JP3809271B2 - 茎葉処理機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の走行中、じゃがいも等の植立茎葉部を地面から抜き取るように処理するものとした茎葉処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
機体の前部から後部に渡って上り傾斜に装設された左右一対の挟持ベルト搬送部からなる挟持搬送装置を備え、この挟持搬送装置の搬送終端が機体の左右各側に移動操作可能となされ、且つ前記搬送終端の下方となる機体中央に基台を備えると共にこの基台の左右各側縁に前後向き支軸を介して起立揺動操作可能に収集板を装着し、挟持搬送装置が植立茎葉部を挟持搬送し、地上から分離された状態で機体後部へ移動させ、続いて左右何れかの収集板上に落下させるように作動する茎葉処理機は存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した茎葉処理機で作業を実施すると、挟持搬送装置により挟持搬送された茎葉部は収集板の上面に前後向きとなって落下され、作業の進行に伴って漸次滞積される。このように滞積された茎葉部はこれが適当な量に達したときに纏めて地面上等に落下される。
【0004】
ところで、上記のように処理される植立茎葉部は成長の程度によってその長さが異なるのであり、それが茎葉処理機の収集板にとって過度に長過ぎたり短過ぎたりすることが生じる。
【0005】
このようになると、収集板上に滞積される茎葉部は不安定な状態となり、機体振動等も手伝って意図しない落下を生じるようになる。また茎葉部が特に長い場合は機体後方へ張り出して運転の障害をなすようになる。
本発明は、主にこのような問題点を解消するものとした茎葉処理機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、走行機体の前部から後部に渡って上り傾斜に装設された左右一対の挟持ベルト搬送部からなる挟持搬送装置を備え、この挟持搬送装置の搬送終端が機体の左右各側に移動操作可能となされ、且つ前記搬送終端の下方となる機体中央に基台を備えると共にこの基台の左右各側縁に前後向き支軸を介して揺動操作可能に収集板を装着し、挟持搬送装置が植立茎葉部を挟持搬送し、地上から分離された状態で機体後部へ移動させ、続いて左右何れかの収集板上に落下させるように作動する茎葉処理機において、左右各側の収集板の前後位置を挟持搬送装置から落下される茎葉部の長短に適応するように変更操作可能となす。
【0007】
茎葉部が比較的長いときは、収集板は機体の後方へ変位した状態に位置され、逆に茎葉部が比較的短いときは機体の前方へ変位した状態に位置される。これにより、茎葉部は収集板によりバランスの良い状態で支持され、意図しない落下を生じなくなる。
【0008】
さらに具体的には次のようになす。即ち、収集板と前後向き支軸とを結合させるための雌雄の嵌着具を収集板と前後向き支軸との間に適宜数設けると共に、収集板と前後向き支軸の結合のさい嵌合される嵌着具を選択使用することにより前後向き支軸に対する収集板の前後位置が変更される構成となす。これによれば、極めて簡易且つ安価な機構により、収集板が前後へ変位操作されるものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図9は本発明の一実施例に係る茎葉処理機に関するもので、以下これらの図を参照して説明する。
【0010】
本実施例の処理機は歩行形作業機となしてあり、図1、図2、図6及び図7に示すように走行機体1に前部から順に分草部2、掻込み装置3、挟持搬送装置4、一対の係止案内棒5、5、一対の支持輪部6、6及び収集装置7を設けたものとなしてある。
【0011】
上記走行機体1について図1及び図2により説明すると、次のとおりである。
即ち、機体主フレーム8の後部にエンジン9及び走行用変速伝動装置10を、そして前部に中間伝動ケース11を固定し、この伝動ケース11から前方へ管部材からなる前部機体フレーム12を、そして後方へ操縦ハンドル13を延出させる。走行用変速伝動装置10の左右各側からは斜め下前方へ走行用伝動ケース14を延出させ、各走行用伝動ケース14の前端部に走行車輪15を装設する。
【0012】
前記エンジン9の動力は走行用変速伝動装置10及び走行用伝動ケース14を経て走行車輪15に伝達され、走行用変速伝動装置10のレバー操作により、機体は適当な速度で前後何れにも走行される。
【0013】
上記分草部2は図1及び図2に示すようになすのであって、即ち、前部機体フレーム12の左右各側の傾斜管に支持棒16を出入り自在に、しかも任意位置に固定可能に内挿し、この支持棒16の下端に接地棒17を固着すると共に、この接地棒17の前端に前方張出し棒18を固着し、各棒18の先端から斜め後方上向きに3本の分草棒19を延出させたものとなしてある。この際、各分草棒19は異なる適宜な向きとなしてある。
【0014】
上記掻込み装置3は図1、図2及び図8に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の一部をなす前部案内車21の回転を縦向き回転軸22a、22bを介し伝達される駆動案内車23と、これの斜め下前方に配設した前部案内車24とに掻込み突起25aの列設された無端状の掻込みベルト25を掛け回してなる掻込みベルト部26を左右各側に設け、これら一対の掻込みベルト部26、26を挟持搬送装置4の前部から前拡がりのハ字形に延出させ固定した構成としてある。
