JP2001090111A - 旋回式建設機械 - Google Patents

旋回式建設機械

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JP2001090111A
JP2001090111A JP26934099A JP26934099A JP2001090111A JP 2001090111 A JP2001090111 A JP 2001090111A JP 26934099 A JP26934099 A JP 26934099A JP 26934099 A JP26934099 A JP 26934099A JP 2001090111 A JP2001090111 A JP 2001090111A
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Japan
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revolving
rear end
counterweight
slope
lower traveling
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JP26934099A
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English (en)
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Takayoshi Murahashi
高嘉 村橋
Yasushi Kodashiseki
康司 小出石
Nozomi Tanaka
望 田中
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路幅の狭い山岳道路において旋回しながら
作業可能としつつ、大型の作業装置を使用可能とする。 【解決手段】 上部旋回体2は旋回フレーム3上に、キ
ャブ5、原動機室を画成する建屋カバー6、コントロー
ルバルブ、カウンタウエイト11等を設ける構成とし、
全体を旋回中心からカウンタウエイト11後面側までの
後端旋回半径Rの仮想円内に収める。そして、この後端
旋回半径Rは、車幅寸法Wの半分の寸法(W/2)、道
路幅寸法W0 と車幅寸法Wとの差によるマージンMおよ
び斜面の傾斜に応じた突出寸法Aを加えた値に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の旋回式建設機械に関し、特に道路幅が狭い山岳道
路の開設に用いて好適な旋回式建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、土砂等の掘削作業に好適に用い
られる旋回式建設機械は、下部走行体と、該下部走行体
上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体
の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略
構成されている。そして、旋回式建設機械が油圧ショベ
ルである場合には、作業装置はブーム、アーム、バケッ
ト等により構成されている。
【0003】また、この種の従来技術による油圧ショベ
ルのうち、中型(例えば30トン級)の標準機種では、
10〜20トン級の機種に比べて大型の作業装置が取り
付けられている。このため、中型の標準機種では、作業
装置とバランスをとるために、カウンタウエイトの後端
部が下部走行体から大きく後方に突出する構成となって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による中型の標準機種からなる油圧ショベルで
は、カウンタウエイトの後端部が下部走行体から大きく
後方に突出しているから、上部旋回体を旋回させるため
には広い作業領域を確保する必要がある。
【0005】一方、山岳の斜面に沿って設けられる山岳
道路は、林業、治山等への使用を目的とするため、その
道路幅が普通乗用車等が対面走行可能とすればよく、こ
のときの道路幅は、3.5m程度とすることが一般的で
ある。
【0006】このため、このような山岳道路を斜面に開
設する場合にあっては、道路幅の狭い山岳道路で上部旋
回体を旋回可能とするために、山側の斜面を必要以上に
掘削する余掘を行う必要があるという問題がある。
【0007】一方、10〜20トン級の機種を用いた場
合には、30トン級のものに比べて上部旋回体が小さく
