JP2010200632A - 根菜類収穫機 - Google Patents

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小田切  元
Shingo Takagi
高木  真吾
Takaaki Iwabe
岩部  孝章
Hikaru Yoshii
輝 吉井
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】
作物を圃場から引き抜き、茎葉部を確実に切断して収穫する根菜類収穫機を提供する。
【解決手段】
機体の左右一側に圃場から作物を引き抜き機体後方へ搬送する後上がり傾斜姿勢の引抜搬送装置24を設け、引抜搬送装置24の搬送終端部下方に引抜搬送装置24から作物の茎葉部を引き継いで搬送する挟持搬送装置57を設け、挟持搬送装置57の搬送経路の下方に作物の茎葉部の挟持搬送装置57で挟持された部分よりも下側の部分を切断する左右一側の第1茎葉切断刃62Lと左右他側の第2茎葉切断刃62Rとから構成される茎葉切断装置63を設け、第1茎葉切断刃62Lを伝動装置38からの駆動力で駆動回転する構成とし、第2茎葉切断刃62Rを自由回転する構成とし、茎葉切断装置63の下方に茎葉部を切断されて落下した作物を受けて残葉を処理する残葉処理装置69を設けて構成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、作物を圃場から引き抜き、茎葉部を切断して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
従来の根菜類収穫機としては、茎葉搬送装置を通過中の作物の茎葉部を左右一対の切断刃で切断し、作物を下方の残葉処理装置に落下させる技術が存在する。(特許文献1)
特開2006−262718号公報
しかしながら、特許文献1に記載された根菜類収穫機では、左右一対の切断刃が略同速で回転しているため、作物の茎葉部が切断される前に左右の切断刃に押し出されてしまい、茎葉部が切り残されてしまうという問題がある。
また、左右両側の切断刃が回転しているため、切断刃の回転によって作物の傾きが変わり、残葉処理装置に落下する位置が安定せず、作物が残葉処理装置の外に落下したり、作物の残葉が処理されない位置に落下してしまうという問題がある。
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
請求項1の発明は、機体の左右一側に圃場から作物を引き抜き機体後方へ搬送する後上がり傾斜姿勢の引抜搬送装置(24)を設け、該引抜搬送装置(24)の搬送終端部下方に引抜搬送装置(24)から作物の茎葉部を引き継いで搬送する挟持搬送装置(57)を設け、該挟持搬送装置(57)の搬送経路の下方に作物の茎葉部の挟持搬送装置(57)で挟持された部分よりも下側の部分を切断する左右一側の第1茎葉切断刃(62L)と左右他側の第2茎葉切断刃(62R)とから構成される茎葉切断装置(63)を設け、該第1茎葉切断刃(62L)を伝動装置(38)からの駆動力で駆動回転する構成とし、該第2茎葉切断刃(62R)を自由回転する構成とし、前記茎葉切断装置(63)の下方に茎葉部を切断されて落下した作物を受けて残葉を処理する残葉処理装置(69)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機とした。
請求項2記載の発明は、前記駆動回転する第1茎葉切断刃(62L)を機体内側に設け、自由回転する第2茎葉切断刃(62R)を機体外側に設けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機とした。
請求項3記載の発明は、前記第1切断刃(62L)を多角形状の回転刃とし、第2茎葉切断刃(62R)を円形状の回転刃としたことを特徴とする請求項1または2記載の根菜類収穫機とした。
請求項4記載の発明は、前記第1切断刃(62L)と第2切断刃(62R)とを夫々多角形状の回転刃としたことを特徴とする請求項1または2記載の根菜類収穫機とした。
請求項1記載の発明によれば、伝動装置(38)からの駆動力で駆動回転する第1茎葉切断刃(62L)と自由回転する第2茎葉切断刃(62R)とから茎葉切断装置(63)を構成したことによって、第1茎葉切断刃(62L)の回転速度と第2茎葉切断刃(62R)の回転速度に差が生じ、作物の茎葉部が切断される前に押し出されることが防止され、作物の茎葉部を確実に切除して残葉処理装置(69)に作物を落下させて残葉を処理することができる。
また、第1茎葉切断刃(62L)が駆動回転することによって、作物の傾き方向を略一定にすることができるので、作物が残葉処理装置(69)の外や残葉処理が行われない位置に落下することが防止され、作業能率が向上する。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、駆動回転する第1茎葉切断刃(62L)を機体内側に設け、自由回転する第2茎葉切断刃(62R)を機体外側に設けたことによって、第1茎葉切断刃(62L)が茎葉部を回転方向に押し出すため、作物の傾斜姿勢を残葉処理装置(69)に向かって落下する姿勢とすることができるので、茎葉切断装置(63)に茎葉部を切断された作物が確実に残葉処理装置(69)に引き継がれて作業能率が向上する。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、第1茎葉切断刃(62L)を多角形状の回転刃で構成したことによって、多角形状の回転刃の多数の角部で茎葉部を切断することができるので、茎葉部を作物から確実に切除することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、第1茎葉切断刃(62L)と第2茎葉切断刃(62R)とを夫々多角形状の回転刃で構成したことによって、第1茎葉切断刃(62L)と第2茎葉切断刃(62R)とがオーバーラップする面積を大きくすることができ、茎葉部を確実に挟み切ることができる。
根菜類収穫機の側面図 根菜類収穫機の平面図 根菜類収穫機の背面図 茎葉搬送装置の拡大側面図 選別搬送部及び収容部の拡大側面図 茎葉切断装置の拡大正面図 茎葉切断刃の平面図 茎葉切断刃の別実施例の平面図 茎葉切断刃の別実施例の平面図 茎葉切断刃の別実施例の平面図 (a) 茎葉切断刃の別実施例の平面図 (b) 茎葉切断刃の別実施例の正面図 尻尾切装置の別実施例の側面図 尻尾切装置の別実施例の側面図 根菜類収穫機の別実施例の側面図
