JP2017108126A - Iii 族窒化物半導体装置の製造方法および半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

Iii 族窒化物半導体装置の製造方法および半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性に優れたIII族窒化物半導体を比較的低温で製造することを図ったIII族窒化物半導体装置の製造方法及び半導体ウエハの製造方法を提供する。【解決手段】III族窒化物半導体装置の製造方法は、基板Sa1にIII族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有する。半導体層形成工程は、III族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して基板Sa1に供給するとともにIII族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで基板Sa1に供給して、下地層の上にIII族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、を有する。【選択図】図2

Description

本明細書の技術分野は、電子移動度の高いIII 族窒化物半導体装置とその製造方法に関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体では、絶縁破壊電界の強度が高く、かつ融点が高い。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。そのため、HEMT素子などが研究開発されている。
例えば、電子走行層としてGaNを用い、電子供給層としてn−AlGaNを用いるHEMT素子が開発されている(特許文献1の段落[0002]および図2等参照)。
ところで、GaNの電子移動度の理論値は3000cm2 /Vs程度である。そのため、GaNの電子移動度は、Siの電子移動度よりも速いが、Geの電子移動度と同等である。さらには、GaNの電子移動度は、InP、InAs、InSbの電子移動度よりも遅い。また、実験で得られるGaNの電子移動度は2000cm2 /Vsにとどまっている。
特開2003−179082号公報 特開2015−99866号公報
一方、InNの電子移動度の理論値が14000cm2 /Vsであるとする最近の研究結果がある。これは、In濃度の高いIII 族窒化物半導体層が、高速高周波デバイスのチャネル層として有望であることを示唆している。しかし、通常のGaN結晶を成長させる高温下では、Inは、III 族窒化物半導体層から離脱しやすい。つまり、In濃度が高く結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を成長させることは、非常に困難である。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、特許文献2のようなRadical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition(REMOCVD法)を開発した。REMOCVD法では、例えば200℃程度の低温で半導体層を成長させることができる。そのため、REMOCVD法は、InN層を成長させる方法であるとともに量産可能な方法である。
このように、REMOCVD法は、高速高周波デバイスを製造するために有用な方法である。しかし、REMOCVD法を用いて半導体層を成長させる場合に、InNやその他のIII 族窒化物半導体の結晶性をさらに向上させることが望ましい。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。その課題とは、結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を比較的低温で製造することを図ったIII 族窒化物半導体装置の製造方法および半導体ウエハの製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体装置の製造方法は、成長基板にIII 族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有する。半導体層形成工程は、III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して成長基板に供給するとともにIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給して、下地層の上にIII 族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、を有する。
このIII 族窒化物半導体装置の製造方法においては、III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる。そして、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた下地層の上に、III 族窒化物半導体層を成膜する。III 族窒化物半導体層を成膜するにあたって、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化せずに、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化する。これにより、結晶性に優れた半導体層を低温で成膜することができる。つまり、In濃度の高い半導体層を高い品質で成膜できる。したがって、このIII 族窒化物半導体装置の製造方法は、高速高周波用のデバイスの製造に好適である。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体装置の製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程を有する。バッファ層形成工程は、吸着工程および上層形成工程を有する。そして、吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを成長基板に吸着させ、上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層を形成する。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体装置の製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、を有する。チャネル層形成工程は、吸着工程および上層形成工程を有する。吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層に吸着させ、上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層の上にチャネル層を形成する。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体装置の製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、を有する。バッファ層形成工程は、第1の吸着工程および第1の上層形成工程を有する。チャネル層形成工程は、第2の吸着工程および第2の上層形成工程を有する。第1の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを成長基板に吸着させ、第1の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層を形成する。第2の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層に吸着させ、第2の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層の上にチャネル層を形成する。
第5の態様における半導体ウエハの製造方法は、成長基板にIII 族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有する。半導体層形成工程は、III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して成長基板に供給するとともにIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給して、下地層の上にIII 族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、を有する。
第6の態様における半導体ウエハの製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程を有する。バッファ層形成工程は、吸着工程および上層形成工程を有する。吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを成長基板に吸着させ、上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層を形成する。
第7の態様における半導体ウエハの製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、を有する。チャネル層形成工程は、吸着工程および上層形成工程を有する。吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層に吸着させ、上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層の上にチャネル層を形成する。
第8の態様における半導体ウエハの製造方法においては、半導体層形成工程は、成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、を有する。バッファ層形成工程は、第1の吸着工程および第1の上層形成工程を有する。チャネル層形成工程は、第2の吸着工程および第2の上層形成工程を有する。第1の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを成長基板に吸着させ、第1の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層を形成する。第2の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層に吸着させ、第2の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層の上にチャネル層を形成する。
本明細書では、結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を比較的低温で製造することを図ったIII 族窒化物半導体装置の製造方法および半導体ウエハの製造方法が提供されている。
第1の実施形態におけるHEMT素子の概略構成を示す図である。 実施形態における製造装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態の変形例におけるHEMT素子の概略構成を示す図である。 第1のサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。 第2のサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。 InN層を形成したサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。 InN層を形成したサンプルのXRD測定(2θ/ω)の結果を示すグラフである。 InN層の表面を示す走査型顕微鏡写真である。 InN層の断面を示す走査型顕微鏡写真である。
以下、具体的な実施形態について、量産に適しているとともにIn濃度の高いIII 族窒化物半導体層を有するIII 族窒化物半導体装置とその製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。本実施形態の半導体装置は、III 族窒化物半導体層を有する。
1.III 族窒化物半導体装置
図1に、本実施形態のHEMT100を示す。HEMT100は、高電子移動度トランジスタである。図1に示すように、HEMT100は、基板110と、バッファ層120と、チャネル層130と、バリア層140と、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1と、を有している。ソース電極S1およびドレイン電極D1は、バリア層140の上に形成されている。このように、チャネル層130は、基板110とバリア層140との間の位置に配置されている。バリア層140からみてチャネル層130の反対側の位置に、ゲート電極G1と、ソース電極S1と、ドレイン電極D1と、が配置されている。
ここで、チャネル層130は、単一層であっても複数層であってもよい。バリア層140は、単一層であっても複数層であってもよい。バリア層140のバンドギャップは、チャネル層130のバンドギャップに比べて大きい。
