以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図39及び図40は、本発明に係る作業機の全体構成を示す概略図である。本実施形態では、作業機として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
作業機1は、機体2と、キャビン3と、走行装置4と、作業装置5とを備えている。
以下、キャビン3の運転席6に着座した運転者の前側(図39の左側)を前方、運転者の後側(図39の右側)を後方、運転者の左側(図39の手前側)を左方、運転者の右側(図39の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向K1(図39参照)に直交する方向である水平方向K2(図40参照)を機体幅方向として説明する。
機体2は、走行装置4上に支持された旋回台7を有している。旋回台7は、走行装置4に、旋回ベアリング(図示略)を介して上下方向の旋回軸心(縦軸X)回りに左右に旋回自在に支持されている。旋回台7は、縦軸X回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)8と、ウエイト9とを有している。旋回基板8は、鋼板等から形成されており、旋回ベアリングに連結されている。図39及び図42に示すように、ウエイト9は、旋回台7の後部に設けられている。
図41、図42に示すように、旋回台7の後部には、エンジンルームERが設けられている。図41等に示すように、エンジンルームERには、エンジン10、油圧ポンプ11、冷却ファン12等が搭載されている。エンジン10は、駆動軸心10Cが機体幅方向を向くように、横向きに配置されている。エンジン10の右方には油圧ポンプ11が設けられている。エンジン10の左方には冷却ファン12が設けられている。冷却ファン12の周囲は、シュラウド13により囲まれている。油圧ポンプ11及び冷却ファン12は、エンジン10によって駆動される。冷却ファン12は、左方から右方に向かう空気の流れを生じさせる。冷却ファン12の左方には、エンジン10に供給される冷却水を冷却するラジエータ14が設けられている。ラジエータ14の左方には、オイルクーラ15及びレシーバ(受液器)39が設けられている。オイルクーラ15の左方には、コンデンサ16が
設けられている。コンデンサ16は、後述するエアコンユニット46に供給される冷媒を冷却する。コンデンサ16の左方にはバッテリ17が設けられている。エンジン10の右方の上部には、粒子除去装置18が設けられている。エンジン10の左部の上方には、前記冷媒を圧縮するコンプレッサ38が設けられている。オイルクーラ15及びコンデンサ16の左方には、エアクリーナ80が設けられている。
図41、図42に示すように、旋回台7の右側部には、側部ルームTRが設けられている。側部ルームTRには、エンジン10用の燃料を貯留する燃料タンク19が搭載されている。燃料タンク19の後部上方には、コントロールバルブ20が設けられている。コントロールバルブ20は、作業機1に装備された各油圧アクチュエータ(油圧シリンダ等)を制御する制御弁を集約している。燃料タンク19の後方には、油圧用の作動油を貯留する作動油タンク21が設けられている。作動油タンク21の右側には、燃料に混入された粒子等を取り除く燃料フィルタ22、燃料に混合している水分を分離除去するセパレータ23、エンジン10に燃料を送る燃料ポンプ24、工具箱25が設けられている。
図41、図42に示すように、エンジンルームERの上方、右方、左方及び後方は、カバー30によって覆われている。側部ルームTRの上方及び右方は、側部カバー35によって覆われている。カバー30の前方であって且つ側部カバー35の左方には、前部カバー113が設けられている。
図40、図41に示すように、キャビン3は、旋回基板8上の幅方向の一方側(左方側)の前部に搭載されている。キャビン3の内部には、運転席6、操縦装置(図示略)、エアコンユニット46等が設けられている。
図39、図40に示すように、走行装置4は、走行フレーム41と、走行フレーム41の左側と右側とに装着されたクローラ装置とを有する。クローラ装置は、アイドラ42と、スプロケット43と、複数の転輪44と、これらアイドラ42,スプロケット43,転輪44に巻掛けられたクローラベルト45とを有する。
走行装置4の前部には、ドーザ26が設けられている。
図39に示すように、作業装置5は、旋回台7の前部に装着されている。作業装置5は、ブーム27と、アーム28と、作業具29とを有している。さらに作業装置は、これらブーム27、アーム28、作業具29の駆動機構(アクチュエータ等)として、ブームシリンダ47と、アームシリンダ48と、作業具シリンダ49とを有している。ブームシリンダ47、アームシリンダ48及び作業具シリンダ49は、油圧シリンダにより構成されている。
ブーム27の基部は、旋回基板8の右前部に設けられた第1ブラケット(支持ブラケット)50に、第1枢軸(横軸)51を介して横軸心(機体幅方向の軸心)回りに回転自在に枢支されている。ブーム27の先端側は、アーム28の基部に設けられた第2枢軸52を介して横軸心回りに回転自在に枢支されている。アーム28の先端部に、作業具29が第3枢軸53を介して横軸心回りに回転自在に枢支されている。本実施形態では、作業具29としてバケットが装着されている。バケット29に代えて或いは加えて、他の作業具を装着してもよい。
ブームシリンダ47は、旋回基板8の前部に設けられた第2ブラケット55とブーム27の長手方向中途部とにわたって設けられている。第2ブラケット55には、ブームシリンダ47の基端部を枢支する第4枢軸(横軸)54が設けられている。ブームシリンダ47を伸縮させることにより、ブーム27が第1枢軸51回りに揺動する。アームシリンダ48は、ブーム27の長手方向中途部とアーム28の基部とにわたって設けられている。アームシリンダ48を伸縮させることにより、アーム28が第2枢軸52回りに揺動する。作業具シリンダ49は、アーム28の基部と第1リンク56及び第2リンク57の一端側とにわたって設けられている。第1リンク56の他端側は、作業具29に枢支されている。第2リンク57の他端側は、アーム28の先端部に枢支されている。作業具シリンダ49を伸縮させることにより、作業具29が第3枢軸53回りに揺動する。
<カバー、側部カバー、前部カバー>
図41に示すように、カバー30は、左カバー31と、右カバー32と、後カバー33
と、前カバー34とを有している。
左カバー31は、エンジンルームERの左方を覆っている。具体的には、ラジエータ14、オイルクーラ15、コンデンサ16、バッテリ17等の左方を覆っている。図39に示すように、左カバー31は、吸気口31aを形成する環状の縁部を有している。吸気口31aは、金網等のメッシュ板により覆われている。吸気口31aは、左カバー31の後部から左部にわたって設けられている。これにより、機体2の左後方から吸気口31aを通してエンジンルームER内に外気を取り入れることができる。
右カバー32は、エンジンルームERの右方を覆っている。具体的には、エンジン10、作動油タンク17、燃料フィルタ18、セパレータ19、燃料ポンプ20、工具箱21の右方を覆っている。図42に示すように、右カバー32は、吸気口32aを形成する環状の縁部を有している。吸気口32aは、金網等のメッシュ板により覆われている。吸気口32aは、右カバー32の後部から右部にわたって設けられている。これにより、機体2の右後方から吸気口32aを通してエンジンルームER内に外気を取り入れることができる。
後カバー33は、左カバー23と右カバー24との間に設けられており、エンジンルームERの後上方及び後方を覆っている。具体的には、後カバー33は、エンジン10、油圧ポンプ11、冷却ファン12、シュラウド13、ラジエータ14、オイルクーラ15、コンデンサ16の後部上方及び後方を覆っている。図41に示すように、後カバー33の右部には、開口部33aを形成する環状の縁部が設けられている。開口部33aは、前後の方向に長い長穴に形成されている。開口部33aからは、後述するテールパイプ181が上方に突出している。
前カバー34は、後カバー33の前方に設けられており、エンジンルームERの前上方を覆っている。具体的には、前カバー34は、エンジン10、油圧ポンプ11、冷却ファン12、シュラウド13、ラジエータ14、オイルクーラ15、コンデンサ16の前部上方を覆っている。
図40、図42に示すように、側部カバー35は、第1側部カバー36と、第2側部カバー37とを有している。第1側部カバー36は、側部ルームTRの上方を覆っている。具体的には、第1側部カバー36は、燃料タンク19、コントロールバルブ20、作動油タンク21の上方を覆っている。図41及び図42に示すように、第1側部カバー36の左部は、ヒンジ191を介してフレーム190に開閉可能に取り付けられている。フレーム190は、キャビン3と第1側部カバー36との間に設けられ、前後の方向に延設されている。第2側部カバー37は、側部ルームTRの右側方を覆っている。具体的には、燃料タンク19の右側方を覆っている。第2側部カバー37は、旋回基板8に固定されている。
前部カバー113は、後述する第1仕切り板64の前方であって且つ第1縦リブ61と第2縦リブ62の間の空間(以下、縦リブ空間S4という)の上方を覆っている。前部カバー113は、フレーム190に固定されている。
<旋回基板>
旋回基板8上には、旋回基板8と一体化されることにより旋回フレームを構成する上部構造体が設けられている。上部構造体は、溶接により旋回基板8と接続されている。
図1〜図3に示すように、上部構造体は、第1縦リブ61、第2縦リブ62、第1仕切り板64、第2仕切り板65、後部フレーム66、第3縦リブ63を有している。
第1縦リブ61と第2縦リブ62とは、機体幅方向に間隔をあけて設けられている。第1縦リブ61は、旋回基板8の幅方向(機体幅方向と同じ)の一方側(左側)に設けられている。第2縦リブ62は、旋回基板8の幅方向の他方側(右側)に設けられている。図1に示すように、第1縦リブ61及び第2縦リブ62は、旋回基板8上に前方から後方に向けて、平面視で略直線状に延設されている。
図6に示すように、第1縦リブ61の前部には、垂直部61aと傾斜部61bとが形成されている。垂直部61aは、旋回基板8の上面から略垂直に立ち上がっている。傾斜部61bは、垂直部61aの上端から後方且つ上方(斜め上後方)に延びている。
図4に示すように、第2縦リブ62の前部には、垂直部62aと傾斜部62bとが形成されている。垂直部62aは、旋回基板8の上面から略垂直に立ち上がっている。傾斜部62bは、垂直部62aの上端から後方且つ上方(斜め上後方)に延びている。
図3、図6に示すように、第1縦リブ61は、下部に略楕円形状の切欠き61cを有している。切欠き61cには、パイロット油を流通させるパイロットホース160(図16参照)が通される。パイロットホース160は、コントロールバルブ20とパイロットバルブ(図示略)の一方側とを接続する。パイロットバルブの他方側は、前記操縦装置等に接続される。
図1〜図3に示すように、第1縦リブ61の上部と第2縦リブ62の上部との間に渡って、第1支持板88と第2支持板89とが架設されている。図2、図3に示すように、第1支持板88は、鋼板等の板材を2箇所で折り曲げて形成されている。具体的には、図4、図6に示すように、第1支持板88は、前部88c,傾斜部88d,上部88eを有している。前部88cは、旋回基板8の上面から略垂直に立ち上がり、第1縦リブ61の垂直部61aと第2縦リブ62の垂直部62aの前部に沿って上方に延設されている。傾斜部88dは、第1縦リブ61の傾斜部61bと第2縦リブ62の傾斜部62bの前部に沿って、前部88cの上端から後方且つ上方に延設されている。上部88eは、第1縦リブ61及び第2縦リブ62の上部に沿って、傾斜部88dの上端から後方に延設されている。
図1〜図3に示すように、第2支持板89は、第1縦リブ61と第2縦リブ62とを跨る第1板部89aと、第1縦リブ61の上部に沿って延設された第2板部89bとを有している。第1板部89aは、第1縦リブ61の前部と第2縦リブ62の前部とを跨った板材である。第2板部89bは、第1縦リブ61の上部に沿って第1板部89aから第1仕切り板64の後方まで延設されている。なお、図42に示すように、第2支持板89の上面にはフレーム190が固定されている。フレーム190には、前部カバー113及び第1側部カバー36の回動支点となるヒンジ191が取り付けられている。
図6の円内拡大図に示すように、第1縦リブ61の前部の上面には、段部61eが形成されている。段部61eは、第1縦リブ61の前部の上面を、一方(前側)61eaを低く、他方(後側)61ebを高くすることにより形成されている。段部61eの前側61eaには、第1支持板88の上部88eが載置されている。段部61eの後側61ebには、第2支持板89の第1板部89aが載置されている。
図5に示すように、第2縦リブ62の高さは、中途部から後方に向かうにつれて次第に低くなっている。具体的には、第2縦リブ62の高さは、前部62cが最も高く、当該前部62cには、第1支持板88の上部88e及び第2支持板89の前部が固定されている。第2縦リブ62の前部62cより後方の第1仕切り板64までの部分(中間部という)62dは、前部62cよりも低い。中間部62dより後方の後部フレーム66までの部分(後延部という)62eは、中間部62dよりも低い。一方、図6に示すように、第1縦リブ61の高さは、傾斜部61bより後方において略一定となっている。
図4の円内拡大図に示すように、第2縦リブ62の前部62cの上面には、段部62fが形成されている。段部62fは、第2縦リブ62の前部の上面を、一方(前側)62faを低く、他方(後側)62fbを高くすることにより形成されている。段部62fの前側62faには、第1支持板88の上部88eが載置されている。段部62fの後側62fbには、第2支持板89の第1板部89aが載置されている。
図1〜図3に示すように、第2支持板89の前端部(第1板部89aの前端部)と、第1支持板88の後端部とは接続されている。第1板部89aの前端部と第1支持板88の後端部とを接続した状態では、第1縦リブ61の段部61e及び第2縦リブ62の段部61fと同じように段差が形成されている。即ち、図4〜図6等に示すように、第2支持板89(第1板部89a)と第1支持板88との間に段差が形成されている。詳しくは、第2支持板89(第1板部89a)の上面の高さと第1支持板88の上面の高さとが異なることにより段差が形成されている。具体的には、図4の円内拡大図に示すように、第1支持板88の上面は、第2支持板89(第1板部89a)の上面よりも低くなっている。
本実施形態では、第1支持板88と第2支持板89(第1板部89a)とを、隅肉溶接により接続している。具体的には、第1支持板88と第2支持板89(第1板部89a)の接続部分の上面の段差部分に隅肉溶接を施している。このように、段差を利用した隅肉溶接による接続を行うことにより、突合せ溶接により接続した場合に比べて高い接続強度を得ることが可能となる。また、第1支持板88と第2支持板89(第1板部89a)の接続強度が高くなることで、支持板(第1支持板88と第2支持板89)による、第1縦リブ61と第2縦リブ62の補強効果が向上する。
