JP2020068273A - Iii族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Si基板の上に結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を成膜することのできるIII 族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法を提供することである。【解決手段】 この製造方法は、Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、N層の上にAl層を形成する第1の工程と、Al層の上にN層を形成する第2の工程と、を有する。この製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。【選択図】図7

Description

本明細書の技術分野は、プラズマを用いたIII 族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法に関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体では、その組成を変化させることにより、バンドギャップが0.6eVから6eVまで変化する。そのため、III 族窒化物半導体は、近赤外から深紫外までの広い範囲の波長に相当する発光素子や、レーザーダイオード、受光素子等に応用されている。
また、III 族窒化物半導体は、高い破壊電界強度と、高い融点とを備えている。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。それにともなって、HEMT素子などが研究開発されている。
III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法として、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)がある。MOCVD法では、大量のアンモニアガスを用いる。そのため、MOCVD炉にアンモニアを除外する除害装置を設ける必要がある。また、アンモニアのランニングコストも高い。そして、有機金属ガスとアンモニアとの反応により半導体層を形成する。この反応を起こすために、基板温度を高温にする必要がある。基板温度が高いと、In濃度の高いInGaN層を高品質に成長させることは難しい。また、成長基板と半導体層との熱膨張差の違いにより、そりが発生しやすい。
そのため、本発明者らは、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化せずに窒素原子を含むガスをプラズマ化して成長基板に供給するREMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を開発した(特許文献1)。特許文献1の技術では、GaN等を低温成長させることができる。そのため、熱膨張係数差に起因する応力を抑制することができる。
特開2015−99866号公報 特開2016−20299号公報
ところで、サファイア基板やGaN基板は高価である。そのため、安価なSi(111)基板の上にIII 族窒化物半導体を成膜することが好ましい。しかし、Si(111)基板の上に高品質なIII 族窒化物半導体を成膜することは必ずしも容易ではない。
例えば、GaNの格子定数とSi(111)基板の格子定数との間にはミスマッチがある(特許文献2の段落[0026]参照)。また、Si(111)基板の上にAlNバッファ層を形成すると、その上に成長させたGaN層には不連続面や転位等の欠陥が生じるとされている(特許文献2の段落[0005]参照)。そこで、特許文献2では、NH3 のプリフローを実施してAlNバッファ層を成長させる技術が開発されている(特許文献2の図2、4等参照)。
しかし、NH3 のプリフローでは、Si(111)基板の表面を十分に窒化できない場合がある。また、AlNバッファ層の結晶性がよくないため、初期核生成層14および厚い上層15を必要とする。したがって、より薄くより結晶性に優れたAlN層を形成することが好ましい。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。その課題とは、Si基板の上に結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を成膜することのできるIII 族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、N層の上にAl層を形成する第1の工程と、Al層の上にN層を形成する第2の工程と、を有する。この製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。
このIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、窒素ラジカルを用いてSi(111)基板を窒化し、その後、Al層とN層とを原子層レベルで積層する。そのため、Al原子とN原子とが好適に配位する。したがって、結晶性に優れたAlN層が形成される。
本明細書では、Si基板の上に結晶性に優れたIII 族窒化物半導体を成膜することのできるIII 族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法が提供されている。
