本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図19に示すとおり、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Eと、該引継搬送部Eから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Gから構成される。
本件ではさらに、上記走行部A及び収穫部Cの前側には、畝溝に畝上の土を寄せて埋め立てて走行部Aに踏み固めさせる土寄せ部Hと、茎葉切断部Dで切断処理された茎葉部を回収する排葉回収部Iを有する。
本件の実施例では、基本的に機体の進行方向に対して左側を「機体左右一側」、右側を「機体左右他側」と定義する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図5で示すとおり、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右の走行ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
該左右のクローラ6L,6Rのうち、左右どちらか一側は、後述する操縦パネル12に車体水平操作スイッチ(図示省略)を設け、該車体水平操作スイッチを作業者が操作して、機体が水平になるよう上下動操作可能に構成する。あるいは、機体フレーム1に左右方向の傾斜を検知する傾斜センサ(図示省略)を設け、該傾斜センサが所定角度以上の傾斜を検知すると、自動的に左右どちらか一側のクローラ6Lまたは6Rが上下動し、機体を自動的に水平に維持する構成としてもよい。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1〜図5で示すとおり、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すとおり、左右の引抜フレーム15,15の機体前側に従動プーリ16をそれぞれ回転自在に装着し、機体後側に駆動プーリ17をそれぞれ装着し、該左右の従動プーリ16,16と左右の駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する挟持搬送ベルト18をそれぞれ無端状に巻回すると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右の挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。
そして、前記機体フレーム1の上方に、一対の角パイプ20a,20aを左右方向に間隔を空けて配置して構成する回動フレーム20を、回動横軸21を回動支点として上下方向に設ける。また、該回動フレーム20の後端部に後部フレーム120を上下方向に設け、該後部フレーム120の上端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。
さらに、前記回動フレーム20を構成する前記左右の角パイプ20a,20aの左右間に連結パイプ121を設け、該連結パイプ121の左右両側端部で且つ左右の角パイプ20a,20aの左右間に支持プレート122の基部をそれぞれ固定して設ける。そして、該左右の支持プレート122,122の上端部にシリンダ支持軸123を軸着し、該シリンダ支持軸123の左右両側部にカラー124をそれぞれ回転自在に装着する。また、該シリンダ支持軸123に昇降油圧シリンダ23の一側端部を装着し、該昇降油圧シリンダ23の他側端部を前記機体フレーム1に装着すると共に、昇降油圧シリンダ23を操作する操作装置(図示省略)を操縦部Bに設けることによって、引抜搬送装置24が構成される。
なお、前記シリンダ支持軸123の左右両端部に回転自在に装着する左右のカラー124,124は、シリンダ支持軸123の左右長さよりも短く構成すると共に、シリンダ支持軸123と昇降油圧シリンダ23の一側端部との連結部から離れた位置に配置するものとする。具体的には、左右のカラー124,124を左右方向に所定間隔を空けてシリンダ支持軸123に回転自在に軸着し、この所定間隔部に昇降油圧シリンダ23の一側端部を装着する構成である。このとき、左右のカラー124,124は、シリンダ支持軸123に沿って左右方向に摺動できない構成としておくと、左右のカラー124,124同士の左右方向の所定間隔が変わることが防止される。
そして、後述する引継搬送部Eを構成する前後の残葉処理フレーム72a,72bのうち、機体前側の残葉処理フレーム72aを前記左右の支持プレート122,122よりも機体後側に設け、該前側の残葉処理フレーム72aにゴムや合成樹脂等の弾性体で構成する保護マット125の後端側をピンやボルト等の固定部材125a…で取り付ける。該保護マット125を前側の残葉処理フレーム72aに固定部材125a…を介して取り付ける位置は、前側の残葉処理フレーム72aの上端部よりも下方位置とする。
該前側の残葉処理フレーム72aのうち、少なくとも保護マット125の左右幅と略同じ左右幅に亘って、上下高さが低くなる切欠部72zを形成すると、保護マット125から残葉処理部Eに移動する人参が接触する部材が無くなるため、移動中に人参が傷付くことが防止でき、人参の商品価値が向上する。
さらに、該保護マット125を左右のカラー124,124の上側を通過させて機体前側に延ばし、該左右のカラー124,124に接触する位置で下方に向けて屈曲させる。また、該保護マット125の前端部には、保護マット125の前端側を下方に向けて引き下げる引下げウェイト126を取り付けて、昇降油圧シリンダ23に搬送途中の人参から落下してくる泥土が接触することや、長さの長い人参が昇降油圧シリンダ23に接触して破損することを防止する防護装置127が構成される。該引下げウェイト126は、保護マット125が捲れ上がらない程度の質量を有していれば、どのような材質で構成してもよい。
なお、上記構成とした防護装置127において、保護マット125は前側の残葉処理フレーム72aから左右のカラー124,124の上側に向けて、円弧(U字形)を描く屈曲部Wを形成するものとする。この屈曲部Wは、引下げウェイト126の質量によって変更される。
このとき、図10(a)(b)で示すように、引下げウェイト126を重り支持軸126aと、該重り支持軸126aに着脱自在に設ける複数の重り126b…で構成すると、作業者は容易に引下げウェイト126の質量を変更して、保護マット125の張りの強弱を変更することができ、人参が保護マット125に衝突してもいっそう破損しにくくなるため、人参の商品価値が維持される。
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
そして、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ左右の角パイプ20a,20aの左右間に、左右方向に複数の尻尾通過溝35c…を形成したカバーケース35bを設け、該カバーケース35bの内部に駆動モータ(図示省略)から駆動力を受けて回転する尻尾切断刃35aを設けて引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を構成することによって、収穫部Cが構成される。
なお、該尻尾切装置35の後部には、前記防護装置127を構成する保護マット125のうち、引下げウェイト126によって略垂直に下方に垂れ下げられる前端部側を配置し、尻尾切装置35を通過した人参を受け止める構成とすると、尻尾切断刃35aの回転力により押し出された人参の姿勢が乱れることが防止され、搬送精度が向上する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降油圧シリンダ23で連結し、昇降油圧シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
さらに、昇降油圧シリンダ23の前後及び上方を覆う軟質部材で構成する保護マット125を設けたことにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参にから降って来る泥土や水等が昇降油圧シリンダ23に付着することを防止できるので、昇降油圧シリンダ23が破損することや、作動不良を起こすことが防止されるため、耐久性や操作性が向上する。
また、昇降油圧シリンダ23の前部を下方に向かって略垂直方向に垂らしていることにより、人参の上下長さが長いものであっても、その人参の下部側を保護マット125が受け止めることができるので、人参が昇降油圧シリンダ23や左右の支持プレート122,122に接触することが防止され、人参が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
