JP6167759B2 - 根菜類収穫機 - Google Patents

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Description

本発明は、作物を圃場から引き抜き、ひげ根を除去して収穫する根菜類収穫機に関するものである。
大根や人参或いは蕪等の根菜類を収穫する根菜類収穫機が特開2011−45325号公報に記載されている。
この根菜類収穫機は、走行機体に搭載した引き抜き搬送装置で根菜類の茎葉を挟持して圃場から引き抜きながら後方へ送り上げて収穫する。そして、引き抜き搬送装置の下部には尾部切断装置を設けて搬送途中に根菜類の尻尾やひげ根を切断除去して、収穫後に取り除く必要が無いようにしている。
特開2011− 45325号公報
前記の尾部切断装置は、側面視で円弧状のガイドカバーとその内部を水平軸で円筒状に回転する切断刃とで構成し、ガイドカバーに形成する搬送方向のスリットから内部に侵入した根菜類の尻尾やひげ根を搬送方向に高速回転する切断刃で叩き切るようになっている。
しかし、晩秋頃の根菜類や乾燥気味の根菜類の尻尾やひげ根はしなやかなために、搬送方向に回転する切断刃が当たっても刃先から逃げて切り落し難くなり、収穫した根菜類に尻尾やひげ根が多く残ってしまう。
そこで、本発明は、尾部切断装置を設けた根菜類収穫機において、晩秋頃の根菜類や乾燥気味の根菜類の尻尾やひげ根を確実に切り落す尾部切断装置とすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、根菜類を引き抜いて後方へ搬送する引抜搬送装置(24)の下部にひげ根切断装置(57)を設けた根菜類収穫機において、該ひげ根切断装置(57)は、搬送方向に沿った複数のスリット(44s)を形成したガイドカバー(44)と、該ガイドカバー(44)の内部で水平方向に回転する回転刃(46)とで構成し、前記ガイドカバー(44)を側面視で円弧状に形成し、該ガイドカバー(44)内に円弧状内周壁に刃先が接近して回転するように複数の回転刃(46)を設け、該複数の回転刃(46)は、下側に設けるものほど大径としたことを特徴とする根菜類収穫機とする。
請求項2に記載の発明は、前記複数の回転刃(46)を左右一対設け、左右一側の回転刃(46)の回転方向と左右他側の回転刃(46)の回転方向とを互いに逆回転させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機とした。
請求項3に記載の発明は、前記左右の回転刃(46)を回転させる電動モータ(47a,47b)を前記ガイドカバー(44)の底部排出口(51)に設け、該左右の回転刃(46)を円盤形状とし、最も下方に位置する左右の回転刃(46)の径は、前記電動モータ(47a,47b)が径内に収まるものとしたことを特徴とする請求項2に記載の根菜類収穫機とした。
請求項4に記載の発明は、前記回転刃(46)を回転させる電動モータ(47a,47b)に過電流が流れると、電流を遮断する保護回路を設けたことを特徴とする請求項3に記載の根菜類収穫機とした。
請求項5に記載の発明は、前記ガイドカバー(44)の底部排出口(51)に設ける電動モータ(47a,47b)の底部に、該電動モータ(47a,47b)から駆動力を受けて回転する吸引ファン(49)を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の根菜類収穫機とした。
請求項6に記載の発明は、前記円盤形状の回転刃(46)を丸鋸刃としたことを特徴とする請求項3からの何れか1項に記載の根菜類収穫機とした。
(削除)
請求項1に記載の発明の効果は、引抜搬送装置(24)で搬送される根菜類の尻尾やひげ根がガイドカバー(44)のスリット(44s)から内部に侵入し、その尻尾やひげ根に対して水平方向に回転する回転刃(46)が横断して切断作用するので、尻尾やひげ根がしなやかであっても切断作用域から逃がすことなく、確実に切断することができ、後工程で尻尾やひげ根を除去する作業が不要となる。
また、複数のスリット(44s)から内部に侵入した尻尾やひげ根に対してガイドカバー(44)の内周壁に刃先が接近して回転する複数の回転刃(46)のどれかが侵入位置の内周壁近くで切断作用することになって、尻尾やひげ根を根元近くから切断して除去する。
請求項2に記載の発明の効果は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、左右一対の回転刃(46)が互いに逆方向に回転することにより、尻尾やひげ根を挟み込むように切断作用するので、尻尾やひげ根がしなやかであっても切り残すことが防止され、後工程で尻尾やひげ根を除去する作業が不要となる
請求項3に記載の発明の効果は、請求項2の発明の効果に加えて、左右の回転刃(46)に切断された尻尾やひげ根が電動モータ(47a,47b)に付着して腐食することを防止できる
また、電動モータ(47a,47b)が回転刃(46)よりも下方にあることにより、メンテナンス作業時に底部排出口(51)から手を差し込んだとき、回転刃(46)の切断作用部に手が触れることが防止され、メンテナンス時の安全性が向上する
請求項4に記載の発明の効果は、請求項3に記載の効果に加えて、回転刃(46)に尻尾やひげ根、あるいは土等が絡み付いて負荷がかかる状態になると、保護回路が働いて電動モータ(47a,47b)の駆動を停止するので、回転刃(46)や駆動部の破損が防止され、耐久性が向上する。
(削除)
請求項5に記載の発明の効果は、請求項3または4に記載の効果に加えて、吸引ファン(49)の排気と共にガイドカバー(44)内の尻尾やひげ根を底部排出口(51)から速やかに排出することができるので、尻尾やひげ根が溜まって回転刃(46)の切断作用域を塞いだり、電動モータ(47a,47b)に負荷をかけたりすることが防止され、長時間の収穫作業が可能になり、作業能率が向上する
請求項6に記載の発明の効果は、請求項3からの何れか1項に記載の効果に加えて、回転刃(46)を丸鋸刃としたことにより、尻尾やひげ根を挽き切ることができるので、作物に不要部が切断されずに残ることが防止され、不要部を除去する作業が不要となる