【0015】
左右各側の駆動案内車23と前部案内車24はこれらの対応する掻込みフレーム3aに支持されており、各掻込みフレーム3aはその対応する前部機体フレーム12部分から起立された支持部材a、bを介してその側面視傾斜を任意に変更調整し得るようにボルト固定されている。
【0016】
回転軸22aと回転軸22bは自在継手22cを介して連動連結されており、この自在継手22cは直交状に結合された二軸によるリンク機構とかスプリング等で適宜に形成し得る。
【0017】
上記挟持搬送装置4について図2及び図8により説明すると、次のとおりである。
即ち、中間伝動ケース11から斜め前方上向きに左右二つの支持筒27、27を起立させ、これら各支持筒27の上部と前部機体フレーム12の左右各側の前部との間に前部装置フレーム28、28を架設し、また各支持筒27にこれの廻りへ左右揺動可能に後部装置フレーム29、29を装着する。
【0018】
各後部装置フレーム29の後端には駆動案内車30を設けると共に、各前部装置フレーム28に前部案内車21を設け、これら駆動案内車30と前部案内車21との間に位置した前部装置フレーム28及び後部装置フレーム29には中間案内車31a、31b、31cを設ける。
【0019】
このさい、中間案内車31aは前部装置フレーム28若しくは後部装置フレーム29に支持片を介して一定位置に装着され、中間案内車31bは前部装置フレーム28若しくは後部装置フレーム29に一定向きへ付勢された揺動アームcを介して位置変位可能に装着され、中間案内車31cはジャッキボルトdの回転操作により先端が機体横方向の任意位置に調整移動される揺動アームeを介して前部装置フレーム28に位置変位可能に装着される。
【0020】
各中間案内車31aはその案内面を塩ビ材などの比較的硬質の合成樹脂材で形成するのが好ましいが、この実施例では後述の挟持搬送ベルト35の外周面の概ね中央個所を案内する中間案内車31aについてそのように形成している。
【0021】
前記支持筒27の各々には回転出力軸32を内挿し、各回転出力軸32とこの出力軸32に対応した側の駆動案内車30の回転中心軸33とを後部装置フレーム29に装設されたチェーン伝動装置34で連動連結する。
【0022】
そして左右各側の駆動案内車30、前部案内車21及び中間案内車31a、31b、31cには無端状の挟持搬送ベルト35を掛け回し、各挟持搬送ベルト35と関連した機構のそれぞれを挟持ベルト搬送部4A、4Aとなす。このさい、左右一対の挟持搬送ベルト35は各ベルト35の対向された挟持搬送側部分を中間案内車31aにより圧接され、また各挟持搬送ベルト35は中間案内車31cにより内方から外方へ押圧されて緊張される。
【0023】
上記一対の係止案内棒5、5は図2、図6及び図7に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の搬送始端部から中間伝動ケース11の前部に亘って装設すると共に、挟持搬送装置4の茎葉搬送経路kを挟む位置に概ね水平状の前後向きとして並設してある。
【0024】
このさい、一対の係止案内棒5、5は、前部を茎葉の侵入し易いように前拡がりとなすと共に後方へ向けて漸次巾狭となるように配置し、各案内棒5の後部は茎葉の根部を傷つけないように上方へ屈曲させる。
【0025】
上記支持輪部6、6は図2、図6及び図7に示すようになすのであって、即ち、前部機体フレーム12の左右各側に支持フレーム61を高さ位置調整可能に装設してある。各支持フレーム61は前部機体フレーム12に支持される起立部材61aとこれに軸61bを介して揺動可能に装着された横部材61cを備えており、この横部材61cの前後個所に図7に示すように機体内方へ向け上り傾斜とされた回転中心軸6aが固定され、各回転中心軸6aには鼓形輪体6bが回転自在に装着される。
【0026】
支持輪部6、6の後方で係止案内棒5、5の直後には、図2及び図6に示すように、これら案内棒5、5間の直後の地面を押圧するための鼓形輪体36を設ける。
【0027】
このため、走行機体1の一部をなす中間伝動ケース11の下部に横軸廻りの前後揺動自在とした支持アーム37(図2)を設ける。そして、このアーム37の下端部に鼓形輪体36である押圧ローラを軸着し、さらに支持アーム37にこの鼓形輪体36を前方へ付勢するためのスプリング38を係着する。
【0028】
上記収集装置7は図1、図2、図3、図4及び図5に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の後部下方から後方へ延出させた基板7aと、この基板7aの左右各側縁に前後向き支軸71を介して上下揺動可能に装着した収集板7bからなっている。
【0029】
