JP3713122B2 - 消臭性繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消臭性繊維製品に関し、更に詳しくは、タバコ、汗や建材などから発する臭気成分や有害成分などを速やかに分解除去し、無臭化でき、その効能の持続性が高く快適性に優れた消臭性繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭、オフィス、病院などの生活環境において様々な悪臭に対する関心が高くなっている。これら臭気成分や有害成分には、数多くの化合物、例えば、アンモニア、アミン類(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)などの窒素含有化合物、硫化水素、メチルメルカプタンなどの硫黄含有化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸などの低級脂肪酸類などが含まれる。このように、生活環境には、低級脂肪酸などの酸性臭気成分、窒素含有化合物などの塩基性臭気成分、硫黄含有化合物、アルデヒド類などの中性臭気成分などの種々の臭気成分が存在する。しかし、種類の異なる複数の成分を有効に除去することは困難である。
【0003】
これらの物質を除去するため、種々の消臭性繊維、例えば、吸着剤を繊維に担持させた消臭性繊維が提案されている。しかし、このような消臭性繊維では、吸着剤の吸着容量に限界があるので、臭気成分の吸着量が飽和吸着容量に達すると、消臭できなくなる。特開昭62―6985号公報、特開昭62―6986号公報には、金属フタロシアニンを担持した消臭性繊維により、触媒的に悪臭成分を分解することが開示されている。しかし、金属フタロシアニンの触媒活性が小さいため、消臭効果は十分ではない。
【0004】
また、特開昭63―295711号公報には、消臭性成分としてリン酸ジルコニウム粒子を繊維中に練り込んだ消臭性繊維が提案され、特開平2―91209号公報には、酸化亜鉛と二酸化ケイ素とで構成されたアモルファス構造のケイ酸亜鉛粒子を繊維中に練り込んだ消臭性繊維が提案され、特開平2―80611号公報には、TiとZnの水和酸化物系の白色微粉末を繊維中に練り込んだ消臭性繊維が提案されている。さらに、特表平5―504091号公報や特開平6―47276号公報には、四価金属の水不溶性リン酸塩、二価金属の水酸化物を含有する吸着性組成物を繊維中に複合または配合した消臭性繊維が提案されている。しかし、これらの消臭性繊維は、酸性臭気成分、塩基性臭気成分及び中性臭気成分のすべての臭気成分に対して優れた消臭性能を示すものではない。
【0005】
これらに対して、種々の臭気成分を効率的かつ長期的に亘り除去できる消臭性繊維が特開平8―284011号公報に提案されている。これに依れば吸着剤と酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒機能を有する光触媒、特に特定のリン酸塩及び水酸化物からなる吸着剤と酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒機能を有する光触媒とを併用した消臭性組成物を繊維に含有させることが開示されている。しかしながら吸着剤のみならず光触媒機能を有する光触媒とを併用することにより、吸着剤のみを用いる場合に比べ、確かに種々の臭気成分を効率的かつ長期的に亘って除去できることにはなるが、所詮吸着剤を使用するかぎり、その効率及び持続性には限界があり、未だ消臭性能は不充分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、種々の臭気成分を、従来の消臭性繊維及び消臭性繊維製品に比べて、効率的かつ長期間に亘って除去できる消臭性繊維製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光触媒作用を有する無機質粒子の効能を最大限に発揮させるべく、粒子の特性と、粒子を含有する繊維の表面状態とを組み合わせることによって、上記課題が解決されることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明によれば、以下の消臭性繊維製品が提供される。
(1) 光触媒作用を有する無機質粒子を含有するポリエステル系繊維で構成された消臭性繊維製品において、該ポリエステル系繊維は、下記要件(a)及び(b)を満足する無機質粒子を0.5〜10重量%含有する芯鞘複合繊維であって、無機質粒子が芯成分よりも高濃度となるよう鞘成分に含有されており、且つ放電加工処理されていることを特徴とする消臭性繊維製品
(a)無機質粒子が酸化物半導体で構成されていること。