また、既製品の丸鋸刃を用いることにより、回転刃(46)を交換する際に、回転刃(46)の入手が容易で廉価に購入出来る。
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(削除)
根菜類収穫機の全体右側面図 根菜類収穫機の全体平面図 根菜類収穫機の全体背面図 根菜類収穫機の前部拡大右側面図 根菜類収穫機の前部拡大平面図 土落しバーの部拡大右側面図 ひげ根切断装置の側面図 ひげ根切断装置の正面図 選別搬送部の側面図 引抜搬送装置に整列装置を取り付けた拡大平面図 引抜搬送装置に整列装置を取り付けた拡大側断面図 整列装置の正断面図 別構成例のひげ根切断装置の側面図 別構成例のひげ根切断装置の正面図
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。なお、本明細書において根菜類収穫機の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後という。
図1から図3に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図3で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに走行ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、左右の走行ベルト5を駆動して走行する。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1及び図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作して回動フレーム20を起伏することで引抜搬送装置24を機体フレーム1に対して昇降するように構成する。
また、引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を縦ラグ25aで引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を横ラグ26aで掬い上げる横引起し装置26と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設ける。
さらに、図4から図6で示すように、前記引抜フレーム15,15の機体前側下部から機体前後方向おいて略中間位置に亘って左右のソイラフレーム32,32を取り付け、該ソイラフレーム32,32の前側端部に左右の振動アーム33,33の前側端部を取り付ける。そして、前記機体フレーム1の前側にエンジン7の駆動力を受けて回転する振動シャフト34を引抜搬送装置24を設けた側に向けて延出し、該振動シャフト34と該振動アーム33,33の後側端部との間に振動アーム33,33を振動させる側面視V字形状の振動ロッド35を取り付けて伝動装置Gを構成する。機体内側の振動アーム33は、振動ロッド35の下端側に回動自在に取り付ける。
そして、前記振動アーム33,33の前後方向の略中央位置に人参の周囲の土を切り解す左右のソイラ37,37を機体前側に向けて取り付け、振動アーム33,33の該ソイラ37,37の基部を取り付けた箇所の内側に人参に付着した土を落とす側面視でU字形状の左右の土落しバー38,38の基部を取り付け、該土落しバー38,38の端部側の作用部を圃場面に対して略水平姿勢に配置して、振動装置36を構成する。
なお、振動装置36を振動させる振動シャフト34の回転数は、ミッションケース8の変速動作に連動しない構成とすることによって、走行速度が低速の場合でも振動幅が変わらないので、低速作業時でも高速作業時でも左右のソイラ37,37を同じ幅で振動させることができるので、作業能率が向上するとともに、人参の周囲の土が切り解されて抜き残しが少なくなるので、収穫作業後に抜き残された人参を抜き取る作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
そして、前記左右のソイラ37,37の前端部に圃場面に垂れている茎葉を掬い上げる左右の掬上突起40,40を先端部が前記横引起し装置26の横ラグ26aよりも前方に位置するように配置する。
また、該掬上突起40,40の前側に掬上突起40,40で掬い上げられた茎葉を引抜搬送装置24の挟持始端部に案内する左右の案内バー41,41を、平面視で「ハ」の字型となるように機体後側に向かうほど案内バー41,41同士の左右間隔が小さくなるように取り付ける。
なお、該案内バー41,41はピアノ線などの柔軟性に富み、且つある程度の硬さを有する円柱形の弾性材で構成すると、振動幅が大きくなり、茎葉の絡み付き防止効果が向上する。
図1に示す如く、引抜搬送装置24の前後中間位置で、回動フレーム20上にひげ根切断装置57を設けている。
このひげ根切断装置57は、図7と図8に示す如く、側面視で円弧形状のガイドカバー44を有するアウターフレーム43と、その下部のガイドカバー44内で水平回転する多数の下方に向かうほど径を大きくした複数の回転刃46a1,46a2,46b1,46b2,46c1,46c2,46d1,46d2…で構成される。アウターフレーム43は、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ土落しバー38,38の後端部よりも後方で、取付部43jに形成した後下り傾斜方向の長孔43h,43hにボルト43vを挿入して上下高さ調節可能な状態で左右の掘取フレーム20に取り付けている。
ガイドカバー44には前下方から後下方に向かって円弧状周壁に沿ったスリット44s…を複数設けて、内部に多数の回転刃46a1,46a2,46b1,46b2,46c1,46c2,46d1,46d2…を軸支した二本の回転軸45a,45bを横に並列して吊り下げ、アウターフレーム43の底部排出口51の横桟50に搭載する電動モータ47a,47bからギヤ48,49を介して回転軸45a,45bを駆動するようにしている。