各側の前後向き支軸71は機体に固定された支持部材を介して一定位置での回動可能となされ、図示しない操作レバーを操作することにより所要の回動操作可能となされている。この支軸71と収集板7bとの間にはこれらを結合するための雌雄の嵌着具a1、a1、b1、b1、b2、b2が設けてある。具体的には、前後向き支軸71の長さ方向途中に雌形の嵌着具として一対の管部材a1、a1が固着され、また収集板7bの基端側の側縁に雄形の嵌着具として二対の棒部材b1、b1、b2、b2が前後方向の一定寸法(例えば数cm〜数十cm)隔てて固着されている。このさい、棒部材b1と棒部材b1が一つの対をなし、また棒部材b2と棒部材b2が一つの対をなしている。
【0030】
この収集装置7において、収集板7bを図1に示すように機体の前方側へ寄せた状態で装着するときは一対の棒部材b1、b1を一対の管部材a1、a1に内嵌させ、逆に収集板7bを機体の後方側へ寄せた状態で装着するときは一対の棒部材b2、b2を一対の管部材a1、a1に内嵌させるようになされる。
【0031】
図2中、39は走行用変速伝動装置10に設けた動力取出し軸、40はこの動力取出し軸39の回転を中間伝動ケース11の回転入力軸に伝達するための連結軸である。
【0032】
本実施例の茎葉処理機は上記のように構成するのであり、次に畝Uに植立したじゃがいもの茎葉部を処理する場合のその使用例及び作動を説明する。
【0033】
走行機体1を図7に示すように左右の走行車輪15、15が畝Uを跨いだ状態に位置させ、左右何れかの収集板7bを水平姿勢となるように下方揺動させる。このさい、左右の収集板7bは茎葉部wが比較的長いときは図1に示すように機体の前寄りに位置するように嵌着具a1、a1、b1、b1を結合させ、逆に茎葉部wが比較的短いときは図3に示すように機体の後寄りに位置するように嵌着具a1、a1、b2、b2を結合させる。
【0034】
そして必要に応じ、後部装置フレーム29、29の搬送終端を下方揺動された水平姿勢の収集板7bの側へ適当角度だけ揺動させる。これにより、挟持搬送装置4は支持筒27上部付近で屈折される。
【0035】
また支持部材a、bに支持された掻込み装置3の高さを調整することにより、その側面視掻込み方向を図9Aに示すように挟持搬送装置4の側面視搬送方向よりも角度αだけ急傾斜となす。この急傾斜の程度は畝上面mと挟持搬送装置4の先端部との相対高さhが十分に確保されるように決定する。この後、操縦ハンドル13を持ち、各部を作動状態とする。
【0036】
この作動状態では、エンジン9の回転は走行車輪15、15に伝達されて走行機体1を進行させる一方、中間伝動ケース11内に伝達されて回転出力軸32、32を回転させる。回転出力軸32、32の回転はチェーン伝動装置34、34を介して駆動案内車30、30を回転させ、駆動案内車30、30の回転は挟持搬送ベルト35、35を前部案内車21及び中間案内車31a、31b、31cの周りへ回転させる。
【0037】
この際、前部案内車21が挟持搬送ベルト35、35に連動して回転され、この回転が回転軸22a、22b及び自在継手22cを介して駆動案内車23、23を回転させ、掻込みベルト25、25を掻き込み方向へ回転させる。
【0038】
走行機体1の進行中、分草部2は処理すべき畝Uの植立茎葉部wと、この畝Uに隣接した畝の植立茎葉部wとを分離するものとなり、支持輪部6、6の鼓形輪体6bは図7に示すように畝Uの左右肩部に当接されて機体前部の高さを一定に保持し、この状態の下で一対の係止案内棒5、5は畝U上面に近接して、条植された植立茎葉wの茎元の左右各側に位置した状態となり、また後方の鼓形輪体36は畝U上面を適当力で押圧した状態となる。
【0039】
この際、鼓形輪体6b、36の円弧状の周面はこれが平面である場合に較べ畝面に沿った状態となり、畝面の巾方向を均等に押圧するものとなる。
【0040】
掻込み装置3はその掻込み突起25aで、畝上面mに条植された植立茎葉部wを掻き込んで挟持搬送装置4の搬送開始点に送り込み、挟持搬送装置4はこのように送り込まれた植立茎葉部wを挟み付け、走行機体1の走行速度に同調した速度で斜め上方へ搬送する。
【0041】
この搬送により、植立茎葉部wは漸次大きく引き上げられ、その引上げ力が茎葉部wの抜き取り対抗強さを超えたとき、この茎葉部wはその根部を残して地上へ抜き取られる。この際、根部の芋が茎葉部wと一緒に抜け上がろうとするが鼓形輪体6b、6bが根部の左右上部地表を均等に押さえてこれを規制する。
【0042】
一方、植立茎葉部wの根部が挟持搬送装置4の引上げ力に耐えきれずに、茎葉部wと一緒に抜き上げられようとすることがあるが、このような場合は一対の係止案内棒5、5がその根部の一定以上の上昇を係止する。これにより、この茎葉部wはその根部から強制的に分離されて挟持搬送装置4によりその搬送を続行されるのであり、また分離された根部は地中に留まるものとなる。
【0043】
多くの茎葉部wはこうして支障なく処理されるのであるが、時折、一対の係止案内棒5、5の存在個所で茎葉部wとその根部の分離が行われず、この個所を通り過ぎた後に、その根部が抜き上げられようとすることがある。
【0044】
このような場合、鼓形輪体36が直ちにその引き抜かれつつある根部の後側上部の地表を押圧してその根部の抜け上がりを阻止するのであり、これによりその根部から茎葉部wが引きちぎられて分離される。この際、鼓形輪体36に後向きの強大な力が作用すると、鼓形輪体36はスプリング38の弾力に抗して後方へ揺動退避し、損傷を免れるものとなる。このような揺動退避は畝上面mの高さが変動したとき、この変動に適応して各部の機能を良好に維持させるためにも必要なものである。