(b)その平均粒子径が0.01μm以下であること。
【0009】
(2) 酸化物半導体が酸化チタンである上記(1)記載の消臭性繊維製品。
【0010】
(3) ポリエステル系繊維が芯鞘複合繊維であって、無機質粒子が鞘成分に含有されている上記(1)又は(2)記載の消臭性繊維製品。
【0011】
(4) 鞘成分に含有されている無機質粒子がテレフタル酸と、直鎖炭素数が4以上のグリコールとで構成されるポリエステル系重合体に分散混合されている上記(3)記載の消臭性繊維製品。
【0012】
(5) 芯鞘成分が、ポリエチレンテレフタレート系重合体を主要成分とする上記(3)又は(4)記載の消臭性繊維製品。
【0013】
(6) 消臭性繊維製品が不織布である上記(1)〜(5)記載のいずれかである消臭性繊維製品。
【0014】
(7) 放電加工がコロナ放電加工である上記(1)〜(6)記載のいずれかである消臭性繊維製品。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の消臭性繊維製品は、光触媒作用を有する無機質粒子を含有するポリエステル系繊維で構成されていることが必要である。ここで、繊維製品の形態は、消臭性ポリエステル系繊維で構成されていれば、その形態は問わないが、織布、編布、不織布などの布帛、パイル織物、パイル編物などのパイル布帛、布帛・パイル布帛などから形成された衣類やその他の身体着用品、インテリア部品類、寝具類、食品用包材などを挙げることができるが、特に不織布及び不織布から形成された2次加工製品が好ましい。
【0016】
本発明の消臭性繊維製品を構成するポリエステル系繊維は、光触媒作用を有する無機質粒子を含有することが必要である。本発明でいう「光触媒作用を有する無機質粒子(以下光触媒粒子と略する)」とは、紫外線などの光線の照射により活性酸素が生成され、多くの有害物、悪臭物を酸化分解し、光酸化触媒として機能するものをいう。そのため、光触媒粒子は酸化性光触媒の範疇に属する場合が多い。このような光触媒粒子を用いると、単なる吸着作用ではなく、触媒的な分解を利用して消臭できるため、消臭又は脱臭効果が長期間に亘り持続する。さらに、光触媒粒子は、有害物、悪臭物を分解するだけでなく、殺菌作用なども有している。
【0017】
一般に光触媒としては、有機または無機を問わず、種々の光半導体が使用できるが、無機光半導体である場合が多い。
【0018】
本発明においては、光触媒作用を有する無機質粒子(光触媒粒子)が特定の平均粒子径を有する酸化物半導体で構成されていることが必要である。酸化物半導体としては、TiO2 、ZnO、WO3 、CdO、In2 3 、Ag2 O、MnO2 、Cu2 O、Fe2 3 、V2 5 、SnO2 などが挙げられ、これらの内、特にTiO2 (酸化チタン)が好ましい。無機質粒子を構成する光半導体の結晶構造は特に制限されない。例えば、TiO2 では、アナターゼ型、ブルカイト型、ルチル型、アモルファス型などのいすれであってもよい。好ましいTiO2 には、アナターゼ型酸化チタンが含まれる。
【0019】
本発明の光触媒作用を有する無機質粒子の最大の特徴は、その平均粒子径が0.01μm以下の極めて微細な平均粒径を有することである。一般に光触媒機能を有する無機半導体は、ゾル、ゲル状のみならず粉粒状でも使用されるが、その際平均粒径は0.01μmを越えるものが殆んどである。その原因は、該粒子径よりも小さい無機半導体をマトリックスに含有させる際、粒子同志の凝集が発生して実質的に、粒径の大きいものを使用するのと大差がないからである。本発明においては、この0.01μm以下の微細な平均粒径を有する無機質粒子を、繊維に均一に含有させることにより光触媒作用を有する、即ち、臭気成分や有害成分を触媒的に酸化分解できる活性点を繊維に沢山存在させることができ、後述の繊維表面への放電加工処理との相乗効果でその効能の高さと持続性を維持できるのである。
【0020】
本発明においては、上記特性を有する光触媒粒子をポリエステル系繊維に0.5〜10重量%含有させることが必要である。
【0021】
ここで、光触媒粒子を繊維に含有させるための手段としては、光触媒粒子を繊維横断面内に混合分散させる方法及び接着用樹脂などの結合剤を用いて繊維の表面に脱落しないように付着させる方法が含まれる。繊維表面に光触媒粒子を付着させる方法としては、光触媒粒子と必要に応じて結合剤を含む分散液に繊維を含浸する方法、前記分散液を繊維に噴霧、コーティングする方法などの慣用の手法が採用できる。結合剤としては、例えば、溶媒可溶性ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、エチレン―酢酸ビニル共重合体、ポリ塩かビニルなどのビニル系ポリマー、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂;セルロース系樹脂;エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂を使用してもよい。
