JP2017063679A - 根菜収穫機 - Google Patents
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Abstract
Description
この従来の根菜収穫機では、走行機体の進行に伴って畝上の作物を抜き取り搬送装置によって引き抜きながら後方搬送して収穫するものであるが、同時に機体の進行にともなって土寄せ装置による畝溝の埋め立ても行えるようにしている(特許文献1参照)。
しかしながら、この従来構造のものでは、機体進行中に抜き取り搬送装置によって引き抜かれる作物列とは別の、既に引き抜かれた作物列が存在していた箇所の泥土を畝溝側へ寄せるように、抜き取り搬送装置の横側方位置における機体前部に土寄せ装置を備えている。この構造によると、走行機体の前部では、作物の引き抜き抵抗による下向きの作用力と、泥土を横側方へ寄せるために土寄せ用ブレードを土中に食い込ませて進行する際の前方側からの土壌の走行抵抗とが作用する。
このため、土寄せ用ブレードに作用する土壌抵抗の増減などによって作物の引き抜きが良好に行われ難かったり、逆に、作物が大きめのものであると引き抜き抵抗の変化で土寄せ用ブレードの食い込み深さが変動したりするなど、相互に影響を及ぼし合い易い点で改善の余地がある。
このため、土寄せ作業に伴う土壌抵抗の増減による影響が、抜き取り搬送装置による作物の引き抜き作業に対して及ぶ度合いは、抜き取り搬送装置による作物の引き抜き作業と土寄せ装置による土寄せ作業とが同じ前端側で行われる場合に比べて少なくて済む。
したがって、土寄せ装置を備えて作物収穫作業と同時に土寄せ作業を行えるものであると同時に、安定した収穫作業を行いやすいという利点がある。
したがって、土寄せ用ブレードを持ち上げるための昇降用油圧シリンダなどの昇降手段を作動ストロークの短い小型のもので構成し得る。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した根菜収穫機の走行機体1の作業走行時における前進側の進行方向(図2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1乃至図3は、根菜類を収穫する根菜収穫機の一例としてカブラ収穫機を例示したものである。
このカブラ収穫機は、機体フレーム10の下方に左右一対のクローラ式の走行装置11を備え、機体右側の前部に操縦部12を備えて走行機体1を構成している。
走行機体1には、圃場の作物を抜き取るとともに、根部と葉部を取り除いた状態にして作物主部k1を収穫する収穫部1Aと、その収穫された作物主部k1を選別する選別部1Bと、選別された作物主部k1を機体上に収容する収容部1Cとが備えられている。つまり、カブラ収穫機は、機体走行に伴い作物としての蕪を圃場から抜き上げて、走行機体1上に作物主部k1を収容するためのものである。この実施形態でいう作物主部k1とは、蕪の葉部と根部以外の部分であり、非作物主部k2とは、葉部や根部などの作物主部k1以外を示すものとする。
収容部1Cには、抜き取り搬送装置2で収穫された作物を収容するための格納装置6が設けられている。この格納装置6は、左右方向で抜き取り搬送装置2が位置する側とは反対側寄り箇所である機体右側後部に配置されている。
選別部1Bでは、機体左側の抜き取り搬送装置2における搬送終端部位置から機体右側の格納装置6へ向けて作物を移送する中継搬送装置5と、その中継搬送装置5上における作物を選別するための補助作業者が搭乗する補助搭乗部13とが備えられている。
図2及び図3に示すように、格納装置6の右横側方には、前後方向の軸心回りで、起伏揺動可能な補助ステップ77が設けられている。この補助ステップ77は、補助作業者が立ち乗り可能であるように、足掛け用のステップ面77aが水平方向に沿う使用姿勢(図2参照)と、ステップ面77aが起立する状態に折り畳まれた格納姿勢(図3参照)とに、姿勢切換可能に構成されている。
