JP2013212238A - 減臭メッシュシート - Google Patents

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Abstract

【課題】室内や常時暗所に拘らず臭気成分濃度を減少させる減臭効果、及び経時的に人間の感知限界濃度に近付ける消臭効果を有し、空間仕切に用いた時に、プライバシー効果を有しながら反対側の景観が認知可能である減臭メッシュシートの提供。
【解決手段】繊維糸条で構成された粗目織物を含む基布と、この繊維糸条を被覆する熱可塑性樹脂層とで構成された、特定の充実率と単位表面積とを有する可撓性メッシュシートにおいて、熱可塑性樹脂層が特定の臭気分子不活性化粒子を含み、さらに粗目織物を、扁平経糸束及び扁平緯糸束との交絡によるフラット織物とする。
【選択図】図2

Description

本発明は減臭効果を有する産業資材用メッシュシートに関する。詳しく述べれば、本発明のメッシュシートは、家屋、店舗、オフィスビル、商業施設、各種公共施設などの居住空間をはじめ、食品工場、化学品工場、畜産施設、水産施設、ゴミ集積所などにおいて、空間仕切用、壁掛け用、敷物用、天蓋用の形態で用い、室内や常時暗所に拘らず使用環境における臭気成分濃度を減少させる減臭効果、及び経時的に人間の感知限界濃度に近付ける消臭効果を有するもので、適度な採光性と通気性とを有し、さらには空間仕切に用いた時に、プライバシー効果を有しながら反対側の景観が認知可能であるメッシュシートに関する。
アウター衣料、インナー衣料、スポーツ衣料、靴下、バスタオル、バス・トイレマット、寝装寝具、椅子やインテリアの表皮布材、カーテン、カーペット、ペット用品などの繊維製品、及びエアコンや掃除機の不織布フィルターなどには、消臭機能を附帯するものが多く存在する。消臭機能を附帯する衣料品や寝装寝具では特に体臭や汗臭の発散防止に有効であり、消臭機能を附帯するカーテン、カーペット類などでは生活空間に澱む体臭、ペット臭、調理臭、ゴミ臭、トイレ臭、カビ臭、タバコ臭などの生活臭の低減無臭化に有効である。またエアコンや掃除機の不織布フィルターで消臭機能を附帯するものは、バクテリアによる腐敗臭やカビ臭の室内拡散防止に有効である。これらの消臭性繊維製品は、消臭性物質含有繊維糸を編織してなる織物や編物を利用するもの、表面に消臭性物質を固着させた織物や編物を利用するものがあり、具体的に後者は、炭化物微粉末をエマルジョン系バインダーで以て基材シートに付着した消臭シートが例示される。(特許文献1)しかし、炭化物微粉末を用いたシートでは色が黒に限定され室内インテリア用途には不向きであった。
一方、テント構造物用膜材、日除けテント用膜材、トラック幌用防水布、フレキシブルコンテナ用膜材、建築養生シート、建築養生メッシュなどの産業資材シートは、繊維織物を基材として、その全体を軟質塩化ビニル樹脂組成物などの熱可塑性樹脂で被覆したものである。昨今これら産業資材シートにおいても消臭機能を附帯するニーズが切望されているが、しかし、上記のような消臭性繊維または消臭性織編物を基材として産業資材シートに応用しても消臭性基材全体を熱可塑性樹脂で被覆することで消臭効果を封じ込めてしまう。これに対して基材を被覆する熱可塑性樹脂中に消臭性物質を含有させた場合には、産業資材シート表面に露出して空気に接触可能な消臭性物質が僅少のため消臭効果は希薄で、特に屋外用途では十分な消臭効果が得られないものと考えられていた。そこで本出願人は以前に、消臭性物質を含有する合成樹脂中に、補助成分として光触媒粒子を併用する消臭シートを提案した。(特許文献2)本出願人が提案した消臭シートは、シート表面部分に分布している光触媒粒子の光触媒作用により、それに接している合成樹脂バインダーを分解し、それによって合成樹脂層の表面部分を緩やかな速度で浸食崩壊して脱落させることで、新たなる樹脂層表面を現出させ、この新たに現出した樹脂表面部分に消臭作用と光触媒作用を発現させて、常時消臭効果を持続しようとするものである。しかしながらこの消臭シートでは、室内や常時暗所においては消臭効果の持続性が安定して得られないことがあった。
特開2000−060950号公報 特開2010−264137号公報
本発明は、室内や常時暗所に拘らず臭気成分濃度を減少させる減臭効果、及び経時的に人間の感知限界濃度に引き下げる消臭効果を有するシートで、適度な採光性と通気性とを有し、さらには空間仕切に用いた時に、プライバシー効果を有しながら反対側の景観が認知可能である減臭メッシュシートを提供しようとするものである。
上記課題を解決するためには、繊維糸条で構成された粗目織物を含む基布と、この繊維糸条を被覆する熱可塑性樹脂層とで構成された、特定の充実率と単位表面積とを有する可撓性メッシュシートにおいて、熱可塑性樹脂層が特定の臭気分子不活性化粒子を含み、さらに粗目織物を、扁平経糸束及び扁平緯糸束との交絡によるフラット織物とすることによって、室内や常時暗所に拘らず減臭効果、または消臭効果を有しながら、しかもプライバシー効果と反対側の景観の認知性とを兼備することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の減臭メッシュシートは、繊維糸条で構成された粗目織物を含む基布と、前記繊維糸条を被覆する熱可塑性樹脂層とで構成された、充実率65〜95%、かつ表面積1200〜2200mm/inを有するの可撓性メッシュシートであって、前記熱可塑性樹脂層が臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の臭気分子不活性化粒子を含み、さらに前記粗目織物が、マルチフィラメント糸条3本並列による扁平経糸束及び扁平緯糸束との交絡によるフラット織物であることが好ましい。これによって室内や常時暗所に拘らず減臭効果、または消臭効果を有し、しかもプライバシー効果と反対側の景観の認知性とを兼備することを可能とする。