バッファ層120は、例えば、GaN層である。チャネル層130は、例えば、InGaN層である。バリア層140は、例えば、AlGaN層である。バリア層140は、AlInN層であってもよい。チャネル層130におけるIn濃度は高い。また、チャネル層130の結晶性はよい。チャネル層130におけるInX Ga(1-X) N層のIn濃度Xは、0.3以上1.0以下の範囲内である。また、In濃度Xは、0.5以上1.0以下の範囲内であってもよい。In濃度Xは、0.8以上1.0以下の範囲内であるとなおよい。また、In濃度Xを1.0とすることもできる。この場合、チャネル層130は、InNである。
このように、本実施形態のHEMT100は、In濃度Xの高いチャネル層130を有している。In濃度Xが高いほど、その半導体層の電子伝導度は高い。そのため、このチャネル層130の電子伝導度は、従来のHEMTの電子伝導度に比べて十分に高い。したがって、高速高周波のデバイスに好適である。
2.III 族窒化物半導体装置の製造装置
2−1.製造装置の構成
図2は、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体装置の製造装置1000の概略構成図である。製造装置1000は、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して、そのプラズマ化したプラズマ生成物を成長基板に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給する装置である。
製造装置1000は、炉本体1001と、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、加熱器1210と、第1のガス供給管1300と、ガス導入室1410と、第2のガス供給管1420と、金属メッシュ1500と、RF電源1600と、マッチングボックス1610と、第1のガス供給部1710と、第2のガス供給部1810と、ガス容器1910、1920、1930と、恒温槽1911、1921、1931と、マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840と、を有している。また、製造装置1000は、排気口(図示せず)を有している。
シャワーヘッド電極1100は、周期的な電位を付与される第1の電極である。シャワーヘッド電極1100は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。シャワーヘッド電極1100は、平板形状の電極である。そして、シャワーヘッド電極1100には、表面から裏面に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの複数の貫通孔は、ガス導入室1410および第2のガス供給管1420と連通している。このため、ガス導入室1410から炉本体1001の内部に供給される第2のガスは、好適にプラズマ化される。RF電源1600は、シャワーヘッド電極1100に高周波電位を付与する電位付与部である。
サセプター1200は、基板Sa1を支持するための基板支持部である。サセプター1200の材質は、例えば、グラファイトである。また、これ以外の導電体であってもよい。ここで、基板Sa1は、III 族窒化物半導体を成長させるための成長基板である。
第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給するためのものである。実際には、サセプター1200に支持された基板Sa1に第1のガスを供給することとなる。ここで、第1のガスとは、III 族金属を含む有機金属ガスである。また、その他のキャリアガスを含んでいてもよい。第1のガス供給管1300は、リング状のリング部1310を有している。そして、第1のガス供給管1300のリング部1310には、12個の貫通孔(図示せず)がリング部1310の内側に設けられている。これらの貫通孔は、第1のガスが噴出する噴出口である。そのため、第1のガスは、リング部1310の内側に向けて、噴出することとなる。
第2のガス供給管1420は、サセプター1200に第2のガスを供給するためのものである。実際には、第2のガスをガス導入室1410および炉本体1001の内部に導入するとともに、サセプター1200に支持された基板Sa1に第2のガスを供給することとなる。そして、第2のガス供給管1420は、第2のガスを炉本体1001の内部に供給する。ここで、第2のガス供給管1420が供給する第2のガスは、少なくとも窒素ガスを含むガスである。第2のガス供給管1420は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを第2のガスとして供給するとよい。そのため、説明の便宜上、第2のガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスであるとして説明する。ガス導入室1410は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを一旦収容するとともに、シャワーヘッド電極1100の貫通孔にこの混合ガスを供給するためのものである。
金属メッシュ1500は、荷電粒子を捕獲するためのものである。金属メッシュ1500は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の位置に配置されている。そのため、後述するようにプラズマ発生領域で発生した荷電粒子が、サセプター1200に支持されている成長基板Sa1に向かうのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100と第1のガス供給管1300のリング部1310との間の位置に配置されている。そのため、荷電粒子が、第1のガス供給管1300から噴出されるIII 族金属を含む有機金属分子に衝突するのを抑制することができる。
炉本体1001は、少なくとも、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、第1のガス供給管1300のリング部1310と、金属メッシュ1500と、を内部に収容している。炉本体1001は、例えば、ステンレス製である。炉本体1001は、上記以外の導電体であってもよい。
炉本体1001と、金属メッシュ1500と、第1のガス供給管1300とは、導電性の部材であり、いずれも接地されている。そのため、シャワーヘッド電極1100に電位が付与されると、シャワーヘッド電極1100と、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300と、の間に電圧が印加されることとなる。そして、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300の少なくとも1つ以上と、シャワーヘッド電極1100と、の間に放電が生じると考えられる。シャワーヘッド電極1100の直下では、高周波かつ高強度の電界が形成される。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下の位置は、プラズマ発生領域である。
