JP2008255507A - 消臭布帛 - Google Patents

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保太郎 瀬戸
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Abstract

【課題】住宅や自動車の室内、電車、旅客機等の室内空気の悪臭成分、特にアルデヒド類や1−ノネン等のガスの消臭に効果のある椅子張り地、カーテンまたはカ−ペット等のインテリア用の繊維布帛を提供することを目的とする。

【解決手段】多孔質物質から選択された1種以上の化合物と、金属酸化物から選択された1種以上の化合物と、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物からなる消臭組成物をバインダー樹脂を介して付着させることによって、特にアセトアルデヒドや1−ノネン等の微量なガスを効率よく吸着除去することができる消臭布帛を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、室内における空気中の、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスや、硫化水素、メルカプタン類等の硫黄系ガス、酢酸等の酸性ガスの悪臭を効率よく吸着除去することができるとともに、タバコ臭に多いアセトアルデヒド等の中性ガスや1−ノネン、ベンゼン、トルエン等の揮発性有機化合物の悪臭を効率よく吸着除去することができる消臭布帛に関するものである。
近年建設される住宅は、断熱性、気密性が著しく向上しており、高性能の省エネ住宅も誕生している。しかしながら、気密性が高い故に、室内にいやな臭いや、ハウスダストといわれる塵が室内にこもりやすく、これらがアレルギ−を引き起こす原因となったりして、現代人にとって生活臭の問題は大きな関心事となってきている。また、住宅に限らず、自動車の室内や、電車、旅客機等の室内空間の様々ないやな臭いに対する消臭の要求も大きくなってきている。
このような、生活臭の原因になる成分としては、例えばアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、ホルムアルデヒド、等が挙げられるが、中でもタバコ臭(アセトアルデヒト、ニコチン)が代表的な悪臭として挙げられている。また、1−ノネン等のガスが微量残っていると、タバコ臭の一部成分が消臭されないで異質な臭いとして残ってしまうことから、これらの従来消臭しにくいといわれてきた微量のガスも消臭できるものが求められてきている。
特許文献1においては、アジピン酸ジヒドラジド化合物がアルデヒド類を吸着する吸着剤としたカ−ペットが提案されている。特許文献2においては、繊維表面にチタンとケイ素を含む複合酸化物と、アルデヒド消臭組成物としてヒドラジド系化合物または窒素含有複素環化合物を含むものが、樹脂により付着させた繊維構造物が開示されている。また、出願人は特許文献3、特許文献4において、ヒドラジン誘導体から選択された1種以上の化合物と、多孔質物質から選択された1種以上の化合物と、金属酸化物から選択された1種以上の化合物とからなる消臭組成物が、バインダー樹脂によって繊維層に担持した消臭布帛を開示している。これらの技術は、ヒドラジン等の消臭組成物を繊維等に浸漬、噴霧、印刷等の方法で塗布して担持させたり、バッキング層に混入するものであって、ある程度のアルデヒド類の消臭効果を発揮するものではあるが、さらに従来以上に生活臭の消臭に効果があり、従来消臭しにくいといわれてきたノネンガスのような微量のガスまで取り除くことができるものが望まれている。
特開平11−46965号公報 特開2003−336170号公報 特開2005−198684号公報 特願2005−146111号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、住宅や自動車の室内、電車、旅客機等の室内空気の悪臭成分、特にアルデヒド類や1−ノネン等のガスの消臭に効果のある椅子張り地、車両用天井材、カーテンまたはカ−ペット等のインテリア用の繊維布帛を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、以下の手段を講ずることにより前記目的を達成した。
[1]ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物と、金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物と、多孔質物質とからなる消臭組成物をバインダー樹脂を介して繊維に固着したことに特徴のある消臭布帛。
[2]前記消臭組成物を構成する前記各成分の粒径が10nm〜100μmで、2〜50g/m(乾燥重量)バインダー樹脂を介して繊維に固着したことに特徴のある前項1に記載の消臭布帛。
[3]前記金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物が、銅、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン及びジルコニウムから選択された少なくとも1種類の化合物であることに特徴のある前項1または2に記載の消臭布帛。
[4]前記多孔質物質が、多孔質シリカ、ゼオライトおよび活性炭から選択された少なくとも1種類であることに特徴のある前項1〜3のいずれか1項に記載の消臭布帛。
[5]前記多孔質物質が、人工ゼオライトでMFI型ゼオライトであることに特徴のある前項1〜4のいずれか1項に記載の消臭布帛。
[6]前記消臭布帛が椅子張り地、車両用天井材、カーテンまたはカ−ペットであることに特徴のある前項1〜5のいずれか1項に記載の消臭布帛。
[1]の発明によれば、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物と、金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物と、多孔質物質とからなる消臭組成物をバインダー樹脂を介して付着しているので、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスや、硫化水素、メルカプタン類等の硫黄系ガス、酢酸等の酸性ガスの悪臭を効率よく吸着除去することができるとともに、アセトアルデヒド等の中性ガスの悪臭を効率よく効果的に消臭する消臭布帛とすることができる。
