JP7045607B1 - 接着剤、硬化物、及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤の提供。【解決手段】上記課題は、ポリカーボネートポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であるウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリカーボネートポリオール(A2)を含有し、前記ポリカーボネートポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として50~250質量%の範囲である、接着剤によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる接着剤に関する。
自動車、建材、船舶、航空機等の分野において、鉄、アルミ、ステンレス等の金属、樹脂、ガラス、セラミックス等を接着固定するために様々な構造用接着剤が使用されている。近年、自動車や航空機の分野では燃費向上のために軽量化が進められており、プラスチックや繊維強化プラスチックからなる材料(以下、FRPと略する)の使用比率を高めることや、鉄からより軽量なアルミニウムに置き換えようとする動きが活発になっており、これらを強固に接合できる接着剤が求められている。さらに作業性や環境負荷低減の観点から、揮発性有機化合物を含まない接着剤が求められている。
しかしながら、例えば、アルミニウム等の金属とFRPのような線膨張係数が異なる材料とを接着する場合、製造過程又は使用温度環境における温度変化によって生じる材料間の膨張率差により接着剤層に高い応力がかかり、接着剤層の破壊又は劣化が促進されるという課題がある。
この様な課題に対し、例えば特許文献1~3には、金属やFRPへの高い接着力を有するエポキシ化合物に、応力緩和を目的として長鎖ポリアミンやナノ分散させたゴム状粒子を添加する方法が開示されている。しかし、これらの方法では一定の柔軟性を付与できるものの、得られる接着層は依然として硬脆く効果は十分ではない。
一方で、特許文献4~6には、ウレタンポリマーを含む主剤、及び非結晶性ポリオール化合物とポリアミン化合物とを含む硬化剤を用いることで、高い柔軟性と塗膜強度とを有する接着剤組成物が開示されている。
しかしながら、これらの方法ではアミン化合物を大量に用いるため硬化速度の調整が難しく、塗布時のノズル詰まりや大面積の接着において接合ムラが発生するという課題がある。またアミン化合物の使用量を減らすことで硬化速度を遅くすることができるが、柔軟性や塗膜強度が低下する。さらに、これらの方法では硬化膜中にアミノ基が微量に残存するため、耐熱性や、耐油性等の耐薬品性が十分ではないという課題がある。
特表2018-506635号公報 国際公開第2007/025007号 特開2015-182248号公報 特開2020-055921号公報 特開2020-055922号公報 特開2020-055923号公報
本発明の目的は、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を含み、分子量200未満のモノアミン化合物で変性したウレタン変性樹脂と、芳香族ポリイソシアネートと、所定範囲量のポリカーボネートポリオールと、を含む接着剤が、上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリカーボネートポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であるウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリカーボネートポリオール(A2)を含有し、前記ポリカーボネートポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として50~250質量%の範囲である、接着剤に関する。
本発明は、前記芳香族ポリイソシアネート(D)が、芳香族ポリイソシアネート(D)の全質量を基準として、芳香族ジイソシアネートを15~55質量%、芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を45~85質量%含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記ウレタン変性樹脂(C)を構成するポリオール(A)が、ウレタン変性樹脂(C)を構成するポリオール(A)の全質量を基準として、ポリカーボネートポリオール(A1)を、80~100質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、上記接着剤の硬化物に関する。
本発明は、基材上に、上記硬化物からなる層を有する積層体に関する。
本発明により、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、構造用接着剤を提供できる。
<接着剤>
本発明の接着剤は、ポリカーボネートポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であるウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、並びにポリカーボネートポリオール(A2)を含有し、前記ポリカーボネートポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として50~250質量%の範囲であることを特徴とする。
このように、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の末端領域に、イソシアナト基とアミノ基との反応によるウレア結合と、水酸基又はスルファニル基と、が近接して導入されたウレタン変性樹脂と、芳香族ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、を組合せることで、柔軟なウレタン部位が、ポリカーボネートポリオール及び硬化剤からなる架橋構造に強固に取り込まれ、ウレタン部位に由来する優れた伸長性と、反応性希釈剤及び硬化剤との架橋部位に由来する優れた強度と、を発揮する。これにより、本発明の接着剤は、高い塗膜強度と、優れた柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力を発揮することができる。