ここで、第2のガス、すなわち、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスは、このプラズマ発生領域においてプラズマ化されることとなる。そして、プラズマ発生領域でプラズマ生成物が発生する。この場合におけるプラズマ生成物とは、窒素ラジカルと、水素ラジカルと、窒化水素系の化合物と、電子と、その他のイオン等である。ここで、窒化水素系の化合物とは、NHと、NH2 と、NH3 と、これらの励起状態と、その他のものとを含む。
また、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200とは、十分に離れている。シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200との間の距離は、40mm以上200mm以下である。より好ましくは、40mm以上150mm以下である。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が短いと、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがある。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が40mm以上であれば、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがほとんどない。そのため、荷電粒子が基板Sa1に到達することを抑制できる。また、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が大きいと、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、サセプター1200の保持する基板Sa1に到達しにくくなるからである。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
シャワーヘッド電極1100は、サセプター1200からみて第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔よりも遠い位置に配置されている。シャワーヘッド電極1100と、第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔との間の距離は、30mm以上190mm以下である。より好ましくは、30mm以上140mm以下である。荷電粒子が、第1のガスに混入することを抑制するとともに、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、第1のガスに混入しやすくするためである。このため、プラズマ化された第2のガスと、プラズマ化されない第1のガスとにより、基板Sa1に半導体層が積層されることとなる。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
加熱器1210は、サセプター1200を介して、サセプター1200に支持される基板Sa1を加熱するためのものである。
マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840は、各々のガスの流量を制御するためのものである。恒温槽1911、1921、1931には、不凍液1912、1922、1932が満たされている。また、ガス容器1910、1920、1930は、III 族金属を含む有機金属ガスを収容するための容器である。ガス容器1910、1920、1930には、それぞれ、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、収容されている。もちろん、トリエチルガリウム等、その他のIII 族金属を含む有機金属ガスであってもよい。
2−2.製造装置の製造条件
製造装置1000における製造条件を表1に示す。表1で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、室温以上900℃以下の範囲内である。製造装置1000の内圧は、1Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
[表1]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 室温以上 900℃以下
内圧 1Pa以上 10000Pa以下
2−3.製造装置の効果
この製造装置1000は、In組成比Xが0.3以上というIn濃度の高いIII 族窒化物層を比較的速い成長速度で成長させることができる。つまり、In濃度の高いIII 族窒化物層を有する半導体素子を量産することができる。また、窒素ガスおよび水素ガスをプラズマ化するため、従来のMOCVD法に比べて、低い温度で半導体層を成長させることができる。例えば、基板温度を100℃〜200℃程度として成膜することができる。また、MOCVD炉のように大量のアンモニアを用いる必要がない。そのため、大規模な除害装置を設ける必要がない。そして、この製造装置1000の製造コストおよびランニングコストは、従来の装置よりも低い。
3.III 族窒化物半導体装置の製造方法
ここで、本実施形態の製造装置1000を用いたHEMT100の製造方法について説明する。この製造方法は、成長基板にIII 族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有する。半導体層形成工程は、III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して成長基板に供給するとともにIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給して、下地層の上にIII 族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、を有する。
3−1.基板のクリーニング
まず、基板Sa1を準備する。基板Sa1として、例えば、c面サファイア基板を用いることができる。また、その他の基板を用いてもよい。基板Sa1を、製造装置1000のサセプター1200に取り付ける。そして、水素ガスを供給しながら基板温度を400℃から800℃程度まで上昇させる。これにより、基板Sa1の表面を還元するとともに、基板Sa1の表面をクリーニングする。基板温度については、より高い温度にしてもよい。