[2]の発明によれば、前記消臭組成物を構成する前記各成分の粒径が10nm〜100μmで、2〜50g/m(乾燥重量)バインダー樹脂を介して繊維に固着しているので、ざらつき感がなく、洗濯にも十分耐えられ、持続して消臭効果のある消臭布帛とすることができる。
[3]の発明によれば、前記金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物が、銅、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン及びジルコニウムから選択された少なくとも1種類の化合物であるので、持続して消臭効果のある消臭布帛とすることができる。
[4]の発明によれば、前記多孔質物質が、多孔質シリカ、ゼオライトおよび活性炭から選択された少なくとも1種類の化合物であるであるので、たばこ臭のような複雑な臭いを低減することのできる消臭布帛とすることができる。
[5]の発明によれば、前記多孔質物質が、人工ゼオライトでMFI型ゼオライトであるので、アルデヒド類や1−ノネン等のガスの消臭を効率よくすることができる。
[6]の発明によれば、前記消臭布帛が椅子張り地、車両用天井材、カーテンまたはカ−ペットであるので、住宅や自動車の室内、電車、旅客機等の室内空気の悪臭成分、特にアルデヒド類や1−ノネン等のガスの消臭に効果のある消臭布帛とすることができる。
次に、この発明に係る消臭布帛の一実施形態について説明する。この実施形態の布帛は、特に限定されず、織物、編物のカーテン、椅子張り地や、不織布、タフテッドカーペット、モケットのような立毛布帛等を挙げられる。中でも、室内空気が自然な対流のうちに出来るだけ多くの消臭組成物と接する方が消臭効率は良く、通気性があり、厚みの有る布帛が好適である。布帛を形成する繊維についても特に限定されず、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。
本発明において、消臭組成物を構成する多孔質物質は、多孔質故に表面積が大きく、悪臭の吸着能力の優れたものとなる。例えばこのような多孔質物質としては、多孔質シリカ、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、麦飯石等が挙げられる。中でも、酢酸やアンモニアガス等に対して優れた吸着能を有するゼオライトを用いるのが好ましい。また、ゼオライトは、白色であり繊維に担持させた場合に活性炭よりも布帛の色彩に影響が少ないので良好である。ゼオライトは、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して三次元的に結合した骨格構造をしている。この骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開き、水や有機分子など様々な分子を骨格中に取り込むことから、吸着剤として非常に有用なものである。ゼオライトには、種々のものが存在し、中でも人工ゼオライトのMFI型ゼオライトは、結晶構造に由来する2種類の細孔が三次元的につながっていることから、吸着剤として非常に効果のあるものとして認められている。本発明では、MFI型ゼオライトを、吸着剤として使用するもので、アルデヒド類や1−ノネン等の微量な中性ガスの吸着に優れた効果を発揮する。
本発明において、消臭組成物を構成する金属酸化物としては、例えば酸化銅、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。
また、本発明において、消臭組成物を構成するポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物としては、例えば多孔質二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム等にポリアミン化合物を担持したものが挙げられる。ポリアミン化合物は、分子内に第一級アミノ基を一個以上有している化合物であれば脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミンのいずれも使用でき、例えばジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。ポリアミン化合物を担持する方法としては、例えばポリアミン化合物の水溶液を作成し、この水溶液中に多孔質二酸化ケイ素を浸漬し、これを加熱焼成することによってポリアミン化合物を担持した二酸化ケイ素化合物を得ることが出来る。ポリアミン化合物は、アルデヒトガスの消臭に有効で、多孔質物質や金属酸化物を併用することにより、消臭布帛と接する様々な悪臭を効果的に消臭することができる。多孔質物質と金属酸化物とポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物の配合比率は特に限定しないが、酸化チタン等金属酸化物の配合量が増えると、金属酸化物の繊維布帛に結合する確率が増え、繊維布帛を劣化させる原因となる。また、ゼオライト等の多孔質物質の配合量が増えると、布帛が白化して好ましくない。バインダー樹脂配合量が増えると、多孔質物質や金属酸化物の表面をバインダー樹脂が表面を覆ってしまうようになり、消臭性能が低下することから、多孔質物質と金属酸化物とポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物とバインダー樹脂の四者の配合バランスが大切である。多孔質物質と金属酸化物とポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物の配合比率としては、5:0.5:4.5〜6.5:1.5:2がよい。
消臭組成物としては、平均粒径が10nm〜100μmである多孔質物質と金属酸化物とポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物からなる消臭組成物が好ましい。平均粒径が10nm〜100μmであるので、布帛に担持したとき、ざらつき感を受けることなく、風合も良好な消臭布帛を得ることができる。中でも、平均粒径は10nm〜10μmにするのが好ましく、特に好ましくは10nm〜5μm以下である。
