本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図14に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dの終端部から排出される茎葉部を回収する排葉回収部Eと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Fと、該引継搬送部Fから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Gと、選別搬送部Gから排出される人参を収容する収容部Hから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図2で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4…の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1及び図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
まず、図1及び図2で示すように、左右の引抜フレーム15,15の機体前側に左右の従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右の駆動プーリ17,17を装着し、該左右の従動プーリ16,16と左右の駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右の挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数の左右のテンションローラ19,19…によって該左右の挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右の挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に機体左右方向の横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右の駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
また、図1で示すように、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を縦ラグ25aで引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を横ラグ26aで掬い上げる横引起し装置26と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設ける。
さらに、前記引抜フレーム15,15の機体前側下部から機体前後方向おいて略中間位置に亘って左右のソイラフレーム32,32を取り付け、該ソイラフレーム32,32の前側端部に左右の振動アーム33,33の前側端部を取り付ける。そして、該振動アーム33,33の前後方向の略中央位置に人参の周囲の土を切り解す左右のソイラ34,34を機体前側に向けて取り付ける。
また、図3〜図6で示すように、前記引抜搬送通路Rの下方の掘取フレーム20に複数のスリット43s…を形成した円弧形状のガイドカバー43を取り付ける。
そして、該ガイドカバー43の内側に引抜搬送装置24で搬送中の人参の根部下部のひげ根を切断する正面視(または背面視)でコの字形状の回転切断刃44を設け、該回転切断刃44の回転径の内側に駆動力を供給する駆動モータ45を出力軸45aを介して取り付ける。
なお、上記駆動モータ45は、平面視では回転切断刃44を引抜搬送装置24の人参の搬送方向と同一方向に、側面視では時計回り(右回り)に回転させる。この駆動モータ45は機体のバッテリ(図示せず)から電力を受け、操縦部Bからの操作で駆動する電動モータを用いているが、油圧モータ等を用いてもよい。
加えて、変速レバー13の切替による走行速度の変化に合わせて該駆動モータ45の回転数が変化する構成としてもよい。これにより、走行速度を上げて引抜搬送装置24に引抜搬送される人参の数が多くなると共に、引抜搬送装置24の搬送速度が高速化すると、駆動モータ45の回転数が増大し、回転切断刃44の回転速度が増加するので、人参の根部下部のひげ根を確実に切断することができ、作業能率が向上するとともに、ひげ根の切り残しが減少するので、後工程で作業者がひげ根を切除する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
また、走行速度を下げると引抜搬送装置24で搬送される人参の数が少なくなるので、回転切断刃44を高速で回転させる必要がなく、駆動モータ45の回転数を少なくできるので、駆動モータ45の出力軸45aや回転切断刃44にかかる負荷が軽減され、耐久力が向上する。
そして、前記ガイドカバー43の前部に引抜搬送装置24で搬送中の人参の根部下部を受ける根部ガイド46を機体前下方に向かって傾斜姿勢で配置し、該根部ガイド46の左右両側部が左右方向中央部よりも上方に位置する正面視でV字状或いは舌状に構成する。また、該根部ガイド46をゴム等の弾性部材で構成すると共に、根部ガイド46の基部側(ガイドカバー43側)を端部側(機体前側)よりも厚みを付けて構成することにより、ひげ根切断装置47が形成される。
なお、該根部ガイド46を空気の出入により伸縮自在な素材で形成し、根部ガイド46の内部に空間部46aを形成すると共に、該空間部46aの先端側(機体前側)まで空気が入ると伸張し、先端側(機体前側)から空気が抜けると根部ガイド46の非ガイド作用側(機体後側)に退避する構成としてもよい。
上記構成により、コンプレッサ等(図示せず)で根部ガイド46に形成した空間部46aに空気を出入りさせて根部ガイド46の前後長さを変化させ、圃場に植生する人参の生育状況や品種による長さの違い、引抜搬送装置24の搬送速度等の条件に合わせて根部ガイド46の作用域の長さを変更することにより、人参の根部下部のひげ根をガイドカバー43に形成したスリット43s…に案内して切断回転刃44に接触させて確実にひげ根を切断することができるので、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
そして、根部ガイド46に形成した空間部46aをガイドカバー43に形成した複数のスリット43s…に接触させて配置することにより、切断回転刃44の回転によって発生する空気で根部ガイド46を伸縮させることができるので、コンプレッサ等を設ける必要がなく、部品点数が削減される。