また、図13及び図14で示すように、該電動モータ47a,47bの下側には、軟質製の吸引ファン49を設けて、切断した尻尾やひげ根を下方へ吸い出すようにしている。なお、吸引ファン49を設けなければ、作業者が下から手を差し込んでもまず電動モータ47a,47bに接触するので、切断作用域に手が触れることが防止され、安全性が向上する。
また、該伝動モータ47a,47bは、左右一側の回転方向を時計回り、左右他側の回転方向を反時計回りに設定し、左右一側の回転刃46a1,46b1,46c1…と左右他側の回転刃46a2,46b2,46c2,46d1,46d2…の回転方向が各々逆向きとなる構成とする。
左右一側の回転刃46a1,46b1,46c1…と左右他側の回転刃46a2,46b2,46c2,46d1,46d2…とが互いに逆方向に回転することにより、尻尾やひげ根が一方の回転刃に接触した際、切断されずに退避しようとしても、逆方向に回転する他方の回転刃に押し戻され、左右の回転刃が平面視でオーバーラップする切断作用域に移動されるので、尻尾やひげ根を左右の回転刃で挟み込んで確実に切断することができる。
これにより、にんじんから尻尾やひげ根を除去する作業が不要となり、後工程の作業能率が向上する。特に、尻尾やひげ根がしなやかになりやすい晩秋から初冬ににんじんを収穫する際、効果的である。
左右のアウターフレーム43の前側上部に、ガイドカバー44の円弧に沿った長穴55,55を設け、この長穴55,55にスクレーパ56の左右両端部を貫入させてボルト56vで取り付ける。スクレーパ56はゴム等の弾性体で構成し、人参及び人参のひげ根に付着している土等を掻き落とし、該スクレーパ56は長穴55,55の穴方向に沿って移動可能である。
さらに、前記アウターフレーム43の取付部43jの後部に、アウターフレーム43の上下位置を視覚的に判別可能なポイントマーカ43p…を設ける。このポイントマーカ43pは、アウターフレーム43の取付部43jの後端部を略等間隔に切り欠いて目盛りを塗料で描いたりシールを貼ったり等の方法で形成する。
この構成で、引抜搬送装置24で後上方へ搬送される根菜類の尻尾やひげ根がガイドカバー44のスリット44s…から内部に侵入し、この尻尾やひげ根に対して水平回転する回転刃46、例えば、第1の左側の回転刃46a1と右側の回転刃46a2、第2の左側の回転刃46b1と右側の回転刃46b2、第3の左側の回転刃46c1と右側の回転刃46c2、第4の左側の回転刃46d1と右側の回転刃46d2…の刃先が各々横断するように配置することで、尻尾やひげ根を逃がすことなく効果的に切断することができる。
なお、回転軸45a,45bは、左右中央に1本設けて、ガイドカバー44の円弧状内周壁に刃先が接近する複数の回転刃46a1,46a2,46b1,46b2,46c1,46c2,46d1,46d2…を上から下に順次大径にして配列する構成でも良い。
また、複数の回転刃46a1,46a2,46b1,46b2,46c1,46c2,46d1,46d2…は帯状直刃でも円盤状刃でも良いが、円盤状刃の方が全周端縁の刃で効率良く切断作用し、図7及び図8に示す最下側の第4の左右の回転刃を電動モータ47a,47bよりも大径の円盤刃にすることで、切断した尻尾やひげ根が電動モータ47a,47bに堆積することを防ぐようになる。
さらに、回転刃46a1,46a2,46b1,46b2,46c1,46c2,46d1,46d2…を一般的な円盤状のチップソーとすれば、交換部品として廉価に購入出来る。また、回転軸45a,45bを回転させる左右の電動モータ47a,47bの駆動回転方向を交互に逆回転する構成とすると、尻尾やひげ根を挟み込むように切断することができるので、尻尾やひげ根の切断がより確実になる。
また、電動モータ47a,47bの駆動回路は、回転刃46に土や尻尾やひげ根が堆積して回転が停止すると過電流でヒューズが切れて停止する保護回路とする。
そして、前記引抜搬送装置24の後下部には、左右挟持搬送ベルト18,18によって搬送されてきた人参を引き継ぎ、人参の茎葉部の切断位置を揃える左右位置揃え装置58,58と、該左右位置揃え装置58,58から茎葉部を引き継いで挟持して機体後方まで搬送する左右茎葉搬送装置59,59と、茎葉部を切断する左右切断装置60,60と、該左右切断装置60,60によって切断された茎葉を左右茎葉搬送装置59,59の終端部から圃場に排出する排葉シュータ61とを設けて排葉搬送装置62を構成することにより、収穫部Cが構成される。
次に、引継搬送部Dについて説明する。
図1から図3で示すように、茎葉切断装置60,60の下方に前後残葉処理フレーム63,63を設け、該前後残葉処理フレーム63,63の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ64,64を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ64,64にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト65を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト65の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト65と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ66を取り付けて、収穫部Cから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体の左右一側から左右他側に搬送する残葉処理装置67を構成する。