本発明の減臭メッシュシートは、前記臭気分子不活性化粒子が、活性炭、添着活性炭、白竹炭、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シラス、シリカ、シリカ−マグネシア、モレキュラーシーブから選ばれた1種以上の無機多孔性物質であることが好ましい。これによって室内や常時暗所に拘らず減臭効果、または消臭効果を安定持続的に発揮することを可能とする。
本発明の減臭メッシュシートは、前記臭気分子不活性化粒子が、電気石(トルマリン鉱石)、及び金属フタロシアニン錯体、金属フタロシアニン錯体テトラカルボン酸、(これらの錯体形成金属として、銅、鉄、コバルト、マンガン)から選ばれた1種以上の無機酸化・還元性物質であることが好ましい。これによって室内や常時暗所に拘らず減臭効果、または消臭効果を安定持続的に発揮することを可能とする。
本発明の減臭メッシュシートは、前記臭気分子不活性化粒子が、助触媒添加(担持)型光触媒、アニオンドープ型光触媒、カチオンドープ型光触媒、共ドープ型光触媒、金属ハロゲン化物担持型光触媒、酸素欠損型光触媒から選ばれた1種以上の無機分解反応触媒物質であることが好ましい。これによって室内や常時暗所に拘らず減臭効果、または消臭効果を安定持続的に発揮することを可能とする。
本発明の減臭メッシュシートは、前記熱可塑性樹脂層に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、インジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を含んでいることが好ましい。これによって熱可塑性樹脂層には減臭効果や消臭効果に加え、さらに遮熱効果を附帯させることを可能とするので、窓や庇に取り付ける屋内外用の日除けブラインドに適して使用することができる。
本発明の減臭メッシュシートは適度な採光性と通気性とを有し、室内や常時暗所に拘らず減臭効果や消臭効果を発現し、しかもプライバシー効果と反対側の景観の認知性とを兼備するので、本発明のシートを、家屋、店舗、オフィスビル、商業施設、各種公共施設などの居住空間をはじめ、食品工場、化学品工場、畜産施設、水産施設、ゴミ集積所などにおいて、空間仕切用、壁掛け用、敷物用(ペット用品・介護用品)、天蓋用の形態で広く用いることができる。さらに本発明の減臭メッシュシートは任意の裁断サイズで、トイレ、玄関、浴室、下駄箱、押入などの掛け物、敷物などにも使用でき、靴の中敷(下駄箱収納時)にも使用できる。また、本発明の減臭メッシュシートには写真画像・イラストレーション・文字などの装飾効果や広告効果を附帯させることもできる。
本発明に用いる粗目織物の織り組織の一部を拡大して示す図 本発明の減臭メッシュシートの外観の一部を示す図 本発明の減臭メッシュシートの一例の部分的断面を拡大して示す図 本発明の減臭メッシュシートの一例の部分的断面を拡大して示す図
本発明の減臭メッシュシートは、特定の粗目織物を基材として、その全表面上が熱可塑性樹脂で被覆されてなる特定の充実率及び単位表面積を有するフラットメッシュシートであって、粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂には、特定の臭気分子不活性化粒子を含有してなる。
本発明の減臭メッシュシートにおいて、基布である粗目織物に含浸し、かつ粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂としては、軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂、フッ素樹脂、フッ素系共重合体樹脂、シリコン樹脂、シリコン系共重合体樹脂などが使用でき、これらは単独もしくは、2種以上の併用としてもよく、粗目織物を被覆する樹脂層の厚さは0.05〜1.0mm、特に0.1〜0.35mmが好ましい。特に本発明において好ましい熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂(可塑剤、安定剤等を配合した軟質〜半硬質塩化ビニル樹脂を包含する)、オレフィン系共重合体樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、およびポリエステル系共重合体樹脂である。これらの熱可塑性樹脂には、必要に応じて有機顔料、無機顔料、可塑剤、安定剤、充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、接着剤、防炎剤、防黴剤、抗菌剤、帯電防止剤、防曇剤及び消臭剤など公知の添加剤を含むことができる。