空間部46aへの空気の流入量は、切断回転刃44の回転を高速にするほど多くなり、高速作業になるほど根部ガイド46が伸びるので、高速作業時でも適確に人参の根部下部を受けてガイドカバー43のスリット43s…にひげ根を案内することができ、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
また、図7〜図10で示すように、前記引抜搬送装置24を構成する左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内で且つひげ根説断装置47の前端部の上方近傍に左右の前側遊動プーリ48,48を回転自在に設け、左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内で且つひげ根説断装置47の後端部の上方近傍に左右の前側遊動プーリ49,49を回転自在に設ける。そして、該左右の前側遊動プーリ49,49の左右の回転軸49a,49aの下端部側に左右の上段駆動プーリ50a,50aと左右の下段駆動プーリ51a,51aを軸着し、左右の前側遊動プーリ48,48の左右の回転軸48a,48aの下端部側に左右の上段従動プーリ50b,50bと左右の下段従動プーリ51b,51bを軸着する。
さらに、該左右の回転軸48a,48aのうち、左右の上段従動プーリ50b,50bと左右の下段従動プーリ51b,51bとの間に左右の支持プレート52,52を設け、該支持プレート52,52の上部に左右の上段テンションプーリ53,53を回転自在に設け、支持プレート52,52の下部に左右の下段テンションプーリ54,54を回転自在に設け、該左右の下段テンションプーリ54,54を左右の上段テンションプーリ53,53の左右間隔よりも狭く配置する。
そして、前記左右の上段駆動プーリ50a,50aと左右の上段従動プーリ51a,51aと左右の上段テンションプーリ53,53とに左右の上段支持案内ベルト55,55を無端状に巻回し、前記左右の下段駆動プーリ51a,51aと左右の下段従動プーリ51b,51bと左右の下段テンションプーリ54,54とに左右の下段支持案内ベルト56,56を無端状に巻回することにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参が左右方向に揺さ振られてひげ根切断装置47から逃げることを防止する上段支持案内装置57と下段支持案内装置58が構成される。
該上段支持案内装置57と下段支持案内装置58を組み合わせることにより、人参支持案内装置59が構成され、引抜搬送装置24とひげ根切断装置47と人参支持案内装置59とを組み合わせることにより、収穫部Cが構成される。
上記構成により、機体前側に縦引起し装置25と横引起し装置26とを設けたことによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を縦引起し装置25の縦ラグ25aで引き起こし、引き起こされた茎葉を横引起し装置26の横ラグ26aで掬い上げて引抜搬送装置24の挟持搬送始端部に移動させることができ、人参の茎葉が確実に引抜搬送装置24に挟持されて圃場から引き抜かれるので、抜き残される人参が減少し、作業能率が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
そして、ガイドカバー43の前部に根部ガイド46を設けたことにより、引抜搬送装置24の人参の搬送速度を速くしても、人参の根部下部を根部ガイド46が受けて減速させてからガイドカバー43に形成したスリット43s…に根部下部のひげ根を案内して切断回転刃44に接触させ、確実に切断することができるので、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
また、根部ガイド46の左右両側部を左右方向中央部よりも上方に位置させ、正面視でV字形状(舌形状)に構成したことにより、根部ガイド46に接触した人参が左右方向に逃げることを防止できるので、確実に人参の根部下部のひげ根を切断回転刃44に接触させて確実に切断することができるので、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
さらに、根部ガイド46をゴム等の弾性部材で構成したことにより、根部ガイド46に人参が勢いよく接触しても傷付きにくいため、人参の商品価値が維持される。
そして、根部ガイド46の基部側(ガイドカバー43側)を端部側(機体前側)よりも厚く構成したことにより、人参と接触した際に根部ガイド46の端部側が撓み易いので、確実に人参の根部下部のひげ根を切断回転刃44に接触させて確実に切断することができるので、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
また、引抜搬送装置24の下方で且つひげ根切断装置47の上方に上段支持案内装置57と下段支持案内装置58からなる人参支持案内装置59を設けたことにより、ひげ根切断装置47の上方を通過する人参を左右から人参支持案内装置59で受けるので、人参が左右に揺さ振られて根部下部のひげ根がひげ根切断装置47から逃げることが防止され、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
さらに、上段支持案内装置57の左右の上段駆動プーリ50a,50aと下段支持案内装置58の下段駆動プーリ51a,51aへの駆動力を引抜搬送装置24に設けた左右の前側遊動プーリ49,49の左右の回転軸49a,49aから得る構成としたことにより、人参支持案内装置59に駆動力を供給する伝動機構を新たに構成する必要がなく、機体の構成が簡略になりメンテナンス性が向上すると共に、部品点数が削減される。
そして、下段支持案内装置58の左右の下段テンションプーリ54,54を上段支持案内装置57の左右の上段テンションプーリ53,53の左右間隔よりも狭く配置したことにより、上段支持案内装置57が人参に接触する位置と下段支持案内装置58が人参に接触する位置を異ならせることができるので、上下で太さの異なる人参の根部に上段支持案内装置57と下段支持案内装置58とが接触しやすくなり、人参が左右に揺さ振られることが防止され、収穫作業後に作業者が手作業でひげ根を取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