【0022】
上記繊維表面に、光触媒粒子を付着させる方法よりも、繊維横断面内に光触媒粒子を混合、分散させる方法の方が光触媒粒子が繊維中に強固に保持されて、繊維から容易に脱落せず、消臭作用を長期に亘って安定して発揮させるので、さらに好ましい。この際、光触媒粒子とポリエステル系重合体とを含む組成物(紡糸原料)を溶融紡糸することによって、光触媒粒子を含有する繊維を製造できる。いずれの方法においても、ポリエステル系繊維に光触媒粒子が0.5〜10重量%含有させることが必要であり、0.5重量%未満では、消臭作用の効率のみならず、持続性も不充分であり、また10重量%を越えても消臭作用の効率、その持続性が飽和して増量効果がないばかりでなく紡糸調子(曵糸性)及び繊維物性を低下させるので好ましくない。
【0023】
本発明において、好ましく用いられる、光触媒粒子を繊維横断面に混合分散させることにより得られる消臭性繊維は、例えば光触媒粒子を繊維全体に均一に含有する繊維であってもよく、光触媒粒子の濃度が高い相と、この高濃度相に比べて前記成分濃度が相対的に低い相とで構成された複合構造を有する複合繊維であってもよい。この複合繊維は、▲1▼繊維断面の中央部と表面部とで光触媒粒子含有量(分布)が異なる複合構造(例えば、芯鞘型(sheath and core )複合繊維の芯又は鞘の一方が光触媒粒子を含有するか、または芯と鞘とで光触媒粒子の含有量が異なる鞘芯型構造)、▲2▼光触媒粒子が繊維中に海島状に分布する複合構造(例えば、海島型(sea/iland 又はmatrix)複合繊維の海又は島の一方が光触媒粒子を含有するか、または海と島とで光触媒粒子の含有量が異なる海島型構造)、▲3▼光触媒粒子がサイドバイサイド状に繊維中に分布する複合構造(例えば、サイドバイサイド型(sideby side )複合繊維の一方が光触媒粒子を含有するか、または一方の相と他方の相とで光触媒粒子の含有量が異なるサイドバイサイド型構造)、▲4▼キドニー型(kidney)構造の複合繊維、▲5▼繊維断面において光触媒粒子をランダムに含有する複合構造などを有していてもよい。なお、サイドバイサイド型(side by side)複合繊維において、光触媒粒子濃度の高い相と、この高濃度相に比べて前記成分濃度が相対的に低い相は、必要に応じて光触媒粒子を含んでいてもよい樹脂相を介して、並列に又は周方向などの適当な方向に互いに隣接していてもよい。サイドバイサイド型複合繊維は、複数の高濃度相及び/又は低濃度相で構成してもよい。好ましい複合繊維には、芯鞘型構造、海島型構造およびサイドバイサイド型構造、特に芯鞘型構造で鞘成分に光触媒粒子が含有されている構造が選ばれる。
【0024】
本発明において、平均粒径0.01μm以下の無機質超微粒子を、繊維に含有させる際、超微粒子の凝集が発生しないようにマスタバッチ方式(マトリックスの主要成分と、相溶性パラメーターが近似するマスター成分に無機質粒子を添加し、このマスターバッチをマトリックスの主要成分に添加する方式)を採用することが好ましい。
【0025】
具体的には、無機質粒子を芯鞘構造繊維の鞘成分に含有させる際、無機質粒子を、テレフタル酸と直鎖炭素数が4以上のグリコールとで構成されるポリエステル系重合体に分散・混合されたマッターバッチを、ポリエステル系の鞘成分に添加するのである。この際、芯鞘構造繊維の芯成分及び鞘成分を構成する主要成分は、ポリエチレンテレフタレート系重合体であることが好ましいが芯鞘構造繊維のポリエステル系成分の合計が50重量%以上であれば、鞘成分及びマスターバッチの成分として、例えば繊維形成性ポリオレフィン重合体、ポリアミド重合体を使用してもよい。
【0026】
又芯鞘複合構造において、低濃度相(芯鞘型複合繊維では芯部)と高濃度相(芯鞘型複合繊維では鞘部)の割合は、例えば、低濃度相(芯部)/高濃度相(鞘部)=50/50〜95/5(重量比)、好ましくは70/30〜80/20(重量比)程度である。
【0027】
更に本発明の消臭性繊維の断面形状は、何ら制限されず、例えば、丸型断面の他、異型断面(例えば、中空状、偏平状、楕円状、多角形状(3〜6角形など)、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン状(I字状)など)であってもよい。消臭性能を高めるためには、比表面積の大きな異形断面繊維が有利である。さらに、消臭性繊維は、前記複合構造と断面形状とを組み合わせた繊維、例えば、芯鞘型構造又はサイドバイサイド型構造を有する中空繊維などであってもよい。
