JP2017071966A - 消臭網戸用ネット及び該ネットを用いた網戸 - Google Patents
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Abstract
【課題】風通しが良く、網戸を通した視認性もよい網戸において、風通しが良く、虫の侵入を防止するのはもちろんのこと、優れた消臭性を有する網戸用ネットを提供することを目的とする。【解決手段】熱可塑性ポリマーからなるモノフィラメント糸が、織物の経糸及び緯糸に配されてなる網戸用ネットであって、前記織物は経糸密度が20〜50本/2.54cmで、緯糸密度が20〜50本/2.54cmである平織であり、前記モノフィラメント糸は繊径が100〜200μmで、前記モノフィラメント糸の表面の少なくとも一部に多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含有する消臭剤を含む消臭剤が固着していることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、風通しが良く、虫の侵入を防止することはもちろんのこと、網戸を通した視認性もよい網戸用ネットにおいて、さらに室内に流入する悪臭をも消臭する網戸用ネットに関する。
従来から網戸は住宅や事務所などの窓やドア等に配設され、通風を得ながら蚊など虫の侵入防止に広く用いられている。
特許文献1には、建物の窓枠または網戸枠に取り付けられる窓用フィルタにおいて、フィルタ素材が不織布である窓用フィルタが開示されており、消臭性および/または抗菌性のある不織布を窓用フィルタとすることも開示されている。そして、窓用フィルタの臭いを取り除いたり、捕集されたカビや細菌の繁殖をおさえることが記載されている。
しかしながら、特許文献1の窓用フィルタは、フィルタ素材が不織布であることから廉価にして使い捨てることは可能であるが、従来の網戸用ネットタイプあって、室内の臭いのみならず外部から侵入する外気の臭いをも消臭できる網戸用ネットのニーズが高まっている。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、風通しが良く、網戸を通した視認性もよい網戸において、風通しが良く、虫の侵入を防止するのはもちろんのこと、優れた消臭性を有する網戸用ネットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]熱可塑性ポリマーからなるモノフィラメント糸が、織物の経糸及び緯糸に配されてなる網戸用ネットであって、前記織物は経糸密度が20〜50本/2.54cmで、緯糸密度が20〜50本/2.54cmである平織であり、前記モノフィラメント糸は繊径が100〜200μmで、前記モノフィラメント糸の表面の少なくとも一部に多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含む消臭剤が固着していることを特徴とする消臭網戸用ネット。
[2]前記熱可塑性ポリマーが、ポリエステルである前項1に記載の消臭網戸用ネット。
[3]JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法)による通気度測定による通気度が、500〜800cm3/cm2・秒である前項1または2に記載の消臭網戸用ネット。
[4]前項1〜3のいずれか1項に記載の消臭網戸用ネットを用いた網戸。
[1]の発明では、モノフィラメント糸が織物の経糸及び緯糸に配され、織物の経糸密度が20〜50本/2.54cm、緯糸密度が20〜50本/2.54cmである平織であり、しかもモノフィラメント糸は繊径が100〜200μmの範囲であるので、虫の侵入を防止するとともに、風通しがよく、しかも網戸を通した視認性もよい網戸用ネットとすることができる。また、織物の組織が平織なので経糸と緯糸のずれ、いわゆる目ずれが生じ難いく、モノフィラメント糸の繊径が100μmよりも小さくなると隣のモノフィラメント糸の隙間が広くなり、小さな虫の侵入を防止できないおそれがあり、逆に200μmよりも大きくなると隣のモノフィラメント糸の隙間が狭くなり、網戸を通した視認性が低下するおそれがある。さらに、モノフィラメント糸の表面の少なくとも一部に多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含む消臭剤が固着しているので、室内の臭いのみならず外部から侵入する外気の臭いをも消臭できる。
[2]の発明では、前記熱可塑性ポリマーが、ポリエステルであるので、染色することで織物に色や柄を付与することできる。
[3]の発明では、JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法)による通気度測定による通気度が、500〜800cm3/cm2・秒であるので十分風通しが良く、織物を構成するモノフィラメントに固着した消臭剤により外気の臭いを除去することができる。
[4]の発明では、風通しが良く、虫の侵入を防止するのはもちろんのこと、優れた消臭性を有する網戸用ネットを提供できる。
本発明に係る消臭網戸用ネットは、熱可塑性ポリマーからなるモノフィラメント糸が、織物の経糸及び緯糸に配されてなる網戸用ネットであって、前記織物は経糸密度が20〜50本/2.54cmで、緯糸密度が20〜50本/2.54cmである平織であり、前記モノフィラメント糸は繊径が100〜200μmで、前記モノフィラメント糸の表面の少なくとも一部に多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含有する消臭剤を含む消臭剤が固着していることを特徴とする。
