本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図17に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理する残葉処理部Eと、残葉処理部Eから人参を引き継いで人参を機体左右一側から左右他側へと搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、該選別搬送部Fから排出される人参を収容する収容部Gとから構成される。
なお、本件においては、平面図において、機体の進行方向に対して左側を機体左右一側、機体の進行方向に対して右側を機体左右他側と称する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1、図2で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25を設け、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26を設けると共に、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27を設ける。さらに、正逆転自在な駆動モータ29を作動させると上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に、引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設け、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33を設け、該振動フレーム33に、人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34を設ける。
そして、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参の下部のひげ根を切断するひげ根切断装置35を取り付けて、収穫部Cを構成する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることにより、圃場に倒伏した人参の茎葉を分草杆27で起こしてから、縦引起し装置25と横引起し装置26とで掻き上げながら人参の収穫作業をすることができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業後に人手で抜き残された人参を引き抜く必要が無く、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
また、人参に振動フレーム33や左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことにより、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
さらに、引抜搬送装置24の搬送経路の下方にひげ根切断装置35を設けたことにより、収穫作業の後工程や収穫後の洗浄、選別作業の前にひげ根を取り除く作業が省略されるので、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
次に、茎葉切断部Dについて説明する。
図1、図2及び図4〜図8で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を張圧して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50,50を取り付ける。該張圧バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は張圧バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
加えて、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54L,54Rの左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…に、位置揃えチェーン48,48の上部と下部と茎葉部の接触面を覆う正面視コの字型のガイドカバー51…を取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
なお、図7(a)〜(c)で示すように、該ガイドカバー51…は、平面視において前後一側方を凸状のR部51a、前後他側方を凹状のR部51bを形成し、茎葉部との接触面に前後他側方に、後続のガイドカバー51の前後一側方の凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを形成する。直線部では前方のガイドカバー51の凹状のR部51bに後続のガイドカバー51の凸状のR部51aが入り込み、この後続の凸状のR部を前方の突出部51cが覆うことによって、ガイドカバー51同士の間隔部を覆うことができるので、ガイドカバー51同士の間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることが防止され、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
また、ガイドカバー51は凸状のR部51aと凹状のR部51bを有し、リンク48aに1つずつ取り付けられていることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54L,54Rの移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
