以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図9を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示し、この油圧ショベル1は、左,右のクローラ(履帯)2Aを有する自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成され、作業装置4によって土砂の掘削作業等を行うものである。
ここで、上部旋回体3は、図2に示すように、下部走行体2の車幅(左,右のクローラ2Aの間隔)とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有し、後述するカウンタウエイト6が旋回中心に接近して配設されることにより、全体として非常にコンパクトに形成され、カウンタウエイト6の後面は上方からみて円弧状に形成されている。これにより、油圧ショベル1は、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回動作を行ったときに、上部旋回体3がほぼ下部走行体2の車幅内に収まる小旋回式の油圧ショベルとして構成されている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ10、カウンタウエイト6、エンジン7、外装カバー15、熱交換装置16等により構成されている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、図3および図4等に示すように、厚肉な鋼板等により形成され前,後方向に延びる底板5Aと、該底板5A上に立設され左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びる左,右の縦板5B,5Cと、底板5Aから左側に張出した複数の左張出しビーム5Dと、該各左張出しビーム5Dの先端側に固着され左縦板5Bに沿って前,後方向に延びる左サイドフレーム5Eと、底板5Aから右側に張出した右張出しビーム5Fと、該各右張出しビーム5Fの先端側に固着され、右縦板5Cに沿って前,後方向に延びると共に前部側が右縦板5Cに向けて屈曲した右サイドフレーム5Gとにより大略構成され、強固な支持構造体をなしている。
そして、左,右の縦板5B,5Cの前部側には、作業装置4の基端側(ブーム)が回動可能に取付けられ、左,右の縦板5B,5Cの後端側には、後述のカウンタウエイト6が取付けられる構成となっている。また、旋回フレーム5の後部左側には、底板5Aと左サイドフレーム5Eとの間を前,後方向に延びる補助ビーム5Hが設けられ、該補助ビーム5H上には後述の熱交換装置16が搭載される構成となっている。
6は旋回フレーム5の後端部に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト6は、作業装置4との重量バランスをとるものである。ここで、カウンタウエイト6は、その後面6Aが円弧状をなす重量物として形成され、旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5B,5C上に取付けられている。この場合、カウンタウエイト6は、上部旋回体3の旋回中心に近づけて前寄りに配置されており、上部旋回体3が旋回動作を行うときにカウンタウエイト6の後面6Aがほぼ下部走行体2の車幅内に収まるように構成されている。このため、カウンタウエイト6と後述のキャブ10との間の空間は、カウンタウエイト6を前寄りに配置した分だけ小さくなっている。
7はカウンタウエイト6よりも前側に位置して旋回フレーム5上に設けられたエンジンを示し、該エンジン7は、旋回フレーム5の左,右の縦板5B,5Cを跨いで左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。ここで、エンジン7は、吸込んだ空気(吸気)を各気筒(図示せず)に分配する吸気マニホールド7Aと、各気筒からの排気をまとめて排出する排気マニホールド7Bとを備え、排気マニホールド7Bの流出側には吸気の流量を増大させる過給機7C(ターボチャージャ)が設けられている。
8はエンジン7の左,右方向の一側(左側)に設けられた冷却ファンで、該冷却ファン8は、後述の熱交換装置16と左,右方向で対面している。そして、冷却ファン8は、エンジン7によって回転駆動されることにより外気を吸込み、この外気を冷却風として後述のラジエータ18、オイルクーラ21、インタクーラ27等に供給するものである。
