JP6539889B2 - 消臭性吸音織物 - Google Patents
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Description
〈減臭性・消臭性〉
容積5LのTedlar(登録商標)バッグに10ppmのアンモニアガス3L封入し、1
0cm×10cmサイズの試験シートをバッグ内に入れ、30分後のアンモニアガ
ス濃度を測定、次にアンモニアガス試験後シートを10ppmのイソ吉草酸ガス3L
封入バッグ内に移動させて30分後のイソ吉草酸濃度を測定、次にイソ吉草酸ガス
試験後シートを10ppmの硫化水素ガス3L封入バッグ内に移動させて30分後の
硫化水素濃度を測定、最後に硫化水素ガス試験後シートを10ppmのトルエンガス
3L封入バッグ内に移動させて30分後のトルエン濃度を測定し、同一試験シート
で連続して4種のガスに対する消臭試験を行った。
〈臭気吸着性能の回復効果〉
2−1)10cm×10cmサイズの試験シートを容積5LのTedlar(登録商標)
バッグに入れ、試験シートの表裏面ともバッグ内壁に触れないようバッグ内に固定
し、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ内環境に60分
間晒し、10分毎にアンモニアガス濃度を検知管で測定し1回目の減臭曲線を描い
た。取出した試験シートを新たなTedlar (登録商標)バッグに入れ、1回目の試験
同様濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ内環境に120
分間晒し、10分、30分、60分、120分毎にアンモニアガス濃度を検知管で
測定し2回目の減臭曲線を描いた。同様に3回目の試験を繰り返し3回目の減臭曲
線を描いた。
2−2)3回目の試験を終えた試験シートを5Lの水道水を入れたバット内に浸漬
した状態で20℃×60分間静置し水洗処理した。次に取出した試験シートを80
℃設定のギアーオーブン(電気ヒーター)内に吊るして30分間の熱風加熱処理を
行った。この水洗〜加熱処理を行った試験シートを、再度容積5LのTedlar(登録
商標)バッグに入れ、試験シートの表裏面ともバッグ内壁に触れないようバッグ内
に固定し、濃度10ppmに調整したアンモニアガスを3L封入したバッグ内環境に
120分間晒し、10分、30分、60分、120分毎にアンモニアガス濃度を検
知管で測定し4回目(再生処理後)の減臭曲線を描き、1〜3回目の減臭曲線と比
較した。
2−3)上記1)試験と同じ要領で、連続で4種のガスに対しての減臭試験を行い
、回復の処理を施した後(2−2処理後)の減臭曲線と、初回の減臭曲線との比較
を行った。
〈吸音率〉
織物面側を音響の入射面として、JIS A1405(垂直入射法)によるNoise Reduction Coefficient(NRC値)を250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hzの各吸音率の算術平均値を求めた。
〈通気度〉
JIS L1096 8.27.1 A法に定めるフラジール形法により求めた。
1)樹脂コーティング糸条(A)−1
無アルカリガラスのマルチフィラメント糸条(フィラメント径9μm、400本フィラメント:75番手:687dtex)の扁平糸を芯糸とし、下記配合1の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物を芯糸の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂コーティング層(合成ゼオライト及び二酸化珪素の含有量14.2質量%)を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が3:5の扁平楕円断面を有し、ピンク色に着色した樹脂コーティング糸条(A)−1を得た。
〔配合1〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物(樹脂コーティング糸条(A)−1用)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 15質量部
二酸化珪素(メソポーラスシリカ:平均粒子径1μm) 15質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
層状無機化合物(モンモリロナイト:平均粒子径8μm) 10質量部
モリブデン酸カルシウム亜鉛(モリブデン化合物粒子) 5質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 2質量部
キナクリドンレッド(赤顔料) 1質量部
2)樹脂コーティング糸条(B)−1
無アルカリガラスのマルチフィラメント糸条(フィラメント径9μm、400本フィラメント:75番手:687dtex)の扁平糸を芯糸とし、下記配合2の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物を芯糸の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂コーティング層(合成ゼオライト及び酸化亜鉛の含有量14.2質量%)を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が3:5の扁平楕円断面を有し、ライトブルー色に着色した樹脂コーティング糸条(B)−1を得た。
〔配合2〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物(樹脂コーティング糸条(B)−1用)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 20質量部
酸化亜鉛(金属酸化物:平均粒子径1μm) 10質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
層状無機化合物(モンモリロナイト:平均粒子径8μm) 10質量部
モリブデン酸カルシウム亜鉛(モリブデン化合物粒子) 5質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 2質量部
フタロシアニンブルー(青顔料) 1質量部
3)織物1
経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−1を2本、樹脂コーティング糸条(B)−1を2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物で、経糸群は1インチ間28本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は14本)の織密度、また緯糸群は1インチ間30本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は15本)の織密度とする織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−1との本数比率は1:1(占有体積比1:1)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量860g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物1〕を得た。