また、本実施形態では、第1縦リブ61の上部と第2縦リブ62の上部とを連絡する支持板を、第1支持板88と第2支持板89の2つの部材から構成している。これにより、支持板(第1支持板88,第2支持板89)の製作が容易となる。即ち、屈曲や開口が多くて複雑な形状となる前部(第1支持板88)を、後部(第2支持板89)と別部材とすることにより、支持板を高い精度で製作することが容易となる。但し、別の実施形態として、支持板を単一部材から形成する構成を採用することもできる。
また、さらに別の実施形態として、支持板(第1支持板88,第2支持板89)を、第1縦リブ61と第2縦リブ62との間に設けてもよい。この場合、支持板(第1支持板88,第2支持板89)により、第1縦リブ61の内面(右面)と第2縦リブ62の内面(左面)とを接続する。
図2に示すように、第1支持板88には、上部88eから傾斜部88dに渡って、第1開口部88aを形成する環状の縁部が形成されている。第1支持板88の前部88cには、第2開口部88bを形成する環状の縁部が形成されている。つまり、第2開口部88bは、第1開口部88aの下方に形成されている。第1開口部88aには、後述する第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153が通される。第2開口部88bには、後述する第4油圧ホース144が通される。図1〜図3に示すように、第1支持板88の前部には、第1ブラケット(支持ブラケット)50が接続されている。
図1〜図3に示すように、第1仕切り板64及び第2仕切り板65は、エンジンルームERの前方に設けられ、機体幅方向に延びている。
第1仕切り板64の右端部は、第2縦リブ62の左側面に接続されている。図2、図3に示すように、第1仕切り板64の右部には、U字状に切り欠かれた切欠部64aが形成されている。第1仕切り板64の機体幅方向の略中央(切欠部64aの左方)には、第1仕切り板64の他の部分よりも高く立ち上がった高板部64bが形成されている。高板部64bの最高部の高さは、第1縦リブ61の高さと等しい。高板部64bの前面には、第1縦リブ61の後端部が接続されている。第1仕切り板64の左部(高板部64bの左方)は、高板部64bよりも低い低板部64cが形成されている。高板部64bの右上部には、開口部64dを形成する環状の縁部が設けられている。開口部64dは、第1縦リブ61と第2縦リブ62との間に位置している。開口部64dに対応する位置には、後述する接続具170が取り付けられる。
第2仕切り板65は、第1仕切り板64の左側から左方に延びている。図2、図3に示すように、第2仕切り板65には、開口部65aを形成する環状の縁部が設けられている。開口部65aに対応する位置には、後述するクランプ具125が取り付けられる。
後部フレーム66は、旋回基板8上の後部に設けられ、機体幅方向に延設されている。後部フレーム66は、前板66F、上板66U、後板66Rを有している。前板66Fの右部には、第1縦リブ61の後端部が接続されている。
第3縦リブ63は、前後の方向に延設されている。第3縦リブ63は、第1仕切り板64及び第2仕切り板65と、後部フレーム66とを接続している。第3縦リブ63の前部右面には、第1仕切り板64の左端部が接続されている。第3縦リブ63の前部左面には、第2仕切り板65の右端部が接続されている。第3縦リブ63の前部は、第1仕切り板64及び第2仕切り板65の前方に突出している。第3縦リブ63の後端部は、後部フレーム66の前板66F及び上板66Uに接続されている。
図1〜図3に示すように、上部構造体は、更に、後支持部材67、支持台68、補強リブ69、補強板70を有している。
後支持部材67は、旋回基板8上の幅方向中央に立設されている。後支持部材67は、後部フレーム66の後板66Rに接続されている。後支持部材67の上面には、後述する支持フレーム90の後脚部94が固定される。後支持部材67の後面には、ウエイト9を取り付けるためのウエイト取付部67a(図17参照)が設けられる。
支持台68は、第2縦リブ62の右方に設けられている。支持台68は、旋回基板8上に搭載された機器を支持する。具体的には、作動油タンク21を下方から支持する。図2、図3に示すように、支持台68は、上板68Aと、第1縦板68Bと、第2縦板68Cとを有している。
上板68Aは、作動油タンク21の下面に当接することにより、作動油タンク21の下面を受ける。上板68Aは、旋回基板8の上方に且つ旋回基板8の上面と間隔をあけて設けられている。上板68Aは、平面視長方形状であって、短辺が機体幅方向に延びるように配置されている。上板68Aの前端部は第1仕切り板64より前方に位置し、上板68Aの後端部は第1仕切り板64より後方に位置している。上板68Aの左部は、第2縦リブ62の右側面に接続されている。上板68Aが第2縦リブ62に接続されている部分では、上板68Aの上面は第1縦リブ61の上端よりも低い位置にある。また、上板68Aは、第1縦板68Bの上部と第2縦板68Bの上部に接続されている。
第1縦板68B及び第2縦板68Cは、旋回基板8上に前後に間隔をあけて立設され、機体幅方向に延びている。第1縦板68Bは、上板68Aを介して作動油タンク21の下面後部を支持する。第2縦板68Cは、第1縦板68Bの前方に設けられている。第2縦板68Cは、上板68Aを介して作動油タンク21の下面前部を支持する。第1縦板68Bは、第2縦リブ62の後延部62eの右側面に接続されている。第2縦板68Cは、第2縦リブ62の中間部62dの右側面に接続されている。
このように、第2縦リブ62の右側面に、支持台68の上板68A、第1縦板68B及び第2縦板68Cが接続されていることにより、第2縦リブ62は、上板68A、第1縦板68B、第2縦板68Cを介して旋回基板8と接続される。これにより、第2縦リブ62を効果的に補強することができるため、第2縦リブ62の厚さを小さくしても、第2縦リブ62に十分な強度(剛性)を確保することができる。そのため、第2縦リブ62の厚さを、第1縦リブ61の厚さよりも小さくすることができる。
また、作動油タンク21を支持するための支持台68を、第2縦リブ63の強度を補強するために使用している。そのため、第2縦リブ63を補強するための別の補強材(リブ等)を設ける必要がなく、旋回基板8の重量増加を回避しながら第2縦リブ63を補強することができる。これにより、旋回基板8の強度を確保しつつ重量を削減して、機体2を軽量化することが可能となる。
補強リブ69は、第2縦リブ62の後部右方に立設されている。補強リブ69は、第2縦リブ62と平行に延びている。補強リブ69は、第1縦板68Aと後部フレーム66の前板66Fとを接続している。具体的には、補強リブ69の前端部は、第1縦板68Aに接続されている。補強リブ69の後端部は、後部フレーム66の前板66Fに接続されている。また、補強リブ69の上部前端は、上板68Aの下面に接続されている。
補強板70は、旋回基板8の上方に設けられており、旋回基板8の上面と平行に配置されている。補強板70は、第2縦リブ62、第1縦板68A、後部フレーム66及び補強リブ69と接続されている。具体的には、補強板70の前端部は、第1縦板68Aに接続されている。補強板70の後端部は、後部フレーム66の前板66Fに接続されている。補強板70の左端部は、第2縦リブ62の右側面に接続されている。補強板70の右端部は、補強リブ69の左側面に接続されている。
上述した通り、第2縦リブ62の右側面に、補強板70を介して補強リブ69、後部フレーム66及び支持台68が接続されている。これにより、第2縦リブ62の補強効果を向上させることができる。
図1〜図3に示すように、上部構造体は、更に、前支持部材71、キャビン支持部材72、横板73、支持ステー74、ウエイト取付部材75、左支持部材76、右支持部材77を有している。
前支持部材71は、旋回基板8上の左前部に沿って機体幅方向に延設されている。前支持部材71の右端部は、第1縦リブ61の左側面に接続されている。
キャビン支持部材72は、防振ゴム(図示略)を介してキャビン3を支持する部材である。キャビン支持部材72は、第1支持部材72A,第2支持部材72B,第3支持部材72C,第4支持部材72Dを有している。
第1支持部材72Aは、旋回基板8上の左前部に設けられている。第1支持部材72Aの下面は、前支持部材71の左上部に接続されている。第2支持部材72Bは、旋回基板8上の前部であって且つ第1支持部材72Aの右方に設けられている。第2支持部材72Bの下面は、前支持部材71の右上部に接続されている。第2支持部材72Bの右端部は、第1縦リブ61の左側面に接続されている。第3支持部材72Cは、旋回基板8上の左部であって且つ第2支持部材72Bの後方に設けられている。第3支持部材72Cの後部は、第2仕切り板65の前面に接続されている。第4支持部材72Dは、第1支持部材72Aの後方であって且つ第3支持部材72Cの右方に設けられている。第4支持部材72Dの後部は、第2仕切り板65の前面に接続されている。
横板73は、旋回基板8の上方且つ第2支持板89の第2板部89bの下方に設けられている。横板73は、機体幅方向に延びている。横板73は、第2縦リブ62と第3縦リブ63と第1仕切り板64とを接続している。具体的には、横板73の右端部は、第2縦リブ62の左側面に接続されている。横板73の左端部は、第3縦リブ63の右側面に接続されている。横板73の前端部は、第1仕切り板64の後面に接続されている。
支持ステー74は、旋回基板8の上面に接続されている。支持ステー74は、第1ステー74Aと第2ステー74Bとを有している。第1ステー74Aは、後部フレーム66の上板66U上の右部に立設されている。第2ステー74Bは、後部フレーム66の上板66U上の左部に立設されている。第1ステー74Aは、第2ステー74Bよりも高く形成されている。支持ステー74(第1ステー74A及び第2ステー74B)の上面には、エンジン10を支持する後述のマウント部材117(第1マウント部材121及び第2マウント部材122)が固定される。
ウエイト取付部材75は、右側のウエイト取付部材75Rと、左側のウエイト取付部材75Lとを有している。右側のウエイト取付部材75Rは、旋回基板8上の右後部に設けられており、後部フレーム66の右端部に接続されている。左側のウエイト取付部材75Lは、旋回基板8上の左後部に設けられており、後部フレーム66の左端部に接続されている。ウエイト取付部材75(ウエイト取付部材75R、ウエイト取付部材75L)には、ウエイト9を取り付けるための取付部75a(図28,図33参照)が後方に突出して設けられる。ウエイト9は、後支持部材67のウエイト取付部67aと、ウエイト取付部材75(ウエイト取付部材75R、ウエイト取付部材75L)の取付部75aに対して取り付けられる。
図3に示すように、左支持部材76は、縦板76Aと横板76Bとを有している。縦板76Aは、旋回基板8上の左部に立設されており、前後の方向に延びている。縦板76Aは、第2仕切り板65の左端部と接続されており、当該左端部から後方に向けて延設されている。横板76Bは、縦板76Aの上部と第2仕切り板65の上部に接続されている。左支持部材76は、後述する支持フレーム90の側脚部96を支持する。
右支持部材77は、支持台68の右前方に設けられている。右支持部材77の上面にはステー(図示略)が固定される。右支持部材77は、後述するコントロールバルブ20の受け板40を、前記ステーを介して支持する。
図1等に示すように、旋回基板8は、開口部を形成する複数の環状の縁部を有している。環状の縁部は、第1縁部81、第2縁部82、第3縁部83、第4縁部84、第5縁部85及び第6縁部86を有している。
第1縁部81及び第2縁部82は、第2縦リブ62、第3縦リブ63、第1仕切り板64及び後部フレーム66により囲まれた領域(第1領域という)に形成されている。第1領域には、エンジン10やコンプレッサ38等が配置される。第1縁部81は、第1領域の右後部に形成されている。第2縁部82は、第1領域の左前部に形成されている。
第1縁部81により形成される開口部は、平面視において左前部の角部を切り欠いた矩形である。第2縁部83により形成される開口部は、平面視において右後部の角を切り欠いた矩形である。第1縁部81と第2縁部82とは、隔板部87により隔てられている。隔板部87は、旋回基板8の一部であって、第1縁部81により形成される開口部の左前部と、第2縁部83により形成される開口部の右後部との間を隔てるように設けられている。仮に、第1縁部81と第2縁部82とを繋げて1つの大きい開口部を形成した場合、開口部の面積は確保できるものの、旋回基板8の強度が大きく低下するおそれがある。本実施形態では、第1縁部81と第2縁部82との間に隔板部87を設けることで、開口部の面積を確保しつつ、旋回基板8の強度の低下を抑制している。また、第1縁部81により形成される開口部と、第2縁部83により形成される開口部とを、共に矩形の角部を切り欠いた形状とし、切り欠いた部分に隔板部87を設けている。これにより、2つの開口部の中心を接近させることを可能としている。
図13に示すように、第1縁部81は、エンジン10のオイルパン10Aの下方に設けられている。第1縁部81により形成される開口部の面積は、オイルパン10Aの面積よりも大きく形成されている。第2縁部82は、エンジン10のオイルフィルタ10Bの下方に設けられている。第2縁部82により形成される開口部の面積は、オイルフィルタ10Bの面積よりも大きく形成されている。これにより、第1縁部81により形成される開口部からオイルパン10Aにアクセスすることができる。また、第2縁部82により形成される開口部からオイルフィルタ10Bにアクセスすることができる。そのため、エンジン10のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。尚、第1縁部81及び第2縁部82は、通常時は、パンチングメタル等の有孔板(図示略)により塞がれている。そのため、メンテナンスの際には、有孔板を取り外すことにより、第1縁部81及び第2縁部82を開放する。
第3縁部83は、旋回基板8の右後部に形成されている。具体的には、第3縁部83は、補強リブ69、支持台68の第1縦板68A及び右側のウエイト取付部材75Rにより三方をほぼ囲まれた領域(第2領域という)に形成されている。第2領域には、燃料フィルタ22に接続される配管等が配置される。
第4縁部84は、旋回基板8の左後部に形成されている。具体的には、第4縁部84は、第3縦リブ63、第2仕切り板65及び左側のウエイト取付部材75Lにより三方をほぼ囲まれた領域(第3領域という)に形成されている。第3領域には、ラジエータ14、オイルクーラ15、コンデンサ16、バッテリ17等が配置される。
図1、図3に示すように、第5縁部85は、旋回基板8の略中央に形成されている。具体的には、第5縁部85は、第1仕切り板64の前方であって且つ第1縦リブ61の切欠部61cの下方に形成されている。第5縁部85により形成される開口部には、後述するロータリジョイント79の上部が挿入される(図15等参照)。ロータリジョイント79は、コントロールバルブ20から走行装置4の油圧アクチュエータに作動油を供給するために設けられている。第5縁部85により形成される開口部の中心は、旋回軸心(縦軸X)となる。従って、ロータリジョイント79の回転軸心は、旋回軸心(縦軸X)と一致する。
