JP3181044B2 - 根茎収穫機における根茎作物の収穫方法 - Google Patents

根茎収穫機における根茎作物の収穫方法

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JP3181044B2
JP3181044B2 JP24448399A JP24448399A JP3181044B2 JP 3181044 B2 JP3181044 B2 JP 3181044B2 JP 24448399 A JP24448399 A JP 24448399A JP 24448399 A JP24448399 A JP 24448399A JP 3181044 B2 JP3181044 B2 JP 3181044B2
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pulling
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省二 寺元
幹夫 松井
幸広 福田
章人 渡邉
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セイレイ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玉葱等の根茎作物
を収穫する根茎収穫機において、この根茎収穫機による
根茎作物の収穫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】左右一対の搬送ベルトを機体の前後方向
に向けて後上がりに配した引抜き搬送装置によって玉葱
等の根茎作物の茎葉部を挟持して玉部ごと地中から引き
抜いて後上方へ搬送する根茎収穫機は知られている。こ
の場合、根茎作物は、地域や栽培時期によってはマルチ
栽培されているものがあるが、このような根茎収穫機で
収穫するときにはこのマルチフィルムの存在が邪魔にな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多くの場合、マルチフ
ィルムを押さえ付けておいて、玉部を無理やり引き抜く
ようにしているが、この引抜きに要する力は意外に強
く、スムーズに引き抜けないことがある。又、引き抜け
たとしても、その場合は、マルチフィルムが破れ、その
破片が引抜き搬送装置等に銜え込まれ、円滑な作動を害
したりしていた。本発明は、このような課題を解決する
ものであり、玉部をマルチフィルムごと引き抜くように
したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、畝
面に被されたマルチフィルムから茎葉部が突出して育成
された根茎作物の茎葉部を引抜き搬送装置で挟持してそ
の玉部を引き抜いて後斜め上方に搬送し、引抜き搬送装
置の下方に設けられた切断装置で茎葉部の根元を切断す
る根茎収穫機を用いて根茎作物を収穫するに、玉部を引
き抜いて搬送する際、少なくとも、切断装置の直下まで
は、マルチフィルムを玉部と一緒に持ち上げることを特
徴とする根茎収穫機における根茎作物の収穫方法を提供
するのである。
【0005】以上の手段により、即ち、収穫時、マルチ
フィルムを破って玉部のみを引き抜くのではなく、玉部
を引き抜いて持ち上げるときにマルチフィルムも一緒に
切断装置の直下まで持ち上げるのであるから、マルチフ
ィルムを押え付けておく機構は必要ないし、又、マルチ
フィルムが破られてその破片が引抜き搬送装置に銜え込
まれてトラブルを起こすといった事態も生じない。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図13を参照して、
本発明の一実施例を説明する。図1〜図4において、1
は機体の最前部に左右方向の一定間隔毎に設けた縦回し
形の分草引起こし装置である。この引起こし装置1は、
機体の進行中、図5に示す斜め上方f1へ移動される係
止突起1aにより玉葱などの作物wの茎葉部w1を掻き
分けて引き起こすようになしてある。
【0007】各分草引起こし装置1の先端からは、分草
棒2が斜め前方下向きへ延出させてある。この分草棒2
は、機体の進行中、作物wの茎葉部w1を掻き分けるも
のである。
【0008】3は左右一対の掻込み要部4、4からなる
掻込み装置で、各掻込み要部4の係止突起4aを掻込み