本発明の減臭メッシュシートにおいて、上記熱可塑性樹脂中には、臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の臭気分子不活性化粒子を含むことが好ましい。これによって屋内の生活臭(体臭、ペット臭、調理臭、ゴミ臭、カビ臭など)を低減させる機能を付帯する。臭気分子不活性化粒子のうち物理的吸着性を有する無機多孔性物質としては、活性炭、添着活性炭、白竹炭、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シラス、シリカ、シリカ−マグネシア、モレキュラーシーブなどを用いることができるが、特に白竹炭、ゼオライト、シラスが白度が高く好ましい。また化学反応性を有する無機酸化・還元性物質としては、電気石(トルマリン鉱石)、及び金属フタロシアニン錯体、金属フタロシアニン錯体テトラカルボン酸、(これらの錯体形成金属として、銅、鉄、コバルト、マンガンなど)などが使用できる。また無機分解反応触媒物質としては、助触媒添加(担持)型光触媒、アニオンドープ型光触媒、カチオンドープ型光触媒、共ドープ型光触媒、金属ハロゲン化物担持型光触媒、酸素欠損型光触媒などの可視光応答型光触媒粒子を用いることができる。特に可視光応答型光触媒粒子を用いる場合には、屋内の蛍光灯によって光触媒活性が励起されて臭気ガスに対する分解効果を発現する。
熱可塑性樹脂による被覆層(粗目織物への含浸を含む)に含有する臭気分子不活性化粒子の含有量は、熱可塑性樹脂による被覆層の全質量に対して1〜30質量%が好ましい。臭気分子不活性化粒子の含有量が1質量%未満だと、得られるシートの消臭効果が不十分となることがあり、また30質量%を越えると得られるシートの熱可塑性樹脂による被覆層の摩耗強度が脆弱となることがある。本発明において、上記臭気分子不活性化粒子の補助成分として植物性ポリフェノール類、植物性テルペノイドを含んでいてもよい。植物性ポリフェノールは、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど、及びその誘導体、フェノール性酸及びその誘導体などの単一もしくは混合物である。また植物性テルペノイドは、ヒノキチオール、テルピネオール、リナロールなどのテルペンアルコール、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、p−メンタン、α−テルピネン、テルピノーレン、カンフェン、エレメン、ミルセン、カルボンなどのテルペン系環式炭化水素化合物を、熱可塑性樹脂による被覆層(粗目織物への含浸を含む)の全質量に対して1〜5質量%の範囲で併用してもよい。
本発明の減臭メッシュシートにおいて熱可塑性樹脂中には必要に応じて、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、インジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を含んでいることが得られるメッシュシートに対する遮熱性付与の観点で好ましい。これら金属酸化物粒子の含有量は熱可塑性樹脂100質量部(被覆部と含浸部の総和)に対して、0.5〜30質量部、特に1〜15質量部含有することが好ましい。このようにして得られたメッシュシートは、波長300〜2500nmにおける日射反射率(JIS R3106)を60%以上と効果的とする。金属化合物粒子の含有量が0.5質量部未満だと得られるメッシュシートの日射反射率が不十分となることがあり、また含有量が30質量部を越えると得られるメッシュシートの被覆樹脂層を脆くすることがある。
本発明において、粗目織物の表面上を熱可塑性樹脂で被覆(粗目織物への含浸を含む)してなるメッシュシートは、基布とする粗目織物に対して液状の熱可塑性樹脂によるディッピングやコーティングによる含浸被覆によって形成される。液状の熱可塑性樹脂としては、エマルジョン樹脂、デイスパージョン樹脂などの水分散形態、熱可塑性樹脂を有機溶媒中に可溶化した塗料形態、及び塩化ビニル樹脂ペーストゾルなどの使用が好ましい。本発明において、粗目織物の表面上を熱可塑性樹脂で被覆(粗目織物への含浸を含む)してなるメッシュシートは、充実率が65〜95%であり、表面積が1200〜2200mm/inを有し、特に充実率75〜90%、表面積1400〜2000mm/inを有することが好ましい。充実率が95%を越えると得られるメッシュシートの通気性が不十分となり、減臭効果や消臭効果の発現が非効率的となることがあり、また、充実率が65%未満だと得られるメッシュシートの通気性は十分となる反面、メッシュ実体部分の占有率が減少することで減臭効果や消臭効果の発現が不十分となることがある。また充実率が95%を越えると得られるメッシュシートの採光性と室内から屋外の景観認知性が十分なものとなることがあり、また、充実率が65%未満だと得られるメッシュシートの採光性は十分となる反面、メッシュ実体部分の占有率が減少することで屋外から屋内のプライバシー効果が不十分となることがある。また表面積が2200mm/inを越えると得られるメッシュシートの質量が増して取り扱い性が不自由となることがあり、また表面積が1200mm/in未満だと得られるメッシュシートの減臭効果や消臭効果の発現が非効率的となることがある。
