JP7100871B6 - Iii族窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体素子の製造方法 Download PDF

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本明細書の技術分野は、III 族窒化物半導体素子の製造方法およびパワーデバイスに関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体では、その組成を変化させることにより、バンドギャップが0.6eVから6eVまで変化する。そのため、III 族窒化物半導体は、近赤外から深紫外までの広い範囲の波長に相当する発光素子や、レーザーダイオード、受光素子等に応用されている。
また、III 族窒化物半導体では、破壊電界強度が高く、かつ融点が高い。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。そのため、HEMT素子などが研究開発されている。
III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法として、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)がある。MOCVD法では、大量のアンモニアガスを用いる。そのため、MOCVD炉にアンモニアを除外する除害装置を設ける必要がある。また、アンモニアのランニングコストも高い。そして、有機金属ガスとアンモニアとの反応により半導体層を形成する。この反応を起こすために、基板温度を高温にする必要がある。基板温度が高いと、In濃度の高いInGaN層を高品質に成長させることは難しい。また、成長基板と半導体層との熱膨張差の違いにより、そりが発生しやすい。
また、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法として、例えば、分子線エピタキシー法(MBE法)が挙げられる。MBE法では、低い成長温度でIII 族窒化物半導体を成長させることができる。しかし、ラジカルソースを用いるRF-MBE法では、成長速度が遅い。すなわち、RF-MBE法は、量産に向かない。アンモニアガスを用いるMBE法では、大量のアンモニアガスを使用するため、製造コストが高い。
特開2015-099866号公報
そこで、本発明者らは、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を開発した(特許文献1参照)。AlやGaを主成分とするIII 族窒化物半導体層を成膜する際には、比較的高い温度で成膜を実施する。そのため、基板と半導体層との熱膨張係数差に起因する応力が発生する。このようにIII 族窒化物半導体層は製造時において基板からの応力を受けるため、高品質な結晶を成長させることは容易ではない。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。その課題とは、製造時の応力を緩和して結晶性に優れたIII 族窒化物半導体層を成膜することのできるIII 族窒化物半導体素子の製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下の第1面を有する基板を用いる。窒素ガスをプラズマ化して基板に供給するとともにInを含む有機金属ガスをプラズマ化しないで基板に供給することにより、基板の第1面の上に0.2nm以上1nm以下の膜厚のInN層を形成する。InN層の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる。
このIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、島状に成長しやすいInN層が成長基板の上に好適に成長する。そのため、InN層の上に成長させるIII 族窒化物半導体層の結晶性は優れている。
本明細書では、製造時の応力を緩和して結晶性に優れたIII 族窒化物半導体層を成膜することのできるIII 族窒化物半導体素子の製造方法が提供されている。
第1の実施形態におけるMIS型半導体素子の概略構成を示す図である。 第1の実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法を説明するための図である。 Si(111)基板上のGaN層のX線回折の強度を示すグラフ(3次元表示)である。 Si(111)基板上のGaN層のX線回折の強度を示すグラフ(2次元表示)である。
以下、具体的な実施形態について、III 族窒化物半導体素子の製造方法およびパワーデバイスを例に挙げて図を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
1.MIS型半導体素子
図1は、第1の実施形態のパワーデバイス100の概略構成図である。パワーデバイス100はMIS型半導体素子である。図1に示すように、パワーデバイス100は、基板110と、第1バッファ層120と、第2バッファ層130と、GaN層140と、AlGaN層150と、絶縁膜160と、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1と、を有する。
基板110は、Si(111)基板である。基板110は、第1面110aを有する。第1面110aは、半導体層を成長させるための主面である。基板110の第1面110aの自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下である。自乗平均面粗さ(RMS)は、JISの表面粗さRqに相当する。第1バッファ層120の膜厚は5nm以上20nm以下である。