したがって、本発明の接着剤は、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に好適に用いられる。また、本発明の接着剤は、液状の無溶剤型接着剤として用いることができ、安全性や環境対応の観点からも優れるものである。
<ウレタン変性樹脂(C)>
本発明のウレタン変性樹脂(C)は、ポリカーボネートポリオール(A1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基とを反応させた構造であればよく、その製造方法は制限されないが、好ましくは下記の方法で製造することができる。
まず、ポリカーボネートポリオール(A1)を含むポリオール(A)、及びポリイソシアネート(B)を反応させて、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを形成する(以下、工程1)。
次いで、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、及びポリカーボネートポリオール(A2)を添加し、ウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、モノアミン化合物のアミノ基とを反応させて、ウレタンプレポリマーの両末端に水酸基又はスルファニル基を有するウレタン変性樹脂(C)を合成する(以下、工程2)。
これらの反応は全て、溶媒を用いて行ってもよいし溶媒を使用せずに行ってもよい。また、上記工程2においてポリカーボネートポリオール(A2)を配合することで、溶媒の非存在化で反応させることができるため好ましい。ただし溶媒を用いる場合は、反応の途中段階又は反応終了後に、減圧下又は常圧下で溶媒を除去することが好ましい。このようにして、無溶剤型の接着剤を得ることができる。
<ポリカーボネートポリオール(A1)>
ポリカーボネートポリオール(A1)は、主鎖の強靭な骨格によりウレタン変性樹脂(C)に適度な凝集力を与え、ミクロ相分離構造を誘起し、得られる硬化膜に優れた塗膜強度、耐熱性、耐薬品性を付与する役割を担う。
ポリカーボネートポリオール(A1)は、カーボネート骨格を有するポリオールであれば特に制限されず、例えば、低分子ポリオールと、カーボネート化合物との反応によって得られたものを用いることができる。
上記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールA、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸のような2官能の低分子ポリオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ブタントリオール、トリメチロールブテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールノネン、トリメチロールデセン、トリメチロールウンデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、トリメチロールヘキセン、1,2,3-オクタントリオール、1,3,7-オクタントリオール、3,7-ジメチル-1,2,3-オクタントリオール、1,1,1-、1,1,1-トリメチロールデカン、1,2,10-デカントリオール、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-sec-ブタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ペンタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ノナン、1,1,1-トリメチロール-tert-トリデカン、1,1,1-トリメチロール-tert-ヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,2,3,4-ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、スチルベン-3,4’、5-トリオール、シュークロース、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース、キシリトールのような3官能以上の低分子ポリオール;が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート又はジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネート;エチレンカーボネートのようなアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネート;が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(A1)の数平均分子量は、好ましくは400~3,000であり、より好ましくは500~1、500である。数平均分子量が上記範囲内であると、柔軟性、耐熱性に優れるため好ましい。
ウレタンプレポリマーを構成するポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン結合濃度の調節や各種官能基導入を目的として、ポリカーボネートポリオール(A1)以外の、その他のポリオールを含有してもよい。このようなその他のポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールの項に記載した化合物や、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリマーポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(A1)の含有率は、ウレタンプレポリマーを構成するポリオール(A)の全質量を基準として、好ましくは80~100質量%であり、より好ましくは90~100質量%である。ポリカーボネートポリオール(A1)の含有率が80~100質量%であると、耐熱性、耐薬品性に優れるため好ましい。
<ポリイソシアネート(B)>
ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアナネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアナート、p-テトラメチルキシレンジイソシアナート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、好ましくは無溶剤下で公知のウレタン化反応を用いて行うことができ、ポリイソシアネートを過剰にすることで、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得ることができる。反応時のイソシアナト基と水酸基とのモル比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは1.05~2.00、より好ましくは1.10~1.50である。
ウレタン化反応では、反応性を調整する目的で触媒を用いてもよい。
触媒としては、公知の金属系触媒、アミン系触媒等が使用できる。金属系触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、2-エチルヘキソエート鉛、チタン酸2-エチルヘキシル、チタンエチルアセテート、2-エチルヘキソエート鉄、2-エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ-n-ブチル錫等が挙げられる。アミン系触媒としては、テトラメチルブタンジアミン等の3級アミン等が挙げられる。触媒の使用量は、好ましくはポリオールの全質量を基準として、0.05~1モル%の範囲である。
ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、特に制限されず、好ましくは3,000~200,000の範囲である。3,000以上であると接着力に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易となる。
<分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物>
上述で得られたウレタンプレポリマーと、分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物とを、好ましくはポリカーボネートポリオール(A2)の存在下に反応させることで、ウレタン樹脂の両末端領域に、ウレア結合と、水酸基又はスルファニル基と、を近接して有するウレタン変性樹脂(C)、及びポリカーボネートポリオール(A2)の混合物を得ることができる。
モノアミン化合物の分子量が200未満であることで、ウレア結合と水酸基又はスルファニル基とが近接し、さらに、前記水酸基又はスルファニル基が、芳香族ポリイソシアネート(D)を介して架橋することで強靭な硬化膜が形成され、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性、耐薬品性が付与される。モノアミン化合物の分子量は、好ましくは、50~150の範囲である。モノアミン化合物の分子量が200以上であると、ウレア結合と水酸基又はスルファニル基とが近接することによる効果が得られず、強靭な塗膜を形成できない。
本発明に使用されるモノアミン化合物のアミノ基は、水酸基又はスルファニル基よりも反応性が高いため、ウレタンプレポリマーの末端のイソシアナト基と優先的に反応してウレア結合を形成し、ウレタンプレポリマーの末端に効率的に水酸基又はスルファニル基を導入することができる。モノアミン化合物は、イソシアナト基との反応性の観点から、好ましくは第一級又は第二級のアミンであり、好ましくは第一級アミンである。
後述のポリカーボネートポリオール(A2)も水酸基を有しており、ウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応する可能性があるが、モノアミン化合物のアミノ基の方が水酸基より反応性が高いため、ポリカーボネートポリオール(A2)とウレタンプレポリマーのイソシアナト基との反応は抑制される。
分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物は、分子内に水酸基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、又は、分子内にスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物、のいずれかであればよく、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
分子内に水酸基を有する分子量200未満のモノアミン化合物としては、例えば、2-アミノエタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(メチルアミノ)エタノール、2-(エチルアミノ)エタノール、2-(ブチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミンが挙げられ、好ましくは2-アミノエタノールである。
分子内にスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物としては、例えば、2-アミノエタンチオール、3-アミノプロピル-1-チオール、1-アミノプロピル-2-チオール、4-アミノ-1-ブタンチオールが挙げられ、好ましくは2-アミノエタンチオールである。
<ポリカーボネートポリオール(A2)>
本発明において、ポリカーボネート(A2)は、ウレタン変性樹脂(C)と適度な相溶性を有し、ミクロ相分離構造を誘起した強固な架橋塗膜の形成により、得られる硬化膜に優れた塗膜強度、耐熱性、耐薬品性を付与する役割を担うものである。
本発明の接着剤は、ポリカーボネートポリオール(A2)を、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として、50~250質量%の範囲で含むことで、接着剤により形成される膜がより強固な硬化膜となり、優れた柔軟性、耐熱性を得ることができる。ポリカーボネートポリオール(A2)の含有量は、好ましくは70~150質量%である。
ポリカーボネートポリオール(A2)としては、上述のポリカーボネートポリオール(A1)の項に記載した化合物を用いることができ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、ポリカーボネートポリオール(A1)及びポリカーボネートポリオール(A2)は、同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