第6縁部86は、旋回基板8の略中央右寄りに形成されている。具体的には、第6縁部86は、第1仕切り板64の前方であって且つ第1縦リブ61と第2縦リブ62の間に形成されている。第6縁部86は、第5縁部85の右後方に位置している。第6縁部86により形成される開口部には、旋回モータ112(図15等参照)が取り付けられる。旋回モータ112は、旋回台7を旋回軸心(縦軸X)回りに旋回させる。
<支持フレーム>
図5〜図9に示すように、旋回基板8上には、支持フレーム90が設けられている。図10、図11に示すように、支持フレーム90は、架構体91と、支持部92とを有している。
架構体91は、4つのカバー30のうち主に後カバー33を支持する。架構体91は、前脚部93、後脚部94、連絡部95、側脚部96、架橋部97、支持機構101を有し
ている。
図5、図6、図8、図28に示すように、前脚部93は、エンジンルームERの前方に立設されている。図8、図10、図11、図28に示すように、前脚部93は、支柱93Aと下板93Bとを有している。図5〜図9等に示すように、下板93Bは、第2支持板89の上面後部に、締結部材(ボルト)により固定されている。具体的には、図5、図6に示すように、下板93Bは、第2支持板89の第2板部89bの上面に、第1仕切り板64の前方と後方に跨って固定されている。支柱93Aは、下板93Bの上面に固定されており、当該上面から上方に延びている。本実施形態では、支柱93Aは、断面略L字形のアングル材であり、2つの面を右方と後方に向けて配置されている。
上述したように、本実施形態の作業機1は、前脚部93が第2支持板89の第2板部89bの上面であって且つ第1仕切り板64の後方に固定されている。そのため、前脚部93がエンジンルームER内部の前部空間を減じることがなく、エンジンルームER内部の前部空間を有効活用することが可能となる。また、前脚部93(下板部93B)が、第1仕切り板64の前方と後方に跨って固定されているため、前脚部93の下方に第1仕切り板64が位置する。そのため、前脚部93を第1仕切り板64によって支持することができる。
尚、前脚部93(下板部93B)は、第1縦リブ61の上方において、第1仕切り板64の後方に固定されていればよく、必ずしも第2板部89bの上面に固定する必要はない。例えば、別の実施形態として、第2板部89bとは別の部材を介して第1縦リブ61の上部に、前脚部93(下板部93B)を固定する構成としてもよい。或いは、第1縦リブ61の上部に直接、前脚部93(下板部93B)を固定する構成としてもよい。
図5〜図8に示すように、後脚部94は、エンジンルームERの後方に立設されている。具体的には、後脚部94は、後支持部材67の上面に固定されて上方に延びてから屈曲して前方に延びている。図7、図9、図11等に示すように、後脚部94の前端には、接続板94Aが取り付けられている。
図7〜図9等に示すように、連絡部95は、エンジンルームERの上方に設けられている。図10、図11等に示すように、連絡部95は、前脚部93と後脚部94とを繋いでいる。連絡部95は、接続板95Aと、第1連絡部95Bと、第2連絡部95Cとを有している。第1連絡部95B及び第2連絡部95Cは、前脚部93に接続されている。第1連絡部95Bは、前脚部93の上部から後方に向けて延設されている。本実施形態では、第1連絡部95Bは、断面L字形のアングル材であり、2つの面を右方と下方に向けて配置されている。第2連絡部95Cは、前板部95bと側板部95cとを有している。前板部95bは、支柱93Aの前方を覆っている。側板部95cは、支柱93A及び第1連絡部95Bの左方を覆っている。側板部95cの上部は、後方に向けて延設されている。
第1連絡部95B及び第2連絡部95Cの後端部には、接続板95Aが取り付けられている。図7、図9、図10に示すように、接続板94Aと接続板95Aとは、締結部材(ボルト)により締結されている。これにより、前脚部93と後脚部94とが接続されている。
図7〜図9に示すように、側脚部96は、機体幅方向の一方側(左方)に立設されている。具体的には、図6、図7、図12に示すように、側脚部96は、左支持部材76の横板76Bの上面に固定されており、横板76Bの上面から上方に延びている。図6に示すように、側脚部96は、上方に延びるにつれて後方に向かうように若干傾斜している。図7、図10に示すように、側脚部96の後面下部には、ヒンジ196が取り付けられている。
図10に示すように、ヒンジ196は、取付片196a、縦軸196b、外筒196c、第1取付板196d、第2取付板196eを有している。取付片196aの後部は、左カバー31の内面に固定される。取付片196aの前部には、外筒196cが固定されている。縦軸196bは、第1取付板196d及び第2取付板196eを介して側脚部96に固定されている。外筒196cには縦軸196bが貫通しており、外筒196cは縦軸196b回りに回動可能となっている。そのため、外筒196cに固定された取付片19
6aと、取付片196aに固定された左カバー31は、縦軸196b回りに回動可能となる。
図10〜図12に示すように、架橋部97は、側脚部94の上部と第2連絡部95Cの上部とを接続している。図12に示すように、架橋部97は、架橋梁97Aと架橋板97Bとを有している。架橋梁97Aは、後脚部94の右面上部と、第2連絡部95Cの側板部95cの左面上部とを接続している。架橋板97Bは、架橋梁97Aの上部に設けられており、後脚部94の上面と、第2連絡部95Cの側板部95cの左面上部とを接続している。架橋板97Bの上部には、後述する防振ゴム114(図20参照)等を介してキャビン3の後部が載置される。
支持部92は、前カバー34を支持する。図10、図11等に示すように、支持部92は、第1支持体98と、第2支持体99とを有している。
図7〜図9に示すように、第1支持体98は、連絡部95より機体幅方向の一方側(左方)に延設されている。第1支持体98は、第1前部材98Aと、第1後部材98Bとを有している。
図10、図11等に示すように、第1前部材98Aは、連絡部95の左方に位置している。第1前部材98Aの右端部は、第2連絡部95Cの側板部95cの左面上部に接続されている。図10に示すように、第1前部材98Aは、上板部98aと、縦板部98bと、下板部98cと、前板部98dとを有している。上板部98a、縦板部98b、下板部98c、前板部98dは、1枚の金属板を略階段状に折り曲げることにより形成されている。
上板部98aは、連絡部95の左方に位置しており、機体幅方向(左方)に延びている。図8等に示すように、上板部98aは、前脚部93の支柱93Aよりも後方に位置している。上板部98aの上面は、第2連絡部95Cの側板部95cの上縁と略同じ高さに位置している。縦板部98bは、上板部98aの前部から下方に延びている。下板部98cは、縦板部98bの下部から前方に延びている。図10に示すように、下板部98cの上面には、防振ゴムが載置される載置部98iが設けられている。載置部98iは、機体幅方向に間隔をあけて複数箇所(本実施形態では2箇所)に設けられている。下板部98cは、架橋板97Bの上面に固定される。具体的には、図20に示すように、下板部98cは、載置部98iに載置された防振ゴム114と共に、架橋板97Bの上面にボルトにより固定される。図6、図10に示すように、前板部98dは、傾斜部98fと垂直部98gとを有している。傾斜部98fは、下板部98cの前部から前方且つ下方に延びている。垂直部98gは、傾斜部98fから第2仕切り板65まで下方に延びている。これにより、図6、図8、図9に示すように、前板部98dは、エンジンルームERと、エンジンルームERの左前方空間(キャビン3の配置空間S3)とを区画する第1区画板として機能する。以下の説明では、前板部98dを第1区画板98dと称することがある。
図8〜図11に示すように、第1後部材98Bは、連絡部95の左方に位置しており、機体幅方向(左方)に延びている。第1後部材98Bは、第1前部材98Aの後方に、第1前部材98Aと間隔をあけて設けられている。図9〜図11に示すように、第1後部材98Bは、接続部材102により第1前部材98Aと接続されている。第1後部材98Bは、第1前部材98Aよりも短く形成されている。本実施形態では、第1後部材98Bの長さは、第1前部材98Aの長さの半分以下とされている。また、第1後部材98Bの左端部と第1前部材98Aの左端部とは、機体幅方向において同じ位置(揃った位置)にある。これにより、図8〜図10に示すように、第1後部材98Bの右端部と、第2連絡部95Cの側板部95cとの間には、空間S1が形成されている。
図10、図11に示すように、第1後部材98Bの左端部には、係止部98e及びロック部98hが設けられている。係止部98eは、左カバー31を閉じた状態で、左カバー31の内面に設けられた係止片(図示略)が係止される部分である。ロック部98hは、左カバー31に設けられた前記係止片が係止部98eに係止された状態で、当該係止片をロックする部材である。ロック部98hは、第1後部材98Bへの取付部分を支点として前後に回動させることにより、ロックの実行と解除を行うことができる。ロック部98h
によるロックを実行することにより左カバー31の開放が不可となり、ロックを解除することにより左カバー31の開放が可能となる。
図7〜図9に示すように、第2支持体99は、連絡部95より機体幅方向の他方側(右方)に延設されている。第2支持体99は、第2前部材99Aと、第2後部材99Bとを有している。
図7〜図11に示すように、第2前部材99Aは、連絡部95の右方に位置しており、機体幅方向(右方)に延びている。第2前部材99Aの左端部は、第1連絡部95Bの上部に接続されている。具体的には、図10、図11に示すように、第1連絡部95Bの上部に切欠部95aが形成されており、当該切欠部95aに第2前部材99Aが嵌め込まれている。第2前部材99Aの左端部は、第2連絡部95Cの側板部95cの右面に当接している。本実施形態では、第2前部材99Aは、断面略U字状のチャンネル材であり、3つの面を上方と前方と後方に向けて配置されている。第2前部材99Aは、第1前部材98Aの上板部98aよりも前方に配置されている。
図7〜図11に示すように、第2後部材99Bは、連絡部95の右方に位置しており、機体幅方向(右方)に延びている。第2後部材99Bは、第2前部材99Aの後方に位置している。第2前部材99Aと第2後部材99Bとは、前後に隔てて配置されている。これにより、図9〜図11に示すように、第2前部材99Aと第2後部材99Bとの間には、空間S2が形成されている。第2後部材99Bの左端部は、連絡部95の後上部に接続されている。本実施形態では、第2後部材99Bは、断面L字状のアングル材であり、2つの面を上方と後方に向けて配置されている。第2後部材99Bは、第1前部材98Aの上板部98aよりも後方に配置されている。
図11に示すように、第2後部材99Bの右端部には、係止部99a及びロック部99bが設けられている。係止部99aは、右カバー32を閉じた状態で、右カバー32の内面に設けられた係止片(図示略)が係止される部分である。ロック部99bは、右カバー31に設けられた前記係止片が係止部99aに係止された状態で、当該係止片をロックする部材である。ロック部99bは、第2後部材99Bへの取付部分を支点として前後に回動させることにより、ロックの実行と解除を行うことができる。ロック部98hによるロックを実行することにより右カバー32の開放が不可となり、ロックを解除することにより右カバー32の開放が可能となる。
上述した第1前部材98A、第1後部材98B、第2前部材99A、第2後部材99Bの上面には、前カバー34が締結部材(ボルト)により固定される。図41は、前カバー34を締結部材B1〜B7により固定した状態を示している。締結部材B1,B2は、前カバー34と第1前部材98Aとを固定している。締結部材B3は、前カバー34と第1後部材98Bとを固定している。締結部材B4,B5は、前カバー34と第2前部材99Aとを固定している。締結部材B6,B7は、前カバー34と第2後部材99Bとを固定している。
図7、図11、図12に示すように、側脚部96と連絡部95との間には、壁板100が設けられている。図6、図7、図11に示すように、壁板100は、立ち上がり部100Aと延設部100Bとを有している。立ち上がり部100Aは、第3縦リブ63の前上部から立ち上がっている。延設部100Bは、立ち上がり部100Aの上部から後方に延設されている。図12に示すように、立ち上がり部100Aの上端部は、架橋梁97Aの下面に当接している。図7、図11に示すように、延設部100Bの左面には、第1後部材98Bの右端部が接続されている。壁板100の前縁部は、第1区画板(前板部)98dの後面に接続されている。尚、図12では、説明の都合上、第1区画板(前板部)98d、第1後部材98B、第2後部材99Bを省略している。
図8、図10に示すように、第2前部材99Aの下方には、第2区画板103が設けられている。図8、図9に示すように、第2区画板103は、エンジンルームERと、第1縦リブ61と第2縦リブ62との間の空間(縦リブ空間)S4とを区画している。
図8、図10に示すように、第2区画板103は、上板103Aと、中間板103Bと、下板103Cとを有している。上板103Aは、第2前部材99Aの下部から下方に延
設されている。上板103Aの左端部は、第1連絡部95Bの右面及び第2連絡部95Cの側板部95cの右面と接続されている。上板103Aの右端部と、第2前部材99A及び第2後部材99Bとは、接続部材104により接続されている。中間板103Bは、上板103Aの下部から前方且つ下方に延設されている。中間板103Bの左端部は、第2連絡部95Cの側板部95cの右面と接続されている。図8に示すように、中間板103Bの左下部(側板部95cとの接続部分の下方)には、矩形状の切欠き103Dが形成されている。切欠き103Dには、前脚部93の支柱93Aが貫通している。下板103Cは、中間板103Bの下部から下方に延設されている。図7に示すように、下板103Cは、第1仕切り板64の切欠部64aの前方を覆っている。
図5に示すように、第2区画板103は、右方から見て第2連絡部95Cの側板部95cとオーバーラップしている。また、図6に示すように、第1区画板(前板部)98dは、左方から見て第2連絡部95Cの側板部95cとオーバーラップしている。このように、第2連絡部95Cの側板部95cは、側面視にて第1区画板(前板部)98d及び第2区画板103とオーバーラップするように形成されている。そのため、第1区画板98d及び第2区画板103を、第2連絡部95Cを介して前脚部93に接続することができる。これにより、前脚部93が右側と左側から補強されるため、前脚部93の強度(剛性)が向上する。また、エンジンルームERの遮蔽性が向上し、エンジンルームER内の熱気が他の空間に漏れ出すことが抑制される。
図10、図11に示すように、支持機構101は、第1軸109A、第2軸109B、横設設材105、湾曲部材106、ブラケット107、シリンダ108を有している。支持機構101は、後カバー33を開閉可能に支持する。