本発明において、粗目織物を構成する繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、芳香族ヘテロ環ポリマー繊維などの合成繊維、木綿、麻、ケナフなどの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維などの無機繊維の何れもが使用でき、これらは単独で、或いは2種以上の混用で用いることができるが、特にポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維などの合成繊維が好ましい。
繊維糸条の形態は、マルチフィラメント、短繊維紡績、モノフィラメント、スプリットヤーン、テープヤーンなどいずれであってもよいが、特にマルチフィラメントが好ましい。マルチフィラメント糸条の繊度は、125(139dtex)〜1000(1111dtex)デニール、特に250(278dtex)〜750(833dtex)デニールが好ましい。本発明においてマルチフィラメント糸条は、その断面形状が円形、楕円形、及び扁平(横長に潰れた楕円形)の何れの形状でも使用できるが、扁平糸条が好ましい。このような扁平糸条は、断面形状の高さと幅方向の比が、2:3〜1:5が好ましい。
本発明の基布に使用する粗目織物は、マルチフィラメント糸条3本並列による扁平経糸束と扁平緯糸束との交絡によるフラット織物であり、その充実率は65〜95%、特に75〜90%が、適度な採光性と通気性とを保持し、しかもプライバシー効果を有しながら反対側の景観を認知可能とする観点において好ましい。このような充実率の織物は、例えば125(139dtex)デニールの糸条を3本並列して一束とした扁平束を経糸束群及び緯糸束群として、1インチ間に10〜33本打ち込んだ模紗織物、例えば250(278dtex)デニールの糸条を3本並列して一束とした扁平束を経糸束群及び緯糸束群として、1インチ間に6〜22本打ち込んだ模紗織物により得ることができる。マルチフィラメント糸条の撚数は、無撚を含み、0〜120T/mの範囲が好ましい。このような充実率65〜95%のフラット織物を基布として、その表面に臭気分子不活性化粒子を含む熱可塑性樹脂による被覆層を設けることで、熱可塑性樹脂被覆層の表面積を増し、それによってメッシュシートを通気する外気と接触する臭気分子不活性化粒子数を増大させることができるようになる。(糸条断面が円形である通常の平織物との対比)
充実率は粗目織物の任意の面積領域に占める糸条実体部の総和面積率であり、糸条実体部分の面積の総和は、任意の面積領域から目開き部分の見掛面積を差し引いた値で求められる。具体的には1インチ平方の面積領域のデジタル画像をコンピューターに取り込んで、糸条実体部と目開き部分の面積を計算する方法が挙げられる。また糸条の幅と、糸条の配置密度の設計から理論値として計算した値であってもよい。充実率が95%を越えると得られるメッシュシートの通気性が不十分となり、減臭効果や消臭効果の発現が非効率的となることがあり、また、充実率が65%未満だと得られるメッシュシートの通気性は十分となる反面、メッシュ実体部分の占有率が減少することで減臭効果や消臭効果の発現が不十分となることがある。また充実率が95%を越えると得られるメッシュシートの採光性と室内から屋外の景観認知性が十分なものとなることがあり、また、充実率が65%未満だと得られるメッシュシートの採光性は十分となる反面、メッシュ実体部分の占有率が減少することで屋外から屋内のプライバシー効果が不十分となることがある。
本発明において粗目織物は、マルチフィラメント糸条(円形〜楕円断面)を経糸束群及び緯糸束群として製織した模紗織物、またはマルチフィラメント扁平糸条(扁平断面)を経糸束群及び緯糸束群として製織した模紗織物、または経糸束群及び緯糸束群の一方の群をマルチフィラメント糸条(円形〜楕円断面)の束、もう一方の群をマルチフィラメント扁平糸条(扁平断面)の束として製織した模紗織物、経糸束群及び緯糸束群においてマルチフィラメント糸条(円形〜楕円断面)の束とマルチフィラメント扁平糸条(扁平断面)の束を任意の交互配列として製織した模紗織物などが挙げられる。これらの粗目織物には、必要に応じて撥水処理、吸水防止処理、接着処理、難燃処理などの薬剤処理を施したものを用いてもよい。
本発明に好ましい模紗織物は、マルチフィラメント糸条3本並列による経糸束、及び緯糸束との交絡によってなるフラット織物であり、さらにマルチフィラメント糸条個々は無撚糸(0T/m)であることが糸条の扁平性の観点において好ましい。また糸撚りを掛けて糸条の強度を増す場合は、1〜120T/mの撚り数が好ましく、より適正な撚り数は30〜80T/mの範囲である。撚数が120T/mを越えると、糸条の扁平性が損なわれることで得られる粗目織物のフラット性も損なわれることがある。