前述のとおり、工程2の反応生成物は、ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応生成物が主成分であり、ポリカーボネートポリオール(A2)は大半が未反応のまま残存することが好ましい。
ポリカーボネートポリオール(A2)の数平均分子量は、好ましくは200~1,500であり、より好ましくは300~1,000である。数平均分子量が上記範囲内である
と、接着力、柔軟性、耐熱性、耐薬品性に優れるため好ましい。
<溶媒>
ポリオールとポリイソシアネートとの反応、ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応といった、ウレタン変性樹脂を製造する際の反応は、溶媒を用いて行ってもよい。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとポリイソシアネートとの反応に用いてもよい溶媒としては、イソシアナト基と反応しないものであれば特に制限されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが挙げられる。
ウレタンプレポリマーと分子内に水酸基又はスルファニル基を有する分子量200未満のモノアミン化合物との反応に用いてもよい溶媒としては、上述の溶媒の他、エタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類を用いることができる。
<ウレタン変性樹脂(C)の重量平均分子量>
ウレタン変性樹脂(C)の重量平均分子量は、特に制限されず、好ましくは5,000~300,000であり、より好ましくは7,500~25,000である。5,000以上であると接着力に優れ、300,000以下であると粘度の調整が容易である。
<芳香族ポリイソシアネート(D)>
本発明の接着剤は、ウレタン変性樹脂(C)及びポリカーボネートポリオール(A2)に、さらに架橋剤として芳香族ポリイソシアネート(D)を含む。芳香族ポリイソシアネート(D)としては、例えば、上述の芳香族ジイソシアネート、及びこれらのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、その他縮合体等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも芳香族ポリイソシアネート(D)として好ましくは、芳香族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体とを含むものであり、より好ましくは、芳香族ジイソシアネートとトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体とを含むものである。芳香族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体とを組み合わせて用いると、柔軟性と耐熱性及び耐薬品性に優れるため好ましい。
前記芳香族ポリイソシアネート(D)が、芳香族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体とを含む場合、芳香族ポリイソシアネート(D)の全質量を基準として、芳香族ジイソシアネートを15~55質量%、芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を45~85質量%含むことが好ましい。この範囲であると、特に、柔軟性、耐熱性、耐薬品性に優れる接着剤を得ることができる。
また本発明の接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香族以外のポリイソシアネートを含んでもよい。このような架橋剤成分として配合される、芳香族ポリイソシアネート(D)を含むポリイソシアネート中のイソシアナト基と、接着剤中に含まれる全水酸基とのモル比(イソシアナト基のモル数/水酸基のモル数)は、好ましくは0.5~5.0であり、より好ましくは0.8~3.0である。モル比が、0.5~5.0であると、塗膜強度、柔軟性及び接着力に優れるため好ましい。
[その他成分]
本発明の接着剤は、さらに、反応促進剤、シランカップリング剤、リン酸又はリン酸誘導体、レベリング剤又は消泡剤、充填剤、噴射剤、可塑剤、超可塑剤、湿潤剤、難燃剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤及び着色剤等の公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン等が挙げられる。
反応促進剤の配合量は、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナト基を有するトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するトリアルコキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.05~10質量%である。
リン酸又はリン酸誘導体の内、リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。また、リン酸の誘導体としては、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。
リン酸又はその誘導体の添加量は、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチン等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物等の公知のものが挙げられる。
<積層体、硬化物> 本発明の硬化物は、好適には、ウレタン変性樹脂(C)及びポリカーボネートポリオール(A2)からなる組成物と、芳香族ポリイソシアネート(D)とを公知の方法で混合することで得られる。また、本発明の積層体は、基材上に本発明の接着剤の硬化物からなる層を有するものである。積層体の製造方法は特に制限されず、例えば、接着剤を基材の一方の面に塗布し、次いで、未硬化の接着剤面に他の基材を重ねて、20~150℃程度で加熱処理を行い、接着剤を硬化させることで、積層体を得ることができる。硬化後の接着剤層の厚みは、好ましくは0.1μm~300mmである。