なるため、山岳道路であっても余掘をすることなく上部
旋回体を旋回することが可能である。しかし、この場合
には、ブーム、アーム、バケット等の作業装置も小型化
するため、掘削容量が小さくなると共に、作業装置が到
達する範囲も狭くなり、作業効率が低下するという問題
がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、道路幅の狭い山岳道路
等において旋回しながら作業可能な小旋回であると共
に、大型の作業装置が使用可能となる旋回式建設機械を
提供することある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、下部走行体と、該下部走行体上に旋
回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部
に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上
部旋回体は、旋回フレームと、該旋回フレームの前側に
位置して左,右方向の一側に設けられたキャブと、前記
旋回フレームの前側に位置して左,右方向の他側に設け
られた油圧機器と、前記キャブおよび油圧機器の後側に
位置して旋回フレームに設けられ原動機室を画成する建
屋カバーと、該建屋カバーの後側に位置して前記旋回フ
レームに設けられたカウンタウエイトとを有してなる旋
回式建設機械に適用される。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、下部走行体の前後長さ寸法をL、前記下部走行
体の車幅寸法をW、地面から前記上部旋回体までの高さ
寸法をH、安定自立勾配となる斜面の傾斜角度をθ、道
路幅に対する車幅のマージン係数をα(但し、0≦α≦
0.15)としたときに前記上部旋回体の後端旋回半径
Rが、 を満たし、かつ を満たすように設定したことにある。
【0011】このように構成したことにより、下部走行
体の車幅寸法を道路幅に近い値に設定しつつ、道路幅と
車幅寸法との差によって決定されるマージン分だけ後端
旋回半径Rを拡大することができる。このため、下部走
行体をマージン程度まで山側斜面に接近した状態であっ
ても、上部旋回体を山側の斜面に接触することなく旋回
することができるものである。
【0012】また、請求項2の発明は、カウンタウエイ
トの後端下側に面取り部を設けたことにある。
【0013】この場合、面取り部によってカウンタウエ
イトの後端下側と斜面との間に隙間を形成することがで
きるから、カウンタウエイトを斜面に接触させることな
く上部旋回体を山岳道路で旋回することができる。
【0014】また、請求項3の発明は、面取り部を凸円
弧状に湾曲した凸円弧状面取り部によって形成したこと
にある。
【0015】これにより、凸円弧状面取り部によってカ
ウンタウエイトの後端下側と斜面との間に隙間を形成す
ることができるから、カウンタウエイトを斜面に接触さ
せることなく、上部旋回体を山岳道路で旋回することが
できる。また、カウンタウエイトの後端を湾曲形状とす
るから、カウンタウエイトの外観を整えることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
旋回式建設機械として油圧ショベルを例に挙げ添付図面
に従って詳細に説明する。
【0017】ここで、図1ないし図7は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、1は油圧ショベルの下
部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載され
た上部旋回体で、該上部旋回体2は、旋回フレーム3を
有し、該旋回フレーム3には後述するキャブ5、建屋カ
バー6、カウンタウエイト11等が取付けられている。
【0018】3は下部旋回体1上に配設された旋回フレ
ームで、該旋回フレーム3には、旋回モータ(図示せ
ず)からなる旋回装置4が設けられている。そして、旋
回装置4を駆動することによって、上部旋回体2は図2
に示すように旋回中心Oの周囲で旋回駆動するものであ
る。また、旋回フレーム3の前部中央には、後述する作
業装置13を俯仰動可能に支持するブラケット部3Aが
設けられている。
【0019】5は旋回フレーム3の前部左側に配設され
たキャブで、該キャブ5内には、運転者が作業装置13
等を操作するときに着座する運転席(図示せず)が配設
されている。そして、運転者は、運転席に着座した状態
で操作レバー(図示せず)等を傾転操作することによっ