また、該残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置60,60よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台68を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台68よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ69を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ70を設ける。そして、前記残葉処理装置67よりも機体前側で且つ残葉処理装置67に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ69と汲上搬送従動ローラ70とに汲上搬送ベルト71を無端状に巻回して、前記残葉処理装置67と受け台68とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア72が構成される。
前記残葉処理装置67と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア72とから、引継搬送部Dが構成される。
上記構成により、残葉処理装置67を構成する残葉処理ローラ66が、茎葉切断装置60,60で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア72に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理装置67を構成する残葉処理ベルト65をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置60,60で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト66が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台68を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア72に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
次に、選別搬送部Eについて説明する。
図2、図3及び図9で示すように、操縦部Bの後部に左右選別搬送フレーム73,73を取り付け、該左右選別搬送フレーム73,73の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ74を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ74よりも機体後側に選別搬送従動ローラ75を回転自在に取り付ける。また、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75との間に選別搬送テンションローラ76を回転自在に取り付ける。
そして、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75と選別搬送テンションローラ76とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト77を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア78が構成される。さらに、該選別コンベア78を始端部が汲上搬送部Dの汲上コンベア72の終端下方に位置するように配置する。
また、前記選別搬送従動ローラ75の回転軸にシュータ79を上下回動自在に取り付け、該シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けることによって、選別搬送部Eが構成される。
上記のように、シュータ79を上下回動自在に設けたことによって、シュータ79を下方回動させると人参を後述する収容部Fに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器83に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
また、シュータ79を上方に回動させると、選別搬送コンベア78の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア78を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア78の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、シュータ79を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア78を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア78の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア72の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア78の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
さらに、シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席88に座ったままシュータ79を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
次に、収容部Fについて説明する。
図1から図3、及び図9で示すように、前記左右選別搬送フレーム73,73の下部に左右支持フレーム81,81を設け、該左右支持フレーム81,81に伸縮自在なダンパ82の一端を取り付ける。そして、左右選別搬送フレーム73,73の後下部に人参を収容するコンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器83を設置する収容容器置台84を上下回動自在に且つ上り傾斜姿勢に取り付けると共に、該収容容器置台84にダンパ82の他端を取り付ける。
また、該収容容器置台84の後端部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を上下回動自在で且つ上り傾斜姿勢で取り付ける。さらに、前記収容容器置台84や選別搬送コンベア78や右クローラ6Rよりも機体左右他側に機体前後方向に長い人参を収容した収容容器83を積載する収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。