加えて、位置揃えチェーン48,48が円弧軌跡で移動する際、突出部51cを有することにより、ガイドカバー51同士の間に大きな間隔部が生じないため、この間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、位置揃えガイド体52は、複数のガイドカバー51…ではなく、位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型としてもよい。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内で且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54L,54Rが引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
なお、テンションプレート53L,53Rは、左右の位置揃え装置54L,54Rに略平行位置に設けてもよいが、機体外側の位置揃え装置53Rの前側にテンションプレート52Rを設ける場合、機体内側の位置揃え装置53Lのテンションプレート52Lは位置揃え装置53Rのテンションプレート52Rよりも機体後側に設けると、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過する際、テンションプレート52Lまたはテンションプレート52Rの無い側に位置揃えチェーン48及び位置揃えガイド体52が移動するので、人参の茎葉部の径が大きくても位置揃え装置54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
加えて、テンションプレート53L,53Rの張力は、前記張圧バネ50,50の張力よりも弱く設定すると、大径の茎葉部が通過して負荷がかかると位置揃えチェーン48,48が適正な位置まで撓んで退避することができ、54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
そして、前記位置揃え駆動スプロケット42,42の近傍で且つ位置揃えガイド体52,52の外側位置で伝動ケース37,37に長穴を形成し、この長穴に位置揃えガイド体52,52の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす左右のスクレーパ55,55を位置揃えガイド体52,52の軌跡に沿って位置調節時際に取り付ける。
なお、スクレーパ55,55は、後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54L,54Rの後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を軸着し、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54L,54Rの上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
さらに、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ66,66を軸着し、前記伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ71を設けて、茎葉切断部Dを構成する。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54L,54Rを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を張圧する左右の張圧バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54L,54Rに茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54L,54Rが確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで張圧バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50,50に張圧された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54L,54Rに大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54L,54Rの前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54L,54Rの搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
また、ガイドカバー51に凸上のR部51aと凹状のR部51bとを形成し、後続のガイドカバー51の凸状のR部51aを前側のガイドカバー51の凹状のR部51bに近接させて位置揃えチェーン48に取り付けることにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…は追従して移動できるので、位置揃え装置54L,54Rは一定の周速で動作するため、茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを設けたことにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…同士の前後間に生じる空間部をこの突出部51cが覆うため、ガイドカバー51…同士の前後間の空間部で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内に左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42の外周を移動する位置揃えガイド体52,52に付着した茎葉部の破片や泥等の夾雑物を擦り落とす左右のスクレーパ55,55を設けたことによって、茎葉部の移動経路から離れて位置で位置揃えガイド体52,52に付着した夾雑物を除去することができるので、茎葉部の破片が位置揃え装置54L,54Rの各部に絡み付くことが防止され、機体を止めて絡み付いた茎葉部の破片を取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、泥の塊が人参の根部を傷つけることが防止され、人参の商品価値が向上する。