3−2.半導体層形成工程
半導体層形成工程は、基板Sa1の上にバッファ層120を形成するバッファ層形成工程と、バッファ層120の上にチャネル層130を形成するチャネル層形成工程と、チャネル層130の上にバリア層140を形成するバリア層形成工程と、を有する。
3−2−1.バッファ層形成工程
3−2−1−1.吸着工程
次に、基板Sa1の上にIII 族金属を含む有機金属ガスを供給する。そして、III 族金属を含む有機金属ガスを基板Sa1の板面に吸着させる。ここでは、吸着させる有機金属ガスとして、例えば、トリメチルインジウムが挙げられる。これ以外の有機金属ガスを用いてもよい。有機金属ガスとして、例えば、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウムが挙げられる。なお、有機金属ガスが基板Sa1の上に吸着する際には、メチル基等の置換基が離脱している場合がある。この吸着工程により、III 族金属、もしくはIII 族金属を含む有機金属ガスが、基板Sa1の上に吸着する。
なお、この吸着工程における基板温度は、例えば、5℃以上800℃以下である。好ましくは、100℃以上400℃以下である。製造装置1000の内圧は、10Pa以上1000Pa以下の範囲内である。また、もちろん、吸着工程においては、有機金属ガスをプラズマ化しない。
3−2−1−2.上層形成工程
次に、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた基板Sa1の上にバッファ層120を形成する。具体的な方法は、次の通りである。
RF電源1610をONにする。そして、第2のガス供給管1420から、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。そして、シャワーヘッド電極1100の貫通孔から炉本体1001の内部に供給された混合ガスは、シャワーヘッド電極1100の直下でプラズマ化する。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下にプラズマ発生領域が生成される。この際に、窒素ラジカルと水素ラジカルとが生成される。そして、窒素ラジカルと水素ラジカルとが反応して、窒化水素系の化合物が生成されると考えられる。また、電子やその他の荷電粒子も生成される。
そして、これらの窒素ラジカルと水素ラジカルと窒化水素系の化合物と電子とその他の荷電粒子を含んだラジカル混合気体は、基板Sa1に向けて送出される。このラジカル混合ガスの発生箇所は、シャワーヘッド電極1100の直下である。シャワーヘッド電極1100から基板Sa1までの距離は十分に広いため、ラジカル混合気体のうち、電子やイオン等の荷電粒子は、基板Sa1まで到達しにくい。また、荷電粒子は、金属メッシュ1500に捕獲されやすい。そのため、基板Sa1に向けて供給されるのは、窒素ラジカルと水素ラジカルの他、窒化水素系の化合物であると考えられる。これらの窒素ラジカルや窒化水素系の化合物は、通常のアンモニアに比べて、反応性が高い。そのため、従来に比べて低い温度で半導体層をエピタキシャル成長させることができる。
一方、第1のガス供給管1300のリング部1310から、III 族金属の有機金属ガスを供給する。例えば、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、挙げられる。本実施形態では、In濃度の高い半導体層を形成するため、インジウム元素を含む有機金属ガスの供給量は、従来に比べて多い。これらのガスは、基板Sa1に向かうラジカル混合気体に巻き込まれて、基板Sa1に供給されることとなる。III 族金属の有機金属ガスは、プラズマ化されないで、基板Sa1に供給される。
このように、本実施形態のHEMT100の製造方法では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して、そのプラズマ化したプラズマ生成物を基板Sa1に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで基板Sa1に供給する。
なお、製造装置1000の内部の圧力は、例えば、10Pa以上1000Pa以下の範囲内である。RFパワーは、例えば、100W以上1000W以下の範囲内である。III 族金属の有機金属ガスについては、例えば、0.025sccm以上2.0sccmである。基板温度は、例えば、500℃以上850℃以下の範囲内である。これらの数値範囲は例示であり、これ以外の数値を用いてもよい。
3−2−2.チャネル層形成工程
次に、バッファ層120の上にチャネル層130を形成する。窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してバッファ層120に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないでバッファ層120に供給する。
3−2−3.バリア層形成工程
次に、チャネル層130の上にバリア層140を形成する。窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してチャネル層130に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないでチャネル層130に供給する。
3−3.電極形成工程
次に、バリア層140の上にソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する。また、バリア層140の上にゲート電極G1を形成する。
3−4.素子分離工程
次に、ウエハ状の基板Sa1を分割して、複数のHEMT100に切り出す。もしくは、基板Sa1から余剰な部分を除去する。そのためには、レーザー装置や、ブレーキング装置等を用いればよい。以上により、HEMT100が製造される。
3−5.その他工程
また、上記の他に、熱処理工程と、保護膜形成工程と、その他の工程と、を実施してもよい。
4.従来のHEMTの製造方法との違い
本実施形態では、REMOCVD法を用いて半導体層を成長させる。本実施形態のHEMT100の製造方法では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して、そのプラズマ化したプラズマ生成物を成長基板に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給する。そのため、100℃〜200℃程度の低温で半導体層を成長させることができる。したがって、In濃度の高い半導体層を成長させることができる。また、本実施形態では、有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層120を成長させる。そのため、その上層であるチャネル層130、バリア層140の結晶性は優れている。したがって、電子移動度の高いHEMTを製造することができる。