そして、保護マット125の前端部に引下げウェイト126を設けて下方に向けて引き下げ、後部側を残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の撓み幅を大きく取ることができるので、保護マット125が抵抗となって接触した人参を傷つけることが防止され、いっそう人参の商品価値が向上する。
さらに、シリンダ支持軸123に左右のカラー124,124を回転自在に装着し、この左右のカラー124,124の上部に保護マット125を接触させる構成としたことにより、保護マット125に人参が接触して撓むときや、引下げウェイト126の重量を変更して保護マット125の前端部の上下位置を変更するとき、保護マット125にかかる摩擦抵抗を減らすことができるので、保護マット125の耐久性が向上する。
これに加えて、保護マット125が摩擦抵抗でその位置に留まることや、保護マット125が伸びて意図した張りに合わなくなることが防止されるので、保護マット125に接触する人参の傷付きが防止されて、商品価値が向上する。
また、左右のカラー124,124を左右方向に所定間隔を空けて設けたことにより、人参が保護マット125に接触する頻度の高い左右方向中央部に撓みを抑える部材が配置されない構成とすることができるので、人参が保護マット125に接触する際の撓み代が十分に確保されるため、保護マット125が十分に撓めず抵抗が強くなって人参を傷つけることが無く、人参の商品価値がいっそう向上する。
そして、保護マット125の前端部を引下げウェイト126で下方に引き下げ、後部側を固定部材125a…で前側の残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の上部側が円弧形状の屈曲部Wとなるため、人参が保護マット125に接触する際の衝撃が吸収されやすく、さらに人参が傷付きにくくなる。
さらに、保護マット125を有する防護装置127を尻尾切装置35の後部の直後位置に設けたことにより、尻尾切装置35に弾き出される人参の下端部側を保護マット125で受け止めることができるので、人参が揺れて周囲の構成部材に接触して破損することが防止され、人参の商品価値が向上する。
これに加えて、人参が揺れることにより、茎葉部から根部がちぎれ、人参が残葉処理部Eよりも機体前側で落下することが防止されるため、人参に残った残葉を手作業で処理する必要がなくなると共に、機外や搬送経路外に落下した人参を拾い上げる作業が不要となるため、作業者の労力が軽減される。
また、保護マット125の後側垂下部を固定部材125aで前側の残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の後端部側が昇降油圧シリンダ23に接触し、昇降油圧シリンダ23の伸縮動作を妨げることを防止できるので、引抜搬送装置24の引抜作業高さの調節が正確に行われるため、作業能率が向上する。
さらに、保護マット125の後部側が昇降油圧シリンダ23の上方を上下方向に亘って覆う構成となるため、昇降油圧シリンダ23に夾雑物が落下することを確実に防止することができるので、昇降油圧シリンダ23が破損したり作動不良を起こすことが防止され、耐久性が向上すると共に、作業性が向上する。
次に、土寄せ部Hについて説明する。
前記機体フレーム1の前部で且つ操縦部B寄りの位置に土寄せメインフレーム201を前後方向に亘って設け、該土寄せメインフレーム201の前端部にプレート202を下方に向けて配置する。そして、該プレート202の下端部に支軸203を左右方向に向けて設け、該支軸203に中空の回動フレーム204を差し込んで配置する。該支軸203の機体左右一側端部は、機体フレーム1に設ける保持プレート205に取り付け、支軸203を保持すると共に、回動フレーム204の左右移動を規制して抜け落ちを防止する。
また、前記回動フレーム204の機体左右一側寄りに、畝溝に畝上の土を寄せて埋める前後一対の土寄せディスク207f,207rからなる土寄せ部材207を装着する土寄せ支持フレーム206を機体前側に向けて配置する。該土寄せ支持フレーム206は、前後方向の略中央部で機体左右一側から左右他側に向かって、且つ下方傾斜姿勢から圃場面(畝の上面)と略水平姿勢となるように屈曲させる。前記土寄せ支持フレーム206の前端部から前後方向略中央部までを、屈曲取付部206aとし、該屈曲取付部206aの上部で且つ前端側に一対の前側取付穴208a,208aを形成すると共に、屈曲取付部206aの上部で且つ後端側に一対の後側取付穴209a,209aを形成する。なお、該一対の前側取付穴208a,208aと後側取付穴209a,209aは、各々左右方向の長穴としてもよい。
そして、該一対の前側取付穴208a,208aに、平面視で「へ」の字形状の前側支持アーム208を、基部側に形成されている取付穴部を前側取付穴208a,208aに合わせてボルト等の固定部材210…で連結固定して取り付ける。前側取付穴208a,208aを長穴としているときは、長穴の任意の位置と合わせてから連結固定することにより、前側支持アーム208の取付位置を調節することができる。さらに、該前側支持アーム208の端部側に前側の土寄せディスク207fを回転自在に装着する。
また、該一対の後側取付穴209a,209aに後側支持アーム209を、基部側に形成されている取付穴部を後側取付穴209a,209aに合わせてボルト等の固定部材210…で連結固定して取り付ける。後側取付穴209a,209aを長穴としているときは、長穴の任意の位置と合わせてから連結固定することにより、後側支持アーム209の取付位置を調節することができる。さらに、該後側支持アーム209の端部側に後側の土寄せディスク207rを回転自在に装着する。
前記後側の土寄せディスク207rは、前側の土寄せディスク207fと略平行となる姿勢で配置すると共に、平面視では前側の土寄せディスク207fよりも機体後側に配置される。また、側面視では、前側の土寄せディスク207fと後側の土寄せディスク207rの一部がオーバーラップする配置構成とする。前後の取付穴208a,208a,209a,209aを長穴とし、前後の支持アーム208,209を位置調節可能に構成したものにおいては、前後の土寄せディスク207f,207rを各々スライドさせると、相互のオーバーラップ量が変化する。但し、前後の土寄せディスク207f,207rの位置調節量は、前後の土寄せディスク207f,207rの離間距離を最大としたときでも、外周縁部同士がオーバーラップする範囲内とする。また、土寄せ支持フレーム206と前後の土寄せディスク207f,207rは、互いに上下方向にオフセットしない配置とする。
なお、前記前後の土寄せディスク207f,207rは半球形状(皿状)であり、凹面側を機体前側に向けて配置することにより、機体の前進に伴って畝を掘り崩し、畝溝を埋める部材である。
さらに、機体左右他側の引抜フレーム15の引抜搬送始端側に支持ステー210を設け、該支持ステー210に土寄せ昇降シリンダ211の固定側を設けると共に、該土寄せ昇降シリンダ211の移動側に連結シャフト212の左右一側端部を装着する。該連結シャフト212と土寄せ昇降シリンダ211の移動側の連結には、トルクシャーボルト等、所定値以上の過負荷がかかると自壊する固定部材213を用いる。
そして、前記連結シャフト212の左右他側端部は、前記回動フレーム204の機体左右一側で且つ後側の土寄せディスク207rよりも機体後側位置に取り付け、前記土寄せ昇降シリンダ211の伸縮動作に連動して上下動する構成とすることにより、土寄せ装置214が構成される。
なお、前記保持プレート205を取り外すと共に、連結シャフト212を土寄せ昇降シリンダ211から取り外すと、回動フレーム204をスライドさせて取り外すことができる構成となるので、土寄せ装置214の着脱に要する時間を短縮することができ、作業能率が向上する。
さらに、前記土寄せ昇降シリンダ211は、引抜搬送装置24の昇降油圧シリンダ23とは独立して昇降操作することもできるものとすべく、電動シリンダとする。そして、前記土寄せ昇降シリンダ211を伸縮させて土寄せ装置214の作業高さを上下調節する土寄せ操作スイッチ215を前記操縦パネル12に設けることにより、土寄せ部Hが形成される。