【0045】
このようにして茎葉部wはその根部から確実に分離され、挟持搬送装置4により搬送され、その搬送終端から、水平姿勢となされた収集板7bの上面へ後倒れ姿勢で次々と落下され滞積されるのである。
【0046】
このさい、比較的長い茎葉部wの場合は機体の前寄りに位置させた収集板7b上に落下されることになるが、この場合、茎先は収集板の後端から大きく張り出して操縦の障害となるようになるため、操縦者は時折、滞積された茎葉部を収集板の真上に位置させるように前方へ押し移動させる。
【0047】
一方、比較的短いか機体設計時の予定長さ程度の茎葉部wの場合は何等の手作業を要することなく機体の後寄りに位置された収集板7b上にバランスよく滞積され、意図しない落下の生じ難い状態となる。
【0048】
茎葉部wが収集板7b上で適当な量の一群となったとき、作業者は収集板7bをさらに下方揺動させてその茎葉部w群を地面上に纏めて落下させる。
【0049】
上記作業において、畝上面mが多少の高低の存在する状態となっていても、挟持搬送装置4の先端部は図9Bに示すように挟持搬送装置4の側面視搬送方向と掻込み装置3の側面視搬送方向とが合致された従来の場合よりも畝上面mとの相対高さhを十分に大きく保持されるため、左右の挟持搬送ベルト35、35が土を噛み込んだり、また畝面が図7に示すようにマルチフィルムfで被われていてもこれを巻き込んだりすることは生じない。
【0050】
また挟持搬送ベルト35に対し駆動案内車30がスリップして、挟持搬送ベルト35が確実に周回変位されない状態となったときは、ジャッキボルトdを回転操作して中間案内車31cを機体の横外方へ変位させる。これにより、挟持搬送ベルト35は緊張されて駆動案内車30に強く圧接され、エンジン9の回転を確実に伝達されるものとなる。
【0051】
挟持搬送装置4は左右一対の挟持搬送ベルト35、35で茎葉部wを挟持搬送するが、このさい茎葉片が挟持搬送ベルト35の外周面に付着し、これと一緒に移動することがある。このような場合にも、ベルト緊張用の中間案内車31cが挟持搬送ベルト35の前部内方に存在するため、茎葉片が中間案内車31cに絡み付くことはない。また、この茎葉片が中間案内車31cまで達することも少なく、結局、中間案内車31cへの絡み付きは回避される。
【0052】
挟持搬送装置4を長期に亘って使用しないときは、ジャッキボルトdを逆へ回転操作して中間案内車31cを機体の横内方へ変位させる。これにより、挟持搬送ベルト35は弛緩されてその張力が減少し、へたりや癖の発生を防止される。
【0053】
また挟持搬送ベルト35が前部案内車21、駆動案内車30及び中間案内車31a、31b、31c等と長期に亘って圧接された場合、両者の接着現象が生じることがあるが、挟持搬送ベルト35の上記弛緩はこのような現象を回避させるものとなる。
このさい、挟持搬送ベルト35の外周面を案内する中間案内車31aの案内面が塩ビ材などの合成樹脂であることはこの接着現象の回避に有効に作用する。
【0054】
上記実施例は次のように変形できる。
即ち、収集板7bは後部装置フレーム29、29と無関係に前後向き支軸71廻りへ揺動操作されるものとして説明したが、この収集板7bを後部装置フレーム29、29と連動させることもできるのであり、即ち後部装置フレーム29、29の搬送終端が左右何れかの側へ適当角度だけ揺動操作されると、同じ揺動側の収集板7bが収納状態の起立姿勢から水平姿勢になるように動作されるものとなす。
【0055】
【発明の効果】
上記した本発明によれば、比較的長い植立茎葉部であっても或いは比較的短い植立茎葉部であってもこれを収集板上に安定的に滞積させることができ、確実且つ能率的な処理の行えるものとなる。
【0056】
請求項2に記載のものによれば、収集板の前後位置を変化させる機構を簡易且つ安価に形成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る茎葉処理機の斜視図である。
【図2】 上記処理機の側面図である。
【図3】 上記処理機の別の状態を示す部分図である。
【図4】 上記処理機の一部を示す図である。
【図5】 上記処理機の収集板を示す図である。
【図6】 上記処理機の平面視説明図である。
【図7】 上記処理機の正面視説明図である。
【図8】 上記処理機の挟持搬送装置の一部を示す平面図である。
【図9】 上記処理機の作動説明図で、Aは本発明の処理機に係るもの、Bは従来の処理機に係るものである。
【符号の説明】
1 走行機体
4 挟持搬送装置
4A 挟持ベルト搬送部
7a 基台
7b 収集板
71 前後向き支軸
a1 管部材(雌形の嵌着具)
b1、b2 棒部材(雄形の嵌着具)
w 茎葉部
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の走行中、じゃがいも等の植立茎葉部を地面から抜き取るように処理するものとした茎葉処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