装置3の先端部外方から中央個所へ向けて周回移動さ
せ、続いて斜め上方へ移動させることにより、引起こし
装置1の引き起こした茎葉部w1を掻込み装置3の下部
中央へ掻き込んで図5に示す斜め上方f2へ押し上げる
ものとなしてある。
【0009】5は左右一対の引抜き搬送要部6、6から
なる引抜き搬送装置である。各引抜き搬送要部6は図6
に示す複数のプーリ6a、6bに引抜き搬送ベルト7を
掛け回して形成したものである。これら要部6、6の搬
送ベルト7、7は対向させて配置し、ベルト7、7間を
引き抜き搬送経路kとなす。
【0010】この引抜き搬送装置5は、掻込み装置3の
掻き込んだ茎葉部w1の比較的上部を引抜き搬送経路k
の搬送始端に受け取り、続いて引抜き搬送装置5で挟持
して図5に示す斜め上方f3へ搬送し、この搬送過程
で、この引抜き搬送装置5の搬送始端部近傍に設けられ
た図2等に示す掘起こし刃8、8により掘り起された畝
面Uの作物wを土中から引き抜くようになしてある。こ
の際、各掘起こし刃8は図3〜図5、図11及び図12
に示すように機体の固定部板材KOに係着された横向き
のピン部材81を介しこれを中心として揺動自在に装着
され、後述する機構により前後へ揺動されるものとなさ
れている。
【0011】引抜き搬送ベルト7、7の下方には図3等
に示すように根茎後向き搬送装置である下部搬送装置9
が設けてある。この下部搬送装置9は図7に示すように
左右一対の下部搬送要部10、10からなり、これの前
後傾斜は引抜き搬送装置5のそれよりも緩やかにしてあ
る。各下部搬送要部10は板フレーム101を介して設
けられた前後一対の端部プーリ11、12に下部搬送ベ
ルト13を掛け回して形成する。このさい、一対の下部
搬送ベルト13、13は対向させ、これらベルト13、
13間を茎葉部w1の下部の搬送経路k1となす。
【0012】図5等に示すように引抜き搬送装置5と下
部搬送装置9の間には切断装置14が設けてあり、この
切断装置14は動力で回転される図示しない出力軸に円
盤形の回転切り刃140を固定したものとなしてある。
この切断装置14は固定高さ位置を変更させ得るように
装設するのであって、具体的には引抜き搬送装置5の下
部近傍に沿って位置変更調整自在となしてある。
【0013】図4及び図5等に示すように引抜き搬送装
置5の下方で、しかも下部搬送装置9に後述する位置に
は整列用搬送装置15が設けてある。この整列用搬送装
置15は次のようになされている。
【0014】即ち、図7及び図8に示すように、下部搬
送装置9と同体に固定された伝動ケース151を備えて
いる。そして、この伝動ケース151から延出された横
向き入力軸152に概ね縦向きの第一プーリ16が固定
してある。
【0015】一方では、横向き入力軸152にこれの廻
りへ揺動自在となされた図9に示す装置フレーム153
が装着してあり、この装置フレーム153の自由端部に
は、図示しないスプリングの弾力に抗して第一プーリ1
6側へ変位可能となされた概ね縦向きの第二プーリ17
が軸着してある。そして、これらプーリ16、17に無
端状の搬送ベルト18が掛け回してある。
【0016】又、二つのプーリ16、17の間となる装
置フレーム153部分からは特定方向への位置変更可能
に支持アーム154が延出させてあり、この支持アーム
154の先部に搬送ベルト18を内方から外方へ押圧す
るための中間プーリ155が軸着してある。そして搬送
ベルト18は横向き入力軸152が回転されることで、
その下側張り部18aが後方の下向きf4へ移動するも
のとなしてある。
【0017】前記下側張り部18aの下部近傍にはこの
張り部18aを左右から挟むように二本の挟持案内杆2
3a、23bが配置してある。これら挟持案内杆23
a、23bの各々は図7及び図8に示すように第一プー
リ16側の端部を前下がり状に湾曲されると共にその下
側周面を二本の支持杆156、156で支持されてい
る。このさい、二本の支持杆156、156は図10に
示すように装置フレーム153から横向きへ延出させ、
続いて下向きへ湾曲させてその先端部を二本の挟持案内
杆23a、23bの下側に導くようになす。
【0018】図4及び図9において、157は上記整列
用搬送装置15を固定状に支持するための位置保持手段
である。この位置保持手段157は、装置フレーム15