〈織物(2)〉
実施例1の配合2に用いた酸化亜鉛(金属酸化物:平均粒子径1μm)10質量部を酸化アルミニウム(金属酸化物:平均粒子径1μm)10質量部に置き換え(配合3)、樹脂コーティング糸条(B)−1の配合の一部を変更した樹脂コーティング糸条(B)−2とした以外は実施例1と同様にして、実施例1と同規格の〔織物2〕(空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量860g/m2)を得た。
〈織物(3)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が42本/インチ、緯糸群として樹脂コーティング糸条(B)−1の打ち込み密度が36本/インチである二重織物を、上層織物組織を右上がりの2/1の斜文織、下層織物組織を左上がりの2/1の斜文織、上層織物と下層織物とを5本跨ぎの結線で結接して製織して得た織物は、樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−1との本数比率は7:6(占有体積比7:6)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率1.2%、通気度16cc/cm2/秒、質量1160g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物3〕を得た。
〈織物(4)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−2の打ち込み密度が20本/インチである上層三軸織物と、経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−2の打ち込み密度が20本/インチである下層三軸織物とを、下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−2に結接し、また下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−2が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1に結接して製織した得た三軸二重織物は、樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−2との本数比率は7:10(占有体積比7:9)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、三軸二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、共有空隙率0.5%、通気度6cc/cm2/秒、質量2020g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物4〕を得た。
〈樹脂コーティング糸条(B−3)〉
樹脂コーティング糸条(B)−1の芯糸を、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(アラミド繊維:フィラメント径12μm、843dtex)の扁平糸に変更し、配合2の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂被覆層を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が2:5の扁平楕円断面を有して樹脂コーティング糸条(B)−3を得た。
〈織物(5)〉
経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−1を2本、樹脂コーティング糸条(B)−3を2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物で、経糸群は1インチ間28本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は14本)の織密度、また緯糸群は1インチ間30本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は15本)の織密度とする織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−3との本数比率は1:1(占有体積比4:5)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量780g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物5〕を得た。
〈織物(6)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が42本/インチ、緯糸群として樹脂コーティング糸条(B)−3の打ち込み密度が36本/インチである二重織物を、上層織物組織を右上がりの2/1の斜文織、下層織物組織を左上がりの2/1の斜文織、上層織物と下層織物とを5本跨ぎの結線で結接して製織して得た織物は、樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−3との本数比率は7:6(占有体積比7:8)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率1.2%、通気度16cc/cm2/秒、質量1050g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物6〕を得た。
〈樹脂コーティング糸条(B−4)〉
樹脂コーティング糸条(B)−1の芯糸を、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(アラミド繊維:フィラメント径12μm、843dtex)の扁平糸に変更し、配合3の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂被覆層を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が2:5の扁平楕円断面を有して樹脂コーティング糸条(B)−4を得た。
〈織物(7)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−4の打ち込み密度が20本/インチである上層三軸織物と、経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−4の打ち込み密度が20本/インチである下層三軸織物とを、下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−4に結接し、また下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−4が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1に結接して製織した得た三軸二重織物は、樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−4との本数比率は7:10(占有体積比7:9)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、三軸二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、共有空隙率0.5%、通気度6cc/cm2/秒、質量1820g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物7〕を得た。