機体の前部から後部に渡って上り傾斜に装設された左右一対の挟持ベルト搬送部からなる挟持搬送装置を備え、この挟持搬送装置の搬送終端が機体の左右各側に移動操作可能となされ、且つ前記搬送終端の下方となる機体中央に基台を備えると共にこの基台の左右各側縁に前後向き支軸を介して起立揺動操作可能に収集板を装着し、挟持搬送装置が植立茎葉部を挟持搬送し、地上から分離された状態で機体後部へ移動させ、続いて左右何れかの収集板上に落下させるように作動する茎葉処理機は存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した茎葉処理機で作業を実施すると、挟持搬送装置により挟持搬送された茎葉部は収集板の上面に前後向きとなって落下され、作業の進行に伴って漸次滞積される。このように滞積された茎葉部はこれが適当な量に達したときに纏めて地面上等に落下される。
【0004】
ところで、上記のように処理される植立茎葉部は成長の程度によってその長さが異なるのであり、それが茎葉処理機の収集板にとって過度に長過ぎたり短過ぎたりすることが生じる。
【0005】
このようになると、収集板上に滞積される茎葉部は不安定な状態となり、機体振動等も手伝って意図しない落下を生じるようになる。また茎葉部が特に長い場合は機体後方へ張り出して運転の障害をなすようになる。
本発明は、主にこのような問題点を解消するものとした茎葉処理機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、走行機体の前部から後部に渡って上り傾斜に装設された左右一対の挟持ベルト搬送部からなる挟持搬送装置を備え、この挟持搬送装置の搬送終端が機体の左右各側に移動操作可能となされ、且つ前記搬送終端の下方となる機体中央に基台を備えると共にこの基台の左右各側縁に前後向き支軸を介して揺動操作可能に収集板を装着し、挟持搬送装置が植立茎葉部を挟持搬送し、地上から分離された状態で機体後部へ移動させ、続いて左右何れかの収集板上に落下させるように作動する茎葉処理機において、左右各側の収集板の前後位置を挟持搬送装置から落下される茎葉部の長短に適応するように変更操作可能となす。
【0007】
茎葉部が比較的長いときは、収集板は機体の後方へ変位した状態に位置され、逆に茎葉部が比較的短いときは機体の前方へ変位した状態に位置される。これにより、茎葉部は収集板によりバランスの良い状態で支持され、意図しない落下を生じなくなる。
【0008】
さらに具体的には次のようになす。即ち、収集板と前後向き支軸とを結合させるための雌雄の嵌着具を収集板と前後向き支軸との間に適宜数設けると共に、収集板と前後向き支軸の結合のさい嵌合される嵌着具を選択使用することにより前後向き支軸に対する収集板の前後位置が変更される構成となす。これによれば、極めて簡易且つ安価な機構により、収集板が前後へ変位操作されるものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図9は本発明の一実施例に係る茎葉処理機に関するもので、以下これらの図を参照して説明する。
【0010】
本実施例の処理機は歩行形作業機となしてあり、図1、図2、図6及び図7に示すように走行機体1に前部から順に分草部2、掻込み装置3、挟持搬送装置4、一対の係止案内棒5、5、一対の支持輪部6、6及び収集装置7を設けたものとなしてある。
【0011】
上記走行機体1について図1及び図2により説明すると、次のとおりである。
即ち、機体主フレーム8の後部にエンジン9及び走行用変速伝動装置10を、そして前部に中間伝動ケース11を固定し、この伝動ケース11から前方へ管部材からなる前部機体フレーム12を、そして後方へ操縦ハンドル13を延出させる。走行用変速伝動装置10の左右各側からは斜め下前方へ走行用伝動ケース14を延出させ、各走行用伝動ケース14の前端部に走行車輪15を装設する。
【0012】
前記エンジン9の動力は走行用変速伝動装置10及び走行用伝動ケース14を経て走行車輪15に伝達され、走行用変速伝動装置10のレバー操作により、機体は適当な速度で前後何れにも走行される。
【0013】
上記分草部2は図1及び図2に示すようになすのであって、即ち、前部機体フレーム12の左右各側の傾斜管に支持棒16を出入り自在に、しかも任意位置に固定可能に内挿し、この支持棒16の下端に接地棒17を固着すると共に、この接地棒17の前端に前方張出し棒18を固着し、各棒18の先端から斜め後方上向きに3本の分草棒19を延出させたものとなしてある。この際、各分草棒19は異なる適宜な向きとなしてある。
【0014】
上記掻込み装置3は図1、図2及び図8に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の一部をなす前部案内車21の回転を縦向き回転軸22a、22bを介し伝達される駆動案内車23と、これの斜め下前方に配設した前部案内車24とに掻込み突起25aの列設された無端状の掻込みベルト25を掛け回してなる掻込みベルト部26を左右各側に設け、これら一対の掻込みベルト部26、26を挟持搬送装置4の前部から前拡がりのハ字形に延出させ固定した構成としてある。
【0015】
左右各側の駆動案内車23と前部案内車24はこれらの対応する掻込みフレーム3aに支持されており、各掻込みフレーム3aはその対応する前部機体フレーム12部分から起立された支持部材a、bを介してその側面視傾斜を任意に変更調整し得るようにボルト固定されている。