第1の実施形態の半導体ウエハの構造を示す図である。 第1の実施形態の基板Sa1とAlN層F1との間の境界面を拡大した模式図である。 第1の実施形態の基板Sa1とAlN層F1との間の境界面の付近の原子配列を示す模式図である。 従来の基板とAlN層との間の境界面を拡大した模式図である。 従来の基板とAlN層との間の境界面の付近の原子配列を示す模式図である。 第1の実施形態における製造装置の概略構成を示す図である。 第1のガスの供給とRF電源がシャワーヘッド電極に付与する高周波電位の出力との関係を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態のMIS型半導体素子の構造を示す図である。 第3の実施形態の発光素子の構造を示す図である。 Si(111)基板の温度が25℃のときのRHEEDパターンである。 Si(111)基板の温度が300℃のときのRHEEDパターンである。 Si(111)基板の温度が600℃のときのRHEEDパターンである。 Si(111)基板の温度が900℃のときのRHEEDパターンである。
以下、具体的な実施形態について、III 族窒化物半導体素子とその製造方法および半導体ウエハの製造方法およびテンプレート基板の製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
1.半導体ウエハ
図1は、本実施形態の半導体ウエハWa1の構造を示す図である。半導体ウエハWa1は、基板Sa1とAlN層F1と半導体層F2とを有する。基板Sa1はSi(111)基板である。AlN層F1は、原子層レベルで積層された層である。半導体層F2は、III 族窒化物半導体から成る単結晶の半導体層である。半導体層F2は、例えば、GaN層である。このように、半導体ウエハWa1は、ウエハの主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させたものである。
ここで、原子層レベルで積層するとは、1原子層以上3原子層以下の層を積層することをいう。そのため、AlF層F1は、Al原子とN原子とを1原子層ずつ積層してもよい。
2.基板とAlN層との間の境界面
図2は、本実施形態の基板Sa1とAlN層F1との間の境界面を拡大した模式図である。図3は、本実施形態の基板Sa1とAlN層F1との間の境界面の付近の原子配列を示す模式図である。図2および図3に示すように、基板Sa1の表面のSi原子は窒素原子に結合している。そして、Si原子と結合している窒素原子はAl原子に結合している。つまり、本実施形態の半導体ウエハWa1は、Si−N−Al−という結合を有する。または、Si−N−…−Al−…という結合であってもよい。
AlN層F1は、4原子層以上30原子層以下である。ここで、AlN層F1におけるSi(111)基板の表面側の層はN原子の層である。AlN層F1におけるSi(111)基板の反対側の層はAl原子の層である。AlN層F1が十分に薄いため、AlN層F1の格子定数は、Si(111)基板の格子定数に近い。Si(111)の格子定数とAlN層の格子定数との差が、10%以下である。好ましくは、8%以下である。より好ましくは、6.25%以下である。なお、例えば、2原子層のAlN層とは、1原子層のAl層と1原子層のN層とを有する状態である。
3.従来の半導体ウエハとの比較
図4は、従来の基板とAlN層との間の境界面を拡大した模式図である。図5は、従来の基板とAlN層との間の境界面の付近の原子配列を示す模式図である。図4および図5に示すように、基板Sa1の表面のSi原子はAl原子に結合している。そして、Si原子と結合しているAl原子は窒素原子に結合している。つまり、従来の半導体ウエハは、Si−Al−N−という結合を有する。
4.本実施形態の半導体ウエハの効果
本実施形態の半導体ウエハWa1では、Si(111)基板が好適に窒化されている。そして、後述するように、AlN層F1は、基板Sa1のSi原子の上に原子層レベルで積層されている。また、AlN層F1が十分に薄いため、AlN層F1の格子定数は、Si(111)基板の格子定数に近いと考えられる。したがって、AlN層F1の上に積層された半導体層F2の結晶性は非常に優れている。
なお、本実施形態のように、Si(111)基板の表面を窒化することは必ずしも容易ではない。
5.III 族窒化物半導体素子の製造装置
図6は、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置1000の概略構成図である。製造装置1000は、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるためのものである。製造装置1000は、チャンバーの内部にプラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置である。製造装置1000は、III 族金属を含む有機金属ガス(第1のガス)をプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給し、窒素原子を含むガス(第2のガス)をプラズマ発生領域に通過させてから成長基板に供給する。
製造装置1000は、炉本体1001と、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、加熱器1210と、第1のガス供給管1300と、ガス導入室1410と、第2のガス供給管1420と、金属メッシュ1500と、RF電源1600と、マッチングボックス1610と、プラズマ電力パルス制御部1620と、第1のガス供給部1710と、第2のガス供給部1810と、ガス容器1910、1920、1930と、恒温槽1911、1921、1931と、マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840と、パルスバルブ1850と、を有している。また、製造装置1000は、排気口(図示せず)を有している。