3の第二プーリ17側個所から斜上向きへ延出された突
出片aと、この突出片aと長孔b1を介してボルト15
8結合させた中間片bと、機体の固定部である横向きフ
レーム159(図1及び図2等参照)から斜め下向きへ
延出させ且つ前記中間片bとボルト160結合させた支
持片cとからなっている。
【0019】図3、図4及び図5に示すように、整列用
搬送装置15と下部搬送装置9との前後間には横倒し継
送装置Yが設けてある。この横倒し継送装置Yは、図7
及び図8等に示すように下部搬送装置9の後部左側のプ
ーリ12と同体の回転中心軸20にスターホイール21
を固定すると共に、下部搬送装置9の後部左側のプーリ
12の下方に回転中心軸20廻りへ自在に回転される案
内ローラ22を設けた構成となしてある。
【0020】図7及び図8等において、231a、23
1bは一方の下部搬送要部10の板フレーム101に前
後方向の位置調整自在にボルト161止めした二本の支
持案内杆である。これら支持案内杆231a、231b
は案内ローラ22とプーリ12の間となる高さ個所に下
部搬送装置9の搬送経路k1と関連して配置すると共
に、前記挟持案内杆23a、23bの前端部と重合させ
て連続させた関係となしてある。
【0021】図1〜図4において、25は伝動ケース2
52等と同体に固定されたエンジン、26及び26は機
体に伝動ケース252廻りの上下調整可能に装着されて
いて機体全体を支持し得るものとした走行車輪、図3中
の27は引抜き搬送装置5にエンジン25の回転を伝達
するための駆動軸28を支持した軸受部、29は機体の
前部を適当高さに保持するためのゲイジ輪、30はゲイ
ジ輪29を機体に対し上下変位させるための回転操作ハ
ンドル、31は操縦ハンドル、32は左側の引き抜き搬
送要部6の上端内方から円弧方向の外側へ移送可能とし
た茎葉排出装置である。そして図1、図3及び図6にお
ける33はクランク33aを介して前後移動される連結
棒で、掘起こし刃8をピン部材81廻りへ振動させるた
めのものである。
【0022】上記エンジン25の動力伝達系統は次のよ
うに構成してある。即ち、図6に示すように、エンジン
25の回転を剛性伝動部材を介してミッションケース2
51内に伝達させ、次にミッションケース251から左
右へ張りださせた伝動ケース252及びファイナルケー
ス253を経て走行車輪26に伝達させる。
【0023】ミッションケース251の前部には前後方
向の伝動ケース254を設け、この伝動ケース254内
の作業出力軸255とミッションケース251内の剛性
伝動系統とを作業クラッチ256を介して結合させる。
伝動ケース254には横向きの駆動ケース257を連設
し、この駆動ケース257内の横向き駆動軸258と、
作業出力軸255とをベベルギヤ259を介して連動連
結させる。
【0024】横向き駆動軸258の左右各端部にはクラ
ンク33aを形成する。また横向き駆動軸258の中央
にはウオーム260を設け、これに噛み合わさせたウオ
ームホイール261を介して横向き駆動軸258と引抜
き搬送駆動軸28とを連動連結させる。
【0025】この駆動軸28は各引抜き搬送要部6、6
(図1)の後方のプーリ6aにチェーン伝動機構等を介
して結合させ、またプーリ6aの回転を搬送ベルト7を
介して伝達されるものとした前側のプーリ6bの回転中
心軸263を、掻込み装置3と下部搬送装置9の前側の
プーリ11とに連動連結させる。
【0026】横向き駆動ケース257の右端部からは前
向き伝動筒264を延出させ、この伝動筒264内の前
向き駆動軸265と横向き駆動軸258をベベルギヤ2
66を介して結合させ、また前向き駆動軸265と、引
起こし装置1を回転させるための上部スプロケット軸2
67とをベベルギヤ268を介して結合させる。
【0027】又、横向き駆動ケース257の最右端には
切断装置用伝動ケース269を固定状に設け、この伝動
ケース269の前端部の内方側の側面と切断装置14と
を伝動筒270で結合させ、伝動ケース269及び伝動
筒270内の後述する伝動部材を介して、横向き駆動軸
258と切断装置14の回転入力軸とを連動連結させて
いる。
【0028】上記伝動ケース269内の伝動構造は次の
ようになしてある。即ち、伝動ケース269の後端部
に、横向き駆動軸258とベベルギヤ266aを介して