【0016】
回転軸22aと回転軸22bは自在継手22cを介して連動連結されており、この自在継手22cは直交状に結合された二軸によるリンク機構とかスプリング等で適宜に形成し得る。
【0017】
上記挟持搬送装置4について図2及び図8により説明すると、次のとおりである。
即ち、中間伝動ケース11から斜め前方上向きに左右二つの支持筒27、27を起立させ、これら各支持筒27の上部と前部機体フレーム12の左右各側の前部との間に前部装置フレーム28、28を架設し、また各支持筒27にこれの廻りへ左右揺動可能に後部装置フレーム29、29を装着する。
【0018】
各後部装置フレーム29の後端には駆動案内車30を設けると共に、各前部装置フレーム28に前部案内車21を設け、これら駆動案内車30と前部案内車21との間に位置した前部装置フレーム28及び後部装置フレーム29には中間案内車31a、31b、31cを設ける。
【0019】
このさい、中間案内車31aは前部装置フレーム28若しくは後部装置フレーム29に支持片を介して一定位置に装着され、中間案内車31bは前部装置フレーム28若しくは後部装置フレーム29に一定向きへ付勢された揺動アームcを介して位置変位可能に装着され、中間案内車31cはジャッキボルトdの回転操作により先端が機体横方向の任意位置に調整移動される揺動アームeを介して前部装置フレーム28に位置変位可能に装着される。
【0020】
各中間案内車31aはその案内面を塩ビ材などの比較的硬質の合成樹脂材で形成するのが好ましいが、この実施例では後述の挟持搬送ベルト35の外周面の概ね中央個所を案内する中間案内車31aについてそのように形成している。
【0021】
前記支持筒27の各々には回転出力軸32を内挿し、各回転出力軸32とこの出力軸32に対応した側の駆動案内車30の回転中心軸33とを後部装置フレーム29に装設されたチェーン伝動装置34で連動連結する。
【0022】
そして左右各側の駆動案内車30、前部案内車21及び中間案内車31a、31b、31cには無端状の挟持搬送ベルト35を掛け回し、各挟持搬送ベルト35と関連した機構のそれぞれを挟持ベルト搬送部4A、4Aとなす。このさい、左右一対の挟持搬送ベルト35は各ベルト35の対向された挟持搬送側部分を中間案内車31aにより圧接され、また各挟持搬送ベルト35は中間案内車31cにより内方から外方へ押圧されて緊張される。
【0023】
上記一対の係止案内棒5、5は図2、図6及び図7に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の搬送始端部から中間伝動ケース11の前部に亘って装設すると共に、挟持搬送装置4の茎葉搬送経路kを挟む位置に概ね水平状の前後向きとして並設してある。
【0024】
このさい、一対の係止案内棒5、5は、前部を茎葉の侵入し易いように前拡がりとなすと共に後方へ向けて漸次巾狭となるように配置し、各案内棒5の後部は茎葉の根部を傷つけないように上方へ屈曲させる。
【0025】
上記支持輪部6、6は図2、図6及び図7に示すようになすのであって、即ち、前部機体フレーム12の左右各側に支持フレーム61を高さ位置調整可能に装設してある。各支持フレーム61は前部機体フレーム12に支持される起立部材61aとこれに軸61bを介して揺動可能に装着された横部材61cを備えており、この横部材61cの前後個所に図7に示すように機体内方へ向け上り傾斜とされた回転中心軸6aが固定され、各回転中心軸6aには鼓形輪体6bが回転自在に装着される。
【0026】
支持輪部6、6の後方で係止案内棒5、5の直後には、図2及び図6に示すように、これら案内棒5、5間の直後の地面を押圧するための鼓形輪体36を設ける。
【0027】
このため、走行機体1の一部をなす中間伝動ケース11の下部に横軸廻りの前後揺動自在とした支持アーム37(図2)を設ける。そして、このアーム37の下端部に鼓形輪体36である押圧ローラを軸着し、さらに支持アーム37にこの鼓形輪体36を前方へ付勢するためのスプリング38を係着する。
【0028】
上記収集装置7は図1、図2、図3、図4及び図5に示すようになすのであって、即ち、挟持搬送装置4の後部下方から後方へ延出させた基板7aと、この基板7aの左右各側縁に前後向き支軸71を介して上下揺動可能に装着した収集板7bからなっている。
【0029】
各側の前後向き支軸71は機体に固定された支持部材を介して一定位置での回動可能となされ、図示しない操作レバーを操作することにより所要の回動操作可能となされている。この支軸71と収集板7bとの間にはこれらを結合するための雌雄の嵌着具a1、a1、b1、b1、b2、b2が設けてある。具体的には、前後向き支軸71の長さ方向途中に雌形の嵌着具として一対の管部材a1、a1が固着され、また収集板7bの基端側の側縁に雄形の嵌着具として二対の棒部材b1、b1、b2、b2が前後方向の一定寸法(例えば数cm〜数十cm)隔てて固着されている。このさい、棒部材b1と棒部材b1が一つの対をなし、また棒部材b2と棒部材b2が一つの対をなしている。
【0030】
この収集装置7において、収集板7bを図1に示すように機体の前方側へ寄せた状態で装着するときは一対の棒部材b1、b1を一対の管部材a1、a1に内嵌させ、逆に収集板7bを機体の後方側へ寄せた状態で装着するときは一対の棒部材b2、b2を一対の管部材a1、a1に内嵌させるようになされる。