図9〜図11に示すように、第1軸109Aは、第1後部材98Bの後部に取り付けられている。第2軸109Bは、第2後部材99Bの後部に取り付けられている。第1軸109A及び第2軸109Bは、機体幅方向に延びている。
図9〜図11に示すように、横設設材105は、第1支持体98及び第2支持体99の後方に配置されている。横設設材105は、第1後部材98Bの後方から第2後部材99Bの後方に渡って、機体幅方向に延びている。横設設材105の左端部は、第1後部材98Bの左端部より右方に位置している。横設設材105の右端部は、第2後部材99Bの右端部より左方に位置している。横設設材105の前部には、第1筒状部105aと第2筒状部105bが設けられている。第1筒状部105aには、第1軸109Aが回動可能に挿入されている。第2筒状部105bには、第2軸109Bが回動可能に挿入されている。これにより、横設設材105は、第1軸109A及び第2軸109Bを支点として上方に回動可能とされている。
図7〜図11等に示すように、湾曲部材106は、横設設材105の後部と接続されている。湾曲部材106は、横設部材105から後方に延びてから湾曲して下方に延びている。湾曲部材106の上縁の湾曲に沿って後カバー33の裏面が固定される。これにより、後カバー33は、横設設材105と共に、第1軸109A及び第2軸109Bを支点として上方に回動可能となる。後カバー33を上方に回動させることにより、後カバー33を開放することができる。
図7、図9、図10に示すように、ブラケット107は、後脚部94の前端に取り付けられた接続板94Aの後部に固定されている。シリンダ108は、湾曲部材106の下端部とブラケット107とを接続している。シリンダ108は、後カバー33を上方に回動させて開放する動作を補助する。
本実施形態の支持フレーム90によれば、前カバー34が架構体91により支持され、後カバー33が支持部92により支持される。即ち、前カバー34と後カバー33とが、支持フレーム90の架構体91と支持部92とにそれぞれ独立して支持される。言い換えれば、1つの支持フレーム90が、前カバー33を支持するための構造と、後カバー33を支持するための構造とを有している。そのため、前カバー34と後カバー33とを独立して開閉可能な構造を採ることが可能となる。これにより、メンテナンスが必要な部位に応じて、前カバー34と後カバー33とを選択的に開放することが可能となる。
また、前カバー34は、第1前部材98A、第1後部材98B、第2前部材99A及び第2後部材99Bの上面に、締結部材B1〜B7により固定されている。そのため、前カバー34を、第1支持体98の上面及び第2支持体99の上面に載置して、確実に支持することができる。また、締結部材B1〜B7の締結を解除することによって、前カバー34を第1支持体98及び第2支持体99から容易に取り外すことができる。
また、支持フレーム90の架構体91が、前脚部93、後脚部94、側脚部96及び架橋部97を有することによって、支持フレーム90が高い強度(剛性)を有するものとなる。また、キャビン3の後部が載置される架橋部97に、第1前部材98Aが接続されていることで、別部材を用いることなく架橋部97を利用して第1支持体98Aの強度を効果的に高めることができる。
<カバーと側部カバーの開閉>
上述した通り、左カバー31は、側脚部96に取り付けられたヒンジ196の縦軸196b回りに回動可能である。これにより、図41の仮想線(二点鎖線)に示すように、左カバー31を前方に向けて回動して開放することができる。
図42に示すように、右カバー32は、ヒンジ192を介して第2側部カバー37に取り付けられている。ヒンジ192は、縦軸192aと回動部材192bとを有している。回動部材192bは、縦軸192a回りに回動する。縦軸192aは、第2側部カバー37の内面に固定されたブラケット193に取り付けられている。回動部材192bは、右カバー32の前端部の内面に取り付けられている。そのため、右カバー32は、ヒンジ192の縦軸192a回りに回動可能である。これにより、図41の仮想線に示すように、右カバー32を前方に向けて回動して開放することができる。
また、上述した通り、後カバー33は、第1軸109A及び第2軸109Bを支点として上方に回動させることができる。これにより、図39の仮想線に示すように、後カバー33を上方に向けて回動して開放することができる。
さらに、上述した通り、前カバー34は、第1前部材98A、第1後部材98B、第2前部材99A及び第2後部材99Bと、締結部材B1〜B7により固定されている。そのため、締結部材B1〜B7の締結を解除することにより、図14に示すように、前カバー34を取り外して開放することができる。
このように、本実施形態の作業機1は、カバー30を構成する左カバー31、右カバー32、後カバー33、前カバー34を、全て開放することができる。これにより、エンジンルームERの4方向(左方、右方、後方、上方)を開放することが可能となる。そのため、エンジンルームER内に搭載された各種機器(エンジン10、油圧ポンプ11、ラジエータ14、バッテリ17等)へのアクセスが容易となり、メンテナンス性が向上する。
特に、前カバー34を開放することができるため、従来困難であったエンジンルームERの前部へのアクセスが可能となる。即ち、図14に示すように、前カバー34を開放する(取り外す)ことにより、第1後部材98Bの右端部と第2連絡部95Cの側板部95cとの間の空間S1や、第2前部材99Aと第2後部材99Bとの間の空間S2の上方が開放される。これにより、空間S1,S2の上方から、エンジン10の前部周辺にアクセスすることができ、エンジン10の前部周辺にある機器や配管のメンテナンスを行うことが可能となる。
また、本実施形態の作業機1は、カバー30に加えて、第1側部カバー36も開放することが可能である。すなわち、図42の仮想線に示すように、第1側部カバー36は、第2支持板89に固定されたフレーム190に取り付けられたヒンジ191を支点として、左上方に開放することができる。これにより、エンジンルームERと併せて側部ルームTRも開放することができる。そのため、エンジンルームERに搭載された機器だけでなく、側部ルームTR内に搭載された機器(燃料タンク19、コントロールバルブ20、作動油タンク21等)へのアクセスも容易であり、メンテナンス性に優れている。
<第1ブラケット、第2ブラケット>
図1〜図3に示すように、第1ブラケット(支持ブラケット)50は、第1板50A、第2板50B及び第3板50Cを有している。
第1板50Aは、第1枢軸51の一端側(右側)を支持する第1枢支部50aを有している。第2板50Bは、第1枢軸51の他端側(左側)を支持する第2枢支部50bを有している。第1枢軸51は、第1枢支部50aと第2枢支部50bとの間に支持される。図2に示すように、第1板50A及び第2板50Bは、第1支持板88の外面(上面及び前面)に接続されている。
第3板50Cは、第1板50Aと第2板50Bとを連結している。図2、図15等に示すように、第3板50Cは、第1支持板88の前方に且つ第1支持板88と間隔をあけて設けられている。第3板50Cは、切欠部50Dを形成する略U字状の縁部と、第3開口部50Eとを形成する環状の縁部とを有している。切欠部50Dは、第1支持板88に形成された第1開口部88aの前方に位置している。図2、図16に示すように、第3開口部50Eは、上下に長く形成された長穴であって、第2ブラケット55の右方と左方に夫々設けられている。第3開口部50Eは、第1支持板88に形成された第2開口部88bの前方に位置している。切欠部50Dには、後述する第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153が挿通される。第3開口部50Eには、後述する第4油圧ホース154が挿通される。
図1、図2等に示すように、第2ブラケット55は、第3板50Cの前面から前方に突出している。第2ブラケット55は、第1板55Aと第2板55Bとを有している。
第1板55Aは、第4枢軸54(図39参照)の一端側(右側)を支持する。第2板55Bは、第4枢軸54の他端側(左側)を支持する。図15等に示すように、第2ブラケット55により支持される第4枢軸54は、第1ブラケット50により支持される第1枢軸51の前方且つ下方に位置する。
尚、上述したように、別の実施形態として、支持板(第1支持板88,第2支持板89)を、第1縦リブ61と第2縦リブ62との間に設けた場合、第1ブラケット50を、第1縦リブ61及び第2縦リブ62と一体化してもよい。この場合、第1板50Aと第2縦リブ62とを単一部材で形成し、第2板50Bと第1縦リブ61とを単一部材で形成することができる。
また、第1支持板88と第1ブラケット50とを一体化する(単一部材で形成する)構成を採用することもできる。当該構成を採用した場合、第1支持板88は、第1ブラケット50の一部を構成する。この場合、第1ブラケット50(第1支持板88を含む)と、第1縦リブ61及び第2縦リブ62とを一体化する(単一部材で形成する)ことができる。さらに、支持ブラケット50の一部を構成する第1支持板88と、第2支持板89との間に段差を設けることができる。
<吸気室のホース配策>
図39、図41に示すように、エアコンユニット46は、エンジンルームERの前方であって、キャビン3の内部に配置されている。詳しくは、エアコンユニット46は、運転席6の下方且つキャビン3の底面を構成するステップ78(図19の仮想線参照)の上方に配置されている。エアコンユニット46は、第1縦リブ61の左方且つ第2仕切り板65の前方に位置している。エアコンユニット46は、コンデンサ16、コンプレッサ38及びレシーバ39と共に、キャビン3の内部を冷却するエアコンを構成している。
図17、図18に示すように、エンジンルームERの前方には、隔壁60が設けられている。隔壁60は、キャビン3の配置空間S3とエンジンルームERとを隔てている。隔壁60は、第1縦リブ61の左方において、第1仕切り板64の前方から第2仕切り板65の前方に渡って機体幅方向に延設されている。隔壁60は、第1区画板98dの前方を覆っている。
図20に示すように、壁板100にはシュラウド13が取り付けられている。シュラウド13は、円形の開口部を有する壁体13Aと、当該開口部に設けられた円筒13Bとを有している。壁体13Aは、壁板100の立ち上がり部100Aの後方且つ延設部100Bの下方に配置されている。円筒13Bの内側には、冷却ファン12が配置される。壁体13Aは、壁板100と共に、後述する吸気室R1の右壁を形成している。図17、図18、図21に示すように、壁体13Aの後上部は略円弧状に湾曲している。この湾曲は、
後カバー33の内面の湾曲と概ね対応している。また、壁体13Aの後上部には、ホース挿通部13aが設けられている。図17〜図19、図22に示すように、ホース挿通部13aには、第1ホース141と第2ホース142が挿通されている。第1ホース141は、コンプレッサ38とエアコンユニット46とを接続している。第2ホース142は、コンプレッサ38とコンデンサ16とを接続している。尚、図12、図20、図21では、ホースの図示を省略している。
図17等に示される吸気室R1は、ラジエータ14の熱交換等に用いられる冷気(外気)が取り入れられる空間である。吸気室R1は、第1区画板98d、壁板100、シュラウド13、左カバー31、後カバー33及び前カバー34により囲まれている。つまり、エンジンルームER内の左部空間が吸気室R1となっている。換言すれば、図17、図33に示すように、エンジンルームERは、壁板100及びシュラウド13によって、エンジン10が配置された空間(以下、駆動源室R2という)と吸気室R1とに仕切られている。尚、図17、図20では、エンジン10の図示を省略している。
図12、図17〜図19、図33に示すように、吸気室R1には、ラジエータ14、オイルクーラ15、コンデンサ16、レシーバ(受液器)39、エアクリーナ80、バッテリ17が配置されている。尚、図示の都合上、図17〜図19では、エアクリーナ80の図示を省略している。図12、図17〜図19では、バッテリ17の図示を省略している。
図17等に示すように、レシーバ39は、ラジエータ14の左方であって、且つオイルクーラ15及びコンデンサ16の後方に配置されている。コンデンサ16とレシーバ39とは、第3ホース143により接続されている。レシーバ39とエアコンユニット46とは、第4ホース144により接続されている。図12に示すように、エアクリーナ80は、オイルクーラ15及びコンデンサ16の前方に、縦向きに配置されている。エアクリーナ80の吸気管80Aは、オイルクーラ15及びコンデンサ16の左方に配置されている。図17、図33、図34に示すように、エアクリーナ80の排気管80Bは、壁板100の前上部を貫通して、駆動源室R2内のエンジン10の吸気マニホールドに接続されている。
図17、図20、図21に示すように、ラジエータ14は、シュラウド13の左方に配置されている。ラジエータ14の吸気面は、左方(シュラウド13及び冷却ファン12と反対側)に向いている。図21等に示すように、壁板100の延設部100Bには、ブラケット111が取り付けられている。ブラケット111には、ラジエータ14が固定されている。つまり、ラジエータ14は、ブラケット111を介して壁板100に固定されている。これにより、ラジエータ14を確実に位置決めして固定することができる。
図20、図22、図41に示すように、ラジエータ14の一方(右方)には、冷却ファン12の周囲を囲むシュラウド13が配置されている。図22に示すように、ラジエータ14の他方(左方)には、左カバー31の吸気口31aが設けられている。これにより、冷却ファン12を駆動させると、吸気口31aから吸気室R1に入ってラジエータ14の他方(左方)から一方(右方)に向かう空気の流れが形成される。
図19、図21等に示すように、ラジエータ14の他方(左方)には、ガイド板110が設けられている。ガイド板110は、ブラケット111に取り付けられており、ラジエータ14の他方(左方)(ラジエータ14から離れる方向)に向けて延設されている。
図21、図17〜図19に示すように、ガイド板110は、上部板110Aと側部板110Bとを有している。上部板110Aは、ラジエータ14の他方(左方)に配置されている。具体的には、上部板110Aは、ラジエータ14の上部(上縁)の左方に配置されている。本実施形態では、上部板110Aは、ラジエータ14の上部(上縁)の左方において、当該上部(上縁)に沿って前後の方向に延設されている。上板部110Aの上縁(後述する折り曲げ部110aの上縁)は、ラジエータ14の上縁と概ね同じ高さに位置している。上部板110Aの上面及び下面は、ラジエータ14の吸気面に対して略直角方向に配置されている。
図21、図17〜図19に示すように、側部板110Bは、上部板110Aの一方の側
端部(上板部110Aの上縁に沿う方向の一方の端部、本実施形態では前端部)から下方に延設されている。具体的には、側部板110Bは、ラジエータ14の前縁の左方に配置されている。本実施形態では、側部板110Bは、ラジエータ14の前縁の左方において、当該前縁に沿って上下の方向に延設されている。側部板110Bの前縁の前後位置は、ラジエータ14の前縁の前後位置と概ね同じである。側部板110Bの前面及び後面は、ラジエータ14の吸気面に対して略直角方向に配置されている。