5.変形例
5−1.バッファ層への吸着
III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層120に吸着させてもよい。この場合においても、上層のチャネル層130、バリア層140を高い結晶性で成長させることができる。よって、次の3通りを実施してもよい。つまり、基板Sa1に有機金属ガスを吸着させてバッファ層120に有機金属ガスを吸着させない場合と、基板Sa1に有機金属ガスを吸着させずにバッファ層120に有機金属ガスを吸着させる場合と、基板Sa1に有機金属ガスを吸着させるとともにバッファ層120に有機金属ガスを吸着させる場合と、である。
チャネル層130を成長させる際にのみ吸着工程を用いる場合について説明する。チャネル層形成工程は、吸着工程および上層形成工程を有する。吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層120に吸着させ、上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層120の上にチャネル層130を形成する。
バッファ層120およびチャネル層130を成長させる際の両方に吸着工程を用いる場合について説明する。バッファ層形成工程は、第1の吸着工程および第1の上層形成工程を有する。チャネル層形成工程は、第2の吸着工程および第2の上層形成工程を有する。第1の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを成長基板に吸着させ、第1の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた成長基板の上にバッファ層120を形成する。第2の吸着工程では、III 族金属を含む有機金属ガスをバッファ層120に吸着させ、第2の上層形成工程では、III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させたバッファ層120の上にチャネル層130を形成する。
5−2.プラズマ化する原料ガス
プラズマ化する原料ガス(第2のガス)は、少なくとも窒素ガスを含んでいればよい。ここで、InN等のIn濃度の高い半導体層を成長させる際には、窒素ガスを含有するとともに水素ガスを含有しない原料ガスを用いることが好ましい。In濃度のそれほど高くない半導体層を成長させる際には、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスを用いてもよい。
5−3.AlInGaN層
本実施形態では、チャネル層130をInGaN層として形成した。しかし、少量のAl元素を含有していてもよい。その場合、チャネル層130は、AlY InX Ga(1-X-Y) N層である。この場合において、チャネル層130のIn濃度Xは、0.3≦X≦1.0であり、チャネル層130のAl濃度Yは、0≦Y≦0.05である。
5−4.絶縁ゲート型HEMT
図3に示すように、本実施形態の技術を絶縁ゲート型のHEMT200に対しても、適用することができる。HEMT200は、基板110と、バッファ層120と、チャネル層130と、バリア層240と、絶縁膜250と、ソース電極S2と、ゲート電極G2と、ドレイン電極D2と、を有している。ゲート電極G2は、溝241の位置に、絶縁膜250をはさんでバリア層240と対面する位置に形成されている。また、図1や図3に示した半導体構造に限らない。チャネル層230として、In濃度の高いIII 族窒化物半導体を適用すれば、その他の半導体層の構成は、自由に選んでよい。
5−5.半導体ウエハ
本実施形態の技術は、電極を形成する前の半導体ウエハに適用することができる。例えば、図1におけるソース電極S1、ドレイン電極D1、ゲート電極G1を形成する前の半導体ウエハについても、本実施形態の半導体装置の製造方法と同様に製造することができる。
5−6.積層構造
本実施形態では、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1とを、バリア層140の上に形成した。しかし、バリア層140の上に他の半導体層を形成し、その半導体層の上にこれらの電極を形成してもよい。もちろん、その場合であっても、絶縁ゲート型の半導体装置であってもよい。また、チャネル層130と基板110との間に、バッファ層120以外の下地層を有していてもよい。
5−7.合金散乱防止層
チャネル層130とバリア層140との間に、バリア層140よりもバンドギャップの大きい合金散乱防止層を形成してもよい。
5−8.組み合わせ
上記の変形例について、自由に組み合わせてもよい。
6.本実施形態のまとめ
本実施形態のHEMT100の製造方法は、III 族金属を含む有機金属ガスを基板Sa1の上に吸着させる吸着工程と、有機金属ガスを吸着させた基板Sa1の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる上層形成工程と、を有する。このように、有機金属ガスを吸着させた下地層の上にREMOCVD法によりIII 族窒化物半導体層を成長させるため、結晶性に優れるとともにIn濃度の高いIII 族窒化物半導体層を成長させることができる。
A.AlN
A−1.サンプルの作製
A−1−1.サーマルクリーニング
10mm角のGaN/サファイアテンプレート基板を用いた。そのGaN/サファイアテンプレート基板を前述の製造装置1000のサセプター1200に配置した。そして、N2 およびH2 を用いて基板のクリーニングを下記のように実施した。N2 およびH2 をシャワーヘッド電極1100の側から流した。N2 の流量は、750sccmであった。H2 の流量は、250sccmであった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は400Wであった。その周波数は60MHzであった。これにより、N2 ガスおよびH2 ガスはプラズマ化され、ラジカルが発生する。炉本体1001の内圧は100Paであった。そして、GaN/サファイアテンプレート基板を700℃まで昇温した後、10分間保持した。
A−1−2.TMAの吸着
次に、基板温度を25℃まで冷却するとともにH2 の供給を停止した。そして、製造装置1000を排気した。そして、GaN層の上にトリメチルアルミニウム(TMA)を供給した。TMAの流量は0.1sccmであった。TMAの蒸気圧は7.2hPaであった。キャリアガスとしてN2 ガスを4.4sccm流した。基板温度は25℃であった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は0Wであった。炉本体1001の内圧は100Paであった。その状態で10分間保持した。その後、TMAを排気した。