前記熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等が挙がられる。モノフィラメント糸は、上記の素材のうち同じ素材を用いても、異なる素材を用いても良いし、いくつか併用しても良い。経糸と緯糸は、同じ素材からなるモノフィラメント糸を用いても、異なる素材からなるモノフィラメント糸を用いても良く、併用しても良い。前記熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルが好ましい。ポリエステルを用いれば染色することで織物に色や柄を付与することできるので好適である。
本発明に係る網戸用ネットを構成する織物は、レピア織機等公知の織機にて製織することができる。織組織は三原組織の平織、斜文織、朱子織はじめ多種多様あるなかで最も単純な平織を採用することで、しっかりとした織物とすることでき目ずれの発生を抑制することができる。さらに、経糸と緯糸の交差する部分を部分的に接着させることが好ましく、目ずれの発生をさらに低減できる。
前記織物は、経糸密度及び緯糸密度のいずれも20〜50本/2.54cmである平織であり、しかもモノフィラメント糸は繊径が100〜200μmであるので、虫の侵入を防止するとともに、風通しがよく、しかも網戸を通した視認性もよい網戸用ネットとすることができる。また、織物の組織が平織なので経糸と緯糸のずれ、いわゆる目ずれが生じ難く、モノフィラメント糸の繊径が100μmよりも小さくなると隣のモノフィラメント糸の隙間が広くなり、小さな虫の侵入を防止できないおそれがあり、逆に200μmよりも大きくなると隣のモノフィラメント糸の隙間が狭くなり、網戸を通した視認性が低下するおそれがある。また、前記織物の経糸密度と緯糸密度は同じ密度であっても異なる密度であっても良く、モノフィラメント糸の繊径は経糸と緯糸とで同じ繊径であっても異なる繊径であっても良い。
前記モノフィラメント糸の断面形状は、特に限定されなく、例えば、丸断面、三角断面、扁平断面等を挙げることができる。また、中実糸であっても中空糸であっても良い。
前記熱可塑性ポリマーに、各種添加剤を添加しても良い。添加剤としては難燃剤、着色剤、熱安定化剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、無機微粒子等を挙げることができる。
前記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルが挙げられる。
本発明に係る網戸用ネットは、原着フィラメント糸を使用するか糸染め、反染めや捺染などの染色等により色がついていることが好ましい。原着は、熱可塑性ポリマーに公知の方法で顔料を添加すればよく、染色は公知の染色方法で染めれば良い。網戸用ネットとしては、使用による汚れの目立ちにくさの点で、色の濃度は濃い方が好ましく、色は黒が好ましい。明度はL値が40以下とするのが好ましく、網戸を通した視認性がさらに良くなる。なお、着色する場合、公知の耐光向上剤を添加しておくことが好ましい。
本発明の消臭剤は多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含有する消臭剤を含むので、メチルメルカプタン、アセトアルデヒド、酢酸、アンモニアのみならず硫黄化合物等の悪臭ガスに対して優れた消臭性能が得られる。
前記多孔質無機物質としては、表面積が大きく、悪臭の吸着能力の優れたものとなる。例えばこのような多孔質無機物質としては、酸化珪素、ゼオライト、多孔質シリカ、活性炭、シリカゲル、麦飯石、珪藻土等が挙げられる。中でも、アンモニアガス、トリメチルアミン等に対して優れた吸着能を有するゼオライトや酸化珪素を用いるのが好ましい。
また、ゼオライトは、白色であり繊維に担持させた場合に活性炭よりも布帛の色彩に影響が少ないので良好である。ゼオライトは、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して三次元的に結合した骨格構造をしている。この骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開き、水や有機分子など様々な分子を骨格中に取り込むことから、吸着剤として非常に有用なものである。ゼオライトには、種々のものが存在し、中でも人工ゼオライトのMFI型ゼオライトは、結晶構造に由来する2種類の細孔が三次元的につながっていることから、吸着剤として非常に効果のあるものとして認められている。本発明では、MFI型ゼオライトを、吸着剤として使用すれば、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスに優れた吸着能を発揮する。
前記アミン化合物としては、ヒドラジン誘導体あるいは、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物を挙げられる。ヒドラジン誘導体は、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。
このようなヒドラジン誘導体を用いることによりアルデヒド類に対して化学反応を起こし優れた吸着作用を発揮し悪臭除去性能を確保することができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられる。なお、このようなヒドラジン誘導体の水に対する溶解度は25℃において5g/L以下であるのが望ましい。水に対する溶解度がこの範囲内であれば、洗濯等によって水と接触することがあっても、ヒドラジン誘導体がこの水に溶解して流出してしまうことが防止される。
また、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、例えばポリアミン化合物を担持した多孔質二酸化ケイ素、ポリアミン化合物を担持したケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン等が挙げられる。具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物は、特にアルデヒドガスの消臭に有効で、また、無機ケイ素化合物は塩基性ガスの消臭に有効であって、さらに無機多孔質物質と、金属酸化物と、水酸化金属を併用することにより、様々な臭気を効果的に消臭することができる。