9はエンジン7の左,右方向の他側(右側)に設けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ9は、エンジン7によって駆動されることにより、後述の作動油タンク12に貯溜された作動油を加圧し、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに向けて、後述の制御弁装置14を介して圧油として吐出するものである。そして、各種の油圧アクチュエータを駆動することにより加熱された作動油(戻り油)は、制御弁装置14を介して後述のオイルクーラ21に供給され、該オイルクーラ21によって冷却された状態で作動油タンク12に戻される構成となっている。
10はエンジン7よりも前側に配置され、旋回フレーム5の各縦板5B,5Cを挟んで左,右方向の一側(左側)に設けられたキャブを示し、該キャブ10は運転室を画成するものである。ここで、キャブ10は、前面10A、後面10B、左,右の側面10Cおよび上面10Dによって囲まれた箱形状をなし、キャブ10の内部には、オペレータが着席する運転席10E、オペレータによって操作される各種の操作機器等(図示せず)が設けられている。
また、図4に示すように、キャブ10の後面10Bには、上,下方向の中間部位から下端側にかけて前側に窪んだ凹窪部10Fが設けられている。これにより、凹窪部10Fと旋回フレーム5との間には空間11が形成され、この空間11内には、後述の流入側延長配管22、流出側延長配管23等が配置される構成となっている。
12は油圧ポンプ9よりも前側に配置され、旋回フレーム5の各縦板5B,5Cを挟んで左,右方向の他側(右側)に設けられた作動油タンクを示している。この作動油タンク12は、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに供給される作動油を貯えるもので、作動油タンク12の作動油流入口は配管等(図示せず)を介して油圧ポンプ9に接続されている。
一方、作動油タンク12の作動油戻り口には戻り配管12Aの一端側が接続され、この戻り配管12Aは、旋回フレーム5の右縦板5C上を超えて左,右の縦板5B,5C間に引出されている。そして、戻り配管12Aの他端側は、後述の流出側接続配管26等を介して後述するオイルクーラ21の流出口21Eに接続される構成となっている。
13は作動油タンク12の右側に隣接して設けられた燃料タンクを示している。この燃料タンク13は、エンジン7に供給される燃料を貯えるもので、配管等(図示せず)を介してエンジン7に接続されている。
14は作動油タンク12の前側に設けられた制御弁装置を示し、該制御弁装置14は、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに供給される圧油の方向を、キャブ10等に配置された操作機器(図示せず)の操作に応じて制御するものである。ここで、制御弁装置14の作動油流入口は配管等(図示せず)を介して油圧ポンプ9に接続され、制御弁装置14の作動油戻り口には戻り配管14Aの一端側が接続されている。そして、戻り配管14Aは、旋回フレーム5の右縦板5Cに形成された配管挿通孔(図示せず)を通じて左,右の縦板5B,5C間に引出され、戻り配管14Aの他端側は、後述の流入側接続配管25等を介して後述するオイルクーラ21の流入口21Dに接続される構成となっている。
15はキャブ10の後側から右側に亘って旋回フレーム5上に設けられた外装カバーを示し、この外装カバー15は、エンジン7、冷却ファン8、油圧ポンプ9、制御弁装置14、後述の熱交換装置16等を覆うものである。ここで、外装カバー15には、空気吸込口15Aと空気排出口(図示せず)とが設けられ、エンジン7によって冷却ファン8が回転駆動されることにより、空気吸込口15Aを通じて外装カバー15内に外気が吸込まれ、この外気が冷却風となって後述の熱交換装置16に供給された後、空気排出口を通じて外部に排出される構成となっている。
次に、16は本実施の形態による熱交換装置を示し、該熱交換装置16は、エンジン7の左側に設けられた冷却ファン8と対面して配置され、キャブ10の後面10Bとカウンタウエイト6との間に設けられている。ここで、熱交換装置16は、図5ないし図7等に示すように、後述の支持枠体17、ラジエータ18、オイルクーラ組立体20、インタクーラ27等により構成されている。
17は熱交換装置16の外枠をなす支持枠体を示し、該支持枠体17は、ラジエータ18、オイルクーラ組立体20、インタクーラ27を支持するものである。ここで、支持枠体17は、前縦板17Aと、この前縦板17Aと前,後方向で対面する後縦板17Bと、各縦板17A,17Bの上端側を連結する上側連結板17Cと、各縦板17A,17Bの下端側を連結する下側連結板17Dとにより、全体として四角形の枠状に形成されている。そして、支持枠体17は、例えば下側連結板17Dの下端部が旋回フレーム5の補助ビーム5H上にボルト締めされることにより、旋回フレーム5上に立設されるものである。