本発明の接着剤は、多種の基材間の接着に用いることができる。好適な基材としては、例えば、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、ポリロピレン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びポリカーボネート及びそれらのコポリマー等の熱可塑性ポリマー、加硫ゴム等の熱硬化性ポリマー、尿素-ホルムアルデヒドフォーム、メラミン樹脂、木材、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック及びその他の繊維強化プラスチックが挙げられ、接着剤層を介して接着される基材は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明の接着剤は、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力を有ており、該接着剤を用いた積層体は、自動車、建材、船舶、航空機等の輸送機器の構造部材(パネル部品、骨格部品、足回り部品等)として有用である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
<重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレンによる換算値として求めた。測定は、GPC装置としてGPC-8020(東ソー社製)、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSKgelSuperHM-M(東ソー社製)を3本直列に連結し、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃の条件で行った。
本明細書における化合物の略称を以下に示す。
<ポリオール>
・T5651;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000、水酸基価110mgKOH/g、商品名「デュラノールT5651」、旭化成社製
・T5650J;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量819、水酸基価137mgKOH/g、商品名「デュラノールT5650J」、旭化成社製
・T5650E;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500、水酸基価220mgKOH/g、商品名「デュラノールT5650E」旭化成社製
・G3450J;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量800、水酸基価142mgKOH/g、商品名「デュラノールG3450J」旭化成社製
・PTG-1000SN;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、保土谷化学工業社製
・P-400:2官能ポリプロピレングリコール、数平均分子量400、水酸基価280mgKOH/g、アデカ社製
<ポリイソシアネート>
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・MDI:2,4‘-および4,4‘-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、商品名「ルプラネートMI」、BASF INOAC ポリウレタン社製・ポリメリックMDI:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ダウ社製
・TDI-TMPアダクト:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、商品名「タケネート D103H」、酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学社製を、減圧下で酢酸エチルを除去して用いた
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
・XDI:キシリレンジイソシアネート
・HDI-TMPアダクト:ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、商品名「タケネート D-160N」、酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、三井化学社製を、減圧下で酢酸エチルを除去して用いた
<モノアミン化合物>
・システアミン:2-アミノエタンチオール(分子量:77.1)
・エタノールアミン:2-アミノエタノール(分子量:61.1)
・ジエタノールアミン:2,2’-ジヒドロキシジエチルアミン(分子量:105.1)
<ウレタン変性樹脂の製造>
(製造例1)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(A1)としてT-5651を100.0部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを30.5部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下90℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。
次に、80℃まで冷却し、ポリカーボネートポリオール(A1)としてT5650Eを68.3部、2-アミノエタンチオール6.1部を加え、75℃で2時間反応させ、ウレタン変性樹脂(C-1)とポリカーボネートポリオールとからなる組成物(CE-1)を得た。
反応の終点は、FT-IRによりイソシアナト基由来のピーク(2270cm-1付近)の消失により確認した。
(製造例2~21、比較製造例1~5)
表1に示す化合物、及び配合組成に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、製造例2~21及び比較製造例1~5の、ウレタン系樹脂(C-2~C-26)とポリカーボネートポリオールからなる組成物(CE-2~CE-26)をそれぞれ得た。なお、比較製造例3はモノアミン化合物を用いておらず、末端が水酸基であるウレタン樹脂とポリカーボネートポリオールからなる組成物である。
