JP7245501B2 - Iii族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法 Download PDF

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Description

本明細書の技術分野は、III 族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法に関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体では、その組成を変化させることにより、バンドギャップが0.6eVから6eVまで変化する。そのため、III 族窒化物半導体は、近赤外から深紫外までの広い範囲の波長に相当する発光素子や、レーザーダイオード、受光素子等に応用されている。
また、III 族窒化物半導体では、破壊電界強度が高く、かつ融点が高い。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。そのため、HEMT素子などが研究開発されている。
基板の上に半導体層を成長させる場合には、通常、半導体層を成長させる前に基板を洗浄する。その際に、水素ガスによるサーマルクリーニングを実施することがある(特許文献1参照)。シリコン基板やサファイア基板に対しては、水素ガスによるサーマルクリーニングが比較的用いられている。
国際公開WO01/033618
近年、低転位密度のIII 族窒化物半導体を成長させるために、III 族窒化物基板が用いられるようになってきた。GaN基板やAlN基板等のIII 族窒化物基板を成長基板として用いる場合に、どのような基板の洗浄方法(クリーニング方法)を実施すればよいかについては未だ不明な部分がある。基板の洗浄方法によっては、基板を損傷させるおそれがある。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。その課題とは、III 族窒化物基板の表面状態を好適にして結晶性に優れたIII 族窒化物半導体層を成長させることのできるIII 族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、III 族窒化物基板を準備する工程と、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することによりIII 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないでIII 族窒化物基板に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することにより、III 族窒化物基板の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる半導体層形成工程と、を有し、基板洗浄工程と半導体層形成工程との間に基板の温度を調整する基板温度調整工程を有し、基板温度調整工程では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給しながら基板の温度を上昇させる。
このIII 族窒化物半導体素子の製造方法では、基板洗浄工程で基板にプラズマを照射する。プラズマガスは窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスである。これにより、基板の表面を好適に洗浄することができる。そのため、基板の上に成長させる半導体層の結晶性もよい。
本明細書では、III 族窒化物基板の表面状態を好適にして結晶性に優れたIII 族窒化物半導体層を成長させることのできるIII 族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法が提供されている。
第1の実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の概略構成図である。 第1の実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置の概略構成図である。 第1の実施形態の変形例におけるIII 族窒化物半導体素子の概略構成図である。 実施例1のRHEEDパターンを示す写真である。 比較例1のRHEEDパターンを示す写真である。 比較例2のRHEEDパターンを示す写真である。 比較例3のRHEEDパターンを示す写真である。 比較例4のRHEEDパターンを示す写真である。 基板洗浄工程の温度によるGaN単結晶の表面の違いを示す走査型顕微鏡写真である。 基板洗浄工程のRFパワーによるGaN単結晶の表面の違いを示す画像である。 基板温度調整工程においてプラズマ照射の有無による半導体層の表面の違いを示す画像である。 基板温度調整工程においてプラズマ照射の有無による半導体層の断面の違いを示す透過型顕微鏡写真である。 X線回折ロッキングカーブの半値幅を示すグラフである。
以下、具体的な実施形態について、III 族窒化物半導体素子の製造方法および基板の洗浄方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
1.MIS型半導体素子
図1は、第1の実施形態のパワーデバイス100の概略構成図である。パワーデバイス100はMIS型半導体素子である。図1に示すように、パワーデバイス100は、基板110と、第1バッファ層120と、第2バッファ層130と、GaN層140と、AlGaN層150と、絶縁膜160と、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1と、を有する。
基板110は、III 族窒化物基板である。基板110は、例えば、GaN単結晶基板、AlN単結晶基板である。基板110は、第1面110aを有する。第1面110aは、半導体層を成長させるための主面である。つまり、第1面110aは、基板110の一つの表面である。