18はカウンタウエイト6の前側に隣接して配置されたラジエータを示し、該ラジエータ18は、支持枠体17のうち冷却ファン8と対面する面に取付けられている(図3参照)。ここで、ラジエータ18は、上,下方向に延びる長方形状の放熱部18Aと、該放熱部18Aを挟んで上,下に配置された上部タンク18Bおよび下部タンク18Cとにより大略構成され、上部タンク18Bには流入口18Dが突設され、下部タンク18Cには流出口18Eが突設されている。
そして、上部タンク18Bの流入口18Dと、下部タンク18Cの流出口18Eとは、それぞれ図3に示す冷却水ホース19を介してエンジン7のウォータジャケット(図示せず)に接続されている。そして、エンジン7の作動によって加熱されたエンジン冷却水は、流入側の冷却水ホース19を通じてラジエータ18の上部タンク18Bから放熱部18Aに流入し、この放熱部18Aで冷却された後、下部タンク18Cから流出側の冷却水ホース19を通じてエンジン7のウォータジャケットに環流する構成となっている。
次に、20はラジエータ18と前,後方向に並んで支持枠体17に取付けられたオイルクーラ組立体を示している。そして、このオイルクーラ組立体20は、図7に示すように、後述のオイルクーラ21と、流入側延長配管22と、流出側延長配管23とにより構成されている。
21はオイルクーラ組立体20の主要部をなすオイルクーラで、該オイルクーラ21は、支持枠体17に取付けられることにより、キャブ10の後面10Bの後側に隣接し、ラジエータ18に対し前,後方向に並んで配置されている(図3参照)。ここで、オイルクーラ21は、図7に示すように、上,下方向に延びる長方形状の放熱部21Aと、該放熱部21Aを挟んで上,下に配置された上部タンク21Bおよび下部タンク21Cとにより大略構成されている。
また、上部タンク21Bのうちキャブ10の後面10Bと対面する部位には、キャブ10側に突出すると共に突出端側が下向きに屈曲した流入口21Dが設けられ、下部タンク21Cのうちキャブ10の後面10Bと対面する部位には、キャブ10側に突出すると共に突出端側が上向きに屈曲した流出口21Eが設けられている。そして、上部タンク21Bの流入口21Dには後述の流入側延長配管22が接続され、下部タンク21Cの流出口21Eには後述の流出側延長配管23が接続されている。
22はオイルクーラ21の流入口21Dに一端側が接続された流入側延長配管で、該流入側延長配管22は、流入口21Dから鉛直下向きに延びる鉛直部22Aと、該鉛直部22Aの下端側から左,右方向に斜め下向きに折曲げられた折曲部22Bとにより構成されている。そして、流入側延長配管22の一端側となる鉛直部22Aの上端側は、後述の可撓性継手24を用いてオイルクーラ21の流入口21Dに接続されている。
23はオイルクーラ21の流出口21Eに一端側が接続された流出側延長配管で、該流出側延長配管23は、流出口21Eから鉛直上向きに延びる鉛直部23Aと、該鉛直部23Aの上端側から左,右方向に斜め下向きに折曲げられた折曲部23Bとにより構成されている。そして、流出側延長配管23の一端側となる鉛直部23Aの下端側は、後述の可撓性継手24を用いてオイルクーラ21の流出口21Eに接続されている。
このように、本実施の形態では、流入側延長配管22の鉛直部22Aをオイルクーラ21の流入口21Dに予め接続し、流出側延長配管23の鉛直部23Aをオイルクーラ21の流出口21Eに予め接続することにより、オイルクーラ21と、流入側延長配管22と、流出側延長配管23とからなるオイルクーラ組立体20を構成している。
そして、オイルクーラ組立体20(オイルクーラ21)を、ラジエータ18と後述のインタクーラ27と共に支持枠体17に取付けることにより、油圧ショベル1の組立ラインとは別の場所で、1つのユニット化された熱交換装置16を予め形成し、この熱交換装置16を旋回フレーム5の補助ビーム5Hに取付けることにより、冷却ファン8に対面させてキャブ10の後面10Bとカウンタウエイト6との間に配設する構成となっている。
ここで、図3および図4に示すように、流入側延長配管22の鉛直部22Aと流出側延長配管23の鉛直部23Aとは、キャブ10の凹窪部10Fと旋回フレーム5との間に形成された空間11内に配置されている。これにより、流入側延長配管22、流出側延長配管23が脈動等を生じたとしても、これら流入側延長配管22、流出側延長配管23が熱交換装置16の支持枠体17やキャブ10等に接触するのを抑えることができる構成となっている。