この土寄せ装置8については後述する。
収穫部1Aについて説明する。
収穫部1Aには、図1乃至図3に示すように抜き取り搬送装置2が配設されている。この抜き取り搬送装置2は、搬送始端部が地面近くに位置し、搬送終端側ほど機体後方側で高レベルに位置する後上り傾斜姿勢の左右一対の無端回動ベルト20a,20aと、その無端回動ベルト20a,20aを巻回した駆動プーリ20b及び従動プーリ20cと、によって構成された挟持搬送装置20を備えている。この挟持搬送装置20を走行機体1の左側端部に沿わせた状態に配設して、左右の無端回動ベルト20a,20a同士の間に、走行機体1の前後方向に沿う抜き上げ搬送経路r1が構成されるようにしてある。
一対の無端回動ベルト20a,20aで収穫対象作物の葉部を挟持して機体後方向きで上向きに搬送することにより、一対の無端回動ベルト20a,20aによる挟持状態での持ち上げ作用によって、収穫対象の作物が圃場から抜き上げられる。そして、圃場から抜き上げられた作物は、そのまま引き続いて葉部を挟持した吊り下げ姿勢で持ち上げ搬送されながら所定の処理を受けた後、搬送終端部から落下放出される。
この他、抜き取り搬送装置2には、搬送途中で作物に対する所定の処理を行う装置としての、葉部(非作物主部に相当する)を切断するための葉部切断装置24と、作物の根部(非作物主部に相当する)を切断するための根切り装置4と、根切り装置4による根部の切断が行われる前に作物の下部に付着した泥を掻き落とすための泥落とし装置3とが備えられている。
また、このメイン支持フレーム23には、前記葉部切断装置24、根切り装置4、及び泥落とし装置3が吊り下げ状態で支持されている。したがって、メイン支持フレーム23の上下揺動にともなって、これらの葉部切断装置24、泥落とし装置3、及び根切り装置4の上下位置も変化するように構成されている。
このとき左右の無端回動ベルト20a,20aは、同一平面内で、ベルト外周面同士を対向させて、互いに逆方向に回転している。つまり、図2に示すように、左右方向で最外側に位置する無端回動ベルト20aが平面視で時計回りに回転し、それよりも機体内方側に位置する無端回動ベルト20aが反時計回りに回転して、両無端回動ベルト20a,20aの対向面同士の間に、作物の葉部を挟持して後方搬送する抜き上げ搬送経路r1が形成されている。
上記の駆動プーリ20b及び従動プーリ20cは、いずれもメイン支持フレーム23に軸支されており、左右の無端回動ベルト20a,20aが左右のメイン支持フレーム23の下側に沿う状態で配設されている。
すなわち、葉部切断装置24では、無端回動ベルト20a,20aの下側で、無端回動ベルト20a,20aによる搬送中の作物の葉部を把持して同時に後方搬送する左右一対の肩揃え搬送ベルト24a,24aを備えている。
この肩揃え搬送ベルト24a,24aは、無端回動ベルト20a,20aが回転する平面に対して、作物搬送方向での下手側ほど下方寄りに離れるように所定角度θ1だけ傾斜した平面内で回動するように構成され、その肩揃え搬送ベルト24a,24aの搬送終端近く(後端近く)に、切断用の左右一対の円盤状の切断刃24b,24bが設けられている。
したがって、搬送方向下手側ほど作物葉部を把持する位置同士の上下方向間隔が徐々に拡げられるところの、無端回動ベルト20a,20aと肩揃え搬送ベルト24a,24aとを用いて、これらの両ベルト20a,24aによる同時搬送中に、作物の葉部を弛みの少ない引き伸ばされた状態として、切断刃24b,24bによる葉部の切断を行い易くしてある。切断刃24b,24bは、肩揃え搬送ベルト24a,24aの下部に上方肩部が接した状態にある作物主部k1の、肩揃え搬送ベルト24a,24aよりも下方側で作物主部k1の上部を切断する。