て、上部旋回体2を旋回動作させ、作業装置13を俯仰
動させるものである。
【0020】6はキャブ5の後部側に設けられた建屋カ
バーで、該建屋カバー6内には動力源としての原動機、
ラジエータ、油圧ポンプ等(いずれも図示せず)が配設
されている。そして、油圧ポンプは、原動機によって駆
動され、旋回モータ(図示せず)、後述のブームシリン
ダ17等に圧油を供給するものである。
【0021】7は建屋カバー6の前部右側に位置する作
動油タンク、8は該作動油タンク7の前側に位置する燃
料タンクをそれぞれ示している。そして、作動油タンク
7は、油圧ポンプに作動油を供給し、燃料タンク8は、
建屋カバー6内の原動機に燃料を供給するものである。
【0022】9は旋回フレーム3の前部右側に配設され
た油圧機器としてのコントロールバルブで、該コントロ
ールバルブ9は、油圧ポンプと旋回モータ、ブームシリ
ンダ17等の間に接続され、油圧ポンプから旋回モータ
等への圧油の給排を制御するものである。そして、コン
トロールバルブ9は、油圧機器カバー10によって覆わ
れている。
【0023】11は建屋カバー6の後部外周側に配設さ
れたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト11は、
その重量を重くすると共に、その形状の自由度を高める
ために鋳物鋳鉄によって形成されている。また、上部旋
回体2の旋回中心Oからカウンタウエイト11の後端面
側までの後端旋回半径をRとすると、カウンタウエイト
11の後面側は、後端旋回半径Rの仮想円12内に収め
られるように円弧状に湾曲して形成されている。そし
て、カウンタウエイト11は、旋回フレーム3の後部側
にボルト等によって固着されるものである。また、カウ
ンタウエイト11までの後端旋回半径Rは、図4に示す
ように以下に示す数1の関係を満足するように設定され
ている。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、Wは下部走行体1の車幅寸法、A
は斜面の傾斜に応じて上部旋回体2が下部走行体1の幅
方向(左右方向)端部から突出可能となる突出寸法、M
は突出寸法Aに加えてさらに下部走行体1の幅方向に突
出した寸法であるマージンをそれぞれ示している。ま
た、マージンMは、下部走行体1の車幅寸法Wを用いる
と数2のように表すことができる。
【0026】
【数2】M=α×W
【0027】但し、αはマージンMと車幅寸法Wとの比
率を表すマージン係数である。また、突出寸法Aは、安
定自立勾配となる斜面の傾斜角度をθ、地面から上部旋
回体2(カウンタウエイト11)までの高さ寸法をHと
すると、以下に示す数3のように表すことができる。
【0028】
【数3】
【0029】以上の数2、数3の関係より、数1は以下
に示す数4のように表すことができる。
【0030】
【数4】
【0031】ここで、傾斜角度θは、安定した自立勾配
である六分(垂直距離1に対し、水平距離0.6)とな
る角度として、59°程度に設定されている。さらに、
マージン係数αは、0≦α≦0.15、好ましくは0.
04≦α≦0.09の範囲に設定されている。
【0032】また、カウンタウエイト11の後端は、下
部走行体1の前後方向端部よりも突出するものである。
このため、後端旋回半径Rは、下部走行体1の前後長さ
寸法Lに対して以下の数5の関係を満たように設定され
ている。
【0033】
【数5】
【0034】そして、斜面は傾斜角度θで傾斜している
から、後述する作業装置13を振り上げた場合、作業装
置13の高さを適宜調整すれば作業装置13を斜面側に
向けた状態でも作業装置13を斜面に接触させることな
く旋回可能となる。このため、カウンタウエイト11の
後端側が接触しなければ、上部旋回体2は360°自由
に旋回可能となるものである。
【0035】13は旋回フレーム3のブラケット部3A
に俯仰動可能に取付けられた作業装置で、該作業装置1
3は、ブーム14、アーム15、バケット16等からな
り、ブームシリンダ17、アームシリンダ18及びバケ
ットシリンダ19を伸縮させることにより、土砂等の掘
削作業を行う構成となっている。
【0036】また、作業装置13は、中型(例えば30
トン級)の標準機種に搭載させるものが用いられてお
り、本実施の形態による油圧ショベルは、中型の標準機
種に相当する掘削能力を備えているものである。
【0037】本実施の形態による油圧ショベルは上述の
如き構成を有するので、次にマージン係数αの設定方法
について説明する。
【0038】まず、下部走行体1の車幅寸法Wと道路幅