〈樹脂コーティング糸条(A−2)〉
樹脂コーティング糸条(A)−1の芯糸を、炭素繊維(フィラメント径10μm、660dtex)の扁平糸に変更し、配合1の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂被覆層を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が2:5の扁平楕円断面を有する樹脂コーティング糸条(A)−2を得た。
〈樹脂コーティング糸条(B−5)〉
樹脂コーティング糸条(B)−1の芯糸を、炭素繊維(フィラメント径10μm、660dtex)の扁平糸に変更し、配合2の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物をマルチフィラメント糸条の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂被覆層を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が2:5の扁平楕円断面を有する樹脂コーティング糸条(B)−5を得た。
〈織物(8)〉
経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−2を2本、樹脂コーティング糸条(B)−5を2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物で、経糸群は1インチ間28本(うち樹脂コーティング糸条(A)−2の本数は14本)の織密度、また緯糸群は1インチ間30本(うち樹脂コーティング糸条(A)−2の本数は15本)の織密度とする織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−2と樹脂コーティング糸条(B)−5との本数比率は1:1(占有体積比1:1)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2.5%、通気度55cc/cm2/秒、質量760g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物8〕を得た。
〈織物(9)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−2の打ち込み密度が42本/インチ、緯糸群として樹脂コーティング糸条(B)−3の打ち込み密度が36本/インチである二重織物を、上層織物組織を右上がりの2/1の斜文織、下層織物組織を左上がりの2/1の斜文織、上層織物と下層織物とを5本跨ぎの結線で結接して製織して得た織物は、樹脂コーティング糸条(A)−2と樹脂コーティング糸条(B)−3との本数比率は7:6(占有体積比7:6)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率1.4%、通気度18cc/cm2/秒、質量1110g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物9〕を得た。
〈織物(10)〉
経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−5の打ち込み密度が20本/インチである上層三軸織物と、経糸群として樹脂コーティング糸条(A)−1の打ち込み密度が28本/インチ、左斜上・右斜上バイアス糸群として樹脂コーティング糸条(B)−5の打ち込み密度が20本/インチである下層三軸織物とを、下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−5に結接し、また下層三軸織物の樹脂コーティング糸条(B)−5が5本跨ぎの結線で上層三軸織物の樹脂コーティング糸条(A)−1に結接して製織した得た三軸二重織物は、樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−5との本数比率は7:10(占有体積比7:9)であった。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、三軸二重織物の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、共有空隙率0.8%、通気度8cc/cm2/秒、質量1920g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の〔織物10〕を得た。
実施例1と同様、経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−1を2本、樹脂コーティング糸条(B)−1を2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物において、織密度を減らし、経糸群は1インチ間20本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は10本)の織密度、また緯糸群は1インチ間22本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は11本)の織密度とする目空き織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−1との本数比率は1:1(占有体積比1:1)である。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率26%、通気度425cc/cm2/秒、質量540g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物11〕を得た。織物11の消臭効果は実施例1〜10の織物1〜10と遜色の無いものであったが、通気度が425cc/cm2/秒と100cc/cm2/秒を大きく上回ることで織物11では吸音効果が得られないものであった。
実施例1と同様、経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−1を2本・2本・2本・2本、樹脂コーティング糸条(B)−1を2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物において、経糸群は1インチ間28本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は22.4本/インチ)の織密度、また緯糸群は1インチ間30本(うち樹脂コーティング糸条(A)−1の本数は24本/インチ)の織密度とする織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−1との本数比率は4:1(占有体積比4:1)である。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量860g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物12〕を得た。織物12の吸音効果は実施例1の織物1と遜色の無いものであったが、樹脂コーティング糸条(A)−1の使用を樹脂コーティング糸条(B)−1の4倍としたことで、経時的に、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールなどの酸性悪臭に対する減臭効果が失効し、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性悪臭に対する減臭効果のみが有効持続するような生活悪臭軽減に対してバランスの悪いものとなった。