さらに、スクレーパ55,55は長穴に沿って取り付け位置を変更することができるので、収穫作業を行う圃場の人参の茎葉部の径の平均に合わせて最適な位置にスクレーパ55,55を設定し、確実に茎葉部の破片や泥等の夾雑物を位置揃えガイド体52,52から除去することにより、上記の効果がさらに向上する。
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
次に、残葉処理部Eについて説明する。
図1、図2及び図9、図10で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後の残葉処理フレーム72,72を設け、該前後の残葉処理フレーム72f,72rの機体外側(左右一側)の前後間に第1残葉処理ローラ73aを回転自在に取り付ける。また、前記残葉処理フレーム72f,72rの機体内側(左右他側)の前後間で且つ第1残葉処理ローラ73aよりも下方位置に第2残葉処理ローラ73bを回転自在に取り付ける。そして、該第1残葉処理ローラ73aと第2残葉処理ローラ73bとにゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回する。
さらに、該残葉処理ベルト74の巻回域内で且つ機体上側に残葉処理プレート75を取り付け、該残葉処理プレート75の機体内側端部を下方に向かって折り曲げる。そして、機体後側の残葉処理フレーム72rの機体外側の端部寄りにエンジン7の動力を伝動する伝動ギアボックス76を設け、機体前側の残葉処理フレーム72fの機体左右他側の端部寄りに支持アーム77aの基部を取り付ける。また、該支持アーム77aの端部に過負荷に応じて伸縮するスプリング77bの一側部を取り付け、該スプリング77bの他側部に平面視L字形状の支持プレート77cを取り付ける。そして、該支持プレート77cと前記ギアボックス76との間に、人参の根部に残った残葉を残葉処理プレート75と共に挟み込んで切除する残葉処理ローラ78を回転自在に取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア79を構成することにより、残葉処理部Eが構成される。
なお、該残葉処理コンベア79は、機体左右一側から左右他側に向けて2〜5度程度傾斜している。
この傾斜姿勢により、落下した人参は残葉処理ベルト74の駆動と残葉処理コンベア79の傾斜により下手側に移動するので、残葉処理コンベア76上で人参の移動が停止することがなく、手作業で停止した人参を動かす必要がなく、作業能率が向上する。また、残葉処理コンベア76が若干(約2〜5度)傾斜していることにより、機体が圃場の状態等により機体左右一側方向に傾斜しても残葉処理コンベア79は地面に対して略水平状態となるに留まるので、人参が残葉処理コンベア79上に停滞したり、残葉処理コンベア79の搬送方向とは逆方向に移動することがなく、こうした人参を手作業で搬送経路に戻す必要がなく、作業能率が向上する。
上記構成により、残葉処理コンベア79を構成する残葉処理プレート75と残葉処理ローラ78が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を挟んでちぎり取るため、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理コンベア79を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理ローラ78の前側端部を支持プレート77cに取り付けたことにより、残葉処理ローラ78が石等の硬いものを噛み込んで過負荷がかかると、過負荷の強さに応じてスプリング77bが縮んで支持アーム77a側に移動し、支持プレート77cと残葉処理ローラ78の前側とが残葉処理コンベア79の搬送方向下手側に退避するので、過負荷により伝動ギアボックス76や残葉処理ローラ78の回転軸が破損することを防止でき、残葉処理コンベア79の耐久性が向上して長持ちする。
加えて、残葉処理ローラ78と残葉処理ベルト74との間に石等が入り込みにくくなるので、石等が残葉処理ベルト74を破ってしまうことを防止でき、残葉処理ベルト74の耐久性が向上して長持ちする。
さらに、残葉処理プレート75の機体内側端部を下方に折り曲げたことにより、残葉処理ローラ78が後退すると残葉処理ローラ78と残葉処理プレート75との間に隙間が生じるので、石等がこの隙間から残葉処理コンベア79の搬送終端側に移動しやすくなり、残葉処理ベルト74を破ってしまうことを防止でき、残葉処理ベルト74の耐久性が向上して長持ちする。
なお、図11及び図12で示すように、残葉処理プレート75の左右他側端部の近傍に回動支点80aを設けて上下方向に回動自在な回動部80を構成し、該回動支点80aの近傍で且つ残葉処理プレート75の裏側(機体下側)に背面視L字形状の第2支持プレート81を取り付ける。そして、該第2支持プレート81と回動部80との間に過負荷に応じて伸縮する第2スプリング82を取り付け、回動部80に過負荷がかかると回動部80が下方回動して退避する構成としてもよい。
上記構成では、過負荷がかかると、過負荷の強さに応じて残葉処理ローラ78の前側が搬送方向下手側に退避すると共に、回動部80が過負荷の強さに応じて機体下方側に退避するので、比較的大きい石等を噛み込んでも通り抜けられるだけの隙間が生じるので、いっそう伝動ギアボックス76や残葉処理ベルト74が破損することを防止でき、伝動ギアボックス76や残葉処理ベルト74の耐久性が向上して長持ちする。
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図1〜図3及び図13、図14で示すように、前記残葉処理コンベア79よりも機体前側で且つ下方位置に、前後の第1搬送フレーム83,83を機体左右他側に向かって上方傾斜させて設け、該第1搬送フレーム83,83の機体内側端部(機体左右他側端部)で且つ外側に前後の第2搬送フレーム84,84を略直線状に且つ上下方向に回動自在に取り付ける。そして、該第1搬送フレーム83,83の機体外側端部に前後の駆動スプロケット85,85を夫々回転自在に取り付け、第1搬送フレーム83,83の機体内側端部に前後の中継スプロケット86,86を夫々回転自在に取り付けると共に、第2搬送フレーム84,84の機体左右他側端部に前後の従動スプロケットを夫々回転自在に取り付ける。