上記構成としたことにより、人参の引き抜き収穫作業を行いながら、前後の土寄せディスク207a,207bで畝溝を、畝上の土を寄せて埋めることができるので、左側のクローラ6Lが畝上を走行すると共に右側のクローラ6Rが畝溝を走行する際、機体が右方向に傾斜することが防止され、引抜搬送装置24が確実に人参の茎葉部を挟持して引き抜くため、抜き残した人参を手作業で回収する作業が不要となる。
特に、海岸に近い圃場では、塩害による人参の生育不良や枯れを避けるべく、畝の高さを標準的な圃場の倍近い高さ(約30cm前後)とする必要がある。この畝上を左側のクローラ6Lが走行し、畝溝を右クローラ6Rが走行するとき、機体は右側に大幅に傾斜してしまうことになるので、作業者が不快感を覚えるだけでなく、引抜搬送装置24の引抜搬送始端部も傾斜方向にずれてしまい、人参の茎葉部を挟持できず、人参の抜き残しを生じさせることになる。
また、引き抜かれた人参も機体の傾斜と同じ方向に傾くので、後述する茎葉切断装置61が茎葉部を切り残すことや、茎葉部だけでなく根部まで切断してしまい、作業者が茎葉部を手作業で除去しなければならず、作業者の労力が増大すると共に、人参の商品価値が低下してしまう。
この問題を解決すべく、本件の土寄せ装置214を設けると、機体が前進する際、畝溝に畝上の土を寄せていくので、右側のクローラ6Rが畝溝上を通過しても、機体の傾斜が生じない、もしくは、傾斜しても傾斜量が小幅となるので、引抜搬送装置24の引抜作業には支障が生じず、引抜収穫作業の能率の向上や、人参の抜き残しの発生が防止される。
なお、走行部Aで述べた、左右のクローラ6L,6Rの何れか一方を上下動可能に構成していれば、作業者が機体の傾斜を判断すると、手作業で機体を水平姿勢に操作することができる、あるいは傾斜センサの検知によって自動的にクローラ6L,6Rのどちらかを上下動させ、機体を自動的に水平姿勢とすることができるので、いっそう引抜搬送装置24が人参を引き残しにくくなる。
また、前後の土寄せディスク207f,207rが、相互にオーバーラップする配置としたことにより、前側の土寄せディスク207fと後側の土寄せディスク207rの隙間から移動させている土が洩れ出すことを防止できるので、畝溝に移動させる土の量が不足し、畝溝上を通過する際に機体が大幅に傾斜することが防止されるため、引抜搬送装置24が人参を引き抜き残すことが防止される。
そして、前後の土寄せディスク207f,207rを設けた回動フレーム204を土寄せ昇降シリンダ211で上下回動させる構成としたことにより、引抜搬送装置24の茎葉部の挟持高さを変更することなく前後の土寄せディスク207f,207rの作業高さを調節することができるので、人参の抜き残しが防止されると共に、畝溝を確実に埋め立てて、機体の左右方向の傾斜が防止される。
さらに、土寄せ昇降シリンダ211の固定側を機体左右他側の引抜フレーム15に取り付け、移動側を連結シャフト212を介して回動アーム204に取り付けたことにより、引抜搬送装置24を昇降させると土寄せ装置214が連動して昇降するので、旋回時や非作業時等、引抜搬送装置24を上昇させる際に土寄せ装置214を個別に操作しなくても圃場面から離間させることができ、作業能率が向上する。
また、前後の土寄せディスク207f,207rよりも機体後側で土寄せ昇降シリンダ211と連結シャフト212を連結したことにより、運ばれてくる土が土寄せ昇降シリンダ211の移動側に接触することを防止できるので、土寄せ昇降シリンダ211に土が付着して動作不良を起こすことや、破損することが防止される。
そして、連結シャフト212を、所定値以上の過負荷がかかると自壊する固定部材213を用いて土寄せ昇降シリンダ211と連結したことにより、土中の石に接触したときなど、土寄せ装置214に過負荷がかかることがあると固定部材213が自壊して連結状態を解除するので、土寄せ昇降シリンダ211及び引抜搬送装置24には過負荷が伝わらず、破損が防止される。
加えて、連結が解除されることにより、土寄せ装置214側は回動アーム204が下方から加わる力に従って上方に回動することができるので、回動アーム204や土寄せメインフレーム201の破損も防止される。
このとき、破損の可能性があるのは直接石等の抵抗体に接触する前後の土寄せディスク207f,207rであるが、土寄せメインフレーム201や回動フレーム204と比べると着脱が容易であると共に、土寄せ昇降シリンダ211や引抜搬送装置24と比べると安価な部品であるので、破損が生じた際、交換作業に要する労力や部品のコストが軽減される。
なお、図6、図7で示すとおり、土寄せメインフレーム201の前方に平面視でL字形状の前部キャリアフレーム216の長辺部を前後方向に向けて設け、該前部キャリアフレーム216の短辺部を左右方向に向けて操縦部Bの前方に位置させる。そして、該前部キャリアフレーム216の短辺部に回動支持プレート217,217を所定距離を開けて左右一対設け、該左右の回動支持プレート217,217に、コンテナ等の収容容器93を積載するフロントキャリア218を上下方向に回動自在に取り付ける構成としてもよい。
上記構成としたことにより、フロントキャリア218に収容容器93を積載することができるので、収容容器93の積み下ろし作業や積み込み作業の頻度が減少し、作業能率が向上する。
また、人参を積載して重量の増加した収容容器93を、機体左右他側に配置された操縦部Bの前部に位置するフロントキャリア218に積載すると、比較的重量があり、且つ人参の引抜荷重を受けやすい引抜搬送装置24のカウンターウェイトとなるので、機体の左右バランス調節が行え、走行性や人参の引抜精度の向上が図られる。
茎葉切断部Dについて説明する。
図1〜図3及び図11〜図13で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を張圧して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50,50を取り付ける。該張圧バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は張圧バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
加えて、位置揃え装置54,54の搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54,54の左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54,54の左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンクピン48a…に、位置揃えチェーン48,48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型のガイドカバー51…をそれぞれ取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
なお、図14で示すように、該ガイドカバー51…は、正面または背面視においてコの字形に形成し、リンクピン48aに2つ毎に1個取り付けることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54,54の移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内で且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54,54が引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54,54の後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を軸着し、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54,54の上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
さらに、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ66,66を軸着し、前記伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉プレート71を機体左右一側から左右他側に向かう傾斜姿勢で設けて、茎葉切断部Dを構成する。このとき、該排葉プレート71は、シュータの役割を果たす。