シャワーヘッド電極1100は、周期的な電位を付与される第1の電極である。シャワーヘッド電極1100は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。シャワーヘッド電極1100は、平板形状の電極である。そして、シャワーヘッド電極1100には、表面から裏面に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの複数の貫通孔は、ガス導入室1410および第2のガス供給管1420と連通している。このため、ガス導入室1410から炉本体1001の内部に供給される第2のガスは、好適にプラズマ化される。
RF電源1600は、シャワーヘッド電極1100に高周波電位を付与する電位付与部である。プラズマ電力パルス制御部1620は、シャワーヘッド電極1100に高周波のパルスを付与するための装置である。
サセプター1200は、基板Sa1を支持するための基板支持部である。サセプター1200の材質は、例えば、グラファイトである。また、これ以外の導電体であってもよい。ここで、基板Sa1は、III 族窒化物半導体を成長させるための成長基板である。
第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給するためのものである。実際には、サセプター1200に支持された基板Sa1に第1のガスを供給することとなる。ここで、第1のガスとは、III 族金属を含む有機金属ガスである。また、その他のキャリアガスを含んでいてもよい。第1のガス供給管1300は、リング状のリング部1310を有している。そして、第1のガス供給管1300のリング部1310には、12個の貫通孔(図示せず)がリング部1310の内側に設けられている。このように第1のガス供給管1300は、少なくとも1以上の貫通孔を有する。これらの貫通孔は、第1のガスが噴出する噴出口である。そのため、第1のガスは、リング部1310の内側に向けて、噴出することとなる。また、これらの貫通孔は、サセプター1200と金属メッシュ1500との間の位置に配置されている。そのため、第1のガス供給管1300は、プラズマ発生領域から離れた位置に位置している。
第2のガス供給管1420は、サセプター1200に第2のガスを供給するためのものである。実際には、第2のガスをシャワーヘッド電極1100と金属メッシュ1500との間の空間に供給し、サセプター1200に支持された基板Sa1に第2のガスを供給することとなる。ここで、第2のガスは、窒素ガスを含むガスである。第2のガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスであってもよい。
ガス導入室1410は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを一旦収容するとともに、シャワーヘッド電極1100の貫通孔にこの混合ガスを供給するためのものである。
金属メッシュ1500は、荷電粒子を捕獲するための金属メッシュ部材である。金属メッシュ1500は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の位置に配置されている。そのため、金属メッシュ1500は、後述するようにプラズマ発生領域で発生した荷電粒子が、サセプター1200に支持されている成長基板Sa1に向かうのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100と第1のガス供給管1300のリング部1310との間の位置に配置されている。そのため、荷電粒子が、第1のガス供給管1300のリング部1310から噴出されるIII 族金属を含む有機金属分子に衝突するのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、多数枚のメッシュを少しずつずらして重ねあわされている。つまり、第1のメッシュの開口部の位置に第2のメッシュの線状部を配置している。そのため、直線的に進行する光は、金属メッシュ1500を透過できない。つまり、金属メッシュ1500は、電子、イオン、光を通過させないが、中性のラジカルを通過させる。
炉本体1001は、少なくとも、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、第1のガス供給管1300のリング部1310と、金属メッシュ1500と、を内部に収容している。炉本体1001は、例えば、ステンレス製である。炉本体1001は、上記以外の導電体であってもよい。
炉本体1001と、金属メッシュ1500と、第1のガス供給管1300とは、導電性の部材であり、いずれも接地されている。そのため、シャワーヘッド電極1100に電位が付与されると、シャワーヘッド電極1100と、炉本体1001および金属メッシュ1500と、の間に電圧が印加されることとなる。そして、炉本体1001と金属メッシュ1500との少なくとも1つ以上と、シャワーヘッド電極1100と、の間に放電が生じると考えられる。シャワーヘッド電極1100の直下では、高周波かつ高強度の電界が形成される。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下の位置は、プラズマ発生領域である。
ここで、第2のガスは、このプラズマ発生領域においてプラズマ化されることとなる。そして、プラズマ発生領域でプラズマ生成物が発生する。この場合におけるプラズマ生成物とは、例えば、窒素ラジカルと、水素ラジカルと、窒化水素系の化合物と、電子と、その他のイオン等である。ここで、窒化水素系の化合物とは、NHと、NH2 と、NH3 と、これらの励起状態と、その他のものとを含む。
