JP2005133661A - 建設機械の冷却風ガイド、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート及び建設機械の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 建設機械のエンジンルーム内のクーリングユニット後方の冷却ファン25を駆動し冷却ファン25の後方に近接配置された駆動モータ25aを支持する、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート50において、冷却ファン25から吐出された冷却風を、冷却ファン25の外周側に案内するガイド部材53をそなえる。
【選択図】 図2
Description
エンジンルーム102−2には、エンジン106や油圧ポンプ108等の機器が配設され、エンジン106による油圧ポンプ108の駆動により発生した油圧によって作業装置103(図6参照)等を作動させている。
冷却ファン105の駆動方式としては、エンジン駆動式や、電気モータや油圧モータなどによる駆動するモータ駆動式があり、図7に示す例は、冷却ファン105がモータ105aにより駆動されるモータ駆動式である。冷却ファンがエンジン駆動式の場合には、冷却ファンは、エンジンクランクシャフトに連結され、このエンジンクランクシャフトにより支持されることとなるが、モータ駆動式では、図示するように冷却ファン105及びモータ105aを支持するサポート120が必要となる。
これらの開口部113,114は、メインエンジンルーム102Bの開口部111と同様に、メッシュ状やルーバ状などに形成された複数の開口からなる。
エンジン冷却水や作動油を冷却して高温となった空気は、メインエンジンルーム102Bの上記排気開口部111,112から外部に排出され、又は、メインエンジンルーム102Bを通り抜けて、ポンプルーム102Cの上記排気開口部113,114から外部に排出される。
以下、この理由を図9〜図12を参照して説明する。
油圧ショベルの場合、上部旋回体102内部においてラジエータやエンジンなどを搭載できるスペースは図9(a)に示すようになり、図9(b)に示すような他の建設機械のスペースに較べて狭く特にその横断面積(ファン軸流方向に対して直交する断面)が小さくなる。これは、エンジンルームの高さについては高くするとエンジンルーム前方の運転席からの後方への視界が遮られてしまい、エンジンルームの幅〔建設機械の前後長さ〕についてはこれを長くすると機長が長くなって建設機械後端の旋回半径が大きくなり、狭い現場で使うのに不便になるためである。
そして、上述したように油圧ショベルではクーリングパッケージが厚いためファン上流側の圧力損失ΔPが大きく高圧力損失域で冷却ファンが使用されることとなり、ファン出口側の冷却風の流れ成分は、遠心/旋回方向成分が支配的になるのである。
排出効率を向上させるために、メインエンジンルーム102Bの開口面積を増加させることも考えられるが、この場合、騒音(エンジン音や、冷却風がクーリングパッケージ104などを通過する際に発生する風切音の外部への漏洩)の増大を招くこととなり、新たな課題が発生する。
この他、フィンガーガードは、一般的に多数のスポークを縦及び/又は横に所定の間隔をあけて配列することにより形成されているため、冷却風がフィンガーガードを通過する際にこれらの多数のスポークと接触するため、風切り音が発生し、また、冷却風の圧力損失を引き起こすといった課題もある。また、フィンガーガードに加え、冷却ファンのモータを支持するためのビームが、冷却ファンから旋回方向に吐出される冷却風の流れを阻害して冷却風の圧力損失を引き起こすといった課題もある。
請求項3記載の本発明の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートは、請求項2記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートにおいて、該駆動モータが取り付けられるモータ取付台と、該モータ取付台を挟むようにして配置される一対の梁部材とをそなえて構成され、上記の一対の梁部材は、該モータ取付台に接続される中央部と、該中央部の両端部からそれぞれ該シュラウドへ向けて延び該シュラウドに接続される一対の腕部とを有し、該ガイドは、短冊状に形成され、該腕部の相互間に掛け渡されるようにして取り付けられたことを特徴としている。
請求項5記載の本発明の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートは、請求項3又は4記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートにおいて、上記の一対の梁部材が、該モータ取付台を挟んで上下に並べられたことを特徴としている。
特に、上記ガイドを、冷却ファンの後方に近接配置された駆動モータを支持する、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートにそなえさせることで、従来の冷却ファン駆動モータのサポートを利用した簡素な構成により、上記利点が得られるようになる。
なお、図1〜図5の各図において、図中の矢印Xは建設機械の前後方向(以下、エンジンルーム幅方向ともいう)を示し、図中の矢印Yは建設機械の左右方向(以下、ファン軸流方向ともいう)を示す。