本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
そして、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を取り付ける。
さらに、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右伝動軸36,36を取り付け、該左右伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右伝動軸36,36に左右第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右第2ギアユニット39,39の後端部に左右第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右第2出力軸41,41に左右首揃え駆動プーリ42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前端下部に左右首揃え従動プーリ43,43を軸着した左右回転軸44,44を設け、該左右首揃え従動プーリ43,43と前記左右首揃え駆動プーリ42,42との前後間に複数の左右首揃えテンションプーリ45,45…を回転自在に取り付ける。そして、該左右首揃え従動プーリ43,43と前記左右首揃え駆動プーリ42,42と左右首揃えテンションプーリ45,45…との間に左右首揃え搬送ベルト46,46を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から引き継がれる人参の茎葉部の切断位置を略一定に揃える首揃え装置47が引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ48,48を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ首揃え装置47の上方に左右茎葉搬送従動プーリ49,49を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ48,48と左右茎葉搬送従動プーリ49,49とに左右排葉搬送ベルト50,50を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置51が、左右伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
さらに、図6で示すように、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ52,52を軸着し、前記左右伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ53,53を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ52,52と左右残葉搬送従動プーリ53,53との前後間に複数の左右残葉搬送テンションプーリ54,54…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ52,52と左右残葉搬送従動プーリ53,53と左右残葉搬送テンションプーリ54,54…とに左右残葉搬送ベルト55,55を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置56が前記排葉搬送装置51の上方に構成される。
上記排葉搬送装置51と残葉搬送装置56とから、茎葉搬送装置57が構成される。
また、前記左右第1ギアユニット38,38の首揃え装置47の後方位置に左右切断刃回転軸58,58を軸着し、該左右切断刃回転軸58,58に左右ベアリング59L,59Rを回転自在に取り付けると共に左右取付部材60L,60Rを軸着する。そして、機体内側の左ベアリング59Lの外縁部に支持プレート61Lを取り付け、該支持プレート61Lに左茎葉切断刃62Lを取り付ける。
さらに、機体外側の右ベアリング59Rの外縁部に支持フランジ61Rを前記右取付部材60Rに噛合させて設け、該支持フランジ61Rに左茎葉切断刃62Rを取り付けることによって、右茎葉切断刃62Rが駆動力を受けて回転すると共に右茎葉切断刃62Rが回転自在な茎葉切断装置63が構成される。
なお、図7で示すように、駆動力を受けて回転する前記左茎葉切断刃62Lを左多角形刃62aLとすると、複数の尖った角部で人参の茎葉部を切断することができ、茎葉部をより確実に人参から切除することができる。
また、図8で示すように、左茎葉切断刃62Lを前記左多角形刃62aLとし、回転自在な右茎葉切断刃62Rを右多角形刃62aRとすると、左多角形刃62aLと右多角形刃62aRとがオーバーラップする面積を大きくすることができるので、人参の茎葉部を確実に挟み切ることができる。
さらに、図9で示すように、右多角形刃62aRを六角形とし、左多角形刃62aLを右多角形刃62aRよりも対辺を多く、例えば八角形とすると、茎葉部が角部に接触する回数が増えるので、茎葉部の切断精度がさらに向上する。この対辺の数は任意に変更してもよい。
そして、前記茎葉搬送装置57の搬送終端部から圃場に排出する排葉シュータ64を機体外側方向に下方傾斜姿勢で取り付ける。
前記引抜搬送装置24と首揃え装置47と茎葉搬送装置57と茎葉切断装置63と排葉シュータ64とから、収穫部Cが構成される。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置28を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
さらに、収穫部Cの茎葉切断装置63で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ64が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げ、人参に左右振動ソイラ34,34等が当たって傷つくことが防止できるので、人参の商品価値が向上する。
また、排葉搬送装置51と残葉搬送装置56とから構成される茎葉搬送装置57で茎葉部を機体後方に搬送することによって、長い茎葉部が垂れ下がって左右排葉搬送ベルト50,50や茎葉切断装置63等に巻き付くことを防止できるので、人参の収穫作業が中断されず作業能率が向上すると共に、巻き付いた茎葉部を取り除く作業が必要なく、メンテナンス性が向上する。