また、図11で示すとおり、前記左右の位置揃え装置54,54及び排葉搬送装置65の搬送始端側の上方で、且つ前記引抜搬送装置24を構成する左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内に、人参の茎葉部を挟持搬送しつつ根部が位置揃え装置54,54に接触するように引き上げる搬送補助ローラ128…を前後方向に所定間隔毎に複数個、回転自在に配置する。該搬送補助ローラ128は、搬送補助回転軸128cの下部に人参の茎葉部を挟持する挟持回転体128aを軸着し、搬送補助回転軸128cの上部に人参之茎葉部を扱いて引き上げる扱き回転体128bを軸着して構成する。このとき、扱き回転体128bは挟持回転体128aよりも小径に構成する。
なお、搬送補助ローラ128は、上側の径が下側の径よりも小径となる、「凸」形状、あるいは「呂」形状の異型ローラとしてもよい。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54,54の左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54,54を停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54,54の左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を張圧する左右の張圧バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54,54に茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54,54が確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで張圧バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50,50に張圧された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54,54が茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54,54に大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54,54の前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54,54の間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54,54の左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54,54の搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54,54が茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンクピン48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内に左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54,54の左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉プレート71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
また、左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内に複数の搬送補助ローラ128…を設け、この搬送補助ローラ128を構成する上側の扱き回転体128bを下側の挟持回転体128aよりも小径に構成したことにより、左右の茎葉部が補助搬送ローラ128,128の間を通過する際、左右の挟持搬送ベルト18,18の下部側は閉じて茎葉部を挟持し、上部側は開いて根部が位置揃え装置54,54に接触するまでの茎葉部の扱き上げを妨げない構造となるので、位置揃え装置54,54に人参が移動する際、引抜搬送装置24に挟持搬送された茎葉部が上方にも下方にも動けず、千切れてしまうことが防止されるため、搬送途中で人参が落下することが無く、収穫作業後に手作業で残葉を処理する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
加えて、人参が機外及び搬送経路外に落下し、作業者が落下した人参を拾い集める必要がなくなるため、作業者の労力が軽減される。
そして、従来のように、左右の搬送補助ローラ128,128の左右間隔を収穫する人参の品種や生育状態に合わせて調節する頻度が低下するため、作業者は左右の搬送補助ローラ128,128の左右間隔を調節するために作業を中断する必要が無く、作業能率が向上する。
本件構成では、茎葉部の径が大きくても左右の挟持搬送ベルト18,18は茎葉部が細い、あるいは標準的な径である場合と同じ挙動をするため、調節の頻度が低下する。例外として規格外に大きな人参(3L〜4L超級)の存在があるが、このような人参は加工用に回されるか、あるいは生産者が出荷前に選り分けるため、一般的に市場に流通するものではなく、また頻出するものでもないため、万一茎葉部が千切れて落下しても、作業能率や作業者の労力を損ねるものではない。
次に、排葉回収部Iについて説明する。
図1〜5及び図15〜図17で示すとおり、前記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の搬送終端部の下方で且つ機体フレーム1の後端部にコの字形状の接続フレーム130を取り付け、該接続フレーム130の後部に取付フレーム131を取り付ける。そして、該取付フレーム131の後部に機体左右一側を開放した平面視コの字型の枠状の排葉回収フレーム132を上下方向に回動自在に取り付け、該排葉回収フレーム132と取付フレーム131との間に排葉回収フレーム132を機体の振動等で揺動させる揺動スプリング133を伸縮自在に取り付ける。
前記排葉回収フレーム132の前端部には左右の取付長穴132a,132aを形成し、該左右の取付長穴132a,132aの後方に左右の回動支点穴132b,132bを形成する。また、前記取付フレーム131の後部で且つ排葉回収フレーム132の下部に排葉回収フレーム132の傾斜角度を変更する押しボルト134を回転自在に取り付け、該押しボルト134を回すと排葉回収フレーム132が回動支点を中心として上下方向に回動する構成とする。
なお、押しボルト134は、機体後方に展開した排葉回収フレーム132を圃場面に対して水平状態とする位置を初期位置に設定し、押しボルト134が初期位置から上方に移動するように回すと排葉回収フレーム132の後端部が上昇する構成とすると、角度調節が行ないやすくなる。
そして、前記後部フレーム120の上部に回動支軸141を設け、該回動支軸141に後述する延長フレーム135を引っ掛けて姿勢を固定する保持フック142を前後方向に回動自在に設ける。
また、該排葉回収フレーム132の前後幅の内側で且つ機体左右一側(機体外側)に機体左右他側(機体内側)を開放した平面視コの字型の枠状の延長フレーム135を機体左右方向に回動自在に設け、該延長フレーム135を排葉回収フレーム132側に向かって張圧する前後の張圧スプリング136,136で延長フレーム135と排葉回収フレーム132とを連結する。
前記延長フレーム135の機体前部側面には、排葉回収台140が機体フレーム1と略水平姿勢となり、排葉を回収する作業姿勢を保持する前側保持穴143fを形成する。また、延長フレーム135の機体後部側面には、排葉回収台140が後上がり傾斜姿勢となる収納姿勢を保持する後側保持穴143rを形成する。該前側保持穴143fまたは後側保持穴143rに前記保持フック142を引っ掛けることにより、作業姿勢または収納姿勢の何れかで排葉回収台140の姿勢が保持される。
該前後の張圧スプリング136,136の張力は、延長フレーム135を機体左右一側に展開した際、延長フレーム135の端部側が排葉回収フレーム132よりも上方に位置する箇所で係止する程度とする。より具体的にいえば、排葉回収フレーム132を0度とすると、機体左右一側方向に約120度〜150度展開した状態で延長フレーム135を係止し、それ以上は回動しない張力とする。
そして、前記排葉回収フレーム132に側面視逆U字型の摺動スライダ137…を排葉回収フレーム132上を摺動自在に複数配置し、該複数の摺動スライダ137…と排葉回収フレーム132と延長フレーム135とにメッシュ(網)状の排葉受け網138を紐体やバンド等で取り付ける。