次に、茎葉切断部Dについて説明する。
図1、図2及び図10で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸60,60を取り付け、該左右の伝動軸60,60の上部に左右の伝動ケース61,61を取り付けると共に、該左右の伝動ケース61,61内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット62,62を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸60,60に左右の第2ギアユニット63,63を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット63,63の後端部に左右の第1出力軸64,64を機体上方に向けて軸着する。
そして、前記の左右第1ギアユニット62,62の前端部に左右の第2出力軸65,65を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸65,65に左右の位置揃え駆動スプロケット66,66を軸着する。さらに、前記左右の伝動ケース61,61の前下部に左右の位置揃えフレーム67,67を設け、該左右の位置揃えフレーム67,67の前側に左右の位置揃え従動プーリ68,68を回転自在に取り付ける。
また、図11〜図13で示すように、該左右の位置揃え従動プーリ68,68と左右の位置揃え駆動スプロケット66,66とに、該左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部が貫通する孔部69a…を等間隔に複数形成し、人参の根部や茎葉部と接触する位置揃え作用面に複数の上下方向の突起69b…を人参の標準的な搬送間隔である約100mm毎に形成したクローラ式の左右の位置揃えベルト69,69を無端状に巻回する。
該左右の位置揃えベルト69,69のうち、前記左右の位置揃え従動プーリ68,68と左右の位置揃え駆動スプロケット66,66とに接触する内周面を断面視で凹形状に形成し、左右の位置揃えベルト69,69の外周面には、左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部の露出を防止する防護突起69cを夫々無端状に形成する。また、左右の位置揃えベルト69,69の下部側を曲面形状(R形状)に構成すると共に、左右幅を上部及び上下方向中央部よりも狭く(薄く)構成する。
なお、左右の位置揃えベルト69,69の左右幅を狭く(薄く)構成する範囲は、左右の位置揃えベルト69,69の下端部から上方に5〜10mmの範囲とすると、人参の根部上部に接触して左右の位置揃えベルト69,69の下部が屈曲しても、屈曲部が左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部に接触することがなく、左右の位置揃えベルト69,69が破損することを防止できる。
また、前記左右の位置揃えベルト69,69の下部に、人参の標準的な搬送間隔である約100mm毎に切れ目を形成する。
そして、前記位置揃え従動プーリ68,68と位置揃え駆動スプロケット66,66との前後間で且つ左右の位置揃えフレーム67,67上に、左右の位置揃えベルト69,69を巻回域内から位置揃え作用面側に張圧する複数の張圧プレート70a…と1または複数の張圧スプリング70b…とから構成される、左右の張圧ガイド70,70を取り付けて、人参の根部を下部に接触させて適切な茎葉部の切断位置に揃える位置揃え装置71が構成される。
なお、左右の位置揃え駆動スプロケット66,66に駆動力を伝達する左右の第2出力軸65,65のうち、左右どちらか一方の長さを変更可能に構成し、位置揃え装置71の左右の高さが異なる構成とすると、茎葉部が太い品種を収穫する際、茎葉部が位置揃え装置71の左右間に詰まってしまうことを防止できるので、詰まった人参の茎葉部を取り除くために収穫作業を停止する必要がなく、作業能率が向上する。
さらに、図7で示すように、前記左右の第1ギアユニット62,62の位置揃え装置71の後方位置に左右の切断刃回転軸72,72を軸着し、該切断刃回転軸72,72に左右のベアリング73,73を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング73,73に左右の支持プレート74,74を取り付け、該支持プレート74,74に左右の茎葉切断刃75,75を取り付けて、茎葉切断装置76が構成される。
また、前記左右の第1出力軸64,64に左右の茎葉搬送駆動プーリ77,77を軸着し、前記左右の第1ギアユニット62,62よりも機体前側で且つ位置揃え装置71の上方に左右の茎葉搬送従動プーリ78,78を回転自在に取り付ける。そして、該左右の茎葉搬送駆動プーリ77,77と左右の茎葉搬送従動プーリ78,78とに左右の排葉搬送ベルト79,79を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する茎葉搬送装置80が、前記左右の伝動ケース61,61の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
さらに、前記左右の第1出力軸64,64の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ81,81を軸着し、前記左右の伝動ケース61,61の上方に左右の残葉搬送従動プーリ82,82を回転自在に取り付けるとともに、該左右の残葉搬送駆動プーリ81,81と左右残葉搬送従動プーリ82,82との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ83,83…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ81,81と左右残葉搬送従動プーリ82,82と左右残葉搬送テンションプーリ83,83…とに左右残葉搬送ベルト84,84を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する茎葉搬送装置85が、前記茎葉搬送装置80の上方に構成される。
そして、上記茎葉搬送装置80と排葉搬送装置85の終端部から茎葉切断装置76によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ86を設けることにより、茎葉切断部Dを構成する。