また、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200とは、十分に離れている。シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200との間の距離は、40mm以上200mm以下である。より好ましくは、40mm以上150mm以下である。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が短いと、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがある。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が40mm以上であれば、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがほとんどない。そのため、荷電粒子が基板Sa1に到達することを抑制できる。また、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が大きいと、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、サセプター1200の保持する基板Sa1に到達しにくくなるからである。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
シャワーヘッド電極1100は、サセプター1200からみて第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔よりも遠い位置に配置されている。シャワーヘッド電極1100と、第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔との間の距離は、30mm以上190mm以下である。より好ましくは、30mm以上140mm以下である。荷電粒子が、第1のガスに混入することを抑制するとともに、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、基板Sa1に到達しやすくするためである。このため、プラズマ化された第2のガスと、プラズマ化されない第1のガスとにより、基板Sa1に半導体層が積層されることとなる。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
加熱器1210は、サセプター1200を介して、サセプター1200に支持される基板Sa1を加熱するためのものである。
マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840は、各々のガスの流量を制御するためのものである。パルスバルブ1850は、高周波電位のパルスと同期させて、III 族金属を含む有機金属ガスを供給するためのものである。恒温槽1911、1921、1931には、不凍液1912、1922、1932が満たされている。また、ガス容器1910、1920、1930は、III 族金属を含む有機金属ガスを収容するための容器である。ガス容器1910、1920、1930には、それぞれ、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、収容されている。もちろん、トリエチルガリウム等、その他のIII 族金属を含む有機金属ガスであってもよい。
製造装置1000は、電子銃1010と、検出部1020と、を有する。電子銃1010は、固体中の電子を熱もしくは電界により放出させるためのものである。検出部1020は、基板Sa1の表面で散乱された電子を検出するためのものである。電子銃1010および検出部1020は、RHEED装置の一部を構成する。
6.製造装置の製造条件
製造装置1000における製造条件を表1に示す。表1で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、0℃以上900℃以下の範囲内である。製造装置1000の内圧は、1Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
[表1]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 0℃以上 900℃以下
内圧 1Pa以上 10000Pa以下
7.ガスおよびパルス電圧
図7は、第1のガスおよび第2のガスの供給とRF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する高周波電位の出力との関係を示すタイミングチャートである。図7の横軸は、時刻である。図7の上図の縦軸はトリメチルアルミニウム(TMA)の流量である。図7の中図の縦軸は窒素ガスの流量である。図7の下図の縦軸はRFパワーである。
図7に示すように、第1のガスおよび第2のガスの供給およびRF電源1600によるパワーの供給は、一定時間おきに繰り返されている。図7に示すように、製造装置1000は、第1の期間T1と第2の期間T2とを交互に繰り返しながら成膜する。
7−1.基板窒素処理工程
図7に示すように、期間T0の基板窒素処理工程では、シャワーヘッド電極1100から窒素ガスを供給するとともにRF電源1600をONにする。そのため、窒素ガスは、シャワーヘッド電極1100の下部のプラズマ発生領域でプラズマ化される。このプラズマ発生領域では、窒素ラジカル、窒素イオン、電子、紫外線等が発生する。
一方、TMAは、基板Sa1に供給されない。なお、シャワーヘッド電極1100は、H2 ガスを供給しない。
プラズマ発生領域で発生した窒素イオンおよび電子は、金属メッシュ1500に捕獲される。光は金属メッシュ1500に遮断される。そのため、窒素ラジカルのみが基板Sa1に到達する。そして、Si(111)基板の表面は窒化する。つまり、Si原子に窒素原子が結合する。
このとき、1原子層以上3原子層以下の窒素原子が、基板Sa1の上に形成される。RHEED装置により、基板Sa1の表面状態を観察できるため、期間T0を予め設定することができる。
7−2.第1の工程