該排葉受け網138はナイロンや植物繊維等の軟質な紐材を網状に編み合わせたもので構成し、摺動スライダ137…と排葉回収フレーム132と延長フレーム135に取り付ける際は、中央部に行くほど圃場に向かって撓みが生じるように取り付ける。
さらに、前記排葉回収フレーム132の機体左右一側の開放部側に前後方向に亘る補強フレーム139を取り付けることにより、排葉回収台140が構成されると共に、排葉回収部Iが構成される。
上記構成により、排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の搬送終端部から機体後方に排出される茎葉部を排葉受け網138で受けて回収することにより、圃場に人参の茎葉部を落とさずに人参の収穫作業を行うことができるので、人参の収穫後すぐに次の作物を栽培する際、圃場に放置した茎葉部に沸いた細菌やウィルスが原因で起こる連作障害が防止され、次の作物の生育や収穫が安定する。
なお、人参を収穫し終えた後、茎葉部が圃場に養分として還元される期間を空けずに次の作物を栽培する場合であり、人参を収穫したあと期間を空ける場合、即ち茎葉部が圃場に養分として還元される期間を過ぎてから次の作物を栽培する場合には、茎葉部を圃場に排出し、耕耘機で土の中に混ぜ込む場合もある。上記の効果は、人参収穫作業後すぐに次の作物の栽培を開始する際、特に効力を発揮するものである。
また、排葉受け網138で茎葉部を受けることにより、茎葉部に付着していた泥が圃場に落下するので、茎葉部を処分する前に太陽光や熱風で乾燥させる際に茎葉部を早く乾かすことができ、茎葉部の廃棄処理作業が効率よく行なえる。
そして、排葉回収フレーム132と取付フレーム131との間に揺動スプリング133を設けたことにより、排葉回収フレーム132は機体の走行や各構成部の駆動で生じる振動を受けて上下及び左右に揺動するため、茎葉部に付着した泥をいっそう落としやすくなり、茎葉部を早く乾かすことができるので、茎葉部の廃棄処理作業が効率よく行なえる。
さらに、排葉受け網138で回収された茎葉部が揺動されることにより、茎葉部同士が圧縮されてまとまるので、茎葉部の収容量を増加させることができ、茎葉部を機外に降ろすために停止する頻度が減少し、作業能率が向上する。
また、排葉回収フレーム132を上下方向に回動させることにより、非作業時には排葉回収フレーム132を機体に近接させて折り畳むことができるので、機体の前後幅がコンパクトになり、軽トラック等の移送手段に積載する際に荷台から排葉回収フレーム132がはみ出すことが防止され、積み降ろしの度に排葉回収フレーム132を着脱する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
そして、機体を荷台から降ろすとすぐに人参の収穫作業に取り掛かれると共に、機体を荷台に積載するとすぐに移動できるので、作業能率が向上する。
さらに、排葉回収フレーム132の傾斜角度を押しボルト134で調節可能としたことにより、傾斜地にある圃場で作業をする場合でも排葉回収フレーム132を圃場に対して水平に配置することができるので、回収した茎葉部が排葉受け網138からこぼれ落ちて圃場に落下することを防止できる。
また、延長フレーム135を左右方向に回動自在に取り付けたことにより、茎葉部の収容量を増やすことができるので、茎葉部を機外に降ろすために停止する頻度が減少し、作業能率が向上する。
そして、延長フレーム135を排葉回収フレーム132側に向かって張圧する前後の張圧スプリング136,136で延長フレーム135と排葉回収フレーム132とを連結したことにより、延長フレーム135は端部側が排葉回収フレーム132よりも上方に位置する状態で係止されるので、延長フレーム135の端部側の下方を人参の茎葉部が通過することができ、延長フレーム1335に引っ掛かって人参の茎葉部がちぎれることが防止されるので、引抜搬送装置24が人参の茎葉部を挟持できずに抜き残してしまうことが無く、収穫作業能率が向上すると共に、作業者が手作業で人参を引き抜く必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、茎葉部の引っ掛かった人参が延長フレーム135に持ち上げられ、引抜搬送装置24が人参の根部を挟持して傷付けてしまうことを防止できるので、人参の商品価値が維持される。
上記の効果は、茎葉部の繁茂しやすい春や夏の収穫作業時や、茎葉部の密度が高くなる品種を収穫作業時に特に効果を発揮することができる。
さらに、排葉回収フレーム132及び延長フレーム125と共に排葉受け網128を取り付ける複数の摺動スライダ137…を摺動自在に排葉回収フレーム132に設けたことにより、摺動スライダ137…を延長フレーム135側に摺動させると排葉受け網138と排葉回収フレーム132との間に茎葉部を圃場に落下させる空間部が形成されるので、排葉プレート71から落下してくる茎葉部をこの空間部に案内して圃場に直接落下させることで、茎葉部を圃場に直線状に並んで排出することができ、茎葉部が直線状に並んでいた箇所を畝とすると養分の豊富な場所で作物を栽培することができる。
そして、排葉回収フレーム132の機体左右一側の開放部側に前後方向に亘る補強フレーム139を設けたことにより、排葉回収フレーム132の強度が向上すると共に、延長フレーム135を排葉回収フレーム132側に折り畳む際、排葉受け網138が必要以上に圃場に垂れ下がることを補強フレーム139が防止するので、排葉受け網138が圃場に接触することが防止され、排葉受け網138が破れて茎葉部が圃場に落下することがなくなる。
さらに、排葉回収台140を回動させて作業姿勢とし、延長フレーム135の機体前部側面に形成した前側保持穴143fに保持フック142を回動させて差し込むことにより、排葉回収台140を作業姿勢で保持することができるので、機体の振動等により排葉回収台140が上下動することが防止され、回収した茎葉部が圃場に落下することが防止される。
また、排葉回収台140を回動させて収納姿勢とし、延長フレーム135の機体後部側面に形成した後側保持穴143fに保持フック142を回動させて差し込むことにより、排葉回収台140を収納姿勢で保持することができるので、機体の収納作業中や移送中に排葉回収台140が回動して作業姿勢になり、機体後方に突出することが防止されるため、排葉回収台140が周囲と接触して破損することが防止される。
次に、引継搬送部Eについて説明する。
図2及び図3で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後の残葉処理フレーム72a,72bを設け、該前後の残葉処理フレーム72a,72bの左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ73,73を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ73,73にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト74の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア76を構成する。
また、該残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置61よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台77を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台77よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ78を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ79を設ける。そして、前記残葉処理コンベア76よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア76に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ78と汲上搬送従動ローラ79とに汲上搬送ベルト80を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア76と受け台77とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア81が構成される。
前記残葉処理コンベア76と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア81とから、汲上搬送部Eが構成される。