そして、左右伝動ケース37,37を左右排葉搬送ベルト50,50の巻回域内に設けたことによって、人参の茎葉部が左右伝動ケース37,37内に入り込み、左右第1ギアユニット38,38等に巻き付くことを防止できるので、人参の収穫作業が中断されず作業能率が向上すると共に、巻き付いた茎葉部を取り除く作業が必要なく、メンテナンス性が向上する。
さらに、首揃え装置47と排葉搬送装置51とを引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に配置したことによって、首揃え装置47に人参の根部の上端部を接触させながら茎葉部を排葉搬送装置51に引き継がせ、人参の茎葉部を根部との境目で切除することができるので、茎葉切断装置63が人参の根部を誤って切断したり、根菜の引き上げが足りず茎葉が過剰に残ってしまうことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
また、首揃え装置47の搬送終端部の後方に茎葉切断装置63を設けたことによって、茎葉部の切断位置が決まった直後に茎葉部を切断することができるので、切断位置が狂って人参の根部を誤って切断したり、根菜の引き上げが足りず茎葉が過剰に残ってしまうことが防止され、人参の商品価値が向上する。
そして、機体内側の左茎葉切断刃62Lをギアユニット38から駆動力を受けて回転する構成とし、機体外側の右茎葉切断刃62Rを右取付部材60Rに支持フランジ61Rを噛合させて回転自在としたことによって、左茎葉切断刃62Lの回転速度と右茎葉切断刃62Rの回転速度に差が生じるので、人参の茎葉部が切断される前に押し出されることが防止され、人参の茎葉部を確実に切除して残葉処理装置69に落下させることができる。
また、左茎葉切断刃62Lがギアユニット38の駆動力で回転することによって、人参の傾き方向を一定にすることができるので、人参が残葉処理装置 の外に落下したり残葉処理が行われない位置に落下することが防止され、作業能率が向上する。
そして、駆動回転する左茎葉切断刃62Lを機体内側に設け、回転自在な右茎葉切断刃62Rを機体外側に設けたことによって、人参を左茎葉切断刃62Lの回転により残葉処理装置69上に落下する姿勢に傾けることができるので、作物は確実に残葉処理装置69に引き継がれるため、作業能率が向上する。
次に、引継搬送部Dについて説明する。
前記茎葉切断装置63の下方に前後残葉処理フレーム65,65を設け、該前後残葉処理フレーム65,65の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ66,66を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ66,66にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト67を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト67の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト67と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ68を取り付けて、収穫部Cから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体の左右一側から左右他側に搬送する残葉処理装置69を構成する。
また、該残葉処理装置69の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置63よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台70を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台70よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ71を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ72を設ける。そして、前記残葉処理装置69よりも機体前側で且つ残葉処理装置69に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ71と汲上搬送従動ローラ72とに汲上搬送ベルト73を無端状に巻回して、前記残葉処理装置69と受け台70とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア74が構成される。
前記残葉処理装置69と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア74とから、汲上搬送部Dが構成される。
上記構成により、残葉処理装置69を構成する残葉処理ローラ68が、茎葉切断装置63で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア74に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理装置69を構成する残葉処理ベルト67をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置63で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト67が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理装置69の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台70を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置63よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア74に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置63よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
次に、選別搬送部Eについて説明する。