【0031】
図2中、39は走行用変速伝動装置10に設けた動力取出し軸、40はこの動力取出し軸39の回転を中間伝動ケース11の回転入力軸に伝達するための連結軸である。
【0032】
本実施例の茎葉処理機は上記のように構成するのであり、次に畝Uに植立したじゃがいもの茎葉部を処理する場合のその使用例及び作動を説明する。
【0033】
走行機体1を図7に示すように左右の走行車輪15、15が畝Uを跨いだ状態に位置させ、左右何れかの収集板7bを水平姿勢となるように下方揺動させる。このさい、左右の収集板7bは茎葉部wが比較的長いときは図1に示すように機体の前寄りに位置するように嵌着具a1、a1、b1、b1を結合させ、逆に茎葉部wが比較的短いときは図3に示すように機体の後寄りに位置するように嵌着具a1、a1、b2、b2を結合させる。
【0034】
そして必要に応じ、後部装置フレーム29、29の搬送終端を下方揺動された水平姿勢の収集板7bの側へ適当角度だけ揺動させる。これにより、挟持搬送装置4は支持筒27上部付近で屈折される。
【0035】
また支持部材a、bに支持された掻込み装置3の高さを調整することにより、その側面視掻込み方向を図9Aに示すように挟持搬送装置4の側面視搬送方向よりも角度αだけ急傾斜となす。この急傾斜の程度は畝上面mと挟持搬送装置4の先端部との相対高さhが十分に確保されるように決定する。この後、操縦ハンドル13を持ち、各部を作動状態とする。
【0036】
この作動状態では、エンジン9の回転は走行車輪15、15に伝達されて走行機体1を進行させる一方、中間伝動ケース11内に伝達されて回転出力軸32、32を回転させる。回転出力軸32、32の回転はチェーン伝動装置34、34を介して駆動案内車30、30を回転させ、駆動案内車30、30の回転は挟持搬送ベルト35、35を前部案内車21及び中間案内車31a、31b、31cの周りへ回転させる。
【0037】
この際、前部案内車21が挟持搬送ベルト35、35に連動して回転され、この回転が回転軸22a、22b及び自在継手22cを介して駆動案内車23、23を回転させ、掻込みベルト25、25を掻き込み方向へ回転させる。
【0038】
走行機体1の進行中、分草部2は処理すべき畝Uの植立茎葉部wと、この畝Uに隣接した畝の植立茎葉部wとを分離するものとなり、支持輪部6、6の鼓形輪体6bは図7に示すように畝Uの左右肩部に当接されて機体前部の高さを一定に保持し、この状態の下で一対の係止案内棒5、5は畝U上面に近接して、条植された植立茎葉wの茎元の左右各側に位置した状態となり、また後方の鼓形輪体36は畝U上面を適当力で押圧した状態となる。
【0039】
この際、鼓形輪体6b、36の円弧状の周面はこれが平面である場合に較べ畝面に沿った状態となり、畝面の巾方向を均等に押圧するものとなる。
【0040】
掻込み装置3はその掻込み突起25aで、畝上面mに条植された植立茎葉部wを掻き込んで挟持搬送装置4の搬送開始点に送り込み、挟持搬送装置4はこのように送り込まれた植立茎葉部wを挟み付け、走行機体1の走行速度に同調した速度で斜め上方へ搬送する。
【0041】
この搬送により、植立茎葉部wは漸次大きく引き上げられ、その引上げ力が茎葉部wの抜き取り対抗強さを超えたとき、この茎葉部wはその根部を残して地上へ抜き取られる。この際、根部の芋が茎葉部wと一緒に抜け上がろうとするが鼓形輪体6b、6bが根部の左右上部地表を均等に押さえてこれを規制する。
【0042】
一方、植立茎葉部wの根部が挟持搬送装置4の引上げ力に耐えきれずに、茎葉部wと一緒に抜き上げられようとすることがあるが、このような場合は一対の係止案内棒5、5がその根部の一定以上の上昇を係止する。これにより、この茎葉部wはその根部から強制的に分離されて挟持搬送装置4によりその搬送を続行されるのであり、また分離された根部は地中に留まるものとなる。
【0043】
多くの茎葉部wはこうして支障なく処理されるのであるが、時折、一対の係止案内棒5、5の存在個所で茎葉部wとその根部の分離が行われず、この個所を通り過ぎた後に、その根部が抜き上げられようとすることがある。
【0044】
このような場合、鼓形輪体36が直ちにその引き抜かれつつある根部の後側上部の地表を押圧してその根部の抜け上がりを阻止するのであり、これによりその根部から茎葉部wが引きちぎられて分離される。この際、鼓形輪体36に後向きの強大な力が作用すると、鼓形輪体36はスプリング38の弾力に抗して後方へ揺動退避し、損傷を免れるものとなる。このような揺動退避は畝上面mの高さが変動したとき、この変動に適応して各部の機能を良好に維持させるためにも必要なものである。
【0045】
このようにして茎葉部wはその根部から確実に分離され、挟持搬送装置4により搬送され、その搬送終端から、水平姿勢となされた収集板7bの上面へ後倒れ姿勢で次々と落下され滞積されるのである。
【0046】
このさい、比較的長い茎葉部wの場合は機体の前寄りに位置させた収集板7b上に落下されることになるが、この場合、茎先は収集板の後端から大きく張り出して操縦の障害となるようになるため、操縦者は時折、滞積された茎葉部を収集板の真上に位置させるように前方へ押し移動させる。