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア81に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台77を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置61よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア81に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置61よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図2及び図18で示すように、操縦部Bの後部に左右の選別搬送フレーム82,82を取り付け、該左右の選別搬送フレーム82,82の機体後側の左右間に選別搬送駆動スプロケット83,83を回転自在に設け、該選別搬送駆動スプロケット83,83よりも機体前側に、選別搬送従動スプロケット84,84を取り付けた自動テンション機構84a,84aを設ける。
また、前記選別搬送駆動スプロケット83,83と選別搬送従動スプロケット84,84に亘って左右の伝動チェーン85,85を無端状に巻回し、該伝動チェーン85,85の左右間に複数の搬送バー86…を等間隔に配置する。さらに、前記選別搬送駆動スプロケット83,83の回転軸を回転させる選別搬送モータ87mを設けることにより、選別搬送コンベア87が構成される。
該選別搬送コンベア87は、搬送始端部よりも搬送終端部が僅かに上方に位置する後上り傾斜姿勢とし、搬送始端部を汲上搬送部Eの汲上搬送コンベア81の搬送終端部の下方に配置する。このとき、汲上搬送コンベア81の搬送終端部は、機体左右一側の自動テンション機構84aを跨いだ位置に配置する。
また、前記選別搬送駆動スプロケット83,83の回転軸にシュータ88を上下回動自在に取り付け、該シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けることによって、選別搬送部Fが構成される。
上記構成のように、選別搬送従動スプロケット84,84を回転自在に取り付けた自動テンション機構84a,84aを設けたことにより、汲上搬送コンベア81から人参が落下してきたときなどに伝動チェーン85,85を撓ませることができるので、人参は落下の衝撃を吸収されて傷付くことを防止され、人参の商品価値が向上する。
また、選別搬送駆動スプロケット83,83を搬送終端部側に設けたことにより、自動テンション機構84a,84aがはたらいて伝動チェーン85,85が撓んでも、選別搬送コンベア87の搬送終端位置が変化しないので、選別搬送コンベア87と収容容器93との距離が変わることが防止され、人参の落下距離が一定に保たれ、落下の衝撃で傷付くことが防止される。
そして、汲上搬送コンベア81の搬送終端部を、機体左右一側の自動テンション装置84aを跨いだ位置に配置したことにより、汲上搬送コンベア81から排出される人参が自動テンション装置84aや伝動チェーン85の上に落下しないので、人参が落下してくると自動テンション装置84aが作用して伝動チェーン85がしっかりと撓むため、落下の衝撃が吸収されて人参が傷付くことが防止される。
さらに、選別搬送コンベア87を、複数の搬送バー86…を左右の伝動チェーン85,85の左右間に等間隔に設けて構成したことにより、搬送バー86同士の間から人参に付着していた泥土や葉屑等の夾雑物を下方に落下させることができるので、夾雑物が選別対象の人参の形状や傷を隠すことが防止され、人参の選別精度が向上する。
また、シュータ88を上下回動自在に設けたことによって、シュータ88を下方回動させると人参を後述する収容部Gに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器93に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
そして、シュータ88を上方に回動させると、選別搬送コンベア87の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア87を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア87の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、シュータ88を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア87を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア87の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア81の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア87の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
また、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席117に座ったままシュータ88を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
次に、収容部Gについて説明する。
図1、図2、図19、図20で示すように、前記左右選別搬送フレーム82,82の下部に前後回動自在に枠形状の載置支持フレーム90を設け、該載置支持フレーム90の空間部に前後方向の回転軸91…を複数並べて配置する。本実施例では三本の回転軸91a,91b,91cを、左右方向に間隔を空けて配置している。
該回転軸91a,91b,91cのうち、機体左右一側、即ち選別搬送コンベア87の搬送終端部の下方に位置する載置支持フレーム90に回転軸91aを配置し、収容容器93の左右幅より短い間隔を空けて、機体左右他側、後述する収容容器載置台97側に回転軸91b,91cを回転軸91aよりも上方に配置する。
そして、前記回転軸91a,91b,91cにそれぞれ搬送ローラ92を、コンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器93の搬送方向にのみ回転可能に装着する。回転方向を一方向に回転させるためには、搬送ローラ92にワンウェイクラッチ(図示省略)等の回転規制部材を用いるとよい。
なお、この搬送ローラ92は、図1、図2、図19で示すように、前後方向に複数(本実施例では分割搬送ローラ92x,92y,92z)に分割し、該分割搬送ローラ92x,92y,92z同士の間隔、及び載置支持フレーム90との間隔ができるだけ生じないように配置する。
さらに、機体左右一側に設ける前記回転軸91aの後部で且つ回転軸91aと載置支持フレーム90との間に皿バネ等のブレーキ体94を軸着し、回転軸91aの後端部に該ブレーキ体94の抵抗力を調節する調節ノブ95を調節自在に取り付ける。該ブレーキ体94は、調節ノブ95の調節操作に応じて加圧力を回転軸91aに加え、回転軸91aの回転を規制するものである。
また、前記載置支持フレーム90に収容容器93の重量に応じて伸縮するダンパ96の一側端部を設け、該ダンパ96の他側端部を回動フレーム20に取り付ける。該ダンパ96は、収容容器93に投入された人参が少なく、重量が軽い場合は短く縮んで載置支持フレーム90を上方に回動させると共に、人参が投入されて重くなるにつれて長く伸び、載置支持フレーム90を下方に回動させる構成とする。
上記構成により、収容容器載置台97が構成される。
そして、該収容容器載置台97を構成する収容支持フレーム90の後部に空の収容容器93等を載置する予備収容容器載置台98を前後回動自在に、且つ収容容器載置台97が圃場面に対して略水平姿勢であるときには後上り傾斜姿勢となるように取り付ける。該予備収容容器載置台98は、収容容器載置台97から収容容器93を取り除くと、積載している空の収容容器93を収容容器載置台97に滑り降ろす角度で配置する。このとき、人参を収容中の収容容器93の上部が、空の収容容器93のストッパの役割を果たしている。