一方、流入側延長配管22の他端側となる折曲部22Bの先端部と、流出側延長配管23の他端側となる折曲部23Bの先端部とは、キャブ10の右側の側面10Cから右側へと延び、旋回フレーム5の左縦板5Bに形成された配管挿通孔5J(図4参照)を通じて、左縦板5Bと右縦板5Cとの間に引出されて配置されている。これにより、流入側延長配管22の他端側に後述の流入側接続配管25を接続し、流出側延長配管23の他端側に後述の流出側接続配管26を接続するときに、流入側延長配管22の他端側と流出側延長配管23の他端側の周囲に大きな作業スペースを確保することができる構成となっている。
24は流入側延長配管22の鉛直部22Aとオイルクーラ21の流入口21Dとの間に設けられた可撓性継手(フレキシブルカップリング)を示している。この可撓性継手24は、可撓性を有する材料を用いて円筒状に形成され、鉛直部22Aと流入口21Dとの間を接続する接続筒部24Aと、該接続筒部24Aの両端側を流入側延長配管22の鉛直部22Aとオイルクーラ21の流入口21Dとにそれぞれ締着させる締着具24Bとにより構成されている。
そして、可撓性継手24は、流入側延長配管22の鉛直部22Aとオイルクーラ21の流入口21Dとが芯ずれを生じたとしても、両者間を接続する接続筒部24Aが撓み変形することにより、流入側延長配管22の鉛直部22Aとオイルクーラ21の流入口21Dとの芯ずれを吸収し、両者間を確実に接続することができるものである。また、流出側延長配管23の鉛直部23Aとオイルクーラ21の流出口21Eとの間にも可撓性継手24が設けられ、該可撓性継手24によって、流出側延長配管23の鉛直部23Aとオイルクーラ21の流出口21Eとの間が確実に接続されている。
25はオイルクーラ組立体20を構成する流入側延長配管22と制御弁装置14の戻り配管14Aとの間を接続する流入側接続配管を示し、該流入側接続配管25は、図3に示すように、旋回フレーム5の左,右の縦板5B,5C間を左,右方向に延びている。そして、流入側接続配管25の一端側は、左,右の縦板5B,5C間に配置された流入側延長配管22の折曲部22Bに接続され、流入側接続配管25の他端側は、左,右の縦板5B,5C間に配置された制御弁装置14の戻り配管14Aに接続されている。
26はオイルクーラ組立体20を構成する流出側延長配管23と作動油タンク12の戻り配管12Aとの間を接続する流出側接続配管を示し、該流出側接続配管26は、旋回フレーム5の左,右の縦板5B,5C間を左,右方向に延びている。そして、流出側接続配管26の一端側は、左,右の縦板5B,5C間に配置された流出側延長配管23の折曲部23Bに接続され、流出側接続配管26の他端側は、左,右の縦板5B,5C間に配置された作動油タンク12の戻り配管12Aに接続されている。
そして、油圧ショベル1に搭載された油圧アクチュエータから制御弁装置14の作動油戻り口へと戻る加熱された作動油(戻り油)は、戻り配管14A、流入側接続配管25、流入側延長配管22等を通じてオイルクーラ21の上部タンク21Bに流入し、該上部タンク21Bから放熱部21Aを通じて下部タンク21Cへと流下する間に放熱部21Aによって冷却される。そして、冷却された作動油は、下部タンク21Cから流出側延長配管23、流出側接続配管26、戻り配管12A等を通じて作動油タンク12に環流する構成となっている。
27はラジエータ18、オイルクーラ組立体20と共に支持枠体17に取付けられたインタクーラで、該インタクーラ27は、冷却ファン8による冷却風の流れ方向において、ラジエータ18およびオイルクーラ21よりも上流側に配置されている(図3参照)。ここで、インタクーラ27は、放熱部27Aと該放熱部27Aを挟んで前,後に配置された前部タンク27Bおよび後部タンク27Cとにより大略構成され、前部タンク27Bの上端側には流入口27Dが突設され、後部タンク27Cの上端側には流出口27Eが突設されている。
また、図3に示すように、前部タンク27Bの流入口27Dは、流入側エアホース28を介してエンジン7の過給機7Cに接続され、後部タンク27Cの流出口27Eは、流出側エアホース29を介してエンジン7の吸気マニホールド7Aに接続されている。そして、エンジン7の過給機7Cから供給される吸気は、流入側エアホース28を通じてインタクーラ27の前部タンク27Bから放熱部27Aに流入し、この放熱部27Aで冷却された後、後部タンク27Cから流出側エアホース29を通じてエンジン7の吸気マニホールド7Aに流出する構成となっている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1を用いて土砂の掘削作業等を行うときには、まず、エンジン7を作動させて油圧ポンプ9を駆動する。そして、オペレータがキャブ10内に配置された操作機器を操作することにより、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4によって土砂等の掘削作業を行うことができる。