A−1−3.AlN層
そして、下記のようにGaN層の上にAlN層を成長させた。基板温度を800℃まで上昇させた。炉本体1001の内圧は100Paであった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は400Wであった。その周波数は60MHzであった。シャワーヘッド電極1100からN2 およびH2 を供給した。N2 の流量は750sccmであった。H2 の流量は250sccmであった。したがって、窒素原子と水素原子との少なくとも一方に由来するラジカルが発生する。一方、第1のガス供給管1300からトリメチルアルミニウム(TMA)を供給した。TMAの流量は0.1sccmであった。TMAの蒸気圧は7.2hPaであった。キャリアガスとしてN2 ガスを4.4sccm流した。上記の状態で60分間AlN層を成膜した。
上記のようにして第1のサンプルを作製した。また、上記の製造方法からTMAの吸着工程を経ずに第2のサンプルを作製した。第1のサンプルと第2のサンプルとの違いは、TMAの吸着の有無である。
A−2.サンプルの性能
A−2−1.吸着工程がある場合
図4は、第1のサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。図4に示すように、TMAの吸着工程を実施した場合には、AlNの鋭いピークが観測された。つまり、結晶性のよいAlNの単結晶を成長させることができた。
A−2−2.吸着工程がない場合
図5は、第2のサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。図5に示すように、TMAの吸着工程を実施しなかった場合には、AlNのピークが観測されなかった。つまり、AlNの膜を成長させることができなかった。
B.InN
B−1.サンプルの作製
B−1−1.サーマルクリーニング
10mm角のGaN/Siテンプレート基板を用いた。そのGaN/Siテンプレート基板を前述の製造装置1000のサセプター1200に配置した。そして、N2 およびH2 を用いて基板のクリーニングを下記のように実施した。N2 およびH2 をシャワーヘッド電極1100の側から流した。N2 の流量は、750sccmであった。H2 の流量は、250sccmであった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は400Wであった。その周波数は60MHzであった。これにより、N2 ガスおよびH2 ガスはプラズマ化され、ラジカルが発生する。炉本体1001の内圧は100Paであった。そして、GaN/Siテンプレート基板を900℃まで昇温した後、10分間保持した。
B−1−2.GaN層
そして、GaN/Siテンプレート基板の上にGaN層を成長させた。基板温度は800℃であった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は400Wであった。その周波数は60MHzであった。シャワーヘッド電極1100からN2 およびH2 を供給した。N2 の流量は、750sccmであった。H2 の流量は、250sccmであった。一方、第1のガス供給管1300からトリメチルガリウム(TMG)を供給した。TMGの流量は0.08sccmであった。TMGの温度は−12℃であった。TMGの蒸気圧は46.8hPaであった。
B−1−3.TMIの吸着
次に、基板温度を25℃まで冷却するとともにH2 の供給を停止した。そして、GaN層の上にトリメチルインジウム(TMI)を供給した。基板温度は25℃であった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は0Wであった。シャワーヘッド電極1100からN2 を供給した。N2 の流量は750sccmであった。一方、第1のガス供給管1300からトリメチルインジウム(TMI)を供給した。TMIの流量は0.05sccmであった。TMIの温度は20℃であった。TMIの蒸気圧は2.28hPaであった。キャリアガスとしてN2 ガスを7sccm供給した。炉本体1001の内圧は85Paであった。TMIの供給時間は5秒であった。
B−1−4.InN層
そして、GaN層の上にInN層を成長させた。基板温度は25℃であった。シャワーヘッド電極1100に与えた電力は400Wであった。その周波数は60MHzであった。シャワーヘッド電極1100からN2 を供給した。N2 の流量は750sccmであった。一方、第1のガス供給管1300からトリメチルインジウム(TMI)を供給した。TMIの流量は0.05sccmであった。TMIの温度は20℃であった。TMIの蒸気圧は2.28hPaであった。キャリアガスとしてN2 ガスを7sccm供給した。炉本体1001の内圧は85Paであった。この状態で10分間だけInN層を成膜した。
そして、基板温度を200℃から400℃の間に昇温した。そして、その基板温度で30分間だけInN層を成膜した。そして、その後冷却した。
以上により、GaN/Siテンプレート基板の上に、GaN層、InN層が形成された。
B−2.サンプルの性能
図6は、InN層を形成したサンプルのXRD測定(2θ/θ)の結果を示すグラフである。図6に示すように、Inの吸着工程を実施しているため、InNの鋭いピークが観測された。つまり、結晶性のよいInN層を成長させることができた。
図7は、InN層を形成したサンプルのXRD測定(2θ/ω)の結果を示すグラフである。図7においても、InNの鋭いピークが観測された。その半値幅は1180.8秒であった。
図8は、InN層の表面を示す走査型顕微鏡写真である。図9は、InN層の断面を示す走査型顕微鏡写真である。
このように、吸着工程を実施することにより、結晶性に優れたAlN層およびInN層を成膜することができた。
100、200…HEMT
110…基板
120…バッファ層
130…チャネル層
140、240…バリア層
G1、G2…ゲート電極
S1、S2…ソース電極
D1、D2…ドレイン電極
Sa1…基板
1000…製造装置
1001…炉本体
1100…シャワーヘッド電極
1200…サセプター
1300…第1のガス供給管
1420…第2のガス供給管
1600…RF電源

Claims (8)

  1. III 族窒化物半導体装置の製造方法において、
    成長基板にIII 族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有し、