結合されるスプロケット軸271を設け、一方では伝動
ケース269の前端部にスプロケット軸272を設け、
各スプロケット軸271、272に固定したスプロケッ
ト273、274間に無端状のチェーン275を掛け回
す。
【0029】又、上記伝動筒270内の伝動構造は次の
ようになしてある。即ち、スプロケット軸272と、切
断装置14の回転入力軸の各々に自在継ぎ手279、2
80の一端部を結合させ、この自在継ぎ手279、28
0の他端部間を剛性伝動軸281で結合する。このさ
い、剛性伝動軸281は図示しないスプライン嵌合等に
よる伸縮自在となす。
【0030】又、伝動筒270は両端に撓曲自在管を配
することにより自在継ぎ手279、280の位置で折れ
曲がり可能となしてある。
【0031】次に、本実施例の特徴的構成を説明する。
図1及び図2に示すように、各分草引起こし装置1の下
方先端部の側面で係止突起1aの移動軌跡近傍個所に横
向き支軸sが設けてあり、この支軸sを介してこの支軸
s廻りへ自由に回転するものとなされた回転切刃101
が設けてある。
【0032】この回転切刃101の外周縁は鋭利となす
のであり、例えば三角波形の刃を形成したり、或いは凹
凸のない単純な円弧状の刃等となす。そして、各回転切
刃101の最下部である土中切込み部を除いた部分は、
収穫される根茎と直接に接触するのを避けるためにカバ
ー部材102で包囲してある。
【0033】又、各掘起こし刃8の支持構造は、各掘起
こし刃8の機体に対する高さをピン部材81及び掘起こ
し刃8の人為力による押引き操作により変更調整可能と
した構成となすのであり、具体的には次のようになされ
ている。
【0034】即ち、図3、図4、図11及び図12に示
すように機体の固定部板材KOの外方面に筒部材801
がボルト802固定してあり、この筒部材801の内方
にはバネ受け板803が固着されている。バネ受け板8
03の中心孔にはピン部材81が挿通させてあり、この
ピン部材81は外方端に横張出部である四角枠状の把持
部804を有している。この把持部804は筒部材80
1の外方端部の対向個所に形成された嵌入溝mに挿入さ
れる。
【0035】筒部材801の内方となるピン部材81個
所には圧縮状のスプリング805が装着してあり、この
スプリング805の一端はバネ受け板803に支持さ
せ、他端はピン部材81に外嵌したリング板806に支
持させてある。この際、807はピン部材81の透孔に
嵌挿された係止ピンで、リング板806の位置をピン部
材81上の一定位置に保持するためのものである。
【0036】一方、前記固定部板材KOの内方面には掘
起こし刃8を上下移動可能に取り囲み且つ平面視でコ形
となされた板部材808を固着することにより案内部が
形成してある。この際、固定部板材KO及び板部材80
8の特定個所にはピン孔h1、h2が対設される。又、
掘起こし刃8の上下方向個所には前記ピン孔h1、h2
に関連した複数のピン孔h3が形成してある。
【0037】上記ピン部材81の先部は、把持部804
が嵌入溝mに挿入されたとき、固定部板材KO等のピン
孔h1、h2と、掘起こし刃8のピン孔h3のうちの任
意な一つとに挿通され、又、把持部804が仮想線nで
示すように筒部材801の外方端面g上まで移動された
とき、それらピン孔h1、h2、h3から抜き出される
ように関連させてある。
【0038】次に、上記のように構成した収穫機でマル
チ栽培された玉葱wを収穫する際の作動を説明する。図
1〜図4に示すように、機体を畝面の長手方向に沿わせ
て配置すると共に、左右の走行車輪26、26を畝面U
左右の溝内に位置させる。
【0039】この状態の下で、機体全体の高さが畝面U
に対し適当でないと判断したときは、走行車輪26及び
ファイナルケース253を伝動ケース252廻りへ適当
量だけ上方又は下方揺動させて固定させる。
【0040】次に、回転操作ハンドル30を必要に応じ
操作してゲイジ輪29を上方又は下方へ変位させ、分草
引起こし装置1、掻込み装置3及び引抜き搬送装置5を
玉葱wの引抜き処理に最適な高さとする。これにより、
機体は走行車輪26、26とゲイジ輪29で一定高さに
安定的に支持された状態となり、又、各回転切刃101
の最下部は畝面を切り込んだ状態となる。この後、整列
用搬送装置15の搬送終端p1(図4参照)の高さを適
当に設定する。