ここで、油圧ショベル1が稼動しているときには、冷却ファン8がエンジン7によって回転駆動されることにより、外装カバー15の空気吸込口15Aを通じて外装カバー15内に外気が吸込まれ、この外気は冷却風となって熱交換装置16のインタクーラ27からラジエータ18およびオイルクーラ21に供給される。
これにより、インタクーラ27は、エンジン7の過給機7Cから供給される吸気を冷却して吸気マニホールド7Aへと導出する。また、ラジエータ18は、エンジン7の作動によって加熱されたエンジン冷却水を冷却してウォータジャケットに還流させる。さらに、オイルクーラ21は、油圧アクチュエータから制御弁装置14の作動油戻り口へと戻る加熱された作動油(戻り油)を冷却し、この冷却された作動油を作動油タンク12に環流させる。
ここで、本実施の形態による油圧ショベル1は、オイルクーラ21の流入口21Dに予め流入側延長配管22の一端側を接続すると共に、流出口21Eに予め流出側延長配管23の一端側を接続したオイルクーラ組立体20を構成し、このオイルクーラ組立体20を、インタクーラ27、ラジエータ18と共に支持枠体17に取付けて熱交換装置16を構成することにより、旋回フレーム5に熱交換装置16を組付けるときの作業性を高めることができるようになっており、以下、旋回フレーム5に熱交換装置16を組付ける作業について説明する。
まず、旋回フレーム5にエンジン7等の搭載機器を取付ける組立ラインとは別の場所において、図7に示すように、オイルクーラ21の流入口21Dに可撓性継手24を介して流入側延長配管22を接続し、オイルクーラ21の流出口21Eに可撓性継手24を介して流出側延長配管23を接続することにより、オイルクーラ組立体20を予め組立てる。
そして、図5および図6に示すように、支持枠体17に対し、ラジエータ18と、オイルクーラ組立体20と、インタクーラ27とを取付けることにより、1つのユニット化された熱交換装置16を組立てる。
次に、例えば図8に示すように、旋回フレーム5上に、冷却ファン8および油圧ポンプ9を取付けたエンジン7と、キャブ10と、作動油タンク12と、制御弁装置14とを配設する。そして、作動油タンク12に取付けた戻り配管12Aの先端部と、制御弁装置14に取付けた戻り配管14Aの先端部とを、旋回フレーム5の左,右の縦板5B,5C間に引出した状態で、図9に示すように、熱交換装置16を旋回フレーム5の補助ビーム5H上に取付ける。
この場合、熱交換装置16を構成するオイルクーラ組立体20は、キャブ10の後面10Bに隣接して配置され、オイルクーラ21の流入口21Dと流出口21Eとは、キャブ10の後面10Bと対面する部位に設けられている。
これに対し、熱交換装置16を構成するオイルクーラ組立体20は、オイルクーラ21の流入口21Dに予め流入側延長配管22を接続すると共に、オイルクーラ21の流出口21Eに流出側延長配管23を予め接続している。このため、旋回フレーム5上に熱交換装置16を取付けた後に、キャブ10の後面10Bとオイルクーラ21との間の狭隘な作業スペース内で、オイルクーラ21の流入口21Dと流出口21Eとに流入側延長配管22と流出側延長配管23とを接続する煩雑な配管作業を不要とすることができる。
しかも、キャブ10の後面10Bには前方に向けて窪んだ凹窪部10Fが設けられ、この凹窪部10Fと旋回フレーム5との間には空間11が形成されている。このため、オイルクーラ21の流入口21Dに接続された流入側延長配管22の鉛直部22Aと、オイルクーラ21の流出口21Eに接続された流出側延長配管23の鉛直部23Aとを、空間11内に余裕をもって配置することができ、これら流入側延長配管22および流出側延長配管23が、熱交換装置16の支持枠体17やキャブ10に接触して破損するのを抑えることができる。
そして、熱交換装置16を旋回フレーム5の補助ビーム5H上に取付けた後には、オイルクーラ21の流入口21Dに接続された流入側延長配管22の折曲部22Bの先端部と、オイルクーラ21の流出口21Eに接続された流出側延長配管23の折曲部23Bの先端部とを、旋回フレーム5の左縦板5Bに設けた配管挿通孔5Jを通じて左,右の縦板5B,5C間に引出す。