図21、図17、図18に示すように、側部板110Bの内面(後面)には、取付枠110Cが固定されている。取付枠110Cは、第1縦枠110d、第2縦枠110e及び横枠110fを有している。第1縦枠110dは、側部板110Bの内面に沿って上下に延設されている。横枠110fは、第1縦枠110dの下端部から後方に延設されている。第2縦枠110fは、横枠110fの後端から上方に延設されている。
図17〜図19に示すように、オイルクーラ15、コンデンサ16及びレシーバ39は、上部板110Aの下方であって且つ側部板110Bの後方に配置されている。オイルクーラ15及びコンデンサ16は、取付枠110Cの第1縦枠110dに固定されている。レシーバ39は、取付枠110Cの第2縦枠110fに固定されている。
本実施形態の作業機1は、上述した形状のガイド板110(上部板110Aと側部板110B)が設けられていることにより、吸気口31aから吸気室R1に導入された外気(冷気)を、上部板110A及び側部板110Bにより案内してラジエータ14へと導くことができる。そのため、外気が効率良くラジエータ14の吸気面へと導かれることとなり、ラジエータ14の冷却効率を向上させることができる。
図19〜図22等に示すように、上部板110Aは、他方(左方)に延設された端部(左端部)に折り曲げ部110aを有している。折り曲げ部110aは、上板部110Aの左端部から上方且つ左方(左斜め上方)に折り曲げられている。折り曲げ部110aの上縁は、左カバー31の吸気口31aの上縁よりも上方に位置している。図22において、折り曲げ部110aの上縁の高さを符号H1で表し、左カバー31の吸気口31aの上縁の高さを符号H2で表している。図22の矢印Aに示すように、吸気口31aの上部付近から導入された外気は、折り曲げ部110aに当たって斜め下方に移動し、ラジエータ14へと向かう。そのため、吸気口31aから導入された外気を、より効率良くラジエータ14に導くことが可能となる。
また、側部板110Bは、ラジエータ14の前方にのみ設けられており、ラジエータ14の後方には設けられていない。そのため、吸気口31aを通して、機体2の左後方からエンジンルームER内に取り入れられた外気の流れが、側部板110Bにより妨げられることがない。
図17、図21等に示すように、上部板110Aは、切欠部110bを有している。切欠部110bは、上部板110Aの他方の側端部(後端部)と他方(左方)に延設された端部(左端部)とにより形成される角部に設けられている。図17〜図19に示すように、レシーバ39とエアコンユニット46とを接続する第4ホース144は、切欠部110bを通して上部板110Aの上面へと配策されている。このように、第4ホース144を切欠部110bを通して配策することにより、第4ホース144が上部板110Aの左方や後方に膨らむことが防がれる。そのため、第4ホース144が左カバー31の開閉の妨げになることを回避できる。
図17、図19、図21に示すように、上部板110Aの上面には、案内部110gが設けられている。図17、図19に示すように、案内部110gは、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144を後方から前方へと案内する。案内部110gは、L字状の金具から形成されており、上部板110Aの上面から上方に延びてから屈曲して右方に延びている。案内部110gと上板部110Aとの間に、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144が配置されている。案内部110gの右方は開放されているため、当該右方から第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144を差し入れて配置することができる。
図17に示すように、第1ホース141は、駆動源室R2内のコンプレッサ38からホ
ース挿通部13aを通って吸気室R1に入った後、吸気室R1内で前方に屈曲し、ガイド板110の上部板110Aの外側(上方)において上部板110Aの上面に沿って後方から前方へと延びている。さらに、図18、図19に示すように、第1ホース141は、上部板110Aの前端を越えてから下方に屈曲して側部板110Bの外側(前方)において側部板110Bの前面に沿って下方に延びている。さらに、第1ホース141は、側部板110Bよりも下方まで延びてから前方に屈曲し、第2仕切り板65の開口部65aを通って吸気室R1を出て、キャビンの配置空間S3内のエアコンユニット46と接続されている。
図17に示すように、第2ホース142は、駆動源室R2内のコンプレッサ38からホース挿通部13aを通って吸気室R1に入っている。さらに、図18、図19に示すように、第2ホース142は、吸気室R1内で前方に屈曲し、ガイド板110の上部板110Aの下方を通って後方から前方へと延び、コンデンサ16と接続されている。
図17〜図19に示すように、第3ホース143は、レシーバ39から上方に延びてから前方に向けて屈曲し、ガイド板110の上部板110Aの外側(上方)において上部板110Aの上面に沿って後方から前方へと延びた後、下方に屈曲して側部板110Bの外側(前方)において側部板110Bの前面に沿って下方に延びている。さらに、第3ホース143は、側部板110Bよりも下方まで延びてから後方に屈曲してコンデンサ16と接続されている。
図17〜図19に示すように、第4ホース144は、レシーバ39から上方に延びてから前方に向けて屈曲し、ガイド板110の上部板110Aの外側(上方)において上部板110Aの上面に沿って後方から前方へと延びた後、下方に屈曲して側部板110Bの外側(前方)において側部板110Bの前面に沿って下方に延びている。さらに、第4ホース144は、側部板110Bよりも下方まで延びてから前方に屈曲し、第2仕切り板65の開口部65aを通って吸気室R1を出て、キャビンの配置空間S3内のエアコンユニット46と接続されている。
上述したように、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144は、ガイド板110の外面(上部板110Aの上面及び側部板110Bの前面)の外側において当該外面に沿って配置されている。これにより、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144によってラジエータ14の吸気が妨げられることがなく、冷却効率を向上させることが可能となる。
また、上部板110Aに設けられた案内部110gにより、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144が、上部板110Aの外面(上面)に沿って案内される。そのため、第1ホース141、第3ホース143及び第4ホース144が、確実に上部板110Aの外面(上面)に沿って配置される。これにより、第1ホース141、第3ホース143、第4ホース144が、上部板110Aの上面から落ちてラジエータ14の吸気を妨げることを回避できる。
また、本実施形態のガイド板110は、上部板110Aを有しているが、ラジエータ14の下部(下縁)の左方に配置された下部板を有していない。仮に、下部板を設けたとしても、下板部は、ラジエータ14の吸気を妨げるためのホースの配置には殆ど寄与しない。ガイド板110の下部板を省略することで、ガイド板110の機能を損なうことなく形状を簡素化することができ、機体2の軽量化を図ることも可能となる。
<吸気室の仕切り>
図17〜図19に示すように、第2仕切り板65の開口部65aに対応する位置には、クランプ具125が設けられている。図23に示すように、クランプ具125は、保持部材126と押圧部材127とを有している。図24には押圧部材127を省略したクランプ具125を示し、図25にはクランプ具125を、図23、図24と反対側から(第2仕切り板65の前方から)見た図を示している。
保持部材126は、ゴム等の弾性変形可能な素材から形成されており、ホースを挿入する円形穴からなる挿入部128を有している。挿入部128の内径は、弾性変形前の状態では挿入されるホースの外径よりも大きく、弾性変形によってホースの外径以下に縮小す
る。挿入部128の数は、開口部65aを通過させるホースの本数に応じて設定される。本実施形態では、開口部65aを通過させるホースは4本であるため、挿入部128の数は4つである。以下、4つの挿入部128を左側から順に、第1挿入部128A,第2挿入部128B,第3挿入部128C,第4挿入部128Dと称する。
第1挿入部128Aには、レシーバ39とエアコンユニット46とを接続する第4ホース144が挿入される。第2挿入部128Bには、コンプレッサ38とエアコンユニット46とを接続する第1ホース141が挿入される。第3挿入部128Cには、オイルクーラ15とコントロールバルブ20とを接続する第5ホース145が挿入される。第4挿入部128Dには、オイルクーラ15と燃料フィルタ22とを接続する第6ホース146が挿入される。以下、挿入部128に挿入されるホースをまとめて「第1ホース141等」ということがある。
図23に示すように、本実施形態では、保持部材126は、第1保持部材129と第2保持部材130の2部材から構成されている。第1保持部材129は、挿入部128の一方側(上側)を形成する第1凹部128aを有している。第2保持部材130は、挿入部128の他方側(下側)を形成する第2凹部128bを有している。第1凹部128aの数と第2凹部128bの数は、挿入部128の数と同じである。
図24に示すように、第1保持部材129は略直方体状であり、上面129a、下面129b、後面129c、前面129c、右面129e、左面129fを有している。第1凹部128aは、下面129bを上方に向けて半円状に切り欠いて形成されている。第1保持部材129は、後面129cから前面129cに向けて貫通する貫通孔129gを有している。貫通孔129gは、第1保持部材129の左部と右部にそれぞれ形成されている。4つの第1凹部128aは、左部の貫通孔129gと右部の貫通孔129gの間に設けられている。
第2保持部材130は、第1保持部材129と同形状であり、第1保持部材129と上下を逆にして配置されている。第2保持部材130は、上面130a、下面130b、後面130c、前面130d、右面130e、左面130fを有している。第2凹部128bは、上面130aを下方に向けて半円状に切り欠いて形成されている。第2保持部材130は、後面130cから前面130dに向けて貫通する貫通孔130gを有している。貫通孔130gは、第2保持部材130の左部と右部にそれぞれ形成されている。4つの第2凹部128bは、左部の貫通孔130gと右部の貫通孔130gの間に設けられている。
図24に示すように、第1保持部材129の下面129bと第2保持部材130の上面130aとは当接して或いは近接して配置されている。これにより、第1凹部128aと第2凹部128bとが合わさって円形の挿入部128が形成されている。
保持部材126の外形は、第1保持部材129と第2保持部材130とを当接させた状態において、第2仕切り板65の開口部65aよりも一回り大きい。そのため、第1保持部材129の前面129cと、第2保持部材130の前面130dは、第2仕切り板65の開口部65aの範囲を越えて、開口部65aの周囲に当接している。
押圧部材127は、保持部材126を、挿入部128への第1ホース141等の挿入方向に押して弾性変形させる部材である。押圧部材127は、金属等の非弾性部材から形成されている。本実施形態では、押圧部材127は、第1押圧部材134と第2押圧部材135の2部材から構成されている。第1押圧部材134は、第1保持部材129を弾性変形させるための部材である。第2押圧部材135は、第2保持部材130を弾性変形させるための部材である。第1押圧部材134と第2押圧部材135とは同形状であり、第2押圧部材135は第1押圧部材134と上下を逆にして配置されている。押圧部材127(第1押圧部材134と第2押圧部材135)の幅(機体幅方向の長さ)は、保持部材126(第1保持部材129と第2保持部材130)の幅(機体幅方向の長さ)と略同じである。
図23に示すように、押圧部材127(第1押圧部材134と第2押圧部材135)は、押圧板131と、締結部材132と、規制部133とを有している。押圧板131は、
保持部材126の外面であって前記挿入方向と交差する面(後面129c、後面130c)に当接して設けられている。
押圧板131は、横部131aと縦部131bとを有している。横部131aは、挿入部128を覆わないように、第1保持部材129の上縁と第2保持部材130の下縁に沿って機体幅方向に延びている。縦部131bは、横部131aの機体幅方向の両端部から上方又は下方(第1押圧部材134では下方、第2押圧部材では上方)に延びている。縦部131bには、貫通孔131cが形成されている。貫通孔131cは、保持部材126の貫通孔129g及び貫通孔130gと重なる位置に配置される。
規制部133は、押圧板131と一体に形成されている。第1押圧部材134では、規制部133は押圧板131の上端部より屈曲されて前方に延出され、第1保持部材129の上面129aに当接している。これにより、規制部133は、第1保持部材129の外方(上方)への変形を規制する。第2押圧部材135では、規制部133は押圧板131の下端部より屈曲されて前方に延出され、第2保持部材130の下面130aに当接している。これにより、規制部133は、第2保持部材130の外方(下方)への変形を規制する。規制部133の前方への延出長さは、保持部材126の弾性変形前の厚みよりも僅かに小さく形成されている。これにより、保持部材126は、規制部133の延出長さと保持部材126の弾性変形前の厚みとの差D8(図23参照)だけ、厚み方向(前後方向)の弾性変形(厚さが小さくなる変形)が許容される。
締結部材132は、押圧板131を締め付けにより第1ホース141等の挿入方向に押す。本実施形態では、締結部材132としてボルトが使用されている。締結部材132は、貫通孔129gと貫通孔130gに挿通される。従って、締結部材132の数は、貫通孔129gと貫通孔130gの合計数と同じであり、本実施形態では締結部材132として4本のボルトが使用されている。図25に示すように、第2仕切り板65の開口部65aの近傍には、締結部材132であるボルトを締結可能な4つのねじ孔65bが形成されている。
図24に示すように、貫通孔129g及び貫通孔130gには、円筒形状のボス136が嵌め入れられている。ボス136は、金属等の非弾性部材から形成されている。ボス136の長さ(筒軸方向の長さ)は、保持部材126の弾性変形前の厚みよりも小さく形成されている。ボス136は、締結部材132による締め付け量を一定量以下に規制する規制部材136として機能する。言い換えれば、規制部材(ボス)136は、保持部材126の第1ホース141等の挿入方向への変形(厚み方向への変形)を一定量以下に規制する。つまり、保持部材126の弾性変形前の厚みとボス136の長さとの差D9(図24参照)が、保持部材126の厚み方向への最大変形量(変形代)となる。