図7に示すように、第1の期間T1には、第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給する。第2のガス供給管1420は、第2のガスを供給しない。つまり、窒素ガスは炉本体1001の内部に供給されない。RF電源1600は、OFFである。このため、第1の期間T1には、III 族元素がサセプター1200の基板Sa1に供給される。したがって、第1の期間T1においては、1原子層以上3原子層以下のAl層が成膜される。
7−3.第2の工程
図7に示すように、第2の期間T2には、第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給しない。第2の期間T2には、第2のガス供給管1420は、窒素ガスを供給する。なお、第2のガス供給管1420は、水素ガスを供給しない。また、RF電源1600は、出力W1でプラズマを発生させる。このため、第2の期間T2には、窒素ラジカルがサセプター1200の基板Sa1に供給されるが、III 族元素は基板Sa1に供給されない。したがって、第2の期間T2においては、Al層の上に原子層レベルのN層が成膜される。
7−4.第1の期間および第2の期間の時間
第1の期間T1および第2の期間T2の長さは、RHEEDによる検出結果に基づいて判断すればよい。RHEEDにより得られるパターン像を観察することにより、原子層レベルで積層するための所要時間が得られる。また、同様に、基板窒素処理工程の時間についても、同様に得られる。
7−5.第1の期間および第2の期間の効果
このように、Si(111)基板のSiに窒素原子を原子層レベルで積層し、これらの窒素原子の上にAl原子を原子層レベルで積層する。そのため、AlN層F1のAl面が揃いやすい。また、AlN層F1の結晶性は良好である。このAlN層F1の膜厚は十分に薄い。このため、AlN層F1の格子定数は、Si(111)基板の格子定数に近いと考えられる。
8.半導体ウエハの製造方法
本実施形態の半導体ウエハの製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、本実施形態の製造装置1000を用いて基板Sa1の主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。
8−1.基板のクリーニング
ここで、本実施形態の製造装置1000を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。まず、基板Sa1を準備する。基板Sa1を、製造装置1000の内部のサセプター1200に配置し、水素ガスを供給しながら基板温度を900℃程度まで上昇させる。これにより、基板Sa1の表面を還元するとともに、基板Sa1の表面をクリーニングする。基板温度をこれ以上の温度にしてもよい。また、水素ガスをプラズマ化してもよい。
8−2.基板窒素処理工程
次に、窒素ガスをシャワーヘッド電極1100から炉本体1001の内部に供給するとともに、RF電源1600をONにする。この際に、プラズマ電力パルス制御部1620を用いて、シャワーヘッド電極1100にパルス電圧を印加する。
基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。
実際には、窒素ガスがプラズマ発生領域を通過することにより、窒素イオンと窒素ラジカルと電子と紫外線とが発生する。金属メッシュ1500が、荷電粒子である窒素イオンと電子とを捕獲する。また、金属メッシュ1500は、複数枚のメッシュをずらして配置されている。そのため、金属メッシュ1500は、紫外線を透過させない。中性の窒素ラジカル(励起状態を含む)のみが、金属メッシュ1500を透過して、基板Sa1に到達する。
基板窒素処理工程では、0℃以上100℃以下の温度でSi(111)基板の表面を窒化する。また、基板Sa1の窒化については、RHEED装置を用いた観測により、窒化する期間T0を設定すればよい。
このようにして、Si(111)基板の表面は窒化される。そして、Si(111)基板の表面にはN層が形成される。
8−3.AlN層形成工程
次に、表面を窒化されたSi(111)の上にAlN層F1を形成する。AlN層形成工程では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。この際に、プラズマ電力パルス制御部1620を用いる。第1の工程では、N層の上にAl層を形成する。第2の工程では、Al層の上にN層を形成する。タイミングチャートは、図7のとおりである。なお、AlN層F1の最上層はAl層であるとよい。この場合には、Al層を形成する第1の工程をAlN層形成工程の最後に実施することとなる。
8−3−1.第1の工程
第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。そのため、第1の工程では、プラズマを発生させない。また、第1の工程では、原子層レベルでAl層を形成する。RHEED装置を用いることにより、第1の期間T1を設定することができる。
8−3−2.第2の工程
第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第2の工程では、原子層レベルでN層を形成する。RHEED装置を用いることにより、第2の期間T2を設定することができる。
8−4.半導体形成工程
次に、AlN層F1の上に半導体層F2を形成する。この際には、第1のガスおよび第2のガスを同時に炉本体1001の内部に供給する。例えば、第1のガスは、トリメチルガリウムおよびキャリアガスであり、第2のガスは、N2 ガスおよびH2 ガスである。第1のガスおよび第2のガスを同時に供給することにより、この場合には、AlN層F1の上に半導体層F2としてGaN層が形成される。
8−5.本実施形態の製造方法の効果