すなわち、左右一対のメイン支持フレーム23のうち、機体内方側に位置するメイン支持フレーム23から下向きに角パイプ状の取付支持杆40が一体に垂設されている。この取付支持杆40に平行リンク機構41の前端側が連結され、その平行リンク機構41の後端側に刃体取付部材42が支持されている。刃体取付部材42には、平板状のカッター43が無端回動ベルト20a,20aによる抜き上げ搬送経路r1を横切る状態で設けられている。
根切り装置4におけるカッター43の作物搬送方向での位置は、前記葉部切断装置24の切断刃24b,24bが存在する箇所よりも搬送方向上手側に相当する箇所であるが、無端回動ベルト20a,20aと肩揃え搬送ベルト24a,24aとによる同時搬送が行われている範囲内にある。
したがって、無端回動ベルト20a,20aと肩揃え搬送ベルト24a,24aとによる同時搬送中で、無端回動ベルト20a,20aのみで葉部を挟持する場合よりも、作物の姿勢を安定させた状態でカッター43による根部の切断が行われる。
このようにカッター43は、無端回動ベルト20a,20aに対して遠近方向で位置移動はするが、平行リンク機構41を介して支持されているので、無端回動ベルト20a,20aに対する相対的な上下位置が変化しても、そのカッター43の切断方向は、無端回動ベルト20a,20aによる作物の搬送方向に沿うように、前記基準高さ位置での姿勢に対してほぼ平行な状態に保たれる。
そして、カッター43が上下に位置変化して、無端回動ベルト20a,20aとカッター43との相対位置が一時的に変化しても、作物が切断箇所を通り過ぎると、付勢部材44によってカッター43の高さ位置は、ストッパー部材で規定される基準位置に戻される。
この泥落とし装置3は、図6に示すように、搬送中の作物の根部に接触して付着泥土を掻き落とすための接触回転体31と、その接触回転体31を回転駆動する電動モータ(図示せず)とを備えている。接触回転体31は、抜き上げ搬送経路r1を横切る左右方向の横軸心x2まわりで回動する複数枚のゴム板材などの可撓性板部材31aで構成されている。接触回転体31の回転方向は、その上半側が作物の移動方向と同方向であるように、図1及び図6における側面視で時計回りに回転するように構成され、作物の移動速度よりも速い周速で回転して、作物下部の泥土を掻き落とすように取り付けられている。
この泥落とし装置3は、接触回転体31の左右両端側に備えた取付ステー30を介して、左右のメイン支持フレーム23,23に支持されている。
この飛散防止用流し板26Bは、図2及び図3に示すように水平方向での断面形状がほぼL字状に形成された板材を、排出ガイド26Aから後方下方へ向けて落下する葉部の落下経路に相当する箇所に配設して、落下する葉部が走行機体1の左側方へ飛散することを抑制し得るように構成されている。
上記の排出ガイド26Aと飛散防止用流し板26Bとの組み合わせによって、抜き取り搬送装置2の搬送終端部位置よりも左右方向で機体内方側へ向けて葉部を滑落させる放出シュータ26が構成されている。
選別部1Bについて説明する。
収穫された作物主部k1を選別する選別部1Bでは、図2及び図3に示すように、走行機体1の左側端部で前後方向に沿って配設された抜き取り搬送装置2における作物主部k1の搬送終端部位置から、その抜き取り搬送装置2が配設された側とは反対の機体右側に配備されている格納装置6へ向けて、作物を左右方向に搬送する中継搬送装置5を備えている。また、中継搬送装置5の機体後方側に、補助作業者が搭乗する補助搭乗部13が設けられている。この補助搭乗部13は、左右方向で抜き取り搬送装置2が存在する箇所と、格納装置6が存在する箇所との間に位置するように配備されている。