図25に示すように、クランプ具125は、第2仕切り板65の開口部65aに対応する位置に取り付けられる。クランプ具125の取り付けは、保持部材126の貫通孔129g及び貫通孔130gと、押圧板131の貫通孔131cと、第2仕切り板65のねじ孔65bとを重ねて配置し、重なった孔に締結部材132を挿入してねじ孔65bに対して締結することにより行う。クランプ具125を第2仕切り板65に取り付けた状態において、挿入部128は開口部65aに連通する。これにより、図28に示すように、挿入部128に挿入された第1ホース141等は、開口部65aを通過して、第2仕切り板65の後方から前方へと至る。
クランプ具125を第2仕切り板65に取り付けた初期状態では、保持部材126は弾性変形していない。そのため、挿入部128の内径は、第1ホース141等の外径よりも僅かに大きい状態にある。この初期状態において、挿入部128に第1ホース141等を挿入してから、締結部材132を締め付ける。これにより、保持部材126は、押圧板131によって第2仕切り板65との間で押圧されて弾性変形する。このとき、保持部材126の上方及び下方への変形が規制部133により規制されているため、保持部材126は、内方(挿入部128の外径を縮小する方向)に向けて変形する。保持部材126が内方に変形することによって、挿入部128に挿入された第1ホース141等が締め付けられる。これにより、第1ホース141等がクランプ具125に保持された状態となる。
このように、締結部材132を締め付けることにより、押圧部材127にて保持部材126を第1ホース141等の挿入方向に押して変形させ、この変形により第1ホース141等を締め付けて保持する。このとき、保持部材126の変形方向(ホースの締め付け方向)は、第1ホース141等の挿入方向及び締結部材132の締め付け方向に対して直交する方向となる。つまり、第1ホース141等の挿入方向と締結部材132の締め付け方向は一致している。一方、第1ホース141等の挿入方向及び締結部材の締め付け方向と、第1ホース141等の締め付け方向とは90度異なっている。そのため、締結部材132を締め付けると、保持部材126が第2仕切り板65に密接されて取り付けられると共に、第1ホース141等が保持部材126により締め付けられる。
従って、本実施形態のクランプ具125によれば、保持部材126を第2仕切り板65に密接させて取り付ける作業と、第1ホース141等を保持部材126により締め付けて保持する作業とを、締結部材132を締め付けるという1つの作業で行うことが可能となる。言い換えれば、クランプ具125は、第1ホース141等を保持するクランプ具としての機能と、第2仕切り板65の開口部65aに第1ホース141等を挿通させつつ仕切る仕切り材としての機能とを併せ持つことができる。そのため、クランプ具と仕切り材とを別々に用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。また、締結部材132の締め付けにより、保持部材126が第2仕切り板65に密接されることで、良好なシール性が得られる。さらに、規制部材(ボス)136が設けられていることにより、締結部材132により保持部材126が過剰に締め付けられることが防がれる。
また、保持部材126を第1保持部材126Aと第2保持部材126Bとから構成することにより、ホースを挿入部128に挿入する作業を、第1保持部材126Aの第1凹部128aと第2保持部材126Bの第2凹部128bで挟むことにより行うことができる。そのため、ホースが長い場合であっても、ホースを挿入部128に挿入する作業を容易に行うことが可能となる。
尚、クランプ具125については、種々の変更形態を採用することができる。例えば、保持部材126について、第1保持部材126Aと第2保持部材126Bとを一体化した単一の部材で構成してもよい。また、押圧部材127について、第1押圧部材134と第2押圧部材135とを一体化した単一の部材で構成してもよい。保持部材126や押圧部材127を単一の部材で構成することにより、クランプ具125の部品点数を削減することが可能となる。
また、規制部133について、保持部材126の右面129e,130eと左面129f,130fにも当接させて、保持部材126の側方(右方と左方)への変形も規制する構成としてもよい。これにより、保持部材126を確実に内方(挿入部128の外径を縮小する方向)のみに変形させることが可能となる。
また、第2仕切り板65に締結部材132を締結可能なねじ孔を形成する代わりに、締結部材132と締結可能で且つ押圧板131の反対側に設けられた固定板材(図示せず)を使用し、当該固定板材を第2仕切り板65の開口部65aに対応する位置に固定してもよい。
図18、図19に示すように、クランプ具125の挿入部128に挿入された第1ホース141等は、第2仕切り板65の開口部65aを通って、第2仕切り板65の前方から後方へと延設される。これにより、第1ホース141等は、エンジンルームERの吸気室R1からキャビンの配置空間S3に延設される。
第2仕切り板65の開口部65aを通った4本のホースは、第2仕切り板65の前方に配置された各種機器と接続される。具体的には、コンプレッサ38と接続された第1ホース141は、エアコンユニット46と接続される。レシーバ39と接続された第4ホース144は、エアコンユニット46と接続される。オイルクーラ15と接続された第5ホース145は、コントロールバルブ20と接続される。オイルクーラ15と接続された第6ホース146は、燃料フィルタ22と接続される。
<コントロールバルブ>
図16、図26、図41に示すように、コントロールバルブ20は、作動油タンク21
の前方であって且つ燃料タンク19の後部上方に配置されている。燃料タンク19の後部上方には、受け板40が設けられている。コントロールバルブ20は、受け板40の上面に横置きで載置されている。コントロールバルブ20を構成する複数の制御弁は、長手方向(スプールの操作方向)に直交する方向(前後方向)に並んでいる。
図26、図27に示すように、コントロールバルブ20の後部には、ブロック状のバルブボディ20Aが配置されている。バルブボディ20Aには、アームシリンダ48を制御するアーム制御弁、作業具シリンダ48を制御する作業具制御弁、ブームシリンダ47を制御するブーム制御弁、インレット部等が集約して設けられている。コントロールバルブ20の前部には、ドーザ26を駆動するドーザシリンダを制御するドーザ用制御弁、旋回モータ112を制御する旋回用制御弁、走行装置4の走行モータを制御する走行用制御弁等が設けられている。尚、コントロールバルブ20を構成する制御弁の数、種類、配置は、作業機1の仕様に応じて変更可能である。
図27に示すように、バルブボディ20Aには、第1油圧ホース151、第2油圧ホース152、第3油圧ホース153、第4油圧ホース154が接続されている。インレット部には、第1油圧ホース151が接続されている。図26に示すように、第1油圧ホース151は、後述する接続具170を介して油圧ポンプ11と接続されている。アーム制御弁には、第2油圧ホース152が接続されている。第2油圧ホース152は、アームシリンダ48と接続されている。作業具制御弁には、第3油圧ホース153が接続されている。第3油圧ホース153は、作業具シリンダ48と接続されている。ブーム制御弁には、第4油圧ホース154が接続されている。第4油圧ホース154は、ブームシリンダ47と接続されている。
図27に示すように、バルブボディ20Aの後方に位置する制御弁には、第5油圧ホース155、第6油圧ホース156、第7油圧ホース157が接続されている。ドーザ用制御弁には、第5油圧ホース155が接続されている。第5油圧ホース155は、後述するロータリジョイント79を介してドーザシリンダと接続されている。走行用制御弁には、第6油圧ホース156が接続されている。第6油圧ホース156は、ロータリジョイント79を介して走行モータと接続されている。旋回用制御弁には、第7油圧ホース157が接続されている。第7油圧ホース157は、旋回モータ112と接続されている。尚、図16、図26においては、図示の都合上、第5油圧ホース155、第6油圧ホース156、第7油圧ホース157を省略している。
<油圧ポンプからコントロールバルブに至るホース>
コントロールバルブ20は、油圧ポンプ11により作動油タンク21から吸引された作動油を、第1油圧ホース151を介して受け入れて、当該作動油の各種油圧アクチュエータへの供給を制御する。
図26に示すように、油圧ポンプ11は第1仕切り板64の後方で且つ第2縦リブ62の左方に配置されている。コントロールバルブ20は、第1仕切り板64の前方で且つ第2縦リブ62の右方に配置されている。油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とは、第1仕切り板64と第2縦リブ62により仕切られている。油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とは、第1油圧ホース151により接続されている。
図26に示すように、第1油圧ホース151は、ポンプ側ホース(第1ホース)151Aとバルブ側ホース(第2ホース)151Bとから構成されている。図15、図16、図26〜図29に示すように、ポンプ側ホース151Aとバルブ側ホース151Bとは、接続具170を介して接続されている。
図29、図15に示すように、接続具170は、取付板170Aと接続管170Bとを有している。取付板170Aは、金属等の剛性材(非弾性材)から形成されている。取付板170Aは、第1仕切り板64の高板部64bの後面に固定されている。具体的には、取付板170Aは高板部64bに形成された開口部64d(図2、図3参照)に対応する位置に締結部材(ボルト)171により固定されている。取付板170Aは貫通孔(図示略)を有しており、この貫通孔に密接して接続管170Bが取り付けられている。
接続管170Bは、取付板170Aの貫通孔と、第1仕切り板64の開口部64dを貫
通している。これにより、図15に示すように、接続管170Bの一端部(後端部)は第1仕切り板64の後方に配置され、接続管170Bの他端部(前端部)は第1仕切り板64の前方に配置されている。接続管170Bの一端部には、ポンプ側ホース(第1ホース)151Aが接続されている。接続管170Bの他端部には、バルブ側ホース(第2ホース)151Bが接続されている。
図26に示すように、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを接続する第1油圧ホース151のうち、ポンプ側ホース151Aは、油圧ポンプ11から左方に屈曲し、第1仕切り板64に取り付けられた接続具170に接続されている。バルブ側ホース151Bは、接続具170から右方に屈曲してコントロールバルブ20に接続されている。つまり、第1油圧ホース151(ポンプ側ホース151A及びバルブ側ホース151B)は、平面視にて左方に凸となる略U字状に屈曲して、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを接続している。
ここで、仮に、第1油圧ホース151を1本のホースで構成した場合、第1油圧ホース151は全体として大きく略U字状に屈曲する。これに対して、本実施形態では、第1油圧ホース151を、ポンプ側ホース151Aとバルブ側ホース151Bとの2本のホースで構成することで、個々のホースの屈曲を小さくしている。つまり、ポンプ側ホース151Aの屈曲と、バルブ側ホース151Bの屈曲とが、共に小さくなっている。
図26に示すように、本実施形態の作業機1では、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20が、機体幅方向の同じ側(右側)に設けられている。これにより、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20との距離が小さくなっている。そのため、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを接続する油圧ホース(第1油圧ホース151)を短縮化できる。その結果、第1油圧ホース151を流通する作動油の圧力損失を低減することが可能となる。また、第1油圧ホース151が短縮化されることで、第1油圧ホース151の脈動による動きが少なくなり、他の機器と接触しにくくなる。
一方、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを1本の油圧ホースを接続する場合、作業機には様々な機器が搭載されているため、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを直線状に繋げることは難しく、1本の油圧ホースの中途部を大きく曲げて(屈曲させて)機器を迂回する必要がある。このように、1本の油圧ホースを曲げて接続した場合には、油圧ホースに作用する復元力(曲げを解消しようとする力)が大きくなる。つまり、第1油圧ホース151に対して略U字状の屈曲を解消しようとする大きな復元力が作用する。
このようなことから、本実施形態の作業機1では、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20との間に接続具170を接続し、ポンプ側ホース151Aとバルブ側ホース151Bとの2本で構成した第1油圧ホース151で、油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを接続している。即ち、ポンプ側ホース151Aとバルブ側ホース151Bとの間に接続具170を介在させることで、第1油圧ホース151の曲げをできるだけ少なくすることができる。つまり、1本の油圧ホースで油圧ポンプ11とコントロールバルブ20とを接続した場合に比べ、ポンプ側ホース151Aの曲げの大きさ、バルブ側ホース151Bの曲げの大きさが小さくすることができ、油圧ホースに作用する復元力を小さくすることができる。
また、本実施形態では、取付板170Aと接続管170Bとを有する接続具170を使用し、この接続具170を取付板170Aにより第1仕切り板64に取り付けている。そのため、取付板170Aを第1仕切り板64に密接して固定した後、接続管170Bに油圧ホースを接続することにより、第1仕切り板64の油圧ホースの通過部に隙間が生じることを防止することができる。そのため、エンジンルームERの遮蔽性を高めることができる。
また、接続具170は、第1仕切り板64に固定されている。詳しくは、高板部64bの上部に固定されている。そのため、後カバー33を取り外すことにより、接続具170に容易にアクセスすることができる。そのため、第1油圧ホース151の交換を容易に行うことが可能となる。
<縦リブ間のホースクランプ>
図16、図26、図27に示すように、第2油圧ホース152、第3油圧ホース153及び第4油圧ホース154は、コントロールバルブ20から左方に延びている。左方に延びた各油圧ホース152,153,154は、第2縦リブ62の中間部62dの上方を通って縦リブ空間S4に入り、縦リブ空間S4内で前方に延びている。
