミン化合物は、イソシアナト基との反応性の観点から、好ましくは第一級又は第二級のアミンであり、好ましくは第一級アミンである。
後述のポリエーテルポリオール(A2)も水酸基を有しており、ウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応する可能性があるが、モノアミン化合物のアミノ基の方が水酸基より反応性が高いため、ポリエーテルポリオール(A2)とウレタンプレポリマーのイソシアナト基との反応は抑制される。
分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物は、分子内に水酸基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、又は、分子内にスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、のいずれかであればよい。
分子内に水酸基を有する分子量200未満のモノアミン化合物としては、例えば、2-アミノエタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(メチルアミノ)エタノール、2-(エチルアミノ)エタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミンが挙げられ、好ましくは2-アミノエタノールである。
分子内にスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物としては、例えば、2-アミノエタンチオール、3-アミノプロピル-1-チオール、1-アミノプロピル-2-チオール、4-アミノ-1-ブタンチオールが挙げられ、好ましくは2-アミノエタンチオールである。
<ポリエーテルポリオール(A2)>
本発明の接着剤は、ポリエーテルポリオール(A2)を、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として、25~250質量%の範囲で含む。含有量を前記範囲とすることで、強靭な架橋構造を形成し、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性を得ることができる。ポリエーテルポリオール(A2)の含有量は、好ましくは30~225質量%であり、より好ましくは35~200質量%である。
ポリエーテルポリオール(A2)としては、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール等のグリコール類;
2個以上の活性水素基を有する化合物に、酸化メチレン、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テトラヒドロフラン、若しくはポリオキシテトラメチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリオール類等が挙げられる。本発明において、ポリエーテルポリオール(A1)及びポリエーテルポリオール(A2)は、同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
前述のとおり、工程2の反応生成物は、ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応生成物が主成分であり、ポリエーテルポリオール(A2)は大半が未反応のまま残存することが好ましい。
ポリエーテルポリオール(A2)の数平均分子量は、好ましくは750未満である。数平均分子量が750未満であると、塗膜強度、柔軟性、耐熱性に優れるため好ましい。
<溶媒>
ポリオールとポリイソシアネートとの反応、ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応といった、ウレタン変性樹脂を製造する際の反応は、溶媒を用いて行ってもよい。
ポリオールとポリイソシアネートとの反応に用いてもよい溶媒としては、イソシアナト基と反応しないものであれば特に制限されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが挙げられる。
ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応に用いてもよい溶媒としては、上述の溶媒の他、エタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類を用いることができる。
<芳香族ポリイソシアネート(D)>
本発明の接着剤は、ウレタン変性樹脂(C)及びポリエーテルポリオール(A2)に、さらに架橋剤として芳香族ポリイソシアネート(D)を含む。本発明における芳香族ポリイソシアネート(D)は、分子内に芳香族イソシアネナト基を2つ以上有する化合物であればよく、例えば、上述の芳香族ジイソシアネート、ポリイソシアネート変性体、及びその他の縮合体が挙げられる。
ポリイソシアネート変性体としては、例えば、アロファネート体、ヌレート体、ビウレット体、アダクト体、カルボジイミド変性体のほか、ポリイソシアネートとポリオール及び/又はポリアミンとをイソシアネナト基過剰の条件下で反応させたイソシアナト基末端ウレタン樹脂が挙げられる。
前記ヌレート体としては、例えば、トリレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「コロネート 2030」、日本ポリウレタン社製)が挙げられる。
前記アダクト体としては、例えば、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(製品名「タケネートD-103H」、三井化学社製)、ジフェニルメタンジイソシアネートアダクトのトリメチロールプロパンアダクト体が挙げられる。
前記カルボジイミド変性体としては、例えば、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(製品名「Isonate 143L」、ダウ社製)が挙げられる。
前記イソシアナト基末端ウレタン樹脂を形成するポリイソシアネートとしては、上記ポリイソシアネートを使用することができ、ポリオールとしては、上述のポリオールを使用することができる。
前記イソシアナト基末端ウレタン樹脂を形成するポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、トルエンジアミン、ジフェニルメタン-4,4-ジアミン、イソホロンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンが挙げられる
その他の縮合体としては、上記ポリイソシアネートの多官能体が挙げられ、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(製品名「PAPI27」、ダウ社製)が挙げられる。
中でも、トリレンジイソシアネート、又はジフェニルメタンジイソシアネートと、トリレンジイソシアネート、又はジフェニルメタンジイソシアネートからなるポリイソシアネート変性体とを併用すると、高い塗膜強度が得られるため好ましい。
接着剤中に含まれるイソシアナト基と全水酸基とのモル比(イソシアナト基のモル数/水酸基のモル数)は、好ましくは0.5~5.0であり、より好ましくは0.8~3.0である。モル比が、0.5~5.0であると、塗膜強度、柔軟性及び接着力に優れるため好ましい。
<添加剤>