寸法W0 との関係について検討する。ここで、普通乗用
車等が対面走行可能な最小の道路幅寸法W0 を有する道
路を山岳に開設する場合について考えると、このときの
道路幅寸法W0 は、3.5m程度とすることが一般的で
ある。
【0039】このような道路を造成する場合、大型の作
業装置13を用いた方が小型のものを用いるよりも斜面
の掘削等の作業効率が高いため、できるだけ下部走行体
1の車幅寸法Wも大きい値に設定することが望ましい。
しかし、下部走行体1の車幅寸法Wを道路幅寸法W0 と
ほぼ同じ値に設定した場合には、道路の屈曲部(図3中
の(a)参照)を油圧ショベルが通過するときに、谷側
の下部走行体1が道路からはみ出すことになり、走行が
困難となる。このため、下部走行体1の車幅寸法Wは、
道路幅寸法W0 の90%程度の値として例えば3.2m
程度が限界となる(図3中の(c)参照)。
【0040】次に、マージン係数αと下部走行体1の車
幅寸法W、道路幅寸法W0 との関係について検討する。
【0041】まず、図6中の(a)に示すように下部走
行体1を道路の山側に最も接近させた場合について考え
る。この状態で上部旋回体2を旋回させるためには、上
部旋回体2の後端旋回半径Rを下部走行体1の車幅寸法
Wの半分の寸法(W/2)と斜面の傾斜に応じた突出寸
法Aとを加えた値に設定する必要がある。この値を越え
たときには、上部旋回体2の後端下側が斜面に接触する
からである。このとき、上部旋回体2の後端旋回半径R
は最小値となり、カウンタウエイト11′も最も小型な
ものとなるから、このカウンタウエイト11′を基準と
する。そして、下部走行体1を道路の山側に最も接近さ
せた状態では、カウンタウエイト11′の後端面よりも
後方に上部旋回体2を突出させることはできないから、
マージンMは零(M=0)となる。即ち、マージンM
は、基準となるカウンタウエイト11′を越えて上部旋
回体2が後方に突出可能となる寸法を示すものである。
また、マージンMが零となるため、マージンMと車幅寸
法Wとの比率であるマージン係数αも零(α=0)とな
る。
【0042】次に、図6中の(b)に示すように下部走
行体1を道路の谷側に最も接近させた場合について考え
る。この場合、基準となるカウンタウエイト11′と斜
面との間には、道路幅寸法W0 と下部走行体1の車幅寸
法Wとの差と同程度の距離をもった隙間が生じる。この
ため、上部旋回体2の後端を、道路幅寸法W0 と車幅寸
法Wとの差(W0 −W)だけ基準となるカウンタウエイ
ト11′よりも後方に突出させることができるから、マ
ージンMはこの差(W0 −W)と同程度の値として0.
3m(M=0.3m)程度となる。これにより、下部走
行体1を道路の谷側に接近させた状態で上部旋回体2を
旋回可能とするためには、マージン係数αは0.09
(α≒0.09)に設定されるものである。
【0043】以上より、マージン係数αは0≦α≦0.
1の範囲で設定可能となるものである。ここで、作業装
置13とカウンタウエイト11とのバランスを保持する
必要があるから、大型の作業装置13を用いるときに
は、カウンタウエイト11をできるだけ後方に突出させ
ることが望ましい。このため、後端旋回半径Rを大きな
値に設定するために、マージン係数αも大きな値に設定
することが望ましい。
【0044】しかし、マージン係数αを大きな値に設定
した場合には、下部走行体1を道路の谷側に接近させた
状態で掘削、旋回等を行う必要がある。このため、運転
者に不安感を与えると共に、道路の屈曲部では下部走行
体1が道路から谷側にはみ出し、作業が困難になる傾向
がある。
【0045】そこで、本実施の形態による図6中の
(c)に示すように道路のほぼ中央に下部走行体1を配
置したときのマージンMによって後端旋回半径Rを設定
している。このとき、基準となるカウンタウエイト1
1′と斜面との間には、道路の山側端部と下部走行体1
との距離である0.15mと同程度の値を持った隙間が
形成されている。このため、カウンタウエイト11′を
越えて突出可能な寸法であるマージンMは0.15m
(M=0.15m)程度となるから、マージン係数αは
0.05(α=0.05)程度に設定されるものであ
る。
【0046】なお、以上のマージンMとマージン係数α
は、カウンタウエイト11の後端側の断面が略直角形状
に形成する場合の前提としている。このため、例えば図
7中の(b)に示すようにカウンタウエイト11″の後
端下側に斜面に沿った面取り部11A″を設けた場合に
は、マージンMを0.3mよりも増加させて例えば0.