また、該駆動スプロケット85,85と中継スプロケット86,86と従動スプロケットとに前後の伝動チェーン88,88を夫々無端状に巻回する。さらに、該伝動チェーン88,88に人参を載せて搬送する複数の搬送プレート90…を回動自在に取り付け、該複数の搬送プレート90…のうち、数個おきに金属材や硬質の樹脂材をゴムや塩化ビニル等の弾性体で被覆して構成する搬送ラグ91…を取り付けることにより、機体左右一側から左右他側に亘って人参を搬送する選別搬送コンベア92が構成される。
なお、搬送プレート90…は、表面をゴム等の軟質部材でコーティングすると残葉処理コンベア79から引き継ぐ際の人参の落下の衝撃を軽減でき、人参が傷つくことが防止され、人参の商品価値が向上する。また、搬送ラグ91…は、比較的硬いゴム等の弾性材のみで構成してもよい。
さらに、前記引抜搬送装置24の引抜搬送経路Rの下方で且つ選別搬送コンベア92の搬送始端部よりも機体外側に、引抜搬送装置24の搬送途中で落下する人参を受ける格子状の引継シュータ93を、機体内側方向に向かう傾斜姿勢で且つ上下方向に回動自在に取り付ける。そして、該引継シュータ93の内側端部を前記選別搬送コンベア92の搬送始端側の上部に近接させ、該引継シュータ93の内側端部が前記搬送ラグ91…が接触するたびに上下方向に回動する構成とする。
そして、前記機体フレーム1の機体左右他側の後部で且つ選別搬送コンベア92よりも機体後側に、前記選別搬送コンベア92で搬送中の人参の選別作業や後述するコンテナ103の移動や設置を行なう補助作業者が搭乗する搭乗ステップ94を配置し、該搭乗ステップ94上で且つ選別搬送コンベア92の中継スプロケット86,86を配置した近傍位置に補助作業座席95を取り付ける。さらに、前記前後の第2搬送フレーム84,84の左右方向の略中間位置で且つ下面側の前後間に亘って支持板(図示せず)を取り付け、該支持板と搭乗ステップ94との間に選別搬送コンベア92を上下動させるガススプリング96を伸縮自在且つ回動自在に取り付け、搭乗ステップ94に該ガススプリング96の伸縮を操作する操作ペダル97を前後または左右方向に回動自在に取り付けて、選別搬送部Fが構成される。
なお、ガススプリング96は常時上方向に復帰する力がかかっており、操作ペダル97を踏んでいると縮退する構造のものを用いる。
本実施例では選別搬送コンベア92の搬送終端部側を上下回動させる手段としてガススプリング96を用いているが、電動シリンダや油圧シリンダ、モータを取り付けたターンバックルなどを用いてもよい。
上記構成によれば、搬送プレート90…に数個おきに搬送ラグ91…を設けたことにより、選別搬送コンベア92のうち、特に機体外側から機体内側に上方傾斜している部分(第1搬送フレーム83,83の左右幅に亘る部分)において、人参が選別搬送コンベア87の下方(機体外側)に向かって転げ落ちることをこの搬送ラグ91…が防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことを防止でき、商品価値が向上する。
また、同じ人参が選別搬送コンベア92に長時間乗り続けることを防止できるので、作業能率が向上する。
そして、搬送ラグ91を、金属板の表面をゴム等の弾性体で被覆して構成したことにより、人参が搬送ラグ91に接触する際の衝撃で曲がることがなく、人参が搬送ラグ91に当たりながらも落下してしまうことを防止でき、人参の商品価値が向上する。
さらに、弾性体で金属材(鉄板等)や硬質の樹脂材(アクリル板等)を被覆していることにより、人参が搬送ラグ91に接触する際に傷付くことを防止でき、人参の商品価値が向上する。
また、搬送プレート90…が選別搬送コンベア92の非搬送作用側に移動すると、搬送ラグ91…の上端部が下を向くので、搬送ラグ91…を上端部が選別搬送コンベア92の底部(図示せず)に接触する長さにすると、選別搬送コンベア92の底板に付着した茎葉部の切れ端や泥等の夾雑物を削ぎ落とすスクレーパとして作用させることができ、選別搬送コンベア92の内部に夾雑物が溜まることが防止され、メンテナンス性が向上する。
そして、引抜搬送装置24の引抜搬送経路Rの下方に、搬送途中で落下する人参を引き継いで選別搬送コンベア92に移動させる引継シュータ93を機体外側から機体内側に向かって下り傾斜姿勢で設けたことにより、搬送途中で落下した人参を機体フレーム1や機外に散らばらせることなく搬送経路に戻らせることができ、収穫作業の能率が向上すると共に、落下した人参を作業者が拾い集める必要が無く、作業者の労力が軽減される。
また、引継シュータ93の機体内側端部を選別搬送コンベア92の搬送始端部上方に位置させ、引継シュータ93の内側端部に搬送ラグ91…が接触するたびに引継シュータ93が上下回動する構成としたことにより、引継シュータ93上に載った人参を上下回動の度に落下させることができるので、人参が引継シュータ93に滞留してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
さらに、選別搬送コンベア92の後方に補助作業者が搭乗する搭乗ステップ94を配置したことにより、補助作業者は走行する機体に搭乗して移動することができるので、機体の後を追って補助作業者が自力で移動する必要が無く、労力が大幅に軽減される。
そして、補助作業者が着座する補助作業座席95を搭乗ステップ94に配置したことにより、補助作業者は補助作業座席95に着座して選別作業等を行うことができるので、立ったままの作業よりも疲れにくく、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
さらに、選別搬送コンベア92をガススプリング96で上下回動させることにより、選別搬送コンベア92を上方に回動させる際には、選別搬送コンベア92がゆっくりと上昇するので、勢いよく跳ね上がった選別搬送コンベア92が搭乗ステップ94や補助作業座席95で作業中の補助作業者に衝突することが防止され、作業の安全性が向上する。