本発明の接着剤は、さらに、反応促進剤、シランカップリング剤、リン酸又はリン酸誘導体、レベリング剤又は消泡剤、ポリアミン、充填剤、噴射剤、可塑剤、超可塑剤、湿潤剤、難燃剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤及び着色剤等の公知の添加剤を含むことができる。
反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等の金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミン等の反応性3級アミンが挙げられる。
反応促進剤の配合量は、ポリイソシアネート(A)の合計質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナト基を有するトリアルコキシシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するトリアルコキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、ポリイソシアネート(A)の合計質量を基準として、好ましくは0.05~10質量%である。
リン酸又はリン酸誘導体の内、リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類;メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。また、リン酸誘導体としては、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール;フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコールが挙げられる。
リン酸及びその誘導体の配合量は、ポリイソシアネート(A)の合計質量を基準として、合計で、好ましくは0.005~5質量%である。
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリ エステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチンが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物等、公知のものが挙げられる。
ポリアミンとしては、例えば、メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルメチルベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)、4 ,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニル、メタントリメチレンビス(4-アミノベンゾアート)、2,4’-ジアミノ-3,5’-ジエチルトルエン、2,6’-ジアミノ-3,5’-ジエチルトルエン、ビス(4-アミノ-2 , 3-ジクロロフェニル)メタンなどの芳香族ポリアミン等が挙げられる。
≪積層体、硬化物≫
本発明の硬化物は、好適には、ウレタン変性樹脂(C)及びポリエーテルポリオール(A2)からなる組成物と、芳香族ポリイソシアネート(D)とを公知の方法で混合し、硬化させることで得ることができる。また、本発明の積層体は、基材上に上記硬化物からなる樹脂層を有するものである。積層体の製造方法は特に制限されず、例えば、接着剤を基材の一方の面に塗布し、次いで、未硬化の接着剤面に他の基材を重ねて、20~150℃程度で加熱処理を行い、接着剤を硬化させることで、積層体を得ることができる。硬化後の接着剤の厚みは、好ましくは0.1μm~300mmである。
本発明の接着剤は、多種の基材間の接着に用いることができる。好適な基材としては、例えば、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、ポリロピレン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びポリカーボネート及びそれらのコポリマー等の熱可塑性ポリマー、加硫ゴム等の熱硬化性ポリマー、尿素-ホルムアルデヒドフォーム、メラミン樹脂、木材、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック及びその他の繊維強化プラスチックが挙げられ、接着される基材は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明の接着剤は、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性及び接着力を有ており、該接着剤を用いた積層体は、自動車、建材、船舶、航空機等の輸送機器の構造部材(パネル部品、骨格部品、足回り部品等)として有用である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」は「質量部」を表す。
<質量平均分子量(Mw)>
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレンによる換算値として求めた。測定は、GPC装置としてGPC-8020(東ソー社製)、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSKgelSuperHM-M(東ソー社製)を3本直列に連結し、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃の条件で行った。
本明細書における化合物の略称を以下に示す。
<ポリオール>
・P-400;2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量400、水酸基価280mgKOH/g、ADEKA社製
・P-700;2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量700、水酸基価160mgKOH/g、ADEKA社製
・P-1000;2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、ADEKA社製
・P-2000;2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量2,000、水酸基価56mgKOH/g、ADEKA社製
・PTG-1000;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、保土谷化学工業社製
・PTG-2000;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量2,000、水酸基価56mgKOH/g、保土谷化学工業社製
・C-1090;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、クラレ社製
<ポリイソシアネート(B)>
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・TDI:トリレンジイソシアネート
<架橋剤>
・MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
・TDI-TMPアダクト:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、三井化学社製
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
・HDI-TMPアダクト:ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、三井化学社製
<ウレタン変性樹脂の製造>