前記金属酸化物としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化銅、アルミナ、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。これら金属酸化物は、硫化水素、メルカプタン等の酸性ガスの分解に優れた効果を発揮する。
前記水酸化金属としては、例えば水酸化ジルコニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄、水酸化銅などの水酸化金属を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。これら水酸化金属は、有機酸臭の分解に優れた効果を発揮する。
なお、モノフィラメント糸が織物の経糸及び緯糸に配されてなる網戸用ネットに塗布され固着する消臭剤の量は、外気の流入量と室内空間の大きさによるが、0.8〜3.0g/m2(乾燥重量)とするのが好ましい。0.8g/m2未満では十分な除去性能が得られなくなるので好ましくない。また、3.0g/m2を超えても徒にコストを増大することになり好ましくない。
前記消臭剤を網戸用ネットのモノフィラメント糸に塗布するには、まずその塗布液を用意する。塗布液の作成方法は、まず、多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物とバインダ−樹脂を水に分散させた水分散液からなる処理液を調合する。この時、多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と水酸化金属とバインダ−樹脂を可能な限り分散させることが好ましく、バインダ−樹脂については、水との間でエマルジョン状態を形成することがより好ましい。こうすることにが、より均一に分散させるうえで好ましい。
前記バインダ−樹脂は、どのような樹脂でも使用することができる。例えば、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレ−ト共重合体樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してバインダ−樹脂としてもよい。
また、前記消臭剤の塗布液には、分散剤や、増粘剤などの各種添加剤を、各種特性向上のため配合してもよい。こうして得られる消臭剤を網戸用ネットに塗布させる。この塗布する手段としては、特に限定されるものではないが、例えばスプレ−法、パディング法、浸漬法、コ−ティング法等が挙げられる。
上記のように、処理液を付与した後に乾燥させるが、乾燥手段としては、加熱処理する方法が乾燥効率から好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、消臭剤の固着性をより高め、悪臭除去性能の持続耐久性を一層向上させることができる。
こうして得られた網戸用ネットを網戸枠に張ることで網戸が得られ、風通しが良く、網戸を通した視認性も良く、虫の侵入を防止するのはもちろんのこと、優れた消臭性を発揮する。
網戸用ネットのJIS L 1096−1990(6.27.1.のA法)による通気度測定による通気度が、500〜800cm3/cm2・秒であるのが好ましい。この範囲にすることで十分風通しが良く、織物を構成するモノフィラメントに固着した消臭剤により外気の臭いを除去することができる。JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法)による通気度測定は、フラジール形通気性試験機を用いた一般織物の通気度の試験方法であり、モノフィラメントの繊径が太過ぎたり、織物の織密度が高過ぎる場合と、モノフィラメントに固着した消臭剤の固着量が大きくなり過ぎ膜状になってしまう場合、十分な風通しが得られなくなる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、平均粒径5μm酸化ケイ素5質量部と、平均粒径1μmヒドラジド化合物3質量部と、平均粒径15μm金属酸化物5質量部と、平均粒径1μm水酸化金属5質量部とを水62質量部の水を加えた後、攪拌機により攪拌を行い、分散液を得た。この分散液に更にウレタン系バインダー樹脂(固形分50%)20質量部を加え、よく攪拌してから均一な処理液を得た。次に、ポリエステルモノフィラメント糸(繊径140μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いて、経糸密度及び緯糸密度が33本/2.54cmの密度の平織組織に、レピア織機で製織し、網戸用ネット得た。こうして得られた網戸用ネットに、前記処理液をパディング法により均一に塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.8g/m2、ヒドラジド化合物0.48g/m2、金属酸化物0.8g/m2、水酸化金属0.8g/m2であった。なお、各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率とその評価と、通気度試験(JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法))の結果を表1に示す。