本実施形態の半導体ウエハの製造方法では、AlN層F1を原子層レベルで成長させる。そのため、Al原子とN原子とは、炉本体1001の内部における基板Sa1から離れた空間中で反応することはほとんどない。そのため、結晶性に優れたAlN層F1を成膜することができる。
9.変形例
9−1.テンプレート基板
本実施形態の半導体ウエハWa1の代わりに、テンプレート基板を製造してもよい。テンプレート基板は、半導体ウエハWa1から半導体層F2を除去したものである。
9−2.プラズマ発生領域におけるプラズマを発生させる期間
図7に示すように、Al原子を含有するAl含有ガスを供給する際には、プラズマ発生領域にプラズマを発生させない。しかし、製造装置1000は、Al含有ガスをプラズマ発生領域に通過させない構成を備えている。そのため、Al含有ガスを供給させる際に、プラズマを発生させてもよい。
9−3.窒素ガスを流す期間
図7では、TMAを流している第1の期間T1に窒素ガスを流さない。しかし、第1の期間T1に窒素ガスを流してもよい。第1の期間T1では、RFパワーは0であるため、第1の期間T1に窒素ガスを流してもプラズマ化されない。
9−4.半導体層形成工程
半導体層形成工程において、原子層レベルで成膜してもよい。この場合には、半導体層F2の結晶性は向上するが、成膜時間は長くなる。
9−5.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態の半導体デバイスは、III 族窒化物半導体層を有するMIS型半導体素子である。
1.MIS型半導体素子
図8は、本実施形態のMIS型半導体素子100の構造を示す概略構成図である。図8に示すように、MIS型半導体素子100は、基板110と、バッファ層120と、GaN層130と、AlGaN層140と、絶縁膜150と、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1と、を有している。ソース電極S1およびドレイン電極D1は、AlGaN層140の上に形成されている。ゲート電極G1と、AlGaN層140の溝141との間には、絶縁膜150がある。ここで、バッファ層120は、AlN層であるとよい。
2.MIS型半導体素子の製造方法
本実施形態のMIS型半導体素子100の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、第1の実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。
2−1.半導体層形成工程
第1の実施形態の製造装置1000を用いて、基板110の上にIII 族窒化物半導体層を形成する。ここで用いる条件は、第1の実施形態で説明した半導体ウエハの製造方法とほぼ同様である。基板110の上に、バッファ層120と、GaN層130と、AlGaN層140と、を形成する。上記の各半導体層を形成するために、適宜原料ガスを切り替えればよい。
2−2.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、AlGaN層140に溝141を形成する。
2−3.絶縁膜形成工程
次に、溝141に、絶縁膜150を形成する。
2−4.電極形成工程
次に、AlGaN層140の上にソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する。また、溝141の箇所に、絶縁膜150を介してゲート電極G1を形成する。なお、ソース電極S1およびドレイン電極D1については、絶縁膜150を形成する前に形成してもよい。以上により、MIS型半導体素子100が製造される。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態の半導体デバイスは、III 族窒化物半導体層を有する半導体発光素子である。
1.半導体発光素子
図9は、本実施形態の発光素子200の構造を示す概略構成図である。図9に示すように、発光素子200は、III 族窒化物半導体層を有する。発光素子200は、基板210と、バッファ層220と、n−GaN層230と、発光層240と、p−AlGaN層250と、p−GaN層260と、p電極P1と、n電極N1と、を有する。発光層240は、井戸層と障壁層とを有する。井戸層は、例えば、InGaN層を有している。障壁層は、例えば、AlGaN層を有している。これらの積層構造は、例示であり、上記以外の積層構造であってもよい。ここで、バッファ層220は、AlN層であるとよい。
2.半導体発光素子の製造方法
本実施形態の発光素子200の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、第1の実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。
2−1.半導体層形成工程
第1の実施形態の製造装置1000を用いて、基板210の上にIII 族窒化物半導体層を形成する。ここで用いる条件は、第1の実施形態で説明した半導体ウエハの製造方法とほぼ同様である。基板210の上に、バッファ層220と、n−GaN層230と、発光層240と、p−AlGaN層250と、p−GaN層260と、を形成する。上記の各半導体層を形成するために、適宜原料ガスを切り替えればよい。
2−2.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、p−GaN層260からn−GaN層230の途中まで達する凹部を形成する。これより、n−GaN層230の露出部が露出する。
2−3.電極形成工程
次に、n−GaN層230の露出部の上にn電極N1を形成する。また、p−GaN層260の上にp電極P1を形成する。
2−4.その他の工程
アニール工程や、絶縁膜を形成する工程等、その他の工程を実施してもよい。
(実験)
1.RHEED