【0041】又、必要に応じて、左右の掘起こし刃8、
8の機体に対する高さを次のように調整する。即ち、ピ
ン部材81の把持部804を持ち、スプリング805の
弾力に抗して外方f5へ引き出し、更に、ピン部材81
をこれの中心廻りへ回動させ、把持部804を図12に
仮想線nで示すように筒部材801の外方端面g上に係
止させる。これにより、ピン部材81の先部は掘起こし
刃8のピン孔h3から抜き出され、掘起こし刃8は案内
部(板部材808)の案内孔内を自由に上下変位される
状態となる。
【0042】次に、掘起こし板8を手で持って適当距離
だけ上下移動させ、一方では把持部804を嵌合溝m内
に位置させる。そして、機体の固定部板材KO及び板部
材808のピン孔h1、h2と、掘起こし板8のピン孔
h3とが合致したとき、ピン部材81はこれらのピン孔
h1、h2、h3に挿入され且つこの挿入状態をスプリ
ング805の弾力により保持される。
【0043】これらの準備が整った後に、各部を作動状
態として機体を図1に示す矢印方向f6へ走行させる。
これにより、各回転切刃101は土の摩擦抵抗により横
向き支軸s廻りへ回転されて図13Aに示すように土を
切り込みつつ進行し、この過程で図13Bに示すように
マルチフィルムmfの根茎植付条両側個所を切り込んで
切れ目pを入れるか若しくは連続的に切り離す。又、掘
起こし刃8、8はクランク33a及び連結棒33を介し
てピン部材81廻りの前後方向へ振動されて畝面Uを適
当深さで掘り起こし、これと同時に引抜き搬送装置5は
茎葉部w1の比較的上部を挟持して玉葱wを引き抜き、
後方の斜め上方f3へ搬送する。このように搬送される
玉葱wは自身の上方移動により図5に示すように、回転
切刃101により切り目の入れられたマルチフィルムm
fを切り離して収穫中の玉葱wの関係する条列のマルチ
フィルムmfを(或いは回転切刃101により切断分離
されたマルチフィルムmfでその玉葱wの関係する条列
のものを)下部搬送装置9の近傍まで持ち上げる。
【0044】上記のように上方へ搬送された玉葱wは茎
葉部w1の下部を下部搬送装置9の搬送始端に供給さ
れ、この後は下部搬送ベルト13、13がこの茎葉部w
1の下部を挟持し、ほぼ水平向きの後方へ搬送する。
【0045】そして、引抜き搬送装置5と下部搬送装置
9による搬送中、引抜き搬送装置5は茎葉部w1を上方
へ引張し、この一方では下部搬送装置9が下部搬送ベル
ト13、13を介して根側重量部である玉部w2を係止
してその上昇を阻止する。従って、下部搬送ベルト1
3、13は茎葉部w1の首部を挟持しつつ後方へ移動さ
せ、また引抜き搬送装置5は下部搬送装置9との間に位
置した茎葉部w1に引上げ力を付与してこれを緊張状態
となす。この際、玉部w2の上部が下部搬送ベルト1
3、13に擦れるようになるが、玉葱wと一緒に持ち上
げられたマルチフィルムmfが玉部w2と下部搬送ベル
ト13、13との間に存在し、玉部w2の擦れ傷を防止
するものとなる。
【0046】こうして下部搬送装置9等による茎葉部w
1の搬送が進行すると、この搬送過程で、切断装置14
の切り刃140が茎葉部w1を一定高さ位置で切り離す
のであり、このように処理された玉葱wはやがて横倒し
継送装置Yに達する。
【0047】この継送装置Yに達した茎葉部w1は下部
搬送装置9の搬送終点に達する前に図7に示す左側の下
部搬送ベルト13若しくは支持案内杆23a、23b
と、整列用搬送装置15の搬送ベルト18とで挟持され
て後方へ搬送され、この搬送過程において茎葉部w1に
スターホイール21による係止搬送作用が及ぶと共に玉
部w2に案内ローラ22(図8参照)による案内作用が
及ぶものとなる。この際、茎葉部w1はスターホイール
21の外周の円弧に沿って左側後方へ移動され、一方、
玉部w2は案内ローラ22の周面に接して後方へ円滑に
移動されるため、玉葱wは確実に横倒し姿勢となされ
る。
【0048】こうして横倒しされた茎葉部w1が整列用
搬送装置15の搬送始端p2において搬送ベルト18と
挟持案内杆23a、23bとで挟持された後は、搬送ベ
ルト18が茎葉部w1を図10に示すように挟持案内杆
23a、23bの上側周面に上方から押さえて特定向き
の横倒れ姿勢に保持したまま、後方の斜め下方f4へ搬
送するのである。この搬送中、茎葉部w1は二本の支持
棒156、156の湾曲された個所の内方を大きな抵抗