本発明の減臭メッシュシートは、家屋、店舗、オフィスビル、商業施設、各種公共施設などの居住空間をはじめ、食品工場、化学品工場、畜産施設、水産施設、ゴミ集積所などにおいて、空間仕切用、壁掛け用、敷物用、天蓋用などの多様な形態で広く用いることができる。例えば本発明の減臭メッシュシートのサイズは、幅(緯糸方向)が100cm〜200m、長さ方向(経糸方向)100cm〜5000cmの範囲の任意サイズで用いることができ、使用領域幅が200cmを超える場合は、複数のシートを繋ぎ合わせて用いるか、それらを平行に並べて用いればよい。このような仕様は、食品工場、化学品工場、畜産施設、水産施設、ゴミ集積所などの天井部付近に天井と平行に設置するか、あるいは床面方向に弛ませた状態で設置すること、または壁に沿って天井から吊り下げる設置、さらには間仕切として衝立設置をすることができる。また、家屋、店舗、オフィスビル、商業施設、各種公共施設などの居住空間においては、間仕切として設置してプライバシー効果や目隠し効果を目的とする衝立使用ができる。また、本発明の減臭メッシュシートは幅(緯糸方向)が100cm以下、長さ方向(経糸方向)100cm以下のサイズで用いることもでき、例えば、トイレ壁掛けタペストリー、玄関・浴室の足拭用敷物、下駄箱や押入れの敷物、ペット用ケージの敷物、介護ベッド用敷物などの形態で使用でき、特にA4サイズ以下での使用例としては靴の中敷(下駄箱収納時)が挙げられる。本発明の減臭メッシュシートは任意の着色が可能であり、公知の印刷技術の応用により、メッシュシート片面または両面に写真画像・イラストレーション・文字などをプリントして、装飾効果や広告効果を附帯させることもできる。
本発明の減臭メッシュシート(2)について、図1〜4により説明する。図1は本発明に用いる粗目織物(1)の織り組織の一部を拡大して示す図である。粗目織物(1)はマルチフィラメント糸条(1−1−1)3本並列による扁平経糸束(1−1−a)、及びマルチフィラメント糸条(1−2−1)3本並列による扁平緯糸束(1−2−a)との交絡によってなるフラットな模紗織物である。図2は本発明の減臭メッシュシート(2)の外観の一部を示す図であり、粗目織物(1)を基材として、その表面上が熱可塑性樹脂(3)で被覆されてなる可撓性メッシュシートであり、熱可塑性樹脂(3)には臭気分子不活性化粒子(3−1)を含有する。図3は本発明の減臭メッシュシートの一例の部分的断面を拡大して示す図であり、部分的断面は減臭メッシュシート(2)の経糸、すなわち熱可塑性樹脂(3)で被覆された扁平経糸束(1−1−a)の断面(2−1−a)、または減臭メッシュシート(2)の緯糸、すなわち熱可塑性樹脂(3)で被覆された扁平緯糸束(1−2−a)の断面(2−2−a)である。図4は本発明の減臭メッシュシートの一例の部分的断面を拡大して示す図であり、部分的断面は減臭メッシュシート(2)の経糸、すなわち熱可塑性樹脂(3)で被覆された円形〜楕円形経糸束(1−1−b)の断面(2−1−b)、または減臭メッシュシート(2)の緯糸、すなわち熱可塑性樹脂(3)で被覆された円形〜楕円形緯糸束(1−2−b)の断面(2−2−b)である。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記実施例及び比較例において、試験シートの採光性、減臭性・消臭性は下記の試験方法により測定し、評価した。
1)採光性(透光率)
採光性の評価は0〜10000ルクス(Lx)の範囲の照度の計測が可能な市販の照度計(例えばTOPCON(株)製IM−3型)を用いて、測定に使用する白色ランプ以外の光源の影響を受けない環境設定された測定ボックスを用いて、試験シート片を照度計と白色ランプとの間に介在させた場合と介在させない場合との照度をJIS L1055に準拠して測定し、式(1)より透光率を求めそれを採光性の尺度とした。
〈透光率の測定条件〉
白色ランプ(日立製作所(株)製EFG17EX:100V:17W)から照度計までの距離を30cmに設定し、変圧器により光量を2000Lxに設定した。(試験シートを介在しない場合の照度は2000Lxである。)白色ランプから20cmの位置に試験シートをランプ光源方向に対し垂直に設置し、試験シート300cmを透過する照度を測定し百分率で表した。
2)減臭性・消臭性
a)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L注入し、0.5時間後
および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
b)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したメチルメルカプタンガスを3L注入し、
0.5時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
c)容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10cm×10cmサイズの試験シ
ートを入れ、濃度10ppmに調整したホルムアルデヒドガスを3L注入し、0.5
時間後および1時間後のガス濃度を検知管で測定した。
[実施例1]
1)ポリエステルのマルチフィラメント糸条250d(278dtex)の3本模紗からなる扁平経糸束(278dtex/3)及び扁平緯糸束(278dtex/3)によるフラット織物(質量135g/m)を用いた。
278dtex/3 × 278dtex/3
13 × 13(本/25.4mm)