実施例1と同様、経糸条群及び緯糸条群ともに〔樹脂コーティング糸条(A)−1を2本、樹脂コーティング糸条(B)−1を2本・2本・2本・2本〕nを繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物による単層織物において、経糸群は1インチ間28本(うち樹脂コーティング糸条(B)−1の本数は22.4本/インチ)の織密度、また緯糸群は1インチ間30本(うち樹脂コーティング糸条(B)−1の本数は24本/インチ)の織密度とする織物を得た。樹脂コーティング糸条(A)−1と樹脂コーティング糸条(B)−1との本数比率は1:4(占有体積比1:4)である。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量860g/m2、外観がピンクとライトブルーの混在の2/2ななこ織柄の〔織物13〕を得た。織物13の吸音効果は実施例1の織物1と遜色の無いものであったが、樹脂コーティング糸条(B)−1の使用を樹脂コーティング糸条(A)−1の4倍としたことで、経時的に、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性悪臭に対する減臭効果が失効し、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールなどの酸性悪臭に対する減臭効果のみが有効持続するような生活悪臭軽減に対してバランスの悪いものとなった。
実施例1の織物1において、樹脂コーティング糸条(A)及び樹脂コーティング糸条(B)を変更し、樹脂コーティング糸条(C)に統合した以外は実施例1と同様とし、経糸条群及び緯糸条群ともに、樹脂コーティング糸条(C)〔2本・2本〕を繰り返し単位とする2/2ななこ(バスケット)織物を得た。次にこの織物を200℃で2分間熱処理を施し、化学発泡剤の熱分解ガス生成による発泡気泡痕(12体積%)を形成すると同時に、バスケット織の織り交点を熱癒着して接着して織り組織が固定された、空隙率2%、通気度45cc/cm2/秒、質量860g/m2、外観が白色の2/2ななこ織柄の〔織物14〕を得た。織物14は、同じ樹脂コーティングの中に二酸化珪素粒子と金属酸化物(酸化亜鉛または酸化アルミニウム)が混在することによって、アンモニアのような塩基性悪臭を先に吸着すると、次にイソ吉草酸のような酸性悪臭の吸着能を阻害することで、実施例1と同等の減臭効果が得られず、同様にイソ吉草酸のような酸性悪臭を先に吸着すると、次にアンモニアのような塩基性悪臭の吸着能を阻害することで、実施例1と同等の減臭効果を得ることができないなど、生活臭全般に対する減臭効果や消臭効果が不十分なものであった。
樹脂コーティング糸条(C)
無アルカリガラスのマルチフィラメント糸条(フィラメント径9μm、400本フィラメント:75番手:687dtex)の扁平糸を芯糸とし、下記配合4の軟質塩化ビニル系樹脂によるペーストゾル組成物の液浴中にディッピングして軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物を芯糸の全周に被覆した後、180℃でゲル化処理して樹脂コーティング層(合成ゼオライト及び二酸化珪素の含有量14.2質量%)を形成して、糸条断面における高さ:幅の比が3:5の扁平楕円断面を有し、白色に着色した樹脂コーティング糸条(C)を得た。
〔配合4〕軟質塩化ビニル樹脂ペーストゾル組成物(樹脂コーティング糸条(C)用)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 70質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
二酸化珪素(メソポーラスシリカ:平均粒子径1μm) 10質量部
合成ゼオライト(平均粒子径5μm) 10質量部
酸化亜鉛(金属酸化物:平均粒子径1μm) 10質量部
アゾジカルボアミド(化学発泡剤) 4質量部
ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) 0.3質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
層状無機化合物(モンモリロナイト:平均粒子径8μm) 10質量部
モリブデン酸カルシウム亜鉛(モリブデン化合物粒子) 5質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 3質量部
1−1:樹脂コーティング糸条(A)
1−2:樹脂コーティング糸条(B)
Claims (8)
- 樹脂コーティング糸条(A)及び樹脂コーティング糸条(B)を2:1〜1:2の本数比率の織編要素に含む通気度(JIS L1096:フラジール法)5〜100cc/cm2/秒のシート状織物であって、前記樹脂コーティング糸条(A)の樹脂コーティングが二酸化珪素及びゼオライトの質量比を2:1〜1:5とする混合粒子を5〜30質量%含み、かつ、前記樹脂コーティング糸条(B)の樹脂コーティングが金属酸化物及びゼオライトの質量比を2:1〜1:5とする混合粒子を5〜30質量%含むことを特徴とする消臭性吸音織物。
- 前記金属酸化物が、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、及び酸化銅から選ばれた1種以上である請求項1に記載の消臭性吸音織物。
- 前記樹脂コーティング糸条(A)、及び樹脂コーティング糸条(B)の少なくとも一方の樹脂コーティングが、気泡痕を1〜25体積%含む請求項1または2に記載の消臭性吸音織物。
- 前記樹脂コーティング糸条(A)、及び前記樹脂コーティング糸条(B)の少なくとも一方が扁平楕円断面を有し、その扁平楕円断面における高さ:幅の比が3:4〜1:4である請求項1〜3の何れか1項に記載の消臭性吸音織物。
- 前記織編要素が、1)経糸条群及び緯糸条群、または2)経糸条群及び左斜上・右斜上バイアス糸条群で、かつ前記シート状織物が単層織物、二重織物、及び三重織物、から選ばれた何れか1種である請求項1〜4の何れか1項に記載の消臭性吸音織物。
- 前記樹脂コーティング糸条(A)、及び樹脂コーティング糸条(B)の少なくとも一方の樹脂コーティングが、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを25〜80質量部を主体に含む軟質塩化ビニル樹脂組成物で構成される請求項1〜5の何れか1項に記載の消臭性吸音織物。
- 前記樹脂コーティングが、さらにスメクタイト系粘土鉱物、合成スメクタイト、セリサイト、フッ素雲母、及び膨張黒鉛から選ばれた1種以上の層状無機化合物、及び/またはモリブデン化合物粒子を含む請求項6に記載の消臭性吸音織物。
- 前記製織交点が熱融着している請求項1〜7の何れか1項に記載の消臭性吸音織物。
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