第1バッファ層120は、第1のIII 族窒化物半導体層である。第1バッファ層120は例えばGaN層である。第1バッファ層120は、基板110の第1面110aの上に形成されている。
第2バッファ層130は、第2のIII 族窒化物半導体層である。第2バッファ層130は例えばGaN層である。第2バッファ層130は、第1バッファ層120の上に形成されている。
ソース電極S1およびドレイン電極D1は、AlGaN層150の上に形成されている。ゲート電極G1と、AlGaN層150の溝151との間には、絶縁膜160がある。
2.III 族窒化物半導体素子の製造装置
図2は、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置1000の概略構成図である。製造装置1000は、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスを混合し、その混合ガスをプラズマ化してプラズマ生成物を成長基板に供給するとともに、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化しないで成長基板に供給することのできる装置である。
製造装置1000は、炉本体1001と、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、加熱器1210と、第1のガス供給管1300と、ガス導入室1410と、第2のガス供給管1420と、金属メッシュ1500と、RF電源1600と、マッチングボックス1610と、第1のガス供給部1710と、第2のガス供給部1810と、ガス容器1910、1920、1930と、恒温槽1911、1921、1931と、マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840と、を有している。また、製造装置1000は、排気口(図示せず)を有している。
シャワーヘッド電極1100は、周期的な電位を付与される第1の電極である。シャワーヘッド電極1100は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。シャワーヘッド電極1100は、平板形状の電極である。そして、シャワーヘッド電極1100には、表面から裏面に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの複数の貫通孔は、ガス導入室1410および第2のガス供給管1420と連通している。このため、ガス導入室1410から炉本体1001の内部に供給される第2のガスは、好適にプラズマ化される。RF電源1600は、シャワーヘッド電極1100に高周波電位を付与する電位付与部である。
サセプター1200は、基板110を支持するための基板支持部である。サセプター1200の材質は、例えば、グラファイトである。また、これ以外の導電体であってもよい。ここで、基板110は、III 族窒化物半導体を成長させるための成長基板である。
第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給するためのものである。実際には、サセプター1200に支持された基板110に第1のガスを供給することとなる。ここで、第1のガスとは、III 族金属を含む有機金属ガスである。また、その他のキャリアガスを含んでいてもよい。第1のガス供給管1300は、リング状のリング部1310を有している。そして、第1のガス供給管1300のリング部1310には、12個の貫通孔(図示せず)がリング部1310の内側に設けられている。これらの貫通孔は、第1のガスが噴出する噴出口である。そのため、第1のガスは、リング部1310の内側に向けて、噴出することとなる。第1のガス供給管1300は、後述するように、プラズマ発生領域から離れた位置に位置している。
第2のガス供給管1420は、サセプター1200に第2のガスを供給するためのものである。実際には、第2のガスをガス導入室1410および炉本体1001の内部に導入するとともに、サセプター1200に支持された基板110に第2のガスを供給することとなる。そして、第2のガス供給管1420は、第2のガスを炉本体1001の内部に供給する。ここで、第2のガス供給管1420は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを第2のガスとして供給する。ガス導入室1410は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを一旦収容するとともに、シャワーヘッド電極1100の貫通孔にこの混合ガスを供給するためのものである。
金属メッシュ1500は、荷電粒子を捕獲するためのものである。金属メッシュ1500は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の位置に配置されている。そのため、後述するようにプラズマ発生領域で発生した荷電粒子が、サセプター1200に支持されている成長基板110に向かうのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100と第1のガス供給管1300のリング部1310との間の位置に配置されている。そのため、荷電粒子が、第1のガス供給管1300から噴出されるIII 族金属を含む有機金属分子に衝突するのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、多数枚をずらして配置されている。つまり、第1のメッシュの開口部の位置に第2のメッシュの線状部を配置している。そのため、直線的に進行する光は、金属メッシュ1500を透過できない。つまり、金属メッシュ1500は、電子、イオン、光を通過させないが、中性のラジカルを通過させる。
炉本体1001は、少なくとも、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、第1のガス供給管1300のリング部1310と、金属メッシュ1500と、を内部に収容している。炉本体1001は、例えば、ステンレス製である。炉本体1001は、上記以外の導電体であってもよい。