また、以下の実施形態では、本発明を建設機械として油圧ショベルに適用した例を説明する。
建設機械は、下部走行体1と、下部走行体1の上側に旋回可能に配設された上部旋回体2と、上部旋回体2に設置され種々の作業を行なう作業装置3の3つの部分で構成されている。このうち上部旋回体2には、その機体後方にカウンタウェイト2Aが配置され、カウンタウェイト2Aの機体前方にはエンジンルーム2Bが配置されている。
なお、エンジンルーム2Bの内部は、クーリングパッケージ24,エンジン26及び油圧ポンプ27の各相互間で仕切られており、クーリングパッケージ24のラジエータが設置されたラジエータルーム2Ba、エンジン26や冷却ファン25が設置されたメインルーム(以下メインエンジンルームという)2Bb、油圧ポンプ27が設置されたポンプルーム2Bcに分割された構成となっている。
ボトムガード23Aは、機体下壁23にボルト40により螺合され、機体下壁23に対し取り外し可能になっている。オイルパン26aなどのメンテナンスを行なう際には、ボトムガード23Aを機体下壁23から取り外すことにより形成される開口からメンテナンス作業が行なわれることとなる。
また、整流箱23Cは、ボトムガード本体23Bの面23Bc(エンジンルーム2Bに向く面)に固定されている。上記取り付け状態において、整流箱23Cは、オイルパン26aの下方に配置されることとなる。
バルジ22bは、ラジエータルーム2Ba側が閉口する一方、ポンプルーム2Bc側の端部が開口する構造となっており、エンジンルーム排出口22aを介してエンジンルーム2Bから排出された冷却風は、バルジ22bにより水平方向(完全に水平方向だけでなく略水平方向も含む)に且つファン軸流方向Yに対しラジエータルーム2Baに設けられた冷却風導入口22cとは反対側に向けて偏向された後、機外へと排出されるようになっている。
クーリングパッケージ24は、2つのコア(クーリングユニット)24a,24a(ここでは図3中で左側がラジエータ、右側がオイルクーラ)と、これらのコア24aが支持されエンジンルーム2Bの床面に立設/固定された左右一対のフレーム24b,24bと、コア24aと冷却ファン25(図2参照)との間に冷却ファン25を囲うように設置され上記フレーム24bに支持されるシュラウド24cとをそなえて構成される。
さて、サポート50は、油圧モータ25aが取り付けられるモータ取付台51と、このモータ取付台51を挟んで上下に並ぶ一対のビーム(梁部材)52−1,52−2とをそなえて構成される。
なお、整流板53はフィンガーガードとしても機能することから、整流板53が設置された箇所については特にフィンガーガードは設けられていない。整流板53が設置されていないモータ取付台51の左右両側については、それぞれ、冷却ファン25を覆うようにして図示しないフィンガーガードが設置されている。勿論、モータ取付台51の左右両側についても部材53を、フィンガーガードの代わりに且つビーム52−1,52−2の補強材として取り付けても良い。この場合、上方のビーム52−1の図3中で左側のビーム腕部52bと下方のビーム52−2の図3中で左側のビーム腕部52bとの間に掛け渡された部材53が、手などを差し込めない程度の間隔をあけて左右方向に並べられ、同様に、上方のビーム52−1の図3中で右側のビーム腕部52bと下方のビーム52−2の図3中で右側のビーム腕部52bとの間に掛け渡された部材53が手などを差し込めない程度の間隔をあけて左右方向に並べられる。
さて、ボトムガード23A及びバルジ22bの構造を説明する。
先ず、図4を参照して、ボトムガード23Aの構造を説明する。図4は、ボトムガード23Aの模式的な斜視図であり、図中右上の矢印は、ボトムガード23Aの機体への取り付け状態における方向を示している。
冷却空気の導入口22c及びエンジンルーム排出口22aは、図5に示すように機体前後方向Xに長いスリット状の開口部として形成されている。またバルジ22bは、エンジンルーム幅方向Xに長い略箱型の輪郭を有した形状であって、機体本体上壁面22への取り付け状態においてエンジンルーム排出口22aと向き合う側が開口した形状とされ、上記取り付け状態においてファン軸流方向下流側の端面には、エンジンルーム幅方向Xに対し比較的短い形状(ここでは円形)の開口(排出穴)22baがエンジンルーム幅方向Xに沿って複数並設されている。
なお、エンジンルーム2Bに流入した冷却風の内のごく一部は、エンジン26と油圧ポンプ27との連結部27aと、メインエンジンルーム2Bbとポンプルーム2Bcとの仕切り壁28との隙間を通ってポンプルーム2Bcに流入する。このため、ポンプルーム2Bcに面して機体本体壁面21の上面22及び下面23にメッシュ状の開口22d,23bがそれぞれ設けられており、ポンプルーム2Bcに流入した冷却風は上記開口22d,23bから機外へと排出されるようになっている。
つまり、従来技術の課題として説明したように、一般的にクーリングパッケージの圧力損失が比較的大きくなるため、冷却ファン25から送り出された冷却風の多くは、半径方向或いは旋回方向に流れ、直線的に或いは旋回しながらも略遠心方向に流れるようになる。
さらに、冷却ファン25の後方において、整流板53が配置された箇所にはフィンガーガードが不要となる分、従来のように冷却ファン25の後方が全体に渡ってフィンガーガードに覆われている場合に比べ、フィンガーガードの設置面積が減少し、冷却風がフィンガーガードを通過する際に発生する風切り音を低減できる。また、整流板53により、冷却ファン25の風切り音やエンジン音が機外に対し遮蔽されるようになるので、この点でも騒音を抑制できる。