図2、図3及び図5に示すように、操縦部Bの後部に左右選別搬送フレーム75,75を取り付け、該左右選別搬送フレーム75,75の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ76を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ76よりも機体後側に選別搬送従動ローラ77を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ76と選別搬送従動ローラ77との間に選別搬送テンションローラ78を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ76と選別搬送従動ローラ77と選別搬送テンションローラ78とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト79を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア80が構成される。さらに、該選別コンベア80を始端部が汲上搬送部Dの汲上コンベア74の終端下方に位置するように配置する。
また、前記選別搬送従動ローラ77の回転軸にシュータ81を上下回動自在に取り付け、該シュータ81の機体左右外側にシュータ81を上下回動させる操作レバー82を取り付けることによって、選別搬送部Eが構成される。
上記のように、シュータ81を上下回動自在に設けたことによって、シュータ81を下方回動させると人参を後述する収容部Fに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器85に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
また、シュータ81を上方に回動させると、選別搬送コンベア80の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア80を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア80の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、シュータ81を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア80を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア80の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア74の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア80の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
さらに、シュータ81の機体左右外側にシュータ81を上下回動させる操作レバー82を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席89に座ったままシュータ81を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
次に、収容部Fについて説明する。
図1〜図3及び図5で示すように、前記左右選別搬送フレーム75,75の下部に左右支持フレーム83,83を設け、該左右支持フレーム83,83に伸縮自在なダンパ84の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム75,75の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器85を設置する収容容器置台86を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台86にダンパ84の他端を取り付ける。
また、該収容容器置台86の後端部に予備の収容容器85を設置する予備収容容器置台86aを上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台86や選別搬送コンベア80や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器85を積載する収容容器積載台87を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
そして、該収容容器積載台87の機体外側に、収容容器積載台87の上方を越えて且つ選別搬送コンベア80に向けて屈曲させた支持フレーム88を取り付け、該支持フレーム88の上に補助作業者が着座する補助作業座席89を取り付ける。そして、前記収容容器積載台87の後部に予備の収容容器85を設置する第2予備収容容器置台90を取り付けて、収容部Fが構成される。
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台86に伸縮自在なダンパ84の他端を取り付けていることによって、収容容器85に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台86が下降するため、人参が収容容器85の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器85交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
また、収容容器置台86の後部に予備の収容容器85を設置する予備収容容器置台86aを設けたことによって、人参が満載された収容容器85が収容容器置台86から取り除かれるとダンパ84が伸びて収容容器置台86が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台86aに設置されている収容容器85が収容容器置台86に滑り落ちて設置されるので、収容容器85を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
そして、機体左右外側に収容容器積載台87を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台87を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
さらに、収容容器積載台87の上方を越えて且つ選別搬送コンベア80に向けて屈曲させた支持フレーム88上に補助作業座席63を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア80に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器85が収容容器積載台87上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