まず、平均粒径5μm酸化ケイ素5質量部と、平均粒径1μmヒドラジド化合物3質量部と、平均粒径15μm金属酸化物5質量部と、平均粒径1μm水酸化金属5質量部とを水62質量部の水を加えた後、攪拌機により攪拌を行い、分散液を得た。この分散液に更にウレタン系バインダー樹脂(固形分50%)20質量部を加え、よく攪拌してから均一な処理液を得た。次に、ポリエステルモノフィラメント糸(繊径140μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いて、経糸密度及び緯糸密度が33本/2.54cmの密度の平織組織に、レピア織機で製織し、網戸用ネット得た。こうして得られた網戸用ネットに、前記処理液をパディング法により均一に塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.8g/m2、ヒドラジド化合物0.48g/m2、金属酸化物0.8g/m2、水酸化金属0.8g/m2であった。なお、各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率とその評価と、通気度試験(JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法))の結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を48本/2.54cmで平織組織の織物を製織したのち、公知の高圧液流染色機を用いて黒色分散染料で130℃40分間染色した後、130℃で乾燥し、170℃でセット加工を施した以外は実施例1と同様にして消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.1g/m2、ヒドラジド化合物0.6g/m2、金属酸化物1.1g/m2、水酸化金属0.6g/m2であった。
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を48本/2.54cmで平織組織の織物を製織したのち、公知の高圧液流染色機を用いて黒色分散染料で130℃40分間染色した後、130℃で乾燥し、170℃でセット加工を施した以外は実施例1と同様にして消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.1g/m2、ヒドラジド化合物0.6g/m2、金属酸化物1.1g/m2、水酸化金属0.6g/m2であった。
<実施例3>
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を40本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。次に、実施例1と同じ処理液をパディング法により実施例1より多く塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.0g/m2、ヒドラジド化合物0.5g/m2、金属酸化物1.0g/m2、水酸化金属0.5g/m2であった。
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を40本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。次に、実施例1と同じ処理液をパディング法により実施例1より多く塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.0g/m2、ヒドラジド化合物0.5g/m2、金属酸化物1.0g/m2、水酸化金属0.5g/m2であった。
<実施例4>
実施例1において、ナイロンモノフィラメント糸(繊径150μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして消臭網戸用ネットを得た。次に、実施例1と同じ処理液をパディング法により実施例3より多く塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.2g/m2、ヒドラジド化合物0.6g/m2、金属酸化物1.2g/m2、水酸化金属0.6g/m2であった。
実施例1において、ナイロンモノフィラメント糸(繊径150μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして消臭網戸用ネットを得た。次に、実施例1と同じ処理液をパディング法により実施例3より多く塗布し、80℃×5分で乾燥して消臭網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.2g/m2、ヒドラジド化合物0.6g/m2、金属酸化物1.2g/m2、水酸化金属0.6g/m2であった。
<比較例1>
実施例1において、消臭剤を塗布していない網戸用ネットを比較例1とした。
実施例1において、消臭剤を塗布していない網戸用ネットを比較例1とした。
<比較例2>
実施例1において、ポリエステルモノフィラメント糸(繊径60μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.4g/m2、ヒドラジド化合物0.24g/m2、金属酸化物0.4g/m2、水酸化金属0.4g/m2であった。
実施例1において、ポリエステルモノフィラメント糸(繊径60μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.4g/m2、ヒドラジド化合物0.24g/m2、金属酸化物0.4g/m2、水酸化金属0.4g/m2であった。
<比較例3>
実施例1において、 ポリエステルモノフィラメント糸(繊径250μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.2g/m2、ヒドラジド化合物0.72g/m2、金属酸化物1.2g/m2、水酸化金属1.2g/m2であった。なお、メッシュの間に一部に膜状のものが認められた。