炉本体1001と、金属メッシュ1500と、第1のガス供給管1300とは、導電性の部材であり、いずれも接地されている。そのため、シャワーヘッド電極1100に電位が付与されると、シャワーヘッド電極1100と、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300と、の間に電圧が印加されることとなる。そして、炉本体1001および金属メッシュ1500および第1のガス供給管1300の少なくとも1つ以上と、シャワーヘッド電極1100と、の間に放電が生じると考えられる。シャワーヘッド電極1100の直下では、高周波かつ高強度の電界が形成される。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下の位置は、プラズマ発生領域である。
ここで、第2のガス、すなわち、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスは、このプラズマ発生領域においてプラズマ化されることとなる。そして、プラズマ発生領域でプラズマ生成物が発生する。この場合におけるプラズマ生成物とは、窒素ラジカルと、水素ラジカルと、窒化水素系の化合物と、電子と、その他のイオン等である。ここで、窒化水素系の化合物とは、NHと、NH2 と、NH3 と、これらの励起状態と、その他のものとを含む。
また、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200とは、十分に離れている。シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200との間の距離は、40mm以上200mm以下である。より好ましくは、40mm以上150mm以下である。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が短いと、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがある。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が40mm以上であれば、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがほとんどない。そのため、荷電粒子が基板110に到達することを抑制できる。また、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が大きいと、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、サセプター1200の保持する基板110に到達しにくくなるからである。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
シャワーヘッド電極1100は、サセプター1200からみて第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔よりも遠い位置に配置されている。シャワーヘッド電極1100と、第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔との間の距離は、30mm以上190mm以下である。より好ましくは、30mm以上140mm以下である。荷電粒子が、第1のガスに混入することを抑制するとともに、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、基板110に到達しやすくするためである。このため、プラズマ化された第2のガスと、プラズマ化されない第1のガスとにより、基板110に半導体層が積層されることとなる。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
加熱器1210は、サセプター1200を介して、サセプター1200に支持される基板110を加熱するためのものである。
マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840は、各々のガスの流量を制御するためのものである。恒温槽1911、1921、1931には、不凍液1912、1922、1932が満たされている。また、ガス容器1910、1920、1930は、III 族金属を含む有機金属ガスを収容するための容器である。ガス容器1910、1920、1930には、それぞれ、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、収容されている。もちろん、トリエチルガリウム等、その他のIII 族金属を含む有機金属ガスであってもよい。
3.製造条件(成膜条件)
表1は製造装置1000における製造条件である。表1で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、400℃以上900℃以下の範囲内である。また、室温以上の基板温度で成膜できる場合がある。製造装置1000の内圧は、1Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
[表1]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 400℃以上 900℃以下
内圧 1Pa以上 10000Pa以下
4.基板の洗浄方法
本実施形態の基板の洗浄方法は、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して基板110に供給することにより基板110の第1面110aを洗浄する基板洗浄工程を有する。
4-1.製造装置の洗浄条件
表2は製造装置1000における洗浄条件である。洗浄条件と製造条件との間にそれほど大きな差異は無い。表2で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、300℃以上700℃以下の範囲内である。また、基板温度は、室温以上であってもよい。製造装置1000の内圧は、1Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