2)次に粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記配合1の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルを調整した。
<配合1;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化チタン(金属酸化物粒子:粒径1μm) 5質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 15質量部
3)配合1の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なゾルを除いた後180℃でゲル化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は320g/m、メッシュシートの充実率は92.5%、表面積は1348mm/inであった。
[実施例2]
1)ポリエステルのマルチフィラメント糸条500d(555dtex)の3本模紗からなる扁平経糸束(555dtex/3)及び扁平緯糸束(555dtex/3)によるフラット織物(質量165g/m)を用いた。
555dtex/3 × 555dtex/3
8 × 8(本/25.4mm)
2)次に粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記配合2の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルを調整した。
<配合2;軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
炭酸カルシウム(充填材) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化チタン(金属酸化物粒子:粒径1μm) 5質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
3)配合2の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ゾルの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なゾルを除いた後180℃でゲル化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は345g/m、メッシュシートの充実率は91.4%、表面積は1269mm/inであった。
[実施例3]
1)実施例1で用いた粗目織物を用い、粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記配合3のポリウレタン樹脂組成物を調整した。
<配合3;ポリウレタン樹脂組成>
ポリウレタン樹脂(固形分40質量%のエマルジョン) 100質量部
ブロックイソシアネート(硬化剤) 3質量部
ポリリン酸アンモニウム(難燃剤) 10質量部
メラミンシアヌレート(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化ジルコニウム(金属酸化物粒子:粒径0.7μm) 8質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 10質量部
鉄電気石:NaFeAl(BO)Si18(OH)(臭気分子不活性化粒子)
5質量部
2)配合3のポリウレタン樹脂エマルジョンの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なエマルジョン液を除いた後160℃で乾燥・硬化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は266g/m、メッシュシートの充実率は91.3%、表面積は1333mm/inであった。
[実施例4]
1)実施例2で用いた粗目織物を用い、粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記組成のポリウレタン樹脂組成物を調整した。
<配合4;ポリウレタン樹脂組成>
ポリウレタン樹脂(固形分40質量%のエマルジョン) 100質量部
ブロックイソシアネート(硬化剤) 3質量部
ポリリン酸アンモニウム(難燃剤) 10質量部
メラミンシアヌレート(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化スズ(金属酸化物粒子:粒径0.6μm) 8質量部
可視光応答型光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
2)配合4のポリウレタン樹脂エマルジョンの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なエマルジョン液を除いた後160℃で乾燥・硬化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は288g/m、メッシュシートの充実率は90.6%、表面積は1243mm/inであった。
[実施例5]
1)実施例1で用いた粗目織物を用い、粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記配合5のアクリル樹脂組成物を調整した。