後述するように、基板110の第1面110aが比較的粗い。そのため、結晶性に優れたGaN層等を成長させることができる。
第1バッファ層120は、第1のIII 族窒化物半導体層である。第1バッファ層120は例えば、わずかにInを含むInGaN層である。第1バッファ層120は、Inを含有している。製造時においてわずかにInが第1バッファ層120に混入するためである。第1バッファ層120は、基板110の第1面110aの上に形成されている。
第2バッファ層130は、第2のIII 族窒化物半導体層である。第2バッファ層130は例えばGaN層である。第2バッファ層130は、第1バッファ層120の上に形成されている。
ソース電極S1およびドレイン電極D1は、AlGaN層150の上に形成されている。ゲート電極G1と、AlGaN層150の溝151との間には、絶縁膜160がある。
2.III 族窒化物半導体素子の製造装置
図2は、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置1000の概略構成図である。製造装置1000は、少なくとも窒素ガスを含むガスをプラズマ化してプラズマ生成物を成長基板に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給する装置である。
製造装置1000は、炉本体1001と、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、加熱器1210と、第1のガス供給管1300と、ガス導入室1410と、第2のガス供給管1420と、金属メッシュ1500と、RF電源1600と、マッチングボックス1610と、第1のガス供給部1710と、第2のガス供給部1810と、ガス容器1910、1920、1930と、恒温槽1911、1921、1931と、マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840と、を有している。また、製造装置1000は、排気口(図示せず)を有している。
シャワーヘッド電極1100は、周期的な電位を付与される第1の電極である。シャワーヘッド電極1100は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。シャワーヘッド電極1100は、平板形状の電極である。そして、シャワーヘッド電極1100には、表面から裏面に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの複数の貫通孔は、ガス導入室1410および第2のガス供給管1420と連通している。このため、ガス導入室1410から炉本体1001の内部に供給される第2のガスは、好適にプラズマ化される。RF電源1600は、シャワーヘッド電極1100に高周波電位を付与する電位付与部である。
サセプター1200は、基板110を支持するための基板支持部である。サセプター1200の材質は、例えば、グラファイトである。また、これ以外の導電体であってもよい。ここで、基板110は、III 族窒化物半導体を成長させるための成長基板である。
第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給するためのものである。実際には、サセプター1200に支持された基板110に第1のガスを供給することとなる。ここで、第1のガスとは、III 族金属を含む有機金属ガスである。また、その他のキャリアガスを含んでいてもよい。第1のガス供給管1300は、リング状のリング部1310を有している。そして、第1のガス供給管1300のリング部1310には、12個の貫通孔(図示せず)がリング部1310の内側に設けられている。これらの貫通孔は、第1のガスが噴出する噴出口である。そのため、第1のガスは、リング部1310の内側に向けて、噴出することとなる。第1のガス供給管1300は、後述するように、プラズマ発生領域から離れた位置に位置している。
第2のガス供給管1420は、サセプター1200に第2のガスを供給するためのものである。実際には、第2のガスをガス導入室1410および炉本体1001の内部に導入するとともに、サセプター1200に支持された基板110に第2のガスを供給することとなる。そして、第2のガス供給管1420は、第2のガスを炉本体1001の内部に供給する。ここで、第2のガス供給管1420は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを第2のガスとして供給する。第2のガスは窒素ガスのみであってもよい。ガス導入室1410は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを一旦収容するとともに、シャワーヘッド電極1100の貫通孔にこの混合ガスを供給するためのものである。
金属メッシュ1500は、荷電粒子を捕獲するためのものである。金属メッシュ1500は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の位置に配置されている。そのため、後述するようにプラズマ発生領域で発生した荷電粒子が、サセプター1200に支持されている基板110に向かうのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極と第1のガス供給管1300のリング部1310との間の位置に配置されている。そのため、荷電粒子が、第1のガス供給管1300から噴出されるIII 族金属を含む有機金属分子に衝突するのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、多数枚をずらして配置されている。つまり、第1のメッシュの開口部の位置に第2のメッシュの線状部を配置している。そのため、直線的に進行する光は、金属メッシュ1500を透過できない。つまり、金属メッシュ1500は、電子、イオン、光を通過させないが、中性のラジカルを通過させる。