を受けることなく移動する。この際、長い支持棒15
6、156は挟持案内杆23a、23bの上下方向の弾
性変位を容易となし、茎葉部w1径の大小に拘わらず、
搬送ベルト18と挟持案内杆23a、23bとの挟持搬
送を的確に行わせるものとなる。
【0049】こうして玉部w2が整列用搬送装置15の
搬送終端に達したとき、整列用搬送装置は茎葉部w1を
解放し、玉葱wは畝面U上に落下する。この際、玉部w
2の落下距離は極めて小さいため、茎葉部w1は整列用
搬送装置15で保持された姿勢を変化されることなく畝
面Uに達する。
【0050】このような作動は機体の進行中に引き抜か
れた各玉葱wについて連続的に行われるのであり、従っ
て、収穫された玉葱wは機体の走行跡の畝面U上に正確
な特定向きの横倒れ姿勢となって整列される。
【0051】又、切断装置14で切り離された茎葉部w
1の先部は、引抜き搬送装置5により更に上方へ搬送さ
れた後、茎葉排出装置32により横方へ搬送され、機体
側方へ落下される。
【0052】更に、収穫作業以外において本発明に係る
収穫機を運搬車の荷台と地上との間に踏み板を掛け渡し
て積み降ろしするときとか、突起したコンクリートの存
在場所を通行するとき等のように、掘起こし刃8、8が
踏み板やコンクリートに衝突する恐れがあるようなとき
は、上記した操作により掘起こし刃8、8を機体に対し
大きく上昇させた状態にする。
【0053】
【発明の効果】以上、本発明は、根茎作物を収穫する
際、玉部を引き抜いて持ち上げるときにマルチフィルム
も一緒に下部搬送装置の直下まで持ち上げるのであるか
ら、玉部がマルチフィルムを破ってこれが引抜き搬送装
置に銜え込まれてトラブルを起こすといった事態がなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す収穫機の平面図であ
る。
【図2】前記収穫機の正面図である。
【図3】前記収穫機の右側面図である。
【図4】前記収穫機の左側面図である。
【図5】前記収穫機の側面視作動説明図である。
【図6】前記収穫機の動力伝達系統説明図である。
【図7】前記収穫機の一部を示す平面図である。
【図8】前記収穫機の一部を示す後面図である。
【図9】前記収穫機の一部を示す斜視図である。
【図10】前記収穫機の一部を示す断面図である。
【図11】前記収穫機の掘起こし刃の支持構造を示す平
面視断面図である。
【図12】前記支持構造の正面視断面図である。
【図13】前記収穫機の作用を示し、Aは正面視説明図
で、Bは平面視説明図である。
【符号の説明】
U 畝面 W 根茎(作物) W1 根茎の茎葉部 W2 根茎の玉部 mf マルチフィルム 5 引抜き搬送装置 14 切断装置 101回転切刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 章人 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−271231(JP,A) 特開 平9−121639(JP,A) 特開 平9−252621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 13/00 - 33/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畝面に被されたマルチフィルムから茎葉
    部が突出して育成された根茎作物の茎葉部を引抜き搬送
    装置で挟持してその玉部を引き抜いて後斜め上方に搬送
    し、引抜き搬送装置の下方に設けられた切断装置で茎葉
    部の根元を切断する根茎収穫機を用いて根茎作物を収穫
    するに、玉部を引き抜いて搬送する際、少なくとも、切
    断装置の直下までは、マルチフィルムを玉部と一緒に持
    ち上げることを特徴とする根茎収穫機における根茎作物
    の収穫方法。
  2. 【請求項2】 引抜き搬送装置の前方に回転切刃が設け
    られるものであり、回転切刃によってマルチフィルムの
    根茎作物植付条両側個所を切り込んで切れ目を入れるか
    若しくは連続的に切り離す請求項1に記載の根茎収穫機
    による根茎作物の収穫方法。
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