【0028】
本発明を構成する複合構造を有するポリエステル系消臭性繊維において、繊維全体に対する光触媒粒子が少量であっても、繊維の表層部の光触媒粒子により臭気成分を効率よく除去するためには、光触媒粒子を含む相は繊維表面に露呈しているのが有利である。例えば、芯鞘構造を有する消臭性繊維では、芯部よりも鞘部における光触媒粒子の濃度を高くすると(特に鞘部に光触媒粒子を含有させると)、繊維の表層部の光触媒粒子により臭気成分を効率より除去できる。また、サイドバイサイド構造を有する消臭性繊維では、繊維表面に露出する適当な相における光触媒粒子の濃度を高くしてもよい。本発明においては、このような複合繊維構造に加えて、該複合繊維の表面に放電加工処理を行い、表面層近傍に存在する光触媒粒子を繊維表面に露出させることが重要である。
【0029】
この放電加工処理法としては、前記の構成からなる芯鞘型複合繊維を高電圧電極に接触させて高電圧を印加する通電法、放電形状の異なるコロナ放電、花火放電、グロー放電、アーク放電等の高電圧放電処理法により処理することができるが特にコロナ放電加工が好ましい。印加電圧としては1kVを越える高電圧であって、100kVまでの範囲のものが使用でき、好ましくは2〜50kVの範囲のものが好適に例示される。電極の極性はプラスでもマイナスでも(直流)、または交流であっても良い。電極間の距離は0〜10cmの範囲のものが使用でき、放電形態と処理速度は、目標とする表面処理の程度により任意に決めることができる。
【0030】
また、このような放電処理は糸の状態でも、織編物等の布帛、不織布の状態でも行うことができる。さらに糸の場合、延伸糸に施しても未延伸糸に施しても良い。かかる放電処理によって、繊維表面上の光触媒粒子の存在密度が増大し、臭気成分や有害成分を触媒的に酸化分解できる効率が高まるのである。
【0031】
本発明の繊維製品における繊維の太さは特に制限されず、用途に応じて広い範囲から選択でき、例えば、0.1〜50μm、好ましくは、0.5〜30μm、さらに好ましくは、1〜20μm程度である。また、繊維の長さ方向の形態も制限されず、長さ方向にほぼ同じ直径を有する繊維であってもよく、太細を有するシックアンドシン繊維であってもよく、それ以外の繊維であってもよい。さらに、繊維は短繊維又は長繊維のいずれであってもよく、紡績糸、マルチフィラメント糸、短繊維と長繊維との複合糸などであってもよい。さらに、本発明の繊維製品における繊維には、用途や繊維の種類に応じて、仮撚加工、インターレース加工、タスラン加工、捲縮加工、マーセル化処理、防縮加工、防皺加工、親水加工、防水加工、防染加工など任意の加工を施してもよい。本発明の繊維製品における繊維には、光触媒粒子以外に、繊維の種類に応じて、繊維に用いられている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、抗菌剤、防虫・防ダニ剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、蓄熱剤などを含有してもよい。
【0032】
光触媒粒子を含む繊維、糸、布帛などを用いて形成されている本発明の繊維製品の代表例として、肌着、下着、セーター、ジャケット、パシャマ、浴衣、白衣、スラックス、靴下、手袋、ストッキング、エプロン、マスク、タオル、ハンカチ、サポーター、ヘッドバンド、帽子、靴のインソール、芯地などの衣類や身体着用品;各種カーペット、カーテン、壁紙、障子紙、襖、繊維製ブラインドスラット、人工観葉植物、椅子などの布張用生地、テーブルクロス、電気製品カバー、畳、布団の中詰材(詰め綿など)、布団の側地、シーツ、毛布、布団カバー、枕、枕カバー、ベッドカバー、ベッドの中詰材、マット、衛生材料、便座カバー、ワイピングクロス、空気清浄機やエアーコンディショナーのフィルターなどを挙げることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の繊維製品は、光線(例えば、太陽光や蛍光灯、紫外線ランプなど)の照射下、アンモニア、アミン類などの塩基性臭気成分、酢酸などの酸性臭気成分、硫化水素などの硫黄含有化合物、ホルマリン、アセトアルデヒドなどの中性臭気成分などの多くの臭気成分を速やかに、しかも長期に亘り分解し、無臭化することができる。そのため多数の臭気成分を含むたばこ臭などであっても、効率よく除去でき、室内や車内の消臭に有効である。また、家具や新建材などから発生するホルマリン、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類の消臭に対しても有効である。