図15、図26、図27、図30に示すように、縦リブ空間S4には、ホースクランプ161が設けられている。更に、図15、図27に示すように、縦リブ空間S4には、ロータリジョイント79及び旋回モータ112が設けられている。ロータリジョイント79は、第1枢軸51の後方に設けられている。ホースクランプ161は、第1枢軸51の後方であって且つロータリジョイント79の回転軸心(旋回軸心Xと一致)より前方に設けられている。旋回モータ112は、ホースクランプ161の後方に設けられている。尚、図16、図26、図28では、ロータリジョイント79及び旋回モータ112の図示を省略している。
ロータリジョイント79は、旋回基板8の上方から下方へと作動油を供給するために、旋回基板8の上方の油圧ホースと旋回基板8の下方の油圧ホースとを接続する。図15に示すように、ロータリジョイント79は、アウタースリーブ79Aとインナーシャフト79Bとを有している。アウタースリーブ79Aは、略円筒状であって、旋回基板8の第5縁部85により形成される開口部に対応する位置に固定されている。アウタースリーブ79Aには、旋回基板8の下方において、ドーザシリンダに作動油を供給する油圧ホース(図示略)と、走行モータに作動油を供給する油圧ホース(図示略)が接続されている。インナーシャフト79Bは、アウタースリーブ79B内に回動自在に挿入されており、旋回基板8上に突出している。ロータリジョイント79の内部には、複数の油路が形成されている。
図27に示すように、第5油圧ホース155及び第6油圧ホース156は、コントロールバルブ20から左方に延びている。上述の通り、第5油圧ホース155は、コントロールバルブ20のドーザ用制御弁と接続されたホースである。第6油圧ホース156は、コントロールバルブ20の走行用制御弁と接続されたホースである。
左方に延びた第5油圧ホース155及び第6油圧ホース156は、第2縦リブ62の中間部62dの上方を通って縦リブ空間S4に入っている。第5油圧ホース155及び第6油圧ホース156は、縦リブ空間S4においてロータリジョイント79のインナーシャフト79Bに接続されている。尚、図27では、第5油圧ホース156及び第6油圧ホース156の一部を省略している。
図27に示すように、第2油圧ホース152、第3油圧ホース153及び第4油圧ホース154は、縦リブ空間S4内で前方に延びて、ホースクランプ161に到達している。
図31に示すように、ホースクランプ161は、下板161A、右脚部161B、左脚部161C、天板161D、連結部161E、保持部161F、ガイド部161Mを有している。
図30に示すように、下板161Aは、締結部材(ボルト)162により旋回基板8の上面に固定されている。右脚部161Bは、下板161Aの上面右部に立設されている。左脚部161Cは、下板161Aの上面左部に立設されている。天板161Dは、右脚部161Bの上部と左脚部161Cの上部とを連結している。連結部161Eは、天板161Dの下方且つ下板161Aの上方にて右脚部161Bと左脚部161Cとを連結している。保持部161Fは、右脚部161Bの上部と左脚部161Cの上部との間に渡って設けられている。ガイド部161Mは、略U字状の金具であって、右脚部161Bの前部と左脚部161Cの前部にそれぞれ取り付けられている。
図30に示すように、保持部161Fは、下板161G,上板161H,上保持部材161I,下保持部材161J,締結部材161Lを有している。下板161Gは、ボルトにより天板161Dの上面に固定されている。上保持部材161Iと下保持部材161Jとは、ゴム等の弾性部材から形成されている。上保持部材161Iは下面に半円状の切欠きを有し、下保持部材161Jは上面に半円状の切欠きを有している。上保持部材161
Iの切欠きを上部に配置し、下保持部材161Jの切欠きを下部に配置することで、ホースが挿通される円形の挿通部161Kが形成されている。挿通部161Kの数は、ホースクランプ161により保持されるホースの本数に応じて設定される。本実施形態では、ホースクランプ161に4本のホースが保持されるため、4つの挿通部161Kが形成されている。上板161Hは上保持部材161Iの上方に配置されており、下板161Gは下保持部材161Jの下方に配置されている。即ち、上板161Hと下板161Gとにより、上保持部材161I及び下保持部材161Jを上方と下方から挟んでいる。締結部材161Lは、上板161H,下板161G,上保持部材161I,下保持部材161Jを貫通して、天板161Dに形成された被締結部(雌ねじ)と締結されている。締結部材161Lを締め付けることにより、上保持部材161I及び下保持部材161Jが、上板161Hと下板161Gとの間で圧縮されて弾性変形する。これにより、挿通部161Kに挿通されたホースが締め付けられて保持される。
図31、図15に示すように、挿通部161Kには、一の油圧ホース(第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153)が前方から後方に向けて挿通されて保持される。また、図31に示すように、天板161D、右脚部161B、左脚部161C及び連結部161Eで囲まれる空間(囲み空間S5という)には、他の油圧ホース(第4油圧ホース154)が前方から後方に向けて挿通される。
図15に示すように、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153は、挿通部161Kから前方に延設されてから上方に屈曲し、第1支持板88の上部に形成された第1開口部88a及び第1ブラケット50に形成された切欠部50Dを通過する。第1開口部88a及び切欠部50Dを通過した第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153は、前方且つ上方に向けて延設され、第1枢軸51の上方を通過して機体2の外部に取り出されている。図15、図32に示すように、機体2の外部に取り出された第2油圧ホース152は、ブーム27の上面に取り付けられた第1配管58に接続されている。第1配管58は、アームシリンダ48と接続されている。機体外部に取り出された第3油圧ホース153は、ブーム27の上面に取り付けられた第2配管59に接続されている。第2配管59は、作業具シリンダ48と接続されている。本実施形態では、第1配管58及び第2配管59は、金属製のパイプから構成されている。
図15、図31に示すように、第4油圧ホース154は、ホースクランプ161の囲み空間S5を通って前方に延設されてから、第1支持板88の下部に形成された第2開口部88bと、第1ブラケット50の第3板50Cに形成された第3開口部50Eとを通過している。図15、図32に示すように、第3開口部50Eを通過した第4油圧ホース154は、第1枢軸51の下方且つ第4枢軸54の側方を通過して機体2の外部に取り出されている。機体2の外部に取り出された第4油圧ホース154は、ブームシリンダ47と接続されている。
上述したように、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153は、第1枢軸51の上方を通過して機体2の外部に取り出されている。そのため、ブーム27の基端を枢支する第1枢軸51を下方に移動させても、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153の機体2の外部に取り出しが阻害されることがない。そのため、本実施形態の作業機では、従来の作業機(例えば、特開2005−344301号公報の図5参照)に比べて、第1枢軸51を下方に位置させることが可能となる。具体的には、本実施形態の作業機1では、図42に示すように、第1枢軸51の軸心の高さH4が、ウエイト9の上端部の高さH3よりも低い位置にある。このように、第1枢軸51を下方に位置させることにより、作業機1の重心位置を下げることができ、安定性を向上させることが可能となる。
図15に示すように、ホースクランプ161と旋回軸心(縦軸)Xとの前後距離D1は、ホースクランプ161と第1枢軸(横軸)51の軸心との前後距離D2よりも小さい。また、図27に示すように、ホースクランプ161は、ロータリジョイント79の回転軸心(旋回軸心Xと一致)よりも前方且つ右方に設けられている。つまり、ホースクランプ161は、第1枢軸(横軸)51の軸心と旋回軸心(縦軸)Xとの前後の中間位置よりも後方且つロータリジョイント79の回転軸心(旋回軸心Xと一致)よりも前方の所定位置
に設けられている。尚、ホースクランプ161の位置は、挿通部161Kの前後中心で設定する。
ホースクランプ161が、上記所定位置に設けられているため、ブーム27を後方に揺動させたときに生じる第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153の弛みを、縦リブ空間S4内で許容することが可能となる(図15の仮想線参照)。また、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153が、ロータリジョイント79に干渉することも防がれる。
また、図15に示すように、保持部161Fは、第4枢軸54より高い位置であって且つ第1枢軸51より低い位置に設けられている。また、保持部161Fは、ロータリジョイント79の上端部よりも高い位置であって且つ旋回モータ112の上端部より低い位置に設けられている。そのため、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153は、第4枢軸54及びロータリジョイント79の上端部より上方であって、且つ第1枢軸51及び旋回モータ112の上端部よりも下方の所定高さに保持されている。
そのため、ブーム27を後方に揺動させた場合、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153の弛みを縦リブ空間S4内で許容することができる構造でありながら、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153が、ロータリジョイント79と接続された第5油圧ホース155及び第6油圧ホース156、旋回モータ112と接続された第7油圧ホース157と干渉することを防止することができる。
上述した通り、本実施形態のコントロールバルブ20では、アーム制御弁及び作業具制御弁は、ドーザ用制御弁、走行用制御弁、旋回用制御弁よりも前方に配置されている。そして、図27に示すように、アーム制御弁と接続された第2油圧ホース152と、作業具制御弁と接続された第3油圧ホース153とは、ホースクランプ161に向けて前方に延設される。これに対して、ドーザ用制御弁と接続された第5油圧ホース155と、走行用制御弁と接続された第6油圧ホース156は、ロータリジョイント79に向けて左方に向けて延設される。また、旋回用制御弁と接続された第7油圧ホース157は、旋回モータ112に向けて左方に向けて延設される。そのため、図27に示すように、前方に向かう第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153と、左方に向かう第5油圧ホース156、第6油圧ホース156、第7油圧ホース157とが、平面視において交差するものの、保持部161Fは、第4枢軸54より高く且つ第1枢軸51より低い、適正な所定高さに設けられているため、ブーム27を後方に揺動させたときに生じる第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153の弛みを、縦リブ空間S4内で許容することが可能となる。また、第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153が、ロータリジョイント79と接続された第5油圧ホース156及び第6油圧ホース156や、旋回モータ112と接続された第7油圧ホース157と干渉することも防がれる。
ガイド部161Mは、右脚部161B及び左脚部161Cの前方を横切って配策されるホース(パイロットホース160等)を案内する。即ち、パイロットホース160等を、右脚部161Bの前部のガイド部161Mと、左脚部161Cの前部のガイド部161Mとに支持させることで、パイロットホース160等を一の油圧ホース(第2油圧ホース152及び第3油圧ホース153)及び他の油圧ホース(第4油圧ホース154)と直交する方向に配策することができる。
<エンジンブラケット>
図33、図34に示すように、エンジン10は、エンジン支持体115を介して旋回基板8上に支持されている。エンジン支持体115は、エンジンブラケット116と、マウント部材117とを有している。エンジンブラケット116は、エンジン10の前部を支持する。マウント部材117は、エンジン10の後部を支持する。
図35に示すように、エンジンブラケット116は、取付部118と、防振材119と、支持脚120とを有している。取付部118は、第1取付部118Aと第2取付部118Bとを有している。第1取付部118Aの一端側(後部)は、締結部材(ボルト)によりエンジン10の右前部(第1部分)に取り付けられている。第2取付部118Bの一端側(後部)は、締結部材(ボルト)によりエンジン10の左前部(第2部分)に取り付け
られている。
防振材119は、第1取付部118Aの他端側(前部)と、第2取付部118Bの他端側(前部)とにそれぞれ取り付けられている。防振材119は、弾性体(防振ゴム)と金属板等とを一体化して形成されている。
支持脚120は、下板120Aと、上板120Bと、連結部120Cとを有している。下板120Aと上板120Bと連結部120Cとは、溶接等により一体に形成されている。
下板120Aは、平面視長方形の平板である。図34に示すように、下板120Aは、長方形の長辺方向が機体幅方向を向くように配置され、締結部材(ボルト)123により、旋回基板8の上面に固定されている。
図35に示すように、上板120Bは、下板120Aの上方に設けられており、機体幅方向に延びている。上板120Bの右部は、第1取付部118Aの他端側(前部)と接続されている。上板120Bの左部は、第2取付部118Bの他端側(前部)と接続されている。つまり、上板120Bは、第1取付部118Aの他端側(前部)と第2取付部118Bの他端側(前部)とを接続している。上板120Bの右部の上面120aと左部の上面120bには、それぞれ防振材119が固定されている。上板120Bは、右部の上面120aが左部の上面120bに比べて高くなるように傾斜している。
連結部120Cは、上板120Bと下板120Aとを、機体幅方向の一方(左方)側から他方(右方)側に渡って連結している。連結部120Cの下部は、上板120Bの上面に接続されている。連結部120Cの上部は、上板120Bの下面に接続されている。連結部120Cの上部は、右部から左部に向けて下向きに傾斜している。連結部120Cは、油圧ホースを挿通可能な開口部120Dを形成する環状の縁部を有している。これにより、油圧ホースを、エンジンブラケット116の開口部120Dを通して配策することができる。そのため、エンジンブラケット116が油圧ホースの配策の妨げとならない。