上記構成により、人参に付着していた泥土が左右の位置揃えベルト69,69の内側に入り込んでも、この泥土を左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の外周に設けた複数の突起部が左右の位置揃えベルト69,69に形成した複数の孔部69a…から外側に押し出すので、泥土が左右の位置揃えベルト69,69をスリップさせて左右の位置揃え駆動スプロケット66,66から外れることを防止でき、人参の収穫作業が中断されることが防止され、作業能率が向上すると共に、作業者が左右の位置揃えベルト69,69を取り付け直す作業が必要なく、作業者の労力が軽減される。
そして、左右の位置揃えベルト69,69のうち、人参の茎葉部や根部が接触する位置揃え作用側(外周側)に防護突起69cを夫々形成したことにより、左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部が人参の根部や茎葉部に接触することを防止できるので、人参の根部が左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部に傷付けられることが防止され、人参の商品価値が向上する。
また、左右の位置揃え駆動スプロケット66,66の突起部が人参の茎葉部を傷つけることがないため、人参の根部上部が位置揃え装置71の下端部に接触するまで確実に引き上げることができるので、人参の茎葉部の切断位置が一定となり、人参の根部に茎葉部が残ることが防止され、作業者がこの茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業者の労力が軽減される。
さらに、左右の位置揃えベルト69,69の位置揃え作用側に、上下方向の複数の突起69b…を人参の搬送間隔に合わせて形成したことにより、人参が前後方向に揺さ振られることを防止できるので、人参同士が衝突して茎葉部の切断姿勢が乱れることが防止され、人参の根部が茎葉切断装置76に切断されることがなく人参の商品価値が維持されると共に、茎葉切断装置76が茎葉部を切り残すことが防止され、作業者がこの茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業者の労力が軽減される。
そして、左右の位置揃えベルト69,69の下部側を曲面形状(R形状)に構成し、左右幅を上部及び上下方向中央部よりも狭く(薄く)構成したことにより、人参が上方に引き上げられて位置揃え装置71の下端部に接触する際、左右の位置揃えベルト69,69の下部側が互いに近接し合う方向に屈曲するので、人参の大小にかかわらず茎葉部の切断位置を統一することができ、人参の根部に茎葉がいっそう残りにくくなる。
また、左右の位置揃えベルト69,69の下部に等間隔に切れ目を形成したことにより、人参が位置揃え装置71の下端部に接触すると左右の位置揃えベルト69,69の下部側がいっそう屈曲しやすくなるので、人参の茎葉部の切断位置をより確実に統一することができ、人参の根部に茎葉がよりいっそう残りにくくなる。
さらに、位置揃え従動プーリ68,68と位置揃え駆動スプロケット66,66との前後間に、張圧プレート70aと張圧スプリング70b…で構成される左右の張圧ガイド70,70を設けたことにより、人参の茎葉部や人参の根部上部が接触すると機体外側に退避し、人参が通過すると元の位置に復帰するので、人参の茎葉部の切断位置を適切な位置に揃えることができると共に、人参の茎葉部や根部の径が大きいものが位置揃え装置71の左右間に詰まって作業が中断することを防止できるので、詰まった人参の茎葉部や根部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
そして、茎葉切断装置76で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ86が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト18,18や左右従動プーリ16,16等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
次に、排葉回収部Eについて説明する。
図1、図2及び図11〜図13で示すように、前記茎葉搬送装置80と排葉搬送装置85の搬送終端部の下方で且つ機体フレーム1の後端部にコの字形状の接続フレーム120を取り付け、該接続フレーム120の後部に取付フレーム121を取り付ける。そして、該取付フレーム121の後部に機体左右一側(機体外側)を開放した平面視コの字型の枠状の排葉回収フレーム122を上下方向に回動自在に取り付け、該排葉回収フレーム122と取付フレーム121との間に排葉回収フレーム122を機体の振動等で揺動させる揺動スプリング123を伸縮自在に取り付ける。
前記排葉回収フレーム122の前端部には左右の取付長穴122a,122aを形成し、該左右の取付長穴122a,122aの後方に左右の回動支点穴122b,122bを形成する。また、前記取付フレーム121の後部で且つ排葉回収フレーム122の下部に排葉回収フレーム122の傾斜角度を変更する押しボルト124を回転自在に取り付け、該押しボルト124を回すと排葉回収フレーム122が回動支点を中心として上下方向に回動する構成とする。
なお、押しボルト124は、機体後方に展開した排葉回収フレーム122を圃場面に対して水平状態とする位置を初期位置に設定し、押しボルト124が初期位置から上方に移動するように回すと排葉回収フレーム122の後端部が上昇する構成とすると、角度調節が行ないやすくなる。
また、該排葉回収フレーム122の前後幅の内側で且つ機体左右一側(機体外側)に機体左右他側(機体内側)を開放した平面視コの字型の枠状の延長フレーム125を機体左右方向に回動自在に設け、該延長フレーム125を排葉回収フレーム122側に向かって張圧する前後の張圧スプリング126,126で延長フレーム125と排葉回収フレーム122とを連結する。
該前後の張圧スプリング126,126の張力は、延長フレーム125を機体左右一側に展開した際、延長フレーム125の端部側が排葉回収フレーム122よりも上方に位置する箇所で係止する程度とする。より具体的にいえば、排葉回収フレーム122を0度とすると、機体左右一側方向に約120度〜150度展開した状態で延長フレーム125を係止し、それ以上は回動しない張力とする。