炉本体1001は、少なくとも、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、第1のガス供給管1300のリング部1310と、金属メッシュ1500と、を内部に収容している。炉本体1001は、例えば、ステンレス製である。炉本体1001は、上記以外の導電体であってもよい。
炉本体1001と、金属メッシュ1500と、第1のガス供給管1300とは、導電性の部材であり、いずれも接地されている。そのため、シャワーヘッド電極1100に電位が付与されると、シャワーヘッド電極1100と、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300と、の間に電圧が印加されることとなる。そして、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300の少なくとも1つ以上と、シャワーヘッド電極1100と、の間に放電が生じると考えられる。シャワーヘッド電極1100の直下では、高周波かつ高強度の電界が形成される。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下の位置は、プラズマ発生領域である。
ここで、第2のガス、すなわち、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスは、このプラズマ発生領域においてプラズマ化されることとなる。そして、プラズマ発生領域でプラズマ生成物が発生する。この場合におけるプラズマ生成物とは、窒素ラジカルと、水素ラジカルと、窒化水素系の化合物と、電子と、その他のイオン等である。ここで、窒化水素系の化合物とは、NHと、NHと、NHと、これらの励起状態と、その他のものとを含む。
また、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200とは、十分に離れている。シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200との間の距離は、40mm以上200mm以下である。より好ましくは、40mm以上150mm以下である。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が短いと、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがある。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が40mm以上であれば、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがほとんどない。そのため、荷電粒子が基板110に到達することを抑制できる。また、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が大きいと、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、サセプター1200の保持する基板110に到達しにくくなるからである。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
シャワーヘッド電極1100は、サセプター1200からみて第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔よりも遠い位置に配置されている。シャワーヘッド電極1100と、第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔との間の距離は、30mm以上190mm以下である。より好ましくは、30mm以上140mm以下である。荷電粒子が、第1のガスに混入することを抑制するとともに、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、基板110に到達しやすくするためである。このため、プラズマ化された第2のガスと、プラズマ化されない第1のガスとにより、基板110に半導体層が積層されることとなる。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
加熱器1210は、サセプター1200を介して、サセプター1200に支持される基板110を加熱するためのものである。
マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840は、各々のガスの流量を制御するためのものである。恒温槽1911、1921、1931には、不凍液1912、1922、1932が満たされている。また、ガス容器1910、1920、1930は、III 族金属を含む有機金属ガスを収容するための容器である。ガス容器1910、1920、1930には、それぞれ、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、収容されている。もちろん、トリエチルガリウム等、その他のIII 族金属を含む有機金属ガスであってもよい。
3.製造装置の製造条件