[表2]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 300℃以上 700℃以下
内圧 1Pa以上 10000Pa以下
4-2.窒素ガスおよび水素ガスの混合ガス(第2のガス)
本実施形態では、第2のガスとして、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスを用いる。この混合ガスにおける窒素ガスと水素ガスとの和に対する水素ガスの混合比(H2 /(H2 +N2 ))は、体積流量比で5%以上45%以下であるとよい。好ましくは、混合ガスにおける水素ガスの体積流量比は、10%以上40%以下である。より好ましくは、混合ガスにおける水素ガスの体積流量比は、15%以上35%以下である。これらの条件下で、基板110の好適なクリーニングを実施できる。
5.半導体素子の製造方法
本実施形態の半導体素子の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、本実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。REMOCVD法とは、III 族金属を含有する第1のガスをプラズマ化しないで成長基板に供給し、少なくとも窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して成長基板に供給し、半導体層を成長させる方法である。
5-1.基板準備工程
基板110を準備する。基板110はIII 族窒化物基板である。基板110は、例えば、GaN単結晶基板またはAlN単結晶基板である。
5-2.基板洗浄工程
基板110を製造装置1000の内部に配置する。次にRF電源1610をONにする。そして、第2のガス供給管1420から、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。そして、シャワーヘッド電極1100の貫通孔から炉本体1001の内部に供給された混合ガスは、シャワーヘッド電極1100の直下でプラズマ化する。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下にプラズマ発生領域が生成される。この際に、窒素ラジカルと水素ラジカルとが生成される。そして、窒素ラジカルと水素ラジカルとが反応して、窒化水素系の化合物が生成されると考えられる。また、電子やその他の荷電粒子も生成される。
そして、これらの窒素ラジカルと水素ラジカルと窒化水素系の化合物と電子とその他の荷電粒子を含んだラジカル混合気体は、基板110に向けて送出される。このラジカル混合ガスの発生箇所は、シャワーヘッド電極1100の直下である。シャワーヘッド電極1100から基板110までの距離は十分に広いため、ラジカル混合気体のうち、電子やイオン等の荷電粒子は、基板110まで到達しにくい。また、荷電粒子は、金属メッシュ1500に捕獲される。そのため、基板110に向けて供給されるのは、窒素ラジカルと水素ラジカルの他、窒化水素系の化合物であると考えられる。
窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して基板110に供給することにより基板110の第1面110aを洗浄する。基板温度は300℃以上700℃以下である。このプラズマガスが基板110の表面をクリーニングする。なお、基板110を製造装置1000の内部に配置する前に、アセトン、イソプロピルアルコール、純水、HF等により基板110を洗浄してもよい。
5-3.基板温度調整工程
基板110の洗浄温度から基板110の成膜温度まで基板110の温度を変化させる。成膜温度は600℃以上900℃以下である。この基板温度調整工程の期間内では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して基板110に供給しながら基板110の温度を上昇させる。この基板温度調整工程は、基板洗浄工程と半導体層形成工程との間にある。この際のプラズマの出力は、基板洗浄工程および半導体層形成工程におけるプラズマの出力より弱くてもよい。
本実施形態では、第2のガスとして、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いる。この混合ガスに占める水素ガスの混合比は、体積流量比で5%以上45%以下であるとよい。好ましくは、混合ガスにおける水素ガスの体積流量比は、10%以上40%以下である。より好ましくは、混合ガスにおける水素ガスの体積流量比は、15%以上35%以下である。これらの条件下で、基板110の好適なクリーニングを実施できる。III 族窒化物基板の表面から窒素が脱離しにくいと考えられる。
5-4.半導体層形成工程
窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して基板110に供給する。プラズマ中で窒素ラジカルや窒化水素系の化合物が発生する。III 族窒化物半導体の成膜に通常用いられるアンモニアに比べて、これらの窒素ラジカルや窒化水素系の化合物の反応性は高い。そのため、従来に比べて低い温度で半導体層をエピタキシャル成長させることができる。
一方、第1のガス供給管1300のリング部1310から、III 族金属の有機金属ガスを供給する。例えば、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、挙げられる。これらのガスは、基板110に向かうラジカル混合気体に巻き込まれて、基板110に供給されることとなる。III 族金属の有機金属ガスは、プラズマ化されないで、基板110に供給される。