(製造例1)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)としてP-1000を40.0部、結晶性ポリエーテルポリオール(F)としてPTG-2000を60.0部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを21.7部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下110℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。
次に、80℃まで冷却し、ポリエーテルポリオール(A2)としてP-400を126.1部、2-アミノエタンチオール4.3部を加え、75℃で2時間反応させ、ウレタン変性樹脂(C-1)とポリエーテルポリオールとからなる組成物(CE-1)を得た。
反応の終点は、FT-IRによりイソシアナト基由来のピーク(2270cm-1付近)の消失により確認した。
(製造例2~39、比較製造例1~10)
表1~3に示す化合物、及び配合組成に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、製造例2~39及び比較製造例7~10の、ウレタン変性樹脂(C-2~43)とポリエーテルポリオール(A2)からなる組成物(CE-2~43)、および比較製造例5~6の、ウレタン樹脂(U-5~6)とポリエーテルポリオール(A2)からなる組成物(UE-5~6)をそれぞれ得た。
得られたウレタン変性樹脂およびウレタン樹脂の、質量平均分子量、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準とするポリカエーテルポリオール(A2)の割合(%)、ポリオール(A)中の非結晶性ポリエーテルポリオール(E)の割合(%)、ポリオール(A)中の結晶性ポリエーテルポリオール(F)の割合(%)を表1~4に示す。
表1
表2
表3
表4
<接着剤の調製>
[実施例1]
製造例1で得られた、ウレタン変性樹脂(C-1)とポリエーテルポリオール(A2)からなる組成物(CE-1)を10.0部、芳香族ポリイソシアネート(D)としてMDIを2.5部、TDI-TMPアダクトを3.0部、を室温で撹拌混合し、実施例1の接着剤を調製した。
[実施例2~41及び比較例1~12]
表5~7に示す配合組成に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~41、及び比較例1~12の接着剤を調製した。
<接着剤の評価>
実施例及び比較例で調製した接着剤について、以下の試験を行った。判定結果を表4~6に記載した。
[せん断接着力]
各接着剤組成物を、ステンレス基材(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)上に幅25mm、長さ10mm、厚み0.1mmとなるよう塗布し、炭素繊維強化プラスチック基板(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)と貼りあわせ、厚み0.1mmを保持するよう圧着した状態で80℃1日養生させて、試験片を得た。得られた試験片を温度25℃、相対湿度50%の条件下、引張り速度1mm/分で引張り試験機を用いてせん断接着強度を測定し、以下の評価基準で判定した。
(評価基準)
◎ :せん断接着力が、10MPa以上(非常に良好)
○ :せん断接着力が、7MPa以上、10MPa未満(良好)
△ :せん断接着力が、5MPa以上、7MPa未満(使用可能)
× :せん断接着力が、5MPa未満(使用不可)
[破断応力・破断伸度]
厚さ2mmのシート状型枠に各接着剤を充填し、表面を整えて、80℃1日の養生後、3号ダンベル型で打ち抜き、評価用のダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を用いて、引張速度50mm/分で引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定し、以下の基準で判定した。
(破断応力の評価基準)
◎ :破断応力が、25MPa以上(非常に良好)
○ :破断応力が、20MPa以上、25MPa未満(良好)
△ :破断応力が、15MPa以上、20MPa未満(使用可能)
× :破断応力が、15MPa未満(使用不可)
(破断伸度の評価基準)
◎ :破断伸度が、600%以上(非常に良好)
○ :破断伸度が、500%以上、600%未満(良好)
△ :破断伸度が、400%以上、500%未満(使用可能)
× :破断伸度が、400%未満(使用不可)
[120℃耐熱性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を120℃の環境下で500時間加熱処理した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
表5
表6
表7
本発明の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱性のいずれにおいても良好な結果が得られた。一方で、比較例の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱性の一部又は全てが、実施例よりも劣る結果であった。

Claims (7)

  1. ウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリエーテルポリオール(A2)を含有し、
    前記、ウレタン変性樹脂(C)が、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーと、分子量200未満のモノアミン化合物と、の反応生成物であり、
    前記、ウレタンプレポリマーが、ポリエーテルポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応生成物であり、
    前記ポリエーテルポリオール(A1)が、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)由来の構造単位と、結晶性ポリエーテルポリオール(F)由来の構造単位と、を有し、
    前記、分子量200未満のモノアミン化合物が、分子内に水酸基又はスルファニル基を有し、
    前記ポリエーテルポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として25~250質量%の範囲である、
    接着剤。
  2. 前記ポリオール(A)の全質量を基準として、非結晶性ポリエーテルポリオール(E)を30~65質量%、結晶性ポリエーテルポリオール(F)を35~70質量%の範囲で含む、請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記非結晶性ポリエーテルポリオール(E)が、ポリプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の接着剤。
  4. 前記結晶性ポリエーテルポリオール(F)が、ポリテトラメチレングリコールを含む、請求項1に記載の接着剤。
  5. 前記ポリエーテルポリオール(A2)の数平均分子量が750未満である、請求項1に記載の接着剤。
  6. 請求項1~5いずれか1項に記載の接着剤の硬化物。
  7. 基材上に、請求項6に記載の硬化物からなる層を有する積層体。
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