そして、前記排葉回収フレーム122に側面視逆U字型の摺動スライダ127…を排葉回収フレーム122上を摺動自在に複数配置し、該複数の摺動スライダ127…と排葉回収フレーム122と延長フレーム125とにメッシュ(網)状の排葉受け網128を紐体やバンド等で取り付ける。
該排葉受け網128はナイロンや植物繊維等の軟質な紐材を網状に編み合わせたもので構成し、摺動スライダ127…と排葉回収フレーム122と延長フレーム125とに取り付ける際は、中央部に行くほど圃場に向かって撓みが生じるように取り付ける。
さらに、前記排葉回収フレーム122の機体左右一側の開放部側に前後方向に亘る補強フレーム129を取り付けることにより、排葉回収部Eが構成される。
上記構成により、茎葉搬送装置80と排葉搬送装置85の搬送終端部から機体後方に排出される茎葉部を排葉受け網128で受けて回収することにより、圃場に人参の茎葉部を落とさずに人参の収穫作業を行うことができるので、人参の収穫後すぐに次の作物を栽培する際、圃場に放置した茎葉部に沸いた細菌やウィルスが原因で起こる連作障害が防止され、次の作物の生育や収穫が安定する。
なお、人参を収穫し終えた後、茎葉部が圃場に養分として還元される期間を空けずに次の作物を栽培する場合であり、人参を収穫したあと期間を空ける場合、即ち茎葉部が圃場に養分として還元される期間を過ぎてから次の作物を栽培する場合には、茎葉部を圃場に排出し、耕耘機で土の中に混ぜ込む場合もある。上記の効果は、人参収穫作業後すぐに次の作物の栽培を開始する場合の効果である。
また、排葉受け網128で茎葉部を受けることにより、茎葉部に付着していた泥が圃場に落下するので、茎葉部を処分する前に太陽光や熱風で乾燥させる際に茎葉部を早く乾かすことができ、茎葉部の廃棄処理作業が効率よく行なえる。
そして、排葉回収フレーム122と取付フレーム121との間に揺動スプリング123を設けたことにより、排葉回収フレーム122は機体の走行や各構成部の駆動で生じる振動を受けて上下及び左右に揺動するため、茎葉部に付着した泥をいっそう落としやすくなり、茎葉部を早く乾かすことができるので、茎葉部の廃棄処理作業が効率よく行なえる。
さらに、排葉受け網128で回収された茎葉部が揺動されることにより、茎葉部同士が圧縮されてまとまるので、茎葉部の収容量を増加させることができ、茎葉部を機外に降ろすために停止する頻度が減少し、作業能率が向上する。
また、排葉回収フレーム122を上下方向に回動させることにより、非作業時には排葉回収フレーム122を機体に近接させて折り畳むことができるので、機体の前後幅がコンパクトになり、軽トラック等の運搬車両に積載する際に荷台から排葉回収フレーム122がはみ出すことが防止され、積み降ろしの度に排葉回収フレーム122を着脱する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
そして、機体を荷台から降ろすとすぐに人参の収穫作業に取り掛かれると共に、機体を荷台に積載するとすぐに移動できるので、作業能率が向上する。
さらに、排葉回収フレーム122の傾斜角度を押しボルト124で調節可能としたことにより、傾斜地にある圃場で作業をする場合でも排葉回収フレーム122を圃場に対して水平に配置することができるので、回収した茎葉部が排葉受け網128からこぼれ落ちて圃場に落下することを防止できる。
また、延長フレーム125を左右方向に回動自在に取り付けたことにより、茎葉部の収容量を増やすことができるので、茎葉部を機外に降ろすために停止する頻度が減少し、作業能率が向上する。
そして、延長フレーム125を排葉回収フレーム122側に向かって張圧する前後の張圧スプリング126,126で延長フレーム125と排葉回収フレーム122とを連結したことにより、延長フレーム125は端部側が排葉回収フレーム122よりも上方に位置する状態で係止されるので、延長フレーム125の端部側の下方を人参の茎葉部が通過することができ、延長フレーム125に引っ掛かって人参の茎葉部がちぎれることが防止されるので、引抜搬送装置24が人参の茎葉部を挟持できずに抜き残してしまうことが無く、収穫作業能率が向上すると共に、作業者が手作業で人参を引き抜く必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、茎葉部の引っ掛かった人参が延長フレーム125に持ち上げられ、引抜搬送装置24が人参の根部を挟持して傷付けてしまうことを防止できるので、人参の商品価値が維持される。
上記の効果は、茎葉部の繁茂しやすい春や夏の収穫作業時や、茎葉部の密度が高くなる品種を収穫作業時に特に効果を発揮することができる。
さらに、排葉回収フレーム122及び延長フレーム125と共に排葉受け網128を取り付ける複数の摺動スライダ127…を摺動自在に排葉回収フレーム122に設けたことにより、摺動スライダ127…を延長フレーム125側に摺動させると排葉受け網128と排葉回収フレーム122との間に茎葉部を圃場に落下させる空間部が形成されるので、排葉シュータ86から落下してくる茎葉部をこの空間部に案内して圃場に直接落下させることで、茎葉部を圃場に直線状に並んで排出することができ、茎葉部が直線状に並んでいた箇所を畝とすると養分の豊富な場所で作物を栽培することができる。
そして、排葉回収フレーム122の機体左右一側の開放部側に前後方向に亘る補強フレーム129を設けたことにより、排葉回収フレーム122の強度が向上すると共に、延長フレーム125を排葉回収フレーム122側に折り畳む際、排葉受け網128が必要以上に圃場に垂れ下がることを補強フレーム129が防止するので、排葉受け網128が圃場に接触することが防止され、排葉受け網128が破れて茎葉部が圃場に落下することがなくなる。
次に、引継搬送部Fについて説明する。
図2で示すように、前記茎葉切断装置76の下方に前後残葉処理フレーム87,87を設け、該前後残葉処理フレーム87,87の前後間で且つ左右両側に左右残葉処理ローラ88,88を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ88,88にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト89を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト89の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト89と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ90を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア91を構成する。