加えて、選別搬送コンベア92を下方に回動させる際には、選別搬送コンベア92がゆっくりと下降するので、搬送中の人参が飛び跳ねて選別搬送コンベア92から落下することを防止でき、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて商品価値が向上する。
次に、収容部Gの構成について説明する。
図1、図3、図15〜図18に示すように、機体後側の前記第1搬送フレーム83の回動支点の下方位置に伸縮自在なガスダンパ98の基部側(左右一側)を回動自在に取り付け、機体後側の前記第2搬送フレーム84の搬送終端部側に機体上下方向に長い回動アーム99の基部側(上端部側)を機体左右方向に回動自在に取り付ける。そして、該回動アーム99の端部側(下端部)に前記ガスダンパ98の端部側(左右他側)に回動自在に取り付け、前記回動アーム99に機体左右方向に長尺方向を向けた保持フレーム100の基部側を取り付ける。
さらに、この保持フレーム100の左右両端側に側面視L字型で且つ中空の左右の保持アーム101,101の基部側を貫通させて取り付け、該左右の保持アーム101,101を左右方向に回動自在に構成する。該左右の保持アーム101,101は、下方に向かう突出部を途中で機体前側に向かって屈曲させて形成している。
また、前記左右の保持アーム101,101の端部側に側面視コの字型の左右の取付アーム102,102を各々取り付け、該左右の取付アーム102,102にコンテナ103の保持孔103hに進入してコンテナ103を吊り下げ保持する円盤状の左右の保持ローラ104,104を回転自在に取り付ける。
なお、コンテナ103の保持孔103hは、コンテナ103の前後または左右側面に一対に、即ち2つ形成する。ただし、前後両側と左右両側のいずれにも、即ち4つ形成してもよい。また、コンテナ103を直方体に形成し、短辺を左右側面とすると、後述する左右の保持ローラ104,104を保持孔103h…に進入させやすく、且つ退避させやすい構成となる。
そして、前記左右の保持アーム101,101の基部側の上端部に左右の連結プレート105,105の基部側を左右方向に回動自在に取り付け、前記保持フレーム100の左右方向の略中央部にボス106を取り付ける。さらに、該ボス106に楕円形の連動プレート107の回動軸106aとトルクスプリング106bを挿入し、該連動プレート107を左右方向に回動自在に構成する。ボス106に内装したトルクスプリングにより、連動プレート107を操作すると左右の保持ローラ104,104が互いに離間する方向に左右の保持アーム101,101が回動し、連動プレート107の操作をやめると左右の保持ローラ104,104が互いに近接する方向に左右の保持アーム101,101が回動する。
なお、左右の保持ローラ104,104の左右の間隔は、直方体のコンテナ103の短辺に形成した左右の保持孔103h,103hの左右の間隔と略同じ間隔とするとコンテナ103を確実に保持することができ、作業能率が向上すると共に、コンテナ103を落下させて収容した人参を落下の衝撃で傷つけてしまうことが防止でき、商品価値が向上する。左右の保持アーム101,101の保持フレーム100への取付間隔は左右の保持ローラ104,104の左右間隔が適切に確保できる間隔とし、保持フレーム100の左右方向の長さは、左右の保持アーム101,101を適切な間隔で取り付けることを許容する長さとする。
また、該連動プレートの左右両側端部に左右の連動ロッド108,108の基部を夫々設け、該左右の連動ロッド108,108の端部を前記左右の連結プレート105,105の端部側に取り付ける。そして、該連動プレート107に連動プレート107を左右方向に回動操作する操作レバー109の基部を取り付け、該操作レバー109の端部を補助作業座席95に向かって延出させることにより、コンテナ103の保持孔103hを左右から吊り下げ保持するコンテナ保持装置110が構成される。
そして、該コンテナ保持装置110の下方で且つ機体フレーム1の側部に、選別搬送コンベア92の後方近傍から操縦部Bに亘って左右の積載台フレーム111,111を設け、該左右の積載台フレーム111,111の後端部左右間を連結支持板112で連結する。また、該連結支持板112の後部に複数の金属製、或いは硬質の樹脂材の棒体で構成する空のコンテナ103、または人参を収容したコンテナ103を載置する予備コンテナ載置台112aを設ける。
さらに、前記左右の積載台フレーム111,111の前部に左右の駆動プーリ113,113を駆動シャフト113aに軸着して設け、積載台フレーム111,111の後部に左右の従動プーリ114,114を従動シャフト114aに軸着して設ける。そして、該左右の駆動プーリ113,113と左右の従動プーリ114,114とにコンテナ103を機体前側に搬送する左右のコンテナ移送ベルト115,115を無端状に巻回し、該駆動シャフト113aの機体左右他側に駆動力を供給する移送駆動モータ116を取り付けて、コンテナ移送装置117が構成される。
なお、移送駆動モータ116の駆動を入切するスイッチ(図示せず)は、操縦座席11の近傍または補助作業座席95の近傍に設けると、操縦者または補助作業者が容易に操作することができる。
左右の駆動プーリ113,113と左右の従動プーリ114,114との前後間には、複数の左右のテンションプーリ118,118を回転自在に設けると、左右のコンテナ移送ベルト115,115が撓みにくくなり、コンテナ103が円滑に機体前側に移送され、作業能率が向上する。特に、本願発明のようにコンテナ103を多段積みする場合、一段積むごとに重量が2倍、3倍…と増大するので、左右のコンテナ移送ベルト115,115に撓みが生じにくくすることはきわめて重要である。