図36に示すように、エンジン10の後部を支持するマウント部材117は、第1マウント部材121及び第2マウント部材122を有している。第1マウント部材121と第2マウント部材122とは、別部材として構成されている。第1マウント部材121は、締結部材(ボルト)によりエンジン10の右後部(第3部分)に取り付けられている。第2マウント部材122は、締結部材(ボルト)によりエンジン10の左後部(第4部分)に取り付けられている。
図36に示すように、第1マウント部材121は、基板121Aと、取付片121Bと、防振材121Cとを有している。
図33に示すように、基板121Aは、締結部材(ボルト)により、旋回基板8上に立設された第1ステー74Aの上面に固定されている。取付片121Bは、締結部材(ボルト)によりエンジン10の右後部(第3部分)に取り付けられている。防振材121Cは、基板121Aの上部に固定されている。防振材121Cは、エンジンブラケット116の防振材119と同じ構造である。基板121Aと取付片121Bと防振材121Cとは一体化されている。
図36に示すように、第2マウント部材122は、基板122Aと、取付片122Bと、防振材122Cとを有している。
図33に示すように、基板122Aは、締結部材(ボルト)により、旋回基板8上に立設された第2ステー74Bに固定されている。取付片122Bは、締結部材(ボルト)によりエンジン10の左後部(第4部分)に取り付けられている。防振材122Cは、基板122Aの上部に固定されている。防振材122Cは、エンジンブラケット116の防振材119と同じ構造である。基板122Aと取付片122Bと防振材122Cとは一体化されている。
上述したように、本実施形態では、エンジン10の前部と後部とが異なる支持構造により旋回基板8上に支持されている。以下、この支持構造について詳しく説明する。
先ず、エンジン10の後部を支持する支持構造(第1支持構造という)について説明する。エンジン10の後部は、マウント部材117(第1マウント部材121及び第2マウ
ント部材122)により支持されている。マウント部材117は、旋回基板8上に溶接された支持ステー74に固定されている。つまり、エンジン10の後部は、支持ステー74を旋回基板8に溶接したうえで、支持ステー74にエンジン10に取り付けたマウント部材117を固定することにより、支持されている。つまり、エンジン10の後部は、旋回基板8に溶接された支持ステー74と、支持ステー74に固定されたマウント部材117により支持されている。
次に、エンジン10の前部を支持する支持構造(第2支持構造という)について説明する。エンジン10の前部は、エンジンブラケット116により支持されている。エンジンブラケット116は、旋回基板8に対して、溶接ではなく締結部材により固定されている。つまり、エンジン10の後部は、エンジンブラケット116のみで支持されており、旋回基板8に対する溶接はされていない。
従来、エンジンを旋回基板上に支持する構造としては、上述した第1支持構造のみが用いられるのが一般的であった。従って、旋回基板上のエンジン近傍の多数箇所(4〜5箇所程度)に支持ステーを溶接する必要があった。そのため、旋回基板に歪みが生じ易くなり、エンジン等に要求される位置精度を満たすことが難しい場合があった。また、位置精度を満たすために、溶接後に追加の機械加工が必要とされる場合もあった。
これに対して、本実施形態では、エンジン10の後部を、溶接を必要としない第2支持構造で支持している。そのため、旋回基板8に対する溶接箇所が少なくなり、旋回基板の歪みを防止して、エンジン等に要求される位置精度を容易に満たすことが可能となる。従って、位置精度を満たすための追加の機械加工も削減できる。
また、従来は、エンジンの複数箇所にマウント部材(防振ゴム等)をそれぞれ別個に組み付けた状態で、当該マウント部材を旋回基板上のステーの上面に固定するのが一般的であった。そのため、各マウント部材の位置がばらつくと、ステーの上面にマウント部材を固定したときに、マウント部材の防振ゴムにねじり負荷が加わった状態となる。防振ゴムにねじり負荷が加わった状態でマウント部材が固定されてしまうと、防振ゴムの耐久性が低下する虞がある。
これに対して、本実施形態では、エンジン10の後部は、エンジンブラケット116のみで支持されている。つまり、エンジンブラケット116が、従来のマウント部材とステーとを兼用している。そのため、マウント部材をステーに固定する作業が不要となる。また、エンジンブラケット116は、エンジン10の右前部と左前部とを一体的に支持している。つまり、エンジンの右前部と左前部とを別々のマウント部材で個別に支持しているのではなく、1つの部材で一体的に支持している。そのため、従来のようにマウント部材の位置のばらつきが生じることがない。これにより、エンジンブラケット116を旋回基板に固定する際に、防振ゴムにねじり負荷が加わることが防がれる。また、部品点数を削減することができ、製造効率を向上させることが可能となる。
尚、本実施形態では、エンジン10の前部に第2支持構造を採用し、エンジン10の後部に第1支持構造を採用しているが、エンジン10の後部に第2支持構造を採用し、エンジン10の前部に第1支持構造を採用してもよい。また、エンジン10の前部と後部の両方に第2支持構造を採用してもよい。
<マフラ・テールパイプ>
図33、図41、図42に示すように、エンジンルームERには、粒子除去装置18が設けられている。粒子除去装置18は、エンジン10からの排気(排出ガス)中の有害物質を含む微粒子を捕捉する。本実施形態では、粒子除去装置18は、DPF(Diesel Particulate Filter)マフラから構成されている。
図33、図41、図42に示すように、粒子除去装置18は、エンジン10の右方であって且つ油圧ポンプ11の上方に設けられている。図33、図37、図38に示すように、粒子除去装置18は、略円柱状の外形を有しており、円柱の中心軸方向を前後に向けて配置されている。粒子除去装置18の吸気口18aは、左方向きに開口しており、エンジン10の排気マニホールドと接続されている。粒子除去装置18の排気口18bは、上方向きに開口しており、排気管180の一端部が接続されている。
図35〜図38に示すように、排気管180は、円弧状に湾曲しており、他端部は斜め上後方を向いて開口している。排気管180の他端部には、テールパイプ181の一端部が接続されている。テールパイプ181の一端部の内径は、排気管180の他端部の外径より大きく、テールパイプ181の一端部に排気管180の他端部が外側から嵌められている。
図37等に示すように、排気管180とテールパイプ181との接続部の外面には、締結バンド185が装着されている。締結バンド185は、締め付けねじ186を有している。締め付けねじ186を締め付けることにより、締結バンド185が排気管180とテールパイプ181との接続部を外面から締め付ける。これにより、排気管180の他端部とテールパイプ181の一端部とが強固に接続される。
図36、図37等に示すように、テールパイプ181は、第1屈曲部181aと第2屈曲部181bとを有している。第1屈曲部181aは、排気管180の他端部から斜め上後方に延びてから上方に湾曲している。第2屈曲部181bは、第1屈曲部181aから連続して上方に延びてから後方に湾曲している。図41、図42に示すように、テールパイプ181の他端部(排気口)は、後カバー33に形成された開口部33aから上方に突出している。エンジン10からの排気は、粒子除去装置18を通って微粒子が除去された後、排気管180からテールパイプ181を通って機体2の外部に排出される。
図37、図38に示すように、粒子除去装置18の上部には、取付金具183を介してカバー182が取り付けられている。図35には、カバー182を省略して全ての取付金具183を示している。取付金具183は、排気管180の右方、左方、前方、後方にそれぞれ取り付けられている。取付金具183は、粒子除去装置18の上部に溶接等により固定されている。カバー182は、取付金具183に対して締結部材(ボルト)により取り付けられている。
カバー182は、粒子除去装置18の上部に概ね沿う形状とされている。具体的には、カバー182は、金属板を複数箇所で折り曲げて、正面視で略円弧状に形成されている。カバー182は、平坦な上面182aを有しており、この上面182aには、ブラケット184が取り付けられている。
図37等に示すように、ブラケット184は、基板184A、保持部184B、第1調整部184C、第2調整部184Dを有している。
基板184Aは、機体幅方向に延びる長穴184aを有している。長穴184aには締結部材(ボルト)187が挿通されており、締結部材187はカバー182の上面182aを貫通して被締結部材(ナット)(図示略)と締結されている。これにより、基板184Aがカバー182の上面182aに固定されている。基板184Aは、長穴184aに対する締結部材187の位置を調整することにより、長穴184aの長さ方向(機体幅方向)に移動することができる。つまり、締結部材187及び長穴184aは、カバー182に対するブラケット184の位置を調整するための第1調整部184Cとして機能する。
保持部184Bは、テールパイプ181を保持している。保持部184Bは、立設板184E、保持具184F、被締結部材(ナット)184gを有している。立設板184Eは、基板184Aの上面に溶接等により固定されて上方に延びている。立設板184Eは、テールパイプ181の第1屈曲部181aの左方を通って、第1屈曲部181aの基端付近の上方まで延びている。図37に示すように、立設板184Eの上部には、長穴184bが形成されている。立設板184Eの下部には、長穴184dが形成されている。長穴184b,184dは、間隔をあけて配置され、上方に向かうにつれて後方に向かうように傾斜して延びている。上部の長穴184bは、テールパイプ181の第1屈曲部181aの上方に位置している。下部の長穴184dは、テールパイプ181の第1屈曲部181aの下方に位置している。
保持具184Fは、U字状に屈曲された金具であって、一端部と他端部に雄ねじ部を有している。保持具184Fの一端部は長穴184bに挿入され、他端部は長穴184dに挿入されている。保持具184Fは、テールパイプ181の第1屈曲部181aの外面に
沿うように配置されている。具体的には、保持具184Fは、第1屈曲部181aの外面の下部から右部を経て上部に沿うように配置されている。
被締結部材(ナット)184Gは、立設板184Eの左方に配置されており、ワッシャを介して保持具184Fの一端部と他端部にそれぞれ締結されている。保持具184Fに形成されたねじ部に対して被締結部材(ナット)184Gを締め付けることにより、保持具184Fが立設板184Eに接近する。これにより、保持具184Fと立設板184Eとの間にテールパイプ181が保持される。
保持具184Fは、長穴184b,184dに対するねじ部及び被締結部材184Gの位置を調整することにより、長穴184b,184dの長さ方向(斜め上下方向)に移動することができる。保持具184Fが長穴184b,184dの長さ方向(斜め上下方向)に移動すると、保持具184Fに保持されたテールパイプ181の位置(立ち上がり角度)が変化する。つまり、保持具184Fのねじ部、長穴184b,184d及び被締結部材184Gは、ブラケット184に対するテールパイプ181の位置(立ち上がり角度)を調整するための第2調整部184Dとして機能する。
上述の通り、本実施形態の作業機1では、排気管180とテールパイプ181とを別体とし、テールパイプ181をブラケット184の保持部184Bに保持している。また、ブラケット184は、ブラケット184の位置を調整するための第1調整部184Cと、テールパイプ181の位置(立ち上がり角度)を調整するための第2調整部184Dとを有している。
これにより、テールパイプ181の他端部(排気口)の位置を調整することができる。そのため、後カバー33の開口部33aとテールパイプ181の他端部(排気口)との位置合わせを容易に行うことが可能となる。
以下、この後カバー33の開口部33aとテールパイプ181との位置合わせの方法について、より詳しく説明する。
上述した通り、第1調整部184Cにより、カバー182に対するブラケット184の位置を機体幅方向に調整することができる。これにより、図38の矢印B及び仮想線に示すように、ブラケット184に保持されたテールパイプ181の位置を機体幅方向に調整して、開口部33aの位置と合わせることができる。尚、開口部33aの幅(機体幅方向の長さ)は、テールパイプ181の外径よりも若干大きく形成されている。
また、第2調整部184Dにより、ブラケット184に対するテールパイプ181の位置(立ち上がり角度)を調整することができる。これにより、図37の矢印C及び仮想線に示すように、テールパイプ181の他端部(排気口)の位置を前後の方向に調整して、開口部33aの位置と合わせることができる。
また、テールパイプ181の他端部(排気口)の位置を調整することにより、後カバー33の開閉時に、後カバー33とテールパイプ181との干渉を回避することも可能となる。また、テールパイプ181をブラケット184により保持しているため、排気時等に排気管180及びテールパイプ181が振動しても、排気管180の根本への応力集中を回避できる。
<エンジンの配置>
図41に示すように、本実施形態の作業機1は、旋回軸心(縦軸X)とエンジン10の駆動軸心(油圧ポンプ11と接続されたエンジン10の出力軸の軸心)10Cとの前後距離D3は、旋回軸心(縦軸X)と第1枢軸(横軸)51の軸心との前後距離D4よりも大きい。つまり、本実施形態の作業機1は、ブーム27が枢支された第1枢軸51は旋回軸心から相対的に近い前方位置にあり、エンジン10は旋回軸心から相対的に遠い後方位置にある。別の言い方をすれば、従来の作業機(例えば、特開2006−144456号公報参照)と比較して、エンジン10が旋回軸心Xから後方に離れた位置にある。
また、キャビン3の後端部とエンジン10の駆動軸心10Cとの前後距離D5は、キャビン3の前端部と第1枢軸(横軸)51の軸心との前後距離D6よりも大きい。つまり、本実施形態の作業機1は、キャビン3との位置関係においても、従来の作業機と比較して、エンジン10が後方に離れた位置にある。
このように、従来の作業機と比べてエンジン10を後方に配置したことにより、作業機1の前部と後部との重量バランスが改善され、旋回台7の後部のウエイト9の重量を軽くすることが可能となる。そのため、作業機1全体の重量が軽くなり、燃費が向上し、ランニングコストを削減することが可能となる。
また、旋回基板8の形状に着目すると、図1に示すように、本実施形態の作業機1は、旋回軸心(縦軸X)と旋回基板8の後端部との前後距離D7が、旋回軸心(縦軸X)と第1枢軸(横軸)51の軸心との前後距離D4の2倍より大きい(即ち、D7>2×D4)。つまり、本実施形態の作業機1は、従来の作業機と比較して、旋回基板8の後端部が旋回軸心から後方に離れた位置にある。これにより、旋回基板8上の後部に広いスペースを確保することができ、エンジン10を旋回軸心から離れた後方に配置することが可能となる。
以上本発明について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。