この状態で、図3に示すように、左,右の縦板5B,5C間に引出した流入側延長配管22の折曲部22Bと、左,右の縦板5B,5C間に引出した制御弁装置14の戻り配管14Aとを、流入側接続配管25を用いて接続する。また、左,右の縦板5B,5C間に引出した流出側延長配管23の折曲部23Bと、左,右の縦板5B,5C間に引出した作動油タンク12の戻り配管12Aとを、流出側接続配管26を用いて接続する。これにより、オイルクーラ21と制御弁装置14との間を、流入側延長配管22、流入側接続配管25等を介して接続することができ、オイルクーラ21と作動油タンク12との間を、流出側延長配管23、流出側接続配管26等を介して接続することができる。
この場合、本実施の形態においては、オイルクーラ21の流入口21Dに接続した流入側延長配管22の先端部と、オイルクーラ21の流出口21Eに接続した流出側延長配管23の先端部とを、旋回フレーム5の左,右の縦板5B,5C間に引出す構成としたので、これら流入側延長配管22の先端部と流出側延長配管23の先端部の周囲に大きな作業スペースを確保することができる。
この結果、オイルクーラ21をキャブ10の後面10Bに隣接して配置した場合でも、流入側延長配管22の先端部に流入側接続配管25を接続し、流出側延長配管23の先端部に流出側接続配管26を接続する作業を、左,右の縦板5B,5C間の大きな作業スペース内で余裕をもって行うことができ、その作業性を高めることができる。しかも、上述したオイルクーラ21と制御弁装置14との間の配管作業、およびオイルクーラ21と作動油タンク12との間の配管作業を、左,右の縦板5B,5C間の大きな作業スペース内で確実に行うことにより、配管作業の信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態においては、オイルクーラ21の流入口21Dと流入側延長配管22との間を可撓性継手24を介して接続すると共に、オイルクーラ21の流出口21Eと流出側延長配管23との間を可撓性継手24を介して接続する構成としている。このため、流入側延長配管22と制御弁装置14の戻り配管14Aとの間を流入側接続配管25を用いて接続するときに、流入側延長配管22とオイルクーラ21の流入口21Dとが芯ずれを生じたとしても、両者間を接続する接続筒部24Aが撓み変形することにより、流入側延長配管22とオイルクーラ21の流入口21Dとの芯ずれを吸収することができ、オイルクーラ21と制御弁装置14との間の配管作業を迅速かつ容易に行うことができる。また、流出側延長配管23と作動油タンク12の戻り配管12Aとの間を流出側接続配管26を用いて接続するときに、流出側延長配管23とオイルクーラ21の流出口21Eとが芯ずれを生じたとしても、両者間を接続する接続筒部24Aが撓み変形することにより、流出側延長配管23とオイルクーラ21の流出口21Eとの芯ずれを吸収することができ、オイルクーラ21と作動油タンク12との間の配管作業を迅速かつ容易に行うことができる。
なお、上述した実施の形態では、制御弁装置14の作動油戻り口に戻り配管14Aを接続し、この戻り配管14Aとオイルクーラ21の流入側延長配管22との間を流入側接続配管25を用いて接続する構成とし、作動油タンク12の作動油戻り口に戻り配管12Aを接続し、この戻り配管12Aとオイルクーラ21の流出側延長配管23との間を流出側接続配管26を用いて接続する構成を例示している。
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば制御弁装置14の作動油戻り口に流入側接続配管25の一端側を直接的に接続し、この流入側接続配管25の他端側をオイルクーラ21の流入側延長配管22に接続する構成とし、作動油タンク12の作動油戻り口に流出側接続配管26の一端側を直接的に接続し、この流出側接続配管26の他端側をオイルクーラ21の流出側延長配管23に接続する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、熱交換装置16をラジエータ18、オイルクーラ組立体20、インタクーラ27等によって構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばインタクーラ27に代えて、空調装置に用いられる冷媒を冷却するコンデンサ、燃料クーラ等を設ける構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、エンジン7によって回転駆動される冷却ファン8によって冷却風を発生させる場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば電動ファン等を用いて冷却風を発生させる構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。