また、前記積載台フレーム111,111の前側で且つ操縦部Bの側方に機体前側と左右両側面に壁部を有する延長キャリア119を設け、該延長キャリア119の機体左右他側の後部側にボス120を取り付けた支持プレート121を取り付ける。そして、該ボス120の内部に回動軸122を挿入し、該回動軸122の上下端部に一対の回動プレート123,123を取り付け、該上下一対の回動プレート123,123を機体左右他側の積載台フレーム111の前端部近傍に取り付けて、延長キャリア119を左右方向に回動自在に構成する。さらに、機体左右一側の積載台フレーム111に第1受け板124を取り付け、前記延長キャリア119の機体左右一側の後部側に第1受け板124の上部を覆う第2受け板125を取り付ける。
そして、前記延長キャリア119の内側左右間に機体前側方向にのみ回転する搬送ワンウェイローラ126…を機体前後方向に等間隔を開けて複数取り付ける。
また、前記第1受け板124と第2受け板125とに第1受け板124と第2受け板125を貫通する孔部を形成し、この孔部にL字形状のロックピン127を差し込むことにより、人参を収容したコンテナ103を多段積み上げて積載可能で且つこの多段積みしたコンテナ103を機体前側に搬送可能なコンテナキャリア128が構成される。
なお、該ロックピン127の上側の屈曲部は、操縦部Bに向けて配置する。
該コンテナキャリア128の上方にコンテナ保持装置110を配置することにより、収容部Gが構成される。
上記構成によれば、操作レバー109を操作して連動プレート107を左右方向に回動させ、左右の連動ロッド108,108により左右の保持アーム101,101を同時に互いに近接し合う、或いは互いに離間し合う方向に回動するため、コンテナ103の側面に形成する保持孔103hの内部に左右の保持ローラ104,104を進入させることや、保持孔103hから左右の保持ローラ104,104を退避させることが容易に行なえるので、コンテナ103を吊り下げ保持する保持状態とコンテナ103を降ろす保持解除状態を容易に切り替えることができ、作業能率が向上する。
そして、操作レバー109の端部を補助作業座席95に向かって延出させたことにより、補助作業座席95に着座した補助作業者が手を伸ばすだけでコンテナ保持装置110を操作することができるので、作業能率が向上すると共に、コンテナ保持装置110を操作するために補助作業者が補助作業座席95から離れる必要がなく、作業者の労力が軽減される。
また、保持フレーム100の基部側を回動フレーム99に溶接等の方法で連結したことにより、空のコンテナ103が選別搬送コンベア87の搬送終端部から排出される人参を受け始める際、保持フレーム100をコンテナキャリア128の姿勢に対して斜め30〜60度に傾斜する傾斜姿勢とすることができるので、選別搬送コンベア87の搬送終端部とコンテナ103との間の落下距離を短くすることができ、落下の衝撃で人参が傷付くことを防止でき、人参の商品価値が向上する。
さらに、機体後側の第1搬送フレーム83の回動支点の下方位置と、機体後側の第2搬送フレーム84の搬送終端部側に取り付けた回動アーム99の端部側とにガスダンパ98を伸縮自在且つ回動自在に取り付けたことにより、コンテナ保持装置110に傾斜姿勢で保持されたコンテナ103に人参が収容されて重量が増加するとガスダンパ98が収縮して回動アーム99が機体左右一側側に回動して保持フレーム100をコンテナキャリア128と水平姿勢または略水平姿勢となる位置まで下方回動させるので、コンテナキャリア128に人参が収容されたコンテナ103を積載する際、及びコンテナキャリア128上に積載した下段のコンテナ103sの上部に上段のコンテナ103uを積載する際に、コンテナキャリア128上や下段のコンテナ103s上にコンテナ103を積載姿勢を乱すことなく積載することができ、複数のコンテナ103…の多段積み状態が崩れることが防止され、作業の安全性が向上すると共に、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、商品価値が向上する。
また、ガススプリング96を収縮させて選別搬送コンベア87を下降させる際、ガスダンパ98を第1搬送フレーム83の回動支点の下方位置と回動アーム99の回動端部側に亘って設けたことにより、ガスダンパ98と回動アーム99とが平行リンクとして機能するため、選別搬送コンベア87が下降しても保持フレーム100の姿勢はコンテナキャリア128に対して略水平状態、或いは水平状態から変化しないので、コンテナ保持装置110をコンテナキャリア128の真上に位置させたままコンテナ103をコンテナキャリア128に載置することができ、作業能率が向上する。
加えて、選別搬送コンベア87が通常の作業位置にある状態、即ちガススプリング96が伸張して選別搬送コンベア87を上方に押し上げている状態では、コンテナ保持装置110のコンテナ103の吊り下げ保持位置が2段目以上のコンテナ103の積載位置となるので、コンテナ103の多段積みをガススプリング96とコンテナ保持装置110の操作だけで行なうことができ、作業能率が向上する。
また、従来のように、コンテナキャリア128に人参が収容されたコンテナ103が複数個溜まると人参収穫機を停車させ、作業者及び補助作業者が降車してコンテナキャリア128上のコンテナを2段、3段…と人手で積み直す作業が必要なくなるので、作業能率が大幅に向上すると共に作業者の労力が大幅に軽減される。
そして、コンテナ103を左右の保持ローラ104,104で吊り下げ保持することにより、コンテナ103をコンテナ保持装置110にセットする際、左右の保持ローラ104,104が回転しながら左右の保持孔103h,103hの内側に進入するので、コンテナ103を掴み損なって落下させてしまうことが防止され、コンテナ103をセットし直す必要がなく、作業能率が向上する。
また、コンテナ103をコンテナ保持装置110から取り外す際、左右の保持ローラ104,104が左右の保持孔103h,103hから回転しながら離間するので、コンテナ103を確実に左右の保持ローラ104,104から外すことができ、コンテナ103が左右の保持ローラ104,104のどちらか一方がコンテナ103から離れるタイミングが遅れることが防止され、コンテナ103の多段積み姿勢が乱れて人手で積み直す作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