48m(M=0.48m)程度にすることができる。こ
のため、マージン係数αは、例えば0≦α≦0.15の
範囲で設定可能されるものである。
【0047】本実施の形態による油圧ショベルは上述の
如き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0048】まず、運転者は、油圧ショベルのキャブ5
内に乗り込み、キャブ5内の運転席に着座すると共に、
運転席の前側に位置する複数の操作レバー等を傾転操作
することにより、作業現場まで下部走行体1を走行させ
る。次に、運転者は、下部走行体1を道路の幅方向中央
よりも僅かに谷側の位置に移動させる。この状態で、運
転者は、操作レバー等を傾転操作することにより、上部
旋回体2を下部走行体1上で旋回させると共に、作業装
置13を俯仰動させ、法勾配に沿った掘削作業からなる
法切り作業を行うものである。
【0049】そして、上部旋回体2の旋回動作時には、
作業装置13を振り上げることによって、上部旋回体2
と作業装置13とは仮想円12内に収める。この状態
で、上部旋回体2を旋回すると、カウンタウエイト11
の後面側は、旋回中心Oに対して後端旋回半径Rの仮想
円12に沿って旋回する。
【0050】このとき、後端旋回半径Rは下部走行体1
を道路の幅方向中央に配置したときのマージンMを用い
て設定されている。このため、下部走行体1が道路の幅
方向中央よりも谷側に配置している状態では、カウンタ
ウエイト11の後端と山側の斜面との間には僅かな隙間
が形成される。この結果、上部旋回体2が山側の斜面に
接触することなく、旋回することができるものである。
【0051】かくして、本実施の形態による油圧ショベ
ルでは、上部旋回体2の後端旋回半径Rを車幅寸法Wの
半分の寸法(W/2)、道路幅寸法W0 と車幅寸法Wと
の差によるマージンMおよび斜面の傾斜に応じた突出寸
法Aを加えた値に設定したから、後端旋回半径Rを比較
的大きな値に設定しつつ、斜面に隣接した道路で上部旋
回体2を斜面に接触することなく旋回させることができ
る。
【0052】このため、図5中に一点鎖線で示す従来技
術による上部旋回体2′のように、上部旋回体2′を旋
回可能とするために余掘によって二点鎖線で示す斜面2
0まで掘削する必要がなくなる。また、余掘を行うこと
なく旋回可能な小型の作業装置をもった油圧ショベルを
使用する場合に比べて、掘削容量が大きく、ブーム1
4、アーム15等も大型な作業装置13を使用できるか
ら、バケット16が到達可能な範囲を拡げることがで
き、作業効率を大幅に向上することができる。
【0053】次に、図8ないし図10は本発明の第2の
実施の形態を示し、本発明の特徴はカウンタウエイトの
後端下側に面取り部を設けたことにある。なお、本実施
の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】21は本実施の形態によるカウンタウエイ
トで、該カウンタウエイト21は、建屋カバー6の後部
外周側に配設され、鋳造によって形成されている。そし
て、カウンタウエイト21は、第1の実施の形態による
カウンタウエイト11と同様に、後端旋回半径Rが前述
した数1、数2の関係を満足するように形成されるもの
である。また、カウンタウエイト21の後端下側には、
後端側全周に亘って斜面と略平行な平面状面取り(いわ
ゆるC面取り)が施された面取り部21Aが設けられて
いる。
【0055】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、カウン
タウエイト21の後端下側に面取り部21Aを設けたか
ら、図10中に一点鎖線で示すカウンタウエイト22の
ように、その断面を直角形状とした場合に比べて、寸法
ΔMだけマージンMを増加させることができる。このた
め、カウンタウエイト21の後端を後方に突出させるこ
とができるから、作業装置13とのバランスをとり易く
なると共に、下部走行体1を斜面に接近させた状態で上
部旋回体2を旋回させることができる。
【0056】なお、前記第2の実施の形態では、カウン
タウエイト21の後端下側に平面状の面取り部21Aを
設けるものとしたが、図11に示す第2の実施の形態の
変形例のように凸円弧状に湾曲した凸円弧状面取り部2
1A′(いわゆるR面取り)を設ける構成としてもよ
い。この場合、第2の実施の形態と同様の効果が得られ
ると共に、カウンタウエイト21′の見栄えをよくし、
外観を整えることができる。
【0057】また、前記各実施の形態では、油圧ショベ
ルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るもので
はなく、例えば油圧クレーン等の他の旋回式建設機械に
適用してもよいものである。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、上部旋回体の後端旋回半径を車幅寸法の半
分の寸法に斜面の傾斜に応じた突出寸法を加えると共
に、道路幅に対する車幅のマージン係数に応じたマージ
ン分を加えた値に設定したから、下部走行体の車幅寸法
を道路幅に近い値に設定しつつ、道路幅と車幅寸法との
差によって決定されるマージン分だけ後端旋回半径を拡
大することができる。このため、下部走行体をマージン