【0034】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の臭気成分の除去試験及び抗菌試験は以下の方法により測定した。
【0035】
<臭気成分の除去試験、抗菌試験>
繊維製品を用いて、アンモニア(NH3 )、トリメチルアミン(TMA)、酢酸(CH3 COOH)の除去試験と、抗菌試験とを行った。
【0036】
臭気成分の除去試験は、それぞれのガラス容器に、0.14%濃度のアンモニア水溶液60ml、0.15%濃度のトリメチルアミン水溶液、0.1%濃度の酢酸水溶液を入れ、試薬(アンモニア水溶液、トリメチルアミン水溶液はフェノールフタレイン、酢酸水溶液はブロムモールブルー)で試料液を着色後、その中に繊維製品1個を入れて密封し、窓際において日光を8時間照射し、550nm(酢酸の場合は400nm)における吸光度を測定すると共に、それに基いて臭気成分の除去率を産出した。
【0037】
抗菌試験は、試販培地0.1重量%を含む水(自然落下菌を含む)40mlに繊維製品を1個入れて密封し、室内自然光下に静置した。菌の繁殖は、2日後の透明度を600nmの透過率を測定することにより判定した。
【0038】
[実施例1〜7、比較例1〜3]
極限粘度が0.88のポリブチレンテレフタレート重合体に粒子径の異なる光触媒粒子(石原産業株式会社製 光触媒酸化チタンST―01)を温度260℃で5分間エクストルーダーで混練しつつ押し出し、マスターバッチ用ペレットを調整した。このペレットを極限粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートと混合し、鞘部用の樹脂組成物として調整した。該鞘部用の樹脂組成物と芯部用の極限粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートポリマーとを常法により複合紡糸する際、紡糸温度290℃、吐出量290g/分、引き取り速度1150m/分で紡糸した。
【0039】
得られた未延伸糸を70℃の温水中で3.2倍に延伸した後、145℃で約20分間熱処理し、次いで51mmの長さに切断して、単繊維繊度約3deの芯鞘型複合構造ステープルファイバーを得た。
【0040】
該ステープルファイバーを使用して常法に従い、ローラーカード方式で以下の不織布を得た。
厚さ 1.9mm
密度 0.52g/cm3
次いで該不織布の表面に、電極間の距離2cm、印加電圧38kVの条件でコロナ放電処理を行い処理後不織布の消臭・抗菌試験を行った。この際、ステープルファイバーに含有させる光触媒粒子の特性及び含有量に伴う性能変化を表1に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0003713122
【0042】
<評価基準>
*1)紡糸調子
◎ 紡糸断糸皆無
○ 紡糸断糸若干
× 紡糸断糸散発
*2)臭気成分の除去率
◎ 除去率90%以上
○ 除去率90〜70%
△ 除去率70〜60%
× 除去率60%未満
*3)菌の発育抑制率
◎ 抑制率90%以上
○ 抑制率90〜50%
△ 抑制率50〜26%
× 抑制率26%未満
表中の×印は、本発明の範囲外を示す。
【0043】
[比較例4〜5]
実施例1及び4において、コロナ放電処理前の不織布の消臭・抗菌試験を行い、その結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
Figure 0003713122

Claims (6)

  1. 光触媒作用を有する無機質粒子を含有するポリエステル系繊維で構成された消臭性繊維製品において、該ポリエステル系繊維は、下記要件(a)及び(b)を満足する無機質粒子を0.5〜10重量%含有する芯鞘複合繊維であって、無機質粒子が芯成分よりも高濃度となるよう鞘成分に含有されており、且つ放電加工処理されていることを特徴とする消臭性繊維製品
    (a)無機質粒子が酸化物半導体で構成されていること。
    (b)その平均粒子径が0.01μm以下であること。
  2. 酸化物半導体が酸化チタンである請求項1記載の消臭性繊維製品。
  3. 鞘成分に含有されている無機質粒子がテレフタル酸と、直鎖炭素数が4以上のグリコールとで構成されるポリエステル系重合体に分散混合されている請求項1記載の消臭性繊維製品。
  4. 芯鞘成分が、ポリエチレンテレフタレート系重合体を主要成分とする請求項1記載の消臭性繊維製品。
  5. 消臭性繊維製品が不織布である請求項1〜4記載のいずれかである消臭性繊維製品。
  6. 放電加工がコロナ放電加工である請求項1〜5記載のいずれかである消臭性繊維製品。
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