製造装置1000における製造条件を表1に示す。表1で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、0℃以上1000℃以下の範囲内である。また、基板温度は、室温以上であってもよい。製造装置1000の内圧は、10Pa以上1000Pa以下の範囲内である。
[表1]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 0℃以上 1000℃以下
内圧 10Pa以上 1000Pa以下
4.半導体素子の製造方法
本実施形態の半導体素子の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、本実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。REMOCVD法とは、III 族金属を含有する第1のガスをプラズマ化しないで成長基板に供給し、少なくとも窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して成長基板に供給し、半導体層を成長させる方法である。
4-1.基板準備工程
自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下の第1面110aを有する基板110を準備する。基板110として、例えば、Si(111)基板を用いることができる。また、その他の基板を用いてもよい。粗面化された基板110を用いるために、例えば、基板110の最終仕上げの段階において基板110の第1面110aの研磨を途中で停止すればよい。または、研磨した後に、エッチング等により凹凸を形成してもよい。
4-2.基板のクリーニング
基板110を、製造装置1000の内部に配置し、水素ガスを供給しながら基板温度を900℃程度まで上昇させる。これにより、基板110の表面を還元するとともに、基板110の表面をクリーニングする。基板温度をこれ以上の温度にしてもよい。なお、基板110を製造装置1000の内部に配置する前に、アセトン、イソプロピルアルコール、純水、HF等により基板110を洗浄してもよい。
4-3.半導体層形成工程
次に、RF電源1610をONにする。そして、第2のガス供給管1420から、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。そして、シャワーヘッド電極1100の貫通孔から炉本体1001の内部に供給された混合ガスは、シャワーヘッド電極1100の直下でプラズマ化する。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下にプラズマ発生領域が生成される。この際に、窒素ラジカルと水素ラジカルとが生成される。そして、窒素ラジカルと水素ラジカルとが反応して、窒化水素系の化合物が生成されると考えられる。また、電子やその他の荷電粒子も生成される。
そして、これらの窒素ラジカルと水素ラジカルと窒化水素系の化合物と電子とその他の荷電粒子を含んだラジカル混合気体は、基板110に向けて送出される。このラジカル混合ガスの発生箇所は、シャワーヘッド電極1100の直下である。シャワーヘッド電極1100から基板110までの距離は十分に広いため、ラジカル混合気体のうち、電子やイオン等の荷電粒子は、基板110まで到達しにくい。また、荷電粒子は、金属メッシュ1500に捕獲されやすい。そのため、基板110に向けて供給されるのは、窒素ラジカルと水素ラジカルの他、窒化水素系の化合物であると考えられる。通常のアンモニアに比べて、これらの窒素ラジカルや窒化水素系の化合物の反応性は高い。そのため、従来に比べて低い温度で半導体層をエピタキシャル成長させることができる。
一方、第1のガス供給管1300のリング部1310から、III 族金属の有機金属ガスを供給する。例えば、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、挙げられる。これらのガスは、基板110に向かうラジカル混合気体に巻き込まれて、基板110に供給されることとなる。III 族金属の有機金属ガスは、プラズマ化されないで、基板110に供給される。
4-3-1.InN層形成工程
基板温度を0℃以上100℃以下の範囲内にする。例えば、室温であってもよい。第1のガス供給管1300のリング部1310からTMI(トリメチルインジウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを流すとともに窒素ガスをプラズマ化する。なお、水素ガスについては流さない。これにより、基板110の第1面110aの上にInN層A1が形成される(図3参照)。InN層A1の膜厚は0.2nm以上1nm以下である。つまり、数原子層である。
4-3-2.第1バッファ層形成工程(第1のIII 族窒化物半導体層形成工程)
図3に示すように、InN層A1を分解することなくInN層A1の上に第1バッファ層120を形成する。第1バッファ層120は、例えばInをわずかに含むInGaN層である。基板温度は300℃以上500℃以下である。第1のガス供給管1300のリング部1310からTMG(トリメチルガリウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを流すとともに窒素ガスをプラズマ化する。これにより、InN層A1の上に第1バッファ層120が形成される(図3参照)。第1バッファ層120は、基板110の第1面110aの凹凸をほぼ埋める。第1バッファ層120の膜厚は5nm以上20nm以下である。
4-3-3.第2バッファ層形成工程(第2のIII 族窒化物半導体層形成工程)