加えて、多段積みしたコンテナ103…が崩れることを防止できるので、作業の安全性が向上すると共に、落下の衝撃で人参が傷付くことを防止でき、商品価値が向上する。
なお、コンテナ103の保持孔103hに接触する左右の保持ローラ104,104の上面を平滑に構成することにより、保持孔103hと保持ローラ104の上面との略密着状態となるので、機体に揺れが生じたりしても、左右の保持ローラ104,104が左右の保持孔103h,103hから抜け落ちることを防止でき、落下したコンテナ103をセットする必要がなく作業能率が向上すると共に、落下の衝撃で収容した人参が傷付くことが防止でき、人参の商品価値が向上する。
また、左右の保持ローラ104,104は、操作レバー109を解除方向に移動させたときにはコンテナ103の前後方向への移動を妨げないので、コンテナ103の取り付け及び取り外しが容易に行なえ、作業能率が向上する。
加えて、左右の保持ローラ104,104は下面も平滑に構成して上下対象となる構造とすると、上下どちらか一面が著しく傷付いても、上下反転させることによりコンテナ103の吊り下げ保持効果の高い状態にすることができるので、部品の寿命が長くなる。
そして、コンテナキャリア128に移送駆動モータ116から動力を受けて駆動するコンテナ移送装置117を構成したことにより、人参を多数収容したコンテナ103を人手によらず機体前側に向かって移動させることができるので、作業者の労力が軽減される。
なお、人参の収穫作業に一般的に用いられる箱型のコンテナ103には、略満杯になるまで人参を収容すると、平均20kgの人参が収容される。このため、多段積み作業を行うためには、コンテナ移送装置117の左右の積載台フレーム111,111や左右のコンテナ移送ベルト115,115は2段積み時の重量である40kg以上の重量物を搬送し得る耐久力を有する部材で構成するとよい。
また、コンテナキャリア128の後部の連結支持板112に予備コンテナ載置台112aを設けたことにより、空コンテナ103を予備コンテナ載置台112aに1または複数個積載しておくことができるので、補助作業者は補助作業座席95に座ったまま、あるいは僅かな距離を移動するだけで人参を収容し終えたコンテナ103を機体前側に送り出しながら空コンテナ103をコンテナ保持装置110にセットすることができ、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
そして、コンテナキャリア128に人参が収容されたコンテナ103が満載された際には、コンテナ保持装置110から取り外したコンテナ103を予備コンテナ載置台113に積載することができるので、機体により多くの人参を収容したコンテナ103を積載することができ、コンテナ103を機体から降ろす回数が減るため作業者の労力が軽減される。
加えて、コンテナ103を降ろす際に機体を停止させる回数も減るので、作業能率が向上すると共に、機体の再起動の手間を惜しんでアイドリング状態とする時間も削減できるので、排気ガスの排出量を減らすことができる。
さらに、コンテナキャリア128の前部で且つ操縦部Bの側方の延長キャリア119を機体左右方向に回動自在に構成したことにより、収穫作業時にはコンテナキャリア126の前端部側に連結させてコンテナ103の積載量を増やすことができるので、機体により多くの人参を収容したコンテナ103を積載することができ、コンテナ103を機体から降ろす回数が減るため作業者の労力が軽減される。
加えて、コンテナ103を降ろす際に機体を停止させる回数も減るので、作業能率が向上すると共に、機体の再起動の手間を惜しんでアイドリング状態とする時間も削減できるので、排気ガスの排出量を減らすことができる。
そして、上側の屈曲部が操縦部B側を向いているL字型のロックピン127を引き抜くと、延長キャリア119を回動軸122を回動支点として操縦部Bから離間する方向に最大180度回動させることができるので、作業者は機体に乗り降りする際、足場の不安定な延長キャリア119やコンテナ103を踏むことなく、直接圃場に降りることができるので、機体の乗り降りが安全に行なえる。
また、延長キャリア119に作物を収容したコンテナ103を載せたまま回動させることができるので、機体の乗り降りのたびにコンテナ103を降ろす必要がなく、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図3、図15〜図18で示すように、操縦部フレーム10の後部に、選別搬送コンベア87が上昇状態(ガススプリング96が伸張して上方回動している状態)のとき機体前側の第2選別搬送フレーム84が接触する第1スイッチ129aを設け、コンテナ保持装置110のボス106の近傍に操作レバー109をコンテナ103の保持を解除する方向に移動させると接触する第2スイッチ129bを設ける。そして、該第1スイッチ129aの第1検知信号P1と第2スイッチ129bの第2検知信号P2を受ける制御装置130を設け、該制御装置130に第1検知信号P1と第2検知信号P2の両方が伝達されると移送駆動モータ116を所定時間駆動する信号を発信させる構成としてもよい。
上記構成によれば、下段のコンテナ103sの上部に上段のコンテナ103uを積載し、コンテナ保持装置110の保持状態を解除すると、自動的に多段積みされた複数のコンテナ103…をコンテナ移送装置117で機体前側に移動させることができるので、操縦者や補助作業者がスイッチを押してコンテナ移送装置117を作動させて多段積みしたコンテナ103…を移動させる必要がなく、作業能率が向上する。
また、コンテナキャリア128にコンテナ103を積載する際は、操作レバー109を操作すると第2スイッチ129bが入り第2検知信号P2が発信されるが、第1スイッチ129aは第2選別搬送フレーム84に接触していないので第1検出信号P1が発信されないので、下段のコンテナ103sをコンテナキャリア128に積載してもコンテナ移送装置117は作動せず、下段のコンテナ103sが機体前側に搬送されてしまうことが防止され、確実にコンテナ103を多段積みすることができる。