このようにこの工程では、III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないで基板110に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して基板110に供給することにより、基板110の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる。第2のガスは水素ガスを含んでもよい。
5-4-1.第1バッファ層形成工程(第1のIII 族窒化物半導体層形成工程)
基板110の上に第1バッファ層120を形成する。第1バッファ層120は、例えばGaN層である。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310から第1のガス(例えば、TMG(トリメチルガリウム))を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを含む第2のガスを流すとともに第2のガスをプラズマ化する。
5-4-2.第2バッファ層形成工程(第2のIII 族窒化物半導体層形成工程)
次に、第1バッファ層120の上に第2バッファ層130を形成する。第2バッファ層130は、例えばGaN層である。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310から第1のガス(例えば、TMG(トリメチルガリウム))を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを含む第2のガスを流すとともに第2のガスをプラズマ化する。
5-4-3.GaN層形成工程
第2バッファ層130の上にGaN層140を成長させる。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310から第1のガス(例えば、TMG(トリメチルガリウム))を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを含む第2のガスを流すとともに第2のガスをプラズマ化する。
5-4-4.AlGaN層形成工程
GaN層140の上にAlGaN層150を成長させる。基板温度は600℃以上900℃以下である。そのために、第1のガス供給管1300のリング部1310からTMG(トリメチルガリウム)およびTMA(トリメチルアルミニウム)を流す。一方、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを含む第2のガスを流すとともに第2のガスをプラズマ化する。
5-5.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、AlGaN層150に溝151を形成する。
5-6.絶縁膜形成工程
次に、溝151に、絶縁膜160を形成する。絶縁膜160は例えばSiO2 である。もちろん、これ以外の材質であってもよい。
5-7.電極形成工程
次に、AlGaN層150の上にソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する。また、溝151の箇所に、絶縁膜160を介してゲート電極G1を形成する。なお、ソース電極S1およびドレイン電極D1については、絶縁膜160を形成する前に形成してもよい。以上により、パワーデバイス100が製造される。
6.本実施形態の効果
6-1.基板洗浄工程
本実施形態の基板洗浄工程により、基板110の第1面110aが好適に洗浄される。後述するように、基板110の第1面110aの表面層が十分に薄くなるまで除去される。そのため、結晶性に優れた半導体層を基板110の上に成長させることができる。
6-2.基板温度調整工程
本実施形態の基板温度調整工程により、基板110の洗浄温度から基板110の成膜温度まで基板110の温度を上昇させる際に、基板110の第1面110aから窒素原子が脱離しにくい。また、基板110の表面に損傷を与えにくい。
7.変形例
7-1.デバイスの種類
本実施形態のIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、MIS型のパワーデバイス100に限らず適用することができる。また、パワーデバイス以外のその他の半導体素子を製造する際に適用することができる。
図3は半導体発光素子200の構造を示す図である。本実施形態のIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、半導体発光素子200の製造に用いてもよい。半導体発光素子200は、基板210と、バッファ層220と、n型コンタクト層230と、活性層240と、p型クラッド層250と、p型コンタクト層260と、p電極P1と、n電極N1と、を有する。
7-2.基板の種類
本実施形態の基板110は、GaN単結晶基板やAlN単結晶基板等のIII 族窒化物基板である。III 族窒化物基板は、これらのバルク単結晶基板のみならず、サファイア基板もしくはシリコン基板の上にGaN層等が形成されたテンプレート基板であってもよい。
7-3.基板洗浄工程および基板温度調整工程
基板洗浄工程において従来の基板の洗浄方法を用いてもよい。その場合であっても、基板温度調整工程の効果は得られる。例えば、水素ガスのサーマルクリーニングを実施した後に、本実施形態の基板温度調整工程を実施してもよい。
基板温度調整工程において、従来の基板の温度調整を実施してもよい場合がある。その場合であっても、基板洗浄工程の効果は得られる。
7-4.基板温度調整工程の温度
従来の基板洗浄工程では、基板110の成膜温度が基板110の洗浄温度よりも低い場合がある。その場合には、基板温度調整工程において基板110の温度を下降させる。その場合であっても、本実施形態のようにプラズマを照射しながら基板110の温度を調整するとよい。窒素原子の脱離を抑制できると考えられるからである。
7-5.混合ガス(プラズマガス)
本実施形態では、プラズマ化する混合ガスは窒素ガスと水素ガスとを含むガスである。このプラズマ化する混合ガスは、He、Ne、Ar等の希ガスを含んでいてもよい。
7-6.リング部の貫通孔