前記消臭組成物の塗布量は2〜50g/m(乾燥重量)とするのが好ましい。2g/m未満では十分な除去性能が得られなくなるので好ましくない。また、50g/mを超えても大きな消臭性能の向上はなく、徒にコストを増大することになり好ましくない。
前記消臭組成物の塗布方法は、まず前記消臭組成物とバインダ−樹脂を水に分散させた水分散液からなる処理液を調合する。この時、これらの消臭組成物、バインダ−樹脂を可能な限り分散させることが好ましく、バインダ−樹脂については、水との間でエマルジョン状態を形成することがより好ましい。また、調合の際予め先に消臭組成物を水に分散させておいてから、バインダ−樹脂を分散するのが、消臭組成物とバインダ−樹脂をより均一に分散させるのに好ましい。
前記バインダ−樹脂は、どのような樹脂でも使用することができる。例えば、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレ−ト共重合体樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してバインダ−樹脂としてもよい。
本発明において、消臭組成物として、ヒドラジン誘導体を加えることによりさらに優れた消臭性能を発揮する消臭布帛とすることができる。例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。このようなヒドラジン誘導体を用いることによりアルデヒド類に対して化学反応を起こし優れた吸着作用を発揮し悪臭除去性能を確保することができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられる。なお、このようなヒドラジン誘導体の水に対する溶解度は25℃において5g/L以下であるのが望ましい。水に対する溶解度がこの範囲内であれば、洗濯等によって水と接触することがあっても、ヒドラジン誘導体がこの水に溶解して流出してしまうことが防止される。
また、前記消臭組成物には、分散剤や、増粘剤などの各種添加剤を、各種特性向上のため配合してもよい。こうして得られる消臭組成物を椅子張り地、車両用天井材、カ−ペットやカーテン等の布帛に塗布させる。この塗布する手段としては、特に限定されるものではないが、例えばスプレ−法、浸漬法、コ−ティング法、パディング法等が挙げられる。塗布する時期は、例えばカ−ペットの場合、パイル糸、基布、バッキング層それぞれ単体の状態でもよいし、基布にパイル糸を殖設した表皮層の形態で処理液を塗布してもよいし、接着層を介して表皮層とバッキング層と接着一体化した形態で塗布してもよい。また、消臭組成物を目止め層の処理液に混入し、スプレ−やロ−ラ−コ−ティングで塗布して消臭機能のある目止め層としてもよい。また、カーテンの場合は、縫製したあとスプレ−法等で塗布しても良いし、生地の状態で浸漬法、コ−ティング法、パディング法等で塗付し乾燥してもよい。
上記のように、処理液を付与した後に乾燥させるが、乾燥手段としては、加熱処理する方法が乾燥効率から好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、消臭組成物の固着性をより高め、悪臭除去性能の持続耐久性を一層向上させることができる。
一般に布帛には、消臭性能以外に、難燃、防虫、防汚等の各種機能性を付与すべく加工が施されることが多く、その加工を加えることにより、消臭布帛表面のPH値が酸性側に振れたり、塩基性に振れたりして消臭効果の低下を招くことがある。消臭布帛表面のPH値が酸性側に振れた場合は、酸性ガスの悪臭除去率の低下がみられ、消臭布帛表面のPH値が塩基性に振れた場合は、塩基性ガスの悪臭除去率の低下となってしまう。本発明においては、消臭加工を施す前の布帛表面のPH値を6〜8に保つことが大切で、各種機能性を付与する加工によって布帛表面のPH値が酸性側に振れたり、塩基性に振れた場合には、中和処理したほうがよく、布帛表面のPH値を6〜8に調整した後で消臭加工を施すことにより、酸性ガスや塩基性ガスに効果的に作用し、消臭効率のよい消臭布帛とすることができる。室内における空気中の悪臭ガスには様々のものがあるが、代表的塩基性悪臭としてはアンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスを挙げられる。また、酸性悪臭としては硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸等の酸性ガスの悪臭ガスを挙げることができる。本発明において布帛表面のPH値を6〜8に保つことにより塩基性ガス酸性ガスともに吸着されやすくなる。また、中性悪臭としては、アルデヒド類や1−ノネンのようなガスを挙げることができるが、アルデヒド類は、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物によって吸着され、1−ノネンガス等はMFI型ゼオライト等の多孔質物質に吸着され消臭される。
<実施例1>
次に、この発明の一例として、リン酸グアニジンによって難燃処理を施したポリエステル製のカーテン生地(目付435g/mPH5)を、リン酸ナトリウム水溶液で中和処理し乾燥した難燃性カーテン生地(PH7)を用意した。次ぎに、平均粒径10nmの酸化亜鉛0.5質量部と、平均粒径5μmのMFI型ゼオライト3.0質量部と、ジエチレントリアミンを担持した平均粒径10μmの二酸化ケイ素2.0質量部を84.5質量部の水に加えた後、攪拌機により攪拌を行ない、分散液を得た。この分散液にさらに10質量部のアクリルシリコン系バインダー樹脂(固形分25%)を加え、良く攪拌して均一な処理液を得た。次に、この処理液中に、前記難燃性カーテン生地(PH7)を浸漬し、マングルで絞った後、130℃、15分間乾燥させ、難燃性カーテン生地を得た。酸化亜鉛のカーテン生地への付着量は、0.5g/m、MFI型ゼオライトのカーテン生地への付着量は3.0g/m、ジエチレントリアミンを担持した二酸化ケイ素のカーテン生地への付着量は2.0g/mであった。こうして得られた難燃性消臭カーテン生地について、下記の各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<実施例2>
実施例1において、平均粒径10nmの酸化亜鉛1.0質量部と、平均粒径10μmのMFI型ゼオライト4.0質量部と、平均粒径10μmのジエチレントリアミンを担持した二酸化ケイ素2.0質量部を83質量部の水に加えた後、攪拌機により攪拌を行なった以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<実施例3>