<配合5;アクリル樹脂組成>
アクリル樹脂(固形分40質量%のエマルジョン) 100質量部
ポリリン酸アンモニウム(難燃剤) 10質量部
メラミンシアヌレート(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化インジウム(金属酸化物粒子:粒径0.6μm) 8質量部
白竹炭(臭気分子不活性化粒子) 15質量部
2)配合5のアクリル樹脂エマルジョンの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なエマルジョン液を除いた後160℃で乾燥・硬化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は248g/m、メッシュの充実率は91.2%、表面積は1316mm/inであった。
[実施例6]
1)実施例2で用いた粗目織物を用い、粗目織物を被覆する熱可塑性樹脂として下記配合6のアクリル樹脂組成物を調整した。
<配合6;アクリル樹脂組成>
アクリル樹脂(固形分40質量%のエマルジョン) 100質量部
ポリリン酸アンモニウム(難燃剤) 10質量部
メラミンシアヌレート(難燃剤) 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
酸化チタン(金属酸化物粒子:粒径1μm) 8質量部
可視光応答型光触媒粒子(臭気分子不活性化粒子) 3質量部
2)配合6のアクリル樹脂エマルジョンの液浴中に粗目織物を浸漬し、マングルロールで圧搾して余分なエマルジョン液を除いた後160℃で乾燥・硬化処理して熱可塑性樹脂被覆層を形成しフラットメッシュシートを得た。この被覆層の付着量は270g/m、メッシュの充実率は90.3%、表面積は1234mm/inであった。
実施例1〜6のフラットメッシュシートは、充実率65〜95%、及び表面積1200〜2200mm/inを満たすことによって適度な採光性を有することで、屋内からは屋外の景観が認知可能でありながら、屋外からは屋内の様子が容易に認知できないというプライバシー効果を有し、しかも減臭・消臭効果に優れるものであった。特に臭気分子不活性化粒子として可視光応答型光触媒を用いた実施例4及び6は屋内使用が可能であり、蛍光灯照明の存在を必須として減臭・消臭効果を発揮した。
[比較例1]
実施例1のシートのフラット織物を、マルチフィラメント糸条250d(278dtex)単糸からなる粗目織物(質量135g/m)に変更した以外は実施例1と同様とした。 (1インチ当たりに含む糸条本数は実施例1のフラット織物と同一である。)
278dtex × 278dtex
39 × 39(本/25.4mm)
得られた比較例1のシートは、糸幅の大きい扁平経糸束(278dtex/3)及び扁平緯糸束(278dtex/3)を有さないため、打ち込み糸条がばらけて嵩高となり、メッシュシートの充実率(97.5%)が実施例1のメッシュシートの充実率(92.5%)よりも大きいことで採光性が悪く、通気性も劣るものであるため、メッシュシートの表面積が2002mm/inと大きいにもかかわらず減臭・消臭効果に劣り、しかも屋外からの屋内プライバシー保護効果は有するものの、屋内から屋外の景観が認知し難いものであった。
[比較例2]
実施例2のシートのフラット織物を、マルチフィラメント糸条500d(555dtex)単糸からなる粗目織物(質量165g/m)に変更した以外は実施例2と同様とした。(1インチ当たりに含む糸条本数は実施例2のフラット織物と同一である。)
555dtex × 555dtex
24 × 24(本/25.4mm)
得られた比較例2のシートは、糸幅の大きい扁平経糸束(555dtex/3)及び扁平緯糸束(555dtex/3)を有さないため、打ち込み糸条がばらけて嵩高となり、メッシュシートの充実率(96.7%)が実施例2のメッシュシートの充実率(91.4%)よりも大きいことで採光性が悪く、通気性も劣るものであるため、メッシュシートの表面積が1760mm/inと大きいにもかかわらず減臭・消臭効果に劣り、しかも屋外からの屋内プライバシー保護効果は有するものの、屋内から屋外の景観が認知し難いものであった。
[比較例3]
実施例1のシートのフラット織物を、下記打ち込み本数に変更した以外は実施例1と同様とした。
278dtex/3 × 278dtex/3
6 × 6(本/25.4mm)
得られた比較例3のシートは、打ち込み糸条(扁平束)が少ないため、メッシュシートの充実率(42.7%)が実施例1のメッシュシートの充実率(92.5%)よりも小さいことで採光性が高く、通気性も良いものであったが、メッシュシートの表面積が1053mm/inと小さいために減臭・消臭効果に劣り、しかも屋内から屋外の景観が認知し易い代わりに、屋外からの屋内プライバシー保護効果は有さないものであった。
[比較例4]
実施例2のシートのフラット織物を、下記打ち込み本数に変更した以外は実施例2と同様とした。
555dtex/3 × 555dtex/3
4 × 4(本/25.4mm)