本実施形態では、第1のガス供給管1300は、リング部1310の内側に貫通孔を有することとした。しかし、この貫通孔の位置を、リングの内側でかつ下向きにしてもよい。リング部1310を含む面と、貫通孔の開口部の方向とのなす角の角度は、例えば45°である。この角の角度は、例えば、0°以上60°以下の範囲内で変えてもよい。この角度は、もちろん、リング部1310の径や、リング部1310とサセプター1200との間の距離にも依存する。また、貫通孔の数は、1以上であればよい。もちろん、リング部1310に、等間隔で貫通孔が形成されていることが好ましい。
7-7.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
8.本実施形態のまとめ
本実施形態では、半導体層形成工程の前の基板洗浄工程および基板温度調整工程で基板110にプラズマを照射する。つまり、基板110への成膜および基板110の温度上昇の前から基板110にプラズマを照射する。これにより、基板110の表面状態を好適にして結晶性に優れた半導体層を成長させることができる。また、本実施形態ではアンモニアを用いる必要がない。そのため、アンモニアの除害装置を製造装置に設ける必要がない。
1.実験1(基板の洗浄方法)
1-1.基板の種類
(0002)面のバルクGaN単結晶基板(以下、「GaN単結晶基板」という)を用いた。GaN単結晶基板は10mm角であった。GaN単結晶基板の膜厚は600μmであった。
1-2.基板の洗浄方法の違い
そして、表3に示すような基板の洗浄方法を実施した。実施例1は、5%のHFで5分間洗浄した後にプラズマ処理したGaN単結晶基板である。比較例1は、洗浄を施していないGaN単結晶基板である。比較例2は、IPA(イソプロピルアルコール)を用いて洗浄したGaN単結晶基板である。比較例3は、5%のHFで5分間洗浄したGaN単結晶基板である。比較例4は、600℃の基板温度で水素ガスを用いて10分間洗浄したGaN単結晶基板である。
実施例1のサンプルを作製するにあたって、750sccmの窒素ガスと250sccmの水素ガスとを混合した混合ガスをプラズマ化してGaN単結晶基板に供給した。RFの周波数は100MHzであった。RFパワーは400Wであった。GaN単結晶基板の温度は600℃であった。内圧は100Paであった。処理時間は10分間であった。
比較例4のサンプルを作製するにあたって、1000sccmの水素ガスをプラズマ化することなくGaN単結晶基板に供給した。GaN単結晶基板の温度は600℃であった。内圧は100Paであった。処理時間は10分間であった。
[表3]
サンプル 洗浄方法
実施例1 HF+プラズマ
比較例1 未処理
比較例2 IPA
比較例3 HF
比較例4 H2 熱処理
1-3.RHEED
図4は実施例1のRHEEDパターンを示す写真である。図5は比較例1のRHEEDパターンを示す写真である。図6は比較例2のRHEEDパターンを示す写真である。図7は比較例3のRHEEDパターンを示す写真である。図8は比較例4のRHEEDパターンを示す写真である。
図4に示す実施例1のRHEEDパターンが最も強い。図6に示すようにIPA処理後においてはRHEEDパターンが全く見られない。図7および図8に示すように、比較例3および比較例4においては、未処理(図5:比較例1)の場合よりRHEEDパターンが強い。
このようにプラズマクリーニングを実施した実施例1のGaN単結晶基板が最も強い回折像を示した。
1-4.分光エリプソメーター
分光エリプソメーターで各サンプルの表面層の厚さを測定した。表4に示すように、実施例1の表面層の厚さは1.468nmであった。比較例1の表面層の厚さは4.582nmであった。比較例2の表面層の厚さは4.620nmであった。比較例3の表面層の厚さは2.360nmであった。比較例4の表面層の厚さは2.001nmであった。
[表4]
サンプル 洗浄方法 表面層の厚さ
実施例1 HF+プラズマ 1.468nm
比較例1 未処理 4.582nm
比較例2 IPA 4.620nm
比較例3 HF 2.360nm
比較例4 H2 熱処理 2.001nm
表4に示すように、実施例1のプラズマ処理したGaN単結晶基板の表面層の厚さが最も薄かった。実施例1の表面層厚さは1.5nm以下である。比較例2-4の表面層の厚さは2nm以上である。したがって、実施例1のプラズマクリーニング方法は、GaN単結晶基板の表面を好適に洗浄できる。
2.実験2(基板の洗浄方法)
2-1.基板の種類
実験1と同様にGaN単結晶基板を用いた。テンプレート基板は10mm角であった。テンプレート基板の合計の膜厚は600μmであった。
2-2.温度依存性
表3の実施例1から基板洗浄工程におけるGaN単結晶基板の温度を変えてその表面を観察した。RFの周波数は100MHzであった。RFパワーは400Wであった。内圧は100Paであった。処理時間は10分であった。
図9は基板洗浄工程の温度によるGaN単結晶の表面の違いを示す走査型顕微鏡写真である。図9(a)は基板洗浄工程の基板温度が600℃の場合を示すGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。図9(b)は基板洗浄工程の基板温度が700℃の場合を示すGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。図9(c)は基板洗浄工程の基板温度が800℃の場合を示すGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。図9(d)は基板洗浄工程の基板温度が900℃の場合を示すGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。
図9に示すように、基板温度が600℃の場合、基板温度が700℃の場合には、GaN単結晶の表面は平坦である。基板温度が800℃の場合には、GaN単結晶の表面はやや荒れている。基板温度が900℃の場合には、GaN単結晶の表面はかなり荒れている。したがって、基板洗浄工程における基板温度は300℃以上700℃以下であるとよい。
2-3.RFパワー依存性