本実験では、図6に示す製造装置1000を用いて実験を行った。製造装置1000の内圧は、300Paであった。成長基板として、8mm角、厚さ400μmのSi(111)基板を用いた。
2 ガスを1000sccm流しながらSi(111)基板を300℃まで昇温した(クリーニング工程)。次に、RFパワーを100Wにし、N2 ガスを750sccm流した(基板窒素処理工程)。この際のSi(111)基板の温度を変えて、RHEEDのパターンを観察した。
図10は、Si(111)基板の温度が25℃のときのRHEEDパターンである。図11は、Si(111)基板の温度が300℃のときのRHEEDパターンである。図12は、Si(111)基板の温度が600℃のときのRHEEDパターンである。図13は、Si(111)基板の温度が900℃のときのRHEEDパターンである。
図10から図13に示すように、Si(111)基板の温度が25℃、300℃の場合には、ストリークラインが観測された。しかし、Si(111)基板の温度が600℃、900℃の場合には、ストリークラインが観測されなかった。このため、Si(111)基板の温度は0℃以上300℃以下であるとよい。
2.表面粗さ
本実験では、図6に示す製造装置1000を用いて実験を行った。製造装置1000の内圧は、100〜150Paであった。成長基板として、8mm角、厚さ400μmのSi(111)基板を用いた。
炉の内圧を150Paに保ちつつH2 ガスを1000sccm流しながらSi(111)基板を300℃まで昇温した(クリーニング工程)。次に、基板温度を室温まで戻して、RFパワーを100Wにし、N2 ガスを750sccm流した(基板窒素処理工程)。そして、Si(111)基板の温度を600℃まで昇温した。
2 ガスを750sccmで流しつつTMA(トリメチルアルミニウム)を20秒流してAlを成膜した。その後TMAの導入を止めて、RFパワーを100WにしてN2 ガスをプラズマ化し、Alを窒化した。TMAの導入とTMAの停止とを20回繰り返した(AlN層形成工程)。
基板温度が25℃の場合には、窒素処理後のSi基板の表面粗さ(RMS)は0.190nmであった。基板温度が300℃の場合には、窒素処理後のSi基板の表面粗さ(RMS)は0.136nmであった。基板温度が600℃の場合には、窒素処理後のSi基板の表面粗さ(RMS)は0.230nmであった。基板温度が900℃の場合には、窒素処理後のSi基板の表面粗さ(RMS)は0.191nmであった。
[表2]
基板温度 表面粗さ(RMS)
25℃ 0.190nm
300℃ 0.136nm
600℃ 0.230nm
900℃ 0.191nm
3.格子定数
本実験では、図6に示す製造装置1000を用いて実験を行った。製造装置1000の内圧は、100〜150Paであった。成長基板として、8mm角、厚さ400μmのSi(111)基板を用いた。
炉の内圧を150Paに保ちつつH2 ガスを1000sccm流しながらSi(111)基板を300℃まで昇温した(クリーニング工程)。次に、基板温度を室温まで戻して、RFパワーを100Wにし、N2 ガスを750sccm流した(基板窒素処理工程)。そして、Si(111)基板の温度を600℃まで昇温した。
2 ガスを750sccmで流しつつTMA(トリメチルアルミニウム)を20秒流してAlを成膜した。その後TMAの導入を止めて、RFパワーを100WにしてN2 ガスをプラズマ化し、Alを窒化した。TMAの導入とTMAの停止とを10回繰り返した(AlN層形成工程)。
表3は、測定結果を示している。表4は、SiおよびAlNの格子定数(a軸)である。
[表3]
Siのストリークラインの距離 0.8cm
ストリークラインの近似幅 0.1cm
AlNのストリークラインの距離 0.8cm
ストリークラインの近似幅 0.1cm
[表4]
Siの格子定数 5.431Å
AlNの格子定数(a軸) 3.112Å
表3に示すように、SiおよびAlNのストリークラインの近似幅の範囲で、SiおよびAlNのストリークラインの距離は等しい。つまり、成膜されたAlNの格子定数は、Siの格子定数にほぼ等しい。ストリークラインの近似幅を考慮すると、成膜されたAlNの格子定数とSiの格子定数との差は6.25%以下である。少なくとも、成膜されたAlNの格子定数とSiの格子定数との差は10%以下に入っているといえる。
なお、表4に示すように、通常のSi(111)の格子定数とAlNの格子定数との差は、18.9%程度である。
(付記)
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、N層の上にAl層を形成する第1の工程と、Al層の上にN層を形成する第2の工程と、を有する。この製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、第1の工程では、プラズマを発生させない。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、基板窒素処理工程では、0℃以上100℃以下の温度でSi(111)基板の表面を窒化する。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、第1の工程では、原子層レベルのAl層を形成する。第2の工程では、原子層レベルのN層を形成する。
第5の態様における半導体ウエハの製造方法は、Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、N層の上にAl層を形成する第1の工程と、Al層の上にN層を形成する第2の工程と、を有する。この製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。