つまり、中継搬送装置5は、横向きコンベア50の搬送方向である左右方向で、抜き取り搬送装置2が存在する側から格納装置6が存在する側へ向かう横送り搬送経路r2と、誘導ローラ51に案内されて格納装置6が存在する機体後方側へ向かう後送り搬送経路r3とを備えている。
前記抜き取り搬送装置2が走行機体1の前後方向に沿う抜き上げ搬送経路r1を備え、これに引き続く中継搬送装置5が横送り搬送経路r2と後送り搬送経路r3とを備えていることで、このカブラ収穫機は、クランク状に屈曲する搬送経路r1,r2,r3を経て、作物を格納装置6へ送り込むように構成されている。
また、横向きコンベア50の搬送面の高さ位置は、葉部を切除されて落下した作物主部k1があまり傷つかない程度に、抜き取り搬送装置2の搬送終端部からの上下方向での落差が比較的少ない高さに設定されている。
したがって、横向きコンベア50の搬送面に載って搬送される作物が誘導ローラ51に接触すると、その接触面のなす角度で横向きコンベア50による作物に対する搬送方向の分力が走行機体1の後方側へ向けられ、作物主部k1に機体後方側への搬送作用が働くことになる。
尚、誘導ローラ51は横向きコンベア50の搬送面に対して、図示しないが所定の間隙を有した状態で設置されているので、この間隙を通過可能な程度の、比較的小さな非作物主部k2に相当する、根部の切れ端や、葉部の一部などに対しては、機体後方側へ方向転換させる搬送作用は働かず、そのまま直進して横向きコンベア50の搬送終端部から機外へ排出される。
この誘導ローラ51は合成樹脂製の丸パイプで構成され、図2に示す水平方向軸心p1回りで自由回転するように配設されている。
補助搭乗部13は、左側の抜き取り搬送装置2と右側の格納装置6との間で、補助作業者が起立した状態で選別作業等を行い易いように上方側が開放されたスペースとなっている。そして、この範囲のみならず、抜き取り搬送装置2の終端部によって上方側の高さは制限されるが、抜き取り搬送装置2の終端部の下方に位置する横向きコンベア50の後方側にも、補助作業者が移動可能な床部が存在している。
したがって、抜き取り搬送装置2の搬送終端部から落下する作物主部k1が搬送面上を転がっても、柵状の起立片54との当接によって横向きコンベア50の搬送面から外れることを確実に回避し易い。この抜き取り搬送装置2の搬送終端部近くで仕切り壁52が柵状に形成されていることで、横向きコンベア50上に泥土などが堆積せずに自然に落下し易い点で有利である。
また、仕切り壁52のうち、板部材53の部分には、補助作業者が片手を置いたり身体を預けたりして、姿勢を安定させながら搬送終端部の誘導ローラ51付近における作物主部k1の停滞状態を捌く作業を行う際等に、便利に用いることができる。
したがって、補助搭乗部13に搭乗した状態のままで、補助作業者が格納装置6における昇降用シリンダ72やダンプシリンダ73の操作を行うことができる。また、この位置に操作盤55が設けられていることにより、補助作業者に限らず、運転座席12aに搭座する運転者が、後方側へ身体を捻って操作盤55の操作具を操作することも可能である。
収容部1Cについて説明する。
収容部1Cは、左右方向で抜き取り搬送装置2が位置する側とは反対側の機体右側後部に配置された格納装置6によって構成されている。
格納装置6は、作物を収容するための収容スペースs1を備えた収容ケース6Aと、その収容ケース6Aを昇降及びダンプ作動させて、収容されている作物を機外の運搬車の荷台等に向けて排出するための駆動装置6Bとを備えている。
収容ケース6Aは、図2乃至図4に示されるように、作物収容時に上方側が開放された矩形箱状に形成されて、その内部に作物を収容可能な収容スペースs1が形成される。
収容ケース6Aにおける収容スペースs1は、基部ケース体60と延長ケース体63との組み合わせ状態によって現出するように構成されている。