    前記半導体層形成工程は、
    III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、
    少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して前記成長基板に供給するとともにIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで前記成長基板に供給して、前記下地層の上にIII 族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、
    を有すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程を有し、
    前記バッファ層形成工程は、
    前記吸着工程および前記上層形成工程を有し、
    前記吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記成長基板に吸着させ、
    前記上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記成長基板の上に前記バッファ層を形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    を有し、
    前記チャネル層形成工程は、
    前記吸着工程および前記上層形成工程を有し、
    前記吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記バッファ層に吸着させ、
    前記上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記バッファ層の上に前記チャネル層を形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    を有し、
    前記バッファ層形成工程は、
    第1の吸着工程および第1の上層形成工程を有し、
    前記チャネル層形成工程は、
    第2の吸着工程および第2の上層形成工程を有し、
    前記第1の吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記成長基板に吸着させ、
    前記第1の上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記成長基板の上に前記バッファ層を形成し、
    前記第2の吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記バッファ層に吸着させ、
    前記第2の上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記バッファ層の上に前記チャネル層を形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体装置の製造方法。
  5. 半導体ウエハの製造方法において、
    成長基板にIII 族窒化物半導体層を形成する半導体層形成工程を有し、
    前記半導体層形成工程は、
    III 族金属を含む有機金属ガスを下地層に吸着させる吸着工程と、
    少なくとも窒素ガスを含む原料ガスをプラズマ化して前記成長基板に供給するとともにIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで前記成長基板に供給して、前記下地層の上にIII 族窒化物半導体層を形成する上層形成工程と、
    を有すること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程を有し、
    前記バッファ層形成工程は、
    前記吸着工程および前記上層形成工程を有し、
    前記吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記成長基板に吸着させ、
    前記上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記成長基板の上に前記バッファ層を形成すること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  7. 請求項5に記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    を有し、
    前記チャネル層形成工程は、
    前記吸着工程および前記上層形成工程を有し、
    前記吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記バッファ層に吸着させ、
    前記上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記バッファ層の上に前記チャネル層を形成すること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  8. 請求項5に記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記半導体層形成工程は、
    前記成長基板の上にバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の上にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    を有し、
    前記バッファ層形成工程は、
    第1の吸着工程および第1の上層形成工程を有し、
    前記チャネル層形成工程は、
    第2の吸着工程および第2の上層形成工程を有し、
    前記第1の吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記成長基板に吸着させ、
    前記第1の上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記成長基板の上に前記バッファ層を形成し、
    前記第2の吸着工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを前記バッファ層に吸着させ、
    前記第2の上層形成工程では、
    III 族金属を含む有機金属ガスを吸着させた前記バッファ層の上に前記チャネル層を形成すること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
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