第6の態様におけるテンプレート基板の製造方法は、Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、N層の上にAl層を形成する第1の工程と、Al層の上にN層を形成する第2の工程と、を有する。この製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返す。基板窒素処理工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。第1の工程では、プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずにSi(111)基板にAl含有ガスを供給する。第2の工程では、プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後にSi(111)基板に窒素ガスを供給する。
第7の態様におけるIII 族窒化物半導体素子は、Si(111)基板と、Si(111)基板の上のAlN層と、を有する。AlN層は、30原子層以下である。Si(111)の格子定数とAlN層の格子定数との差が、10%以下である。
1000…製造装置
1001…炉本体
1010…電子銃
1020…検出部
1100…シャワーヘッド電極
1200…サセプター
1210…加熱器
1300…第1のガス供給管
1410…ガス導入室
1420…第2のガス供給管
1500…金属メッシュ
1600…RF電源
1610…マッチングボックス
1620…プラズマ電力パルス制御部
1850…パルスバルブ

Claims (7)

  1. Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、
    前記N層の上にAl層を形成する第1の工程と、
    前記Al層の上にN層を形成する第2の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程と前記第2の工程とを繰り返し、
    前記基板窒素処理工程では、
    プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給し、
    前記第1の工程では、
    前記プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずに前記Si(111)基板に前記Al含有ガスを供給し、
    前記第2の工程では、
    前記プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記第1の工程では、
    プラズマを発生させないこと
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記基板窒素処理工程では、
    0℃以上100℃以下の温度で前記Si(111)基板の表面を窒化すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記第1の工程では、
    原子層レベルの前記Al層を形成し、
    前記第2の工程では、
    原子層レベルの前記N層を形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  5. Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、
    前記N層の上にAl層を形成する第1の工程と、
    前記Al層の上にN層を形成する第2の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程と前記第2の工程とを繰り返し、
    前記基板窒素処理工程では、
    プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給し、
    前記第1の工程では、
    前記プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずに前記Si(111)基板に前記Al含有ガスを供給し、
    前記第2の工程では、
    前記プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給すること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  6. Si(111)基板の表面を窒素処理してN層を形成する基板窒素処理工程と、
    前記N層の上にAl層を形成する第1の工程と、
    前記Al層の上にN層を形成する第2の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程と前記第2の工程とを繰り返し、
    前記基板窒素処理工程では、
    プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給し、
    前記第1の工程では、
    前記プラズマ発生領域にAl原子を含有するAl含有ガスを通過させずに前記Si(111)基板に前記Al含有ガスを供給し、
    前記第2の工程では、
    前記プラズマ発生領域に窒素ガスを通過させた後に前記Si(111)基板に前記窒素ガスを供給すること
    を特徴とするテンプレート基板の製造方法。
  7. Si(111)基板と、
    前記Si(111)基板の上のAlN層と、
    を有するIII 族窒化物半導体素子において、
    前記AlN層は、
    30原子層以下であり、
    前記Si(111)の格子定数と前記AlN層の格子定数との差が、
    10%以下であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子。
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