つまり、基部ケース体60に対して延長ケース体63が前記揺動軸心x3回りで起立した連結状態であるときに収容ケース6Aが矩形箱状となり、内部に収容スペースs1が形成される。そして、基部ケース体60に対して延長ケース体63が前記揺動軸心x3回りで倒伏した連結状態になると、倒伏前に矩形箱状であった収容ケース6Aの周部の一部が開放された状態となる。このように矩形箱状の周部の一部が開放された状態となることによって、作物を排出可能な排出口が収容ケース6Aに形成されることになる。
そして、底板61部分の残りの一つの周辺部分に相当する箇所には、上記のような起立壁板62が備えられていないことにより、基部ケース体60の排出口部60aが形成されている。
連結軸63aは、前記排出口部60aが形成されているところの周辺部分に沿う左右方向の揺動軸心x3を有し、底板61部分の上面よりも下方側に位置する状態で、基部ケース体60と延長ケース体63とを連結している。
延長ケース体63は、図4に示すように、基部ケース体60に対して揺動軸心x3回りで起立した連結姿勢であるときに、基部ケース体60の底板61部分に対して起立した姿勢で排出口部60aを閉塞する出口側壁面64aを備えた起伏揺動板64と、出口側壁面64aに対して垂直方向に突出する側壁板65とを備えて樋状に形成されている。
延長ケース体63が基部ケース体60に対して揺動軸心x3回りで倒伏した連結姿勢であると、起伏揺動板64の出口側壁面64aが倒伏して、基部ケース体60の底面61aの延長方向に沿う姿勢となり、排出口部60aを開放した状態となる。開放された基部ケース体60の排出口部60aが収容ケース6Aの排出口6Cとしての機能を有する。
また、側壁板65においても、延長ケース体63が揺動軸心x3回りで起立した連結姿勢で、基部ケース体60よりも上方側へ突出する遊端側部分65aが、前後方向で所定間隔おきに並設された棒状部材を用いて桟状に形成され、左右方向で透視可能に形成されている。
そして、起伏揺動板64における揺動軸心x3の近く位置に、操作ブラケット64cが連設され、この操作ブラケット64cの端部と基部ケース体60の底板61部分との間にガススプリング67が連結されている。このガススプリング67は、前記揺動軸心x3回りで延長ケース体63を起立姿勢にする側への付勢力を有している。したがって、延長ケース体63が倒伏する側への揺動には操作抵抗となるが、延長ケース体63を倒伏姿勢に姿勢変更する際には、その操作抵抗に抗して操作杆68を操作することにより、人為的に姿勢切換を行うことができる。
ガススプリング67による起立姿勢にする側への付勢力は、倒伏姿勢に切り換えられた延長ケース体63を起立姿勢に復帰させるほどの大きさではなく、倒伏姿勢に切り換えられた延長ケース体63の自重で、その倒伏姿勢が維持される。起立姿勢に操作された延長ケース体63の姿勢は、図示しないが、適宜係止手段によって起立姿勢を維持するようにしてある。
駆動装置6Bは、収容ケース6Aを搭載した底部支持枠70と、機体フレーム10と底部支持枠70とを接続するリンク機構71と、機体フレーム10に対して底部支持枠70を昇降操作する昇降用シリンダ72と、底部支持枠70に対して収容ケース6Aをダンプ作動させるダンプシリンダ73とを備えている。
これらの第一リンク部材74と第二リンク部材75とは、それぞれの中間位置が交差する姿勢で連結ピン76により連結されている。したがって中間位置を連結ピン76で連結された第一リンク部材74と第二リンク部材75とは、昇降用シリンダ72の伸縮作動に伴って互いに等角度で姿勢変化し、底部支持枠70を機体フレーム10に対して平行に維持しながら昇降作動させることができる。
ダンプシリンダ73は、下端側が底部支持枠70から下方向きに突設された固定ブラケット70Cに連結され、他端側が基部ケース体60の底板61部分と連結され、ダンプシリンダ73の伸縮作動に伴って底板61部分の傾斜角度を変更可能に構成してある。