実施例1において、 ポリエステルモノフィラメント糸(繊径250μm、丸断面)を経糸及び緯糸に用いた以外は実施例1と同様にして網戸用ネットを得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.2g/m2、ヒドラジド化合物0.72g/m2、金属酸化物1.2g/m2、水酸化金属1.2g/m2であった。なお、メッシュの間に一部に膜状のものが認められた。
<比較例4>
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を15本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.33g/m2、ヒドラジド化合物0.2g/m2、金属酸化物0.33g/m2、水酸化金属0.33g/m2であった。
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を15本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素0.33g/m2、ヒドラジド化合物0.2g/m2、金属酸化物0.33g/m2、水酸化金属0.33g/m2であった。
<比較例5>
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を60本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.44g/m2、ヒドラジド化合物0.86g/m2、金属酸化物1.44g/m2、水酸化金属1.44g/m2であった。なお、メッシュの間に一部に膜状のものが認められた。
実施例1において、経糸密度及び緯糸密度を60本/2.54cmとした以外は実施例1と同様にして、網戸用ネット得た。消臭剤の固着量は、酸化ケイ素1.44g/m2、ヒドラジド化合物0.86g/m2、金属酸化物1.44g/m2、水酸化金属1.44g/m2であった。なお、メッシュの間に一部に膜状のものが認められた。
<消臭試験>
なお上記例における各種消臭性能の測定は次のように行った。
(アンモニア消臭性能)
試験片(25.6cm×10.0cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、20分経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
なお上記例における各種消臭性能の測定は次のように行った。
(アンモニア消臭性能)
試験片(25.6cm×10.0cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、20分経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入し、1時間経過後に酢酸ガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入し、1時間経過後に酢酸ガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
(メチルメルカプタン消臭性能)
アンモニアガスに代えてメチルメルカプタンガスを用いて袋内において濃度が40ppmとなるように注入し、4時間経過後にメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてメチルメルカプタンの除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えてメチルメルカプタンガスを用いて袋内において濃度が40ppmとなるように注入し、4時間経過後にメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてメチルメルカプタンの除去率(%)を算出した。
そして、除去率が60%以上であるものを「◎」、除去率が50%以上60%未満であるものを「○」、除去率が40%以上50%未満であるものを「△」、除去率が40%未満であるものを「×」と評価した。
表1から明らかなように、実施例1〜4においては、アンモニア、硫化水素、アセトアルデヒド、酢酸、メチルメルカプタンの5つに悪臭に対して優れて消臭性性能を発揮した網戸用ネットであった。
一方、比較例1、2、4は、消臭性能がかなり劣るため消臭効果があるとは言い難く、また比較例3、5は悪臭に対しては消臭効果を発揮する網戸用ネットではあるものの、ネットの間に消臭剤を固着するためのバインダー樹脂による膜が形成されてしまい通気性が悪く、網戸用ネットとしては満足する性能にはならなかった。
本発明は、住宅や事務所などの窓やドア等に配設され、風通しが良く、網戸を通した視認性もよい網戸において、風通しが良く、虫の侵入を防止するのはもちろんのこと、優れた消臭性を有する網戸用ネットとして用いられる。
Claims (4)
- 熱可塑性ポリマーからなるモノフィラメント糸が、織物の経糸及び緯糸に配されてなる網戸用ネットであって、前記織物は経糸密度が20〜50本/2.54cmで、緯糸密度が20〜50本/2.54cmである平織であり、前記モノフィラメント糸は繊径が100〜200μmで、前記モノフィラメント糸の表面の少なくとも一部に多孔質無機物質と、アミン化合物と、金属酸化物と、水酸化金属とを含む消臭剤が固着していることを特徴とする消臭網戸用ネット。
- 前記熱可塑性ポリマーが、ポリエステルである請求項1に記載の消臭網戸用ネット。
- JIS L 1096−1990(6.27.1.のA法)による通気度測定による通気度が、500〜800cm3/cm2・秒である請求項1または2に記載の消臭網戸用ネット。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭網戸用ネットを用いた網戸。
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