表3の実施例1から基板洗浄工程におけるRFパワーを変えてその表面を観察した。基板温度は600℃であった。RFの周波数は100MHzであった。内圧は100Paであった。処理時間は10分であった。
図10は基板洗浄工程のRFパワーによるGaN単結晶の表面の違いを示す画像である。図10(a)は基板洗浄工程のRFパワーが400Wの場合のGaN単結晶のAFM画像である。図10(b)は基板洗浄工程のRFパワーが600Wの場合のGaN単結晶のAFM画像である。図10(c)は基板洗浄工程のRFパワーが400Wの場合のGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。図10(d)は基板洗浄工程のRFパワーが600Wの場合のGaN単結晶の走査型顕微鏡写真である。
図10に示すように、RFパワーが400Wの場合には表面粗さは0.238nmであった。RFパワーが600Wの場合には表面粗さは0.450nmであった。RFパワーが400Wの場合と600Wの場合とではAFM画像に大きな差はない。走査型顕微鏡写真(SEM画像)では、RFパワーが400Wの場合には表面が荒れていないが、RFパワーが600Wの場合には表面がやや荒れている。
3.実験3(基板温度調整工程)
3-1.基板
実験1と同様にGaN単結晶基板を用いた。
3-2.サンプルの作製
テンプレート基板にプラズマクリーニング(基板洗浄工程)を実施した。基板温度は600℃であった。RFの周波数は100MHzであった。RFパワーは400Wであった。処理時間は10分であった。窒素ガスの流量は750sccmであった。水素ガスの流量は250sccmであった。
基板洗浄工程の後に基板温度を800℃まで上昇させてテンプレート基板の上にGaN層を成膜した。基板温度を上昇させる際に、プラズマを照射しなかったサンプルと、プラズマを照射したサンプルと、を作製した。プラズマを発生させるためのRFの周波数は100MHzであった。RFパワーは400Wであった。
3-3.成長させたGaN層の表面
図11は基板温度調整工程においてプラズマ照射の有無による半導体層の表面の違いを示す画像である。図11(a)は基板洗浄工程および基板温度調整工程においてプラズマを照射しなかった場合のGaN層のAFM画像である。図11(b)は基板洗浄工程および基板温度調整工程においてプラズマを照射した場合のGaN層のAFM画像である。図11(c)は基板洗浄工程および基板温度調整工程においてプラズマを照射しなかった場合のGaN層のRHEED画像である。図11(d)は基板洗浄工程および基板温度調整工程においてプラズマを照射した場合のGaN層のRHEED画像である。
図11に示すように、プラズマを照射しなかったサンプルの表面粗さは4.018nmであった。プラズマを照射したサンプルの表面粗さは0.220nmであった。図11(a)(b)に示すように、プラズマを照射したサンプルでは表面が荒れておらず、プラズマを照射していないサンプルでは表面が荒れている。
図11(c)に示すように、プラズマを照射していないサンプルにおいてはスポット状のパターンが観測された。図11(d)に示すように、プラズマを照射したサンプルにおいては、ストリーク状のパターンが観測された。
3-4.成長させたGaN層の断面(透過型顕微鏡写真)
図12は基板温度調整工程においてプラズマ照射の有無による半導体層の断面の違いを示す透過型顕微鏡写真である。図12(a)はプラズマを照射していないサンプルの暗視野像(TEM画像)である。図12(b)はプラズマを照射したサンプルの暗視野像(TEM画像)である。図12(c)はプラズマを照射していないサンプルの明視野像(TEM画像)である。図12(d)はプラズマを照射したサンプルの明視野像(TEM画像)である。
図12(a)に示すように、基板温度調整工程においてプラズマを照射していないサンプルの表面はやや荒れている。図12(b)に示すように、基板温度調整工程においてプラズマを照射したサンプルの表面は平坦である。
図12(c)に示すように、基板温度調整工程においてプラズマを照射していないサンプルでは、成長させたGaN層に転位が発生している。また、成長させたGaN層の表面がある程度荒れている。図12(d)に示すように、基板温度調整工程においてプラズマを照射したサンプルでは、観測の範囲内で転位は発生していない。また、成長させたGaN層の表面も平坦である。
3-5.成長させたGaN層の結晶性(XRC)
図13は、X線回折ロッキングカーブの半値幅を示すグラフである。図13(a)は、基板温度調整工程においてプラズマを照射していないサンプルのX線回折ロッキングカーブの半値幅を示している。図13(b)は、基板温度調整工程においてプラズマを照射したサンプルのX線回折ロッキングカーブの半値幅を示している。
基板温度調整工程においてプラズマを照射していないサンプルのX線回折ロッキングカーブの半値幅は210arcsecであるのに対し、基板温度調整工程においてプラズマを照射したサンプルのX線回折ロッキングカーブの半値幅は122arcsecである。このように、基板温度調整工程において、プラズマを照射するとGaNの結晶性が向上する。
A.付記
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、III 族窒化物基板を準備する工程と、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することによりIII 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないでIII 族窒化物基板に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することにより、III 族窒化物基板の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる半導体層形成工程と、を有する。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、基板洗浄工程では、混合ガスにおける窒素ガスと水素ガスとの和に対する水素ガスの混合比を体積流量比で5%以上45%以下の範囲内とする。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、基板洗浄工程では、III 族窒化物基板の温度を300℃以上700℃以下の範囲内とする。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、基板洗浄工程と半導体層形成工程との間に基板の温度を調整する基板温度調整工程を有する。基板温度調整工程では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給しながら基板の温度を上昇させる。