得られた比較例4のシートは、打ち込み糸条(扁平束)が少ないため、メッシュシートの充実率(44.6%)が実施例2のメッシュシートの充実率(91.4%)よりも小さいことで採光性が高く、通気性も良いものであったが、メッシュシートの表面積が1136mm/inと小さいために減臭・消臭効果に劣り、しかも屋内から屋外の景観が認知し易い代わりに、屋外からの屋内プライバシー保護効果は有さないものであった。
[比較例5]
実施例1のシートのフラット織物を、下記打ち込み本数に変更した以外は実施例1と同様とした。
278dtex/3 × 278dtex/3
16 × 16(本/25.4mm)
得られた比較例5のシートは、打ち込み糸条(扁平束)が多いため、メッシュシートの充実率(99.8%)が実施例1のメッシュシートの充実率(92.5%)よりも大きいことで採光性が低く、通気性も悪いもので、メッシュシートの表面積が1340mm/inを有していたが減臭・消臭効果に劣り、しかも屋外からの屋内プライバシー保護効果は有するものの、屋内から屋外の景観も認知し難いものであった。
[比較例6]
実施例2のシートのフラット織物を、下記打ち込み本数に変更した以外は実施例2と同様とした。
555dtex/3 × 555dtex/3
10.5 × 10.5(本/25.4mm)
得られた比較例6のシートは、打ち込み糸条(扁平束)が多いため、メッシュシートの充実率(99.9%)が実施例2のメッシュシートの充実率(91.4%)よりも大きいことで採光性が低く、通気性も悪いもので、メッシュシートの表面積が1350mm/inを有していたが減臭・消臭効果に劣り、しかも屋外からの屋内プライバシー保護効果は有するものの、屋内から屋外の景観も認知し難いものであった。
本発明により得られる減臭メッシュシートは、適度な採光性と通気性とを有し、室内や常時暗所に拘らず減臭効果や消臭効果を発現し、しかもプライバシー効果と反対側の景観の認知性とを兼備するので、本発明のシートを、家屋、店舗、オフィスビル、商業施設、各種公共施設などの居住空間をはじめ、食品工場、化学品工場、畜産施設、水産施設、ゴミ集積所などにおいて、空間仕切用、壁掛け用、敷物用(ペット用品・介護用品)、天蓋用の形態で広く用いることができる。さらに本発明の減臭メッシュシートは任意の裁断サイズで、トイレ、玄関、浴室、下駄箱、押入などの掛け物、敷物などにも使用でき、靴の中敷(下駄箱収納時)にも使用できる。また、本発明の減臭メッシュシートには写真画像・イラストレーション・文字などの装飾効果や広告効果を附帯させることもできる。
1:粗目織物
1−1−1:経マルチフィラメント糸条
1−1−a:扁平経糸束
1−1−b:円形〜楕円形経糸束
1−2−1:緯マルチフィラメント糸条
1−2−a:扁平緯糸束
1−2−b:円形〜楕円形緯糸束
2:減臭メッシュシート
2−1−a:熱可塑性樹脂(3)で被覆された扁平経糸束(1−1−a)の断面
2−2−a:熱可塑性樹脂(3)で被覆された扁平緯糸束(1−2−a)の断面
2−1−b:熱可塑性樹脂(3)で被覆された円形〜楕円形経糸束(1−1−b)の断面
2−2−b:熱可塑性樹脂(3)で被覆された円形〜楕円形緯糸束(1−2−b)の断面
3:熱可塑性樹脂(被覆)
3−1:臭気分子不活性化粒子
3−2:金属酸化物粒子

Claims (5)

  1. 繊維糸条で構成された粗目織物を含む基布と、前記繊維糸条を被覆する熱可塑性樹脂層とで構成された、充実率65〜95%、かつ表面積1200〜2200mm/inを有する可撓性メッシュシートであって、前記熱可塑性樹脂層が臭気分子に対して、物理的吸着性を有する無機多孔性物質、化学反応性を有する無機酸化・還元性物質、及び無機分解反応触媒物質から選ばれた1種以上の臭気分子不活性化粒子を含み、さらに前記粗目織物が、マルチフィラメント糸条3本並列による扁平経糸束及び扁平緯糸束との交絡によるフラット織物であることを特徴とする減臭メッシュシート。
  2. 前記臭気分子不活性化粒子が、活性炭、添着活性炭、白竹炭、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シラス、シリカ、シリカ−マグネシア、モレキュラーシーブから選ばれた1種以上の無機多孔性物質である請求項1に記載の減臭メッシュシート。
  3. 前記臭気分子不活性化粒子が、電気石(トルマリン鉱石)、及び金属フタロシアニン錯体、金属フタロシアニン錯体テトラカルボン酸、(これらの錯体形成金属として、銅、鉄、コバルト、マンガン)から選ばれた1種以上の無機酸化・還元性物質である請求項1に記載の減臭メッシュシート。
  4. 前記臭気分子不活性化粒子が、助触媒添加(担持)型光触媒、アニオンドープ型光触媒、カチオンドープ型光触媒、共ドープ型光触媒、金属ハロゲン化物担持型光触媒、酸素欠損型光触媒から選ばれた1種以上の無機分解反応触媒物質である請求項1に記載の減臭メッシュシート。
  5. 前記熱可塑性樹脂層に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、インジウムドープ酸化スズ、及びアンチモンドープ酸化スズから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を含んでいる請求項1〜4の何れか1項に記載の減臭メッシュシート。
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