例えば、上記実施形態では、各整流板53はその両端をそれぞれ腕部52bに固定されているが、各整流板53の両端をそれぞれ腕部52bにピン結合などにより回転可能に軸支させて、各整流板53の傾斜角度を変更できるようにしても良い。これにより、例えば運転状態などに応じて冷却風の流れに変化が生じた場合でも、各整流板53の傾斜角度を調整することで冷却風をエンジンルーム排出口22a又は整流箱23Cへ精度良く案内できるようになる。
2 上部旋回体
2A カウンタウェイト
2B エンジンルーム
2Ba ラジエータルーム
2Bb メインエンジンルーム
2Bc ポンプルーム
3 作業装置
21 機体本体
22 機体本体上壁
23 機体本体下壁
23A ボトムガード
23B ボトムガード本体
23Ba 冷却風排出開口
23C 整流箱
22a エンジンルーム排出開口
22b バルジ
22c エンジンルーム導入開口
24 クーリングパッケージ
24a コア(クーリングユニット)
24b フレーム
24c シュラウド
25 冷却ファン
25a 油圧モータ(冷却ファン駆動モータ)
26 エンジン
27 エンジンポンプ
50 建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート
51 モータ取付台
52−1,52−2 ビーム(梁部材)
52a ビームの中央部
52b ビームの腕部
53 整流板(ガイド)
Claims (8)
- クーリングユニット,該クーリングユニットに冷却風を供給するための冷却ファン及び該冷却ファンに近接配置され該冷却ファンを駆動する駆動モータが、ファン軸流方向の上流側からこの順に配置された建設機械のエンジンルームにおいて、該駆動モータを支持する、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポートであって、
該冷却ファンから吐出された冷却風を、該冷却ファンの外周側に案内するガイドがそなえられた
ことを特徴とする、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート。 - 該クーリングユニットと該冷却ファンとの間に該冷却ファンを囲うように設置されたシュラウドに支持された
ことを特徴とする、請求項1記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート。 - 該駆動モータが取り付けられるモータ取付台と、
該モータ取付台を挟むようにして配置される一対の梁部材とをそなえて構成され、
上記の一対の梁部材は、
該モータ取付台に接続される中央部と、該中央部の両端部からそれぞれ該シュラウドへ向けて延び該シュラウドに接続される一対の腕部とを有し、
該ガイドは、短冊状に形成され、該腕部の相互間に掛け渡されるようにして取り付けられた
ことを特徴とする、請求項2記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート。 - 該ガイドが、該腕部に回転可能に取り付けられたことを
ことを特徴とする、請求項3記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート。 - 上記の一対の梁部材が、該モータ取付台を挟んで上下に並べられた
ことを特徴とする、請求項3又は4記載の建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート。 - エンジンルームの内部に形成される冷却風通路と、該エンジンルーム内に設置されるクーリングユニットと、該クーリングユニットの後方に設置される冷却ファンと、該冷却ファンを駆動し該冷却ファンの後方に近接配置された駆動モータとをそなえて構成された、建設機械の冷却装置において、
該エンジンルームを内部空間として形成する機体壁面に対し該冷却ファンの略外周に形成された冷却風の排出口と、
請求項1〜5の何れか1項に記載のサポートのガイドとをそなえ、
該冷却ファンから吐出された冷却風が、該サポートのガイドにより、上記の冷却風の排出口に向けて案内されるよう構成された
ことを特徴とする、建設機械の冷却装置。 - エンジンルームの内部に形成される冷却風通路と、該エンジンルーム内に設置されるクーリングユニットと、該クーリングユニットの後方に設置される冷却ファンと、該冷却ファンを駆動し該冷却ファンの後方に近接配置された駆動モータとをそなえて構成された、建設機械の冷却装置において、
該エンジンルームを内部空間として形成する機体壁面に対し該冷却ファンの略外周に形成された冷却風の排出口と、
該排出口に該冷却風を案内する風路と、
請求項1〜5の何れか1項に記載のサポートのガイドとをそなえ、
該冷却ファンから吐出された冷却風が、該サポートのガイドにより、該風路の入口に向けて案内されるよう構成された
ことを特徴とする、建設機械の冷却装置。 - 建設機械のエンジンルーム内においてクーリングユニット後方の冷却ファンの吐出側に該冷却ファンに近接配置され、
該冷却ファンから吐出された冷却風を、該冷却ファンの外周側に案内する
ことを特徴とする、建設機械の冷却風ガイド。
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