第5の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、III 族窒化物基板を準備する工程と、III 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、基板の洗浄温度から基板の成膜温度に基板の温度を変化させる基板温度調整工程と、III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないでIII 族窒化物基板に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することにより、III 族窒化物基板の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる半導体層形成工程と、を有する。基板温度調整工程では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給しながら基板の温度を変化させる。
第6の態様における基板の洗浄方法は、III 族窒化物基板を準備する工程と、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化してIII 族窒化物基板に供給することによりIII 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、を有する。
100…パワーデバイス
110…基板
110a…第1面
120…第1バッファ層
130…第2バッファ層
140…GaN層
150…AlGaN層
160…絶縁膜
S1…ソース電極
G1…ゲート電極
D1…ドレイン電極
1000…製造装置
1001…炉本体
1100…シャワーヘッド電極
1200…サセプター
1210…加熱器
1300…第1のガス供給管
1410…ガス導入室
1420…第2のガス供給管
1500…金属メッシュ
1600…RF電源
1610…マッチングボックス

Claims (4)

  1. III 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    III 族窒化物基板を準備する工程と、
    窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して前記III 族窒化物基板に供給することにより前記III 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、
    III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないで前記III 族窒化物基板に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して前記III 族窒化物基板に供給することにより、前記III 族窒化物基板の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる半導体層形成工程と、
    を有し、
    前記基板洗浄工程と前記半導体層形成工程との間に前記基板の温度を調整する基板温度調整工程を有し、
    前記基板温度調整工程では、
    窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して前記III 族窒化物基板に供給しながら前記基板の温度を上昇させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記基板洗浄工程では、
    前記混合ガスにおける窒素ガスと水素ガスとの和に対する水素ガスの混合比を
    体積流量比で5%以上45%以下の範囲内とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記基板洗浄工程では、
    前記III 族窒化物基板の温度を
    300℃以上700℃以下の範囲内とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  4. III 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    III 族窒化物基板を準備する工程と、
    前記III 族窒化物基板の表面を洗浄する基板洗浄工程と、
    前記基板の洗浄温度から前記基板の成膜温度に前記基板の温度を調整する基板温度調整工程と、
    III 族元素を含む有機金属ガスを含む第1のガスをプラズマ化しないで前記III 族窒化物基板に供給するとともに、窒素ガスを含む第2のガスをプラズマ化して前記III 族窒化物基板に供給することにより、前記III 族窒化物基板の上にIII 族窒化物半導体層を成長させる半導体層形成工程と、
    を有し、
    前記基板温度調整工程では、
    窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスをプラズマ化して前記III 族窒化物基板に供給しながら前記基板の温度を上昇させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
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