また、収容容器積載台87の後部に第2予備収容容器置台90を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器85を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
以下、本件人参の整列選別装置の別実施例を説明する。
図10で示すように、左側の茎葉切断刃を複数のV字形状(への字形状)の屈曲切断刃91…で構成し、右側の茎葉切断刃を平板をV字形状(への字形状)に切り欠いた固定切断刃92で構成するとともに、該屈曲切断刃91…の屈曲部の回転軌跡が固定切断刃92の凹み部分を通過するように配置してもよい。
上記構成によれば、人参の茎葉部を屈曲切断刃91…と固定切断刃92とが屈曲切断刃91…の屈曲部と固定切断刃92の凹み部分に案内して切断することによって、茎葉部が屈曲切断刃91…及び固定切断刃92から逃げて切断されることなく後方に搬送されることを防止できるので、残葉が収穫部Cや引継搬送部Dや選別搬送部Eの構成部材に絡み付くことが防止され、作業能率が向上すると共に作業者が絡み付いた茎葉部を除去する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
また、図11(a)(b)で示すように、固定切断刃92a,92bを上下方向に間隔を空けて配置し、該固定切断刃92a,92bの間隔部を屈曲切断刃91…が通過する構成としてもよい。
上記構成によれば、固定切断刃92a,92bで抑えた茎葉部を逃がすことなく屈曲切断刃91…で確実に切断することができるので、茎葉部の絡み付きにより作業が停止することが防止されて作業能率が向上するとともに、作業者が絡み付いた茎葉部を除去する作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
図12で示すように、尻尾切装置35の回転刃93の非作用側を屈曲させ、側面視L字形状に構成してもよい。
上記構成によれば、回転刃93を側面視L字形状となるように屈曲させたことによって、回転刃93の機体前後方向の長さが短くなり、回転刃93が回転により生じる遠心力によって左右に開くことが防止できるので、回転刃93が変形したり外れたりすることが防止され、回転刃93の耐久性が向上する。
図13で示すように、尻尾切装置35に円筒形の回転刃94を取り付け、該円筒形の回転刃94の作用面に複数の空間部94a…を一定間隔毎に開けて格子状に形成する。そして、該空間部94a…の回転方向前側を削り、切断部94b…を形成する構成としてもよい。
上記構成によれば、回転刃94を円筒形としたことによって、回転刃94全体の強度を向上させることができるので、人参のひげ根との接触や泥土を噛み込んでも円筒回転刃94が破損しにくくなり、長期間使用することができる。
また、円筒回転刃94の作用面に複数の空間部94a…を一定間隔毎に開けて格子状に形成したことによって、泥土や茎葉部の切れ端等の夾雑物を噛み込むことなく落下させることができるので、円筒回転刃94にかかる負荷が軽減され、円筒回転刃94の耐久性がいっそう向上する。
そして、空間部94a…の回転軌跡前側に鋭利な切断部94b…を形成したことによって、人参のひげ根の切断精度が向上するので、作業者が選別中や収穫作業後に手作業でひげ根を除去する必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
図14で示すように、左右引抜フレーム15,15に引抜搬送装置24から首揃え装置47に引き継がれる人参を案内する左右首揃えガイド95,95の基部を座金96が一枚以上入る間隔を開けて取り付ける。そして、該左右首揃えガイド95,95の端部を首揃え装置47の左右首揃え従動プーリ43,43に近接させて配置する構成としてもよい。
上記構成によれば、左右首揃えガイド95,95の基部に座金96を挟むことによって、左右首揃えガイド95,95の傾斜角度を変更することができるので、人参の茎葉部に十分強度のある春や夏には座金96を入れず左右首揃え従動プーリ43,43の下方に左右首揃えガイド95,95の端部を位置させ、茎葉部の強度が低下する秋や初冬では座金96を入れて茎葉部ができるだけ首揃え装置47の搬送始端部に近接するようにでき、作物適応性が向上する。
24 引抜搬送装置
38 ギアユニット(伝動装置)
57 茎葉搬送装置
62L 左茎葉切断刃
62R 右茎葉切断刃
63 茎葉切断装置
69 残葉処理装置

Claims (4)

  1. 機体の左右一側に圃場から作物を引き抜き機体後方へ搬送する後上がり傾斜姿勢の引抜搬送装置(24)を設け、該引抜搬送装置(24)の搬送終端部下方に引抜搬送装置(24)から作物の茎葉部を引き継いで搬送する挟持搬送装置(57)を設け、該挟持搬送装置(57)の搬送経路の下方に作物の茎葉部の挟持搬送装置(57)で挟持された部分よりも下側の部分を切断する左右一側の第1茎葉切断刃(62L)と左右他側の第2茎葉切断刃(62R)とから構成される茎葉切断装置(63)を設け、該第1茎葉切断刃(62L)を伝動装置(38)からの駆動力で駆動回転する構成とし、該第2茎葉切断刃(62R)を自由回転する構成とし、前記茎葉切断装置(63)の下方に茎葉部を切断されて落下した作物を受けて残葉を処理する残葉処理装置(69)を設けたことを特徴とする根菜類収穫機。
  2. 前記駆動回転する第1茎葉切断刃(62L)を機体内側に設け、自由回転する第2茎葉切断刃(62R)を機体外側に設けたことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
  3. 前記第1切断刃(62L)を多角形状の回転刃とし、第2茎葉切断刃(62R)を円形状の回転刃としたことを特徴とする請求項1または2記載の根菜類収穫機。
  4. 前記第1切断刃(62L)と第2切断刃(62R)とを夫々多角形状の回転刃としたことを特徴とする請求項1または2記載の根菜類収穫機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012130310A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Iseki & Co Ltd 根菜類収穫機
JP2019187295A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 株式会社クボタ 収穫機

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