また、該残葉処理コンベア91の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置76よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台92を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台92よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ93を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ94を設ける。そして、前記残葉処理コンベア91よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア91に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ93と汲上搬送従動ローラ94とに汲上搬送ベルト95を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア91と受け台92とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア96が構成される。
前記残葉処理コンベア91と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア96とから、汲上搬送部Eが構成される。
上記構成により、残葉処理コンベア91を構成する残葉処理ローラ90が、茎葉切断装置76で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア96に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理コンベア91を構成する残葉処理ベルト89をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置76で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト89が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理コンベア91の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台92を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置76よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア96に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置76よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
次に、選別搬送部Gについて説明する。
図2、図14で示すように、操縦部Bの後部に左右の選別搬送フレーム97,97を取り付け、該左右の選別搬送フレーム97,97の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ98を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ98よりも機体後側に選別搬送従動ローラ99を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ98と選別搬送従動ローラ99との間に選別搬送テンションローラ100を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ98と選別搬送従動ローラ99と選別搬送テンションローラ100とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト101を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア102が構成される。さらに、該選別搬送コンベア102を始端部が汲上搬送部Eの汲上搬送コンベア96の終端下方に位置するように配置する。
また、前記選別搬送従動ローラ99の回転軸にシュータ103を上下回動自在に取り付け、該シュータ103の機体左右外側にシュータ103を上下回動させる操作レバー104を取り付けることによって、選別搬送部Gが構成される。
上記のように、シュータ103を上下回動自在に設けたことによって、シュータ103を下方回動させると人参を後述する収容部Hに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器107に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
また、シュータ103を上方に回動させると、選別搬送コンベア102の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア102を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア102の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、シュータ103を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア102を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア102の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア92の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア102の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