得られたウレタン変性樹脂とポリカーボネートポリオールからなる組成物、並びに、ウレタン変性樹脂(C)の重量平均分子量、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準とするポリカーボネートポリオール(A2)の割合(%)、ポリオール(A)中のポリカーボネートポリオール(A1)の割合(%)を表1に示す。
Figure 0007045607000001
<接着剤の調製>
[実施例1]
製造例1で得られた、ウレタン変性樹脂(C-1)とポリカーボネートポリオールからなる組成物(CE-1)を10.0部、芳香族ポリイソシアネート(D)としてポリメリックMDIを2.7部、を室温で撹拌混合し、実施例1の接着剤を調製した。
[実施例2~41及び比較例1~10]
表2~5に示す配合組成に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~41、及び比較例1~10の接着剤を調製した。
得られた接着剤、並びに、芳香族ポリイソシアネート(D)中の芳香族ジイソシアネートの割合(%)、芳香族ポリイソシアネート(D)中の芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の割合(%)を表2~5に示す。
<接着剤の評価>
実施例及び比較例で調製した接着剤について、以下の試験を行った。判定結果を表2~5に記載した。
[せん断接着力]
各接着剤組成物を、ステンレス基材(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)上に幅25mm、長さ10mm、厚み0.1mmとなるよう塗布し、炭素繊維強化プラスチック基板(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)と貼りあわせ、厚み0.1mmを保持するよう圧着した状態で80℃1日養生させて、試験片を得た。得られた試験片を温度25℃、相対湿度50%の条件下、引張り速度1mm/分で引張り試験機を用いてせん断接着強度を測定し、以下の評価基準で判定した。
(評価基準)
◎ :せん断接着力が、10MPa以上(非常に良好)
○ :せん断接着力が、7MPa以上、10MPa未満(良好)
△ :せん断接着力が、5MPa以上、7MPa未満(使用可能)
× :せん断接着力が、5MPa未満(使用不可)
[破断応力・破断伸度]
厚さ2mmのシート状型枠に各接着剤を充填し、表面を整えて、80℃1日の養生後、3号ダンベル型で打ち抜き、評価用のダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を用いて、引張速度50mm/分で引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定し、以下の基準で判定した。
(破断応力の評価基準)
◎ :破断応力が、30MPa以上(非常に良好)
○ :破断応力が、25MPa以上、30MPa未満(良好)
△ :破断応力が、20MPa以上、25MPa未満(使用可能)
× :破断応力が、20MPa未満(使用不可)
(破断伸度の評価基準)
◎ :破断伸度が、300%以上(非常に良好)
○ :破断伸度が、250%以上、300%未満(良好)
△ :破断伸度が、200%以上、250%未満(使用可能)
× :破断伸度が、200%未満(使用不可)
[150℃耐熱耐性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を150℃の環境下で100時間加熱処理した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
[150℃耐油耐性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を150℃のオートマオイルに100時間浸漬した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
Figure 0007045607000002
Figure 0007045607000003
Figure 0007045607000004
Figure 0007045607000005
本発明の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱耐性、耐薬品耐性のいずれにおいても良好な結果が得られた。一方で、比較例の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱耐性、耐薬品耐性の一部又は全てが、実施例よりも劣る結果であった。

Claims (5)

  1. ポリオール(A)の全質量を基準として、ポリカーボネートポリオール(A1)を、75~100質量%含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とから得られる末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアナト基と、分子内に水酸基又はスルファニル基とアミノ基とを有する分子量200未満のモノアミン化合物のアミノ基と、の反応生成物であるウレタン変性樹脂(C)、芳香族ポリイソシアネート(D)、及びポリカーボネートポリオール(A2)を含有し、
    前記ポリカーボネートポリオール(A2)の含有率が、ウレタン変性樹脂(C)の全質量を基準として50~250質量%の範囲である、接着剤。
  2. 前記芳香族ポリイソシアネート(D)が、芳香族ポリイソシアネート(D)の全質量を基準として、芳香族ジイソシアネートを15~55質量%、芳香族ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体を45~85質量%の少なくともどちらか一方を含む、請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記ウレタン変性樹脂(C)を構成するポリオール(A)が、ウレタン変性樹脂(C)を構成するポリオール(A)の全質量を基準として、ポリカーボネートポリオール(A1)を、80~100質量%の範囲で含む、請求項1又は2に記載の接着剤。
  4. 請求項1~3いずれか1項に記載の接着剤の硬化物。
  5. 基材上に、請求項4に記載の硬化物からなる層を有する積層体。
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