次に、第1バッファ層120の上に第2バッファ層130を形成する。第2バッファ層130は、例えばGaN層である。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310からTMG(トリメチルガリウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを流すとともに混合ガスをプラズマ化する。この工程における基板温度が高いため、第2バッファ層130を成長させる間にInN層A1は分解し、蒸発する。これにより、基板110の上に第1バッファ層120が形成され、第1バッファ層120の上に第2バッファ層130が形成される。また、InN層A1が分解した後には、Inが第1バッファ層120に混入すると考えられる。
4-3-4.GaN層形成工程
第2バッファ層130の上にGaN層140を成長させる。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310からTMG(トリメチルガリウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを流すとともに混合ガスをプラズマ化する。
4-3-5.AlGaN層形成工程
GaN層140の上にAlGaN層150を成長させる。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310からTMG(トリメチルガリウム)およびTMA(トリメチルアルミニウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを流すとともに混合ガスをプラズマ化する。
4-4.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、AlGaN層150に溝151を形成する。
4-5.絶縁膜形成工程
次に、溝151に、絶縁膜160を形成する。絶縁膜160は例えばSiO2 である。もちろん、これ以外の材質であってもよい。
4-6.電極形成工程
次に、AlGaN層150の上にソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する。また、溝151の箇所に、絶縁膜160を介してゲート電極G1を形成する。なお、ソース電極S1およびドレイン電極D1については、絶縁膜160を形成する前に形成してもよい。以上により、MIS型半導体素子100が製造される。
5.本実施形態の技術的意義
本実施形態では、基板とそれより上層のGaN層との間の応力を緩和させるために、基板とGaN層との間に数原子層のInN層を形成する。この原子層は、製造途中で分解される。InN層は高温条件下で分解されやすい。そのため、InN層を成膜する際の基板温度は0℃以上100℃以下である。この温度はGaN層の成膜温度に比べて十分に低い。そのため、InN層を成膜する際のInが有する運動エネルギーは、GaN層を成膜する際のGaが有する運動エネルギーに比べて小さい。
GaN層を成膜する際には、Ga粒子が基板の表面を好適に動き回る。これはGa粒子が比較的高い運動エネルギーをもって基板に衝突するためであると考えられる。一方、In粒子は比較的低い運動エネルギーをもって基板に衝突する。そのため、In粒子は基板の上をあまり動き回らないと考えられる。実際、InN層は基板の表面に島状に成長する。
本実施形態では、Inが偶然付着した点からInN層が島状に成長する起点を増やすため、基板の表面を荒らしている。これにより、基板の表面積が有効に増え、原子間力も強くなると考えられる。したがって、非常に薄いInN層を比較的均一に成膜できると考えられる。
また、Si(111)基板とGaNとの間の格子定数のミスマッチを薄いInN層が緩和していることも考えられる。そのため、InN層が分解された後であっても、Si(111)基板とGaNとの間で応力がそれほど発生しない。
6.変形例
6-1.デバイスの種類
本実施形態のIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、MIS型のパワーデバイス100に限らず適用することができる。また、パワーデバイス以外のその他の半導体素子を製造する際に適用することができる。
6-2.リング部の貫通孔
本実施形態では、第1のガス供給管1300は、リング部1310の内側に貫通孔を有することとした。しかし、この貫通孔の位置を、リングの内側でかつ下向きにしてもよい。リング部1310を含む面と、貫通孔の開口部の方向とのなす角の角度は、例えば45°である。この角の角度は、例えば、0°以上60°以下の範囲内で変えてもよい。この角度は、もちろん、リング部1310の径や、リング部1310とサセプター1200との間の距離にも依存する。また、貫通孔の数は、1以上であればよい。もちろん、リング部1310に、等間隔で貫通孔が形成されていることが好ましい。
7.本実施形態のまとめ
本実施形態のIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、数原子層に相当するInN層A1を成膜し、その上にGaN層を成膜する。InN層A1は島状に形成されやすい。そのため、基板110の第1面110aは、従来の基板の表面に比べて荒れている。基板110の第1面110aの自乗平均面粗さ(RMS)は2nm以上10nm以下である。したがって、InN層A1は、基板110の第1面110aの表面に薄い膜厚で一様に形成される。
1.サンプルの作製
6種類のSi(111)基板を準備した。そして、それぞれのSi(111)基板の上に数原子層のInN層を形成し、その上に第1バッファ層120(GaN層)を形成し、その上に第2バッファ層130(GaN層)を形成した。基板の表面粗さ以外の条件は、全てのサンプルに共通である。サンプルを表2にまとめる。ここで、オフアングル基板においては、表面が(111)面から1°程度傾斜している。