土寄せ装置8について説明する。
図1に示すように、土寄せ装置8は前後方では、走行装置11の前後方向の幅内で、ほぼ中央に位置している。したがって、この土寄せ装置8に作用する土壌抵抗などの外力が走行機体1のピッチングを招くような作用力となる虞はない。
また、土寄せ装置8は、左右方向では、図2に示すように、走行装置11の左横側方ではあるが、抜き取り搬送装置2の下方に位置し、平面視で抜き上げ搬送経路r1と交差するように配置されている。これによって、この土寄せ装置8は、走行機体1の前進走行に伴って、抜き取り搬送装置2によって作物が抜き取られた後の畝を、同じ前進行程で崩して、崩した畝の土を畝間の溝部分に供給することができる。
揺動支持枠82は、機体フレーム10上の固定部に装備された取付枠18に対して、上下方向の揺動軸心y1を備えたヒンジ部材83を介して水平方向で揺動自在に連結されている。
上記の作業姿勢では、土寄せ用ブレード80が備える土壌押圧面80a(土寄せ面に相当する)は上下方向に沿い、前記格納姿勢では土壌押圧面80aは水平方向に沿うように姿勢変更される。
この作業解除姿勢では、土寄せ用ブレード80の機体外方側の端部が機体外方側へ大きく突出した状態になっている。しかし、揺動支持枠82を揺動軸心y1まわりに揺動させて格納姿勢とすることにより、土寄せ用ブレード80の端部が機体外方側へ大きく突出していた状態を解消することができる。
土寄せ用ブレード80を格納姿勢にする際には、前記係合部84bから姿勢規制杆84の先端鈎部84aを外して、揺動支持枠82を揺動軸心y1まわりで時計回りに揺動させて格納姿勢とする。
水平揺動枠85は、ヒンジ部材83に連結された取付基板85Aの左右両側に角筒状の支持筒部85Bを備えている。この支持筒部85Bに門型昇降枠86の左右の支脚部86Aが挿通され、取付基板85Aの下部に備えた基板底部85Cに伸縮シリンダ81の下端部が固定されている。
取付基板85Aの基板底部85Cに下端部を固定された伸縮シリンダ81の上端部が横架部材86Bに連結され、伸縮シリンダ81の伸縮作動に基づいて門型昇降枠86が昇降操作される。この門型昇降枠86の昇降作動に伴って土寄せ用ブレード80も昇降作動する。
図8乃至図10に示されるように、支脚部86Aの下端部と土寄せ用ブレード80の上部とが連結ピン87によって連結されている。連結ピン87は、支脚部86Aの下端部を貫通して、土寄せ用ブレード80の土壌押圧面80aの背面側に突設された三角形状の一対のブラケット80b,80bにわたって設けられている。
つまり、図10に示すように、土壌押圧面80aが上下方向に沿う最下方の作業姿勢から、伸縮シリンダ81を上昇側に伸長させると、土寄せ用ブレード80が持ち上げられ、そのブラケット80b,80bの上縁(土寄せ用ブレード80の上部の当接部に相当する)がガイドローラ88に当接する。さらに伸縮シリンダ81を伸長させて土寄せ用ブレード80を持ち上げ側に操作すると、同図に仮想線で示すように、土寄せ用ブレード80は連結ピン87の軸心p2回りで下端側を前方側へ揺動して、次第に土壌押圧面80aが水平に近くなって作業解除姿勢となる。
土寄せ用ブレード80を作業姿勢に操作するには、作業解除姿勢にある状態から、伸縮シリンダ81を収縮側に操作すればよい。これによって、土寄せ用ブレード80は自重で連結ピン87の軸心p2回りで反時計回りに回動し、土壌押圧面80aを上下方向に沿わせた作業姿勢となる。
図11が作業解除姿勢である。この状態では、伸縮シリンダ81が伸長側に操作されて、上昇側のストロークエンドにあり、土寄せ用ブレード80の土壌押圧面80aはほぼ水平姿勢で、機体フレーム10よりも低く、走行装置11のクローラの上部よりも上方に位置している。