【0047】
一方、比較的短いか機体設計時の予定長さ程度の茎葉部wの場合は何等の手作業を要することなく機体の後寄りに位置された収集板7b上にバランスよく滞積され、意図しない落下の生じ難い状態となる。
【0048】
茎葉部wが収集板7b上で適当な量の一群となったとき、作業者は収集板7bをさらに下方揺動させてその茎葉部w群を地面上に纏めて落下させる。
【0049】
上記作業において、畝上面mが多少の高低の存在する状態となっていても、挟持搬送装置4の先端部は図9Bに示すように挟持搬送装置4の側面視搬送方向と掻込み装置3の側面視搬送方向とが合致された従来の場合よりも畝上面mとの相対高さhを十分に大きく保持されるため、左右の挟持搬送ベルト35、35が土を噛み込んだり、また畝面が図7に示すようにマルチフィルムfで被われていてもこれを巻き込んだりすることは生じない。
【0050】
また挟持搬送ベルト35に対し駆動案内車30がスリップして、挟持搬送ベルト35が確実に周回変位されない状態となったときは、ジャッキボルトdを回転操作して中間案内車31cを機体の横外方へ変位させる。これにより、挟持搬送ベルト35は緊張されて駆動案内車30に強く圧接され、エンジン9の回転を確実に伝達されるものとなる。
【0051】
挟持搬送装置4は左右一対の挟持搬送ベルト35、35で茎葉部wを挟持搬送するが、このさい茎葉片が挟持搬送ベルト35の外周面に付着し、これと一緒に移動することがある。このような場合にも、ベルト緊張用の中間案内車31cが挟持搬送ベルト35の前部内方に存在するため、茎葉片が中間案内車31cに絡み付くことはない。また、この茎葉片が中間案内車31cまで達することも少なく、結局、中間案内車31cへの絡み付きは回避される。
【0052】
挟持搬送装置4を長期に亘って使用しないときは、ジャッキボルトdを逆へ回転操作して中間案内車31cを機体の横内方へ変位させる。これにより、挟持搬送ベルト35は弛緩されてその張力が減少し、へたりや癖の発生を防止される。
【0053】
また挟持搬送ベルト35が前部案内車21、駆動案内車30及び中間案内車31a、31b、31c等と長期に亘って圧接された場合、両者の接着現象が生じることがあるが、挟持搬送ベルト35の上記弛緩はこのような現象を回避させるものとなる。
このさい、挟持搬送ベルト35の外周面を案内する中間案内車31aの案内面が塩ビ材などの合成樹脂であることはこの接着現象の回避に有効に作用する。
【0054】
上記実施例は次のように変形できる。
即ち、収集板7bは後部装置フレーム29、29と無関係に前後向き支軸71廻りへ揺動操作されるものとして説明したが、この収集板7bを後部装置フレーム29、29と連動させることもできるのであり、即ち後部装置フレーム29、29の搬送終端が左右何れかの側へ適当角度だけ揺動操作されると、同じ揺動側の収集板7bが収納状態の起立姿勢から水平姿勢になるように動作されるものとなす。
【0055】
【発明の効果】
上記した本発明によれば、比較的長い植立茎葉部であっても或いは比較的短い植立茎葉部であってもこれを収集板上に安定的に滞積させることができ、確実且つ能率的な処理の行えるものとなる。
【0056】
請求項2に記載のものによれば、収集板の前後位置を変化させる機構を簡易且つ安価に形成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る茎葉処理機の斜視図である。
【図2】 上記処理機の側面図である。
【図3】 上記処理機の別の状態を示す部分図である。
【図4】 上記処理機の一部を示す図である。
【図5】 上記処理機の収集板を示す図である。
【図6】 上記処理機の平面視説明図である。
【図7】 上記処理機の正面視説明図である。
【図8】 上記処理機の挟持搬送装置の一部を示す平面図である。
【図9】 上記処理機の作動説明図で、Aは本発明の処理機に係るもの、Bは従来の処理機に係るものである。
【符号の説明】
1 走行機体
4 挟持搬送装置
4A 挟持ベルト搬送部
7a 基台
7b 収集板
71 前後向き支軸
a1 管部材(雌形の嵌着具)
b1、b2 棒部材(雄形の嵌着具)
w 茎葉部
Claims (2)
- 走行機体の前部から後部に渡って上り傾斜に装設された左右一対の挟持ベルト搬送部からなる挟持搬送装置を備え、この挟持搬送装置の搬送終端が機体の左右各側に移動操作可能となされ、且つ前記搬送終端の下方となる機体中央に基台を備えると共にこの基台の左右各側縁に前後向き支軸を介して揺動操作可能に収集板を装着し、挟持搬送装置が植立茎葉部を挟持搬送し、地上から分離された状態で機体後部へ移動させ、続いて左右何れかの収集板上に落下させるように作動する茎葉処理機において、左右各側の収集板の前後位置を挟持搬送装置から落下される茎葉部の長短に適応するように変更操作可能となしたことを特徴とする茎葉処理機。
- 収集板と前後向き支軸とを結合させるための雌雄の嵌着具を収集板と前後向き支軸との間に適宜数設けると共に、収集板と前後向き支軸の結合のさい嵌合される嵌着具を選択使用することにより前後向き支軸に対する収集板の前後位置が変更されることを特徴とする請求項1記載の茎葉処理機。
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