[表2]
サンプル 基板の種類 表面粗さ
実施例1 Si(111) 2.5nm
実施例2 Si(111) 3.5nm
実施例3 Si(111) 5nm
実施例4 Si(111) 10nm
比較例1 Si(111) オフアングル
比較例2 Si(111) ノーオフアングル
2.結果
サンプルについてX線回折を実施した。図4はSi(111)基板上のGaN層のX線回折の強度を示すグラフ(3次元表示)である。図5はSi(111)基板上のGaN層のX線回折の強度を示すグラフ(2次元表示)である。図4および図5の横軸は2θ/θ(degree)である。図4および図5の縦軸は強度(cps)である。
図4および図5には、実施例1-3、比較例1、2がプロットされている。実施例1-3においては、強度が400cps以上である。比較例1、2においては、強度が150cps以下である。また、図4および図5にプロットされていないが、実施例4の強度は250cps程度である。そのため、基板110の第1面110aの自乗平均面粗さ(RMS)は2nm以上10nm以下であるとよい。
このように、表面の粗い基板の上に数原子層のInN層を積層することにより、上層のGaNを結晶性よく積層することができる。なお、図4および図5において、InN層のピークは観測されなかった。InN層を成膜の途中で分解しているため、基板からの応力がIII 族窒化物半導体に伝わりにくい。第1バッファ層120と基板110との間で応力が十分に緩和される。
A.付記
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下の第1面を有する基板を用いる。窒素ガスをプラズマ化して基板に供給するとともにInを含む有機金属ガスをプラズマ化しないで基板に供給することにより、基板の第1面の上にInN層を形成する。InN層の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、InN層を0.2nm以上1nm以下の膜厚で成長させる。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、0℃以上100℃以下の基板温度でInN層を成長させる。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、InN層の上に300℃以上500℃以下の基板温度で第1のIII 族窒化物半導体層を形成する。第1のIII 族窒化物半導体層の上に600℃以上900℃以下の基板温度で第2のIII 族窒化物半導体層を形成する。
第5の態様におけるパワーデバイスは、第1面を有する基板と、基板の第1面の上の第1のIII 族窒化物半導体層と、第1のIII 族窒化物半導体層の上の第2のIII 族窒化物半導体層と、を有する。基板の第1面の自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下である。第1のIII 族窒化物半導体層はInを含有している。第1のIII 族窒化物半導体層の膜厚が5nm以上20nm以下である。
100…パワーデバイス
110…基板
110a…第1面
120…第1バッファ層
130…第2バッファ層
140…GaN層
150…AlGaN層
160…絶縁膜
S1…ソース電極
G1…ゲート電極
D1…ドレイン電極
A1…InN層
1000…製造装置
1001…炉本体
1100…シャワーヘッド電極
1200…サセプター
1210…加熱器
1300…第1のガス供給管
1410…ガス導入室
1420…第2のガス供給管
1500…金属メッシュ
1600…RF電源
1610…マッチングボックス

Claims (3)

  1. III 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下の第1面を有する基板を用い、
    窒素ガスをプラズマ化して前記基板に供給するとともにInを含む有機金属ガスをプラズマ化しないで前記基板に供給することにより、前記基板の前記第1面の上に0.2nm以上1nm以下の膜厚のInN層を形成し、
    前記InN層の上にIII 族窒化物半導体層を成長させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  2. III 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    自乗平均面粗さ(RMS)が2nm以上10nm以下の第1面を有する基板を用い、
    窒素ガスをプラズマ化して前記基板に供給するとともにInを含む有機金属ガスをプラズマ化しないで前記基板に供給することにより、前記基板の前記第1面の上に0℃以上100℃以下の基板温度でInN層を形成し、
    前記InN層の上にIII 族窒化物半導体層を成長させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1または請求項に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記InN層の上に300℃以上500℃以下の基板温度で第1のIII 族窒化物半導体層を形成し、
    前記第1のIII 族窒化物半導体層の上に600℃以上900℃以下の基板温度で第2のIII 族窒化物半導体層を形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
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