図12は作業姿勢であり、この状態では、伸縮シリンダ81は収縮側に操作され、土寄せ用ブレード80が下限に達するまでの範囲内で任意の高さに下降する。このとき、土壌押圧面80aは上下方向に沿う姿勢であり、土寄せ用ブレード80の下部が土壌に食い込んで排土可能な状態となる。
これらの図は、走行機体1が作物の抜き取り作業を行う複数の工程を後方視で示しており、図13が第一工程、図14が第二工程、図15が第三工程、図16が第四工程である。
説明の便宜上、各図に説明用の符号を付してある。このうち、右側から順に、a1は第一畝、a2は第二畝、a3は第三畝を示している。第一畝a1と第二畝a2との間の溝が第一畝溝b1であり、第二畝a2と第三畝a3との間の溝が第二畝溝b2である。符号t1は第一工程で抜き取られる第一作物列を示し、符号t2は第二工程で抜き取られる第二作物列を示し、符号t3は第三工程で抜き取られる第三作物列を示し、符号t4は第四工程で抜き取られる第四作物列を示している。
図13に示す符号c1は、第一工程で走行機体1が進行する際に、その第一工程よりも前段階の工程で土寄せ装置8により、第一畝a1の左側部分が削り取られた箇所を示している。
図14に示す符号c2は、第二工程で走行機体1が進行する際に、その第二工程で土寄せ装置8により、第二畝a2の左側部分が削り取られる箇所を示している。
図16に示す符号c3は、第四工程で走行機体1が進行する際に、その第四工程で土寄せ装置8により、第三畝a3の左側部分が削り取られる箇所を示している。
この第一工程で、抜き取り搬送装置2が第二畝a2の右側に位置する第一作物列t1の抜き取り作業を行いながら走行機体1が進行するが、土寄せ装置8は土寄せ用ブレード80を上昇させた作業解除姿勢にあり、畝の削り取りは行われない。
この第二工程では、抜き取り搬送装置2が第二畝a2の左側に位置する第二作物列t2の抜き取り作業を行いながら走行機体1が進行し、同時に、土寄せ装置8は土寄せ用ブレード80を下降させた作業姿勢となり、第二作物列t2の抜き取りが行われた後の第二畝a2の左側部分を削り取って、第二畝溝b2の埋め立てを行う。
この第三工程で、抜き取り搬送装置2が第三畝a3の右側に位置する第三作物列t3の抜き取り作業を行いながら走行機体1が進行するが、土寄せ装置8は土寄せ用ブレード80を上昇させた作業解除姿勢にあり、畝の削り取りは行われない。
この第三工程は、抜き取り対象の作物列、及び作業対象畝が異なるだけで、動作形態は第一工程と同一である。
この第四工程では、抜き取り搬送装置2が第三畝a3の左側に位置する第四作物列t4の抜き取り作業を行いながら走行機体1が進行し、同時に、土寄せ装置8は土寄せ用ブレード80を下降させた作業姿勢となり、第四作物列t4の抜き取りが行われた後の第三畝a3の左側部分を削り取って、左側に隣接する箇所の溝の埋め立てを行う。
この第四工程は、抜き取り対象の作物列、及び作業対象畝が異なるだけで、動作形態は第二工程と同一である。
上記の実施形態では、土寄せ装置8を、走行装置11の前後方向でのほぼ中央位置に設けた構造のものを示したが、土寄せ装置8の前後方向での位置は、走行装置11の前後長さの範囲内であれば、任意の位置で良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、土寄せ装置8の作業解除姿勢で土寄せ用ブレード80を水平に沿うようにした構造を示したが、これに限らず、例えば、土寄せ用ブレード80を、土壌押圧面80aが上下方向に沿う姿勢のままで昇降させて作業解除姿勢としてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、土寄せ装置8の揺動支持枠82を上下方向の揺動軸心y1で揺動自在に取り付けて、水平方向で揺動可能に構成した構造のものを示したが、この構造に限定されるものではない。