実施例1において、ポリエステル製のカーテン生地 に替えてナイロン性ループカーペット(目付800g/m)とし、平均粒径10nmの酸化亜鉛1.0質量部と、平均粒径5μmのMFI型ゼオライト5.0質量部と、平均粒径10μmのジエチレントリアミンを担持した二酸化ケイ素3.0質量部を81質量部の水に加えた後、攪拌機により攪拌を行ない、カーペット表面に処理液をスプレー塗布し、乾燥して消臭カ−ペットを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<実施例4>
実施例1において、酸化亜鉛に替えて酸化ジルコニウムとし、MFI型ゼオライトに替えて多孔質シリカとした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<実施例5>
実施例1において、ジエチレントリアミンを担持した平均粒径10μmの二酸化ケイ素を、テトラエチレンペンタミンを担持した平均粒径10μmの二酸化ケイ素とした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<比較例1>
実施例1において、平均粒径10nmの酸化亜鉛0.5質量部を0とした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<比較例2>
実施例1において、平均粒径5μmのMFI型ゼオライト3.0質量部を0とした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<比較例3>
実施例1において、ジエチレントリアミンを担持した平均粒径10μmの二酸化ケイ素2.0質量部を0とした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載した。
<比較例4>
実施例1において、消臭組成物の量を10倍にした以外は実施例1と同様にして消臭カーテンを得た。各種ガスの消臭試験をおこない悪臭の除去率を表1に記載したが、カーテンの風合が硬いものとなり商品にならなかった。
Figure 2008255507
<消臭試験>
なお上記例における各種消臭性能の測定は次のように行った。
(アンモニア消臭性能)
試験片(10cm×10cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
(メチルメルカプタン消臭性能)
アンモニアガスに代えてメチルメルカプタンガスを用いて袋内において濃度が40ppmとなるように注入し、4時間経過後にメチルメルカプタンガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてメチルメルカプタンガスの除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸ガスの除去率(%)を算出した。
(ホルムアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が80ppmとなるように注入し、4時間経過後にホルムアルデヒドガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてホルムアルデヒドの除去率(%)を算出した。
(アセトアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてアセトアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が80ppmとなるように注入し、4時間経過後にアセトアルデヒドガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてアセトアルデヒドの除去率(%)を算出した。
(1−ノネン消臭性能)
アンモニアガスに代えて1−ノネンガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入し、24時間経過後に1−ノネンガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして1−ノネンの除去率(%)を算出した。
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上95%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」と評価し表1のような結果を得た。

Claims (6)

  1. ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物と、金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物と、多孔質物質とからなる消臭組成物をバインダー樹脂を介して繊維に固着したことに特徴のある消臭布帛。
  2. 前記消臭組成物を構成する前記各成分の粒径が10nm〜100μmで、2〜50g/m(乾燥重量)バインダー樹脂を介して繊維に固着したことに特徴のある請求項1に記載の消臭布帛。
  3. 前記金属酸化物から選択された少なくとも1種類の化合物が、銅、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン及びジルコニウムから選択された少なくとも1種類の化合物であることに特徴のある請求項1又は2に記載の消臭布帛。
  4. 前記多孔質物質が、多孔質シリカ、ゼオライトおよび活性炭から選択された少なくとも1種類であることに特徴のある請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭布帛。
  5. 前記多孔質物質が、人工ゼオライトでMFI型ゼオライトであることに特徴のある請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭布帛。
  6. 前記消臭布帛が椅子張り地、車両用天井材、カーテンまたはカ−ペットであることに特徴のある請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭布帛。
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