程度まで山側斜面に接近した状態であっても、上部旋回
体を山側の斜面に接触することなく旋回することができ
る。従って、斜面の余掘を行う必要がなくなると共に、
掘削容量が大きく、大型な作業装置を使用できるから、
作業装置が到達可能な範囲を拡げることができ、作業効
率を大幅に向上することができる。
【0059】また、請求項2の発明によれば、斜面に最
も接触し易いカウンタウエイトの後端下側には面取り部
を設けたから、カウンタウエイトの下端を断面直角形状
とした場合に比べて、マージン係数を増加させることが
でき上部旋回体の後端を後方に突出させることができ
る。このため、大型の作業装置であっても容易にバラン
スをとることができると共に、下部走行体を斜面に接近
させた状態で上部旋回体を旋回させることができる。
【0060】また、請求項3の発明によれば、面取り部
を凸円弧状に湾曲した凸円弧状面取り部によって形成し
たから、カウンタウエイトの下端を断面直角形状とした
場合に比べて、上部旋回体を後方に突出させることがで
きると共に、カウンタウエイトの外観を整えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベル
を示す正面図である。
【図2】図1中の上部旋回体を拡大して示す平面図であ
る。
【図3】油圧ショベルを山岳道路に配置した状態を示す
平面図である。
【図4】油圧ショベルを図3中の矢示IV−IV方向からみ
た正面図である。
【図5】図4中のカウンタウエイトを拡大して示す拡大
正面図である。
【図6】油圧ショベルのカウンタウエイトとマージンと
の関係を示す説明図である。
【図7】カウンタウエイトに面取り部を設けたときのマ
ージンを示す説明図である。
【図8】第2の実施の形態による油圧ショベルのカウン
タウエイトを示す平面図である。
【図9】図8中のカウンタウエイトを示す背面図であ
る。
【図10】カウントウエイトを図8中の矢示X−X方向
からみた断面図である。
【図11】第2の実施の形態の変形例によるカウンタウ
エイトを示す図10と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 3 旋回フレーム 5 キャブ 6 建屋カバー 9 コントロールバルブ 11,21,21′ カウンタウエイト 13 作業装置 21A 面取り部 21A′ 凸円弧状面取り部 L 下部走行体の前後長さ寸法 R 後端旋回半径 M マージン A 突出寸法 O 旋回中心 W 車両幅寸法 W0 道路幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 望 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 CA03 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体と、該下部走行体上に旋回可
    能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯
    仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋
    回体は、旋回フレームと、該旋回フレームの前側に位置
    して左,右方向の一側に設けられたキャブと、前記旋回
    フレームの前側に位置して左,右方向の他側に設けられ
    た油圧機器と、前記キャブおよび油圧機器の後側に位置
    して旋回フレームに設けられ原動機室を画成する建屋カ
    バーと、該建屋カバーの後側に位置して前記旋回フレー
    ムに設けられたカウンタウエイトとを有してなる旋回式
    建設機械において、 前記下部走行体の前後長さ寸法をL、前記下部走行体の
    車幅寸法をW、地面から前記上部旋回体までの高さ寸法
    をH、安定自立勾配となる斜面の傾斜角度をθ、道路幅
    に対する車幅のマージン係数をα(但し、0≦α≦0.
    15)としたときに前記上部旋回体の後端旋回半径R
    が、 を満たし、かつ を満たすように設定したことを特徴とする旋回式建設機
    械。
  2. 【請求項2】 前記カウンタウエイトの後端下側には面
    取り部を設けてなる請求項1に記載の旋回式建設機械。
  3. 【請求項3】 前記面取り部は凸円弧状に湾曲した凸円
    弧状面取り部によって形成してなる請求項2に記載の旋
    回式建設機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004308122A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械及び旋回体装置
JP2017066789A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社クボタ 作業機

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JP2004308122A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械及び旋回体装置
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