そして、該収容容器積載台86の機体外側に、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87を取り付け、該支持フレーム87の上に補助作業者が着座する補助作業座席88を取り付ける。そして、前記収容容器積載台86の後部に予備の収容容器83を設置する第2予備収容容器置台89を取り付けて、収容部Fが構成される。
上記のように、上り傾斜姿勢に設けられた収容容器置台84に伸縮自在なダンパ82の他端を取り付けていることによって、収容容器83に人参が収容されて重くなるにつれて収容容器置台84が下降するため、人参が収容容器83の一部に偏って投入されることが防止されるので、収容容器83の交換の頻度が減少し、作業者の労力が軽減される。
また、収容容器置台84の後部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を設けたことによって、人参が満載された収容容器83が収容容器置台84から取り除かれるとダンパ82が伸びて収容容器置台84が上り傾斜姿勢に戻り、予備収容容器置台85に設置されている収容容器84が収容容器置台84に滑り落ちて設置されるので、収容容器83を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
そして、機体左右外側に収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台86を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
さらに、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87上に補助作業座席88を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア78に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器83が収容容器積載台86上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
また、収容容器積載台86の後部に第2予備収容容器置台89を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器83を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
図10から図12に示す実施例は、引抜搬送装置24に整列装置90を設けた実施例を示している。
引抜搬送装置24で二条分の根菜類を一度に収穫する場合には根菜類の上下位置が揃い難いので、左右位置揃え装置58,58へ搬送するまでにこの整列装置90で揃えるようにするのである。
引抜搬送装置24の下側で挟持搬送ベルト18に挟持力を与えるテンションローラ19を無くした位置に整列装置90を設ける。この整列装置90は、図12の如く、挟持ベルト93を巻き掛ける駆動ローラ91と従動ローラ92と内側の挟持ローラ94と外側のテンションローラ98を左右にその挟み込み間隔を上側が広く下側が狭くなるように支持フレーム95に軸支し、駆動ローラ91を挟持搬送ベルト18に接する駆動プーリ97からユニバーサルジョイント99等の回転伝動機構で駆動する。
引抜搬送装置24の挟持搬送ベルト18で茎葉部が挟持された根菜類を前広に配置したガイド板96で挟持ベルト93の挟持間隔内へ誘導して挟み込み後方へ送りながら根菜類の上下位置を揃えるようになる。挟持ベルト93の下側挟持間隔よりも小さな根菜類は下方へ落下放出される。
なお、この整列装置90は、引抜搬送装置24に対して取り外し可能にしても良い。
24 引抜搬送装置
44 ガイドカバー
44s スリット
45a 回転軸
45b 回転軸
46 回転刃
47a 電動モータ
47b 電動モータ
49 吸引ファン
57 尻尾切装置

Claims (6)

  1. 根菜類を引き抜いて後方へ搬送する引抜搬送装置(24)の下部にひげ根切断装置(57)を設けた根菜類収穫機において、該ひげ根切断装置(57)は、搬送方向に沿った複数のスリット(44s)を形成したガイドカバー(44)と、該ガイドカバー(44)の内部で水平方向に回転する回転刃(46)とで構成し
    前記ガイドカバー(44)を側面視で円弧状に形成し、該ガイドカバー(44)内に円弧状内周壁に刃先が接近して回転するように複数の回転刃(46)を設け、該複数の回転刃(46)は、下側に設けるものほど大径としたことを特徴とする根菜類収穫機。
  2. 前記複数の回転刃(46)を左右一対設け、左右一側の回転刃(46)の回転方向と左右他側の回転刃(46)の回転方向とを互いに逆回転させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機。
  3. 前記左右の回転刃(46)を回転させる電動モータ(47a,47b)を前記ガイドカバー(44)の底部排出口(51)に設け、該左右の回転刃(46)を円盤形状とし、最も下方に位置する左右の回転刃(46)の径は、前記電動モータ(47a,47b)が径内に収まるものとしたことを特徴とする請求項2に記載の根菜類収穫機。
  4. 前記回転刃(46)を回転させる電動モータ(47a,47b)に過電流が流れると、電流を遮断する保護回路を設けたことを特徴とする請求項3に記載の根菜類収穫機。
  5. 前記ガイドカバー(44)の底部排出口(51)に設ける電動モータ(47a,47b)の底部に、該電動モータ(47a,47b)から駆動力を受けて回転する吸引ファン(49)を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の根菜類収穫機。
  6. 前記円盤形状の回転刃(46)を丸鋸刃としたことを特徴とする請求項3からの何れか1項に記載の根菜類収穫機。
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