さらに、シュータ103の機体左右外側にシュータ103を上下回動させる操作レバー104を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席112に座ったままシュータ103を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
次に、収容部Hについて説明する。
図1、図2及び図14で示すように、前記左右選別搬送フレーム97,97の下部に左右支持フレーム105,105を設け、該左右支持フレーム105,105に伸縮自在なダンパ106の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム97,97の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器107を設置する収容容器置台108を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台108にダンパ106の他端を取り付ける。
また、該収容容器置台108の後端部に予備の収容容器107を設置する予備収容容器置台109を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台108や選別搬送コンベア102や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器107を積載する収容容器積載台110を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
そして、該収容容器積載台110の機体外側に、収容容器積載台110の上方を越えて且つ選別搬送コンベア102に向けて屈曲させた支持フレーム111を取り付け、該支持フレーム111の上に補助作業者が着座する補助作業座席112を取り付ける。そして、前記収容容器積載台108の後部に予備の収容容器107を設置する第2予備収容容器置台113を取り付けて、収容部Hが構成される。
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台108に伸縮自在なダンパ106の他端を取り付けていることによって、収容容器107に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台108が下降するため、人参が収容容器107の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器107の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
また、収容容器置台108の後部に予備の収容容器107を設置する予備収容容器置台109を設けたことによって、人参が満載された収容容器107が収容容器置台108から取り除かれるとダンパ106が伸びて収容容器置台108が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台109に設置されている収容容器108が収容容器置台108に滑り落ちて設置されるので、収容容器107を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
そして、機体左右外側に収容容器積載台110を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台110を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
さらに、収容容器積載台110の上方を越えて且つ選別搬送コンベア102に向けて屈曲させた支持フレーム111上に補助作業座席112を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア102に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器107が収容容器積載台110上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
また、収容容器積載台110の後部に第2予備収容容器置台113を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器107を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図15で示すように、排葉回収フレーム122の機体左右他側(機体内側)端部で且つ前後幅の外側に機体左右一側(機体外側)を開放した平面視コの字型第2延長フレーム130を機体左右方向に回動自在に取り付け、該第2延長フレーム130の内側にプラスチック、アクリル等の硬質な樹脂板、または鉄等の金属板、木材等で構成する表裏共に平坦なプレート131を取り付ける。
そして、前記第2延長フレーム130の前後の直線部分に複数の穴を等間隔に形成し、前記延長フレーム125の前後の直線部分の機体左右一側(機体外側)端部に前後のノブボルト132,132を取り付け、排葉回収部Eに追加機能を持たせる構成としてもよい。
なお、該別実施例において排葉回収部Eを構成する各フレームの前後幅は、第2延長フレーム130>排葉回収フレーム122>延長フレーム125とする。
上記構成のように、延長フレーム125を機体左右他側(機体内側)に回動させると共に第2延長フレーム130を機体左右一側(機体外側)に回動させ、第2延長フレーム130に形成した穴のいずれかと延長フレーム125の前後のノブボルト132,132とを連結することにより、第2延長フレーム130の内側に設けた平坦なプレート131が茎葉部を圃場に案内することができるので、茎葉部を回収する作業と圃場に排出する作業とを容易に切り替えることができ、作業能率が向上する。
また、第2延長フレーム130に複数の穴を等間隔に形成したことにより、前後のノブボルト132,132を連結する穴を変更すると第2延長フレーム130の傾斜角度が変わるので、人参の種類や圃場の土質、収穫作業時の天候等の作業条件に合わせて第2延長フレーム130の傾斜角度を変更すると、茎葉部を確実にプレート131上を滑らせて圃場面に落下させることができ、プレート131に滞留した茎葉部を作業者が手作業で取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