そして、下段のコンテナ103sの上部に上段のコンテナ103uを積載しても、操作レバー109を操作してコンテナ保持装置110の保持状態を解除し、第2スイッチ129bを入状態にして第2検知信号P2を発信させない限り、コンテナ移送装置117が作動しないので、確実に上段のコンテナ103uが下段のコンテナ103sに積まれ、コンテナ103の多段積み姿勢が安定する。
図19及び図20で示すように、前後の搬送フレーム131,131を機体左右他側に向かって上方傾斜させて、且つ上下回動自在に設け、該第1搬送フレーム131,131の左右一側端部側の前後間に駆動シャフト132を回転自在に取り付けると共に、該駆動シャフト132の前後方向略中間位置に駆動スプロケット133を軸着する。また、前記第1搬送フレーム131,131の左右他側端部側の前後間に従動シャフト134を回転自在に取り付け、該従動シャフト134の前後方向略中間位置に従動スプロケット135を軸着すると共に、該駆動スプロケット133と従動スプロケット135とに亘って伝動チェーン136を無端状に巻回する。
そして、前記前後の搬送フレーム131,131の内側で且つ上下方向中央部よりも上側及び下側に断面視L字形状のガイドレール137,137,137,137を各々設ける。さらに、前記伝動チェーン136に円柱型の搬送体138…を左右方向に等間隔を開けて軸着し、該搬送体138…の前後両端部にベアリング等の前後の回転体139,139を軸着し、該前後の回転体139,139…を上下のガイドレール137,137,137,137に接触させて、汲上搬送コンベア140が構成される。
なお、搬送体138…はゴムや塩化ビニルなどの弾性部材で表面を被覆すると、人参に接触しても人参を傷つけることがなく、人参の商品価値が向上する。
また、前記円柱型の搬送体138…のうち、数本毎に上方に突出して転がり落ちてくる人参を受け止めると共に人参を押し上げる搬送板138a…を、搬送体138…に回動不能に軸着する。
なお、搬送板138aはゴムや塩化ビニルなどの弾性部材で構成すると、人参に接触しても人参を傷つけることがなく、人参の商品価値が向上する。特に、硬質且つ弾性に富む素材が望ましい。
上記構成によれば、汲上搬送コンベア140の略中央部に駆動スプロケット133と従動スプロケット135を設け、この駆動スプロケット133と従動スプロケット135とに伝動チェーン136を無端状に巻回したことにより、駆動スプロケット133と従動スプロケット135と伝動チェーン136とが各々一つあれば駆動機構を構成できるので、部品点数が削減され、資源の節約やコストダウンとなる。
また、略中央部に駆動機構を構成したことにより、駆動機構の左右から搬送フレーム131,131に亘るスペースを人参の搬送に用いることができるので、人参の搬送量が増加し、作業能率が向上する。
加えて、搬送フレーム131,131に人参が接触する機会が減少するので、人参が接触の衝撃で傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
さらに、複数の搬送体138…の両端部にベアリング等の回転体139,139を設け、この回転体139,139…をガイドレール137,137,137,137に接触させていることにより、搬送体138…が前後や左右に大きく揺らぎ、搬送体138…の向きが狂うことが防止されるので、人参の搬送が正確に行われる。
そして、回転体139,139…がガイドレール137,137,137,137に接触していることにより、搬送体138…には微細な振動がかかり続けるため、人参に付着した泥土をこの振動で落とすことができ、人参の形状や傷を選別作業者(補助作業者)が目視しやすくなり、選別精度が向上する。
なお、該汲上搬送コンベア140の搬送終端側に同一構成の汲上搬送コンベア140を上下回動自在に連結し、選別搬送部Fを構成してもよい。
図21及び図22で示すように、前後の残葉処理フレーム141,141を設け、該前後の残葉処理フレーム141,141の機体外側(左右一側)の前後間に第1残葉処理ローラ142を回転自在に取り付ける。また、前記残葉処理フレーム141,141の機体内側(左右他側)の前後間で且つ第1残葉処理ローラ142よりも下方位置に第2残葉処理ローラ143を回転自在に取り付ける。そして、該第1残葉処理ローラ142と第2残葉処理ローラ143とにゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト144を無端状に巻回する。
さらに、該残葉処理ベルト144の巻回域内で且つ機体上側に残葉処理プレート145を取り付け、該残葉処理プレート145の機体内側端部を下方に向かって折り曲げる。そして、機体後側の残葉処理フレーム141の機体外側の端部寄りにエンジン7の動力を伝動する伝動ギアボックス146を設け、該伝動ギアボックス146に人参の根部に残った残葉を残葉処理プレート145と共に挟み込んで切除する、残葉処理ベルト144の搬送方向と同一方向(正面視で反時計回り)に回転する第1残葉処理ローラ147と、該第1残葉処理ローラ147よりも大径で且つ逆方向に回転する(正面視で時計回り)第2残量処理ローラ148を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア149を構成する。
なお、該第1残葉処理ローラ147は、大径な第2残葉処理ローラ148と残葉処理ベルト144の隙間に設ける。
上記構成によれば、第1残葉処理ローラ147と残葉処理ベルト144との間に切り残された人参の茎葉部が進入したときは、第1残葉処理ローラ147と第2残葉処理ローラ148とで従来のように人参の茎葉部を挟み切ることができる。
そして、第1残葉処理ローラ147に人参の茎葉部が弾かれ、この第1残葉処理ローラ147の上方に人参の茎葉部が乗り上げてしまっても、逆回転する第2残葉処理ローラ148がこの茎葉を巻き込み、第1残葉処理ローラ147と第2残葉処理ローラ148とで人参の茎葉部を挟み切る状態に戻すので、確実に人参の茎葉部を切除することができ、後工程で茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。