例えば、揺動支持枠82を機体固定部に固定して設けてもよい。このとき、平面視で土寄せ用ブレード80が走行機体1の進行方向FFに対して、機体内方側ほど前方に位置するように傾斜した姿勢で固定し、土寄せ用ブレード80を水平方向の軸心p2回りで揺動させて、作業姿勢と作業解除姿勢とに姿勢切換できるようにすればよい。
この場合、土寄せ用ブレード80を作業解除姿勢からさらなる格納姿勢へ変更することはできないので、格納姿勢は作業解除姿勢と同一になる。
また、これとは別に、土寄せ用ブレード80を作業解除姿勢から、人為的に操作して軸心p2回りでさらに上方側へ回動させることで、格納姿勢となるようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
2 抜き取り搬送装置
5 中継搬送装置
8 土寄せ装置
10 機体フレーム
80 土寄せ用ブレード
80a 土寄せ面
81 伸縮シリンダ
82 揺動支持枠
84 固定部材
85B 支持筒部
86A 支脚部
80b 当接部
88 当接部
y1 上下軸心
Claims (7)
- 走行機体の左右方向での一方側寄り箇所に位置して圃場の作物を抜き取って後方搬送する抜き取り搬送装置と、
作物が抜き取られた後の畝を崩して畝間に供給するための土寄せ装置とを備え、
前記土寄せ装置は、土寄せ用ブレードを備え、その土寄せ用ブレードの姿勢を、前記土寄せ用ブレードの下端縁が土中に突入した作業姿勢と、前記土寄せ用ブレードの下端縁が土中から引き上げられた作業解除姿勢とに姿勢切換可能に構成されているとともに、
前記土寄せ装置が、前記走行機体の前進工程において前記抜き取り搬送装置により抜き取られた作物の抜き取り跡の畝に対して、同一の前進工程中に作用して土寄せ可能な位置に配設されている根菜収穫機。 - 前記土寄せ装置は、前後方向では、前記走行機体の下部に備えた走行装置の前後方向長さの中間に相当する位置で前記作業姿勢となる箇所に配設されている請求項1記載の根菜収穫機。
- 前記土寄せ用ブレードは、前記作業姿勢で地面に対して交差する土寄せ面を備えているとともに、前記作業解除姿勢で前記土寄せ面が地面に沿う姿勢に姿勢切換可能に構成されている請求項1又は2記載の根菜収穫機。
- 前記土寄せ装置は、前記走行機体の機体フレームに対して上下軸心回りで姿勢変更可能な揺動支持枠を備え、
前記揺動支持枠は、上下方向に沿う一対の支持筒部と、その一対の支持筒部に対してスライド作動可能に支持された一対の支脚部とを備え、前記支脚部に前記土寄せ用ブレードが連結されて、前記支持筒部に対する前記支脚部の上下移動によって前記土寄せ用ブレードの高さ位置を変更可能に構成してあり、
前記上下軸心回りでの前記揺動支持枠の揺動位置の変更に伴って、前記土寄せ用ブレードの前記上下軸心回りでの向きを変更可能に構成してある請求項1〜3のいずれか一項記載の根菜収穫機。 - 前記揺動支持枠に、前記走行機体の前進方向に対して前記土寄せ面が後方側ほど機体外方側に位置する傾斜姿勢で、前記揺動支持枠を前記走行機体に固定するための固定部材が装備されている請求項4記載の根菜収穫機。
- 前記揺動支持枠に、前記土寄せ用ブレードを昇降操作して、前記作業姿勢と前記作業解除姿勢とに切換操作する昇降シリンダを装備させてある請求項4又は5記載の根菜収穫機。
- 前記揺動支持枠の下部と、前記土寄せ用ブレードの上部とのそれぞれに、姿勢変更用の当接部を設けてあり、前記昇降シリンダの上限位置近くへの上昇作動に伴って、前記土寄せ用ブレードの上部の当接部が前記揺動支持枠の下部の当接部に当接して、前記土寄せ用ブレードが前記土寄せ面を地面に沿わせた姿勢に姿勢切換可能に構成されている請求項6記載の根菜収穫機。
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