また、前記選別搬送コンベア87の機体左右他側方に補助作業者が足を置くステップ99を設け、該ステップ99の下部に前後一対の取付アーム100,100を設け、該取付アーム100,100の機体左右他側端部に平面視H字形状の回動ステー101,101を取り付ける。さらに、該回動ステー101,101に中空の支持フレーム102,102を上下回動自在に設け、該支持フレーム102,102の上部に人参を収容した収容容器93を複数載置する貯留台103を、機体前後方向に長辺を向けて配置する。この貯留台103は、非作業時等には機体フレーム1側に回動させることができる構成とし、倉庫等に収容する際のスペースを少なくできる構成としている。
なお、ステップ99の機体左右他側端部は載置支持フレーム90の機体左右他側端部と略同じ位相とし、貯留台103の後端部は載置支持フレーム90の後端部と略同じ位相とする。
また、ステップ99の取付アーム100,100を回動ステー101,101を回動支点として、貯留台103を機体フレーム1側に回動させるとステップ99がこの貯留台103側に回動する構成としてもよい。
上記構成によれば、貯留台103を上方回動させるとステップ99も上方回動して傾斜姿勢となることにより、選別搬送コンベア87や作業者の靴から落ちた泥土や葉屑等の夾雑物を下方に落とすことができるので、夾雑物の除去作業が容易となり、メンテナンス性が向上する。
このとき、ステップ99の表面を凹凸のない平坦な構成としたり、泥土の付着しにくい素材で覆ったりすると、ステップ99を傾斜させた際にいっそう泥土が残りにくく、メンテナンス性がさらに向上する。
そして、該貯留台103の前部に左右一対の駆動プーリ104,104を設け、貯留台103の後部に左右一対の従動プーリ105,105を設け、該駆動プーリ104,104と従動プーリ105,105の前後間に複数の搬送ローラ106,106…を回転自在に設ける。また、前記駆動プーリ104,104と従動プーリ105,105に2本の搬送ベルト107,107:107,107を左右間隔を空けて無端状に巻回する。該左右の搬送ベルト107,107:107,107の左右間には、前記搬送ローラ106,106…が搬送ベルト107,107:107,107と接触しない位置に設けられる。
なお、搬送ローラ106,106…と搬送ベルト107,107:107,107の上面は、貯留台103の上端面よりも上方に位置すると、収容容器93が貯留台103の上面に接触して搬送されなくなることが防止されるので、作業能率が向上する。
さらに、前記貯留台103の前端部に駆動プーリ104,104を駆動回転させる駆動モータ108を設けることにより、収容容器搬送装置109が構成される。
なお、図2で示すように、貯留台103の機体左右他側の壁面のうち、収容容器載置台97から収容容器93を受ける位置に収容容器93が接触すると駆動モータ108を所定時間駆動させる載置検出スイッチ110を設けると、自動的に人参を収容した収容容器93を移動させることができるので、作業者が収容容器93を移動させる作業が省略され、作業能率が向上する。
駆動モータ108の駆動時間は、収容容器93一つ分が機体前方に移動する時間とする。
また、操縦者は機体の操縦に集中することができ、補助作業者は選別作業に集中することができるので、人参の引き残しが防止されると共に、人参の選別精度が向上する。
そして、貯留台103の前端部の壁面に収容容器搬送装置109によって搬送されて来た収容容器93が接触すると駆動モータ108を停止させ、ブザーやランプなどの報知手段(図示せず)を検出する終端検出スイッチ111を設けることにより、貯留台103に収容容器93が満載されてこれ以上積めないことが自動的にわかるようになり、作業能率が向上する。
また、貯留台103の後端部の左右両端部に、平面視L字形状の取付ステー112,112を固着し、該取付ステー112,112の後方に突出させた端部に帯鋼で平面視コの字型に形成した支持フレーム113を固定ピン113aで固定する。そして、該支持フレーム113の左右間に複数の支持パイプ114…を設けて、商品として不適格な人参(生育不良、形状異常、傷物など)を回収する廃物回収用の廃物容器93tを配置する廃物容器支持台115を構成する。
上記の固定ピン113aは、最下段の廃物容器93tの下部に接触し、廃物容器93tが貯留台103に移動することを防止する。
該廃物容器支持台115の支持フレーム113は機体後方に向かう後上り傾斜姿勢とし、その傾斜角度は廃物容器93tを複数段、例えば二段積みまでは積載を許容するものに設定する。廃物容器支持台115を圃場面に対して略水平となる角度(≒0度)とすると、廃物容器93tを何個も上下方向に積み上げることが出来てしまい、重量で廃物容器支持台115が壊れてしまうおそれがある。また、機体後端に位置する廃物容器支持台115に多くの廃物容器93tを積載すると、重量バランスが機体後部に集中してしまい、機体の走行姿勢や旋回姿勢が乱されて、人参の引抜収穫位置がずれてしまうことがある。こうした問題を発生させないため、過剰に多くの廃物容器93tを積載できないよう、廃物容器支持台115を後上り傾斜姿勢としている。
なお、廃物容器支持台115には、空の、あるいは人参を収容し終えた収容容器93を載置してもよい。
そして、前記前後の回動ステー101,101の前後どちらか一方に背面視コの字型の座席支持フレーム116を挿し込んで設け、該座席支持フレーム116に選別搬送コンベア87上の人参を選別する作業者が座る補助作業座席117を取り付けることにより、収容部Gが構成される。
なお、補助作業座席117は、左右方向に回転自在に取り付けてもよい。
上記構成のように、収容容器載置台97に搬送ローラ92を取り付ける複数の回転軸91a,91b,91cを設け、左右一側端部の回転軸91aを他の回転軸91b,91cよりも下方に設けたことにより、収容容器載置台97に収容容器93を設けたとき、収容容器93の左右一側端部が左右他側端部よりも下方に位置した傾斜姿勢となるので、収容容器93が搬送ローラ92によって勝手に貯留台103に移動することが防止され、人参を可能な限り収容してから貯留台103に移動させられるため、作業効率が向上する。
また、選別搬送コンベア87から排出される人参を受ける収容容器93が勝手に移動し、人参が圃場や機体上に落下することを防止できるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて商品価値が維持されると共に、落下した人参を拾い集める作業が必要なく、作業者の労力が軽減される。
そして、回転軸91b,91cを略同じ高さに配置したことにより、収容容器93を貯留台103に引き出す際、回転軸91bに設けた搬送ローラ92に収容容器93が載ると、回転軸91cに設けた搬送ローラ92に高低差なく移動するので、収容容器93を作業者が引き出す際の荷重が軽減されて軽い力で人参の満載された収容容器93を移動させられる。
さらに、搬送ローラ92を分割した分割搬送ローラ92x,92y,92zを、回転軸91a,91b,91cにそれぞれ軸着したことにより、収容容器93の底部と接触する部分のみが回転するので、分割搬送ローラ92x,92y,92zの一つ当たりの慣性を小さくすることができ、作業者は少ない力で収容容器93を引き出せるため、作業者の労力が軽減される。
また、分割搬送ローラ92x,92y,92z同士の前後間隔、及び前後端部に位置する分割搬送ローラ92x,92zと載置支持フレーム90の前後間隔が殆ど生じない構成としたことにより、収容容器93の底部が間隔に入り込んで引っ掛かることを防止できるので、収容容器93の貯留台103への移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
そして、回転軸91aに回転速度を調節するブレーキ体94と調節ノブ95を設けたことにより、圃場が安定しており収容容器載置台97から貯留台103に向かって収容容器93が勝手に移動することが殆どないときは、回転軸91aの規制力を弱めて回転しやすくすることができるので、作業者はより小さい力で収容容器93を引き出せるため、作業者の労力が軽減される。
一方、圃場に凹凸が多く、頻繁に機体が傾斜する場合等、収容容器載置台97から貯留台103に向かって収容容器93が勝手に移動しがちな場合は、回転軸91aの規制力を強めて回転しにくくすることができるので、機体が傾斜しても収容容器93は回転軸91aに軸着した搬送ローラ92に移動を規制され、勝手に貯留台103に移動することを防止されるため、人参が機体や圃場に落下して傷付くことが防止されて作物の商品価値が向上すると共に、落下した人参を拾い集める必要が無く、作業者の労力が軽減される。
なお、調節ノブ95を締めて回転軸91aが全く回転しなくなるようにしてもよい。また、調節ノブ95をモータで回転する構成とし、補助作業座席117の近くにこのモータを駆動させるスイッチを設け、作業者が移動することなく調節ノブ95を回せる構成としてもよい。