さらに、圃場に落下する茎葉部が直線に並べられるので、この茎葉部を梳き込んで畝を作ると、養分の豊富な状態で人参あるいは他の作物を生育させることができ、人参あるいは他の作物の生育が促進されると共に、収穫物の商品価値が向上する。
図16及び図17で示すように、前記茎葉切断装置76の下方で且つ機体後側に後残葉処理フレーム133Rを設け、機体前側に間隔を空けて該後残葉処理フレーム133Rよりも上下方向に短い前残葉処理フレーム133Fを設ける。そして、該前後残葉処理フレーム133F,133Rの前後間で且つ左右両側に左右の左右残葉処理ローラ134,134を回転自在に取り付ける。
また、該左右残葉処理ローラ134,134にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト135を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト135の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト135と共に挟み込んで切除する第1残葉処理ローラ136を前端部が後端部よりも機体左右他側(機体内側)に位置する斜め傾斜姿勢に取り付ける。さらに、該第1残葉処理ローラ136よりも機体左右一側(機体外側)方向に比較的大型の人参1本分、約180〜200mm程度の間隔を空けて、残葉処理ベルト135と共に人参の根部に残った残葉を挟み込んで切除する第2残葉処理ローラ137を前端部が後端部よりも機体左右他側(機体内側)に位置する斜め傾斜姿勢に取り付ける。
該第2残葉処理ローラ137の外周面の上方位置にポリ塩化ビニル(PVC)やゴム等の弾性体で構成するクッションカバー138を設け、第2残葉処理ローラ137を前記茎葉切断装置76の切断位置の直下あるいはその近傍に配置して、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア139を構成してもよい。
上記構成により、落下してきた人参はクッションカバー138に接触して第1残葉処理ローラ136と第2残葉処理ローラ137との左右間、あるいは第2残葉処理ローラ137よりも機体左右一側(機体外側)の残葉処理ベルト135上で受け、第1残葉処理ローラ136と第2残葉処理ローラ137のどちらかで確実に残葉を処理することができるので、基本実施例の残葉処理コンベア91のように、人参が多く落下してくると人参同士が押し合い、残葉処理ローラ90に接触せず根部に残葉が残ったまま汲上搬送コンベア96に搬送されることが防止され、選別搬送コンベア102で選別作業を行う選別作業者が残葉を手作業で取り除く必要が無くなり、選別精度が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
また、クッションカバー138を落下部直下あるいは近傍に設ける第2残葉処理ローラ137の外周面の上方位置に設けたことにより、接触時の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
なお、クッションカバー138が第2残葉処理ローラ137を覆うのは、外周面に沿って80〜120度程度の範囲とする。この範囲であれば、人参が直接第2残葉処理ローラ137に触れることが防止できると共に、残葉が第2残葉処理ローラ137と残葉処理ベルト135との間に入り込むのを邪魔することがなく、残葉処理が効果的且つ能率的に行なわれる。
また、前残葉処理フレーム133Fを後残葉処理フレーム133Rよりも上下方向に短く構成したことにより、第1残葉処理ローラ136と第2残葉処理ローラ137の前端部から汲上搬送コンベア96に排出される人参に干渉する領域を無くすことができるので、人参の搬送が円滑に行なわれて作業能率が向上する。
さらに、残葉処理コンベア139の後端部側から人参が機体後方に落下することが防止でき、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の商品価値が維持されると共に、落下した人参を作業者が手作業で拾い集める必要が無く、作業者の労力が軽減される。
また、図18で示すように、第1残葉処理ローラ136から約180〜200mm程度の間隔を空けて、該第1残葉処理ローラ136の前後長さの約半分の長さの補助残葉処理ローラ140を前残葉処理フレーム133Fに近接させて、且つ前端部が後端部よりも機体左右他側(機体内側)に位置する斜め傾斜姿勢に取り付ける。
そして、前記第1残葉処理ローラ136の回転軸と補助残葉処理ローラ140の回動軸とを内部に複数の伝動ギアを内装した正面視逆U字型(門型)のギアケース141で連結する。また、前記補助残葉処理ローラ140の後端部に弾性体で構成する円弧状のクッションカバー143を設けると共に、補助残葉処理ローラ140の外周面の上方位置に弾性体で構成するクッションカバー144を設けることにより、残葉処理コンベア145が構成される。
上記構成により、第1残葉処理ローラ136の前後方向中間部から後端部に亘って人参が第1残葉処理ローラ136側に移動可能な空間部が形成されるので、補助残葉処理ローラ140側に多く人参が落下した際に、補助残葉処理ローラ140に接触せずに人参が汲上搬送コンベア96に搬送されてしまうことが防止でき、選別搬送コンベア102で選別作業を行う選別作業者が残葉を手作業で取り除く必要が無くなり、選別精度が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
また、補助残葉処理ローラ140の後端部に弾性体で構成する円弧状のクッションカバー143を設けたことにより、人参が補助残葉処理ローラ140の後端部に接触して傷付くことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
さらに、補助残葉処理ローラ140の周面の上方位置にクッションカバー144を設けたことにより、触時の衝撃で人参が傷付くことを防止でき、人参の商品価値が向上する。
そして、第1残葉処理ローラ136と補助残葉処理ローラ140とを連結して駆動力を伝動するギアケース141を逆U字型(門型)としたことにより、第1残葉処理ローラ136と補助残葉処理ローラ140の間から汲上搬送コンベア96に搬送される人参はギアケース141の空間部を通過することができるので、人参に干渉する領域が無く、人参の搬送が円滑に行なわれて作業能率が向上する共に、排出される人参が大幅に左右にぶれることが防止され、汲上搬送コンベア96上で人参同士がぶつかり合うことが防止でき、人参の商品価値が向上する。