さらに、収容載置フレーム90に収容容器93の重量に応じて伸縮するダンパ96の一側端部を取り付けたことにより、人参の収容量がゼロ、あるいは少量の場合は収容容器93が傾斜姿勢で選別搬送コンベア87から排出される人参を受け、収容量が増えるにつれて水平に近い姿勢に変化していくので、選別搬送コンベア87から収容容器93までの人参の落下距離が短くなり、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、商品価値が維持される。
また、収容容器93の角度を自動で変更することができるので、作業能率が向上する。
そして、貯留台103に搬送ベルト107,107:107,107と複数の搬送ローラ106,106…を設けたことにより、引き出されてきた収容容器93を自動的に機体前方に送ることができるので、作業能率が向上すると共に、作業者が収容容器93を手作業で移動させる必要が無く、作業能率が向上する。
さらに、廃物収容支持台115を構成する平面視コの字形上の支持フレーム113を、貯留台103の後端部の左右両側に取り付ける取付ステー112,112に設けたことにより、取付ステー112,112の位相が略変化しないので捻れが生じることが防止され、支持フレーム113の強度が向上する。
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図3〜図5で示すとおり、機体フレーム1の後部で且つ左右方向の中央部付近に排葉プレート71の機体左右他側端部を回動自在に装着し、機体左右一側端部に背面視「へ」の字形状の排葉側部カバー151を設ける。該排葉側部カバー151は、前記排葉プレート71を下方回動させて機体フレーム1と略水平状態とすると、機体フレーム1の左右一側端部から外側に突出すると共に、排葉プレート71を上方回動させると残葉搬送装置70搬送終端部付近の機体左右一側を覆う位置に移動する。
そして、該排葉側部カバー151の外側端部と、残葉搬送装置70の上部を覆う左右の排葉上部カバー152,152のうち、左右一側の排葉上部カバー152を、伸縮自在で且つ排葉側部カバー151を上方に付勢する力を有する引上部材153で連結する。該引上部材153は、スプリングやゴムなどの強い弾性力を有するものとする。
上記構成としたことにより、排葉プレート71を上方回動させると排葉シュータになると共に、下方回動させると排葉回収台になることにより、茎葉部の量等の作業条件に合わせて排葉プレート71をシュータとするか排葉回収台とするかを選択することができるので、作業条件の変化に適応しやすく、作業能率が向上する。
また、排葉プレート71の外側端部に排葉側部カバー151を設けたことにより、シュータとしたときには排葉側部カバー151が残葉搬送装置70の搬送終端部付近の機体左右一側を覆うので、残葉搬送装置70から排出された茎葉部が風に飛ばされても機体左右一側から圃場に落下することが防止されるため、未収穫の人参の上に切断された茎葉部が載ることがなく、挟持引抜作業時に引抜搬送装置24が人参を引き抜き損なうことや、茎葉部が詰まって引抜搬送装置24が停止することが防止される。
一方、排葉プレート71を排葉回収台としたときは、排葉側部カバー151が機体左右一側の壁となるので、排葉プレート71上の端部寄りに落下した茎葉部が圃場に落下することが防止され、未収穫の人参の上に切断された茎葉部が載ることが防止される。
そして、該排葉側部カバー151の外側端部と左右一側の排葉上部カバー152を引上部材153で連結したことにより、排葉プレート71をシュータとして茎葉部を圃場に移動させるとき、作業者が軽い力で排葉プレート71を持ち上げることができるので、作業者の労力が軽減される。
さらに、排葉プレート71の回動支点を機体左右他側端部としたことにより、排葉プレート71を上方回動させると機体左右一側から左右他側に向かって下方傾斜する姿勢となるので、茎葉部がクローラ6L,6Rの左右間、または右側のクローラ6R上に落下する。
クローラ6L,6Rの左右間に茎葉部を落とすと、機体フレーム1の下方を通過するので、大量の茎葉部を圃場に纏めて置いておくことができ、後工程の回収作業の能率が向上する。
一方、右側のクローラ6R上に茎葉部を落としていくと、茎葉部はクローラ6Rの走行に伴い前方に移動して圃場に落ち、クローラ6Rに踏み潰される。このとき、茎葉部は潰されたり引き千切られたりしながら土中に埋め込まれるため、土中の菌類や細菌によって分解され、圃場の養分となり、土質を向上させることが可能となる。
なお、図2、図5及び図21に記載している通り、上記構成に加えて、後側フレーム120と排葉プレート71の機体前側端部を排葉昇降シリンダ154で連結し、該排葉昇降シリンダ154を伸縮操作する排葉操作スイッチ155を操縦パネル12に設ける構成としてもよい。
上記構成とすると、作業者は排葉プレート71上の茎葉部を圃場に移動させる際、人参収穫機の走行を停止させ、一旦降車して機体後部に移動し、排葉プレート71を上方回動させる必要がなくなるので、人参の収穫をしながら茎葉部の移動が可能となり、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が大幅に軽減される。
しかしながら、機体を操縦する作業者は、圃場端までの距離や人参の植生状態を確認し続ける必要があり、排葉プレート71にどの程度の量の茎葉部が積載されているかを把握することが困難である。茎葉部の積載量を確認するべく、走行速度を減速させたり、圃場端まで十分な距離がある地点で積載量を確認してもよいが、作業能率や操作性、及び人参の収穫精度を高めるには、作業者は後ろを振り返るべきではない。
上記の問題を解消すべく、図22及び図23で示すとおり、排葉プレート71に重量検知センサ156を設け、茎葉部の積載量を検知する(S01)構成とし、該重量検知センサ156が所定重量、例えば茎葉部の総重量が2kgを超えると(S02)、排葉昇降シリンダ154に収縮信号が発信され(S03)、排葉プレート71が自動的にシュータになる構成としてもよい。
上記構成とすることにより、茎葉部が所定重量積載されたときに自動的に圃場に移動されるので、作業者は茎葉部の積載量を気にすることなく人参の収穫作業を行うことができるので、人参の抜き残しが減少すると共に、高速で移動することができるので、作業能率が向上する。
また、排葉プレート71上に茎葉部が許容量以上積載され、風や機体の振動が加わると茎葉部が排葉側部カバー151を超えて圃場に落下することを防止できるので、未収穫の人参の上に茎葉部が降りかかることが防止される。
なお、重量検知センサ156が排葉昇降シリンダ154を収縮させる重量は、作業者が人参の品種(茎葉部の量が異なる)や作業条件(風の強弱、圃場に移動させるタイミング)に合わせて変更可能なものとする。
自動的に茎葉部が圃場に移動されていると、茎葉部の排出位置によっては回収作業の能率が低下する可能性がある。作業者が茎葉部を移動させるタイミングを知りつつ、圃場に移動させるタイミングは自分で決められる構成としては、重量検知センサ156が所定重量を検知すると(S04,S05)作動するブザー157を設け、音声で作業者に茎葉部を移動させるタイミング(S06,S10)が来たことを報知する構成としてもよい。
上記構成により、作業者は茎葉部を排葉プレート71から圃場に移動させるタイミングに到達していることを音声で把握することができるので、任意のタイミングで排葉操作スイッチ155を操作すればよく、作業能率や操作性が大幅に向上する。
なお、重量検知センサ156がブザー157を作動させる重量を、茎葉部の移動が速やかに必要となる重量よりも若干軽く設定しておくと、茎葉部の移動を行う位置まで移動する間に茎葉部がはみ出して圃場に落ちることを防止しやすくなる。このとき、茎葉部がさらに積載されて重量が増し、排出すべき重量になるとブザー157の音声発信パターンが変更される構成とすると、作業者が現在の茎葉部の積載量を判断しやすくなり、いっそう茎葉部を圃場に移動させるタイミングが掴みやすくなるので、作業能率が向上する。
上記のブザー157の発信パターンは、茎葉部の圃場への移動を推奨する重量を検知した(S04,S05)第1段階(S06)では短い音を1回、または数回発信し、茎葉部を速やかに圃場に移動させるべき重量を検知した(S08,S09)第2段階(S10)では長い音を排葉操作スイッチ155が操作されるまで発信する(S07,S11)、等の方式が考えられるが、作業者が気付きやすい方式であれば、どのようなパターンを選択してもよい。